JP2014205262A - 液体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の小型化を図りつつ、霧状の液体を的確に回収することができる液体吐出装置を提供する。
【解決手段】液体を吐出する吐出口を有する液体吐出ヘッドを用いて、媒体における前記吐出口と対向する一方の面に液体を吐出する液体吐出装置であって、前記吐出口と対向する位置において前記媒体を所定の搬送方向へ搬送し、前記液体吐出ヘッドに対して前記搬送方向の上流側および下流側に位置して前記媒体の一方の面に接する部材を含む搬送手段と、前記媒体の一方の面との間に前記搬送方向の上流側の前記部材を挟むような位置に配置されており、導入口から導入された空気を、前記搬送方向の上流側から前記液体吐出ヘッドと前記媒体の一方の面との間へ導出する供給口を有する供給手段と、前記媒体の一方の面との間に前記搬送方向の下流側の前記部材を挟むような位置に配置されており、前記液体吐出ヘッドと前記媒体の一方の面との間の空気を、前記搬送方向の下流側にて吸引する吸引口を有する吸引手段と、を備える。
【選択図】図5
【解決手段】液体を吐出する吐出口を有する液体吐出ヘッドを用いて、媒体における前記吐出口と対向する一方の面に液体を吐出する液体吐出装置であって、前記吐出口と対向する位置において前記媒体を所定の搬送方向へ搬送し、前記液体吐出ヘッドに対して前記搬送方向の上流側および下流側に位置して前記媒体の一方の面に接する部材を含む搬送手段と、前記媒体の一方の面との間に前記搬送方向の上流側の前記部材を挟むような位置に配置されており、導入口から導入された空気を、前記搬送方向の上流側から前記液体吐出ヘッドと前記媒体の一方の面との間へ導出する供給口を有する供給手段と、前記媒体の一方の面との間に前記搬送方向の下流側の前記部材を挟むような位置に配置されており、前記液体吐出ヘッドと前記媒体の一方の面との間の空気を、前記搬送方向の下流側にて吸引する吸引口を有する吸引手段と、を備える。
【選択図】図5
Description
本発明は、例えば、インクを吐出可能なインクジェット記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置などとして、広く適用可能な液体吐出装置に関する。
インクなどの液体を吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット装置において、吐出口からインクを吐出する際にインク滴とともに細かい霧状のインクミストが発生してしまうことがある。
特許文献1には、複数のピンチローラ間に配置された複数のヘッドの吐出口に対して、搬送方向上流側から加湿された空気を供給し、搬送方向下流側であり且つ読取部よりも上流側にて、インクミストを含んだ空気を吸引する構成が開示されている。特許文献1の構成においては、読取部よりも搬送方向上流側にてインクミストを吸引することによって、読取部にインクミストが付着して、読取部の読取精度が低下することを防止している。
しかしながら、特許文献1の構成によると、複数のヘッドの全てに対して、搬送方向上流側から空気を供給し、搬送方向下流側にて複数のヘッドの吐出口から生じたインクミストを含む空気をまとめて吸引する。そうすると、搬送方向下流側に位置するヘッドまで空気が十分届かず、インクミストを的確に回収できないおそれがある。また、搬送方向上流側に位置するヘッドの吐出口から生じたインクミストが、それよりも下流側に位置するヘッドの吐出口に付着して、異なる色のインクが混ざり合い、画像品質の低下を引き起こすおそれがある。
本発明は上記課題に鑑みなされたものである。そして、その目的は装置の小型化を図りつつ、霧状の液体を的確に回収することができる液体吐出装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る液体吐出装置は、液体を吐出する吐出口を有する液体吐出ヘッドを用いて、媒体における前記吐出口と対向する一方の面に液体を吐出する液体吐出装置であって、前記吐出口と対向する位置において前記媒体を所定の搬送方向へ搬送し、前記液体吐出ヘッドに対して前記搬送方向の上流側および下流側に位置して前記媒体の一方の面に接する部材を含む搬送手段と、前記媒体の一方の面との間に前記搬送方向の上流側の前記部材を挟むような位置に配置されており、導入口から導入された空気を、前記搬送方向の上流側から前記液体吐出ヘッドと前記媒体の一方の面との間へ導出する供給口を有する供給手段と、前記媒体の一方の面との間に前記搬送方向の下流側の前記部材を挟むような位置に配置されており、前記液体吐出ヘッドと前記媒体の一方の面との間の空気を、前記搬送方向の下流側にて吸引する吸引口を有する吸引手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、装置の小型化を図りつつ、霧状の液体を的確に回収することができる液体吐出装置を提供することができる。
