JP2014202550A - 複数の波長帯域に於ける単一発光粒子検出を用いた光分析装置及び光分析方法 - Google Patents

複数の波長帯域に於ける単一発光粒子検出を用いた光分析装置及び光分析方法 Download PDF

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Takuya Hanashi
拓哉 葉梨
田邊 哲也
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哲也 田邊
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Abstract

【課題】 共焦点顕微鏡又は多光子顕微鏡による光計測を用いた走査分子計数法に於いて、粒子検出のスループットの向上とS/N比の悪化の程度とのバランスを考慮して光の波長帯域によって異なる最適な光検出領域の大きさの得られる構成を提供すること。
【解決手段】 本発明による試料溶液中の発光粒子の光を検出する光分析技術は、光検出領域の位置を移動しながら光検出領域からの光を検出し、検出された光の時系列の光強度データを生成し、時系列光強度データに於いて発光粒子の各々からの光を表す信号の特徴を有する信号を個別に検出する構成に於いて、光検出領域へ与えられる光の波長帯域又は光検出領域から光検出部へ到達する光の波長帯域によって光検出領域の寸法を異なる寸法に調節する。
【選択図】図3

Description

本発明は、共焦点顕微鏡又は多光子顕微鏡の光学系などの溶液中の微小領域からの光が検出可能な光学系を用いて、溶液中に分散又は溶解した原子、分子又はこれらの凝集体(以下、これらを「粒子」と称する。)、例えば、タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、糖鎖、アミノ酸若しくはこれらの凝集体などの生体分子、ウイルス、細胞などの粒子状の対象物、或いは、非生物学的な粒子からの光を検出して、それらの状態(相互作用、結合・解離状態など)の分析又は解析に於いて有用な情報を取得することが可能な光分析技術に係り、より詳細には、上記の如き光学系を用いて単一の発光する粒子からの光を個別に検出して種々の光分析を可能にする光分析装置及び光分析方法に係る。なお、本明細書に於いて、光を発する粒子(以下、「発光粒子」と称する。)は、それ自身が光を発する粒子、又は、任意の発光標識若しくは発光プローブが付加された粒子のいずれであってもよく、発光粒子から発せられる光は、蛍光、りん光等であってよい。
近年の光計測技術の発展により、共焦点顕微鏡の光学系とフォトンカウンティング(1光子検出)も可能な超高感度の光検出技術とを用いて、一光子又は蛍光一分子レベルの微弱光の検出・測定が可能となっている。そこで、そのような微弱光の計測技術を用いて、生体分子等の特性、分子間相互作用又は結合・解離反応の検出を行う光分析技術が種々提案されている。そのような光分析技術としては、例えば、蛍光相関分光分析(Fluorescence Correlation Spectroscopy:FCS。例えば、特許文献1−3参照)、蛍光強度分布分析(Fluorescence-Intensity Distribution Analysis:FIDA。例えば、特許文献4)やフォトンカウンティングヒストグラム(Photon Counting Histogram:PCH。例えば、特許文献5)などが知られている。また、特許文献6〜8には、共焦点顕微鏡の光学系を用いて計測される試料溶液の蛍光信号の時間経過に基づいて蛍光性物質を検出する方法が提案されている。
更に、本願出願人は、特許文献9〜11に於いて、共焦点顕微鏡又は多光子顕微鏡の光学系などの溶液中の微小領域からの光が検出可能な光学系を用いた光分析技術であって、FCS、FIDA等の光分析技術とは異なる原理による新規な光分析技術を提案した。かかる新規な光分析技術(以下、「走査分子計数法」と称する。)では、試料溶液内に於いて光の検出領域である微小領域(以下、「光検出領域」と称する。励起光が使用される場合には、励起光の集光領域に概ね一致する。)の位置を移動させながら、即ち、光検出領域により試料溶液内を走査しながら、光検出領域が試料溶液中に分散してランダムに運動する発光粒子を包含したときに、その発光粒子から発せられる光を個別に検出し、これにより、試料溶液中の発光粒子を一つずつ検出して、発光粒子のカウンティングや試料溶液中の発光粒子の濃度又は数密度に関する情報の取得が可能となる。
特開2005−098876 特開2008−292371 特開2009−281831 特許第4023523号 国際公開2008−080417 特開2007−20565 特開2008−116440 特開平4−337446号公報 国際公開第2011/108369 国際公開第2011/108370 国際公開第2011/108371
