JP2014204779A - トランスデューサ保護フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】膜部材を適正な挟持力にて挟持させることができ、膜部材のシールを十分に維持させつつ破損を防止することができるトランスデューサ保護フィルタを提供する。【解決手段】第1ハウジング部材6aと、第2ハウジング部材6bと、疎水性の膜部材6cと、膜部材6cの外周縁部に当接して挟持する第1挟持面6ab及び第2挟持面6bbとを具備したトランスデューサ保護フィルタにおいて、挟持部αは、第1挟持面6ab及び第2挟持面6bbの間の離間寸法が適正に設定された適正挟持範囲Aと、適正挟持範囲Aより当該離間寸法が大きく設定された第1挟持範囲Bと、適正挟持範囲Aより離間寸法が小さく設定された第2挟持範囲Cとを有するとともに、適正挟持範囲Aを挟んで第1挟持範囲B及び第2挟持範囲Cが膜部材6cの径方向に対して連続的に設定されたものである。【選択図】図5
Description
本発明は、液体の流通を規制しつつ気体の流通を許容する疎水性の膜部材を具備したトランスデューサ保護フィルタに関するものである。
一般に、血液浄化療法、例えば透析治療においては、患者の血液を体外循環させるべく可撓性チューブから成る血液回路が使用されている。この血液回路は、患者から血液を採取する動脈側穿刺針が先端に取り付けられた動脈側血液回路と、患者に血液を戻す静脈側穿刺針が先端に取り付けられた静脈側血液回路とから主に構成され、これら動脈側血液回路と静脈側血液回路との間にダイアライザを介在させ、体外循環する血液の浄化を行っている。
静脈側血液回路の途中には、通常、静脈側エアトランプチャンバが形成されており、体外循環する血液の除泡を行い得るよう構成されている。かかる静脈側ドリップチャンバの空気層側からは、例えば可撓性チューブから成るモニタ用チューブが延設されており、その先端側には、透析装置本体内に配設されたトランスデューサ(圧力センサ)が接続されているとともに、当該トランスデューサにて透析治療中における静脈側血液回路を流れる患者の血液の圧力(静脈圧)をリアルタイムで検出し得るようになっている。
そして、トランスデューサにて検出された圧力が予め設定された上限値又は下限値から成る警報範囲を超えたか否かを判別し、超えた場合には何らかの不具合(患者の容態変化や穿刺針の抜け等)が生じた可能性があると判定して所定の警報を行うよう構成されている。また、モニタ用チューブの先端部(透析装置本体との接続部位)には、液体の流通を規制しつつ気体の流通を許容する疎水性の膜部材を有したトランスデューサ保護フィルタが取り付けられていた。
かかるトランスデューサ保護フィルタは、従来、モニタ用チューブの先端部に取り付け可能な第1ハウジング部材と、第1ハウジング部材に組み付けられるとともに血液透析装置に取り付け可能な第2ハウジング部材と、これら第1ハウジング部材及び第2ハウジング部材により外周縁部が挟持される疎水性の膜部材とを有して構成されている(例えば、特許文献1参照)。このような膜部材により、静脈側エアトラップチャンバの空気層側の空気をトランスデューサ側に通過させて静脈圧を検出させ得るとともに、何らかの原因により、静脈側エアトラップチャンバからモニタ用チューブに患者の血液がオーバーフローした場合であっても、その血液の流通を規制してトランスデューサ側に至ってしまうのを回避することができる。
しかしながら、上記従来技術においては、第1ハウジング部材及び第2ハウジング部材の挟持部に寸法精度のばらつきが生じてしまうことがあり、その場合、当該第1ハウジング部材及び第2ハウジング部材により膜部材の外周縁部を挟持させる際、挟持力にばらつきが生じ得てしまう虞がある。しかるに、挟持力が強すぎると膜部材が破損してしまう虞があるとともに、挟持力が弱すぎると膜部材の外周縁部に対するシールが不十分となり、その部位で液体が流通してしまう虞があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、膜部材を適正な挟持力にて挟持させることができ、膜部材のシールを十分に維持させつつ破損を防止することができるトランスデューサ保護フィルタを提供することにある。
