JP2014202986A - テレコンバータレンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】高い色消し性能を有しながら、温度変動時に生じるデフォーカスを小さく抑えること。
【解決手段】テレコンバータレンズ1は、物体側より順に並んだ、全体として正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、全体として負の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成され、第1レンズ群G1は、少なくとも1枚の正レンズL11と、少なくとも1枚の負レンズL12とを含み、第2レンズ群G2は、少なくとも1枚の正レンズL21と、少なくとも2枚の負レンズL22,L23とを含み、第1レンズ群G1の少なくとも1枚の正レンズL11と第2レンズ群G2の少なくとも2枚の負レンズL22,L23の硝材は、それぞれ、硝材に対するレンズパワーの温度依存係数C(K−1)がC<−20×10−6(K−1)の条件を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、テレコンバータレンズに関する。
従来、撮像レンズなどの前方に装着して、レンズ系全体の焦点距離を長焦点距離側に変化させるテレコンバータレンズが提案されている(特許文献1参照)。テレコンバータレンズには、色収差の補正のため、多数のED(Extra-low Dispersion)ガラスが採用されることが多い。特許文献1に記載のテレコンバータレンズでも、物体側の2枚の正レンズがEDガラスで形成されたレンズ(EDレンズ)となっている。
特開2011−90346号公報
しかしながら、EDガラスは温度変動に弱いため、温度変動時にテレコンバータレンズ内のEDレンズの焦点距離が大きく変動し、テレコンバータレンズの光学系がアフォーカル光学系から大きくずれ、結果として焦点位置ずれ(デフォーカス)を生じやすいという問題があった。
本発明によるテレコンバータレンズは、物体側より順に並んだ、全体として正の屈折力を有する第1レンズ群と、全体として負の屈折力を有する第2レンズ群とから構成され、第1レンズ群は、少なくとも1枚の正レンズと、少なくとも1枚の負レンズとを含み、第2レンズ群は、少なくとも1枚の正レンズと、少なくとも2枚の負レンズとを含み、硝材の基準波長に対する屈折率をnとし、硝材の基準波長に対する屈折率の温度依存係数をdn/dT(K−1)とし、硝材の線膨張係数をα(K−1)として、硝材に対するレンズパワーの温度依存係数C(K−1)を、次式(1)
Figure 2014202986
のように表すとき、第1レンズ群の少なくとも1枚の正レンズと第2レンズ群の少なくとも2枚の負レンズの硝材は、それぞれ、硝材に対するレンズパワーの温度依存係数C(K−1)が次式(2)
C<−20×10−6(K−1) …(2)
の条件を満たすことを特徴とする。
本発明によれば、高い色消し性能を有しながら、温度変動時に生じるデフォーカスを小さく抑えることができる。
第1実施例によるテレコンバータレンズの構成を説明する図である。 第1実施例によるテレコンバータレンズに係る収差図である。 第1実施例によるテレコンバータレンズに係るデフォーカスMTF曲線を示す図である。 第2実施例によるテレコンバータレンズの構成を説明する図である。 第2実施例によるテレコンバータレンズに係る収差図である。 第2実施例によるテレコンバータレンズに係るデフォーカスMTF曲線を示す図である。 第3実施例によるテレコンバータレンズの構成を説明する図である。 第3実施例によるテレコンバータレンズに係る収差図である。 第3実施例によるテレコンバータレンズに係るデフォーカスMTF曲線を示す図である。 第4実施例によるテレコンバータレンズの構成を説明する図である。 第4実施例によるテレコンバータレンズに係る収差図である。 第4実施例によるテレコンバータレンズに係るデフォーカスMTF曲線を示す図である。 比較例によるテレコンバータレンズの構成を説明する図である。 比較例によるテレコンバータレンズに係る収差図である。 比較例によるテレコンバータレンズに係るデフォーカスMTF曲線を示す図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための一実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態によるテレコンバータレンズ1の構成を説明する図である。テレコンバータレンズ1は、高い色消し性能を有しながら、温度変動時に生じるデフォーカスが最小限に抑えられた色消しアサーマル(温度無依存)のテレコンバータレンズである。