グレゴリー・ダブリュ・ファリス及びリチャード・エー・コープランド,アプライド・オプティックス36巻12号2686−2688頁(Gregory W. Faris and Richard A. Copeland, Applied Optics Vol.36, No.12, 2686-2688)
上記の走査分子計数法に於いては、既に触れた如く、典型的には、走査型光学顕微鏡に載置された試料溶液中にて光検出領域の位置を移動し、光検出領域が発光粒子を包含した際に発光粒子から発せられる光の強度を検出することにより、発光粒子の存在が検出される。従って、光検出領域の大きさが大きいほど、発光粒子を包含する機会が増えるので、計測時間の短縮が図られることとなる(即ち、粒子検出のスループットが向上される。)。しかしながら、光検出領域が拡大されると、試料溶液の媒質(典型的には、水)のラマン散乱等に起因した背景ノイズが増加することとなり、その分、S/N比の悪化が生ずるので、実際の測定に於いては、粒子検出のスループットの向上とS/N比の悪化の程度とのバランスを考慮して、光検出領域の大きさの調節が行われる。この点に関し、一般に、背景ノイズの量と大きさは、光検出領域へ与えられる照明光又は励起光の波長帯域と検出光の波長帯域に依存して変化するので(通常、光の波長が短くなるほど、背景ノイズの量と大きさは、増大する。)、粒子検出のスループットの向上とS/N比の悪化の程度とのバランスを考慮した最適な光検出領域の大きさは、波長に応じて異なることとなる。従って、走査分子計数法に於いて、特に、複数の波長帯域の光を同時に検出する測定の場合に、光検出領域の大きさは、照明光若しくは励起光及び検出光の波長帯域によって変更できるようになっていることが好ましい。なお、照明光又は励起光をレーザーによって与える場合、光検出領域の大きさは、レーザー出力の調節によって、波長に応じて、或る程度可能であるが、レーザー出力値に対する光検出領域の大きさの変化量は、比較的小さいため、単独では大きな効果は、期待できないことが分かっている。従って、レーザー出力の調節以外の手法により、波長によって光検出領域の大きさを調節できる機構又は手法が望ましい。
かくして、本発明の主な課題は、走査分子計数法に於いて、粒子検出のスループットの向上とS/N比の悪化の程度とのバランスを考慮して最適な光検出領域の大きさが得られるように照明光若しくは励起光及び検出光の波長帯域によって異なる光検出領域の大きさの得られる構成を提供することである。この点に関し、光検出領域の大きさの調節は、走査分子計数法を実行する光分析技術に於いて、照明光若しくは励起光の光ビーム径の変更又はピンホールの口径の変更によって達成可能である。かかる知見は、本発明の構成に於いて有利に利用されてよい。
本発明の一つの態様によれば、上記の課題は、共焦点顕微鏡又は多光子顕微鏡の光学系を用いて試料溶液中にて分散しランダムに運動する発光粒子からの光を検出する光分析装置であって、試料溶液内に於ける顕微鏡の光学系の光検出領域の位置を移動する光検出領域移動部と、光検出領域の寸法を調節する光検出領域寸法調節部と、光検出領域からの光を検出する光検出部と、試料溶液内に於いて光検出領域の位置を移動させながら光検出部にて検出された光検出領域からの光の時系列の光強度データを生成し、時系列の光強度データに於いて発光粒子の各々からの光を表す信号の特徴を有する信号を個別に検出する信号処理部とを含み、光検出領域寸法調節部が、光検出領域へ与えられる光の波長帯域又は光検出領域から前記光検出部へ到達する光の波長帯域によって前記光検出領域の寸法を異なる寸法に調節する装置によって達成される。
かかる構成に於いて、「試料溶液中にて分散しランダムに運動する発光粒子」とは、試料溶液中に分散又は溶解した原子、分子又はそれらの凝集体などの、光を発する粒子であって、基板などに固定されず、溶液中を自由にブラウン運動している粒子であれば任意の粒子であってよい。かかる発光粒子は、典型的には、蛍光性粒子であるが、りん光により光を発する粒子であってもよい。共焦点顕微鏡又は多光子顕微鏡の光学系の「光検出領域」とは、それらの顕微鏡に於いて光が検出される微小領域であり、対物レンズから照明光が与えられる場合には、その照明光が集光された領域に相当する(共焦点顕微鏡に於いては、特に対物レンズとピンホールとの位置関係により確定される。)。また、典型的には、光検出部は、所定の計測単位時間(ビンタイム)毎に到来する光子数を計数するフォトンカウンティングにより光検出領域からの光を検出し、その場合、時系列の光強度データが時系列のフォトンカウントデータとなる。なお、本明細書に於いて、「発光粒子の信号」という場合には、特に断らない限り、発光粒子からの光を表す信号を指すものとする。