請求項1記載の発明は、血液回路に連通する第1連通孔を有した第1ハウジング部材と、該第1ハウジング部材に組み付けられるとともに、前記第1連通孔と連通した第2連通孔を有した第2ハウジング部材と、前記第1ハウジング部材と第2ハウジング部材との間で挟持され、前記第1連通孔及び第2連通孔との間に介装される疎水性の膜部材と、前記第1ハウジング部材及び第2ハウジング部材の前記膜部材を挟持する挟持部にそれぞれに形成され、当該第1ハウジング部材と前記第2ハウジング部材とが組み付けられた状態で、前記膜部材の外周縁部に当接して挟持する第1挟持面及び第2挟持面とを具備したトランスデューサ保護フィルタにおいて、前記挟持部は、当該第1挟持面及び第2挟持面の間の離間寸法が適正に設定された適正挟持範囲と、該適正挟持範囲より当該離間寸法が大きく設定された第1挟持範囲と、前記適正挟持範囲より離間寸法が小さく設定された第2挟持範囲とを有するとともに、前記適正挟持範囲を挟んで前記第1挟持範囲及び第2挟持範囲が前記膜部材の径方向に対して連続的に設定されたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のトランスデューサ保護フィルタにおいて、前記挟持部には、前記適正挟持範囲を挟んで内径側に前記第1挟持範囲、及び外径側に前記第2挟持範囲が設定されたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のトランスデューサ保護フィルタにおいて、前記第1挟持面及び第2挟持面は、前記膜部材の径方向に対して傾斜したテーパ面から成り、当該テーパ面により前記適正挟持範囲、第1挟持範囲及び第2挟持範囲が設定されたことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか1つに記載のトランスデューサ保護フィルタにおいて、前記膜部材が振動した際、前記第1挟持面に対する振動の支点と前記第2支持面に対する振動の支点とが径方向で異なる位置とされたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1つに記載のトランスデューサ保護フィルタにおいて、前記第1ハウジング部材及び第2ハウジング部材は、組み付けられた状態で超音波溶着により固着されることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、挟持部は、第1挟持面及び第2挟持面の間の離間寸法が適正に設定された適正挟持範囲と、該適正挟持範囲より当該離間寸法が大きく設定された第1挟持範囲と、適正挟持範囲より離間寸法が小さく設定された第2挟持範囲とを有するとともに、適正挟持範囲を挟んで第1挟持範囲及び第2挟持範囲が膜部材の径方向に対して連続的に設定されたので、膜部材を適正な挟持力にて挟持させることができ、膜部材のシールを十分に維持させつつ破損を防止することができる。
請求項2の発明によれば、挟持部には、適正挟持範囲を挟んで内径側に第1挟持範囲、及び外径側に第2挟持範囲が設定されたので、第2挟持範囲において膜部材が破損したとしても、その内径側に適正挟持範囲が位置するため、膜部材のシールをより確実に維持することができる。
請求項3の発明によれば、第1挟持面及び第2挟持面は、膜部材の径方向に対して傾斜したテーパ面から成り、当該テーパ面により適正挟持範囲、第1挟持範囲及び第2挟持範囲が設定されたので、第1挟持面及び第2挟持面をより精度よく形成することができる。
