JP2014205137A - 分散剤及び固体粒子分散体 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体粒子の分散性に優れる分散剤を提供する。【解決手段】セクション(A)及びセクション(B)を含む共重合体を含有する分散剤であって、セクション(A)が構成モノマーとしてビニルピロリドンを含有するものとする分散剤である。上記セクション(B)は、構成モノマーとして、α−β不飽和カルボン酸などのビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体を含有することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、分散剤及び分散体組成物に関する。
分散媒に固体粒子を分散する技術は様々な産業分野で利用されている。例えば、塗料、印刷インキ、複写用トナー、プラスチック、顔料捺染剤、インクジェット記録用インキ、熱転写記録用インキ、カラーフィルター用レジスト、筆記具用インキ等の分野での顔料の分散は重要な基礎技術である。このような分散組成物を製造する際、固体粒子が凝集しやすいという問題点がある。凝集が起こると安定性の低下、最終製品の光沢、着色力、グロスの低下、色分かれなど好ましくない現象を生じることが知られている。従って、このような凝集を防止し、分散性を向上させるため、分散剤が使用される。
従来の分散剤としては、例えば、ポリエステルとポリアミンの反応生成物等が知られている(特許文献1〜3)。具体的には、ヒドロキシステアリン酸縮合物とポリエチレンイミンとの反応生成物や、ポリカプロラクトン系ポリエステル化合物とポリアリルアミンとの反応生成物などが開示されている。
特開平9−176511号公報 特開平7−207012号公報 特開平9−169821号公報
しかしながら、これらの分散剤は分散性が十分ではないため、固体粒子に対する使用量が多くなる。そのため、分散剤の使用量が増加し、これを使用する樹脂等の物性が低下するという問題がある。そこで、本発明は、固体粒子の分散性に優れる分散剤を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の分散剤は、化学構造が相互に異なるセクション(A)とセクション(B)とを少なくとも一つずつ含む共重合体を含有する分散剤であって、セクション(A)が、構成モノマーとしてビニルピロリドンを含有するものである。
上記セクション(B)は、構成モノマーとしてビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体を含有することが好ましい。ビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体は、α,β−不飽和カルボン酸及びその誘導体、α,β−不飽和ケトン、不飽和炭化水素化合物、シアノ基含有不飽和炭化水素化合物、ビニルエーテル化合物、ビニルエステル化合物、不飽和アルコール化合物、芳香族アルケニル化合物、並びに、炭素数7以上のN−ビニルアミン化合物から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
上記共重合体が、末端にジチオカルバメート基又はキサンタート基を有することが好ましい。
上記共重合体は、ビニルピロリドンを含有する単量体(a)を重合してセクション(A)を形成する工程と、ビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体を含有する単量体(b)を重合してセクション(B)を形成する工程とを有するリビングラジカル重合法により好適に形成することができる。
上記リビングラジカル重合法としては、可逆的付加開裂連鎖移動重合法が好ましい。
上記可逆的付加開裂連鎖移動重合法には、ジチオカルバミン酸エステル及びキサントゲン酸エステルから選ばれた少なくとも1種を連鎖移動剤として用いることができる。
上記セクション(A)は、ビニルピロリドンを50重量%以上含有する単量体(a)を重合してなることが好ましい。
上記セクション(B)は、上記ビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体を60重量%以上含有する単量体(b)を重合してなることが好ましい。
また、上記セクション(A)は、ビニルピロリドン5分子以上が単独重合してなることが好ましい。
上記共重合体中、上記セクション(A)の割合が3〜50重量%の範囲内であり、上記セクション(B)の割合が50〜97重量%の範囲内であることが好ましい。
本発明の固体粒子分散体は、上記本発明の分散剤により固体粒子を分散媒に分散させたものである。
本発明の固体粒子含有樹脂組成物は、上記本発明の分散剤、樹脂及び固体粒子を含有してなるものである。
本発明の表面処理固体粒子は、上記本発明の分散剤で処理したものである。
本発明の分散剤によれば、固体粒子の分散性に優れるという効果を奏する。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本発明に係る分散剤に用いられる共重合体は、構成モノマーとしてビニルピロリドンを含有するセクション(A)を含むものである。