以下に図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(実施形態)
図1は液体吐出装置としてのインクジェット記録装置(以下「記録装置」という)50の内部構成を示す概略斜視図である。同図に示すように、記録装置50は、液体吐出ヘッドとしての複数の記録ヘッド1(1a、1b、1c)、および複数の搬送手段(ローラ対67、78a〜78d、89)などから構成されている。
図1は液体吐出装置としてのインクジェット記録装置(以下「記録装置」という)50の内部構成を示す概略斜視図である。同図に示すように、記録装置50は、液体吐出ヘッドとしての複数の記録ヘッド1(1a、1b、1c)、および複数の搬送手段(ローラ対67、78a〜78d、89)などから構成されている。
本実施形態において記録装置50は、シアンインク用の記録ヘッド1a、マゼンタインク用の記録ヘッド1b、およびイエローインク用の記録ヘッド1cの3つの記録ヘッド1を用いる。図1に示すように、各記録ヘッド1は記録媒体5の搬送方向(図中Y方向)に沿って、Y方向上流側から下流側へ記録ヘッド1a〜1cの順番に配置されている。
図示しないが、各記録ヘッド1には、記録媒体5の記録面(一方の面)と対向する面(吐出口面P)に、記録媒体5に向けてインクなどの液体を吐出する吐出口が複数設けられている。この複数の吐出口は、搬送方向と交差する方向である記録媒体5の幅方向(図中X方向)に沿って配列されて1つの吐出口列を構成している。本実施形態においては、X方向におけるこの1つの吐出口列の長さが、記録ヘッド1の最大記録幅となる。なお、本実施形態におけるインクの吐出方式は発熱抵抗素子(ヒータ)を用いる方式を採用する。
記録ヘッド1は不図示のインクチューブを介して不図示のインクタンクと接続されており、インクタンクから供給されたインクを吐出口から吐出する。本実施形態において記録ヘッド1とインクタンクとは別個のものであるが、記録ヘッド1とインクタンクとは一体として構成されてもよい。また、本実施形態において記録ヘッド1は、不図示のヘッドホルダに保持されている。
図1に示すように、記録ヘッド1に対してY方向上流側に、搬送手段の1つとしてメイン搬送ローラ6およびメインピンチローラ7により構成されたメインローラ対67が設けられている。また、記録ヘッド1に対してY方向下流側に、搬送手段の1つとしてサブ搬送ローラ8およびサブピンチローラ9により構成されたサブローラ対89が設けられている。不図示の制御部からの制御により、メイン搬送ローラ6およびサブ搬送ローラ8が回転し、この回転にメインピンチローラ7およびサブピンチローラ9が従動することにより、それぞれのローラ対の間に記録媒体5を挟持しながらこれを搬送する。
メインローラ対67と記録ヘッド1aとの間には、サブフィードローラ10aおよびピンチローラ17aにより構成されたフィードローラ対78aが配置されている。記録ヘッド1aと記録ヘッド1bとの間には、サブフィードローラ10bとピンチローラ17bとにより構成されたフィードローラ対78bが配置されている。
記録ヘッド1bと記録ヘッド1cとの間には、サブフィードローラ10cとピンチローラ17cとにより構成されたフィードローラ対78cが夫々配置されている。記録ヘッド1dとサブローラ対89との間には、サブフィードローラ10dおよびピンチローラ17dにより構成されたフィードローラ対78dが配置されている。
フィードローラ対78a〜78dは、記録媒体5が記録ヘッド1の吐出口面Pに近づき、記録媒体5に記録されたインクがすれたりすることなどを防止し、記録媒体5と記録ヘッド1の吐出口面Pとの間隔を一定にする。
ピンチローラ17a〜17d(部材)はピンチローラベース11a〜11d(支持部材)に回動自在に取り付けられており、ピンチローラベース11a〜11dに支持されている。なお、本実施形態においてピンチローラ17a〜17dは、ピンチローラベース11a〜11dにそれぞれ2つずつ取り付けられている。
図1に示すように、各ピンチローラベースは、ピンチローラの取り付け部に近い位置から順に、吸引用ベース12および供給用ベース13が重ねて構成されている。X方向における吸引用ベース12の長さは供給用ベース13の長さよりも長く、両者を重ね合わせた際にX方向の両端部に段差ができるようになっている。