請求項4の発明によれば、膜部材が振動した際、第1挟持面に対する振動の支点と第2支持面に対する振動の支点とが径方向で異なる位置とされたので、振動による負荷が集中してしまうのを回避でき、膜部材の寿命を向上させることができる。
請求項5の発明によれば、第1ハウジング部材及び第2ハウジング部材は、組み付けられた状態で超音波溶着により固着されるので、より確実且つ良好に第1ハウジング部材と第2ハウジング部材とを組み付けることができるとともに、超音波溶着時の振動が挟持部に伝達しても、膜部材のシールを十分に維持させつつ破損を防止することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係るトランスデューサ保護フィルタは、患者の血液を浄化させるための血液浄化装置に適用されたものであり、より具体的には、透析治療で使用される透析装置に適用されたものである。かかる透析装置は、図1に示すように、血液浄化手段としてのダイアライザ2が接続された血液回路1、及び当該ダイアライザ2に透析液を供給しつつ除水する透析装置本体5から主に構成されている。血液回路1は、同図に示すように、可撓性チューブから成る動脈側血液回路1a及び静脈側血液回路1bから主に構成されており、これら動脈側血液回路1aと静脈側血液回路1bの間にダイアライザ2が接続されている。
本実施形態に係るトランスデューサ保護フィルタは、患者の血液を浄化させるための血液浄化装置に適用されたものであり、より具体的には、透析治療で使用される透析装置に適用されたものである。かかる透析装置は、図1に示すように、血液浄化手段としてのダイアライザ2が接続された血液回路1、及び当該ダイアライザ2に透析液を供給しつつ除水する透析装置本体5から主に構成されている。血液回路1は、同図に示すように、可撓性チューブから成る動脈側血液回路1a及び静脈側血液回路1bから主に構成されており、これら動脈側血液回路1aと静脈側血液回路1bの間にダイアライザ2が接続されている。
動脈側血液回路1aには、その先端に動脈側穿刺針aが接続されているとともに、途中にしごき型の血液ポンプ3が配設されている。一方、静脈側血液回路1bには、その先端に静脈側穿刺針bが接続されているとともに、途中に静脈側エアトラップチャンバ4が接続されている。そして、動脈側穿刺針a及び静脈側穿刺針bを患者に穿刺した状態で、血液ポンプ3を駆動させると、患者の血液は、動脈側血液回路1aを通ってダイアライザ2に至り、該ダイアライザ2によって血液浄化が施された後、静脈側エアトラップチャンバ4にて除泡がなされつつ静脈側血液回路1bを通って患者の体内に戻るよう構成されている。これにより、患者の血液を血液回路1にて体外循環させつつダイアライザ2にて浄化可能とされている。
ダイアライザ2は、その筐体部に、血液導入ポート2a、血液導出ポート2b、透析液導入ポート2c及び透析液導出ポート2dが形成されており、このうち血液導入ポート2aには動脈側血液回路1aの基端が、血液導出ポート2bには静脈側血液回路1bの基端がそれぞれ接続されている。また、透析液導入ポート2c及び透析液導出ポート2dは、透析装置本体5から延設された透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2とそれぞれ接続されている。
一方、静脈側エアトラップチャンバ4の空気層側(上部側)からは、モニタ用チューブL3が延設されており、かかるモニタ用チューブL3の先端部には、透析装置本体5の所定部位に取り付けられたトランスデューサ保護フィルタ6を有している。また、透析装置本体5内には、圧力センサとしての圧力トランスデューサ7が配設されており、モニタ用チューブL3と連通して接続されるよう構成されている。
すなわち、圧力トランスデューサ7は、静脈側エアトラップチャンバ4の空気層側と連通した所謂静脈圧センサから成り、透析治療中において、血液回路1(本実施形態においては静脈側血液回路1b)を流れる患者の血液の圧力をリアルタイムで検出し得るよう構成されている。なお、圧力トランスデューサ7は、静脈側エアトラップチャンバ4における空気層側の空気圧を検出しており、かかる空気圧を検出することにより、静脈側血液回路1bを流れる血液の圧力を検出するよう構成されている。