上記セクション(A)は、構成モノマーとしてビニルピロリドンを50重量%以上含有することが好ましく、80重量%以上含有することがより好ましく、90重量%以上含有することがさらに好ましく、95重量%以上含有することが最も好ましい。上記範囲内とすることにより、固体粒子の分散性がより優れたものとなる。
また、セクション(A)におけるビニルピロリドンの重合数は5以上が好ましく、7以上がより好ましく、10以上がさらに好ましい。このようにビニルピロリドンが一定量以上連続して重合したブロック構造を有する共重合体をセクション(A)として用いることにより、分散性がより優れたものとなる。
上記セクション(A)は、数平均分子量が500以上であることが好ましく、1,000以上であることがより好ましい。また、1,000,000以下であることが好ましく、300,000以下であることがより好ましく、100,000以下であることがさらに好ましく、50,000以下であることが最も好ましい。上記範囲内とすることにより、固体粒子の分散性がより優れたものとなる。
上記共重合体における上記セクション(A)の含有量は、0.1重量%以上であることが好ましく、1重量%以上であることがより好ましく、3重量%以上であることがさらに好ましく、5重量%以上であることが最も好ましい。また、95重量%以下であることが好ましく、75重量%以下であることがより好ましく、50重量%以下であることがさらに好ましく、30重量%以下であることが最も好ましい。上記範囲内とすることにより、固体粒子の分散性がより優れたものとなる。
上記セクション(A)に使用可能な他の構成モノマーとしては、たとえば、後述するビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体などが挙げられる。
上記セクション(A)の構成モノマーに対する他のモノマーの含有量は、50重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましく、10重量%以下であることがさらに好ましく、5重量%以下であることが最も好ましい。上記範囲内とすることにより、固体粒子の分散性がより優れたものとなる。
次に、本発明に用いる共重合体のセクション(B)について説明する。
上記セクション(B)の構成モノマーとしては、ビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体を用いることができる。このようなビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、α,β−不飽和カルボン酸及びその誘導体、α,β−不飽和ケトン、不飽和炭化水素化合物、シアノ基含有不飽和炭化水素化合物、ビニルエーテル化合物、ビニルエステル化合物、不飽和アルコール化合物、芳香族アルケニル化合物、並びに、炭素数7以上のN−ビニルアミン化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。ここで、芳香族アルケニル化合物とは、アルケニル基で置換された芳香環を有する化合物である。また、N−アルケニルアミン化合物とは、窒素原子上にアルケニル基を有する化合物である。なお、上記セクション(B)に構成モノマーを2種以上用いる場合は、それらの構造はブロック構造であってもランダム構造であってもよい。
α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、けい皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トランス−2−ヘキサン酸などが挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
α,β−不飽和カルボン酸の誘導体としては、α,β−不飽和カルボン酸塩、α,β−不飽和カルボン酸無水物、α,β−不飽和カルボン酸クロリド、α,β−不飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和カルボン酸アミド、マレイミド化合物などが挙げられる。
α,β−不飽和カルボン酸塩としては、例えば、上記α,β−不飽和カルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸無水物としては、例えば、上記α,β−不飽和カルボン酸の無水物が挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸クロリドとしては、例えば、上記α,β−不飽和カルボン酸のカルボン酸クロライドが挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどが挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸アミドとしては、例
えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−(t−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、クロトンアミドなどが挙げられる。マレイミド化合物としては、例えば、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどが挙げられる。