テレコンバータレンズ1は、物体側から順に並んだ、全体として正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、全体として負の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成される。第1レンズ群G1は、少なくとも1枚の正レンズL11と、少なくとも1枚の負レンズL12とを含む。また、第2レンズ群G2は、少なくとも1枚の正レンズL21と、少なくとも2枚の負レンズL22およびL23とを含む。
ここで、レンズの硝材において、硝材の基準波長に対する屈折率をnとし、硝材の基準波長に対する屈折率の温度依存係数をdn/dT(K−1)とし、硝材の線膨張係数をα(K−1)としたとき、硝材におけるレンズパワーの温度依存係数Cは、以下の式(1)で表されるとする。
Figure 2014202986
このとき、本実施形態のテレコンバータレンズ1では、正レンズL11と負レンズL22およびL23の硝材について、それぞれの硝材に対するレンズパワーの温度依存係数C(K−1)が、それぞれ、以下の条件式(2)を満足する。
C<−20×10−6(K−1) …(2)
第1レンズ群G1の正レンズL11の硝材には、条件式(2)を満足するEDガラスが採用される。これにより、軸上色収差を小さく抑えることができる。しかしながら、これにより、正レンズL11は、温度変動に弱く、温度上昇に伴って焦点距離が伸びてしまう(すなわち正のレンズパワーが小さくなってしまう)。このことは、レンズパワーの温度依存係数Cが大きな負の値を示すことからも説明できる。
そこで、本実施形態では、温度上昇に伴う正レンズL11の正のレンズパワー減少の効果を打ち消すために、第2レンズ群G2の負レンズL22およびL23の硝材として、条件式(2)を満足するEDガラスを採用する。これにより、負レンズL22およびL23も温度上昇に伴って負のレンズパワーが小さく(すなわち焦点距離の絶対値が大きく)なるので、正レンズL11の正のレンズパワー減少の効果を打ち消すことが可能となり、最終的に、温度変動時のデフォーカスの発生を抑えることが可能となる。
また、本実施形態において、第1レンズ群の正レンズL11と負レンズL12とが接合されていることが好ましい。これにより、収差の補正や製造コストなどの面で有利となる。
さらに、本実施形態において、第2レンズ群の正レンズL21と負レンズL22とが接合されていることが好ましい。これにより、収差の補正や製造コストなどの面で有利となる。
−実施例−
次に、本実施形態に係る第1〜第3実施例について説明する。なお、テレコンバータレンズ単独では結像性能の評価を行えないため、第1〜第3実施例では、テレコンバータレンズ1と結像面との間に焦点距離50mmの理想レンズILを配置したと仮定して、結像性能の評価を行っている。理想レンズILは、無収差であり、且つ温度変動時に全く焦点距離が変化しないレンズであるとする。また、テレコンバータレンズ1と理想レンズILとの間に、開口絞りASが配置されているとする。
(第1実施例)
図1は、本実施形態の第1実施例に係るテレコンバータレンズ1の構成を説明する図である。第1実施例に係るテレコンバータレンズ1は、物体側から順に並んだ、全体として正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、全体として負の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成される。第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、負レンズL12と、正レンズL11とから構成され、これら2枚のレンズは接合されている。第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、正レンズL21と、負レンズL22と、負レンズL23とから構成され、正レンズL21および負レンズL22とが接合されている。
以下の表1および表2に、第1実施例におけるレンズ系データを示す。表1は、環境温度20℃の状態にある場合を示し、表2は、環境温度40℃の状態にある場合を示す。表1および表2において、面番号は、物体側からの各レンズ面の番号を示し、面間隔は、レンズ面から次のレンズ面(又は結像面)までの光軸上の距離を示す。曲率半径の「INFINITY」は平面または開口を示す。また、表1および表2のレンズ系データにおいて、温度変動時に、曲率半径、レンズ中心厚、レンズ間隔、および屈折率のそれぞれの変化を計算するために用いた材料のデータと、レンズパワーの温度依存係数Cのデータとを表3に示す。なお、テレコンバータレンズ1を保持するレンズ鏡筒は全てアルミニウムで作成されているとし、レンズ間隔の変化の計算には、アルミニウムの線膨張係数αを用いた。また、レンズ接合面の曲率半径の変化の計算には、接合面を構成する硝材の線膨張係数αの平均値を用いた。
Figure 2014202986
