JP2014205059A - 遅効性自己ゲル化アルギネートシステムおよびその用途 - Google Patents

遅効性自己ゲル化アルギネートシステムおよびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】ゲル化の過程において、形成されるゲルマトリクスの内部に細胞又は他の生体材料を供給するのに十分な時間を確保できる遅効性自己ゲル化アルギネートシステムの提供。
【解決手段】可溶性のアルギネートを含む水溶液中に不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を含む分散物であって、前記不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子が85%より多いGを有し、更にオリゴマーあたりのモノマーの平均数が15〜20である単離されたGブロックオリゴマーを含む分散物。前記不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子は、例えば、(i)アルギネート、ゲル化イオン及び水以外の極性溶媒を用いてアルギネートゲルを作る工程、(ii)アルギネート中に存在したゲルからナトリウム又は他のイオンを洗い流す工程、(iii)ゲルを乾燥して溶媒を除く工程、及び(iv)乾燥したゲルから粒子を作る工程を含む方法により生成することができる分散物。
【選択図】図1

Description

本発明は、遅効性ゲル化プロセスを有するアルギネートシステム、およびこのシステムを製造かつ使用する組成物、装置、キットおよび方法に関する。
アルギネートは、生理学的に関連のある温度で発達し硬化できる熱安定性ゲルを形成するユニークな能力を有する親水性の海洋性バイオポリマーである。アルギネートは、1−4グリコシド結合β−D−マンニュロン酸(M)残基およびα−L−グルロン酸(G)残基の非分枝二元コポリマーの群である。2つのウロン酸モノマーの相対的量およびそれらのポリマー鎖中の配列は、アルギネートの発生源に応じて広く変化する。アルギネートは、海洋性の褐藻例えばLaminaria hyperborea、Macrocystis pyrifera,Lessonia nigrescensおよびAscophyllum nodasumの構造ポリマーである。アルギネートは、また或る細菌例えばPseudomonas aeruginosa、Azotobacter vinelandiiおよびPseudomonas fluorescensにより生成される(特許文献1)。
アルギネートゲルは、2つの異なるアルギネートポリマーのそれぞれからのG残基の負に電荷した基とイオン結合を形成し、それにより2つのポリマーを架橋する。多数のアルギネートポリマー中の複数の架橋結合の形成は、アルギネートゲル構造であるマトリックスを生ずる。
アルギネートゲルは、ヒドロゲルであり、すなわち溶解することなく多量の水を含む架橋したアルギネートポリマーである。バイオポリマーゲル、例えばアルギネートヒドロゲルは組織工学および他の生物医学的用途にとり魅力的な基材である。このような性質および生理学的条件下でゲルを形成する能力のために、アルギネートは、内包的な目的に、そして生体構造の材料として広く使用されそして研究されている。アルギネートビーズ中の細胞の捕捉は、普通に使用される技術である。また、アルギネートは、組織工学的用途を含む他のタイプの生体構造物に、そして神経再生のための足場(スカホールド)として有用な材料であることが示されている。
アルギネートヒドロゲルを製造する種々の方法が存在する。最も普通な方法は、透析/拡散法であり、それではアルギネート溶液は、外側の貯槽からのゲル化イオンの拡散によりゲル化される。この方法は、アルギネートゲルビーズを作るときそして食品の製造時に、最もよく使用される。アルギネートミクロビーズの製造は、ゲル網状構造へのゲル化イオンの拡散により制限される早いプロセスである。このプロセスは、ミクロビーズ中の細胞の捕捉に最も好適であるが、他の形状または構造の製造には役立たない。より大きなサイズのゲル構造の製造には、拡散ゲル化システムは、可能性を制限されるものと思われる。これは、早いゲル化プロセスがゲル構造の成形を可能にする時間を制限するからである。
ゲル化プロセスにおける遅効性は、ゲル形成前に、本体への溶液の注入を可能にする、および/またはゲルマトリックス中へ細胞または他の生体材料を混合するのに使用できる。そのため、別の方法が、他のタイプの生体適合性のアルギネートゲル構造の製造に開発されている。ゲル化速度は、ゲル化イオンが形成するゲルの内側で、より遅く放出される内部ゲル化システムを用いることによって、遅くできる。これは、ゲルの内部硬化とよばれる。通常、内部ゲル化システムにおいて、制限された溶解度を有するカルシウム塩または複合Ca2+イオンを、カルシウムイオンが徐々に放出されるアルギネート溶液と混合する。硫酸カルシウムが、組織工学のためのアルギネートに基づく細胞伝達に使用されている。カルシウムの放出およびゲル化反応の仕組みは、またpHに依存する溶解度をもつカルシウム塩の使用、および徐々に働く酸例えばD−グルコノ−δ−ラクトン(GDL)の添加によりコントロールできる。pHが変化すると、カルシウムイオンが放出される。また、カルシウム含有リポソームが、コントロール可能なアルギネートゲル化システムとして使用されている。内部ゲル化に基づくアルギネートゲルシステムは、カルシウムイオンがアルギネート溶液中へ拡散されてカルシウム飽和ゲルを生ずる場合、拡散システムとは反対に、ゲル化イオンの供給が、より限定かつ制限される。
WO04011628A1
アルギネートゲル構造を製造する種々の最近の方法は、壁に直面している。いくつかのやり方のみが、制限されたサイズおよび形状のゲルを作るのに役立つに過ぎない。用途に応じ、ゲル化反応の仕組みのコントロールを伴う問題が存在する。或る場合には、望ましくない物質がゲル中に存在する。それは、このような物質が、化学的にコントロールされたゲル化のメカニズムの残渣および副生物であるからである。また或る場合には、非生理学的pHがゲル化に要求され、このような条件は、このような方法を用いるのに制限となる。そのため、他のゲル化システムおよび形成が求められている。
本発明は、アルギネート溶液中の不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を含む分散物に関し、その分散物は、非ゲル化カチオンの添加なしに1分後に最終ゲルストレージモジュラスの10%より小さいストレージモジュラスを示す。
本発明は、さらに、アルギネートゲルを製造するキットに関する。キットは、可溶性のアルギネートを含む第1の容器、および不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を含む第2の容器からなる。
本発明は、さらに、アルギネートゲルを製造する組成物に関する。その組成物は、直ぐに溶けるアルギネートおよび不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を含む。
本発明は、さらに、遅効性自己ゲル化アルギネート分散物を処理する方法に関する。その方法は、可溶性のアルギネートの溶液中に不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子の分散物を形成し、そして分散物を処理し、それによりアルギネートゲルマトリックスを形成することを含む。
本発明は、さらに、遅効性自己ゲル化アルギネート分散物を個体へ供給する方法に関する。その方法は、可溶性のアルギネートの溶液中に不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子の分散物を形成し、そして分散物を個体へ供給し、それによりアルギネートゲルマトリックスを個体中に形成することを含む。
本発明は、さらに、組織バルキング(bulking)材料としての使用、血管塞栓法における使用、術後癒着形成への使用、創傷治療法における使用、糖尿病の治療における使用および関節炎の治療における使用のために、遅効性自己ゲル化アルギネート分散物を個体へ供給する方法に関する。
本発明は、さらに、移植可能なアルギネートゲルを用いる方法に関する。その方法は、遅効性自己ゲル化アルギネート分散物を供給することにより遅効性自己ゲル化アルギネートを形成し、ゲルを形成後、移植可能なアルギネートゲルを個体へ移植することを含む。
本発明は、さらに、移植可能な装置の製法に関する。
本発明は、さらに、均質なアルギネートゲルコーティングを含む移植可能な装置、およびそれを被覆する方法に関する。
本発明は、個体の身体中に軟骨細胞を含む遅効性自己ゲル化アルギネート分散物を供給することにより、または個体の身体中に軟骨細胞を含む生体適合性マトリックスを移植することにより、骨関節炎から生ずる骨軟骨欠陥を満たすまたは修復する方法に関する。
本発明は、さらに、個体の身体中にインスリン生成細胞または多細胞凝集物を含む遅効性自己ゲル化アルギネート分散物を供給することにより、或いは個体の身体中にインスリン生成細胞または多細胞凝集物を含む生体適合性マトリックスを移植することにより、糖尿病を治療する方法に関する。
本発明は、さらに、遅効性自己ゲル化アルギネート分散物中へ膵島または細胞凝集物または組織を組み込むことにより、単離後並びにストレージ中および輸送中、膵島または他の細胞凝集物または組織の生存性を改善する方法に関する。
本発明は、さらに、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子およびその製法に関する。
処方3,17および19におけるゲル構造の発達を示す。図において、時間は2つの成分の混合開始において零である。 異なるNaCl濃度の存在または不存在の下、2.0%カルシウムG−ブロック粒子および2.0%PRONOVA LVGアルギネート溶液から作られた処方物に関する時間の関数としてのストレージモジュラスを示す。 混合物の一部として、または混合1時間後外部へ適用された(ゲルの上に置かれた)かの何れかで、異なる0.9NaCl濃度の存在または不存在の下、2.0%カルシウムG−ブロック粒子および2.0%PRONOVA LVGアルギネート溶液から作られた処方物に関する時間の関数としてのストレージモジュラスを示す。 異なる塩化ナトリウム濃度の存在または不存在の下、2.5%カルシウムVLVG粒子(バッチ、J101−005)および2.5%PRONOVA LVG(FP−408−02)アルギネート溶液から作られた処方物に関する時間の関数としてのストレージモジュラスを示す。1つのテストでは、MEM細胞培養培地(0.9%NaClを含む)を、混合40分後に外部へ適用された(ゲルの上に置かれた)。
「遅効性自己ゲル化システム」とする別のアルギネートゲル化システムが提供される。これらのシステムは、多数の生物医学的用途および他の用途で使用され、特にゲル化の遅効性が、高度のゲル化の前に材料が伝達されるように或る期間望ましいまたは必要なときに使用される。システムは、高度の生体適合性を有するアルギネートおよびゲル化イオンを含む。システムは、かなりの時間維持できるゲル化時間の遅効性をもたらす。その上、システムは、他の源からの非ゲル化カチオンの添加によって、ゲル化を開始または加速する能力を得ることができる。
遅効性自己ゲル化アルギネートゲルの技術は、処方物のゲル化性のコントロール、特にゲル化の開始のコントロールをより厳密にする。本発明のアルギネートシステムは、生物医学的な方法で有用であり、さらに生物医学的装置における設置および他の生体適合のための用途(ゲル化性の精密なコントロール、特にゲル化の開始における時間の遅効性、および/またはゲル化の完了の半減期および/またはゲル化の完了のための時間のコントロールを要する)に有用である。ゲル化プロセスの開始、持続および完了の改善されたコントロールは、生体内(in vivo)および生体外(in vitro)の医学用装置を含むがこれらに限定されない生物医学の用途を含む精密なコントロールを要する用途について組成および性質を最適にするのに使用される。医学的用途の例は、医薬またはペプチドの伝達装置の提供;組織工学のための細胞、蛋白、多細胞凝集物または検出可能な標識化合物の供給;および並びに組織または器官における欠陥の被覆および付着および修復を含むが、これらに限定されない。これらの組成物とともに使用されるかまたは形成される移植可能な装置の例は、装置のコーティング、心臓ペースメーカー、カテーテル、移植可能な補装具、組織バルキングインプラント、食道逆流阻止インプラント、尿道逆流阻止インプラント、尿失禁阻止インプラント、乳房インプラント、顎インプラント、頬インプラント、歯科インプラント、胸インプラント、および形成されたアルギネートマトリックスインプラント例えば内包された細胞を有するかまたは有しない固体装置またはマイクロカプセルを含む。
システムは、2つの成分、すなわち可溶性のアルギネートおよび不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を含む。成分が、溶媒の存在下組み合わされてアルギネート溶液中の不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子の分散物を形成するとき、アルギネートゲルの形成は、極めて遅効性し、分散物は1分以上後、最終ゲルのストレージモジュラスの10%以下を示す。いくつかの態様では、分散物は、極めて長い期間、例えば2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、15分、20分、30分、40分、45分、60分、90分、120分、180分、240分、300分またはそれ以上後、追加の非ゲル化カチオンの不存在下で最終ゲルのストレージモジュラスの10%以下を示す。粒子のゲル化イオンは、これらの種々の時間内で最終ゲルのストレージモジュラスの10%以下のゲルを生成するのに十分な量で、不溶性の粒子から解離しない。最終ゲルのストレージモジュラスの10%以下のゲル形成における遅効性は、使用者に、ゲルが形成される前に分散物を操作し作業できる顕著な時間をあたえる。この遅効性は、より早いゲル化時間が材料の使用の困難さを増す用途に、システムを特に有用にする。
本明細書で使用されるとき、用語「不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子」において使用される記号「/」は、そこで言われる粒子がアルギネート分子とゲル化イオンとの両者からなることを示すのを意味するものである。
本明細書で使用されるとき、用語「ストレージモジュラス」は、用語「G′」、「弾性」および「弾性率(計数)」と同じ意味で使用される。当業者は、周知の測定技術により容易にストレージモジュラスを測定できる。本明細書で使用されるとき、「最終ゲルのストレージモジュラス」について本明細書で使用されている用語「最終ゲル」は、時間が経過してもストレージモジュラスがそれ以上増大しない点で形成されるゲルについて意味し、そのゲルは、溶液中のナトリウムイオンの最終の濃度を17mM以上に上げるか、または0.9%の最終濃度に達するかの何れか大きい方の十分な量で、塩化ナトリウム塩の添加により20℃でアルギネート溶液中の不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子の分散物から形成される。