上記から理解される如く、本発明の基本的な構成である走査分子計数法に於いては、まず、試料溶液内に於いて光検出領域の位置を移動しながら、即ち、試料溶液内を光検出領域により走査しながら、逐次的に、光の検出が行われる。そうすると、試料溶液内にて移動する光検出領域が、ランダムに運動している発光粒子を包含したときには、発光粒子からの光が検出され、これにより、一つの発光粒子の存在が検出される。従って、逐次的に検出された光に於いて発光粒子からの光の信号を個別に検出して、これにより、粒子の存在を一つずつ個別に逐次的に検出し、粒子の溶液内での状態に関する種々の情報が取得されることとなる。かかる構成に於いて、既に述べた如く、光検出領域の寸法が大きいほど、発光粒子を包含する機会が増えて粒子検出のスループットの向上が期待される一方、ラマン散乱等に起因した背景ノイズの量と大きさも増大し、S/N比が悪化する可能性があり、S/N比の悪化の程度は、波長によって異なる。そこで、本発明に於いては、光検出領域の寸法を調節する光検出領域寸法調節部が設けられ、光検出領域寸法調節部によって、光検出領域の寸法が、光検出領域へ与えられる光の波長帯域又は光検出領域から光検出部へ到達する光の波長帯域によって異なるように調節される。かかる構成によれば、粒子検出のスループットの向上とS/N比の悪化とのバランスを考慮して、照明光又は検出光の波長帯域によって、別々に、光検出領域の寸法を適宜設定することが可能となる点で有利である。
上記の光検出領域の寸法を調節する機構としては、一つの態様に於いて、光検出領域へ少なくとも二つの波長帯域の光を与える少なくとも二つの照明光光路が設けられる場合に、光検出領域寸法調節部が、少なくとも二つの照明光光路の光路径を個別に調節することにより、光検出領域の寸法を調節するようになっていてよい。かかる構成によれば、照明光光路の光路径、即ち、照明光のビーム径が、照明光の波長帯域によって変更されることにより、光検出領域の寸法が変更されることとなる。
また、光検出領域の寸法を調節する機構の別の態様に於いて、光検出領域から光検出部まで少なくとも二つの波長帯域の光が到達する光路が設けられ、光路の光検出領域と共役の位置にピンホールが設けられる場合には、光検出領域寸法調節部が、ピンホールを通過する光の波長帯域によってピンホールの口径を異なる大きさに調節することにより、光検出領域の寸法を調節するようになっていてよい。通常、光検出領域は、対物レンズの焦点領域であり、光検出領域と共役の位置にピンホールが設けられる場合、光検出領域外から発せられた光は、(殆どが)ピンホールを通過せずに遮断される。換言すれば、ピンホールの口径によって、光検出領域の寸法が画定されることとなる。従って、ピンホールの口径を、検出光の波長帯域によって変更することによれば、光検出領域の寸法が変更されることとなる。
なお、上記の構成は、複数の波長帯域の光の同時計測、即ち、照明光として複数の波長帯域の光にて同時に光検出領域を照明し、及び/又は、検出光として光検出領域からの複数の波長帯域の光を同時に且つ別々に検出する場合に、有利に用いられてよい。かくして、上記の本発明の装置は、少なくとも二つの波長帯域の照明光を同時に光検出領域へ与え、少なくとも二つの波長帯域の光検出領域から放出される光を同時に検出する装置であってよい。
実施の形態に於いては、後述の実施形態の欄に於いて詳細に説明される如く、光検出領域の直径は、光検出領域へ与えられる波長帯域の光にて励起される発光粒子の光強度と波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱による光強度とに基づいて算定されたラマン散乱による光強度が発光粒子の光強度を下回るときの直径に設定されてよい。特に、少なくとも二つの波長帯域が第一の波長帯域と第二の波長帯域とを含む場合、第一の波長帯域の光の照明光光路の光路径と第二の波長帯域の光の照明光光路の光路径との比は、第一の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱断面積及び第二の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱断面積の比と第一の波長帯域の波数値及び第二の波長帯域の波数値の比とに基づいて決定されてよく、具体的には、第一の波長帯域の光の照明光光路の光路径と第二の波長帯域の光の照明光光路の光路径との比は、第一の波長帯域の光にて励起される第一の発光粒子の光強度が第一の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱による光強度を上回るときの光路径と第二の波長帯域の光にて励起される第二の発光粒子の光強度が第二の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱による光強度を上回るときの光路径との比であってよい。