α,β−不飽和ケトンとしては、例えば、イソプロピリデンアセトン、ジイソプロピリデンアセトン、2−シクロヘキセン−1−オン、2−シクロペンテン−1−オン、3−デセン−2−オン、3−メチル−3−ブテン−2−オン、メチルビニルケトン、3−ノネン−2−オン、3−オクテン−2−オンなどが挙げられる。
不飽和炭化水素化合物としては、例えば、エチレン、プロペン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン及び1−オクテンなどのアルケン、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,3−シクロヘプタジエン、1,3−シクロオクタジエン、2,5−ジメチル−2,4−ヘキサジエン及びクロロプレンなどの共役ジエンが挙げられる。
シアノ基含有不飽和炭化水素化合物としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−シアノエチルアクリロニトリルなどが挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、例えば、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル2−クロロエチルエーテル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、2,3−ジヒドロフラン、1,4−ジオキセン、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、イソプロペニルメチルエーテルなどが挙げられる。
ビニルエステル化合物としては、例えば、酢酸ビニル、酪酸ビニル、酢酸イソプロペニル、カプリン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが挙げられる。
不飽和アルコールとしては、例えば、アリルアルコール、けい皮アルコールなどが挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、4−ブチルスチレン、4−フェニルスチレン、4−フルオロスチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン、4−クロロスチレン、4−ブロモスチレン、4−ヨードスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−アミノスチレン、4−カルボキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−シアノメチルスチレン、4−クロロメチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−ニトロスチレン、4−スチレンスルホン酸ナトリウム、4−スチレンスルホン酸クロリド、4−ビニルフェニルボラン酸、α−メチルスチレン、トランス−β−メチルスチレン、2−メチル−1−フェニルプロペン、1−フェニル−1−シクロヘキセン、β−ブロモスチレン、β−スチレンスルホン酸ナトリウム、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−イソプロペニルナフタレン、1−ビニルイミダゾールなどの芳香族ビニル化合物が挙げられる。
炭素数7以上のN−ビニルアミン化合物としては、例えば、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルカルバゾールなどが挙げられる。
これらのうち、固体粒子の分散性に優れることから、α,β−不飽和カルボン酸及びその誘導体、シアノ基含有不飽和炭化水素化合物、並びに、ビニルエステル化合物が好ましい。
上記セクション(B)は、構成モノマーとしてビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体を60重量%以上含有することが好ましく、80重量%以上含有することがより好ましく、90重量%以上含有することがより好ましく、95重量%以上含有することがさらに好ましく、100重量%含有することが特に好ましい。上記範囲内とすることにより、固体粒子の分散性がより優れたものとなる。
上記セクション(B)は、数平均分子量が500以上であることが好ましく、1,000以上であることがより好ましい。また、1,000,000以下であることが好ましく、300,000以下であることがより好ましく、200,000以下であることがさらに好ましく、100,000以下であることが最も好ましい。上記範囲内とすることにより、固体粒子の分散性がより優れたものとなる。
上記共重合体における上記セクション(B)の含有量は、1重量%以上であることが好ましく、25重量%以上であることがより好ましく、50重量%以上であることがさらに好ましく、70重量%以上であることが最も好ましい。また、99.8重量%以下であることが好ましく、97重量%以下であることがより好ましく、95重量%以下であることがさらに好ましい。上記範囲内とすることにより、固体粒子の分散性がより優れたものとなる。
上記セクション(B)には、ビニルピロリドンが含まれていてもよいが、5分子以上連続して重合した部分は含まないものとする。