いくつかの態様では、ゲル形成の速度は、分散物への非ゲル化カチオンの添加により加速できる。この添加は、不溶性の粒子からゲル化イオンを外し、それにより分散物中のそれらの利用可能性を増大させて、分散物中の可溶性のアルギネートからアルギネートポリマーを含む架橋結合を形成させる非ゲル化カチオンをもたらすことになる。
遅効性自己ゲル化処方物に関するゲル化の開始およびコントロールは、処方物中の不溶性粒子に使用されるアルギネートのタイプに強く依存する。特に、ゲル化イオンが、アルギネート溶液のアルギネートと架橋結合を形成できるように、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子から解離できる程度は、遅効性自己ゲル化アルギネート処方物の開始に関する遅効性時間に直接影響する。遅効性自己ゲル化は、分散物を製造するのに使用される不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子が、短いオリゴマー性Gブロックから、または50%以上の比較的高いG含量(「高Gアルギネート」)を有するアルギネートから製造されるとき、達成できる。その上、遅効性自己ゲル化は、分散物を製造するのに使用される不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子が、原料の製造時に遅い攪拌/混合速度を有するプロセスで製造されるとき、またはこのような不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子が原料の製造時に非水性の極性溶媒を用いるプロセスで製造されたとき、達成できる。ゲル化カチオンが分散物中の遊離のイオンとして利用できるようになる速度は、ゲル化の速度をコントロールする。そのため、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子が非ゲル化イオンの存在下ゲル化イオンを維持するか、または非ゲル化イオンの存在下ゲル化イオンを交換する程度は、分散物のゲル化の速度を決定する。
システムの可溶性のアルギネートゲルおよび不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子は、いくつかの態様において、攪拌により、または好適な混合装置を用いることにより混合される。処方物のゲル化反応の仕組みは、溶液中の可溶性アルギネートの濃度対分散物中の不溶性アルギネート粒子の濃度;ゲル化イオン対アルギネートの相対的含量;非ゲル化イオンまたは多の炭水化物の存在;温度;不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子のサイズ;ゲル化中に存在またはゲル中に捕捉される細胞、多細胞凝集物、組織または他の生体材料の含量;(不純物の存在)および使用されるアルギネートのタイプ、並びに不溶性のアルギネート粒子の製法およびアルギネート原料の製造後の処理を調節することによって、さらにコントロールできる。このアルギネートシステムは、それゆえ、それぞれの特定の用途へ広く適合できる。形成されるゲル内に細胞、多細胞凝集物、組織または他の生体材料を捕捉するために、溶媒、アルギネート溶液または分散物は、捕捉されるべき材料と予め混合される。
分散物は、アルギネートゲルマトリックスが望まれる部位へ液体/スラリーとして個体内に供給される。可溶性のアルギネートおよび不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子が溶媒の存在下混合された後、分散物は、それが非ゲル化イオンの存在を含む生理学的条件と接触するようになる個体内に供給される。分散物のゲル化は進み、そしてアルギネートゲルが、その場で硬化する。
本明細書で使用するとき、用語「遅効性自己ゲル化」は、可溶性のアルギネートおよび不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子が溶媒の存在下混合されたとき、非常に制限されたやり方で生ずるゲル化プロセスをいうのに使用される。「遅効性自己ゲル化アルギネート」は、追加の非ゲル化カチオンなしで、1分より長い後に、最終ゲルのストレージモジュラスの10%以下を示す溶媒中の可溶性のアルギネートおよび不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を含むかまたはそれにより形成されるアルギネートの分散物またはゲルである。いくつかの遅効性自己ゲル化アルギネートでは、分散物は、極めて長い期間、例えば2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、15分、20分、30分、40分、45分、60分、90分、120分、180分、240分、300分またはそれ以上の後で、追加の非ゲル化カチオンなしで、最終のゲルのストレージモジュラスの10%以下を示す。
システムで使用される成分は、いくつかの形の任意のもので使用前に保管される。例えば、可溶性のアルギネートは、溶液中に維持されるか、または粉末として保管される。いくつかの態様では、可溶性のアルギネートは、粉末として保管され、それは、それが凍結乾燥されたときのように、直ぐ溶解する。同様に、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子は、分散物としてまたは粉末として保管される。
本明細書で記載された性質を有する分散物を製造するための成分を含むキットおよび組成物が提供される。その上、このような分散物を製造するのに有用な不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子は、分散物を使用する方法およびこのような分散物から形成されるゲルを作る方法として提供される。これらの方法は、いくつかの医学および製法に適合され、そして遅効性自己ゲル化技術から作られたゲルにより被覆されたゲルおよび装置も提供される。
いくつかの態様では、可溶性のアルギネートを含む水溶液中の不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を含む分散物は、追加の非ゲル化カチオンなしで、2分後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より低い。いくつかの態様では、分散物は、追加の非ゲル化カチオンなしで、3分後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より低い。いくつかの態様では、分散物は、追加の非ゲル化カチオンなしで、4分後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より低い。いくつかの態様では、分散物は、追加の非ゲル化カチオンなしで、5分後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より低い。いくつかの態様では、分散物は、追加の非ゲル化カチオンなしで、10分後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より低い。いくつかの態様では、分散物は、追加の非ゲル化カチオンなしで、15分後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より低い。いくつかの態様では、分散物は、追加の非ゲル化カチオンなしで、20分後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より低い。いくつかの態様では、分散物は、追加の非ゲル化カチオンなしで、30分後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より低い。いくつかの態様では、分散物は、追加の非ゲル化カチオンなしで、40分後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より低い。いくつかの態様では、分散物は、追加の非ゲル化カチオンなしで、60分以上後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より低い。
いくつかの態様では、分散物は、上記の遅効性自己ゲル化を示すが、非ゲル化カチオンを添加すると、いくつかの態様では、分散物は、追加の非ゲル化カチオンの添加1分以上後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より高い。いくつかの態様では、分散物は、追加の非ゲル化カチオンの添加2分以上後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より高い。分散物は、追加の非ゲル化カチオンの添加3分以上後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より高い。いくつかの態様では、分散物は、追加の非ゲル化カチオンの添加4分以上後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より高い。分散物は、追加の非ゲル化カチオンの添加5分以上後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より高い。いくつかの態様では、分散物は、追加の非ゲル化カチオンの添加10分以上後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より高い。分散物は、追加の非ゲル化カチオンの添加15分以上後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より高い。いくつかの態様では、分散物は、追加の非ゲル化カチオンの添加20分以上後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より高い。分散物は、追加の非ゲル化カチオンの添加後30分以上後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より高い。いくつかの態様では、分散物は、追加の非ゲル化カチオンの添加後45分以上後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より高い。分散物は、追加の非ゲル化カチオンの添加60分以上後の最終ゲルのストレージモジュラスが10%より高い。いくつかの態様では、分散物は、追加の非ゲル化カチオンの添加90分以上後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より高い。分散物は、追加の非ゲル化カチオンの添加120分以上後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より高い。いくつかの態様では、分散物は、追加の非ゲル化カチオンの添加3時間以上後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より高い。いくつかの態様では、分散物は、追加の非ゲル化カチオンの添加4時間以上後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より高い。いくつかの態様では、分散物は、追加の非ゲル化カチオンの添加5時間以上後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より高い。いくつかの態様では、分散物は、追加の非ゲル化カチオンの添加6時間以上後に最終ゲルのストレージモジュラスの10%より高い。
いくつかの態様では、分散物は、上記の種々の態様を記述するのに記載されたような非ゲル化カチオンの添加後の時間制限内で、最終のゲルのストレージモジュラスの20%以上を示す。いくつかの態様では、分散物は、上記の種々の態様を記述するのに記載されたような非ゲル化カチオンの添加後の時間制限内で、最終のゲルのストレージモジュラスの30%以上を示す。いくつかの態様では、分散物は、上記の種々の態様を記述するのに記載されたような非ゲル化カチオンの添加後の時間制限内で、最終のゲルのストレージモジュラスの40%以上を示す。いくつかの態様では、分散物は、上記の種々の態様を記述するのに記載されたような非ゲル化カチオンの添加後の時間制限内で、最終のゲルのストレージモジュラスの50%以上を示す。いくつかの態様では、分散物は、上記の種々の態様を記述するのに記載されたような非ゲル化カチオンの添加後の時間制限内で、最終のゲルのストレージモジュラスの60%以上を示す。いくつかの態様では、分散物は、上記の種々の態様を記述するのに記載されたような非ゲル化カチオンの添加後の時間制限内で、最終のゲルのストレージモジュラスの70%以上を示す。いくつかの態様では、分散物は、上記の種々の態様を記述するのに記載されたような非ゲル化カチオンの添加後の時間制限内で、最終のゲルのストレージモジュラスの80%以上を示す。いくつかの態様では、分散物は、上記の種々の態様を記述するのに記載されたような非ゲル化カチオンの添加後の時間制限内で、最終のゲルのストレージモジュラスの90%以上を示す。いくつかの態様では、分散物は、上記の種々の態様を記述するのに記載されたような非ゲル化カチオンの添加後の時間制限内で、最終のゲルのストレージモジュラスの95%以上を示す。いくつかの態様では、分散物は、上記の種々の態様を記述するのに記載されたような非ゲル化カチオンの添加後の時間制限内で、最終のゲルのストレージモジュラスの99%以上を示す。
本明細書で使用されるとき、「非ゲル化カチオンの添加」は、分散物の非ゲル化イオンの全濃度を少なくとも0.01%上昇させるのに十分な濃度で非ゲル化イオンを添加することを示すことを意味する。いくつかの態様では、非ゲル化カチオンの添加は、分散物の非ゲル化イオンの全濃度を少なくとも0.05%、少なくとも0.1%、少なくとも0.2%、少なくとも0.3%、少なくとも0.4%、少なくとも0.5%、少なくとも0.6%、少なくとも0.7%、少なくとも0.8%、少なくとも0.9%、少なくとも1.0%またはそれ以上上昇させるのに十分な濃度に上げる。遅効性自己ゲル分散物のゲル化を促進させるのに添加される非ゲル化カチオンの例は、Na、Li、K、Feおよび/またはH(すなわち種々の酸)を含む。いくつかの態様では、添加される非ゲル化カチオンは、溶液から分散物中へ添加かつ混合される添加物として提供される。いくつかの態様では、添加される非ゲル化カチオンは、分散物が生理学的空所中へ分散されるとき提供される非ゲル化カチオンの量によって提供される。
いくつかの態様では、可溶性のアルギネート中で使用されるアルギネートポリマーまたはこれらの組み合わせは、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子におけるものと同じかまたは異なる。