同図に示すように、ピンチローラベース11a以外のピンチローラベースには、吸引用ベース12のX方向の両端部に吸引用チューブ15が接続されている。各供給用ベース13のX方向の両端部に供給用チューブ16が接続されている。ピンチローラベースおよびピンチローラなどの構成について詳細は、図3(a)、(b)および図4を参照して後述する。
図2は記録ヘッド1の吐出口面とは反対側から見た記録装置50の内部構成を示す平面図である。同図に示すように、本実施形態においては、メインピンチローラ7とサブピンチローラ9との間に、4つのピンチローラベースと3つの記録ヘッドとが交互に配置されている。図2に示すように、本実施形態においては、複数の記録ヘッドに対して搬送方向上流側および下流側に、および隣接する記録ヘッド間に、ピンチローラベースが配置されている。
図2に示す線IIIa‐IIIaに沿った面は図3(a)にて、線IIIb‐IIIbに沿った面は図3(b)にて、線IV‐IVに沿った面は図4にて、線V‐Vに沿った面は図5(a)にて、線VI‐VIに沿った面は図6(a)にて、それぞれ説明する。
図3(a)は図2に示す線IIIa−IIIaに沿った面を示す断面図であり、図3(b)は図2に示す線IIIb−IIIbに沿った面を示す断面図である。同図(a)はピンチローラベース11bのY方向下流側の側面を示しており、同図(b)はピンチローラベース11bのY方向上流側の側面を示している。図3(a)においては加湿された空気を供給する状態を、図3(b)においては空気などを吸引する状態を、それぞれ説明する。
図3(a)および(b)に示すように、ピンチローラベース11bにはX方向に沿って2つのピンチローラ17bが取り付けられている。ピンチローラ17bは、その両端部の軸がピンチローラベース11bのピンチローラ軸受18とそれぞれ係合することによって、回転可能にピンチローラベース11bに取り付けられている。
図3(a)に示すように、ピンチローラベース11bには2つピンチローラ17bとそれぞれ対向する面に供給口23が設けられており、2つの供給口23と供給用ベース13との間には供給用ダクト22がそれぞれ設けられている。また、ピンチローラ軸受18が設けられている面を1つの面とする供給口25が4つ設けられている。供給口25と供給用ベース13との間には供給用ダクト24がそれぞれ設けられている。2つのピンチローラ17bの間の略中間地点には供給口27が設けられており、供給口27と供給用ベース13との間には供給用ダクト26が設けられている。
図3(a)に示すように、X方向において、ピンチローラベース11bに供給口23、供給口25、および供給口27が設けられている範囲は、記録媒体5の幅よりもやや広い範囲である。なお、図3(a)に示す矢印B1は供給口23から供給される空気を、矢印B2は供給口25から供給される空気を、矢印B3は供給口27から供給される空気を、夫々示している。
図3(b)に示すように、ピンチローラベース11bの側面をY方向上流側から見ると、ピンチローラベース11bに記録ヘッド1bの記録幅(X方向における長さ)と略同じ長さを有する吸引口21が設けられている。この吸引口21と吸引用ベース12との間には吸引用ダクト20が設けられている。なお、同図(b)に示す矢印A1は、吸引口21に吸引される空気の流れを示している。
図4は図2の線IV‐IVに沿った面を示す断面図であり、ピンチローラベース11bおよびその周辺の構成を示している。同図に示すように、ピンチローラベース11bを構成する吸引用ベース12および供給用ベース13は、その内部が中空の構造となっている。
また、図4に示すように、記録装置50は供給部30(供給源)と吸引部32とを備えている。供給部30は加湿部31を備えており、供給用チューブ16へ加湿された空気を供給する。本実施形態において加湿部31は、水分を蒸発させて加湿する気化式の加湿方法を用いる。本実施形態においては、吸水性が比較的高く且つ回転可能な物体を、水分を吸収させながら回転させ、空気にふれさせることによって、空気を加湿する。
吸引部32は、吸引用チューブ15を介して、供給部30から吐出口面Pと記録媒体5との間に供給された空気とともにインクミスト(霧状の液体)を吸引する。インクミストを含んだ空気のうちインクミストは吸引部32の不図示のフィルタ(回収部材)にて回収され、空気はフィルタを通過して吸引される。
本実施形態において供給部30は例えばファンなどを用い、吸引部32は例えばポンプなどを用いる。送風動作が開始されると、供給部30の内部にて加湿された空気が加圧され、この空気は供給用チューブ16を介して、ピンチローラベースの導入口へ導入され、ピンチローラベースの供給口から導出される。吸引動作が開始されると、吸引部32の内部は外部よりも圧力が低い状態となり、これに接続する吸引用ベース、吸引用チューブ15の内部に空気およびインクミストを集め、吸引部32にインクミストを含んだ空気を吸引するようになっている。
