以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。実施の形態の説明において記す前後左右とは、遊技者から見た、つまり遊技機に向かって見た方向を指すものとする。
(遊技管理システムのシステム構成図)
図1は、本発明の実施の形態の遊技管理システムのシステム構成図である。
遊技場には、複数の遊技装置10(図2参照)が設置されている。遊技装置10は、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機5を含む(図2参照)。遊技装置10は、遊技球又はメダル等の遊技媒体を用いて実際に遊技を行う遊技機5を備え、さらに、当該遊技媒体を提供するための構成(記憶媒体受付端末装置6、図2参照)を備える。なお、本実施の形態では、パチンコ機としての遊技機5を含む遊技装置10を例に説明を行なう。遊技装置10についての詳細は、図2にて後述する。
遊技装置10は、遊技情報や個体識別情報を出力することが可能である。遊技装置10には、当該遊技装置10から出力される遊技情報や個体識別情報を収集する情報収集端末装置3が接続される。本実施の形態では、遊技装置10毎に情報収集端末装置3が設けられているが、複数の遊技装置10に対して一台の情報収集端末装置3が設けられる構成でもよい。情報収集端末装置3は、各遊技装置10から出力される個体識別情報に基づいて遊技装置10を識別し、遊技装置10毎の遊技情報を個体識別情報に対応付けて収集することも可能である。なお、遊技装置10から出力される信号については、図8及び図9にて後述する。
情報収集端末装置3は、中継装置13Aを介して、遊技場管理装置2に接続されている。情報収集端末装置3は、遊技装置10から収集した遊技情報に基づいて、遊技場管理装置2へ出力する情報を生成し、生成した情報を遊技場管理装置2へ送信する。
コーナーランプ12は、島設備毎に配設される。コーナーランプ12は、島設備に設置された遊技装置10等に異常が発生した場合に、ランプを点灯又は点滅し、当該島設備に異常が発生したことを遊技場の従業員に報知する。なお、コーナーランプ12の設置は、島設備毎に限られず、フロア毎、通路毎又は所定のブロック毎でもよい。
呼出ランプ9は、遊技装置10毎に配設される。呼出ランプ9は、呼出ボタン92が操作された場合や遊技装置10に異常が発生した場合等にランプを点灯又は点滅し、当該遊技装置10遊技者による呼び出しや異常が発生したことを遊技場の従業員に報知する。
これら情報収集端末装置3、呼出ランプ9及びコーナーランプ12は、中継装置13Aを介して、遊技場管理装置(ホールコンピュータ)2に接続される。遊技場管理装置2は、遊技場に設置される遊技装置10の遊技情報を、情報収集端末装置3を介して集計及び管理する。また、遊技場管理装置2には、インターフェース装置7を介して、会員管理装置1が接続される。
また、遊技装置10には、中継装置13Bを介して、会員管理装置1、景品POS8及び残額精算機14に接続される。遊技装置10の記憶媒体受付端末装置6は、遊技者が所持する記憶媒体(会員カード又はワンデイカード等)を受け付けた場合に、当該記憶媒体に記憶されている識別情報(カードID)を会員管理装置1に送信する。また、遊技媒体を遊技者に貸出した場合には、貸出情報を、有価価値(現金)が入金された場合には、入金された金額の入金情報を会員管理装置1に送信する。
遊技場では、遊技者が獲得した遊技媒体を遊技場に預け入れ、後日来店した際に、遊技場に預け入れた遊技媒体を引き出して遊技する、いわゆる貯球再プレイ遊技が可能となっている。会員管理装置1は、会員の個人情報の他に、遊技者(会員)が所持する記憶媒体の識別情報(カードID)と当該遊技者が預け入れている遊技媒体数とを対応付けた口座情報を管理する。そして、会員管理装置1は、遊技者の記憶媒体を遊技装置10の記憶媒体受付端末装置6が受け付けて暗証番号が入力されると、送信されたカードIDに基づいて、当該遊技者が預け入れている遊技媒体数を記憶媒体受付端末装置6に送信する。
残額精算機14は、遊技者が所持する記憶媒体に記憶されている有価価値(残額)を遊技者に払い戻す。なお、有価価値(残額)はカードIDに対応付けて会員管理装置1で管理しておいても良く、有価価値の払い戻し時に暗証番号の入力を求めても良い。
景品POS8は、遊技者が保有する遊技媒体(遊技価値)と景品を交換する処理を行ったり、景品の在庫を管理したりする。また、景品POS8は、会員となる遊技者に関する情報を会員管理装置1に登録するための機能や、会員カードを発行する機能を備えたりしてもよい。
なお、これらの装置は遊技場内部の内部ネットワークに設けられるが、会員管理装置1や遊技場管理装置2のデータ管理機能を外部ネットワークに設けられる外部管理装置に持たせるような、所謂クラウドコンピューティングを採用しても良い。この場合には、情報収集端末装置3から遊技場管理装置2に遊技情報を送信する代わりに外部管理装置に遊技情報を送信し、外部管理装置において、送信された遊技情報を収集及び管理するようにするとよい。この場合、遊技場の従業員等は、遊技場内部に設けられる通信機器や自らが所持する通信機器を介して外部管理装置にアクセスすることで、収集された遊技情報を把握することができる。これにより、初期導入コストや装置の管理コストを抑えて遊技管理システムを導入することができる。また、外部管理装置に複数の遊技店のデータ管理機能を持たせても良いし、後述する機種の分析、台の評価を行う機能を持たせても良い。
〔遊技装置〕
図2は、本発明の実施の形態の遊技装置10の構成を説明する図である。
遊技装置10は、遊技機5と、記憶媒体受付端末装置(カードユニット)6と、アウトタンク装置4とを備える。
遊技機5には、島設備の上部に設けられた補給樋(図示省略)から補給シュートを介して遊技球(補給球)が補給される。遊技に使用された遊技球は、入賞口(入賞装置)に入賞し、又はいずれの入賞口にも入賞せずにアウト口84に導かれ、遊技機5の裏面側から外部へ排出される。アウトタンク装置4は、遊技機5から外部に排出された遊技球を受け入れるアウトタンクと、アウトタンクで受け入れた遊技球(アウト球)を計数する計数器400(図6参照)とを備える。計数された遊技球は、島設備の回収樋(図示省略)に排出される。
島設備には、遊技機5に対応して呼出ランプ9が配設される。呼出ランプ9は、各種遊技情報やエラー情報を表示可能な表示器91と、遊技場の従業員等を呼び出すための呼出ボタン92と、各種情報を選択して表示器91に表示させるための表示ボタン93とを備える。呼出ランプ9の表示器91は、遊技装置10等の異常時に点灯又は点滅してその異常を遊技場の従業員に報知したり、表示ボタン93によって選択された情報(大当りの回数や後述する補助遊技の回数等の遊技履歴)を表示したりする。なお、表示器91の上部には、遊技機5の台番号を表示する表示部94が配設されている。
以下では、遊技装置10の遊技機5の構成を説明する。
遊技機5の前面枠53は、本体枠(外枠)50に図示しないヒンジを介して開閉回動可能に組み付けられる。遊技盤56は前面枠53の表側に形成された収納部(図示省略)に交換可能に設置される。前面枠53には、遊技盤56の前面を覆うカバーガラスを備えたガラス枠52が取り付けられる。
遊技盤56の前面には、ガイドレール58で囲われた略円形状の遊技領域57が形成される。遊技領域57のほぼ中央には、表示装置59を有するセンターケース85が設置される。表示装置59はセンターケース85に設けられた開口部に取り付けられる。
表示装置59は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等で表示画面が構成されている。表示画面の表示領域には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。例えば、表示画面の変動表示領域には、識別情報として割り当てられた三つの特別図柄が変動表示(可変表示)され、特図変動表示ゲーム(補助遊技)が行われる。また、表示画面には、遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
遊技領域57の左側部には、普通図柄始動ゲート78が設けられる。遊技領域57の左下部には三つの一般入賞口79が設けられ、遊技領域57の右下部には一つの一般入賞口79が設けられる。遊技領域57の中央下部には、特図変動表示ゲームの始動条件を与える第1始動口及び第2始動口に遊技球を交互に振り分けるための振分部80が設けられ、第2始動口には、可動部材が逆「ハ」の字状に開いて遊技球が第2始動口に流入し易い状態に変換する普通変動入賞装置81を備える。振分部80の内部には第1始動口及び第2始動口に遊技球を振り分ける振分部材が配設されており、始動口80に入賞した遊技球は、交互に第1始動口と第2始動口とに振り分けられる(マックス8仕様)。そして、第1始動口又は第2始動口に遊技球が入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲーム)が実行される。なお、一般入賞口79、始動口80又は特別変動入賞装置82に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の遊技球が賞球として払い出される。なお、振分部に普通変動入賞装置81を設けても良い。
遊技機5では、発射装置(図示省略)が遊技領域57に向けて遊技球を打ち出す。打ち出された遊技球は、遊技領域57内の各所に設置された釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域57を流下し、一般入賞口79、第1始動口、第2始動口又は特別変動入賞装置82に入賞するか、遊技領域57の最下部に設けられたアウト口84に入ることによって遊技が行われる。なお、遊技球が各種入賞口又はアウト口84に入る前に、普通図柄始動ゲート78を通過する場合がある。遊技球が普通図柄始動ゲート78を通過した場合には、普図変動表示ゲームが実行される。
一般入賞口79への遊技球の入賞は、一般入賞口スイッチ(図示省略)によって検出される。第1始動口への遊技球の入賞は、第1始動口スイッチによって検出され、第2始動口への遊技球の入賞は、第2始動口スイッチ(図示省略)によって検出される。普通図柄始動ゲート78への遊技球の通過は、普通図柄始動ゲートスイッチ(図示省略)によって検出される。
ここで、普通変動入賞装置81の可動部材は、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持する。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド(図示省略)によって、逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態、入賞容易状態)に変化するように構成されている。普通変動入賞装置81が開状態になることで可動部材により拾われた遊技球は、第2始動口に入賞して第2始動口スイッチによって検出される。