上記セクション(B)の構成モノマーにおける上記エチレン性不飽和炭化水素化合物の含有量は、40重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましく、10重量%以下であることがさらに好ましく、5重量%以下であることが最も好ましい。上記範囲内とすることにより、固体粒子の分散性がより優れたものとなる。
上記セクション(B)は、固体粒子の分散性がより優れることから、上記セクション(A)100重量部に対して、1重量部以上であることが好ましく、10重量部以上であることがより好ましく、100重量部以上であることがさらに好ましく、200重量部以上であることが最も好ましい。また、10000重量部以下であることが好ましく、5000重量部以下であることがより好ましく、3000重量部以下であることがさらに好ましい。
本発明で用いる共重合体は、上記セクション(A)と上記セクション(B)をそれぞれ少なくとも1つ含むものとする。すなわち、セクション(A)とセクション(B)が一つずつ直鎖状に結合したA−B構造のほか、A−B−A構造又はB−A−B構造、あるいはセクション(A)又は上記セクション(B)をさらに有する構造をとることもできる。
また、本発明に用いる共重合体は、本発明の目的に反しない範囲であれば、上記セクション(A)及び上記セクション(B)以外の構造単位を含有していてもよい。
本発明に用いる共重合体は、末端にジチオカルバメート基又はキサンタート基を有することが好ましい。
ジチオカルバメート基としては、例えば、N,N−ジメチルジチオカルバメート基、N,N−ジエチルジチオカルバメート基、N−メチル−N−フェニルジチオカルバメート基、N,N−ジフェニルジチオカルバメート基、N−メチル−N−(4−ピリジル)ジチオカルバメート基、N,N−ジ(4−ピリジル)ジチオカルバメート基などが挙げられる。また、キサンタート基としては、例えば、メチルキサンタート基、エチルキサンタート基、プロピルキサンタート基、フェニルキサンタート基などが挙げられる。これらのうち、末端にジチオカルバメート基を有する共重合体であることが好ましい。
本発明に用いる共重合体は、線状共重合体であることが好ましい。
本発明に用いる共重合体は、数平均分子量が1,000以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましい。また、2,000,000以下であることが好ましく、600,000以下であることがより好ましく、300,000以下であることがさらに好ましく、150,000以下であることが最も好ましい。上記範囲内とすることにより、固体粒子の分散性がより優れたものとなる。
本発明に用いる共重合体の製造方法は特に限定されず、ラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法など、従来公知の方法を用いることができる。
これらのうち、ラジカル重合法が好ましく、共重合体の製造がより容易であることから、原子移動ラジカル重合法(ATRP法)、可逆的付加開裂連鎖移動重合法(RAFT法)及びニトロキシドを介した重合法(NMP法)などのリビングラジカル重合法がより好ましく、可逆的付加開裂連鎖移動重合法(RAFT法)が特に好ましい。
可逆的付加開裂連鎖移動重合法(RAFT法)は、例えば、RAFT剤(連鎖移動剤)とラジカル重合開始剤の存在下、上記セクション(A)の構成モノマーの重合反応を行い、続いて、上記セクション(B)の構成モノマーの重合反応を行う方法が挙げられる。また、上記セクション(B)の構成モノマーの重合反応を行い、続いて、上記セクション(A)の構成モノマーの重合反応を行うこともできる。なお、セクション(A)及びセクション(B)の構成モノマーの重合反応率は特に限定されず、未反応の構成モノマーが残存していてもよい。この場合、精製等によって次の重合反応の前に未反応の構成モノマーを除去してもよく、未反応の構成モノマーが残存したまま次の重合反応を行ってもよい。
RAFT剤としては、例えば、ジチオカルバミン酸エステルやキサントゲン酸エステルが挙げられる。
ジチオカルバミン酸エステルとしては、例えば、シアノメチル−メチル(フェニル)カルバモジチオアート、シアノメチル−ジフェニルカルバモジチオアート、1−スクシンイミジル−4−シアノ−[N−メチル−N−(4−ピリジル)カルバモチオイルチオ]ペンタノアート、2−シアノプロパン−2−イル−N−メチル−N−(ピリジン−4−イル)カルバモジチオアート、シアノメチル−メチル−(4−ピリジル)カルバモジチオアート、メチル−2−プロピオネート−メチル−(4−ピリジル)カルバモジチオアート、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−(4−ピリジル)チウラムジスルフィドなどが挙げられる。
キサントゲン酸エステルとしては、例えば、キサントゲン酸−O−エチル−S−ベンジル、キサントゲン酸−O−エチル−S−シアノメチル、キサントゲン酸−O−エチル−S−(2−シアノプロプ−2−イル)などが挙げられる。