また、ピンホールの口径の設定に関しては、発光粒子が第一の波長帯域の光にて励起され第三の波長帯域の光を放出する第一の発光粒子と第二の波長帯域の光にて励起され第四の波長帯域の光を放出する第二の発光粒子とを含む場合、第三の波長帯域の光が通過するピンホールの口径と第四の波長帯域の光が通過するピンホールの口径との比は、後述の実施形態の欄に於いて詳細に説明される如く、第一の波長帯域の光にて励起される第一の発光粒子の光強度と第一の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱による光強度とに基づいて算定された第一の波長帯域に於けるラマン散乱による光強度が第一の発光粒子の光強度を下回るときの口径と第二の波長帯域の光にて励起される第二の発光粒子の光強度と第二の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱による光強度とに基づいて算定された第二の波長帯域に於けるラマン散乱による光強度が第二の発光粒子の光強度を下回るときの口径との比に基づいて決定することが可能である。
上記の本発明の装置によれば、試料溶液内に於ける光検出領域の位置を移動させながら光検出を行い、個々の発光粒子からの信号を個別に検出する光分析方法であって、照明光又は検出光の波長帯域によって、別々に、光検出領域の寸法を適宜設定することにより、粒子検出のスループットの向上とS/N比の悪化とのバランスを考慮した方法が提供される。かくして、本発明のもう一つの態様によれば、共焦点顕微鏡又は多光子顕微鏡の光学系を用いて試料溶液中にて分散しランダムに運動する発光粒子からの光を検出する光分析方法であって、試料溶液内に於ける顕微鏡の光学系の光検出領域の寸法を調節する過程と、光検出領域の位置を移動しながら光検出領域からの光を検出する過程と、試料溶液内に於いて光検出領域の位置を移動しながら検出された光検出領域からの光の時系列の光強度データを生成し、時系列の光強度データに於いて発光粒子の各々からの光を表す信号の特徴を有する信号を個別に検出する過程とを含み、光学系の光検出領域の寸法を調節する過程に於いて、光検出領域へ与えられる光の波長帯域又は光検出領域からの検出された光の波長帯域によって光検出領域の寸法を異なる寸法に調節する方法が提供される。
かかる構成に於いても、光学系の光検出領域の寸法の調節は、光検出領域へ少なくとも二つの波長帯域の光を与える少なくとも二つの照明光光路の光路径を個別に調節することにより、或いは、光検出領域から光検出器まで少なくとも二つの波長帯域の光が到達する光路の光検出領域と共役の位置に設けられたピンホールを通過する光の波長帯域によってピンホールの口径を異なる大きさに調節することにより、為されてよい。
また、光学系の光検出領域の寸法を調節する過程に於いて、光検出領域の直径は、光検出領域へ与えられる波長帯域の光にて励起される発光粒子の光強度と波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱による光強度とに基づいて算定されたラマン散乱による光強度が発光粒子の光強度を下回るときの直径に設定されてよい。より詳細には、少なくとも二つの波長帯域が第一の波長帯域と第二の波長帯域とを含む場合、第一の波長帯域の光の照明光光路の光路径と第二の波長帯域の光の照明光光路の光路径との比が第一の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱断面積及び第二の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱断面積の比と第一の波長帯域の波数値及び第二の波長帯域の波数値の比とに基づいて決定されるか、或いは、第一の波長帯域の光の照明光光路の光路径と第二の波長帯域の光の照明光光路の光路径との比が、第一の波長帯域の光にて励起される第一の発光粒子の光強度が第一の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱による光強度を上回るときの光路径と第二の波長帯域の光にて励起される第二の発光粒子の光強度が第二の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱による光強度を上回るときの光路径との比に設定されてよい。更に、ピンホールの口径に関しては、発光粒子が第一の波長帯域の光にて励起され第三の波長帯域の光を放出する第一の発光粒子と第二の波長帯域の光にて励起され第四の波長帯域の光を放出する第二の発光粒子とを含む場合、第三の波長帯域の光が通過するピンホールの口径と第四の波長帯域の光が通過するピンホールの口径との比は、第一の波長帯域の光にて励起される第一の発光粒子の光強度と第一の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱による光強度とに基づいて算定された第一の波長帯域に於けるラマン散乱による光強度が第一の発光粒子の光強度を下回るときの口径と第二の波長帯域の光にて励起される第二の発光粒子の光強度と第二の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱による光強度とに基づいて算定された第二の波長帯域に於けるラマン散乱による光強度が第二の発光粒子の光強度を下回るときの口径との比に基づいて決定されてよい。