なお、普通変動入賞装置81は、後述する遊技制御装置100(図5参照)によって制御される。遊技制御装置100は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、特定遊技状態(普電サポート状態、時短状態、第2遊技状態)を発生させる。
遊技球が始動口80の第1始動口又は第2始動口に入賞すると、遊技球の通過タイミングによって抽出された特別図柄乱数カウンタ値が、遊技機5の特図記憶領域に第1特別図柄入賞記憶(第1始動記憶)又は第2特別図柄入賞記憶(第2始動記憶)として所定数(それぞれ最大で4回分)を限度に記憶される。ここでは、振分部80の内部に流入した遊技球を第1始動口と第2始動口とに向けて交互に振り分けるので、第1始動記憶と第2始動記憶が交互に発生する。このため、非普電サポート状態(第1遊技状態)であっても最大で8回分の始動記憶が記憶可能に構成されている。
また、本実施の形態の遊技機5は、始動記憶の種類(第1始動記憶又は第2始動記憶)に関係なく、入賞順に始動記憶を消化する。そこで、以下の説明において、第1始動記憶及び第2始動記憶を区別しない。
始動記憶の記憶数(保留記憶数)は、図示しない特図表示器に表示される。遊技機5は、始動記憶に基づいて、特図表示器(図示省略)で始動記憶の抽選結果に応じた特図変動表示ゲーム(補助遊技)を行い、当該始動記憶を消化する。このとき、表示装置59では、特図変動表示ゲームの進行に応じた表示演出を実行する。
始動口80への遊技球の入賞又は始動記憶があると、表示装置59では、数字等で構成される識別情報(特別図柄)が変動表示を開始して、特図変動表示ゲームに関する画像が表示される。つまり、表示装置59では、始動記憶の記憶数に対応する回数だけ、特図変動表示ゲームが行われ、興趣向上のために多様な表示を演出する。
始動口80への入賞が所定のタイミングでなされたとき(入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて特別遊技状態(大当り状態)となる。具体的には、特図表示器(図示省略)では、当り図柄である一桁の特別図柄で停止して、表示装置59は三つの特別図柄が揃った状態(大当り図柄)で停止する。このとき、特別変動入賞装置82の大入賞口は、所定時間(例えば30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態から遊技球を受け入れやすい開状態に変換されることを所定回数(2回もしくは16回)繰り返す大当り状態となる。特別変動入賞装置82が所定時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。なお、特別変動入賞装置82への遊技球の入賞は、カウントスイッチ(図示省略)によって検出される。
一方、遊技球が普通図柄始動ゲート78を通過すると、遊技球の通過タイミングによって抽出された普通図柄乱数カウンタ値が、遊技機5の普図記憶領域に普通図柄入賞記憶として所定回数(例えば最大で4回分)を限度に記憶される。普通図柄入賞記憶の記憶された個数は、普図表示器(図示省略)に表示される。
普図入賞記憶があると、普図入賞記憶に基づいて普図表示器(図示省略)で普図変動表示ゲームを開始する。普通図柄始動ゲート78への通過検出が所定のタイミングでなされたとき(通過検出時の普図乱数カウンタ値が当り値であるとき)には、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止して当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置81の可動部材が所定の時間だけ開状態となるため、第2始動口に遊技球が入賞しやすい状態となる。
遊技機5のガラス枠52のカバーガラスの周囲には、その内部にLED等を有する装飾部材51及び照明ユニット83が設けられる。装飾部材51及び照明ユニット83は、遊技の進行に合わせて発光演出を行う。
前面枠53の下部に配設される開閉パネル54には、発射装置(図示省略)に遊技球を供給する上皿71が備えられる。前面枠53の最下部に配設される固定パネル55には、灰皿77、下皿72及び発射装置の操作部73が備えられる。下皿72には、下皿72に貯留された遊技球を排出するための球抜き機構87が設けられる。
上皿71の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるためのセレクトボタン88及び演出ボタン86が配設されている。遊技者がセレクトボタン88を操作することによって、特図変動表示ゲームにおいて表示装置59に表示される演出内容を選択することができる。また、遊技者が演出ボタン86を操作することによって、表示装置59の、特図変動表示ゲームの進行に応じた表示演出において、遊技者の操作を介入させた報知演出を行うことができる。
上皿71の右上部には、遊技者が、記憶媒体(ワンデイカードや会員カード等)に記憶された有価価値を消費して遊技球を借りる場合に操作する貸出ボタン75及び記憶媒体受付端末装置6から記憶媒体(ワンデイカードや会員カード等)を排出させるために操作する排出ボタン76が設けられる。なお、図示していないが貸出ボタン75と排出ボタン76の間には有価価値の残りを表示するための表示器が設けられている。
次に、遊技装置10の記憶媒体受付端末装置6の構成を説明する。
記憶媒体受付端末装置6は、カード挿入口61、表示装置62、紙幣挿入口63、状態表示部64、払出口66、球払出通路67、及び計数器68を備える。
カード挿入口61は、記憶媒体受付端末装置6の表示装置62の下方に設けられる。カード挿入口61には、ワンデイカード又は会員カード等の記憶媒体が挿入される。
紙幣挿入口63は、記憶媒体受付端末装置6の表示装置62の上方に設けられる。紙幣挿入口63には、紙幣が挿入される。
表示装置62は、記憶媒体受付端末装置6の中央付近に設けられる。表示装置62は、表示画面及び操作部(表示切替スイッチ、貯球払出スイッチ、持球払出スイッチ等)を備える。
表示切替スイッチは、遊技機5から収集された遊技情報に基づく遊技履歴情報等を表示したり、表示させる情報を切り替える場合に操作されるスイッチである。貯球払出スイッチは、遊技者が遊技場に預け入れている遊技球(貯球)を払い出す場合に操作される。持球払出スイッチは計数機68により計数された遊技者が保留する遊技球(持球)を払い出す場合に操作される。
表示装置62は、カード情報表示画面、大当り情報表示画面、及び残高情報表示画面等を表示する。カード情報表示画面では、カード挿入口61に挿入されたワンデイカード又は会員カードに記憶された会員情報が表示される。大当り情報表示画面では、遊技機5において所定期間の間に実行された特図変動表示ゲームの回数及び特図変動表示ゲームの結果が大当りである回数が表示される。残高情報表示画面では、遊技者がカードをカード挿入口61に挿入した場合には、挿入されたワンデイカード又は会員カードに記憶された有価価値が表示され、カードを挿入せずに紙幣挿入口63に紙幣を投入した場合には、投入された紙幣に対応する有価価値がワンデイカードに記憶され表示される。なお、記憶された有価価値が使用された場合には、記憶された有価価値から使用された有価価値が減算され、減算後の有価価値が記憶され表示される。
紙幣挿入口63の上方には、状態表示部64が設けられる。状態表示部64は、記憶媒体受付端末装置6の動作に対応して発光する。記憶媒体受付端末装置6が利用可能状態である場合には状態表示部64は緑色に点灯し、記憶媒体受付端末装置6のカード挿入口61にカードが挿入されている間は状態表示部64は赤色に点灯する。
遊技者が所有する有価価値を使用して遊技を行う場合には、遊技機の貸出ボタン75を操作することで払出制御装置124(図5参照)と記憶媒体受付端末装置6との間で貸出通信が行われ、遊技機5の球払出装置(図示省略)から上皿71に遊技球が払い出される。また、遊技者が貯球等を使用して遊技を行う場合には、貯球払出スイッチを操作することで記憶媒体受付端末装置6に内蔵される球払出装置(図示省略)から遊技球が払い出される。この場合には、記憶媒体受付端末装置6のカード挿入口61の上方に設けられる払出口66、球払出通路67を介して、上皿71に導かれる。
計数器68は、下皿72の下方に臨ませた球受皿部の内部に設けられる回収通路(図示省略)の下流側に設けられる。計数器68は、遊技者が遊技の結果獲得し、球抜き機構87を介して遊技機5の前面側から球受皿部に導入された遊技球を計数する。
〔遊技場管理装置〕
次に、図3を参照して、遊技場管理装置2について説明する。図3は、本発明の実施の形態の遊技場管理装置2の構成を示すブロック図である。
遊技場管理装置2には、CPU201、プログラム等を予め格納したROM202、CPUの動作時にワークエリアとして使用されるメモリであるRAM203、及び、各種データを記憶するハードディスク等の記憶装置(HDD)204が設けられている。
RAM203は、各種データ(例えば、遊技機5の補助遊技の実行回数であるスタート回数、始動入賞数又はアウト数等)を一時的に記憶する記憶領域及びCPU201の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。また、ROM202にプログラムを記憶する代わりに、HDD204にプログラムを保存し、RAM203にプログラムをコピーし、RAM203でプログラムを動作させることも可能である。
これらのCPU201、ROM202、RAM203及びHDD204はバス205によって接続されている。バス205は、CPU201がデータの読み書きのために使用するアドレスバス及びデータバスから構成されている。
バス205には、外部との入出力を司るネットワーク通信ポート206及びI/Oポート207が接続されている。
ネットワーク通信ポート206は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのデータ入出力部であり、内部ネットワークと接続されている。ネットワーク通信ポート206には、前述したようにインターフェース装置7を介して会員管理装置1が接続される。また、ネットワーク通信ポート206には、中継装置13Aを介して情報収集端末装置3、呼出ランプ9及びコーナーランプ12が接続される。
I/Oポート207には、遊技装置10によって遊技が実行された結果生じる始動入賞信号やスタート信号等の、情報収集端末装置3から収集したデータや、遊技場管理装置2の稼動状態を表示するディスプレイや、遊技機5におけるイベント(特賞やエラー等)の発生を報知するスピーカによって構成される出力装置211が接続される。また、I/Oポート207には、遊技場管理装置2の操作のための入力装置(キーボード、マウス等)210が接続される。また、I/Oポート207には、停電時に遊技場管理装置2に電源を供給するUPS212が接続される。