また、ラジカル重合開始剤としては、従来公知の化合物が使用でき、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ペルオキシ酢酸t−ブチル、ペルオキシ安息香酸t−ブチル、ペルオキシオクタン酸t−ブチル、ペルオキシネオデカン酸t−ブチル、ペルオキシイソ酪酸t−ブチル、過酸化ラウロイル、ペルオキシピバリン酸t−アミル、ペルオキシピバリン酸t−ブチル、過酸化ジクミル、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウムなどの過酸化水素類、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブテノニトリル)、4,4’−アゾビス(4−ペンタン酸)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(t−ブチルアゾ)−2−シアノプロパン、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(1,1)−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、二塩化2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、二塩化2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミド)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]及び2,2’−アゾビス(イソブチリルアミド)二水和物などのアゾ化合物、過硫酸塩(例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム及び過硫酸アンモニウムなど)と還元剤(例えば、メタ亜硫酸水素ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムなど)との組み合わせ、有機過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル及びクメンハイドロパーオキサイドなど)と3級アミン(例えば、ジメチルアニリン及びアニリンなど)との組み合わせ、有機過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル及びクメンハイドロパーオキサイドなど)と遷移金属化合物(例えば、コバルトナフテートなど)との組み合わせなどのレドックス系開始剤が挙げられる。
なお、本発明の共重合体の末端にジチオカルバメート基やキサンタート基を導入する方法は特に限定されないが、例えば、上記ジチオカルバミン酸エステルやキサントゲン酸エステルを用いたRAFT重合法を行うことにより得ることができる。
上記リビングラジカル重合を行う際の重合温度(液温)は、−20℃〜200℃が好ましく、40℃〜160℃がより好ましい。
反応溶液からの生成物の単離は、公知の方法で行うことができる。例えば、反応溶媒や未反応モノマーを除去し、不溶性の溶媒を用いて析出させることにより単離することができる。また、生成物の単離が不要である場合は、反応溶液をそのまま使用することも可能である。
なお、リビングラジカル重合法で得られた共重合体には、後処理としての化学反応を行って、官能基の変換等を行うことができ、本発明の結着剤に用いる共重合体は、そのような後処理が行われた共重合体も含むものとする。リビングラジカル重合法で得られた共重合体の後処理の例としては、酢酸ビニルなどに由来するエステル基を加水分解して水酸基に変換する反応、アクリル酸などに由来するカルボキシ基を、ポリエチレングリコールなどの水酸基含有化合物と脱水縮合してエステル化する反応、アクリル酸などに由来するカルボキシ基を、臭化アリルや臭化アルキルと反応させてエステル化する反応、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどに由来する水酸基を、臭化アリルや臭化アルキルと反応させてエーテル化する反応等が挙げられる。
上記した本発明の分散剤は、無機及び有機の双方の固体粒子の分散に使用することが
できる。具体的には、塗料、印刷インキ、複写用トナー、プラスチック、顔料捺染剤、イ
ンクジェット記録用インキ、熱転写記録用インキ、カラーフィルター用レジスト、筆記具
用インキ等の各分野で通常用いられる分散媒体中に、高濃度かつ低粘度で安定に固体粒子
を分散させることができる。
本発明の分散剤は、上記共重合体の他、公知の分散剤や分散助剤などを含有してもよい。このような分散剤としては、例えば、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系分散剤、ポリエチレングリコールジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪酸エステル系分散剤、脂肪酸変性ポリエステル系分散剤、アクリル系分散剤などを挙げることができる。また、分散助剤としては、例えば、銅フタロシアニン、ジケトピロロピロール、キノフタロンのスルホン酸誘導体等の顔料誘導体などが挙げられる。