Figure 2014202986
Figure 2014202986
表1および表2に示すように、第1実施例において、第1レンズ群G1の正レンズL11、第2レンズ群G2の負レンズL22および負レンズL23の硝材は、S−FPL51(EDガラス)であり、レンズパワーの温度依存係数Cが−25.3×10−6(K−1)であるため、上述した条件式(2)を満足している。
図2は、第1実施例に係るレンズ系の球面収差、非点収差および歪曲収差を示す図である。第1実施例では、第1レンズ群G1の正レンズL11の硝材がEDガラスであるため、図2に示すように、軸上色収差が小さく抑えられている。
また、表1および表2のレンズ系データを基に近軸光線追跡を行うと、第1実施例において、環境温度が20℃から40℃に変化したとき、レンズ系全体の焦点距離は0.0164mm短くなり、近軸像面位置は0.0029mm物体面側へ移動することがわかる。このとき、許容錯乱円の直径を0.010mmとすると、F値が2.44なので焦点深度は0.0244mmとなり、20℃から40℃への変化で生じた0.0029mmのデフォーカスは十分許容することができる。このように、第1実施例では、温度上昇に伴う焦点距離の変動の効果が正レンズL11と負レンズL22およびL23とで打ち消され、温度変動時のデフォーカスの発生が良好に抑えられている。
図3は、第1実施例に係るレンズ系について、空間周波数50c/mmにおけるデフォーカスMTF曲線を示す図である。図3の左の図が環境温度20℃の状態にある場合を示し、右の図が環境温度40℃の状態にある場合を示す。図3からもわかるように、20℃から40℃への変化でMTF値がピーク値となる位置がほぼ移動せず、温度変動時のデフォーカスの発生が良好に抑えられていることがわかる。
(第2実施例)
図4は、第2実施例に係るテレコンバータレンズ1の構成を説明する図である。第2実施例に係るテレコンバータレンズ1は、物体側から順に並んだ、全体として正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、全体として負の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成される。第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、正レンズL11と、負レンズL12とから構成され、これら2枚のレンズは接合されている。第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、正レンズL21と、負レンズL22と、負レンズL23とから構成され、正レンズL21および負レンズL22とが接合されている。
なお、テレコンバータ倍率が、第1実施例では2倍であったのに対し、第2実施例では2.5倍となっている。また、第2実施例では、第1レンズ群G1の正レンズL11と負レンズL12の配置の順番が第1実施例とは逆になっている。
以下の表4および表5に、第2実施例におけるレンズ系データを示す。表4は、環境温度20℃の状態にある場合を示し、表5は、環境温度40℃の状態にある場合を示す。なお、表4および表5に示すレンズ系データの変化は、第1実施例と同様に、表3に示すデータを用いて計算されている。
Figure 2014202986
Figure 2014202986
表4および表5に示すように、第2実施例において、第1レンズ群G1の正レンズL11、第2レンズ群G2の負レンズL22および負レンズL23の硝材は、第1実施例と同様にS−FPL51(EDガラス)であり、上述した条件式(2)を満足している。
図5は、第2実施例に係るレンズ系の球面収差、非点収差および歪曲収差を示す図である。第2実施例でも、第1レンズ群G1の正レンズL11の硝材がEDガラスであるため、図5に示すように、軸上色収差が小さく抑えられている。
また、表4および表5のレンズ系データを基に近軸光線追跡を行うと、第2実施例において、環境温度が20℃から40℃に変化したとき、レンズ系全体の焦点距離は0.0729mm短くなり、近軸像面位置は0.0015mm像面側へ移動することがわかる。このとき、許容錯乱円の直径を0.010mmとすると、F値が2.44なので焦点深度は0.0244mmとなり、20℃から40℃への変化で生じた0.0015mmのデフォーカスは十分許容することができる。このように、第2実施例でも、温度上昇に伴う焦点距離の変動の効果が正レンズL11と負レンズL22およびL23とで打ち消され、温度変動時のデフォーカスの発生が良好に抑えられている。
図6は、第2実施例に係るレンズ系について、空間周波数50c/mmにおけるデフォーカスMTF曲線を示す図である。図6の左の図が環境温度20℃の状態にある場合を示し、右の図が環境温度40℃の状態にある場合を示す。図6からもわかるように、20℃から40℃への変化でMTF値がピーク値となる位置がほぼ移動せず、温度変動時のデフォーカスの発生が良好に抑えられていることがわかる。