なお、情報収集端末装置3が遊技場管理装置2に送るタイミングとしては、情報収集端末装置3が遊技場管理装置2からポーリングにより情報を要求された場合(応答送信)と、遊技装置10で所定のイベントが発生した場合に情報収集端末装置3から遊技場管理装置2に情報を送る場合(自発送信)と、がある。
〔情報収集端末装置〕
次に、図4を参照して、情報収集端末装置3について説明する。図4は、本発明の第1実施形態の情報収集端末装置3の構成を示すブロック図である。
情報収集端末装置3は、3個のCPU301〜303を内蔵した1チップタイプのプロセッサを有し、メディアアクセスコントロールCPU(MACCPU)301、ネットワークCPU302及びアプリケーションCPU303の3つのCPUを内蔵している。また、これらのCPU301〜303が接続されるアドレス及びデータのためのバス307には、各CPUに共通して使用されるメモリとして、RAM304、EEPROM305及びROM306が接続される。
RAM304は、各種データ(例えば、残ゲームカウンタ及びアウト監視タイマなど)を一時的に記憶する記憶領域及びアプリケーションCPU303の動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。
EEPROM305は、不揮発性のメモリであって、情報収集端末装置3に接続される遊技機5の台番号、ネットワーク構成、アドレスの指定情報及び識別コード等の情報収集端末装置3に設定される情報等を記憶している。EEPROM305のプログラムによって書き換え可能な領域及びROM306には、遊技データ及び遊技者情報の収集に用いられるプログラムが格納されている。
また、バス307には、外部との入出力を司るネットワーク通信ポート308、シリアル通信回路309、I/Oポート310及び通信ポート311が接続される。
ネットワーク通信ポート308は、遊技場内のネットワークに接続された通信インターフェースであり、所定の通信プロトコルに従って遊技場内に設置された機器(遊技場管理装置2、呼出ランプ9及びコーナーランプ12)とデータ通信を行う。
シリアル通信回路309は、シリアル通信を行う回路であり、遊技機5の外部情報端子板125に接続される。シリアル通信回路309には、遊技機5から出力される個体識別情報が入力される。
I/Oポート310は、パラレル信号が入出力されるインターフェースであり、遊技機5の外部情報端子板125、記憶媒体受付端末装置6及びアウトタンク装置4に接続される。I/Oポート310には、外部情報端子板125を介して、遊技機5の遊技情報(各種信号、図8参照)が入力される。
通信ポート311は、遊技機5に設けられる遊技制御装置100の外部通信端子102に接続されるポートである。通信ポート311は、遊技制御装置100との間で、所定のプロトコルで通信を行う。
制御回路312は、情報収集端末装置3に接続される各種装置と通信するための回路である。制御回路312は、CPU301〜303のクロックやリセット等の制御信号を出力してもよい。
情報収集端末装置3に遊技装置10から遊技情報が出力されると、アプリケーションCPU303によって遊技情報の累積値が算出される。そして、アプリケーションCPU303は、算出された遊技情報の累積値に基づいて、遊技装置10の稼動状態を判定したり、異常な遊技装置10を抽出したり、遊技装置10を評価したりする。遊技情報の累積値は、RAM304に一定期間記憶されて管理される。なお、遊技情報及び遊技情報の累積値は、所定のタイミングで情報収集端末装置3から遊技場管理装置2に送信される。
〔遊技制御装置〕
次に、図5を参照して、遊技制御装置100について説明する。図5は、本発明の実施の形態の遊技制御装置100の構成を示すブロック図である。
遊技制御装置100は、遊技機5の遊技盤56の裏面に配設され、遊技を統括的に制御する。遊技制御装置100及び遊技装置10によって駆動制御される被制御装置122は、電源装置120から電力供給されて動作する。
遊技制御装置100は、CPU111、ROM112、及びRAM113からなる遊技用マイコン110と、入出力I/F101と、外部通信端子102と、シリアル通信回路103とを備える。
遊技用マイコン110のCPU111は、制御部及び演算部を備え、演算制御したり、特図変動表示ゲームの当り判定用乱数値等の乱数値を生成したりする。また、CPU111は、遊技領域57の始動口80への遊技球の入賞に基づいて特図変動表示ゲームを開始させる際に、表示装置59で表示演出として実行される飾り識別情報の変動表示時間を含む変動表示パターンやリーチパターン(リーチアクションの種類)等を決定する。
遊技用マイコン110のRAM113は、各種乱数値の記憶領域やCPU111の作業領域等を有している。
遊技用マイコン110のROM112は、遊技上の制御プログラムや制御データを格納する。ROM112には、特図変動表示ゲームの遊技結果に応じた変動表示パターンテーブルや、当該変動表示パターンテーブルに含まれる変動表示パターンに対応したコマンドテーブル等が記憶されている。
入出力I/F101には、始動口スイッチや一般入賞口スイッチ等の遊技情報を検出する各種スイッチ121が接続されている。入出力I/F101は、これら各種スイッチ121から入力された各種信号を中継し、遊技用マイコン110に出力する。
また、入出力I/F101には、遊技用マイコン110から出力される各種制御信号が入力される。これら制御信号は、入出力I/F101によって中継され、普通変動入賞装置81を開閉作動させる普電ソレノイドや特別変動入賞装置82を開閉作動させる大入賞口ソレノイド等の被制御装置122、各種演出装置を制御する演出制御装置123、賞球等を払い出す球払出装置を制御する払出制御装置124、情報収集端末装置3に接続される遊技機5の外部情報端子板125等に出力される。
なお、外部情報端子板125には遊技制御装置100から外部の装置(情報収集端末装置3等)への単方向通信を担保するためのフォトカプラが設けられており、遊技制御装置100が外部情報端子板125を介して外部からの信号を受け付けないように構成されている。これにより遊技制御装置100に対する不正行為等を防止することができる。
シリアル通信回路103は、シリアル通信をする回路であって、遊技機5の外部情報端子板125に接続している。なお、シリアル通信回路103から出力される個体識別情報等は、外部情報端子板125を介して、情報収集端末装置3のシリアル通信回路309に単方向で入力される。
外部通信端子102は、遊技用マイコン110と情報収集端末装置3の通信ポート311とを接続する。
払出制御装置124は、遊技用マイコンを備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、球払出装置(図示省略)の払出モータを駆動させ、遊技者に賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置124は、遊技用マイコンが有する固有識別情報(枠チップIDや枠コード)を遊技制御装置100に伝達する。
〔アウトタンク装置〕
次に、図6を参照して、アウトタンク装置4について説明する。図6は、本発明の実施の形態のアウトタンク装置4の構成を示すブロック図である。
アウトタンク装置4は、遊技機5における遊技に使用されて入賞口又はアウト口から外部に導出された遊技媒体を計数する計数器400を備えている。計数器400は、所定数(例えば、10個)の遊技球を計数する毎に、内蔵する計数SW400aから接続端子401を介して情報収集端末装置3へアウト球数信号を出力する。
〔記憶媒体受付端末装置〕
次に、図7を参照して、記憶媒体受付端末装置6について説明する。図7は、本発明の実施の形態の遊技装置10に備えられた記憶媒体受付端末装置6の構成を示すブロック図である。
記憶媒体受付端末装置6は、制御用マイコン611を内蔵し、球払出装置(図示省略)による遊技球の払出を制御したり、遊技機5の払出制御装置124との間で行う球貸処理を制御したりする貸出制御装置610を備えている。貸出制御装置610は、各種入出力装置601と接続し、各種入出力装置601からの入力を受け付けたり、遊技球の払出結果を各種入出力装置601へ出力したりする。また、貸出制御装置610は、接続端子612を介して情報収集端末装置3と接続するとともに、ネットワーク通信ポート602を介して会員管理装置1と接続している。
(遊技機から出力される遊技情報)
図8は、本発明の実施の形態の遊技機5から出力される情報を示す図である。
ここで、遊技機5の遊技制御装置100からは、外部情報端子板125を介して、始動入賞信号、図柄確定信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、扉・枠開放信号及びセキュリティ信号の7つの遊技信号が、情報収集端末装置3のI/Oポート310に出力される。また、遊技制御装置100からは、シリアル通信回路103及び外部情報端子板125を介して、個体識別情報が、情報収集端末装置3のシリアル通信回路309に出力される。遊技機5の払出制御装置124からは、外部情報端子板125を介して賞球信号及び賞球予定信号の2つの遊技信号が情報収集端末装置3のI/Oポート310に出力される。なお、賞球の払出を遊技制御装置100で統括制御する場合には、賞球信号及び賞球予定信号が遊技制御装置100から出力される。アウトタンク装置4の計数器400からは、接続端子401を介して、アウト球計数信号が情報収集端末装置3のI/Oポート310に出力される。
始動入賞信号は、第1始動口及び第2始動口に遊技球が入賞する始動入賞毎に1パルス(256ミリ秒)出力される。
図柄確定信号は、特図変動表示ゲーム終了のタイミングで特図変動停止毎に1パルス(256ミリ秒)出力される。なお、図柄確定信号の代わりに、特図変動表示ゲーム実行中に信号が出力(ON又はOFF)される図柄変動中信号を用いてもよい。
大当り1信号は、特図変動表示ゲームの全ての大当り(本実施の形態では2R、16R)動作中に出力される。
大当り2信号は、特図変動表示ゲームの大当り時のラウンド数が16Rの場合の大当り動作中、通常状態よりも大当り抽選確率の高い確変中、及び通常状態よりも普図変動表示ゲームの変動時間が短くなる時短中に出力される。また、大当り2信号は、2Rの大当りであっても、確変・時短中から発生した場合には出力される。
大当り3信号は、特図変動表示ゲームの大当り時のラウンド数が16Rの場合の大当り動作中に出力される。
扉・枠開放信号は、前面枠53やガラス枠52が開放されている場合に出力される。前面枠53の開放時とガラス枠52の開放時とで別個の信号として出力されるようにしてもよい。