溶媒の量に対する、分散物中の不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子の形のアルギネートと可溶性のアルギネートとの両者のアルギネートの濃度は、ゲル化時間、孔度、安定性および生分解性、ゲルの強度およびゲルの弾性に影響し、そして特定の性質を有するゲルは、可溶性のアルギネートおよび不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子対溶媒の特定の比を用いることによって製造される。一般に、アルギネートの濃度が低ければ低いほど(可溶性のアルギネート対不溶性のアルギネートの所定の比について)、ゲルはより生分解性になる。いくつかの態様では、約0.5%、0.75%、1%、1.25%、1.5%、2%、2.5%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%またはそれ以上のアルギネート(可溶性のアルギネートおよび不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子の形のアルギネート)が使用できる。
分散物中の可溶性のアルギネート対不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子の形のアルギネートの相対的濃度は、ゲル化時間、孔のサイズ、ゲルの強度およびゲルの弾性、並びに安定性および生分解性に影響し、そして特定の性質を有するゲルは、可溶性のアルギネート対不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子の特定の比を用いて製造できる。いくつかの態様では、可溶性のアルギネートの濃度は、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子の形のアルギネートの濃度にほぼ等しい(1:1)。いくつかの態様では、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子の形のアルギネートの濃度は、可溶性アルギネートのそれの2倍である(2:1)。いくつかの態様では、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子の形のアルギネートの濃度は、可溶性アルギネートのそれの半分である(1:2)。いくつかの態様では、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子の形のアルギネート対可溶性のアルギネートの濃度は、1−.7である(1:.7)。一般に、ゲル化イオンがより少なく存在すればするほど、ゲルはより大きく生分解性になる。システム中の不溶性のアルギネート/ゲル化イオンの濃度は、ゲルの網状構造が架橋性イオンにより飽和されないことに応じて、より低い安定性およびより高い生分解性を有するゲルが生ずる。遅効性自己ゲル化は、より低い濃度のゲル化イオンを有するゲルの製造が、生分解の用途に特に好適なゲルの生成を可能にする。いくつかの好ましい態様では、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子対可溶性のアルギネート中のアルギネート比は、5:1,4:1,3:1、2:1、1:2、1:3、1:4または1:5である。
アルギネートポリマー中のGモノマーおよびMモノマーの相対的量は、孔のサイズ、安定性および生分解性、ゲルの強度およびゲルの弾性に影響する。アルギネートポリマーでは、MおよびGの全量が大きく変化し、配列構造の相対的量も、大きく変化し(Gブロック、MブロックおよびMG交互配列)、そしてポリマー鎖の配列の長さも変化する。一般に、使用されるアルギネートポリマー中のM含量に対するG含量が少なければ少ないほど、ゲルの生分解性は大きくなる。高いG含量を有するゲルは、一般に、より小さい孔のサイズおよびより低いゲルの強度を有する高いMアルギネートを有するゲルに比べて、より大きな孔のサイズおよびより強いゲルの強度を有する。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、50%より多いα−L−グルロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、60%より多いα−L−グルロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、60−80%のα−L−グルロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、65−75%のα−L−グルロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、70%より多いα−L−グルロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、70%のα−L−グルロン酸、または60%のα−L−グルロン酸、または50%より少ないα−L−グルロン酸、または60−80%のα−L−グルロン酸、または65−75%のα−L−グルロン酸を含まない。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、70%のα−L−グルロン酸、または60%のα−L−グルロン酸、または50%より少ないα−L−グルロン酸、または60−80%のα−L−グルロン酸、または65−75%のα−L−グルロン酸を含まず、その場合、アルギネートの平均MWは2−20kDであり、いくつかの態様では、2−10kDであり、いくつかの態様では、2−5kDであり、いくつかの態様では、3−5kDであり、そしていくつかの態様では、アルギネートポリマーは10−25モノマーを含むか、または主として15−19モノマーを有するオリゴマーまたは平均16−18モノマーを有するオリゴマーを含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、少なくとも85%のα−L−グルロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、少なくとも88%のα−L−グルロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、少なくとも89%のα−L−グルロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、少なくとも90%のα−L−グルロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、少なくとも91%のα−L−グルロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、少なくとも92%のα−L−グルロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、少なくとも93%のα−L−グルロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、少なくとも94%のα−L−グルロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、少なくとも95%のα−L−グルロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、少なくとも96%のα−L−グルロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、少なくとも97%のα−L−グルロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、少なくとも98%のα−L−グルロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、少なくとも85%から少なくとも99%のα−L−グルロン酸を含み、2−20kDの分子量を有し、いくつかの態様では、3−5kDを有する。いくつかのこれらの態様では、アルギネートポリマーは10−25モノマーを含む。いくつかの態様では、アルギネートポリマーは、主として15−19モノマーを含む。いくつかの態様では、アルギネートポリマーは、平均16−18モノマーを有するオリゴマーを含む。アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、50%より多いC−5エピマーβ−D−マンニュロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、60%より多いC−5エピマーβ−D−マンニュロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、60−80%のC−5エピマーβ−D−マンニュロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、65−75%のC−5エピマーβ−D−マンニュロン酸を含む。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーの1つ以上は、70%より多いC−5エピマーβ−D−マンニュロン酸を含む。ウロンブロックを製造する方法は、US6121441に開示されており、それは本明細書において参考として引用される。Gブロックアルギネートポリマーおよびアルギネートゲルの性質の調節剤としてのそれらの用途は、US6407226に示されており、それは本明細書において参考として引用される。いくつかの好ましい態様は、30%G、35%G、40%G、45%G、50%G、55%G、60%G、65%G、70%G、75%G、80%Gまたは85%Gである。いくつかの好ましい態様では、85%より多いGである。
アルギネートポリマーの平均分子量は、ゲル化時間、孔のサイズ、ゲルの強度およびゲルの弾性に影響する。アルギネートポリマーは、2kDから1000kDにおよぶ平均分子量を有する。アルギネートの平均分子量は、ゲルの形成および最終のゲルの性質に影響する。一般に、使用されるアルギネートの分子量が低ければ低いほど、ゲルは生分解されやすい。可溶性のアルギネート成分に使用されるアルギネートポリマーまたはそれらの組み合わせは、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子で使用されるポリマーまたはそれらの組み合わせと同じかまたは異なる。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーは、5−350kDの平均分子量を有する。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーは、2−100kDの平均分子量を有する。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーは、50−500kDの平均分子量を有する。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーは、100−1000kDの平均分子量を有する。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーは、2−50kDの平均分子量を有する。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーは、2−40kDの平均分子量を有する。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーは、2−30kDの平均分子量を有する。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーは、2−20kDの平均分子量を有する。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーは、2−15kDの平均分子量を有する。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーは、2−10kDの平均分子量を有する。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーは、2−5kDの平均分子量を有する。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーは、3−15kDの平均分子量を有する。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーは、3−10kDの平均分子量を有する。いくつかの態様では、アルギネートマトリックスのアルギネートポリマーは、3−5kDの平均分子量を有する。いくつかの態様では、アルギネートオリゴマーのモノマーの平均数は、15−20、16−19、17−18、5,6,7、8,9,10、11、12,13、14,15、16、17、18、19、20、21または22である。
いくつかの態様では、ゲルは、高度の生分解性を有するものとされる。従って、アルギネートの少ない、ゲル化イオンの少ない、G含量が低いそして分子量が低いアルギネートを有するゲルは、高度の生分解性を有するゲルを生成するために、本明細書で述べられたこれらのパラメーターの1つ以上の低い限界を用いて製造される。
アルギネートは、20℃で測定された1%溶液で25−1000mPasの粘度を有し、そしていくつかの態様では、好ましくは50−1000mPas(1%溶液、20℃)を有する。
いくつかの態様では、アルギネートは滅菌されている。いくつかの態様では、アルギネートは、滅菌された超高純度アルギネートである。いくつかの態様では、滅菌されたアルギネートは、滅菌フィルターを用いて製造される。
本発明で使用されるアルギネートは、医療の移植用途に使用されるとき、超高純度であることが望ましく、例えば400eu/g以下のエンドトキシン含量を有し、いくつかの態様では、200eu/g以下、そしていくつかの態様では、50eu/g以下のエンドトキシンを含む。いくつかの態様では、アルギネートは<50eu/gのレベルのエンドトキシンを有する。
いくつかの態様では、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子の製法が、化学量論的量(100%飽和)のゲル化イオンを有する生成物をもたらすのが好ましい。このような化学量論的塩の使用は、遅効性自己ゲル化アルギネートシステムにおいて、より大きな再生産性をもたらす。いくつかの態様では、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子の製法が、化学量論的量より少ない(<100%飽和)の該ゲル化イオンを有する生成物をもたらすのが好ましい。このような化学量論より少ない塩の使用は、遅効性自己ゲル化アルギネートシステムに生分解性をもたらす。
いくつかの態様では、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を製造するのに使用されるアルギネートは、約60%以上、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、99%のG含量を有するGブロックオリゴマーである。GブロックアルギネートのMWは、一般に、10kD以下であり、それは57単位のDPnに相当し、そして典型的な例では、17のDPnに相当する約3kDのMWを有する。
いくつかの態様では、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子は、標準の高Gアルギネートの粒子そしていくつかの態様では、Caの粒子であり、それは数分の遅効性を生ずる。いくつかの態様では、これらのアルギネートは、典型的な例では、50−350kD(286−2000単位)のMWを有する。