(第3実施例)
図7は、第3実施例に係るテレコンバータレンズ1の構成を説明する図である。第3実施例に係るテレコンバータレンズ1は、物体側から順に並んだ、全体として正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、全体として負の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成される。第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、正レンズL11と、負レンズL12と、正レンズL13とから構成され、これら3枚のレンズは接合されている。第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、正レンズL21と、負レンズL22と、負レンズL23とから構成され、正レンズL21および負レンズL22とが接合されている。
なお、テレコンバータ倍率が、第1実施例では2倍、第2実施例では2.5倍であったのに対し、第3実施例では3倍となっている。また、第1レンズ群G1のレンズ枚数は、第1および第2実施例では2枚であったのに対し、第3実施例では3枚となっている。
以下の表6および表7に、第3実施例におけるレンズ系データを示す。表6は、環境温度20℃の状態にある場合を示し、表7は、環境温度40℃の状態にある場合を示す。なお、表6および表7に示すレンズ系データの変化は、第1実施例と同様に、表3に示すデータを用いて計算されている。
Figure 2014202986
Figure 2014202986
表6および表7に示すように、第3実施例において、第1レンズ群G1の正レンズL11、第2レンズ群G2の負レンズL22および負レンズL23の硝材は、第1および第2実施例と同様にS−FPL51(EDガラス)であり、上述した条件式(2)を満足している。
図8は、第3実施例に係るレンズ系の球面収差、非点収差および歪曲収差を示す図である。第3実施例でも、第1レンズ群G1の正レンズL11の硝材がEDガラスであるため、図8に示すように、軸上色収差が小さく抑えられている。
また、表6および表7のレンズ系データを基に近軸光線追跡を行うと、第3実施例において、環境温度が20℃から40℃に変化したとき、レンズ系全体の焦点距離は0.0654mm短くなり、近軸像面位置は0.0009mm像面側へ移動することがわかる。このとき、許容錯乱円の直径を0.010mmとすると、F値が2.44なので焦点深度は0.0244mmとなり、20℃から40℃への変化で生じた0.0009mmのデフォーカスは十分許容することができる。このように、第3実施例でも、温度上昇に伴う焦点距離の変動の効果が正レンズL11と負レンズL22およびL23とで打ち消され、温度変動時のデフォーカスの発生が良好に抑えられている。
図9は、第3実施例に係るレンズ系について、空間周波数50c/mmにおけるデフォーカスMTF曲線を示す図である。図9の左の図が環境温度20℃の状態にある場合を示し、右の図が環境温度40℃の状態にある場合を示す。図9からもわかるように、20℃から40℃への変化でMTF値がピーク値となる位置がほぼ移動せず、温度変動時のデフォーカスの発生が良好に抑えられていることがわかる。
(第4実施例)
図10は、第4実施例に係るテレコンバータレンズ1の構成を説明する図である。第4実施例に係るテレコンバータレンズ1は、物体側から順に並んだ、全体として正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、全体として負の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成される。第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、正レンズL11と、負レンズL12とから構成され、これら2枚のレンズは接合されている。第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、負レンズL22と、正レンズL21と、負レンズL23とから構成され、負レンズL22および正レンズL21とが接合されている。
なお、第4実施例のテレコンバータ倍率は、第1実施例と同様に2倍となっている。また、第4実施例では、第2レンズ群G2の正レンズL21、負レンズL22および負レンズL23の配置の順番が、第1〜第3実施例とは異なっている。
以下の表8および表9に、第4実施例におけるレンズ系データを示す。表8は、環境温度20℃の状態にある場合を示し、表9は、環境温度40℃の状態にある場合を示す。なお、表8および表9に示すレンズ系データの変化は、第1実施例と同様に、表3に示すデータを用いて計算されている。