セキュリティ信号は、入賞エラーや磁気センサ又は振動センサによる不正検出信号の検出により不正中であると判定された場合に各10秒出力される。また、RAM(RWM)初期化後256ミリ秒出力される。
賞球信号は、球払出装置(図示省略)が賞球を10個払い出す毎に1パルス(256ミリ秒)出力される。
賞球予定信号は、球払出装置(図示省略)が払い出す賞球予定10個毎に1パルス(256ミリ秒)出力される。
個体識別情報は、電源投入時などRAM(RWM)初期化時、セキュリティ異常時、大当り発生時などの予め定められたタイミングとなったことに基づいてシリアル出力される。個体識別情報には、遊技用マイコン110に一意に設定されるチップID、遊技機5のメーカーコード、及び遊技機5の機種コードが含まれ、出力される個体識別情報は出力状況に応じて変更可能に設けられる。
アウト球数信号は、遊技機5の裏面側から外部に排出された遊技球(アウト球)が、計数器400によって10個計数される毎に1パルス(256ミリ秒)出力される。
(記憶媒体受付端末装置から出力される遊技情報)
図9は、本発明の実施の形態の記憶媒体受付端末装置6から出力される情報を示す図である。記憶媒体受付端末装置6からは、貸出信号、入金信号及び計数球数信号が出力される。
貸出信号は、100円単位の遊技球の貸出毎に1パルス(256ミリ秒)出力される。
入金信号は、遊技球の貸出を受けるために遊技者が有価価値(金銭)を投入すると、500円毎に1パルス(256ミリ秒)出力される。なお、100円毎に1パルス出力するようにしても良い。
計数球数信号は、遊技装置10に設置された計数器68によって10個計数される毎に1パルス(256ミリ秒)出力される。なお、1個計数する毎に1パルス出力するようにしても良い。
(遊技管理システムの概略構成)
次に、図10を参照して、本実施の形態における遊技管理システムの概略構成を説明する。
図10は、本発明の実施の形態の情報収集端末装置3及び遊技場管理装置2の構成の関係を説明するブロック図である。
遊技場管理装置2と情報収集端末装置3とは、ネットワーク通信ポート206、308を介して互いに通信を行う。遊技場管理装置2は、ポーリングにより情報収集端末装置3へ遊技情報の送信を要求し、情報収集端末装置3は、この要求に応えて遊技装置10から収集した遊技情報を遊技場管理装置2へ応答送信する。また、情報収集端末装置3は、ポーリングによらず大当り発生などの送信イベントが発生したときには遊技情報を自発送信する。
情報収集端末装置3は、遊技装置10から出力される遊技情報(各種信号)を収集する遊技情報収集手段31を備える。また、遊技情報収集手段31によって収集された遊技情報(始動入賞信号及び図柄確定信号)に基づいて、変動結果が未確定の補助遊技数を推定する未確定遊技数推定手段32と、さらに未確定遊技数推定手段32によって推定された補助遊技数から補助遊技の実行状況(変動状態)を特定する実行状態特定手段33とを備える。補助遊技の変動状態として予め複数の変動状態が設定されており(ここでは6つ、図11(B)及び図18参照)、実行状態特定手段33によって複数の中から該当する変動状態が特定される。
そして、情報収集端末装置3は、実行状態特定手段33によって特定された変動状態に基づいて、遊技装置10が遊技中(稼働状態)である場合に遊技装置10の稼働時間として集計する稼働時間集計手段34と、変動状態別の滞在時間として集計する状態別時間集計手段35とを備える。また、情報収集端末装置3は、遊技情報収集手段31によって収集された遊技情報の累積値を生成する遊技情報累積手段36を備える。
さらに、情報収集端末装置3は、稼働時間集計手段34によって集計された稼働時間情報、状態別時間集計手段35によって集計された状態別時間情報及び遊技情報累積手段36によって累積された遊技情報を記憶する情報記憶手段37と、情報記憶手段37に記憶された情報を遊技場管理装置2へ送信する情報送信手段38と、情報送信手段38に対し、遊技情報収集手段31によって収集された遊技情報(送信イベントの発生)に基づく自発送信又は遊技場管理装置2からの送信要求に基づく応答送信を指令する送信条件監視手段39と、を備える。
遊技場管理装置2は、情報収集端末装置3へ遊技情報の送信を要求する要求条件の成立を判断する要求条件監視手段21と、要求条件監視手段21によって要求条件が成立したと判断されたときに情報収集端末装置3に遊技情報を要求する遊技情報要求手段22とを備える。
そして、遊技場管理装置2は、情報収集端末装置3から送信された遊技情報に基づいてデータベース情報を更新するDB情報更新手段23と、DB情報更新手段23によって更新されたデータベース情報に基づいて、全遊技装置10(情報収集端末装置3)の台番号毎に集計した集計情報DB及び台番号毎に推定した推定情報DBからなる情報データベース24と、情報データベース24に基づいて、同一機種の中で他と比べて異常な台を抽出する異常台抽出手段25、各台の評価を行う台評価手段26及び台の変動状態毎の滞在時間の割合を算出する割合算出手段27と、を備える。
さらに、遊技場管理装置2は、情報データベース24のデータベース情報、異常台抽出手段25によって抽出された台の異常情報、台評価手段26によって評価された評価情報及び割合算出手段27によって算出された算出情報を出力装置211に出力する情報出力手段28と、を備える。
(遊技場管理装置の情報データベース)
図11は、本発明の実施の形態の遊技場管理装置2の情報データベース24について説明する図である。図11(A)は、集計情報DBの一例であり、図11(B)は、推定情報DBの一例である。情報データベース24は、集計情報DBと推定情報DBとを有する。
図11(A)に示すように、集計情報DBには、遊技機5のチップIDと関連付けられる台番号(情報収集端末装置3の台番号)、情報収集端末装置3の通信アドレス、遊技機5の機種名、メーカ名、各種累積遊技情報(セーフ球数累積値やアウト球数累積値、特賞回数累積値、売上金額累積値等)及び各種累積遊技情報を四則計算して算出した遊技情報(差球値、ベース値)が登録されている。
図11(B)に示すように、推定情報DBには、遊技機5のチップIDと関連付けられる台番号(情報収集端末装置3の台番号)、稼働(遊技)中の非電サポ状態における変動状態毎の滞在時間、遊技機5の実稼働時間及び機械評価が登録されている。
稼働(遊技)中の非電サポ状態における変動状態は、始動記憶がない状態でさらに補助遊技も実行されていない状態(「保留0停止中」)、始動記憶はないが補助遊技が実行されている状態(「保留0変動中」)、始動記憶が1つ記憶された状態で補助遊技が実行されている状態(「保留1変動中」)、始動記憶が2つ記憶された状態で補助遊技が実行されている状態(「保留2変動中」)、始動記憶が3〜5つ記憶された状態で補助遊技が実行されている状態(「保留3〜5変動中」)及び始動記憶が6〜8つ記憶された状態で補助遊技が実行されている状態(「保留6〜8変動中」)のいずれかに振り分けられる。
実稼働時間は、実際に遊技者が遊技機5で遊技を行っている時間を示す。従来では、遊技機5の裏面側から外部に排出された遊技球数であるアウト球数累積値に基づいて稼働時間が算出されている。しかし、これでは補助遊技がロングリーチを発生した場合等、遊技中であるが遊技者が遊技領域57への遊技球の打ち出しを一時的に止める場合はアウト球が排出されず、この間の遊技時間を加味した稼働時間を算出することができない。
そこで、本実施の形態では、補助遊技の実行状況を把握することで前述のように遊技者がリーチ演出に集中して遊技球の打ち出しを一時中断している間の稼働時間も累積可能にしている。
機械評価は、後述する機械評価処理(図26)によって算出され、遊技機5の稼働状態がランクや点数で表される。機械評価は、遊技機5の入れ替えなどの指標に用いられる。
(情報収集端末装置における処理)
次に、図12〜図19を参照して、情報収集端末装置3によって実施される各種処理を説明する。
〔遊技情報収集・送信処理〕
図12は、本発明の実施の形態の情報収集端末装置3によって実行される遊技情報収集・送信処理のフローチャートである。
S1201及びS1202では、情報収集端末装置3は、まず、遊技情報収集手段31によって遊技装置10から遊技情報を受信したか否かを判定する。そして、遊技情報を受信した場合には(S1202の結果「Y」)、S1203の処理を実行する。一方、遊技情報を受信していない場合には(S1202の結果「N」)、S1205の処理を実行する。
S1203では、情報収集端末装置3は、遊技情報累積処理を実行する。遊技情報累積処理では、情報収集端末装置3は、遊技情報累積手段36によって受信した遊技情報(セーフ球数や特賞回数、アウト球数等)を累積し、情報記憶手段37によって累積遊技情報(セーフ球数累積値や特賞回数累積値、アウト球数累積値等)として記憶する。
S1204では、情報収集端末装置3は、未確定遊技数推定処理を実行する。未確定遊技数推定処理では、情報収集端末装置3は、未確定遊技数推定手段32によって、実行中の補助遊技分を含めた始動記憶の数(残ゲームカウンタ値)を推定(特定)し、情報記憶手段37によって、補助遊技状態(すなわち補助遊技の実行状況)を特定可能に記憶する。なお、未確定遊技数推定処理についての詳細は、図13及び図14にて後述する。
S1205では、情報収集端末装置3は、稼働状態判定処理を実行する。稼働状態判定処理では、情報収集端末装置3は、実行状態特定手段33によって遊技機5が稼働中(遊技者による遊技が行われている)か否かを判定し、稼働時間集計手段34によって実稼働時間を累積する。そして、情報記憶手段37によって記憶する。なお、稼働状態判定処理についての詳細は、図15にて後述する。
S1206では、情報収集端末装置3は、情報補正処理を実行する。情報補正処理では、情報収集端末装置3は、補助遊技が実行されていると推定したにも関わらず、大当り中でもないときに所定時間(期間)補助遊技の結果が得られない場合には、推定した情報(残ゲームカウンタ値)を補正する。なお、情報補正処理についての詳細は、図16にて後述する。
S1207では、情報収集端末装置3は、状態別時間集計処理を実行する。状態別時間集計処理では、情報収集端末装置3は、状態別時間集計手段35によって、非電サポ状態中の遊技機5の変動状態(図11(B)参照)別の滞在時間を集計し、情報記憶手段37によって記憶する。なお、状態別時間集計処理についての詳細は、図17及び図18にて後述する。
S1208及びS1209では、情報収集端末装置3は、受信した遊技情報に、遊技場管理装置2への送信条件を成立させる送信イベントの発生(電源投入情報やセキュリティ異常発生情報、大当り発生情報等)が含まれているか否かを判定する。そして、送信イベントが発生した遊技情報が含まれている場合には(S1209の結果「Y」)、S1210の処理を実行する。一方、送信イベントが発生した遊技情報が含まれていない場合には(S1209の結果「N」)、S1211の処理を実行する。