いくつかの態様では、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子は、標準の高MアルギネートまたはMGアルギネートの粒子である。
Gブロックアルギネートオリゴマーは、オリゴマーあたり平均約17Gモノマーを含むオリゴマーの単離されたフラクションをいい、その大多数はオリゴマーあたり15−19モノマーである。これらのフラクションは、天然の高Gアルギネートを処理し、そして種々の手段例えば分別によりGブロックアルギネートを分離することにより生成される。
いくつかの態様では、アルギネートは超高純度アルギネートである。超高純度アルギネートは、例えばLaminaria hyperboreaのような海藻の種々の源から工業的に生成される。市販のアルギン酸のカルシウム塩は、一般に、カルシウムが、成分を一緒に簡単に混合および練合することにより、固相のアルギン酸へ添加されるプロセスで製造される。市販されているアルギン酸のカルシウム塩の例は、Protaweld(FMC BioPolymerから)およびKelset(ISP Corporationから)である。
いくつかの態様では、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子は、アルギネートおよび/またはGブロックオリゴマーおよびゲル化イオンを使用してアルギネートゲルを作り、そしてアルギネートおよび/またはGブロックオリゴマー中に存在したナトリウムまたは他のイオンを洗い流し、ゲルを乾燥して水を除き、そして乾燥したゲルから粒子を作ることによりアルギネートおよび/またはGブロックオリゴマーを用いて製造される。いくつかの態様では、アルギネートおよび/またはGブロックオリゴマーを用いて作られた不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子は、化学量論的な塩である。アルギネートおよび/またはGブロックオリゴマーを用いて作られた不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子は、好ましくは、高い純度およびゲル化イオン(例えばカルシウムまたはストロンチウム、バリウム、亜鉛、鉄、マンガン、銅、鉛、コバルト、ニッケルまたはこれらの組み合わせ)の特定かつ一定のしかも一般に均一な含量を有し、ゲルの形成速度およびゲルの強度は、より精密な予測可能性で得ることができる。アルギン酸の不溶性のアルカリ土類塩例えばアルギン酸カルシウムまたはアルギン酸ストロンチウム(使用されるゲル化イオンに応じて)またはアルギン酸の不溶性の遷移金属塩(例えば、銅、ニッケル、亜鉛、鉛、鉄、マンガンまたはコバルトというゲル化イオンを用いたもの)は、溶液から沈殿によりアルカリ土類イオンの周知かつ予定された含量によって製造できる。いくつかの態様では、アルギン酸ナトリウムの溶液は、アルギネートおよび/またはGブロックオリゴマーを使用して製造される。随意に、ナトリウム塩例えば炭酸ナトリウムは、アルギン酸ナトリウム溶液に含まれる。不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子に関する望ましいゲル化イオンを含む塩、例えばカルシウム塩またはストロンチウム塩例えば塩化カルシウムまたは塩化ストロンチウムが使用されて溶液を作る。アルギン酸ナトリウム溶液は、好ましくは徐々に、ゲル化イオン溶液と混合される。好ましくは、混合された溶液は、混合プロセスの間連続して攪拌される。不溶性のアルギネート粒子例えばアルギン酸カルシウムまたはアルギン酸ストロンチウム(使用されるゲル化イオンに応じて)は、混合された溶液から沈殿する。沈殿した不溶性のアルギネートは、次に溶液から取り出されそして精製された水により繰り返し洗浄されて(例えば2−10回)、すべての可溶性のイオンを除く。可溶性イオンの除去は、例えば精製された水の電導度に比べて精製水中の不溶性のアルギネートの電導度をテストすることにより確認される。洗浄後、不溶性のアルギネートは例えば真空により乾燥される。乾燥されたアルギネートは、挽かれそしていくつかの態様では、粒子のサイズについて選択される。
いくつかの態様では、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子は、非水性溶媒を用いて製造されて、アルギネート溶液を生成し、それからゲルが形成されそして粒子が生成される。すなわち、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子は、アルギネート、ゲル化イオンおよび水以外の溶媒を用いてアルギネートゲルを作り、アルギネート中に存在したゲルからのナトリウムまたは他のイオンを洗い流し、ゲルを乾燥して溶媒を除き、そして乾燥したゲルから粒子を作ることによって、アルギネートを用いて生成される。乾燥されたアルギネートは、挽かれそしていくつかの態様では、粒子のサイズについて選ばれる。非水溶媒の例は、極性溶媒例えばアルコールであり、それらはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどを含む。いくつかの態様では、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子は、化学量論的塩である。不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子は、好ましくは、高い純度を有し、さらにゲル化イオン(例えばカルシウムまたはストロンチウム、バリウム、亜鉛、鉄、マンガン、銅、鉛、コバルト、ニッケルまたはこれらの組み合わせ)の特定かつ一定のしかも一般に均一な含量を有し、ゲルの形成速度およびゲルの強度は、より精密な予測可能性で得ることができる。アルギン酸の不溶性のアルカリ土類塩例えばアルギン酸カルシウムまたはアルギン酸ストロンチウム(使用されるゲル化イオンに応じて)またはアルギン酸の不溶性の遷移金属塩(例えば、銅、ニッケル、亜鉛、鉛、鉄、マンガンまたはコバルトというゲル化イオンを用いたもの)は、溶液から沈殿によりアルカリ土類イオンの周知かつ予定された含量によって製造できる。いくつかの態様では、市販のアルギン酸ナトリウムは、まず非水溶媒を用いてアルギン酸ナトリウム溶液を作るのに使用される。非水溶媒の例は、極性溶媒例えばアルコールであり、それらはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどを含む。随意に、ナトリウム塩例えば炭酸ナトリウムが、アルギン酸ナトリウム溶液中に含まれる。不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子のために所望のゲル化イオンを含む塩、例えばカルシウム塩またはストロンチウム塩例えば塩化カルシウムまたは塩化ストロンチウムが、溶液を作るのに使用される。アルギン酸ナトリウムの非水溶液は、好ましくは徐々に、ゲル化イオン非水溶液と混合される。好ましくは、混合された非水溶液は、混合プロセス中連続して攪拌される。不溶性のアルギネート粒子、例えばアルギン酸カルシウムまたはアルギン酸ストロンチウム(使用されるゲル化イオンに応じて)は、混合した溶液から沈殿する。沈殿した不溶性のアルギネートを次に溶液から除き、そして精製された水により繰り返し洗浄されて(例えば2−10回)、すべての可溶性のイオンを除く。可溶性イオンの除去は、例えば精製された水の電導度に比べて精製水中の不溶性のアルギネートの電導度をテストすることにより確認される。洗浄後、不溶性のアルギネートは例えば真空により乾燥される。乾燥されたアルギネートは、挽かれそしていくつかの態様では、粒子のサイズについて選択される。
いくつかの態様では、アルギネートマトリックスは、ゲルマトリックスが形成された後、ポリカチオン性ポリマー例えばポリアミノ酸またはキトサンにより被覆できる。いくつかの態様では、ポリリジンが、ポリカチオン性ポリマーに含まれる。いくつかの態様では、ポリリジンは、他の部分へ結合し、それゆえ、ポリリジンはゲルへの部分の会合を助けるのに使用される。ポリカチオン性ポリマーを用いてゲルへ結合される部分の例は、例えば医薬、ペプチド、造影用試薬、受容体結合リガンドまたは他の検出可能な標識化合物を含む。いくつかの特定の例は、血管内皮成長因子(VEGF),表皮成長因子(EGF)、芽球分化成長因子(TGF)および骨形態発生蛋白(BMP)を含む。医薬は、癌化学療法剤例えばタキソール、シスプラチンおよび/または他の白金含有誘導体を含む。炭水化物ポリマーは、ヒアルロナン、キトサン、ヘパリン、ラミナリン、フコイダン、硫酸コンドロイチンを含む。いくつかの態様では、使用されるアルギネートは、変性アルギネートポリマー例えば化学変性アルギネートであり、1つ以上のポリマーが異なるアルギネートポリマーへ結合している。このような変性アルギネートポリマーの例は、US6642363に開示されており、それは本明細書で参考として引用される。
いくつかの態様では、アルギネートポリマーは、非アルギネート部分、例えば医薬、ペプチド、造影用試薬、受容体結合リガンドまたは他の検出可能な標識化合物を含む。態様の1つでは、アルギネートポリマーは、RDGペプチド(Arg−Asp−Gly)、放射性部分(例えば131I)、放射線不透性物質を含む。アルギネートポリマーへ結合する部分の他の例は、医薬、ペプチド、造影用試薬、受容体結合リガンドまたは他の検出可能な標識化合物を含む。いくつかの特定の例は、血管内皮成長因子(VEGF),表皮成長因子(EGF)、芽球分化成長因子(TGF)および骨形態発生蛋白(BMP)を含む。医薬は、癌化学療法剤例えばタキソール、シスプラチンおよび/または他の白金含有誘導体を含む。炭水化物ポリマーは、ヒアルロナン、キトサン、ヘパリン、ラミナリン、フコイダン、硫酸コンドロイチンを含む。
いくつかの態様では、アルギネートは、1つ以上の細胞接着配列を含む少なくとも1つのペプチドへ共有結合で結合できる。例えば、変性アルギネートは、US6642363に開示されており、それは本明細書で参考として引用される。いくつかの態様では、ペプチド結合アルギネートは、非変性アルギネートと混合される。ペプチド結合アルギネートは、例えば細胞を不動化して細胞の増殖および細胞の分化を促進させる。ペプチド結合アルギネートは、また他のペプチド結合多糖および/または非変性多糖と組み合わせて使用できる。
本明細書で参考として引用されるUS4988621、4792525、5965997、4879237、4789734および6642363は、細胞接着配列ペプチドの多くの例を開示している。好適なペプチドは、約10以下のアミノ酸を有するペプチドを含むが、これらに限定されない。いくつかの態様では、細胞付着ペプチドは、RGD、IGSR(SEQ ID NO:1)、IKVAV(SEQ ID NO:2)、REDV(SEQ ID NO:3)、DGEA(SEQ ID NO:4)、VGVAPG(SEQ ID NO:5)、GRGDS(SEQ ID NO:6)、LDV,RGDV(SEQ ID NO:7)、PDSGR(SEQ ID NO:8)、RYVVLPR(SEQ ID NO:9)、LGTIPG(SEQ ID NO:10)、LAG,RGDS(SEQ ID NO:11)、RGDF(SEQ ID NO:12)、HHLGGALQAGDV(SEQ ID NO:13)、VTCG(SEQ ID NO:14)、SDGD(SEQ ID NO:15)、GREDVY(SEQ ID NO:16)、GRGDY(SEQ ID NO:17)、GRGDSP(SEQ ID NO:18)、VAPG(SEQ ID NO:19)、GGGGRGDSP(SEQ ID NO:20)、GGGGRGDY(SEQ ID NO:21)およびFTLCFD(SEQ ID NO:22)を含む。いくつかの態様では、細胞付着ペプチドは、RGD、IGSR(SEQ ID NO:1)、IKVAV(SEQ ID NO:2)、REDV(SEQ ID NO:3)、DGEA(SEQ ID NO:4)、VGVAPG(SEQ ID NO:5)、GRGDS(SEQ ID NO:6)、LDV,RGDV(SEQ ID NO:7)、PDSGR(SEQ ID NO:8)、RYVVLPR(SEQ ID NO:9)、LGTIPG(SEQ ID NO:10)、LAG,RGDS(SEQ ID NO:11)、RGDF(SEQ ID NO:12)、HHLGGALQAGDV(SEQ ID NO:13)、VTCG(SEQ ID NO:14)、SDGD(SEQ ID NO:15)、GREDVY(SEQ ID NO:16)、GRGDY(SEQ ID NO:17)、GRGDSP(SEQ ID NO:18)、VAPG(SEQ ID NO:19)、GGGGRGDSP(SEQ ID NO:20)、GGGGRGDY(SEQ ID NO:21)およびFTLCFD(SEQ ID NO:22)を含み、さらに追加のアミノ酸例えばNまたはC末端の1−10G残基を含む1−10の追加のアミノ酸を含む。例えば、好適なペプチドは、式(Xaa)−SEQ−(Xaa)(式中、Xaaは独立してそれぞれ任意のアミノ酸であり、nは0−7であり、そしてSEQはRGD、IGSR(SEQ ID NO:1)、IKVAV(SEQ ID NO:2)、REDV(SEQ ID NO:3)、DGEA(SEQ ID NO:4)、VGVAPG(SEQ ID NO:5)、GRGDS(SEQ ID NO:6)、LDV,RGDV(SEQ ID NO:7)、PDSGR(SEQ ID NO:8)、RYVVLPR(SEQ ID NO:9)、LGTIPG(SEQ ID NO:10)、LAG,RGDS(SEQ ID NO:11)、RGDF(SEQ ID NO:12)、HHLGGALQAGDV(SEQ ID NO:13)、VTCG(SEQ ID NO:14)、SDGD(SEQ ID NO:15)、GREDVY(SEQ ID NO:16)、GRGDY(SEQ ID NO:17)、GRGDSP(SEQ ID NO:18)、VAPG(SEQ ID NO:19)、GGGGRGDSP(SEQ ID NO:20)、GGGGRGDY(SEQ ID NO:21)およびFTLCFD(SEQ ID NO:22)からなる群から選ばれるペプチド配列であり、そしてアミノ酸の合計数は22より少なく、好ましくは20より少なく、好ましくは18より少なく、好ましくは16より少なく、好ましくは14より少なく、好ましくは12より少なく、好ましくは10より少ない)を有する。いくつかの態様では、細胞付着ペプチドは、RGD、IGSR(SEQ ID NO:1)、IKVAV(SEQ ID NO:2)、REDV(SEQ ID NO:3)、DGEA(SEQ ID NO:4)、VGVAPG(SEQ ID NO:5)、GRGDS(SEQ ID NO:6)、LDV,RGDV(SEQ ID NO:7)、PDSGR(SEQ ID NO:8)、RYVVLPR(SEQ ID NO:9)、LGTIPG(SEQ ID NO:10)、LAG,RGDS(SEQ ID NO:11)、RGDF(SEQ ID NO:12)、HHLGGALQAGDV(SEQ ID NO:13)、VTCG(SEQ ID NO:14)、SDGD(SEQ ID NO:15)、GREDVY(SEQ ID NO:16)、GRGDY(SEQ ID NO:17)、GRGDSP(SEQ ID NO:18)、VAPG(SEQ ID NO:19)、GGGGRGDSP(SEQ ID NO:20)、GGGGRGDY(SEQ ID NO:21)およびFTLCFD(SEQ ID NO:22)からなる。細胞接着または他の細胞相互作用のための生物学的に活性な分子は、EGF、VEGF、b−FGF、FGF、TGF、TGF−βまたはプロテオグリカンを含む。RGDを含む細胞付着ペプチドは、いくつかの態様では、長さが3,4,5,6,7,8,9または10アミノ酸である。その例は、GRGDS(SEQ ID NO:6)、LDV,RGDV(SEQ ID NO:7)、LAG,RGDS(SEQ ID NO:11)、RGDF(SEQ ID NO:12)、GRGDY(SEQ ID NO:17)、GRGDSP(SEQ ID NO:18)、GGGGRGDSP(SEQ ID NO:20)およびGGGGRGDY(SEQ ID NO:21)を含むが、これらに限定されない。RGDを含む好適な細胞接着ペプチドは、NOVATACH RGD(NovaMatrix、FMC BioPolymer、Oslo、ノルウエイ)および本明細書で参考として引用されるUS6642363に開示されているものを含むが、これらに限定されない。ペプチド合成サービスは、多数の企業により利用でき、Commonwealth Biotechnologies、Inc、Richmond、Virginia、米国を含む。アルギネート骨格へのペプチドの結合の化学的手法は、US6642363に開示されている。