Figure 2014202986
Figure 2014202986
表8および表9に示すように、第4実施例において、第1レンズ群G1の正レンズL11の硝材は、第1〜第3実施例と同様にS−FPL51(EDガラス)であり、上述した条件式(2)を満足している。第2レンズ群G2の負レンズL22および負レンズL23の硝材は、第1〜第3実施例とは異なりS−FPL53(EDガラス)である。S−FPL53のレンズパワーの温度依存係数Cは−29.5×10−6(K−1)であるため、上述した条件式(2)を満足している。
図11は、第4実施例に係るレンズ系の球面収差、非点収差および歪曲収差を示す図である。第4実施例でも、第1レンズ群G1の正レンズL11の硝材がEDガラスであるため、図11に示すように、軸上色収差が小さく抑えられている。
また、表8および表9のレンズ系データを基に近軸光線追跡を行うと、第4実施例において、環境温度が20℃から40℃に変化したとき、レンズ系全体の焦点距離は0.0139mm短くなり、近軸像面位置は0.0021mm像面側へ移動することがわかる。このとき、許容錯乱円の直径を0.010mmとすると、F値が2.44なので焦点深度は0.0244mmとなり、20℃から40℃への変化で生じた0.0021mmのデフォーカスは十分許容することができる。このように、第4実施例でも、温度上昇に伴う焦点距離の変動の効果が正レンズL11と負レンズL22およびL23とで打ち消され、温度変動時のデフォーカスの発生が良好に抑えられている。
図12は、第4実施例に係るレンズ系について、空間周波数50c/mmにおけるデフォーカスMTF曲線を示す図である。図12の左の図が環境温度20℃の状態にある場合を示し、右の図が環境温度40℃の状態にある場合を示す。図12からもわかるように、20℃から40℃への変化でMTF値がピーク値となる位置がほぼ移動せず、温度変動時のデフォーカスの発生が良好に抑えられていることがわかる。
(比較例)
ここで、上述した第1〜第4実施例と比較するために、特許文献1の実施例2に開示されているテレコンバータレンズを比較例として説明する。図13は、比較例のテレコンバータレンズ1xの構成を説明する図である。テレコンバータレンズ1xは、物体側から順に並んだ、全体として正の屈折力を有する第1レンズ群G1xと、全体として負の屈折力を有する第2レンズ群G2xとから構成される。第1レンズ群G1xは、物体側から順に並んだ、正レンズL11xと、正レンズL12xとから構成されている。正レンズL11xおよび正レンズL12xの硝材は、EDガラスである。第2レンズ群G2xは、物体側から順に並んだ、負レンズL21xと、正レンズL22xとから構成されている。負レンズL21xおよび正レンズL22xの硝材は、EDガラスではない。
なお、テレコンバータレンズ単独では結像性能の評価を行えないため、比較例においても、上述した第1実施例〜第4実施例と同様の理想レンズILを配置したと仮定して、結像性能の評価を行う。
以下の表10および表11に、比較例におけるレンズ系データを示す。表10は、環境温度20℃の状態にある場合を示し、表11は、環境温度40℃の状態にある場合を示す。なお、表10および表11に示すレンズ系データの変化は、上述した第1実施例と同様に、表3に示すデータを用いて計算されている。
Figure 2014202986
Figure 2014202986
図14は、比較例に係るレンズ系の球面収差、非点収差および歪曲収差を示す図である。比較例では、第1レンズ群G1xの正レンズL11xおよび正レンズL12xの硝材がEDガラスであるため、図14に示すように、軸上色収差が小さく抑えられている。
しかしながら、表10および表11のレンズ系データを基に近軸光線追跡を行うと、比較例において、環境温度が20℃から40℃に変化したとき、光学系の焦点距離は0.0761mm短くなり、近軸像面位置は0.0570mm像面側へ移動することがわかる。このとき、許容錯乱円の直径を0.010mmとすると、F値が2.44なので焦点深度は0.0244mmとなり、20℃から40℃への変化で生じた0.0570mmのデフォーカスは許容できないことになる。
図15は、比較例に係るレンズ系について、空間周波数50c/mmにおけるデフォーカスMTF曲線を示す図である。図15の左の図が環境温度20℃の状態にある場合を示し、右の図が環境温度40℃の状態にある場合を示す。図15からもわかるように、20℃から40℃への変化でMTF値がピーク値となる位置が大きく移動しており、温度変動時にデフォーカスが発生していることがわかる。
このように、比較例では、テレコンバータレンズ内にEDレンズを採用しているので色収差は抑えられているが、温度変動時にEDレンズの焦点距離が大きく変動することで大きなデフォーカスが発生してしまう。これと比較して、本発明の第1〜第4実施例では、上述したように、色収差を小さく抑え、且つ温度変動時のデフォーカスも小さく抑えることができている。