また、圧力トランスデューサ7には、例えばマイコン等から成る監視手段8が電気的に接続されており、かかる監視手段8により、血液の体外循環過程における静脈圧(圧力トランスデューサ7で検出された圧力)をリアルタイムで監視し得るようになっている。なお、監視手段8には、検出した静脈圧を表示する表示手段や所定の警報を行い得る警報手段等(何れも不図示)が接続されており、所定の表示及び警報を行い得るよう構成されている。
本実施形態に係るトランスデューサ保護フィルタ6は、静脈側エアトラップチャンバ4の空気層と圧力トランスデューサ7との間に介在するとともに、空気の通過を許容して静脈圧を検出可能としつつ液体の通過を規制して静脈側エアトラップチャンバ4からオーバーフローした血液が圧力トランスデューサ7に至るのを回避し得るものである。より具体的には、トランスデューサ保護フィルタ6は、図2〜9に示すように、筐体としての第1ハウジング部材6a及び第2ハウジング部材6bと、フィルタとしての膜部材6cとから主に構成されている。
第1ハウジング部材6aは、例えばポリカーボネート等の樹脂成形部品から成り、血液回路1(具体的には、静脈側血液回路1bにおける静脈側エアトラップチャンバ4の内部)に連通する第1連通孔6aaを有したものである。なお、本実施形態に係る第1ハウジング部材6aは、雌ネジ部6acを有しており、かかる雌ネジ部6acにモニタ用チューブL3の先端に形成された接続部(不図示)が螺合して接続可能とされている。
第2ハウジング部材6bは、例えばポリカーボネート等の樹脂成形部品から成り、第1ハウジング部材6aに組み付けられるとともに、膜部材6cを介して第1連通孔6aaと連通した第2連通孔6baを有したものである。なお、本実施形態に係る第2ハウジング部材6bは、雄ネジ部6bcを有しており、かかる雄ネジ部6bcが透析装置本体5の所定部位に形成された接続部(不図示)に螺合して接続可能とされている。
膜部材6cは、第1ハウジング部材6aと第2ハウジング部材6bとの間で挟持され、第1連通孔6aa及び第2連通孔6baとの間に介装されるとともに、例えばPTFE(ポリテトラフルホロエチレン)をシート状に成形したものから成り、液体の流通を規制しつつ気体の流通を許容する疎水性のものである。本実施形態に係る膜部材6cは、PET(ポリエチレン)等から成る不織布を基材として成り、当該不織布を含めた厚さが0.1〜0.5mm程度とされ、PTFEの厚さはその10分の1程度とされている。なお、本実施形態に係る膜部材6cは、PET(ポリエチレン)等から成る不織布を基材とし、その基材の表面にPTFEをシート状に貼り付けたものが使用されているが、他の形態(基材が異なる材質のもの、或いは基材を用いないもの等)としてもよい。また、膜部材6cの厚さも前述の数値範囲に限るものではなく、使用条件等に応じて適宜設計変更可能である。
しかるに、第1ハウジング部材6a及び第2ハウジング部材6bには、それぞれ溶着部βが形成されており、膜部材6cを挟持させた状態にて第1ハウジング部材6a及び第2ハウジング部材6bを組み付け、溶着部βを溶着させることにより両部材を固着し得るようになっている。本実施形態においては、溶着部βに対して超音波溶着装置により超音波振動を付与させて溶着させるものとされており、これにより、第1ハウジング部材6a及び第2ハウジング部材6bは、組み付けられた状態で超音波溶着により固着されて筐体を成すよう構成されている。