本実施形態においては、供給用ベース13の内部が中空構造となっているので、供給部30から供給される空気を供給用ベース13の内部にて滞留させることによって、圧力変動を抑えて、供給口から空気を安定的に供給することができる。
また、図4に示すように、ピンチローラ17bはサブフィードローラ10bに対して、ピンチローラバネ19によって、付勢されている。ピンチローラ17bとサブフィードローラ10bとは、その間に記録媒体5を挟持している。
図5(a)は図2の線V‐Vに沿った面を示す断面図であり、記録装置50の記録媒体5の搬送方向に沿った断面を示している。図5(a)に示すように、メインローラ対67とサブローラ対89との間には、フィードローラ対78a〜78dおよび記録ヘッド1a〜1cが交互に配置されている。
本実施形態においては、1つの記録ヘッドに対してY方向上流側から空気を供給し、Y方向下流側から空気およびインクミストを吸引する。したがって、それよりもY方向上流側に記録ヘッドが配置されていないピンチローラベース11aはインクミストなどの吸引に用いられない。そのため、図5(a)に示すように吸引用ベース12aは中実の構造となっており、図1を参照して説明したようにピンチローラベース11aには吸引用チューブが接続されていない。
他方、それよりもY方向下流側に記録ヘッドが配置されていないピンチローラベース11dは記録ヘッドの吐出口面の加湿には用いられない。そのため、図5(a)に示すピンチローラベース11dのピンチローラ17dに対応する部分には供給口が設けられていない。しかし、詳細は後述するが、図6(a)に示すように、ピンチローラ17dが設けられていない位置において、Y方向下流側に向かう空気の流れを防止するために、ピンチローラベース11dからも空気が供給される。
図5(b)は同図(a)の拡大図であり、記録ヘッド1a〜1cとこれらの間に配置されたピンチローラベース11b、11cを示している。同図(b)に示すように、吸引用ベース12の内部と吸引口21とを接続する吸引用ダクト20は、吸引口21付近において湾曲部21aを有している。記録ヘッド1の吐出口面Pと記録媒体5との間の空間に流れる空気およびインクミストは、吸引口21から、上記空間を離れる方向(図中Z方向)へ吸引用ダクト20に沿って、吸引される。
吸引用ダクト20に湾曲部21aが設けられているため、吸引されたインクミストが吸引用ダクト20の内壁などに付着して記録媒体5に向かう方向(図中−Z方向)へ戻るような動きをしたとしても、湾曲部21aにてインクミストを留めることができる。これにより、記録媒体5にインクミストが付着することを防止することができる。
なお、図5(a)および(b)は、ピンチローラ17が取り付けられている位置の断面を示しているので、供給口23はピンチローラ17に向かって開口しないようになっている。すなわち、図5(b)に示すように、ピンチローラ17と対向する面に設けられる供給口23の供給用ダクト22は、ピンチローラ17に加湿された空気を直接当てないために、供給口23付近に屈曲部23aを有している。したがって、供給部30から供給される空気は、供給用ベース13内を経て、記録媒体5に対して略垂直である供給用ダクト22内を略直進し、屈曲部23aにて方向を僅かに変更され供給口23から供給される。
図5(a)、(b)に示されるように、ピンチローラベース11bの供給口23からの空気は、記録ヘッド1bの側面に当たり、その側面に沿って記録媒体5に向かう。そして、この空気は記録媒体5に当たり、その進行方向を変更させられ、ピンチローラ17bの存在によってY方向上流側に向かうことを妨げられ、記録媒体5の搬送に伴う空気の流れにのる。
この空気は、Y方向下流側へ向かい、吐出口から生じたインクミストを、記録媒体5の搬送に伴って生じる空気の流れおよび吸引口21へ吸引される空気の流れにのせて、ピンチローラベース11cの方向へ向かう。そして、この空気は、ピンチローラ17cの存在によって、および吸引部32の吸引力によって、その進行方向を変更して、吸引口21にて吸引される。
図6(a)は図2の線VI‐VIに沿った面を示す断面図であり、1つのピンチローラベース11に取り付けられる2つのピンチローラ17の間の位置であり、ピンチローラ17が取り付けられていない位置の断面を示している。図6(b)は同図(a)の拡大図である。なお、図6(a)および(b)における空気を供給する側の構成、すなわち供給用ダクトおよび供給口以外の構成は、図5(a)および(b)における構成と同様であるので、説明を省略する。