本発明の分散剤により分散される固体粒子は特に限定されないが、無機粒子の例としては、カオリン、ケイ酸アルミニウム、クレー、タルク、マイカ、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、ケイ酸マグネシウム、アスベスト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、ジルコニア、マグネシア、アルミナ、三酸化アンチモン、酸化チタン、珪藻土、酸化鉄、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、チタン酸バリウム、カーボンブラック、黒鉛、鉄粉、銀粉、アルミ粉、銅粉、ニッケル粉、金粉等が挙げられる。有機粒子の例としては、アゾ系、ジアゾ系、縮合アゾ系、チオインジゴ系、インダンスロン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ベンゾイミダゾロン系、ペリレン系、フタロシアニン系、アントラピリジン系、ジオキサジン系等の有機顔料、澱粉、ポリエチレン樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ乳酸、固体パラフィン等が挙げられる。
分散媒としては、特に限定されないが、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタンなどの炭化水素系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ブチルエーテル、ブチルエチルエーテル、ジグライムなどのエーテル系溶媒、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、アミルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、p−t−ブチルベンジルアルコールなどのアルコール系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのアルキレングリコールのモノエーテル系溶剤の他、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒等の非水系溶媒が挙げられる。また、分散媒として水を用いることもできる。なお、これらの分散媒は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の分散剤の使用量は特に限定されないが、通常、固体粒子に対して1〜300重量%程度である。
本発明の分散剤を用いた場合の分散方法は特に限定されず、ボールミル、ビーズミル、サンドミル等の粉砕機を用いる公知の方法で分散することができる。
また、本発明の分散剤を用い、固体粒子、樹脂を含有し、さらに必要に応じて溶剤等を含有する、固体粒子含有樹脂組成物を調製することができる。この固体粒子含有樹脂組成物は、例えば塗料組成物又はインキ組成物等に使用することができる。固体粒子含有樹脂組成物に含有される樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル、ポリエチレン樹脂等、広範囲の樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。
固体粒子含有樹脂組成物の製造方法としては、本発明の分散剤と固体粒子、樹脂、溶剤、その他添加剤などと混練して直接固体粒子含有樹脂組成物を調整することもできるが、分散剤、固体粒子、分散媒を混練して固体粒子分散体を作った後に、これに樹脂を添加して固体粒子含有樹脂組成物とすることもできる。
また、本発明の分散剤と固体粒子、モノマー又は反応性基を有するオリゴマーを混練して分散させた後、これを重合して固体粒子含有樹脂組成物を作製することもできる。
さらに、本発明の分散剤により固体粒子の表面処理を行うことができる。処理方法としてはヘンシェルミキサー、ボールミル、アトマイザーコロイドミル、バンバリミキサー等を用いて固体粒子を攪拌しながら分散剤を添加して混合する乾式法、溶剤中で処理した後溶剤を除去する湿式法を用いることができる。このように本発明の分散剤で表面処理を行
うことにより、固体粒子の分散性を向上させ、凝集を防止することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載中、「部」は「重量部」を表し、「%」は「重量%」を表す。
[製造例1]
窒素導入管、温度計、還流管を取り付けた反応容器に、2−シアノプロパン−2−イル−N−メチル−N−(ピリジン−4−イル)カルバモジチオアート2重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部、p−トルエンスルホン酸一水和物1.7重量部、メチルメタクリレート650重量部及びアセトニトリル700重量部を仕込み、窒素吹き込みによる脱酸素を行い、70℃で16時間反応させることにより、ポリ(メチルメタクリレート)を得た(数平均分子量82,000、メチルメタクリレートの転化率98%)。
得られた反応溶液に、N,N−ジメチルアミノピリジン1.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1.5重量部及びN−ビニルピロリドン160重量部を投入し、窒素吹き込みによる脱酸素を行い、70℃で16時間反応させ、減圧下で溶媒を除去することにより、構成モノマーとしてビニルピロリドンを含有するセクション(A)と、構成モノマーとしてメチルメタクリレートを含有するセクション(B)とを有し、末端にN−メチル−N−(4−ピリジル)ジチオカルバメート基を有する共重合体を得た(数平均分子量101,000、N−ビニルピロリドン転化率90%)。
[製造例2〜7]
メチルメタクリレート650重量部を表1に記載のセクション(B)のモノマーに変更した以外は製造例1と同様の操作を行い、表1に記載の共重合体を得た。