本明細書で使用されるとき、用語「RGD変性アルギネート」は、RGDを含むペプチドへ共有結合で結合しているアルギネートをいう。好適なRGDペプチド結合アルギネートは、NOVATACH RGD(NovaMatrix、FMC BioPolymer、Oslo、ノルウエイ)および本明細書で参考として引用されるUS6642363に開示されているものを含むが、これらに限定されない。
可溶性のアルギネートは、例えばNaアルギネート、Kアルギネート、PEGアルギネート(ポリエチレングリコールアルギネート)、NHアルギネートまたはこれらの組み合わせのような塩である。
いくつかの態様では、可溶性のアルギネートは、凍結乾燥されるか、またはそれ以外の方法で乾燥される。凍結乾燥された可溶性アルギネートは、「直ぐに可溶」である。「直ぐに可溶な」アルギネートは、1分より早く、好ましくは30秒より早く、より好ましくは15秒より早く水に可溶である。「容易に可溶な」アルギネートは、溶液になるのに、1分より遅くそして通常数分かかる。
不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子に使用されるゲル化イオンは、ゲル化反応の仕組み、ゲルの強度および弾性に影響する。ゲル化イオンは、また細胞の成長に影響する。不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子に使用されるゲル化イオンは、Ca++、Sr++、Ba++、Zn++、Fe++、Mn++、Cu++、Pb、Co、Niまたはこれらの組み合わせである。
不溶性のアルギネート/ゲル化イオン複合体は粒子である。この粒子は、一般に、L/D比に基づいて繊維ではない(粒子の形状は、最大の寸法(L)と最少の寸法(D)とにより特徴づけられる)。非繊維状L/Dは、10より小さく、好ましくは5より小さく、より好ましくは2より小さい。10以上のL/Dは、切り刻んだ繊維である。不溶性のアルギネートゲル化イオンは、分散物としてまたは乾燥した形で保管できる。もし前者であれば、分散物は、可溶性のアルギネートを含む溶液または直ぐに可溶なアルギネートと混合されて、可溶性のアルギネートを含む溶液中の不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子の分散物を形成する。もし不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子が乾燥した形であるならば、それらは、乾いた直ぐに可溶なアルギネートと混合され、そして次に溶液と混合されて、可溶性のアルギネートを含む溶液中の不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子の分散物を形成するか、または乾いた不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子は、可溶性のアルギネートを含む溶液と混合されて、可溶性のアルギネートを含む溶液中の不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子の分散物を形成する。
分散物を形成するために成分を混合するとき行う攪拌により、溶液内に固体の粒子が供給される。生成した分散物は、スラリーの形であり、それは、型または空所内に遅効性自己ゲルを注ぐ、注入するなどされて、その型または空所の形状を形成する。
可溶性のアルギネートを含む溶液中の不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子の分散物が形成されると、それは遅効性自己ゲル化が生じてアルギネートゲルを形成する箇所へもたらされる。いくつかの態様では、分散物は、生体内の箇所へ送られる。いくつかの態様では、分散物は、個体の身体の箇所へ供給される。いくつかの態様では、分散物は、型または他の容器または表面へ供給される。
不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子に使用されるゲル化イオンの濃度は、ゲル化反応の仕組み、ゲルの強度および弾性に影響する。ゲル化イオンの濃度が高ければ高いほど、ゲルの強度は強くなる。ゲルの強度は、ゲルがゲル化イオンにより飽和されたときに最高になる。逆に、ゲル化イオンの濃度が低ければ低いほど、ゲルの強度は弱くなり、そして生分解性の程度は高くなる。
不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子の粒子サイズは、ゲル化反応の仕組みとゲルの最終の性質とに影響する。粒子のサイズが小さくなればなるほど、ゲル形成の完了が早くなる。大きな粒子のサイズは、強いゲルを生成する。粒子のサイズは、例えば粒子が一般にすべて予定のサイズ範囲内にあるように、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を種々の異なるサイズフィルターに通すことによって、コントロールできる。いくつかの態様では、粒子は、<25μm、25−45μm、45−75μm、75−125μmまたは>125μmである。いくつかの態様では、粒子は、<125μm、<135μm、<145μm、<155μm、<165μmまたは<175μmである。
使用される溶媒は、例えば水、塩水、糖溶液、細胞培養溶液、医薬の溶液のような溶液、蛋白または核酸の溶液、懸濁物例えば細胞懸濁物、リポソームまたは造影用試薬の懸濁物である。溶媒は、非ゲル化イオンの添加なしでゲル化を促進するのに十分な利用可能な非ゲル化カチオンを含んではならない。すなわち、溶媒は、本明細書で規定された時間内で最終のゲルの10%より大きいストレージモジュラスへゲル形成を生じさせるのに十分な速度で、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子からゲル化カチオンの置換を開始できる非ゲル化カチオンを含んではならない。従って、例えば、溶媒中の任意の非ゲル化カチオンは、非ゲル化カチオンが存在している間利用できないように、対イオンまたは他の分子と会合しなければならない。アルギン酸ナトリウムの溶液中のナトリウムは、ナトリウムイオンの数がアルギネートの対イオン分子中に存在する負のイオン性電荷の数に等しい程度に、利用されない。塩例えば塩化ナトリウムの添加による利用可能なナトリウムイオンの数の増加(その場合、ナトリウムイオンは、それがアルギン酸ナトリウム中のアルギネート対イオンと会合するのと同じ程度に塩素の対イオンと会合しない)は、もし存在が十分であるならば、すなわちもし十分な塩が添加されるならば、利用可能な非ゲル化ナトリウムカチオンの存在により、ゲル化を促進する。分散物に使用される可溶性のアルギネート溶液を作るのに使用される溶媒は、分散物により形成されるゲルが、非ゲル化イオンの添加なしに所定の時間内に最終のゲルのストレージモジュラスの10%より多いストレージモジュラスを有しないように、不十分な量の非ゲル化イオンを含まねばならない。
形成されるヒドロゲルは、医薬、核酸分子、細胞、多細胞凝集物、組織、蛋白、酵素、リポソーム、造影用試薬または生物学的に活性な材料を含むことができる。生物学的に活性な材料は、ヒアルロネートおよびキトサンである。造影用試薬は、タンタルおよびガドリニウムを含む。蛋白のいくつかの特定の例は、血管内皮成長因子(VEGF),表皮成長因子(EGF)、芽球分化成長因子(TGF)および骨形態発生蛋白(BMP)を含む。医薬は、癌化学療法剤例えばタキソール、シスプラチンおよび/または他の白金含有誘導体を含む。炭水化物ポリマーは、ヒアルロナン、キトサン、ヘパリン、ラミナリン、フコイダン、硫酸コンドロイチンを含む。
ゲル中に使用できる細胞は、非組み換え細胞および組み換え細胞を含む。細胞がアルギネートマトリックス内に内包されるいくつかの態様では、内包された細胞は、哺乳動物の細胞、好ましくはヒトの細胞である。内包された細胞が非増殖性細胞であるいくつかの態様では、非増殖性細胞は、膵島、肝臓細胞、神経細胞、腎皮質細胞、血管内皮細胞、甲状腺および上皮小体の細胞、副腎細胞、胸腺細胞、卵巣細胞および軟骨細胞からなる群から選ばれる。内包された細胞が増殖性細胞であるいくつかの態様では、増殖性細胞は、幹細胞、プロジェニター細胞、特定の器官の増殖性細胞、繊維芽細胞およびケラチノサイトまたは確立された細胞システム例えば293、MDCKおよびC2C12細胞システムから由来する細胞である。いくつかの態様では、内包された細胞は、細胞が維持されたとき発現される1つ以上の蛋白をエンコードする発現ベクターを含む。いくつかの態様では、蛋白は、サイトカイン、成長因子、インスリンまたは血管新生阻害剤例えばアンジオスタチンまたはエンドスタチン、他の治療用蛋白または他の治療用分子例えば医薬である。約60−70kDより低い低MWの蛋白は、ゲル網状構造の孔度のために、特に良好な使用可能な物質である。いくつかの態様では、細胞は、多細胞凝集物または組織として存在する。
遅効性自己ゲル化アルギネートについて多くの用途がある。いくつかの態様では、遅効性自己ゲル化アルギネートは、食品に使用される。遅効性自己ゲル化アルギネートは、他の食品成分との液体/スラリーの混合物として製造されそして容器に入れられる食品に特に有用である。容器は、好ましくは、型であり、そこで、ゲル/食品は硬化して、型の形状をもった固体または半固体を形成する。キャンディー、可食性の装飾、プディングおよび他の成型された食品が製造できる。ゲル化は、非ゲル化カチオンの添加により開始される。
いくつかの態様では、遅効性自己ゲル化アルギネートは、生医学の用途に使用される。生体適合性遅効性自己ゲル化アルギネートは、局所的に適用される。生体適合性遅効性自己ゲル化アルギネートは、ゲルのマトリックスが、空所そのものへ適合することが望まれる生医学の用途に特に有用であり、その場合、マトリックスが望まれる箇所中へ遅効性自己ゲル化アルギネートが分散物として送られる。分散物は、液体/スラリーの形で空所を満たし、そして生理学的非ゲル化カチオンと相互作用して硬化して、空所内に固体を形成する。別に、分散物は、局所的に送られ、そこでそれは硬化前に拡げられる。いくつかの態様では、遅効性自己ゲル化アルギネートは、型中に送られる液体/スラリーの混合物を製造することによって特定の形状を持つように製造されたマトリックスの製造に使用され、その型では、それは硬化して成型された形状をもつ固体を形成する、および/または組織または器官の置換物として有用な内包された細胞をもつマトリックスを製造する。ゲル化は、非ゲル化カチオンの添加により開始する。
コントロール可能かつ生体適合可能なそして特にその場のゲル形成移植の目的のためのアルギネート遅効性自己ゲル化システムが提供され、それは、他のシステムと関連する時間の束縛なしに、使用および操作を容易にする遅効性自己ゲル化を有する。身体の内側または外側で注入または他のやり方で適用されるのに容易に使用できる溶液が提供され、それは、いくつかの場合では、非ゲル化カチオンの添加および/または生理学的な非ゲル化カチオンへの暴露により、硬化して固体ゲルマトリックスを形成する。可溶性のアルギネート、溶媒およびゲル化イオン源(ゲル化イオンが不溶性の粒子のゲル網状構造内で結合する)を混合することによって、ゲル形成材料は、液体として供給され、そして望ましいパターンおよび時間の枠で硬化する。溶液は、予定された時間で硬化し、そしてゲルを形成するか、またはゲル化は、非ゲル化カチオンの添加またはその源への暴露により加速される。形成は、pHの変化および毒性の成分の存在が排除されるので、生体適合性である。生物学的pHからの顕著な外れは、不必要である。
いくつかの態様では、遅効性自己ゲル化アルギネートは、生医学の用途、例えば組織バルキング例えば逆流の問題の治療(すなわち、尿失禁、尿道逆流、または食道逆流の問題の治療)、塞栓形成例えば良性または悪性の腫瘍の治療、術後の方法としての抗癒着治療、および創傷の治療に用いられる。細胞または他の生体材料がゲル化システム中へ混合され、それにより細胞または組織を支持するバイオ人工細胞外マトリックスを生成するため、現在の技術は、生体外または生体内の組織構造物を含むいくつかの用途に使用される。いくつかの用途により、生体適合性固体デポーが移植され、それは活性成分例えば蛋白および医薬を時間をかけて放出する。
遅効性自己ゲル化アルギネートは、それがアクセスするのに遠い箇所に導入されそして液状スラリーとして送られて他のタイプのインプラントに比べてより完全に適合することができる点で、組織バルキング材料として特に有用である。分散物は、身体中の他の組織または器官を置換し支持するのに十分な量で供給され、その場でゲルが形成すると、他の組織または器官を維持、支持する構造を提供する。遅効性自己ゲル化アルギネートは、それを組織バルキングの用途へ十分に適するようにする成分を含む。例えば、ゲル化剤としてのストロンチウムの使用は、細胞の過剰成長および望まない組織の形成を阻害するゲルを生ずる。遅効性自己ゲル化アルギネートは、カテーテルなどにおけるゲル化なしに、移植を可能にするのに十分な時間操作できる。
遅効性自己ゲル化アルギネートは、カテーテル中のゲル化により複数のカテーテルを使用かつ配置しなければならないことが特に望まれない心臓の応用に特に良く適している。遅効性自己ゲル化は、使用者に分散物を適切に配置し伝達する時間をあたえる。
遅効性自己ゲル化アルギネートは、塞栓形成のプロセスに特に有用である。その場合、それは、アクセスするのに遠い血管へ導入されそして液体スラリーとして供給されて、血管の内部に完全に適合しそして他のタイプの閉止具例えば縫合糸に比べてそれをより完全かつ有効に塞ぐことができる。分散物は、その場でのゲルの形成時に、循環を止めるのに十分な量で供給される。遅効性自己ゲル化アルギネートは、塞栓形成の用途にそれを特に適したものにする成分を含むことができる。例えば、成分は、比較的早い硬化と高い強度について選ぶことができる。塞栓形成の用途に使用される遅効性自己ゲル化アルギネートは、その存在と場所とをモニターする造影用試薬を含むことができる。