S1210では、情報収集端末装置3は、情報送信手段38によって、自発送信時に送信すべき情報を遊技場管理装置2へ送信する。
S1211及びS1212では、情報収集端末装置3は、遊技場管理装置2から情報要求があるか否かを判定する。そして、情報要求がある場合には(S1212の結果「Y」)、S1213の処理を実行する。一方、情報要求がない場合には(S1212の結果「N」)S1201の処理を実行する。
S1213では、情報収集端末装置3は、情報送信手段38によって、応答送信時に送信すべき情報を遊技場管理装置2へ送信する。
本実施の形態では、情報収集端末装置3は、情報送信手段38によって自発送信する場合には、遊技情報収集手段31によって収集した遊技装置10の遊技情報のみを送信し、情報送信手段38によって応答送信する場合には、さらに情報記憶手段37によって記憶している遊技情報も含めた全データを送信する。なお、自発送信する場合にも全データを送信してもよい。
〔未確定遊技数推定処理〕
図13は、本発明の実施の形態の情報収集端末装置3によって実行される未確定遊技数推定処理のフローチャートである。
S1301では、情報収集端末装置3は、まず、遊技機5から始動入賞信号を受信したか否かを判定する。そして、始動入賞信号を受信した場合には(S1301の結果「Y」)、S1302の処理を実行する。一方、始動入賞信号を受信していない場合には(S1301の結果「N」)、S1304の処理を実行する。
S1302では、情報収集端末装置3は、残ゲームカウンタが上限値(ここでは9)未満であるか否かを判定する。そして、残ゲームカウンタが上限値未満である場合には(S1302の結果「Y」)、S1303の処理を実行する。一方、残ゲームカウンタが上限値未満でない場合には(S1302の結果「N」)、S1304の処理を実行する。
ここで、残ゲームカウンタは、変動結果が未確定の補助遊技の数を示し、実行中の補助遊技(1回)と保留状態にある補助遊技8回分とを合わせて9回を上限としている。
S1303では、情報収集端末装置3は、残ゲームカウンタを1加算更新する。
S1304では、情報収集端末装置3は、遊技機5から図柄確定信号を受信したか否かを判定する。そして、図柄確定信号を受信した場合には(S1304の結果「Y」)、S1305の処理を実行する。一方、図柄確定信号を受信していない場合には(S1304の結果「N」)、未確定遊技数推定処理を終了する。
S1305では、情報収集端末装置3は、残ゲームカウンタが0よりも大か否かを判定する。そして、残ゲームカウンタが0よりも大、すなわち、保留状態の始動記憶(保留記憶)があると推定する場合には(S1305の結果「Y」)、S1306の処理を実行する。一方、残ゲームカウンタが0である場合には(S1305の結果「N」)、未確定遊技数推定処理を終了する。
S1306では、情報収集端末装置3は、残ゲームカウンタを1減算更新する。その後、未確定遊技数推定処理を終了する。なお、始動入賞信号の受信に基づく残ゲームカウンタの加算を図柄確定信号の受信に基づく残ゲームカウンタの減算を先に行っているが、それらの手順を逆にしても良く、遊技機の制御仕様に合わせて設定すれば良い。
次に、図14を参照して、図13の未確定遊技数推定処理においてカウントされる残ゲームカウンタが示す補助遊技の実行状態について説明する。図14は、本発明の実施の形態の残ゲームカウンタと補助遊技状態(変動状態)との対応テーブルである。
残ゲームカウンタは、前述したように、変動中の補助遊技を含め、結果が確定していない補助遊技数を示す。残ゲームカウンタは、変動中の補助遊技を含めてカウントされるため、保留記憶数よりも値が1大きい。
したがって、残ゲームカウンタが0のときは、補助遊技が実行されていない状態(非変動状態、停止状態)を示す。このときの保留記憶数は0である。また、残ゲームカウンタが1のときは、補助遊技が実行されているが、次に実行される予定の補助遊技(保留記憶)はない状態を示す。このときの保留記憶数は0である。
そして、残ゲームカウンタが2のときは、保留記憶数が1で補助遊技が実行されている状態を示す。残ゲームカウンタが3〜9のときは、それぞれ保留記憶数が2〜8に増えることを示す。
このように、本実施の形態によれば、遊技機5から送信される始動入賞信号及び図柄確定信号により変動結果が未確定の補助遊技の数(残ゲームカウンタ値)が推定(特定)され、残ゲームカウンタ値(0〜9)に対応して補助遊技の実行状況(変動状態)が特定(推定)されるので、補助遊技の実行状況の傾向を詳細に把握、分析することが可能となる。
〔稼働状態判定処理〕
図15は、本発明の実施の形態の情報収集端末装置3によって実行される稼働状態判定処理のフローチャートである。
S1501では、情報収集端末装置3は、まず、アウトタンク装置4からアウト球数信号を受信したか否かを判定する。そして、アウト球数信号を受信した場合には(S1501の結果「Y」)、S1502の処理を実行する。一方、アウト球数信号を受信していない場合には(S1501の結果「N」)、S1504の処理を実行する。
S1502では、情報収集端末装置3は、遊技機5が遊技中(稼働中)であることを示す稼働中情報をセットする。
S1503では、情報収集端末装置3は、アウト球数信号を監視するアウト監視タイマを7秒セットする。
S1504では、情報収集端末装置3は、稼働中情報があるか否かを判定する。そして、稼働中情報がある場合には(S1504の結果「Y」)、S1505の処理を実行する。一方、稼働中情報がない場合には(S1504の結果「N」)、稼働状態判定処理を終了する。
S1505では、情報収集端末装置3は、残ゲームカウンタが0であるか否かを判定する。そして、残ゲームカウンタが0である場合には(S1505の結果「Y」)、S1506の処理を実行する。一方、残ゲームカウンタが0でない場合には(S1505の結果「N」)、S1509の処理を実行する。
S1506では、情報収集端末装置3は、アウト監視タイマを減算する。
S1507では、情報収集端末装置3は、アウト監視タイマがタイムアップしたか否かを判定する。そして、タイムアップした場合には(S1507の結果「Y」)、S1508の処理を実行する。一方、タイムアップしていない場合には(S1507の結果「N」)、S1509の処理を実行する。
S1508では、情報収集端末装置3は、稼働中情報をクリアして、稼働状態判定処理を終了する。
S1509では、情報収集端末装置3は、稼働時間を累積更新して、稼働状態判定処理を終了する。
このように、残ゲームカウンタが0の場合は、補助遊技が実行されていない状態なので、アウト監視タイマによりタイムアップするまでの稼働時間を累積更新する。一方、残ゲームカウンタが0でない場合は、補助遊技が実行中(変動中)なので、この間を稼働時間として累積し続ける。残ゲームカウンタによって補助遊技が変動中か否かを判断することで、アウト監視タイマだけよりも遊技者が遊技を行っている実稼働時間を高い精度で算出することができる。
なお、S1502の処理でセットされる稼働中情報は、アウト球数信号ではなく遊技球が遊技領域57に打ち出されていることを特定可能な発射特定信号(始動入賞信号、賞球予定信号、アウト球数信号)を受信する毎にセットされるようにしてもよい。そして、発射特定信号の最初の受信で稼働中情報がセットされ、その後は前述のようにアウト球数信号と残ゲームカウンタにより判断されるようにしてもよい。これにより、さらに稼働判定の精度が向上する。
〔情報補正処理〕
図16は、本発明の実施の形態の情報収集端末装置3によって実行される情報補正処理のフローチャートである。
S1601では、情報収集端末装置3は、大当り1信号によって大当り(特賞)中であるか否かを判定する。そして、大当り中である場合には(S1601の結果「Y」)、情報補正処理を終了する。一方、大当り中でない場合には(S1601の結果「N」)、S1602の処理を実行する。
S1602では、情報収集端末装置3は、残ゲームカウンタが0より大きいか否かを判定する。そして、残ゲームカウンタが0より大きい場合には(S1602の結果「Y」)、S1603の処理を実行する。一方、残ゲームカウンタが0である場合には(S1602の結果「N」)、情報補正処理を終了する。
S1603及びS1604では、情報収集端末装置3は、前回の図柄確定信号の受信から所定時間(ここでは3分)が経過したか否かを判定する。ここで、所定時間は、最も長い補助遊技の変動時間よりも長い値とする。そして、所定時間が経過した場合には(S1604の結果「Y」)、S1605の処理を実行する。一方、所定時間が経過していない場合には(S1604の結果「N」)、情報補正処理を終了する。
S1605では、情報収集端末装置3は、残ゲームカウンタを0にクリアする。
S1606では、情報収集端末装置3は、稼働中情報をクリアして、情報補正処理を終了する。
始動入賞信号と図柄確定信号とが同時に発生する場合には、遊技機5で始動記憶の処理と図柄確定の処理のどちらを優先しているのかと、情報収集端末装置3で始動入賞信号に基づく残ゲームカウンタの更新と図柄確定信号に基づく残ゲームカウンタの更新のどちらを優先しているのかにもよるが、情報収集端末装置3における残ゲームカウンタが正しい値とならず、図13の未確定遊技数推定処理において推定された結果未確定の補助遊技数(残ゲームカウンタ値)が、遊技機5における補助遊技数(保留記憶数+1)に対して多くなってしまい、遊技機5では遊技が行われていないのに情報収集端末装置3では遊技中と判定してしまう虞がある。
そこで、情報収集端末装置3は、補助遊技が実行中であると判定されているにも関わらず、大当り中でないときに図柄確定信号を所定時間受信しない場合は、残ゲームカウンタをクリアするとともに、アウト監視タイマ(図15参照)のタイムアップを待たずに稼働中情報もクリアする情報補正手段を備える。
このように、本実施の形態によれば、情報補正手段は、予め定めた補正条件が成立する場合は(S1601の結果「N」→S1602の結果「Y」→S1603→S1604の結果「Y」)、残ゲームカウンタ値を補正する。これにより、遊技機5における実際の補助遊技数(保留記憶数+1)と残ゲームカウンタ値(推定値)とのズレを解消することができるので、正確な情報データベース24を生成することができる。したがって、精度の高い分析情報を生成することができる。
〔状態別時間集計処理〕
図17は、本発明の実施の形態の情報収集端末装置3によって実行される状態別時間集計処理のフローチャートである。
S1701では、情報収集端末装置3は、稼働中情報があるか否かを判定する。そして、稼働中情報がある場合には(S1701の結果「Y」)、S1702の処理を実行する。一方、稼働中情報がない場合には(S1701の結果「N」)、状態別時間集計処理を終了する。