[製造例8]
2−シアノプロパン−2−イル−N−メチル−N−(ピリジン−4−イル)カルバモジチオアートを10重量部とした以外は製造例1と同様の操作を行い、表1に記載の共重合体を得た。
[製造例9]
窒素導入管、温度計、還流管を取り付けた反応容器に、シアノメチル−N−メチル−N−フェニルジチオカルバマート1.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル2重量部、N−ビニルピロリドン160重量部及びアセトニトリル700重量部を仕込み、窒素吹き込みによる脱酸素を行い、70℃で16時間反応させることにより、ポリ(N−ビニルピロリドン)を得た(数平均分子量20,000、N−ビニルピロリドン転化率92%)。
得られた反応溶液に、アゾビスイソブチロニトリル1.5重量部及び酢酸ビニル650重量部を投入し、窒素吹き込みによる脱酸素を行い、70℃で16時間反応させ、減圧下で溶媒と残存モノマーを除去することにより、構成モノマーとしてビニルピロリドンを含有するセクション(A)と、構成モノマーとして酢酸ビニルを含有するセクション(B)とを有し、末端にN−メチル−N−フェニルジチオカルバメート基を有する共重合体を得た(数平均分子量95,000)。
[製造例10]
N−ビニルピロリドン160重量部に代えて、N−ビニルピロリドン140重量部と酢酸ビニル20重量部の混合物を用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、表1に記載の共重合体を得た。
[製造例11]
窒素導入管、温度計、還流管を取り付けた反応容器に、2−シアノプロパン−2−イル−N−メチル−N−(ピリジン−4−イル)カルバモジチオアート2重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部、p−トルエンスルホン酸一水和物1.7重量部、メチルメタクリレート350重量部及びアセトニトリル700重量部を仕込み、窒素吹き込みによる脱酸素を行い、70℃で16時間反応させた後、n−ブチルメタクリレート300重量部及びアゾビスイソブチロニトリル1重量部を投入し、窒素吹き込みによる脱酸素を行い、70℃で16時間反応させることにより、メチルメタクリレートとn−ブチルメタクリレートの共重合体を得た(数平均分子量84,000)。
得られた反応溶液に、N,N−ジメチルアミノピリジン1.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1.5重量部及びN−ビニルピロリドン160重量部を投入し、窒素吹き込みによる脱酸素を行い、70℃で16時間反応させ、減圧下で溶媒を除去することにより、構成モノマーとしてビニルピロリドンを含有するセクション(A)と、構成モノマーとしてメチルメタクリレート及びn−ブチルメタクリレートを含有するセクション(B)とを有し、末端にN−メチル−N−(4−ピリジル)ジチオカルバメート基を有する共重合体を得た(数平均分子量102,000)。
[製造例12]
窒素導入管、温度計、還流管を取り付けた反応容器に、アゾビスイソブチロニトリル5重量部、N−ビニルピロリドン160重量部、酢酸ビニル650重量部及びアセトニトリル700重量部を仕込み、窒素吹き込みによる脱酸素を行い、70℃で16時間反応させ、減圧下で溶媒を除去することにより、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとのランダム共重合体を得た(数平均分子量130,000)。
[製造例13]
窒素導入管、温度計、還流管を取り付けた反応容器に、2−シアノプロパン−2−イル−N−メチル−N−(ピリジン−4−イル)カルバモジチオアート2重量部、アゾビスイソブチロニトリル1重量部、p−トルエンスルホン酸一水和物1.7重量部、メチルメタクリレート650重量部及びアセトニトリル700重量部を仕込み、窒素吹き込みによる脱酸素を行い、70℃で16時間反応させることにより、ポリ(メチルメタクリレート)を得た(数平均分子量81,000)。
得られた反応溶液に、N,N−ジメチルアミノピリジン1.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル1.5重量部及び酢酸ビニル160重量部を投入し、窒素吹き込みによる脱酸素を行い、70℃で16時間反応させ、減圧下で溶媒を除去することにより、酢酸ビニルとメチルメタクリレートとの共重合体を得た(数平均分子量95,000)。
Figure 2014205137
<数平均分子量の測定方法>
共重合体及びその中間体の数平均分子量は、以下の装置・条件のGPC−MALLS)により測定した。なお、最初に製造するセクションは測定値を数平均分子量とし、2番目以降に製造するセクションは、製造前後の数平均分子量の差を数平均分子量とした。
カラム:PLgel 5μm Mixed−C(7.5mmφ×300mm)2本(Polymer Laboratories社製)、移動相:リチウムクロライド(50mM)のジメチルホルムアミド溶液、流量:0.5mL/min、カラム温度:50℃、検出器:示差屈折計(昭和電工(株)製 RI−71)、多角度光散乱検出器(Wyatt Technology社製 DAWN EOS)。
[実施例1]