図6(a)および(b)においては供給口27のみを図示しているが、図3に示す供給口25、27は、ピンチローラ17に対向する面以外に設けられているので、屈曲部を有しない。したがって、供給部30から供給される空気は、供給用ベース13内を経て、記録媒体5に対して略垂直である供給用ダクト26内を略直進し、その進行方向を変更せずに供給口27から供給される。
図6(a)および(b)に示すように、ピンチローラベース11bの供給口27からの空気は、記録媒体5に当たり、その進行方向を変更して、記録媒体5の搬送に伴う空気の流れにのって、Y方向上流側から吐出口面Pと記録媒体5との間の空間に供給される。そして、吐出口から生じたインクミストを巻き込み、Y方向下流側のピンチローラベース11cの吸引口21に吸引される。
上述のように、また、図6(a)に示すように、ピンチローラベース11dには他のピンチローラベースと同様に、供給用ダクト26および供給口27が設けられている。また、図示しないが、ピンチローラベース11dには、供給用ダクト24および供給口25も設けられている。Y方向最下流側に位置するピンチローラベースのピンチローラが設けられていない空間からも空気を供給することによって、空気の膜を形成し、吸引口にて空気が吸引される空気の流れを作ることができる。
なお、ピンチローラベース11dの供給口から供給される空気は、吐出口の乾燥を防止することを目的とするものではないので、加湿されていても加湿されていなくてもよい。
なお、図5(a)、(b)および図6(a)、(b)に示すように、本実施形態において、Z方向における吸引口21と記録媒体5との間隔がピンチローラの直径よりも広くなる位置に、吸引口21が設けられている。同様に、図5(a)および(b)に示すように、ピンチローラに対応する位置にある供給口23と記録媒体5との間隔がピンチローラの直径よりも広くなる位置に、供給口23が設けられている。他方、図6(a)および(b)に示すように、ピンチローラに対応しない位置にある供給口27と記録媒体5との間隔がピンチローラの直径よりも狭くなる位置に、供給口27が設けられている。
図7は図5(a)の線VII‐VIIに沿った面を示す図であり、記録装置50における空気の流れを示す平面図である。上述のように、また、図7に示すように、本実施形態においては、各記録ヘッドに対して、記録媒体の搬送方向上流側から加湿された空気B1〜B3を供給し、搬送方向下流側にてインクミストを含んだ空気A1を吸引する。本実施形態においては、この加湿された空気の供給口およびインクミストを含んだ空気の吸引口が、複数の記録ヘッドごとに設けられている。
したがって、本実施形態においては、複数の記録ヘッドごとに吐出口面の加湿、および吐出口面と記録媒体との間からのインクミストの回収ができる。これによって、全ての記録ヘッドの吐出口をそれぞれ加湿して、吐出口が乾燥することを防止することができる。また、搬送方向上流側の記録ヘッドの吐出口から生じたインクミストが、搬送方向下流側の記録ヘッドの吐出口面などに流入することを防止することができる。
また、本実施形態においては、ピンチローラベースに供給口と吸引口とを設けることによって、記録ヘッド間の間隔が広くなることを抑制し、装置の小型化を図ることができる。
なお、本実施形態において、供給される空気の量の割合は適宜調整することができる。例えば、どの位置に配置されている記録ヘッドに供給される空気かによって、その量の割合を調整してもよい。吸引される空気の量の割合も適宜調整することができる。
供給される空気の量、および吸引される空気などの量は、記録デューティ、記録媒体の種類、記録媒体のサイズ、インクなどの液体の種類、記録媒体の搬送速度などの条件に応じて、調整することができる。また、供給される空気は、加湿されていることに加えて、湿度や温度が一定に制御されていることがより好ましい。これにより、記録ヘッドと記録媒体との間の空間の湿度および温度を調整することができ、記録ヘッドの吐出口を吐出に最適な状態とすることもできる。
なお、本実施形態においては、吐出口からのインクの吐出開始とともに空気の供給および吸引を開始し、吐出口からのインクの吐出終了とともに空気の供給および吸引を終了する。しかし、吐出口からのインクの吐出開始前から空気の供給および吸引を開始してもよいし、吐出口からのインクの吐出の終了後も所定時間の経過後に空気の供給および吸引を終了してもよい。この所定時間は記録デューティなどの条件によって定めることができる。
(その他)
上記実施形態の図1においては、直方体の形状のピンチローラベースを図示したが、ピンチローラベースの形状は例えば円柱形状であってもよい。すなわち、ピンチローラベースの形状などは図示したものに限定されるものではない。