遅効性自己ゲル化アルギネートは、それが液状スラリーとして手術の侵襲の領域全体へ導入されて、特に切断箇所そのものまたはその付近で暴露された表面を完全にカバーする点で、術後の操作として抗癒着治療に特に有用である。遅効性自己ゲル化アルギネートは、それを抗癒着の用途に良く適するようにする成分を含むことができる。例えば、ゲル化剤としてのストロンチウムの使用は、細胞の過剰成長および望まない組織形成を阻害するゲルを生ずる。
遅効性自己ゲル化アルギネートは、それが液状スラリーとして創傷の領域へ導入されて、暴露された表面を完全にカバーする点で、創傷の治療に特に有用である。さらに、遅効性自己ゲル化アルギネートは、例えば液状のスラリーとして創傷の箇所を通って内部に供給できる。分散物は、内部の空所を満たすのに十分な量で供給され、その場でゲルが形成すると、そのゲルは任意の内部の創傷をふさぎ、そして内部の出血による血液の損失を防ぐ。遅効性自己ゲル化アルギネートは、それを創傷の治療の用途に良く適するようにする成分を含むことができる。例えば、血液凝固成分および防腐組成物および抗生物質を含むことができる。
遅効性自己ゲル化アルギネートは、生体内および生体外で、組織構成物を生成するのに特に有用である。細胞または他の生体材料は、ゲル化システム中に混合され、それにより細胞または組織を支持するバイオ人工細胞外マトリックスを生ずる。分散物は、液状スラリーとして、組織/細胞が治療効果を達成するように機能する箇所に、その場で導入される。組織構成物の例は、骨、軟骨、結合組織、筋肉、肝臓、心臓、膵臓および皮膚を含む。この例は、糖尿病の治療のためのインスリン分泌細胞を含むもの、欠陥のある関節の修復のための軟骨を含む処方物、およびパーキンソン病を治療するための細胞である。このような細胞は、液状スラリー中に配合され、そしてゲルの形成によりそれらが排出しそして生体適合性のアルギネートマトリックス内で機能する箇所中に送られる。ゲルは、また宿主免疫系に対して捕捉した細胞を保護する免疫バリヤーとして使用できる。遅効性自己ゲル化アルギネートは、また生体外で細胞を内包するのに使用され、それによりゲルはその目的とする用途に適合する形状に形成できる。いくつかの態様では、遅効性自己ゲル化アルギネートは、皮膚細胞のような細胞を内包するのに使用され、そして例えば皮膚の移植または大きな面積の創傷の治癒の必要のある火傷をおった患者および他のものを治療するような人工皮膚を製造する。いくつかの態様では、遅効性自己ゲル化アルギネートは、細胞を内包しそして移植できるマトリックスを形成するのに使用される。
糖尿病の治療は、可溶性のアルギネートの溶液中で不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子およびインスリン生成細胞を含む分散物を作り、そしてその分散物を生体適合性マトリックスが形成される個体の身体の箇所に送ることにより、インスリン生成細胞を含む生体適合性マトリックスの製造を含む。個体の身体内の箇所は、空所または個体内に移植された構造物である。分散物は、個体の身体中に移植される生体適合性マトリックスが形成される型、構造物または容器中に送られる。マトリックス中の細胞により生成されるインスリンは、細胞により分泌され、そしてマトリックスから個体の身体中に放出され、それは糖尿病の症状を緩和するように働く。いくつかの態様では、インスリン生成細胞は、膵島細胞である。いくつかの態様では、インスリン生成細胞は、インスリンを発現、分泌するように生成された組み換え細胞である。
遅効性自己ゲル化アルギネートは、移植可能な装置のような被覆された装置を製造するのに特に有用である。いくつかの態様では、装置は、ステント、心臓ペースメーカー、カテーテル、移植可能な補鉄具、手術用ねじ、手術用ワイヤー、組織バルキングインプラント、食道逆流阻止インプラント、尿失禁阻止インプラント、尿道逆流阻止インプラント、表面の外部に付着されるおよび/またはアルギネートマトリックスにより内包される細胞を保持するのに好適な容器例えば固体の装置またはマクロカプセル、乳房インプラント、顎インプラント、頬インプラント、胸部インプラント、臀部インプラントおよび歯科インプラントからなる群から選ばれる。遅効性自己ゲル化アルギネートを用いるコーティングは、形状のいかんにかかわらず、有効なコーティングを生成する。ゲル化イオンとしてのストロンチウムの使用は、移植物の上の細胞の過剰成長を阻害するのに特に有用である。
遅効性自己ゲル化アルギネートは、移植できるマトリックスの製造に有用である。このようなマトリックスは、それが硬化して成型した形状を有する固体を形成する型中に送られる液体/スラリーの混合物を製造することによって、特定の形状をもって製造できる。移植のために製造されたマトリックスは、生物学的に活性な剤および/または細胞を含むことができる。ゲルは、製造されそして手術により移植され、局所的に適用され、または外部の開口をへて器官中に適用される。
いくつかの態様によれば、アルギネートゲルを生成するキットが提供される。このキットは、可溶性のアルギネートを含む第1の容器、そして不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を含む第2の容器からなる。それぞれの容器は、一体化した容器システムの別々の容器コンパートメントであってもよい。
いくつかの態様では、キットは、溶液の形の可溶性のアルギネートを含む。いくつかの態様では、キットは、溶媒のない可溶性のアルギネートを含む。いくつかの態様では、キットは、溶媒を含む追加の容器を含む。
いくつかの態様では、キットは、粉末の形の不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を含む。いくつかの態様では、分散物の形の不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を含む。
いくつかの態様では、キットは、医薬、ペプチド、蛋白、細胞、検出可能な標識化合物または造影用試薬を含む追加の容器を含む。いくつかの態様では、キットは、可溶性のアルギネート溶液または粉末を含む容器、および/または不溶性のアルギネート/ゲル化イオンの粉末または分散物を含む容器に含まれる医薬、ペプチド、蛋白、細胞、検出可能な標識化合物または造影用試薬を含む。
いくつかの態様によれば、ゲルを製造する組成物が提供される。組成物は、直ぐに可溶なアルギネートおよび不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を含む。組成物は、さらに医薬、ペプチド、蛋白、細胞、検出可能な標識化合物または造影用試薬を含む。組成物は、キット中の成分であってもよい。このようなキットは、さらに溶媒を有する容器を含むことができる。
キットは、好ましくは使用のための説明書を含む。
いくつかの態様では、キットは混合用具を含む。混合用具は、容器または容器システムの一部として一体化できる。いくつかの態様では、混合用具は、混合を助けるために、1つの容器から異なる容器への分散物の通過を可能にするバルブシステムを含むことができる。
いくつかの態様では、キットは供給装置を含む。供給装置は、混合用具および/または分散物を含むように適合された容器と連絡するアプリケーターである。いくつかの態様では、供給装置は、カテーテルからなる。いくつかの態様では、供給装置は注射器からなる。
(実施例1)
(高G含量カルシウム(CaG)アルギネート粒子を有する組成物のゲル化性能)
4つの異なる処方物(表1)を作り、そしてほぼ等しい条件下で測定した。ゲルの硬化は、2つの接続された注射器を用いて、成分を混合直後、Bohlin CVO 120 HRレオメーター(鋸刃のプレートを使用した測定システム、20℃、ギャップ1mm、周波数1.0Hz,歪み0.005)を用いて測定された(4mLのサンプル、20秒で混合、混合の開始約1分後測定を開始)。時間は混合の開始時を零とする。ゲル化プロセスは、高い含量のマンニュロン酸で作られたアルギン酸カルシウム粒子を用いたとき、混合のほぼ直後開始した(表1の処方物1および3並びに処方物3、図1)。高いMの不溶性のアルギネート粒子(CaM)は、約50%より少ないグルロン酸を含んだアルギネートを使用した。対照的に、高い含量のグルロン酸を有するアルギン酸カルシウム粒子を含む本発明の組成物を用いたとき、ゲル化前の顕著な最初の遅効時間が観察された(図1参照、処方物17,19および21、不溶性の高いGアルギネート粒子CaGは、長いGブロックを有する約70%のグルロン酸を含んだアルギネートを使用した)。Gブロックの長さは、参考文献であるO.Skaugurud、A.Hagen,B.Borgersen、およびM.Dornish、Biomedical and pharmaceutical applications of alginate and chitosan .Biotechnol.Genet.Eng.Rev.16:23−40,1999により測定される。処方物1,3および10は、比較例であり、そして処方物17,19および21は本発明の例である。
Figure 2014205059
図1に示される弾性モジュラス(G′)に関するデータは、以下の二重動力学式
G′=A(1−fexp(−k1(t−c))−(1−f)exp(−k2(t−c)))
(式中、Aは最終のゲルの強度であり、fは相対寄与因子であり、k1およびk2は速度定数であり、cは遅効定数(=遅効時間)であり、そしてtは混合後の時間である)。全ゲル化半減時間および最終のゲルの強度は、適応されるデータから得られた(表2)。適応される式は、処方物17および19に関する観察されたデータにより示される曲線(遅効)の最初の部分を記述するのに使用できなかった。適応された曲線から計算されたデータ(最終のゲルの強度およびゲル化時間)は、表2に示される。遅効性自己ゲル化時間(c)は、適応された式が零に達する時間に等しい。データから、CaM処方物に比べて、同様な弾性モジュラス(半減時間)に達するために、処方物19(CaG処方物)が約5分の追加の時間を要したことが分かる。最終の弾性モジュラスは、このより高い濃度のCaG処方物について、より高かった。濃度以外は等しい条件下で、CaG粒子は、CaM粒子に比べて約2分から20分にゲル化半減期を遅くした(処方物3および17の比較)。ゲル化速度がCaG粒子を含む処方物について遅いことは、アルギネート溶液中の高G含量の可溶性のアルギン酸ナトリウムを用いる遅効性自己ゲル化組成物をテストすることによって確認された(処方物21)。
Figure 2014205059
CaG粒子を含む組成物について分かっているゲル化時間は、改善された性質を有する特定の処方物の応用を発展する可能性をもっている。不溶性のアルギネート粒子を用いる他のゲル化処方物は、数時間のゲル化の開始時の遅効性、および少なくとも1日または数日のゲル化の開始前の遅効性を示す。処方物のゲル化の急速な開始は、処方物へのナトリウムイオンの添加により始まる。ゲル化は、生理学的レベルのナトリウムの存在で急速に始まる。例えば、注入された遅効性自己ゲル化溶液は、組織への注入後、または遅効性自己ゲル化処方物へ生理学的レベルのナトリウムおよびカルシウムを含む細胞培養培地を添加することによって、ゲルの形成が直ぐに開始される。
低分子量Gブロックアルギネートを用いて作られた不溶性のアルギネート粒子は、実施例2および3に示される。
(実施例2)
(化学量論的量のカルシウム(100%飽和)を有するアルギン酸カルシウム、および高グルロン酸含量を有するアルギン酸ナトリウムオリゴマーの製造)
75gのアルギネートオリゴマー(バッチFP−702−01、グルロン酸含量73%、4000g/モル重量)を4.5Lの精製水に溶解した。450mLの精製水に溶解した207gのCaCl・2HOからなるカルシウム溶液を、攪拌を連続しつつ、アルギネート溶液に注意深く添加した。細かい沈殿が生じた。沈殿は30−40分間放置された。沈殿を次に、懸濁物の電導度が0.1mS/cmより低くなるまで、精製水により洗った。生成物を最後に凍結乾燥し、挽きそして分別した。
(実施例3)
(化学量論的量のカルシウム(100%飽和)を有するアルギン酸カルシウム、および溶液中のG含量>85%を有するアルギン酸ナトリウムオリゴマーの製造)
151.8gのCaCl・2HOおよび330mLの精製水からなるカルシウム溶液を、溶液中のアルギネートオリゴマー(G含量>85%、pH7、平均DPn 16、5%の乾燥物)1Lへ注意深く添加した。細かい沈殿が生じ、それを一晩放置した。生成物を、懸濁物中の電導度が<0.1mS/cmに達するまで、精製水により洗った。沈殿した生成物を凍結乾燥により乾燥し、ビーティングバットにより砕き、そして分別した。
(実施例4)
(化学量論的量のカルシウム(100%飽和)を有するアルギン酸カルシウム、およびアルコール中に懸濁された高グルロン酸含量を有するアルギン酸ナトリウムの製造)
10gのPRONOVA VLVGアルギン酸ナトリウム、バッチBP0709−02(68%グルロン酸含量30000g/モル重量)を420mLのイソプロピルアルコール(IPA)中に懸濁した。27.6gのCaCl・2HOおよび240mLの精製水からなるカルシウム溶液を該溶液へ注意深く添加した。懸濁物を、それが65%IPAにより洗われる前に一晩攪拌しつつ放置した。生成物を乾燥カップボード中で一晩乾燥し、ビーティングバットにより砕きそして分別した。
(実施例5)
(化学量論的量のカルシウム(100%飽和)を有するアルギン酸カルシウム、およびアルコール中に懸濁された高マンニュロン酸含量を有するアルギネートの製造)
60gのPRONOVA LVM(54%のマンニュロン酸含量、20700g/モル重量)を1386mLのIPAに懸濁した。165.6gのCaCl・2HOおよび240mLの精製水からなるカルシウム溶液を該溶液へ注意深く添加した。懸濁物を攪拌しつつ一晩放置した。沈殿を3つの部分に分けられ、それらは個々に、水、65%IPAおよび100%IPAにより洗った。3つの部分を〜66時間乾燥カップボード中で乾燥しそしてビーティングバットにより砕いた。
(実施例6)
(種々のDPn、GおよびMの含量を有する異なるタイプのアルギン酸ナトリウムから製造された生成物のさらなる例)
Figure 2014205059
表3において、G含量は、存在するGの%をいい、M含量は、存在するMの%をいい、そして平均DPnは、オリゴマーあたりのモノマーの数に相当する。
(実施例7)
(カルシウムGブロック粒子を有する遅効性自己ゲル)