以上説明した実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
テレコンバータレンズ1は、物体側より順に並んだ、全体として正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、全体として負の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成され、第1レンズ群G1は、少なくとも1枚の正レンズL11と、少なくとも1枚の負レンズL12とを含み、第2レンズ群G2は、少なくとも1枚の正レンズL21と、少なくとも2枚の負レンズL22およびL23とを含み、第1レンズ群G1の少なくとも1枚の正レンズL11と第2レンズ群G2の少なくとも2枚の負レンズL22およびL23の硝材は、それぞれ、硝材に対するレンズパワーの温度依存係数C(K−1)が条件式(2)の条件を満たすようにした。これにより、テレコンバータレンズ1は、EDガラスによる高い色消し性能を有しながら、温度変動時の焦点距離の変動の効果を、正レンズL11と負レンズL22およびL23とで打ち消すことができ、温度変動時に生じるデフォーカスを小さく抑えることができる。
以上の説明はあくまで一例であり、上述した構成に何ら限定されるものではなく、種々の態様を変更してもよい。例えば、第1レンズ群G1および第2レンズ群G2を構成するレンズ枚数や、各レンズの曲率半径、面間隔、硝材等を適宜変更してもよく、レンズが接合されていても接合されていなくてもよい。
1、1x…テレコンバータレンズ、G1…第1レンズ群、G2…第2レンズ群、L11、L21、L11x、L12x、L22x…正レンズ、L12、L22、L23、L21x…負レンズ

Claims (5)

  1. 物体側より順に並んだ、全体として正の屈折力を有する第1レンズ群と、全体として負の屈折力を有する第2レンズ群とから構成され、
    前記第1レンズ群は、少なくとも1枚の正レンズと、少なくとも1枚の負レンズとを含み、
    前記第2レンズ群は、少なくとも1枚の正レンズと、少なくとも2枚の負レンズとを含み、
    硝材の基準波長に対する屈折率をnとし、硝材の基準波長に対する屈折率の温度依存係数をdn/dT(K−1)とし、硝材の線膨張係数をα(K−1)として、硝材に対するレンズパワーの温度依存係数C(K−1)を、次式(1)
    Figure 2014202986
    のように表すとき、
    前記第1レンズ群の前記少なくとも1枚の正レンズと前記第2レンズ群の前記少なくとも2枚の負レンズの硝材は、それぞれ、硝材に対するレンズパワーの温度依存係数C(K−1)が次式(2)
    C<−20×10−6(K−1) …(2)
    の条件を満たすことを特徴とするテレコンバータレンズ。
  2. 請求項1に記載のテレコンバータレンズにおいて、
    前記第1レンズ群の前記少なくとも1枚の正レンズと前記少なくとも1枚の負レンズとが接合されていることを特徴とするテレコンバータレンズ。
  3. 請求項1または2に記載のテレコンバータレンズにおいて、
    前記第2レンズ群の前記少なくとも1枚の正レンズと前記少なくとも2枚の負レンズのうちの1枚の負レンズとが接合されていることを特徴とするテレコンバータレンズ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のテレコンバータレンズにおいて、
    前記テレコンバータレンズの倍率が2倍以上であり、
    前記第1レンズ群は、1枚の正レンズと、1枚の負レンズとから構成され、
    前記第2レンズ群は、1枚の正レンズと、2枚の負レンズとから構成され、
    前記第1レンズ群の前記1枚の正レンズと前記第2レンズ群の前記2枚の負レンズの硝材は、それぞれ、硝材に対するレンズパワーの温度依存係数C(K−1)が前記式(2)の条件を満たすことを特徴とするテレコンバータレンズ。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のテレコンバータレンズにおいて、
    前記テレコンバータレンズの倍率が3倍以上であり、
    前記第1レンズ群は、物体側から順に並んだ、1枚の正レンズと、1枚の負レンズと、1枚の正レンズとから構成され、
    前記第2レンズ群は、1枚の正レンズと、2枚の負レンズとから構成され、
    前記第1レンズ群の物体側の前記1枚の正レンズと前記第2レンズ群の前記2枚の負レンズの硝材は、それぞれ、硝材に対するレンズパワーの温度依存係数C(K−1)が前記式(2)の条件を満たすことを特徴とするテレコンバータレンズ。
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