上記実施形態の図1においては、直方体の形状のピンチローラベースを図示したが、ピンチローラベースの形状は例えば円柱形状であってもよい。すなわち、ピンチローラベースの形状などは図示したものに限定されるものではない。
また、上記実施形態においては、記録媒体の幅よりもやや広い範囲に供給口が設けられ、記録ヘッドの最大記録幅と略等しい領域の全域に渡って吸引口が設けられている構成について説明した。しかしながら、供給口および吸引口が設けられる範囲は特に限定されるものではなく、記録媒体の幅と略等しくてもよいし、記録ヘッドの最大記録幅よりも広くてもよい。
また、上記実施形態においては、各ピンチローラベースに6つの供給口および1つの吸引口が設けられている構成について説明したが、供給口および吸引口の個数はこの個数に限定されるものではない。また、各供給口および各吸引口は、複数の開口を有するスリット状の形態であってもよい。
なお、上記実施形態においては、吸引口と記録媒体との間隔がピンチローラの直径よりも広くなる位置に吸引口が設けられている。また、上記実施形態においては、ピンチローラに対応しない位置にある供給口と記録媒体との間隔がピンチローラの直径よりも狭くなる位置に、ピンチローラに対応しない位置にある供給口が設けられている。
しかしながら、吸引口およびピンチローラに対応しない位置に配置される供給口が設けられる位置はこれに限定されるものではない。例えば、記録媒体に対して、ピンチローラの記録媒体に接する面とは反対の面の位置よりも近い位置に吸引口が設けられていてもよい。また、記録媒体に対して、ピンチローラの記録媒体に接する面とは反対の面の位置よりも遠い位置に、ピンチローラに対応しない位置にある供給口が設けられていてもよい。
上記実施形態においては、シアン、マゼンタ、およびイエローの3色のインクに対応する3つの記録ヘッドを用いる構成について説明したが、インク色の数および記録ヘッドの個数はこの数に限定されるものではない。すなわち、インク色の数および記録ヘッドの個数は上記以上の個数であってもよいし、それ未満の個数であってもよい。記録ヘッドの個数を変更する場合は、それに応じて供給口および吸引口を有するピンチローラベースの数を変更することができる。
上記実施形態においては、複数の記録ヘッドごとに加湿された気体を供給してインクミストを吸引する構成について説明したが、本発明は1つの記録ヘッドに対しても適用することができる。この場合も、1つの記録ヘッドに対して上流側に位置するピンチローラベースに供給口を設け、1つの記録ヘッドに対して下流側に位置するピンチローラベースに吸引口を設けることによって、インクミストを的確に回収することができる。
また、上記実施形態においては、記録ヘッド1の吐出口面Pに記録媒体5の幅方向の全域に渡って吐出口が設けられ、1つの吐出口列を有する構成について説明した。しかし、記録ヘッド1の吐出口面Pには所定数の吐出口が設けられたチップが千鳥状に配置されていてもよい。
上記実施形態においては、発熱抵抗素子を用いるインクの吐出方式を用いる場合について説明した。本発明におけるインクの吐出方式は、この吐出方式以外にも、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、およびMicro Electro Mechanical Systems(MEMS)素子を用いた方式等を採用することができる。
また、加湿方法を気化式とする場合について説明したが、加湿方法にはそれ以外の方法を用いてもよい。例えば、水噴霧式、蒸気式などの方法を用いてもよい。また、気化の方法についても、上述したような回転式のほか、透湿膜式、滴下浸透式、毛細管式などを用いてもよい。水噴霧式としては、超音波式、遠心式、高圧スプレー式、2流体噴霧式などがある。蒸気式としては、蒸気配管式、電熱式、電極式などがある。
本発明は、記録媒体に各種処理(記録、加工、塗布、照射、読取、検査など)を施すインクジェット記録装置に適用できる。また、記録媒体には、紙、プラスチック、フィルム、繊維、金属、基板など、材質を問わずに、インクジェット記録装置によって各種処理が施される媒体が含まれる。
また、本発明の液体吐出装置は、インクジェット記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置の他、種々の処理液や薬剤などを処理部材に付与するための装置として、広く適用することができる。
1a〜1c 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
12 吸引用ベース(吸引手段)