この実施例では、異なる遅効性自己ゲル処方物が、ほぼ等しい条件下で作られそして測定された。ゲル形成におけるカルシウム源として、NovaMatrixにより製造されたカルシウムGブロックアルギネート(バッチ、BU−0711−01、45−75μm)を使用した。処方物中、2.5%のカルシウムGブロックアルギネート分散物は、2.5%のPRONOVA LVGアルギン酸ナトリウム(バッチ、FP−206−01)の溶液と混合された。3つの異なる処方物が、添加された塩化ナトリウムとともに、またはなしで作られて、添加された場合、混合後の最終の塩化ナトリウムの濃度が、0.45%または0.9%になるようなアルギン酸ナトリウム溶液となった。ゲルの硬化は、実施例1で記載したようにBohlin CVO 120 HRレオメーターを用いて測定された。2つの接続した注射器を用いることによる混合直後(3mLのサンプル、約20秒間混合、混合開始1分後測定を開始)、処方物をレオメーターにかけた。時間は、混合の開始を零にし、データは図2に示される。ゲル化プロセスは塩化ナトリウムの存在下1分より短く開始されたが、ナトリウムの不存在ではレオメーターのデータによりゲル化は約5時間まで証明されなかった。その後、ストレージモジュラスにおいて非常に小さい変化のみが見られ、それは或る程度の構造の形成を示した。しかし、時間とともに(遅効性)、この処方物は、またナトリウムを添加された処方物に匹敵する最終の弾性値を有するゲルを生成した。
ゲル形成に対するナトリウムの作用は、また、測定が開始された1時間後、ゲルの表面に0.9%の塩化ナトリウム溶液を添加することによって、さらにテストされた(図3)。明らかに、塩化ナトリウムイオンの添加は、急速なゲル化の開始および早いゲル形成を生じた。
(実施例8)
(PRONOVA VLVGアルギネートから作られたカルシウム粒子を有する遅効性自己ゲル処方物)
この実施例では、異なる遅効性自己ゲル化処方物が、ほぼ等しい条件下で作られそして測定された。ゲル処方物中のカルシウム源として、NovaMatrix(バッチ、J101−005)により製造された特に処理されたアルギン酸カルシウムを使用した。処方物中、2.5%のカルシウムVLVGアルギネート分散物は、2.5%のPRONOVA LVGアルギン酸ナトリウム(バッチ、FP−408−02)の溶液と混合された。2つの異なる処方物が、添加された塩化ナトリウムとともに、またはなしで作られて、添加された場合、混合後の最終の塩化ナトリウムの濃度が0.9%になるようなアルギン酸ナトリウム溶液を得た。ゲルの硬化は、実施例1で記載したようにBohlin CVO 120 HRレオメーターを用いて測定された。2つの接続した注射器を用いることによる混合直後(3mLのサンプル、約20秒間混合、混合開始1分後測定を開始)、処方物をレオメーターにかけた。時間は、混合の開始を零にし、データは図4に示される。ゲル化プロセスは塩化ナトリウムの存在下直ぐ開始されたが、ナトリウムの不存在では測定が行われている間(9時間以上)ゲル化は、レオメーターにより証明されなかった。いくらかのゲル化が、1日以上の後に生じたようであった。ゲルの形成に対するナトリウムの作用は、また、測定が開始された1時間後、アルギネート溶液にMEM培地溶液(0.9%の塩化ナトリウムを含む)を添加することによって、さらにテストされた(図3)。明らかに、塩化ナトリウムイオンの添加は、培地の添加直後ゲルの形成を開始させた。
(実施例9)
(コントロールされた放出システム)
医薬または他の治療用分子の伝達のためのコントロールされた放出システムにおけるアルギネートの有用性が立証された。本実施例で立証されるゲルの生成物のタイプは、また、同様に使用できそして異なる処方物で有利である。1つの例は、生分解性ゲルの使用であり、すなわち、治療期間を制限するために低い濃度のゲル化イオンを使用する。癌患者の治療では、医薬または放射性アイソトープを含む空所を埋めるゲルが、疾患の反復を防ぐために手術中に適用される。活性成分が放出されるかまたは放射性活性が崩壊した後、ゲルが溶解しそして身体から排出されることが望ましい。遅効性自己ゲル化アルギネートのコントロールされた伝達処方物は、もちろん、またいかなる手術の操作なしに身体に直接注入され、そしてゲル/アルギネート溶液は、また口腔の医薬伝達に使用できる。口腔の使用では、アルギネートは、抗逆流治療として処方物中で現在周知である。それゆえ、アルギネートの遅効性自己ゲル化処方物が同様な用途をもつことは可能である。
(実施例10)
(組織工学の用途)
本発明によるアルギネートゲル内に細胞を捕捉することは、種々の疾患の治療のために移植可能な「バイオファクトリー」分泌活性物質を生成するのに使用できる。しかし、アルギネートゲル内への細胞の捕捉は、また組織工学の用途に使用できる。組織工学には、三次元の構造物内またはその上の細胞の成長が求められ、そのためこのような用途のための良好な生体材料が必要とされる。架橋イオンの時間遅延の自己放出は、ゲル化イオンアルギネート懸濁物が、ゲル化が生ずる前に複雑な幾何学的構造に成型されるのを可能にする。生体外の条件下で、このようなアルギネート構造物は、組織または人工器官の発達の成長物質として使用できる。細胞は、ゲルの表面が細胞のための成長基質であるため、アルギネートゲルのビーズの表面で成長する。アルギネートゲル上の細胞の成長は、使用されるアルギネートおよびゲル化イオンに依存することが分かっている。本発明の遅効性自己ゲル化処方物は、アルギネートのシートまたは他の成形されたゲル構造物の内側または表面で成長する細胞の複数の層を生ずるのに使用できる。その上、アルギネートゲルは、シトレート、ホスフェートまたは他のゲル化イオンキレート剤との処理により、後で除くことができる。これは、組織または器官の構築に、いくつかの細胞の層を組み合わせる可能性をあたえる。ゲル構造物の内側または表面のいくつかのタイプの細胞は、もしこれが構造物の発達に望ましいならば、組み合わせることができる。
神経再生は、組織工学内のアルギネートの使用の興味のある例である。遅効性自己ゲル化アルギネートによる人工神経導管の充満は、神経の再生のための改善された指標および生体適合性を有する構造物の形成に好適である。このシステムは、他の技術に比べて、成型プロセスおよび構造物の性質に、より良いフレキシビリティーおよびより良いコントロールをあたえる。
注入可能なアルギネート/細胞懸濁システムは、また、たとえ手術の介入がなくても、欠陥または損傷をうけた組織箇所へ伝達できる。このような用途では、それがゲルになる前に、材料を成形するための或る作業時間を有することが必須である。しかし、ゲル化速度は、また、ゲル/溶液を適用することによる長期間の患者の待機時間または問題を避けるように、かなり早いことが望まれる。遅効性自己ゲル化システムは、本明細書に示されそして従来述べられているように、種々のゲル化時間−曲線および種々の強度および安定性の性質を有するように適合される。この可変性は、そのため、注入操作のそれぞれのタイプへ適合するように使用される。1つの例として、軟骨の欠陥の修復は、遅効性自己ゲル化アルギネート構造物を使用する可能性を有する。アルギネートは、軟骨の組織工学に使用される有用な生体材料であることが分かっており、そしてアルギネートが軟骨発生を刺激することも知られている。そのため、軟骨細胞または他の細胞を有するかまたは有しない遅効性自己ゲル化アルギネート溶液は、関節の欠陥の治療で直接注入される。骨関節炎の患者は、「関節液治療」により既に今日治療されており、そして2つの製品が市場に出ており、ナトリウムヒアルロネート(Hyalgan)およびヒランG−F20(Synvisc)があり、それらは関節液にその粘度をあたえる物質であるヒアルロン酸を補給することにより、潤滑液として働くと考えられている。痛みの緩和は、いくらかの人々では6−13ヶ月続く。治療は、緩和から中程度の膝の骨関節炎にかかった人たちに最も有効であることが示されている。しかし、ヒアルロン酸が身体中で分解されることが知られているため、生分解性の低いかつ生体適合性の良好なアルギネートのような他のバイオポリマーの使用は、利点をもたらす。
アルギネートヒドロゲルは、スポンジまたは繊維のような生体適合性の構造物を作るために、凍結乾燥されるか、または水が処理される他のやり方で一部または完全に除かれる。遅効性自己ゲル化アルギネートシステムを用いる本発明の技術の使用は、また組織工学または他の用途に有用な生体適合性のスポンジまたは他の構造物の製造において1つの工程として使用できる。
遅効性自己ゲル化アルギネート処方物は、ステントまたは移植物または他の移植装置のコーティングで使用できる。アルギネート処方物のタイプに応じて、コーティング層は、いくらか生体適合性に作られ、そして宿主細胞の内への延びまたは装置に添加された細胞の成長に多少の支持をあたえる。
(実施例11)
(組織バルキング)
アルギネートは、尿道の括約筋に近い粘膜下組織へ伝達されて、膀胱の尿失禁の治療のためのバルキングを提供し、そしてその方法は、クリニックにおいて既に行われている。他の例は、食道と胃との間の結合部にアルギネート処方物を伝達して、胃−食道逆流障害の治療の助けにする。アルギネートの高度の適合性は、補綴のやり方で注入可能な溶液として使用することを、他の材料の魅力的な代替とする。
遅効性自己ゲル化アルギネートシステムに基づく処方物は、予め規定された体積を満たす目的で、予定された硬化時間を有する注入可能な溶液またはペーストを生成するのに使用できる。前述したように、ゲル処方物は、いくらか生分解性を有し、バルキング処方物に望ましい性質をあたえる。
(実施例12)
(血管の塞栓形成)
血管内閉塞を形成する方法は、以下の症状例えば動静脈奇形、動脈瘤、腫瘍への過剰の血液供給、多量の血管の出血のコントロールのような症状、および症状を緩和するために塞栓形成を要する他の症状を治療するのに使用できる。いくつかの塞栓性システムは、血液または他の体液と接触すると、固化または沈殿し始めるポリマーの溶液の使用を含む。しかし、このようなシステムは、固体ポリマーの形成または沈殿を生じさせるのに必要な時間の遅延のために、身体の望ましくない部分へ移動するポリマーの溶液の問題により都合の悪いことになる。これらのポリマー溶液システムにおける移動は、溶液が「早い流れ」の領域、例えば血管系へ注入されるとき、特に問題になる。ポリマー溶液システムから形成される繊維も、他の問題、例えば十分に閉塞しない、余りに堅いがもろい、または生体適合性がないなどによって、不都合になりがちである。PVA(ポリビニルアルコール)の粒子またはビーズまたはゼラチンの使用は、塞栓形成に有用であることが分かっており、そして現在クリニックで使用されている。
アルギネートに基づく処方物は、また塞栓形成の操作に使用されることを提案されてきている。血管内閉塞が、アルギネート液体および塩化カルシウム溶液の注入をコントロールして、閉塞を目指す血管系内の箇所に接しそして重合することにより、アルギン酸カルシウムを用いて誘導されることが示唆されている。このようなシステムに比べて、本発明の遅効性自己ゲル化アルギネート処方物の使用は、利点を有する。治療は、一回の注入で行うことができ、そして遅効性自己硬化処方物の強度は、システムのより良いコントロールにより調節できる。特に、遅効性自己ゲル化アルギネート処方物は、ゲル化前の時間および生分解性をコントロールする必要があるときに、有用である。
(実施例13)
(抗癒着処方物)
癒着の形成は、手術、トラウマ、感染などに帰因する。癒着は、腹部の手術後にしばしば起こり、そして腸閉塞、不妊および痛みを生ずる主な臨床上の問題を生ずる。癒着を予防または減少させるための試みは、ほとんど成功していなかったが、種々のバイオポリマーを用いる最近開発された機械的なバリヤーは、癒着の予防に臨床的な進歩を示している。
アルギネートに基づく処方物は、また、抗癒着バリヤーとして提案されている。抗癒着バリヤーは、本発明の遅効性自己ゲル化アルギネートを使用することによって製造される。溶液/ゲル処方物は、使用直前に混合され、そして好適な生分解性をもって製造される。このようなタイプの処方物は、また他のポリマー、医薬または他の支持化合物を含むことができる。追加のポリマーが使用されて、ゲルの性質、特にゲル構造物と組織との間の接着を増す性質を改善する。
(実施例14)
(創傷治癒処方物)
アルギネートのドレッシングは、滲出性の創傷を治療するのに通常使用される。創傷治癒用の現在のアルギネート製品は、柔らかな不織の繊維またはパッドからなる。アルギネートは、それら自体の重量より何倍も吸収し、そして創傷内にゲルを形成して、空のスペースを満たしそして湿気のある環境を維持する。アルギネートが、より未知のメカニズムにより創傷治癒のプロセスに影響することが示唆されており、そしてアルギネート創傷ドレッシング内に存在するカルシウムが、或る細胞への影響により創傷治癒プロセスに影響するものとされている。
遅効性自己ゲル化アルギネート構造物は、治癒プロセス中組織の表面の三次元の表面に合致することができる。他のなかで、よりコントロール可能かつ規定されたカルシウム含量を有する処方物が、再吸収性を有する構造物とともに、達成できる。
(実施例15)
(心臓組織バルキング処方物)
遅効性自己ゲル化アルギネートシステムは、遅効性自己ゲル分散物を心臓のスペースへ導入して血流および能率を改善することにより行われる組織バルキング操作に有用である。いくつかの個体、例えば心筋梗塞に関連する虚血による心臓組織の損失または心臓の疾患にかかっているものでは、易感染性の心臓の血流および能率は、その場でゲルとなる遅効性自己ゲル分散物を導入することによって改善できる。カテーテルが個体の身体に入れられ、カテーテルの一端は、針または他の穿刺装置を含んで、その内部から心臓を刺す。遅効性自己ゲル化アルギネートを次に伝達し、そして生理学的ナトリウムの存在または追加のナトリウムの導入は、遅効性自己ゲル化を促進して、ゲルが心臓中に形成される。遅効性自己ゲル化技術の遅効性自己ゲル化性は、カテーテルを適切に配置し、そしてカテーテルの閉塞を生じそしてさらなるカテーテル操作を必要とするゲル化前に、或る程度コントロールしつつ、分散物を伝達する時間をもつことができる。遅効性自己ゲル化性は、或る程度のコントロールおよび時間枠を与えて、より時間に厳密を要しない操作を可能にすることにより、顕著な利点をもたらす。
[付記]
[付記1]
不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を含む分散物であって、分散物は、非ゲル化カチオンの添加なしで1分後に最終ゲルストレージモジュラスの10%より下のストレージモジュラスを示し、そして
(a)不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子が、85%より多いGを有しさらにオリゴマーあたり15モノマーから20モノマーの間のモノマーの平均数を有する単離されたGブロックオリゴマーを含むか、または
(b)不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子が、以下の2つの方法(i)−(iv)または方法(i)−(v)の何れか、
(i)アルギネート、ゲル化イオンおよび水以外の極性溶媒を用いてアルギネートゲルを作る工程、
(ii)アルギネート中に存在したゲルからナトリウムまたは他のイオンを洗い流す工程、
(iii)ゲルを乾燥して溶媒を除く工程、そして
(iv)乾燥したゲルから粒子を作る工程、
または
(i)アルギネート、ゲル化イオンおよび水以外の溶媒を組み合わせてアルギネート−ゲル化イオン複合体の沈殿を形成する工程、
(ii)沈殿を集める工程、
(iii)アルギネート中に存在したゲルからナトリウムまたは他のイオンを洗い流す工程、
(iv)沈殿を乾燥して溶媒を除く工程、そして
(v)乾燥した沈殿から粒子を作る工程
からなる方法により生成されることを特徴とする可溶性のアルギネートを含む水溶液中に不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を含む分散物。
[付記2]