さらに、第1ハウジング部材6a及び第2ハウジング部材6bには、それぞれ膜部材6cを挟持するための挟持部αが形成されている。そして、第1ハウジング部材6aの挟持部αには、第1挟持面6abが形成されるとともに、第2ハウジング部材6bの挟持部αには、第2挟持面6bbが形成されている。しかして、第1ハウジング部材6aと第2ハウジング部材6bとが組み付けられた状態で、第1挟持面6abと第2挟持面6bbとが対峙しつつ、それぞれが膜部材6cの外周縁部の全周に亘って表裏面から当接して当該膜部材6cを挟持し得るようになっている。
ここで、本実施形態に係る挟持部αは、図5に示すように、第1挟持面6ab及び第2挟持面6bbの間の離間寸法が適正に設定された適正挟持範囲Aと、適正挟持範囲Aより当該離間寸法が大きく設定された第1挟持範囲Bと、適正挟持範囲Aより離間寸法が小さく設定された第2挟持範囲Cとを有するとともに、適正挟持範囲Aを挟んで第1挟持範囲B及び第2挟持範囲Cが膜部材6cの径方向(同図中左右方向)に対して連続的に設定されている。
適正挟持範囲Aは、第1ハウジング部材6a及び第2ハウジング部材6bの成形誤差(挟持部αの第1挟持面6ab及び第2挟持面6bbに生じた誤差)が極めて小さく、且つ、膜部材6cの被挟持部の厚さにばらつき等がなく、何れも設計寸法通りであると仮定した場合に膜部材6cに対する適切な挟持力を得ることができる離間寸法とされる。ここで、「適切な挟持力」とは、膜の押さえが弱すぎるために生じるリークや、膜の押さえが強すぎるために生じる膜破損などを生じさせない程度の挟持力である。また、第1挟持範囲Bにおいては、適正挟持範囲Aより離間寸法が大きいため、設計寸法通りであれば適正であろう挟持力よりも弱い挟持力を得ることができるとともに、第2挟持範囲Cにおいては、適正挟持範囲Aより離間寸法が小さいため、設計寸法通りであれば適正であろう挟持力よりも強い挟持力を得ることができる。
しかるに、本実施形態に係る第1挟持面6abは、膜部材6cの径方向に対して傾斜したテーパ面(所定の傾斜角を有する勾配面)から成るとともに、第2挟持面6bbは、膜部材6cの径方向に対して略平行な水平面から成り、当該テーパ面(すなわち、テーパ面と水平面)により適正挟持範囲A、第1挟持範囲B及び第2挟持範囲Cが設定されている。なお、テーパ面である第1挟持面6abは、隣接する面と緩やかな曲面で接続されており、角などのエッジ部分を生じないように形成されている。
特に、本実施形態に係る第1挟持面6abは、膜部材6cの外径に向かうに従って第2挟持面6bbとの離間寸法が小さくなる如き勾配(外径に向かって下り勾配)のテーパ面とされている。これにより、本実施形態に係る挟持部αには、適正挟持範囲Aを挟んで内径側(同図左側)に第1挟持範囲B、及び外径側(同図右側)に第2挟持範囲Cが設定されている。
これにより、径方向の内側から外側に行くに従って、2つの挟持面6ab、6bbによる挟持力が徐々に大きくなるので、第1ハウジング部材6a、第2ハウジング部材6b又は膜部材6cに組付け誤差や成形誤差等があっても、当該誤差に伴う挟持力の変化を吸収させることができる。
本実施形態によれば、挟持部αは、第1挟持面6ab及び第2挟持面6bbの間の離間寸法が適正に設定された適正挟持範囲Aと、適正挟持範囲Aより当該離間寸法が大きく設定された第1挟持範囲Bと、適正挟持範囲Aより離間寸法が小さく設定された第2挟持範囲Cとを有するとともに、適正挟持範囲Aを挟んで第1挟持範囲B及び第2挟持範囲Cが膜部材6cの径方向に対して連続的に設定されたので、膜部材6cを適正な挟持力にて挟持させることができ、膜部材6cのシールを十分に維持させつつ破損を防止することができる。
また、本実施形態に係る挟持部αには、適正挟持範囲Aを挟んで内径側に第1挟持範囲B、及び外径側に第2挟持範囲Cが設定されたので、適正挟持範囲Aの内側の挟持力を弱く、且つ、適正挟持範囲Aの外側の挟持力を強くすることができ、第2挟持範囲Cにおいて膜部材6cが破損したとしても、その内径側に適正挟持範囲Aが位置するため、膜部材6cのシールをより確実に維持することができる。