S1702では、情報収集端末装置3は、大当り1信号によって大当り(特賞)中であるか否かを判定する。そして、大当り中でない場合には(S1702の結果「N」)、S1703の処理を実行する。一方、大当り中である場合には(S1702の結果「Y」)、状態別時間集計処理を終了する。
S1703では、情報収集端末装置3は、大当り2信号によって普電サポート中であるか否かを判定する。そして、普電サポート中でない場合には(S1703の結果「N」)、S1704の処理を実行する。一方、普電サポート中である場合には(S1703の結果「Y」)、状態別時間集計処理を終了する。
S1704では、情報収集端末装置3は、残ゲームカウンタの値を取得する。
S1705では、情報収集端末装置3は、取得した残ゲームカウンタ値に対応する滞在時間を累積更新して、状態別時間集計処理を終了する。
このように、本実地の形態によれば、遊技状態が非普電サポート状態(通常状態及び確変潜伏状態、第1遊技状態)において、変動状態別に滞在時間を集計する。これにより、補助遊技の実行状況(変動状態)にバラツキが生じやすい非普電サポート状態における分析情報が生成されるので、補助遊技の実行状況を適確に把握することができ、釘調整の指標とすることができる。
次に、図18を参照して、残ゲームカウンタに対応する変動状態の滞在時間について説明する。図18は、本発明の実施の形態の残ゲームカウンタと変動状態の滞在時間との対応テーブルである。
図17の状態別時間集計処理におけるS1705の処理では、S1704の処理で取得される残ゲームカウンタ値に対応する変動状態の滞在時間が累積更新される。ここでは、予め複数の変動状態が設定されており、残ゲームカウンタ値によって該当する変動状態が特定される。具体的には、図18に示すように、残ゲームカウンタ値「0」「1」「2」「3」「4〜6」「7〜9」に対応する6つの変動状態が予め設定されている。
ここで、残ゲームカウンタ値「0」は、変動状態「保留0停止中」(図11(B)、図14参照)を示す。残ゲームカウンタ値「1」は、変動状態「保留0変動中」(同上)を示す。残ゲームカウンタ値「2」は、変動状態「保留1変動中」(同上)を示す。残ゲームカウンタ値「3」は、変動状態「保留2変動中」(同上)を示す。残ゲームカウンタ値「4〜6」は、変動状態「保留3〜5変動中」(同上)を示す。残ゲームカウンタ値「7〜9」は、変動状態「保留6〜8変動中」(同上)を示す。
なお、残ゲームカウンタは後半を「4〜6」と「7〜9」との2つの変動状態に大きく分けているが、残ゲームカウンタの一の値毎に滞在時間を集計するようにしてもよい。この場合は残ゲームカウンタ値に対応する変動状態が6つから10に変更される。
また、始動口を1つしか備えておらず、始動口に入賞した遊技球を第1始動記憶として最大4個まで記憶し、入賞順に消化する遊技機に適用してもよい。この場合は、残ゲームカウンタの上限値は5になる。また、第2始動記憶を第1始動記憶よりも優先して消化する遊技機であっても、通常遊技状態で普図当りが発生しない場合は、第2始動記憶が発生しないため第1始動記憶の保留記憶数を推定することが可能となる。すなわち変動状態を把握することができるので、通常遊技状態限定で変動状態毎の滞在時間を集計して、後述する機種の分析、異常台の抽出及び台の評価に用いてもよい。
〔状態別時間集計処理の変形例〕
図19は、本発明の実施の形態の変形例の状態別時間集計処理の変形例のフローチャートである。
変形例では、非電サポ状態だけでなく、電サポ状態においても残ゲームカウンタに応じて変動状態別に滞在時間を集計する。
S1901及びS1902の処理は、前述のS1701及びS1702の処理と同じである。ここで、情報収集端末装置3は、稼働状態にあって大当り中でない状態の場合に(S1902の結果「N」)、S1903の処理を実行する。
S1903では、情報収集端末装置3は、残ゲームカウンタの値を取得する。前述の図17では、普電サポート状態の判定を行って非電サポ状態の場合に限り、残ゲームカウンタの値を取得していたが、変形例では普電サポート状態の判定前に行う。
S1904では、情報収集端末装置3は、大当り2信号によって普電サポート中であるか否かを判定する。そして、普電サポート中でない場合には(S1904の結果「N」)、S1905の処理を実行する。一方、普電サポート中である場合には(S1904の結果「Y」)、S1906の処理を実行する。
S1905では、情報収集端末装置3は、S1903の処理で取得した残ゲームカウンタ値に対応する非電サポ中用の滞在時間を累積更新して、状態別時間集計処理を終了する。
S1906では、情報収集端末装置3は、S1903の処理で取得した残ゲームカウンタ値に対応する電サポ中用の滞在時間を累積更新して、状態別時間集計処理を終了する。
次に、図20を参照して、変形例の残ゲームカウンタに対応する変動状態の滞在時間について説明する。図20は、本発明の実施の形態の変形例の残ゲームカウンタと変動状態の滞在時間との対応テーブルである。
図20(A)は、非電サポ中における残ゲームカウンタと滞在時間との対応テーブルであり、図18と同じである。図20(A)のテーブルは、図19の変形例の状態別時間集計処理におけるS1905の処理が実行される場合に用いられ、残ゲームカウンタ値に対応する変動状態の滞在時間が適宜更新される。
図20(B)は電サポ中における残ゲームカウンタと滞在時間との対応テーブルである。図20(B)のテーブルは、図19の変形例の状態別時間集計処理におけるS1906の処理が実行される場合に用いられ、残ゲームカウンタ値に対応する変動状態の滞在時間が適宜更新される。
電サポ中は、普通変動入賞装置81が開状態に変化することにより始動口への入賞が容易になるので、始動記憶が貯まりやすい(残ゲームカウンタ値が大きくなりやすい)。そこで、図20(B)に示すように、電サポ中は、残ゲームカウンタの後半(4〜9)に対応する変動状態の振り分けを2つから3つに増やしてもよい。
(遊技場管理装置における処理)
次に、図21〜図29を参照して、遊技場管理装置2によって実施される各種処理を説明する。
〔情報管理処理〕
図21は、本発明の実施の形態の遊技場管理装置2によって実行される情報管理処理のフローチャートである。情報管理処理は、所定間隔で定期的に実行される。
S2101では、遊技場管理装置2は、情報収集処理を実行する。情報収集処理では、遊技場管理装置2は、各遊技装置10の遊技情報を収集し、情報データベース24(図10、図11)を更新する。なお、情報収集処理についての詳細は、図22にて後述する。
S2102では、遊技場管理装置2は、変動状態分析処理を実行する。変動状態分析処理では、遊技場管理装置2は、分析対象とする機種に該当する台の変動状態毎の割合(比率)を算出することで、異常な台を抽出する。なお、変動状態分析処理についての詳細は、図23にて後述する。
S2103では、遊技場管理装置2は、機械評価処理を実行する。機械評価処理では、遊技場管理装置2は、台毎に低変動状態の割合と平均稼働時間から総合評価を算出する。なお、機械評価処理についての詳細は、図26にて後述する。
S2104では、遊技場管理装置2は、遊技場管理装置2が管理する遊技情報データベース等を出力装置(ここではディスプレイ)211に表示するデータベース閲覧処理を実行する。その後、情報管理処理を終了する。
〔情報収集処理〕
図22は、本発明の実施の形態の遊技場管理装置2によって実行される情報収集処理のフローチャートである。
S2201では、遊技場管理装置2は、ポーリング(定時遊技情報要求)リストの先頭台番号を取得する。ポーリングリストには、ノードの呼出し順が格納されている。ここでは、ノードは、情報収集端末装置3である。
S2202では、遊技場管理装置2は、遊技情報要求手段22(図10参照)によって台番号に対応するノード(情報収集端末装置3)に定時遊技情報要求を送信する。
S2203では、遊技場管理装置2は、情報収集端末装置3から送信された遊技情報の受信を待機する受信待機時間が経過したか否かを判定する。そして、受信待機時間が経過していない場合には(S2203の結果「N」)、S2204の処理を実行する。一方、受信待機時間が経過した場合には(S2203の結果「Y」)、S2207の処理を実行する。
S2204では、遊技場管理装置2は、遊技情報を受信したか否かを判定する。そして、遊技情報を受信した場合には(S2204の結果「Y」)、S2205の処理を実行する。一方、遊技情報を受信していない場合には(S2204の結果「N」)、S2203の処理に戻って、受信待機時間が経過するまで遊技情報が受信されるのを待機する。
S2205では、遊技場管理装置2は、DB情報更新手段23(図10参照)によって受信した遊技情報に基づいてデータベース情報を更新するDB情報更新処理を実行する。
S2206では、遊技場管理装置2は、受信した遊技情報がS2202の処理で要求したノード(情報収集端末装置3)から受信したものか否かを判定する。要求ノードから受信したものである場合には(S2206の結果「Y」)、S2207の処理を実行する。一方、要求ノードから受信したものでない場合には(S2206の結果「N」)、S2203の処理に戻って、受信待機時間が経過するまで要求ノードからの遊技情報が受信されるのを待機する。
S2207では、遊技場管理装置2は、S2202の処理で定時遊技情報要求を送信したノードの台番号をポーリングリストの最後に移動して、情報収集処理を終了する。
〔変動状態分析処理〕
図23は、本発明の実施の形態の遊技場管理装置2によって実行される変動状態分析処理のフローチャートである。
S2301では、遊技場管理装置2は、分析操作があったか否かを判定する。「分析操作あり」とは、遊技場管理装置2に、機種別に台の変動状態毎の割合(比率)を分析する「変動状態分析」が要求されたことを示す。そして、分析操作があった場合には(S2301の結果「Y」)、S2302の処理を実行する。一方、分析操作がない場合には(S2301の結果「N」)、変動状態分析処理を終了する。
S2302では、遊技場管理装置2は、ディスプレイ211に機種選択画面を表示する。これにより、「変動状態分析」を実行する対象の機種が選択可能になる。
S2303では、遊技場管理装置2は、機種選択画面において終了操作があったか否かを判定する。ここで、機種選択画面には、遊技場に配設される遊技機5の機種名が複数表示されているが、機種名の選択自体を止めて始めの情報管理画面に戻すための選択肢「終了」も表示されている。そして、終了操作がなかった場合には(S2303の結果「N」)、S2304の処理を実行する。一方、終了操作があった場合には(S2303の結果「Y」)、S2313の処理を実行する。
S2304では、遊技場管理装置2は、機種選択画面において機種を選択する操作があったか否かを判定する。そして、機種選択操作があった場合には(S2304の結果「Y」)、S2305の処理を実行する。一方、機種選択操作がない場合には(S2304の結果「N」)、S2303の処理に戻って終了操作もしくは機種選択操作を待つ。