13 供給用ベース(供給手段)
23、25、27 供給口
21 吸引口
17a〜17d ピンチローラ(部材)
50 記録装置(液体吐出装置)
12 吸引用ベース(吸引手段)
13 供給用ベース(供給手段)
23、25、27 供給口
21 吸引口
17a〜17d ピンチローラ(部材)
50 記録装置(液体吐出装置)
Claims (26)
- 液体を吐出する吐出口を有する液体吐出ヘッドを用いて、媒体における前記吐出口と対向する一方の面に液体を吐出する液体吐出装置であって、
前記吐出口と対向する位置において前記媒体を所定の搬送方向へ搬送し、前記液体吐出ヘッドに対して前記搬送方向の上流側および下流側に位置して前記媒体の一方の面に接する部材を含む搬送手段と、
前記媒体の一方の面との間に前記搬送方向の上流側の前記部材を挟むような位置に配置されており、導入口から導入された空気を、前記搬送方向の上流側から前記液体吐出ヘッドと前記媒体の一方の面との間へ導出する供給口を有する供給手段と、
前記媒体の一方の面との間に前記搬送方向の下流側の前記部材を挟むような位置に配置されており、前記液体吐出ヘッドと前記媒体の一方の面との間の空気を、前記搬送方向の下流側にて吸引する吸引口を有する吸引手段と、
を備えることを特徴とする液体吐出装置。 - 前記供給手段は、前記搬送方向の上流側の前記部材を支持する支持部材に備わることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
- 前記吸引手段は、前記搬送方向の下流側の前記部材を支持する支持部材に備わることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出装置。
- 前記液体吐出ヘッドは、前記搬送方向において隣接する第1液体吐出ヘッドおよび第2液体吐出ヘッドを含み、
前記供給手段は、前記第1液体吐出ヘッドの前記搬送方向の上流側に配置される第1供給手段および前記第2液体吐出ヘッドの前記搬送方向の上流側に配置される第2供給手段を含み、
前記吸引手段は、前記第1液体吐出ヘッドの前記搬送方向の下流側に配置される第1吸引手段および前記第2液体吐出ヘッドの前記搬送方向の下流側に配置される第2吸引手段を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。 - 前記第1供給手段は、前記第1液体吐出ヘッドの前記搬送方向の上流側に位置する前記部材を支持する支持部材に備わり、
前記第2吸引手段は、前記第2液体吐出ヘッドの前記搬送方向の下流側に位置する前記部材を支持する支持部材に備わり、
前記第1吸引手段および前記第2供給手段は、前記第1液体吐出ヘッドと前記第2液体吐出ヘッドとの間に位置する前記部材を支持する支持部材に備わることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。 - 前記部材は、前記媒体の一方の面とは反対の面に接するローラとの間に前記媒体を挟持するピンチローラであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記導入口から導入された空気は加湿されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記供給手段は複数の供給口を有し、当該複数の供給口には前記液体吐出ヘッドの側面に向かって開口している第1供給口が含まれることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記第1供給口は、前記媒体に対して、前記部材の前記媒体の一方の面に接する面とは反対の面の位置よりも遠い位置にあることを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置。
- 前記供給手段は、前記第1供給口に空気を導く第1ダクトを有しており、前記第1ダクトは屈曲部を有することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の液体吐出装置。
- 前記複数の供給口には、前記媒体の一方の面に向かって開口している第2供給口が含まれることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記第2供給口は、前記媒体に対して、前記部材の前記媒体の一方の面に接する面とは反対の面の位置よりも近い位置にあることを特徴とする請求項11に記載の液体吐出装置。