さらに、本実施形態に係る第1挟持面6ab及び第2挟持面6bbは、膜部材6cの径方向に対して傾斜したテーパ面から成り、当該テーパ面により適正挟持範囲A、第1挟持範囲B及び第2挟持範囲Cが設定されたので、テーパ面の傾斜角度(勾配角度)に応じて挟持力を変化させることができ、第1挟持面B及び第2挟持面Cをより精度よく形成することができる。
またさらに、本実施形態に係る第1ハウジング部材6a及び第2ハウジング部材6bは、組み付けられた状態で超音波溶着により固着されるので、より確実且つ良好に第1ハウジング部材6aと第2ハウジング部材6bとを組み付けることができるとともに、超音波溶着時の振動が挟持部αに伝達しても、膜部材6cのシールを十分に維持させつつ破損を防止することができる。なお、本実施形態においては、第1ハウジング部材6a及び第2ハウジング部材6bが超音波溶着にて固着されているが、これに限定されるものではなく、例えばレーザー溶着により第1ハウジング部材6a及び第2ハウジング部材6bを溶着するようにしてもよい。また、膜部材6cは、本実施形態の如く挟持部αにて挟持されているものに限らず、当該挟持部αに溶着されていてもよい。
また、本実施形態によれば、例えば血液透析中において、血液ポンプ3の駆動によって生じる脈動が静脈側エアトラップチャンバ4の空気層を振動させ、その振動が膜部材6cに伝わっても、振動による負荷が集中してしまうのを回避できるよう構成されている。すなわち、図10で示すように、振動により膜部材6cが図中上方へ変位する際(同図(a)参照)、第1挟持面6abの位置P1が支点とされるとともに、振動により膜部材6cが図中下方へ変位する際(同図(b)参照)、第2挟持面6bbの位置P2が支点とされる。これら位置P1、P2は、膜部材6cの径方向(同図中左右方向)に対して寸法tだけ離間している。
しかして、膜部材6cが振動した際、第1挟持面6abに対する振動の支点P1(一方への変位時の支点)と第2支持面6bbに対する振動の支点P2(反対側への変位時の支点)とが径方向で異なる位置(寸法tだけ離間)とされたので、一方へ変位する場合とその反対側へ変位する場合とで負荷を分散させ、振動による負荷が集中してしまうのを回避できるので、膜部材6cの寿命を向上させることができる。なお、離間寸法tについては、膜部材6cに加わる負荷を分散できるように、膜部材6cの膜厚等に応じて適宜寸法を変更可能である。
上記実施形態においては、第1挟持面6abが膜部材6cの径方向に対して傾斜したテーパ面(所定の傾斜角を有する勾配面)から成るとともに、第2挟持面6bbが膜部材6cの径方向に対して略平行な水平面から成り、当該テーパ面(すなわち、テーパ面と水平面)により適正挟持範囲A、第1挟持範囲B及び第2挟持範囲Cが設定されているが、これに代えて、図11に示すように、第2挟持面6bbが膜部材6cの径方向に対して傾斜したテーパ面(所定の傾斜角を有する勾配面)から成るとともに、第1挟持面6abが膜部材6cの径方向に対して略平行な水平面から成り、当該テーパ面(すなわち、テーパ面と水平面)により適正挟持範囲A、第1挟持範囲B及び第2挟持範囲Cが設定されるようにしてもよい。
さらに、図12に示すように、第1挟持面6ab及び第2挟持面6bbがそれぞれ膜部材6cの径方向に対して傾斜したテーパ面(外径方向に向かって互いに近接するテーパ面)から成るものとし、これら向かい合う一対のテーパ面により適正挟持範囲A、第1挟持範囲B及び第2挟持範囲Cが設定されるようにしてもよい。このように、図11、12で示すものの場合であっても、適正挟持範囲Aを挟んで第1挟持範囲B及び第2挟持範囲Cが膜部材6cの径方向に対して連続的に設定されたので、膜部材6cを適正な挟持力にて挟持させることができ、膜部材6cのシールを十分に維持させつつ破損を防止することができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば、図13に示すように、第1挟持面6abが膜部材6cの径方向に対して傾斜したテーパ面(膜部材6cの外径に向かうに従って第2挟持面6bbとの離間寸法が大きくなる如き勾配(外径に向かって上り勾配)のテーパ面)から成るとともに、第2挟持面6bbが膜部材6cの径方向に対して略平行な水平面から成り、当該テーパ面(すなわち、テーパ面と水平面)により適正挟持範囲A、第1挟持範囲B及び第2挟持範囲Cが設定されるものとしてもよい。