分散剤として製造例1で得られた共重合体4重量部、及びプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)84重量部とを混合し、均一溶液とした。ここに、C.I.ピグメントグリーン58を12重量部及び0.3mmジルコニアビーズを加え、ペイントシェーカーを用いて4分間攪拌し、下記の方法で分散性の評価を行った。結果を表2に示す。
(分散性の評価方法)
撹拌終了時の分散性を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
○:すべての固体粒子が液中に分散し、底部に沈澱が見られない。
×:底部に沈澱が見られる。
[実施例2〜17、比較例1〜3]
表2に示す原料及び配合量に変更した以外は実施例1と同様の操作及び評価を行った。結果を表2に示す。
なお、使用した原料は下記の通りである。
(分散剤1)
商品名「アジスパーPB−822」、味の素ファインテクノ株式会社製、高分子系
顔料分散剤、アミン価17mgKOH/g、酸価14mgKOH/g
Figure 2014205137
本発明の分散剤は、塗料、印刷インキ、複写用トナー、プラスチック、顔料捺染剤、インクジェット記録用インキ、熱転写記録用インキ、カラーフィルター用レジスト、筆記具用インキ等の分野で固体粒子を分散させる際、分散液中における固体粒子の凝集を防ぎ、安定な分散液を形成するのに極めて有効である。

Claims (14)

  1. 化学構造が相互に異なるセクション(A)とセクション(B)とを少なくとも一つずつ含む共重合体を含有する分散剤であって、
    前記セクション(A)が、構成モノマーとしてビニルピロリドンを含有することを特徴とする分散剤。
  2. 前記セクション(B)が、構成モノマーとしてビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体を含有することを特徴とする、請求項1に記載の分散剤。
  3. 前記ビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体が、α,β−不飽和カルボン酸及びその誘導体、α,β−不飽和ケトン、不飽和炭化水素化合物、シアノ基含有不飽和炭化水素化合物、ビニルエーテル化合物、ビニルエステル化合物、不飽和アルコール化合物、芳香族アルケニル化合物、及び、炭素数7以上のN−ビニルアミン化合物から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項2に記載の分散剤。
  4. 前記共重合体が、末端にジチオカルバメート基又はキサンタート基を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の分散剤。
  5. 前記共重合体が、ビニルピロリドンを含有する単量体(a)を重合してセクション(A)を形成する工程と、ビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体を含有する単量体(b)を重合してセクション(B)を形成する工程とを有するリビングラジカル重合法により形成された
    ことを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の分散剤。
  6. 前記リビングラジカル重合法が、可逆的付加開裂連鎖移動重合法であることを特徴とする、請求項5に記載の分散剤。
  7. 前記可逆的付加開裂連鎖移動重合法において、ジチオカルバミン酸エステル及びキサントゲン酸エステルから選ばれた少なくとも1種が連鎖移動剤として用いられたことを特徴とする、請求項6に記載の分散剤。
  8. 前記セクション(A)がビニルピロリドンを50重量%以上含有する単量体(a)を重合してなることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に記載の分散剤。
  9. 前記セクション(B)が前記ビニルピロリドン以外のエチレン性不飽和単量体を60重量%以上含有する単量体(b)を重合してなることを特徴とする、請求項5〜8のいずれか1項に記載の分散剤。
  10. 前記セクション(A)が、ビニルピロリドン5分子以上が単独重合してなることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の分散剤。
  11. 前記共重合体中、前記セクション(A)の割合が3〜50重量%の範囲内であり、前記セクション(B)の割合が50〜97重量%の範囲内であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の分散剤。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の分散剤により、固体粒子を分散させてなる固体粒子分散体。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の分散剤、樹脂及び固体粒子を含有してなる固体粒子含有樹脂組成物。
  14. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の分散剤で処理したことを特徴とする表面処理固体粒子。
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