分散物が、非ゲル化カチオンの添加なしで5分後に最終ゲルストレージモジュラスの10%より下のストレージモジュラスを示す付記1の分散物。
[付記3]
分散物が、非ゲル化カチオンの添加なしで20分後に最終ゲルストレージモジュラスの10%より下のストレージモジュラスを示す付記1の分散物。
[付記4]
分散物が、非ゲル化カチオンの添加なしで45分後に最終ゲルストレージモジュラスの10%より下のストレージモジュラスを示す付記1の分散物。
[付記5]
分散物が、非ゲル化カチオンの添加なしで60分後に最終ゲルストレージモジュラスの10%より下のストレージモジュラスを示す付記1の分散物。
[付記6]
分散物が、非ゲル化カチオンの添加後5時間以内に最終ゲルストレージモジュラスの10%より上のストレージモジュラスを示す付記1−5の何れか1つの分散物。
[付記7]
分散物が、非ゲル化カチオンの添加後5時間以内に最終ゲルストレージモジュラスの25%より上のストレージモジュラスを示す付記1−5の何れか1つの分散物。
[付記8]
分散物が、非ゲル化カチオンの添加後5時間以内に最終ゲルストレージモジュラスの50%より上のストレージモジュラスを示す付記1−5の何れか1つの分散物。
[付記9]
分散物が、非ゲル化カチオンの添加後5時間以内に最終ゲルストレージモジュラスの75%より上のストレージモジュラスを示す請求項1−5の何れか1つの項の分散物。
[付記10]
分散物が、非ゲル化カチオンの添加後5時間以内に最終ゲルストレージモジュラスの90%より上のストレージモジュラスを示す付記1−5の何れか1つの分散物。
[付記11]
分散物が、非ゲル化カチオンの添加後1時間以内に最終ゲルストレージモジュラスの10%より上のストレージモジュラスを示す付記1−5の何れか1つの分散物。
[付記12]
分散物が、非ゲル化カチオンの添加後1時間以内に最終ゲルストレージモジュラスの25%より上のストレージモジュラスを示す付記1−5の何れか1つの分散物。
[付記13]
分散物が、非ゲル化カチオンの添加後1時間以内に最終ゲルストレージモジュラスの50%より上のストレージモジュラスを示す付記1−5の何れか1つの分散物。
[付記14]
分散物が、非ゲル化カチオンの添加後1時間以内に最終ゲルストレージモジュラスの75%より上のストレージモジュラスを示す付記1−5の何れか1つの分散物。
[付記15]
分散物が、非ゲル化カチオンの添加後1時間以内に最終ゲルストレージモジュラスの90%より上のストレージモジュラスを示す付記1−5の何れか1つの分散物。
[付記16]
分散物が、非ゲル化カチオンの添加後10分以内に最終ゲルストレージモジュラスの10%より上のストレージモジュラスを示す付記1−5の何れか1つの分散物。
[付記17]
分散物が、非ゲル化カチオンの添加後10分以内に最終ゲルストレージモジュラスの25%より上のストレージモジュラスを示す付記1−5の何れか1つの分散物。
[付記18]
分散物が、非ゲル化カチオンの添加後10分以内に最終ゲルストレージモジュラスの50%より上のストレージモジュラスを示す付記1−5の何れか1つの分散物。
[付記19]
分散物が、非ゲル化カチオンの添加後10分以内に最終ゲルストレージモジュラスの75%より上のストレージモジュラスを示す付記1−5の何れか1つの分散物。
[付記20]
分散物が、非ゲル化カチオンの添加後10分以内に最終ゲルストレージモジュラスの90%より上のストレージモジュラスを示す付記1−5の何れか1つの分散物。
[付記21]
非ゲル化カチオンの添加が、非ゲル化カチオンの最終濃度を17mM以上上げるのに十分であるか、または約0.9%の最終濃度を達成するのに十分である付記6−20の何れか1つの分散物。
[付記22]
不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子が、85%より多いGを有しさらにオリゴマーあたり15モノマーから20モノマーの間のモノマーの平均数を有する単離されたGブロックオリゴマーを含む付記1−21の何れか1つの分散物。
[付記23]
不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子が、アルギネート、ゲル化イオンおよび水以外の極性溶媒を用いてアルギネートゲルを作る工程、アルギネート中に存在したゲルからナトリウムまたは他のイオンを洗い流す工程、ゲルを乾燥して溶媒を除く工程、そして
乾燥したゲルから粒子を作る工程からなる方法;またはアルギネート、ゲル化イオンおよび水以外の溶媒を組み合わせてアルギネート−ゲル化イオン複合体の沈殿を形成する工程、沈殿を集める工程、アルギネート中に存在したナトリウムまたは他のイオンを洗い流す工程、沈殿を乾燥して溶媒を除く工程、そして乾燥した沈殿から粒子を作る工程からなる方法により生成される不溶性のアルギネートを含む付記1−21の何れか1つの分散物。
[付記24]
極性溶媒がアルコールである付記23の分散物。
[付記25]
不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子がカルシウムを含む付記1−24の何れか1つの分散物。
[付記26]
不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子が、175ミクロンより小さい付記1−25の何れか1つの分散物。
[付記27]
(a)不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を含む容器、および(b)可溶性のアルギネートを含む容器からなることを特徴とする付記1−25の何れか1つの分散物を作るキット。
[付記28]
直ぐに可溶なアルギネートと不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子とを含むことを特徴とする付記1−25の何れか1つの分散物を作る組成物。
[付記29]
(i)可溶性のアルギネートを含む溶液と不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子とを混合するか、または(ii)直ぐに可溶なアルギネート、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子および溶媒を混合することにより、付記1−25の何れか1つの分散物を形成することを含むことを特徴とする遅効性自己ゲル化アルギネート分散物を供給する方法。
[付記30]
(a)(i)可溶性のアルギネートを含む溶液と不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子とを混合するか、または(ii)直ぐに可溶なアルギネート、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子および溶媒を混合し、(b)分散物と非ゲル化カチオンとを組み合わせるか、または分散物を非ゲル化カチオンに曝すことにより、付記1−25の何れか1つの分散物を形成することを特徴とするアルギネートゲルを製造する方法。
[付記31]
(a)(i)可溶性のアルギネートを含む溶液と不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子とを混合するか、または(ii)直ぐに可溶なアルギネート、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子および溶媒を混合し、(b)分散物を個体の身体の箇所へ供給し、アルギネートがその箇所で形成することにより、付記1−25の何れか1つの分散物を形成することを特徴とする個体においてその場でアルギネートゲルを作る方法。
[付記32]
(a)アルギネートまたはその塩を非水性の極性溶媒に溶解してアルギネート溶液を生成する工程、
(b)ゲル化イオン塩をアルギネート溶液に添加しそしてpHを中性に調節する工程、そして以下の2つの工程(c)−(f)の何れか、
(c)沈殿した不溶性のアルギネートを集める工程、
(d)沈殿した不溶性のアルギネートを洗浄する工程、
(e)洗浄された不溶性のアルギネートを乾燥する工程、
(f)該乾燥不溶性アルギネートの粒子を形成する工程、
または
(c)添加されたゲル化イオン塩を有するアルギネート溶液を、ゲルが形成されるのに十分な時間維持する工程、
(d)ゲルを洗浄する工程、
(e)ゲルを乾燥する工程、
(f)該乾燥不溶性アルギネートの粒子を形成する工程
を行うことを特徴とする不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を製造する方法。
[付記33]
85%以上のGからなるアルギネートを溶解する工程、
ゲル化イオン塩を水中に溶解しそしてpHを中性に調節する工程、
アルギネート溶液と塩化カルシウム溶液とを連続的な攪拌の下組み合わせる工程、
沈殿した不溶性のアルギネートを集め、そしてそれを水により、電導度が精製水のそれと同様なレベルへ低下するまで洗浄する工程、
洗浄した不溶性のアルギネートを乾燥する工程、
該乾燥不溶性アルギネートの粒子を形成する工程
を含むことを特徴とする不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を製造する方法。
[付記34]
アルギネートが、約2−10kDの平均分子量を有するオリゴマーである付記33の方法。
[付記35]
アルギネートが、15モノマーと19モノマーとの間のモノマーの平均数を有するオリゴマーである付記33の方法。
[付記36]
粒子が粉砕により形成される付記32−35の何れか1つの方法。
[付記37]
ゲル化イオンがカルシウムまたはストロンチウムである付記32−36の何れか1つの方法。
[付記38]
粒子が175ミクロンより小さい付記32−37の何れか1つの方法。
[付記39]
アルギネートが超高純度アルギネートである付記32−38の何れか1つの方法。
[付記40]
付記39の方法により製造されたことを特徴とする超高純度の不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子。
[付記41]
付記32−40の何れか1つの方法により製造されたことを特徴とする不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子。
[付記42]
(a)可溶性のアルギネートを含む水溶液中で不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を含む分散物を形成し、ここで(i)可溶性のアルギネートを含む溶液と不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子とを混合するか、または(ii)直ぐに可溶なアルギネート、不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子および溶媒を混合することにより、分散物が、非ゲル化カチオンの添加なしに1分後に最終ゲルストレージモジュラスの10%より下のストレージモジュラスを示す、
(b)分散物が非ゲル化カチオンの添加後5時間以内に最終ゲルストレージモジュラスの10%より上のストレージモジュラスを示すのに十分な量で、分散物へ非ゲル化カチオンを添加する
ことを含むことを特徴とするアルギネートゲルを製造する方法。
[付記43]
分散物へ添加される非ゲル化カチオンの量が、非ゲル化カチオンの添加後1時間以内に最終ゲルストレージモジュラスの10%より上のストレージモジュラスを分散物が示すのに十分である付記42の方法。
[付記44]
分散物へ添加される非ゲル化カチオンの量が、非ゲル化カチオンの添加後30分以内に最終ゲルストレージモジュラスの10%より上のストレージモジュラスを分散物が示すのに十分である付記42の方法。
[付記45]
分散物へ添加される非ゲル化カチオンの量が、非ゲル化カチオンの添加後10分以内に最終ゲルストレージモジュラスの10%より上のストレージモジュラスを分散物が示すのに十分である付記42の方法。
[付記46]
分散物へ添加される非ゲル化カチオンの量が、非ゲル化カチオンの添加後1時間以内に最終ゲルストレージモジュラスの50%より上のストレージモジュラスを分散物が示すのに十分である付記42の方法。
[付記47]
分散物へ添加される非ゲル化カチオンの量が、非ゲル化カチオンの添加後30分以内に最終ゲルストレージモジュラスの50%より上のストレージモジュラスを分散物が示すのに十分である付記42の方法。
[付記48]
分散物へ添加される非ゲル化カチオンの量が、非ゲル化カチオンの添加後10分以内に最終ゲルストレージモジュラスの50%より上のストレージモジュラスを分散物が示すのに十分である付記42の方法。
[付記49]
分散物へ添加される非ゲル化カチオンの量が、非ゲル化カチオンの添加後1時間以内に最終ゲルストレージモジュラスの90%より上のストレージモジュラスを分散物が示すのに十分である付記42の方法。
[付記50]
分散物へ添加される非ゲル化カチオンの量が、非ゲル化カチオンの添加後30分以内に最終ゲルストレージモジュラスの90%より上のストレージモジュラスを示すのに十分である付記42の方法。
[付記51]
分散物へ添加される非ゲル化カチオンの量が、非ゲル化カチオンの添加後10分以内に最終ゲルストレージモジュラスの90%より上のストレージモジュラスを示すのに十分である付記42の方法。

Claims (2)

  1. 不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を含む分散物であって、分散物は、非ゲル化カチオンの添加なしで1分後に最終ゲルストレージモジュラスの10%より下のストレージモジュラスを示し、そして
    (a)不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子が、85%より多いGを有しさらにオリゴマーあたり15モノマーから20モノマーの間のモノマーの平均数を有する単離されたGブロックオリゴマーを含むか、または
    (b)不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子が、以下の2つの方法(i)−(iv)または方法(i)−(v)の何れか、
    (i)アルギネート、ゲル化イオンおよび水以外の極性溶媒を用いてアルギネートゲルを作る工程、
    (ii)アルギネート中に存在したゲルからナトリウムまたは他のイオンを洗い流す工程、
    (iii)ゲルを乾燥して溶媒を除く工程、そして
    (iv)乾燥したゲルから粒子を作る工程、
    または
    (i)アルギネート、ゲル化イオンおよび水以外の溶媒を組み合わせてアルギネート−ゲル化イオン複合体の沈殿を形成する工程、
    (ii)沈殿を集める工程、
    (iii)アルギネート中に存在したゲルからナトリウムまたは他のイオンを洗い流す工程、
    (iv)沈殿を乾燥して溶媒を除く工程、そして
    (v)乾燥した沈殿から粒子を作る工程
    からなる方法により生成されることを特徴とする可溶性のアルギネートを含む水溶液中に不溶性のアルギネート/ゲル化イオン粒子を含む分散物。
  2. 分散物が、非ゲル化カチオンの添加なしで5分後に最終ゲルストレージモジュラスの10%より下のストレージモジュラスを示す請求項1の分散物。
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