この場合、挟持部αには、適正挟持範囲Aを挟んで外径側(同図右側)に第1挟持範囲B、及び内径側(同図左側)に第2挟持範囲Cが設定されることとなり、適正挟持範囲Aより外側をより弱く挟持させる第1挟持範囲Bとしつつ、当該適正範囲Aより内側をより強く挟持させる第2挟持範囲Cとすることができる。なお、図13のものに代え、第2挟持面6bbが膜部材6cの径方向に対して傾斜したテーパ面(膜部材6cの外径に向かうに従って第1挟持面6abとの離間寸法が大きくなる如き勾配(外径に向かって下り勾配)のテーパ面)から成るとともに、第1挟持面6abが膜部材6cの径方向に対して略平行な水平面から成るものとしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、何れも第1挟持面6ab又は第2挟持面6bbが膜部材6cの径方向に対して傾斜したテーパ面から成り、当該テーパ面により適正挟持範囲A、第1挟持範囲B及び第2挟持範囲Cが設定されるものとされているが、これに代えて、図14に示すように、第1挟持面6ab(第2挟持面6bbも同様)を波形として適正挟持範囲A、第1挟持範囲B及び第2挟持範囲Cを連続的に設定するようにしてもよい。なお、図14において、第1挟持面6abのみを波形としたが、第1挟持面6abと第2挟持面6bbの両方を波形にしてもよい。この場合も、第1及び第2挟持面の接触面同士の隙間(離間距離)を径方向の外側に行くに従って狭くなるように形成する。
しかるに、上記何れの実施形態の場合であっても、第1挟持面6abと第2挟持面6bbとの間の角度は、0より大きく、且つ、40度程度以下(より好ましくは30度以下)に設定するのが好ましい。なお、図14に示すように、第1挟持面6ab(第2挟持面6bbも同様)を波形とした場合、波の各頂点を結ぶ直線が、0より大きく、且つ、40度程度以下(より好ましくは30度以下)に設定するのが好ましい。すなわち、局所的には、この範囲を外れる部分があっても、全体として当該範囲に収まっていればよいのである。
またさらに、挟持部αの挟持面は、上記の如く直線状或いは波形のものに限定されず、図15の二点鎖線で示すように、曲線状(円弧や放物線等)の面Fであってもよい。かかる面Fは、第2ハウジング部材6b側に形成、或いは第1ハウジング部材6a及び第2ハウジング部材6bの両方に形成されたものであってもよい。この場合であっても、両挟持面の間の角度は、0より大きく、且つ、40度程度以下(より好ましくは30度以下)に設定するのが好ましい。
また、図16に示すように、第1挟持面6abにおける第2挟持範囲Cに凸部Gを形成するようにしてもよく、これにより、以下の如き効果を奏することができる。なお、凸部Gは、第2挟持面6bbにおける第2挟持範囲Cに形成してもよい。すなわち、第2挟持範囲Cにおいては、適正挟持範囲Aよりも強い挟持力とされるが、例えば膜部材6cの厚みのばらつきによって薄いものがあった場合、第2挟持範囲Cにおいても強い挟持力を得られない可能性がある。本実施形態によれば、第2挟持範囲Cに凸部Gを設けることで、膜部材6cが設定された寸法より薄いものであっても、強い挟持力を得ることができる。なお、凸部Gを溶融させて膜部材6cと挟持部αとを溶着するようにしてもよい。
挟持部が、第1挟持面及び第2挟持面の間の離間寸法が適正に設定された適正挟持範囲と、該適正挟持範囲より当該離間寸法が大きく設定された第1挟持範囲と、適正挟持範囲より離間寸法が小さく設定された第2挟持範囲とを有するとともに、適正挟持範囲を挟んで第1挟持範囲及び第2挟持範囲が膜部材の径方向に対して連続的に設定されたトランスデューサ保護フィルタであれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