- 前記吸引手段は前記吸引口に吸引された空気を導くダクトを有しており、前記ダクトは湾曲部を有することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記吸引口は、前記媒体に対して、前記部材の前記媒体の一方の面に接する面とは反対の面の位置よりも遠い位置にあることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記吸引口は、前記媒体に対して、前記部材の前記媒体の一方の面に接する面とは反対の面の位置よりも近い位置にあることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記搬送方向と交差する方向において、前記供給手段における前記供給口が設けられている範囲、および前記吸引手段における前記吸引口が設けられている範囲は、前記液体吐出ヘッドにおける前記吐出口が設けられている範囲と等しいか、またはそれよりも広いことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記搬送方向と交差する方向において、前記供給手段における前記供給口が設けられている範囲、および前記吸引手段における前記吸引口が設けられている範囲は、前記液体吐出ヘッドにおける前記吐出口が設けられている範囲よりもやや狭いことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記供給手段から導出される空気の量は、記録デューティ、記録媒体の種類、記録媒体のサイズ、液体の種類、および記録媒体の搬送速度のうち、少なくとも1つの条件に応じて調整されることを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記吸引手段へ吸引される空気の量は、記録デューティ、記録媒体の種類、記録媒体のサイズ、液体の種類、および記録媒体の搬送速度のうち、少なくとも1つの条件に応じて調整されることを特徴とする請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記供給手段の前記導入口へ空気を導入する供給源をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記供給源は空気を一定の湿度に制御することを特徴とする請求項20に記載の液体吐出装置。
- 前記供給源は空気を一定の温度に制御することを特徴とする請求項20または請求項21に記載の液体吐出装置。
- 前記供給源は、前記吐出口からの液体の吐出の開始前から空気の供給を開始し、前記吐出口からの液体の吐出の終了後の所定時間の経過後に空気の供給を終了することを特徴とする請求項20から請求項22のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記吸引手段は、前記吐出口からの液体の吐出の開始前から空気の吸引を開始し、前記吐出口からの液体の吐出の終了後の所定時間の経過後に空気の吸引を終了することを特徴とする請求項1から請求項23のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記供給源および前記吸引手段は、前記吐出口からの液体の吐出の開始とともに空気の供給および吸引を開始し、前記吐出口からの液体の吐出の終了とともに空気の供給および吸引を終了することを特徴とする請求項20から請求項22のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記吸引手段には前記液体吐出ヘッドの吐出口から生じた霧状の液体を回収する回収部材が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項25のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
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JP2017177531A (ja) * | 2016-03-30 | 2017-10-05 | 理想科学工業株式会社 | インクジェット印刷装置 |
WO2023080096A1 (ja) * | 2021-11-08 | 2023-05-11 | 株式会社Screenホールディングス | インク吐出ヘッドおよびインクジェット印刷装置 |
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- 2013-04-11 JP JP2013082975A patent/JP2014205262A/ja active Pending
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