S2305では、遊技場管理装置2は、情報データベース24(図10、図11参照)の推定情報DB(図11(B)参照)から、S2304の処理で選択された機種の非電サポ状態における変動状態毎の滞在時間を取得する。
S2306では、遊技場管理装置2は、割合算出手段27(図10参照)によって、取得した滞在時間から、選択機種に該当する各台の変動状態毎の割合(比率)を算出する。
S2307では、遊技場管理装置2は、情報出力手段28(図10参照)によって、算出した各台の変動状態毎の割合(比率)を一覧表にした機種一覧表示画面をディスプレイ211に表示する。
S2308では、遊技場管理装置2は、終了操作があったか否かを判定する。ここで、S2307の処理で、ディスプレイ211には、前述の一覧表の表示を終了するための選択肢「終了」が選択可能に表示されている。そして、終了操作がなかった場合には(S2308の結果「N」)、S2309の処理を実行する。一方、終了操作があった場合には(S2308の結果「Y」)、S2313の処理を実行する。
S2309では、遊技場管理装置2は、異常台を抽出する操作があったか否かを判定する。S2307の処理で、ディスプレイ211には、前述の一覧表に基づいて異常な台を抽出する処理を実行する選択肢「異常台抽出」が選択可能に表示されている。そして、異常台抽出操作があった場合には(S2309の結果「Y」)、S2310の処理を実行する。一方、異常台抽出操作がなかった場合には(S2309の結果「N」)、S2308の処理に戻って終了操作もしくは異常台抽出操作を待つ。
S2310では、遊技場管理装置2は、異常台抽出手段25(図10参照)によって、機種平均と乖離する変動状態の割合(比率)を有する台を抽出する。なお、異常台の抽出条件として、特定の変動状態を選択可能とし、選択された変動状態が機種平均と乖離する割合である場合に異常台として抽出する等の条件を設けてもよい。
S2311では、遊技場管理装置2は、情報出力手段28(図10参照)によって、異常台として抽出した台の変動状態毎の割合(比率)情報を機種平均との誤差が把握できるように表した異常台情報画面をディスプレイ211に表示する。
S2312では、遊技場管理装置2は、終了操作があったか否かを判定する。ここで、S2311の処理で、ディスプレイ211には、前述の情報の表示を終了するための選択肢「終了」が選択可能に表示されている。そして、終了操作があった場合には(S2312の結果「Y」)、S2313の処理を実行する。一方、終了操作がなかった場合には(S2312の結果「N」)、S2312の処理を繰り返して終了操作を待つ。
S2313では、遊技場管理装置2は、ディスプレイ211における分析用画面(機種選択画面、機種一覧表示画面及び異常台情報画面)の表示を終了して、変動状態分析処理を終了する。
なお、本実施の形態の変動状態分析処理は、遊技場の従業員等による選択操作に基づいて機種の分析や異常台の抽出が行われるが、これに限らない。変動状態分析処理は、遊技場の閉店に伴う閉店操作に基づいて自動的に全機種の分析及び異常台の抽出が行われるようにしてもよい。
〔ディスプレイの画面遷移例〕
続いて、図24、図25A及び図25Bを参照して、図23の変動状態分析処理について、ディスプレイ211における画面遷移例に沿って説明する。
図24は、本発明の実施の形態のA機種について台毎に非電サポ中の変動状態毎の滞在時間が記憶された遊技情報データベースの一例を示す図である。この遊技情報データベースは、遊技場管理装置2の情報データベース24の推定情報DBに登録されており(図11(B)参照)、変動状態分析処理(図23)におけるS2305の処理で取得される情報である。
遊技情報データベースには、A機種に該当する台番号毎に、6つに分けられた変動状態の滞在時間が時間値で個別に記憶され、さらに6つの滞在時間の合計時間も時間値で記憶されている。
変動状態分析処理では、まず、割合算出手段27(図10参照)により、各滞在時間の合計時間に対する割合(比率)を算出する。そして、異常台抽出手段25(図10参照)により、これらの分析情報(変動状態毎の滞在時間、滞在割合)に基づいて、同一機種の中で、他に比べて異常な分析情報を含む遊技装置10を抽出している。
続いて、図25A及び図25Bは、本発明の実施の形態の遊技場管理装置2のディスプレイ211における画面遷移例である。以下では、図23の変動状態分析処理の処理を対応させて説明する。
図25Aに示すように、遊技場管理装置2に設けられるディスプレイ211には、初期画面として情報管理画面が表示されている。情報管理画面には、遊技場の従業員等により選択可能なメニューが6つ表示されている。
そして、遊技場の従業員等により、情報管理画面に表示される選択肢「変動状態分析」が選択されると(S2301の結果「Y」)、ディスプレイ211には、機種選択画面が表示される(S2302)。
機種選択画面には、遊技場に配設された遊技機5の全機種が選択可能に表示されている。また、機種選択画面には、前画面に戻れるように選択肢として「終了」も表示されている。ここでは、遊技場の従業員等により、「A機種」が選択される(S2303の結果「N」→S2304の結果「Y」)。
このとき、遊技場管理装置2は、図24に示す遊技情報データベースを取得し(S2305)、取得した滞在時間の時間値を合計時間に対する割合(比率)を算出する(S2306)。
続いて、図25Bに示すように、ディスプレイ211には、選択された「A機種」の分析情報を表すA機種一覧表示画面が表示される(S2307)。このとき、A機種一覧表示画面には、A機種に該当する台番号毎に、6つに分けられた変動状態の滞在時間が合計時間に対する割合(比率)でパーセンテージ表示される。そして、画面右下には、「A機種」の中の異常な台を抽出する「異常台抽出」と、A機種一覧表示画面の表示を終了する「終了」との2つの選択肢が遊技場の従業員等により選択可能に表示される。ここでは、遊技場の従業員等により、「異常台抽出」が選択される(S2308の結果「N」→S2309の結果「Y」)。
このとき、遊技場管理装置2は、A機種に該当する全台の変動状態毎の割合(比率)の平均を算出し、算出した機種平均と乖離する変動状態を有する台を異常台として抽出する。ここでは、異常台の抽出条件として、割合(比率)が機種平均と50%以上乖離する変動状態が2つ以上有することを条件とする。これにより、保留されている始動記憶がない状態でさらに補助遊技も実行されていない非変動状態(「保留0停止中」)と、3〜5つ始動記憶が保留された状態で補助遊技が実行されている状態(「保留3〜5変動中」)との2つの変動状態の割合が機種平均と50%以上乖離している4番台が異常台として抽出される(S2310)。
そして、ディスプレイ211には、変動状態毎に、A機種の機種平均の割合と、異常台として抽出された4番台の割合と、4番台の割合と機種平均の割合との誤差と、がパーセンテージで表されるA機種異常台情報画面が表示される(S2311)。
また、A機種異常台情報画面では、4番台の割合と機種平均の割合との誤差が50%以上の値が強調表示され、最も誤差が大きい変動状態の実行傾向が報知される。具体的には、変動状態が「保留0停止中」及び「保留3〜5変動中」の誤差値「96%」及び「▲60%」の表示枠が太線で強調され、「非変動状態の割合が同一機種の他の台よりも多いようです。」とのメッセージが表示される。
なお、本実施の形態のA機種異常台情報画面では、遊技場管理装置2は、変動状態毎の滞在時間から算出したパーセンテージ割合を表示するが、これに限らない。変動状態毎に補助遊技の実行回数を集計して、集計結果の実行回数を表示してもよい。この場合は、補助遊技の実行回数が平均回数と大きく乖離する(1.5倍もしくは0.5倍の回数を上下限として、この範囲外となる)変動状態を2つ以上有する台が異常台として抽出される。また、異常台の抽出条件を2つの変動状態としたが、1つでも良いし3つ以上でも良い。
このように、本実施の形態によれば、稼働状態にある遊技装置10において、実行中の補助遊技を含め、変動結果が未確定の補助遊技の数(残ゲームカウンタ値)を推定し、残ゲームカウンタ値に基づいて分析情報(補助遊技の実行状況毎の滞在時間や稼働時間に対する滞在割合)を生成するので、稼働状態中における補助遊技の実行状況の傾向(稼働時間を構成する各実行状況の内訳)を把握することができる。
また、分析情報は、稼働中における補助遊技の実行状況毎の滞在時間を集計し、稼働時間に対する各滞在時間の割合を算出するので、より簡単に補助遊技の実行状況の傾向(稼働時間を構成する各実行状況の内訳)を把握することができる。また、分析情報を遊技装置10の性能調整(例えば、釘調整や寝かせ)に役立てることができる。
また、遊技装置10の稼働時間には、補助遊技の実行状況毎の滞在時間を計上するので、アウト球数信号により集計される時間だけでなく、遊技者が補助遊技に興じて遊技領域57への遊技球の打ち出しを一時中断する等して遊技装置10から外部に遊技球が排出されない時間も含むことができる。よって、稼働時間として遊技者が遊技機5で実際に遊技を行っている時間を集計することができ、集計データの精度を上げることができる。
また、遊技装置10における補助遊技の実行状況(変動状態)から生成される分析情報(変動状態毎の滞在時間、滞在割合)に基づく異常台の抽出は、同一機種の中で分析情報を比較して行われる。画一的なスペックを有する同一機種に比較対象を絞ることで、精度の高い異常台抽出機能を保持することができる。
また、A機種異常台情報画面は、異常台原因報知機能を備え、異常と判断された変動状態を特定可能に表示している。これにより、異常原因を遊技場の従業員等が把握することができるので、遊技装置10の性能を調整するための具体的な対処法(例えば、釘調整や寝かせ)に容易に至ることができる。
〔機械評価処理〕
図26は、本発明の実施の形態の遊技場管理装置2によって実行される機械評価処理のフローチャートである。
S2601では、遊技場管理装置2は、遊技場の従業員等による評価操作があったか否かを判定する。そして、評価操作があった場合には(S2601の結果「Y」)、S2602の処理を実行する。一方、評価操作がない場合には(S2601の結果「N」)、機械評価処理を終了する。
S2602では、遊技場管理装置2は、出力装置(ここではディスプレイ)211に機種選択画面を表示する。ここで、ディスプレイ211には、前述の変動状態分析処理(図23)におけるS2302の処理と同じように、図25Aの機種選択画面と同じ画面が表示される。
S2603では、遊技場管理装置2は、機種選択画面において機種を選択する操作があったか否かを判定する。そして、機種選択操作があった場合には(S2603の結果「Y」)、S2604の処理を実行する。一方、機種選択操作がない場合には(S2603の結果「N」)、S2611の処理を実行する。