1 血液回路
2 ダイアライザ
3 血液ポンプ
4 静脈側エアトラップチャンバ
5 透析装置本体
6 トランスデューサ保護フィルタ
6a 第1ハウジング部材
6ab 第1挟持面
6b 第2ハウジング部材
6bb 第2挟持面
7 圧力トランスデューサ
8 監視手段
α 挟持部
A 適正挟持範囲
B 第1挟持範囲
C 第2挟持範囲
2 ダイアライザ
3 血液ポンプ
4 静脈側エアトラップチャンバ
5 透析装置本体
6 トランスデューサ保護フィルタ
6a 第1ハウジング部材
6ab 第1挟持面
6b 第2ハウジング部材
6bb 第2挟持面
7 圧力トランスデューサ
8 監視手段
α 挟持部
A 適正挟持範囲
B 第1挟持範囲
C 第2挟持範囲
Claims (5)
- 血液回路に連通する第1連通孔を有した第1ハウジング部材と、
該第1ハウジング部材に組み付けられるとともに、前記第1連通孔と連通した第2連通孔を有した第2ハウジング部材と、
前記第1ハウジング部材と第2ハウジング部材との間で挟持され、前記第1連通孔及び第2連通孔との間に介装される疎水性の膜部材と、
前記第1ハウジング部材及び第2ハウジング部材の前記膜部材を挟持する挟持部にそれぞれに形成され、当該第1ハウジング部材と前記第2ハウジング部材とが組み付けられた状態で、前記膜部材の外周縁部に当接して挟持する第1挟持面及び第2挟持面と、
を具備したトランスデューサ保護フィルタにおいて、
前記挟持部は、当該第1挟持面及び第2挟持面の間の離間寸法が適正に設定された適正挟持範囲と、該適正挟持範囲より当該離間寸法が大きく設定された第1挟持範囲と、前記適正挟持範囲より離間寸法が小さく設定された第2挟持範囲とを有するとともに、前記適正挟持範囲を挟んで前記第1挟持範囲及び第2挟持範囲が前記膜部材の径方向に対して連続的に設定されたことを特徴とするトランスデューサ保護フィルタ。 - 前記挟持部には、前記適正挟持範囲を挟んで内径側に前記第1挟持範囲、及び外径側に前記第2挟持範囲が設定されたことを特徴とする請求項1記載のトランスデューサ保護フィルタ。
- 前記第1挟持面又は第2挟持面は、前記膜部材の径方向に対して傾斜したテーパ面から成り、当該テーパ面により前記適正挟持範囲、第1挟持範囲及び第2挟持範囲が設定されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のトランスデューサ保護フィルタ。
- 前記膜部材が振動した際、前記第1挟持面に対する振動の支点と前記第2支持面に対する振動の支点とが径方向で異なる位置とされたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載のトランスデューサ保護フィルタ。
- 前記第1ハウジング部材及び第2ハウジング部材は、組み付けられた状態で超音波溶着により固着されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載のトランスデューサ保護フィルタ。
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JP2013082776A JP2014204779A (ja) | 2013-04-11 | 2013-04-11 | トランスデューサ保護フィルタ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2013
- 2013-04-11 JP JP2013082776A patent/JP2014204779A/ja active Pending
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