S2604では、遊技場管理装置2は、情報データベース24(図10、図11参照)の推定情報DB(図11(B)参照)から、S2603の処理で選択された機種の非電サポ状態における変動状態毎の滞在時間を取得する。
S2605では、遊技場管理装置2は、取得した滞在時間から、台毎に残ゲームカウンタが1もしくは2の低変動状態の割合を算出する。
S2606では、遊技場管理装置2は、情報データベース24から選択された機種の最新7日分の実稼働時間(遊技者が着座して遊技を行っている時間)を取得する。
S2607では、遊技場管理装置2は、取得した実稼働時間から、台毎に1日の平均稼働時間を算出する。
S2608では、遊技場管理装置2は、台評価手段26(図10参照)によって、S2605の処理で算出した低変動状態の割合及びS2607の処理で算出した平均稼働時間に基づいて各台の総合評価を算出する。なお、総合評価には、台の設置日からの経過日数を含めても良い。
S2609では、遊技場管理装置2は、算出した総合評価を評価結果として、情報データベース24の推定情報DBの該当機種に対応する機械評価欄(図11(B)参照)に記憶する。
S2610では、遊技場管理装置2は、情報出力手段28(図10参照)によって、S2608の処理で算出した総合評価をディスプレイ211に表示する。
S2611では、遊技場管理装置2は、遊技場の従業員等による終了操作があったか否かを判定する。そして、終了操作があった場合には(S2611の結果「Y」)、S2612の処理を実行する。一方、終了操作がなかった場合には(S2611の結果「N」)、S2603の処理に戻る。
S2312では、遊技場管理装置2は、ディスプレイ211における評価用画面(機種選択画面、総合評価表示画面)の表示を終了して、機械評価処理を終了する。
なお、本実施の形態の機械評価処理は、遊技場の従業員等による選択操作に基づいて機種の評価が行われるが、これに限らない。機械評価処理は、遊技場の閉店に伴う閉店操作に基づいて自動的に全機種の評価が行われるようにしてもよい。そして、その評価結果を一覧表として表示するようにしてもよい。
また、本実施の形態の機械評価処理では、残ゲームカウンタが1もしくは2の低変動状態の割合を算出しているが、さらに残ゲームカウンタが0で補助遊技が実行されていない非変動状態の割合を算出して、台毎や機種毎に遊技者のイライラ度(不満指数)を算出する不満指数算出機能を備えてもよい。非変動状態の割合が高いほど、遊技者のイライラ度(不満指数)も高くなるように対応させ、算出した不満指数をディスプレイ211等に出力する算出結果出力機能を備えることで、遊技場の従業員等は、遊技者の遊技機5に対する不満度を測ることができる。よって、不満指数を釘調整の指標として活用することができる。
〔機械評価処理における評価基準〕
続いて、図27及び図28を参照して、図26の機械評価処理におけるS2608の処理で各台の総合評価の算出に用いられる評価基準(点数一覧表)について説明する。機械評価処理では、評価基準に応じて台毎に点数が付けられる。
〔非電サポ中の評価基準〕
図27は、本発明の実施の形態の機械評価処理に用いられる非電サポ中の評価基準である。
非電サポ中の評価基準は、評価する台の1日の平均稼働時間と低変動状態の割合とを評価要素とする。そして、平均稼働時間に対する低変動状態(残ゲームカウンタが1もしくは2の状態)の割合に応じて点数が設定され、平均稼働時間が長く、稼働時間における低変動状態の割合が高いほど、高い点数(評価)が付与される。
ここで、1日の平均稼働時間は、図26の機械評価処理におけるS2606及びS2607の処理で算出される。また、低変動状態の割合は、図26の機械評価処理におけるS2604及びS2605の処理で算出される。
具体的には、低変動状態が30〜40%の割合でみると、平均稼働時間が長くなるにつれて評価が高くなる。また、同じ平均稼働時間であっても、低変動状態が30〜40%から20〜30%の割合に下がると評価も下がり、逆に低変動状態が40〜50%の割合に上がると評価も上がる。より具体的には、低変動状態が30〜40%の割合では、平均稼働時間が6〜8時間のときに70点が付与される。低変動状態が20〜30%の割合では、平均稼働時間が8時間以上でないと70点は付与されず、6〜8時間のときは60点が付与される。低変動状態が40〜50%の割合では、平均稼働時間が4〜6時間のときに70点が付与され、6〜8時間のときは80点が付与される。
このように、本実施の形態の機械評価処理では、遊技場管理装置2の台評価手段26(図10参照)によって、非電サポ中の評価基準として本図の点数一覧表を用いて、各台の総合評価を行っている。
〔電サポ中の評価基準〕
ところで、本実施の形態では、遊技場管理装置2の情報データベース24において非電サポ中の変動状態毎の滞在時間を集計している。したがって、機械評価処理においても、非電サポ中を評価対象としているが、電サポ中を評価対象としてもよい。この場合は、非電サポ中の評価基準とは異なる評価要素を用いて電サポ中の評価基準が設けられる。以下では、図28を参照して、電サポ中を評価対象とする場合の評価基準について説明する。
図28は、本発明の実施の形態の機械評価処理に用いられる電サポ中の評価基準である。
電サポ中の評価基準は、評価する台の高変動状態の割合と非変動状態の割合とを評価要素とする。ここで、高変動状態とは、残ゲームカウンタが7〜9の状態(「保留6〜8変動中」)を示す。また、非変動状態とは、前述と同様に残ゲームカウンタが0で補助遊技が実行されていない(停止)状態を示す。
電サポ中は、普通変動入賞装置81によって始動口への遊技球の入賞が容易になるので、始動記憶が貯まりやすい。したがって、変動状態の実行傾向として、高変動状態が発生、維持しやすく、非変動状態は発生しにくい。
そこで、電サポ中の評価基準は、高変動状態と非変動状態との割合に応じて点数が設定され、高変動状態の割合が高く、非変動状態の割合が低いほど、高い点数(評価)が付与される。
具体的には、非変動状態が2〜3%の割合でみると、高変動状態の割合が高くなるにつれて評価が高くなる。また、同じ高変動状態の割合であっても、非変動状態が2〜3%から3〜4%の割合に上がると評価は下がり、逆に非変動状態が1〜2%の割合に下がると評価は上がる。より具体的には、非変動状態が2〜3%の割合では、高変動状態の割合が70〜80%のときに70点が付与される。非変動状態が3〜4%の割合では、高変動状態の割合が80%以上でないと70点は付与されず、70〜80%のときは60点が付与される。非変動状態が1〜2%の割合では、高変動状態の割合が60〜70%のときに70点が付与され、70〜80%のときは80点が付与される。
なお、電サポ中を評価対象とする場合には、図26の機械評価処理におけるS2604〜S2608の処理を変更する必要がある。遊技場管理装置2は、S2604の処理では、非電サポ中データではなく電サポ中のデータを取得するようにすればよい。電サポ中のデータは、図19の状態別時間集計処理におけるS1906の処理で生成されている。このとき、電サポ中の残ゲームカウンタ値に対応する変動状態の振り分けは、非電サポ中と同じ(図20(A)参照)である。S2605の処理では、低変動状態の割合を算出するのではなく、高変動状態の割合及び非変動状態の割合を算出するようにすればよい。S2606及びS2607の処理は削除し、S2608の処理で、高変動状態の割合と非変動状態の割合に基づき、本図の評価基準を用いて各台の総合評価を算出するようにすればよい。
〔評価基準の別例〕
なお、図27及び図28に示す評価基準は、評価要素の値に応じて点数が予め設定された点数一覧表を用いるが、ベース点数に評価要素の値に応じて基本加点する加点方式を用いてもよい。以下では、図29を参照して、前述の図27及び図28の評価基準の別例として、加点方式で総合評価(点数)を算出する方法を説明する。
図29は、本発明の実施の形態の別例の機械評価処理に用いられる加点方式の評価基準である。図29(A)は加点要素毎の加点表の一例であり、図29(B)は機械評価式を説明する図である。
図29(A)及び(B)に示すように、加点方式の評価基準は、まず、ベース点数として40点が設定されている。そして、評価要素を加点要素として、平均稼働時間、非変動状態の割合、低変動状態の割合及び高変動状態の割合の値に応じて加点が設定された加点表が加点要素毎に予め設けられている。
図29(A)に示すように、加点表は、加点要素の基準値に対応する加点を0として、加点要素が平均稼働時間及び低変動状態の割合の場合は値が大きくなるほど加点が大きくなり、値が基準値よりも小さいときはマイナスの加点、すなわち減点になるよう設けられる。また、加点要素が非変動状態の割合及び高変動状態の割合の場合は値が小さくなるほど加点が大きくなり、値が基準値よりも大きいときはマイナスの加点、すなわち減点になるよう設けられる。
図29(B)に示すように、機械評価式は、ベース点数に4つの加点要素(平均稼働時間、非変動状態の割合、低変動状態の割合及び高変動状態の割合)の加点を足した点数を評価点(総合評価)として算出する。
具体的に、A機種1番台を例に評価点を算出する。1番台の平均稼働時間は7時間なので、平均稼働時間に対する加点は10点である。また、図25(B)のA機種一覧表示画面から、1番台の非変動状態(「保留0停止中」)の割合は約4.5%、低変動状態(「保留0変動中」及び「保留1変動中」)の割合は約58%(約31%+約27%)、高変動状態(「保留6〜8変動中」)の割合は約2%である。これにより、各加点要素の加点は、順に5点、15点、5点となる。したがって、1番台の機械評価式は40+10+5+15+5となり、合計75点が1番台の評価点となる。
なお、加点方式の評価基準により各台を評価する場合には、図26の機械評価処理におけるS2605及びS2608の処理を変更する必要がある。遊技場管理装置2は、S2605の処理では、低変動状態の割合だけでなく、高変動状態の割合及び非変動状態の割合も算出するようにすればよい。同様にS2608の処理では、低変動状態の割合だけでなく、高変動状態の割合と非変動状態の割合も加味して、本図の機械評価式を用いて各台の総合評価を算出するようにすればよい。
なお、本実施の形態では、中変動状態(「保留2変動中」及び「保留3〜5変動中」、残ゲームカウンタ3〜6の状態)は評価要素(加点要素)に含まれていないが、含んでもよい。
このように、本実施の形態によれば、機械評価処理では、図27〜図29に示すように分析情報を評価要素とした評価基準を設けて遊技装置10の良し悪しを評価して出力する。これにより、遊技場の従業員等は、評価結果を遊技装置10の入れ替えの指標として用いることができる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。