なお、上記の方法に於いても、少なくとも二つの波長帯域の照明光を同時に光検出領域へ与え、少なくとも二つの波長帯域の光検出領域から放出される光を同時に検出するようになっていてよい。
上記の本発明の光分析技術は、典型的には、タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、糖鎖、アミノ酸若しくはこれらの凝集体などの生体分子、ウイルス、細胞などの粒子状の生物学的な対象物の溶液中の状態の分析又は解析の用途に用いられるが、非生物学的な粒子(例えば、原子、分子、ミセル、金属コロイドなど)の溶液中の状態の分析又は解析に用いられてもよく、そのような場合も本発明の範囲に属することは理解されるべきである。
かくして、本発明によれば、走査分子計数法に於いて、光検出領域が、使用する光の波長に応じて、粒子検出のスループットの向上とS/N比の悪化の程度とのバランスを考慮して最適な大きさに設定されることとなるので、発光粒子の信号の検出結果の精度の向上が期待される。特に、短波長の光の吸収・発光をする発光粒子と長波長の光の吸収・発光をする発光粒子とが混在する試料溶液に於いて、それぞれの発光粒子に適合した光検出領域により光の検出が実行可能となるので、発光粒子の種類によるS/N比の程度のばらつきの抑制が可能となる。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
図1(A)は、本発明による走査分子計数法を実行する光分析装置の内部構造の模式図である。図1(B)は、コンフォーカル・ボリューム(共焦点顕微鏡の観察領域)の模式図である。図1(C)は、ミラー7の向きを変更して試料溶液内に於いて光検出領域の位置を移動する機構の模式図である。図1(D)は、マイクロプレートの水平方向位置を移動して試料溶液内に於ける光検出領域の位置を移動する機構の模式図である。 図2(A)、(B)は、それぞれ、本発明が適用される走査分子計数法に於ける光検出の原理を説明する模式図及び計測される光強度の時間変化の模式図である。 図3(A)は、それぞれ、互いに異なる波長帯域(λ1>λ2)のビーム径が同一の場合の光学系の模式図であり、図3(B)は、図3(A)の場合のそれぞれの波長帯域の光検出領域の模式図(上段)と、光強度の時間変化の模式図(下段)である。図3(C)は、それぞれ、互いに異なる波長帯域(λ1>λ2)の短波長側のビーム径を拡大した場合の光学系の模式図であり、図3(D)は、図3(C)の場合のそれぞれの波長帯域の光検出領域の模式図(上段)と、光強度の時間変化の模式図(下段)である。図中、Isは、発光粒子の光強度であり、Inは、ラマン散乱光の光強度である。 図4(A)は、それぞれ、互いに異なる波長帯域(λ1>λ2)の光にて光検出領域を照明し、波長帯域λ1にて励起される発光粒子の放出する光の波長帯域λ3を検出する場合の光学系の模式図であり、図4(B)は、図4(A)の場合の光検出領域の模式図(上段)と、光強度の時間変化の模式図(下段)である。図4(C)は、それぞれ、互いに異なる波長帯域(λ1>λ2)の光にて光検出領域を照明し、波長帯域λ2にて励起される発光粒子の放出する光の波長帯域λ4を検出する場合にピンホール径を縮小した光学系の模式図であり、図4(D)は、図4(C)の場合の光検出領域の模式図(上段)と、光強度の時間変化の模式図(下段)である。図4(E)は、互いに異なる波長帯域λ3、λ4の光を同時に検出する場合であって、波長帯域毎に異なる口径のピンホールを用いる場合の光学系の模式図であり、図4(F)は、図4(E)の場合のそれぞれの波長帯域の光検出領域の模式図(上段)と、光強度の時間変化の模式図(下段)である。図中、Isは、発光粒子の光強度であり、Inは、ラマン散乱光の光強度である。 図5は、本発明に従って実行される走査分子計数法の処理手順をフローチャートの形式で表した図である。 図6(A)、(B)は、それぞれ、発光粒子がブラウン運動をしながら光検出領域を横切る場合及び試料溶液内の光検出領域の位置を発光粒子の拡散移動速度よりも速い速度にて移動することにより発光粒子が光検出領域を横切る場合の粒子の運動の態様を表すモデル図である。図6(C)は、走査分子計数法に従って、計測された時系列光強度データ(フォトンカウントの時間変化)から発光粒子の存在を検出するための処理手順に於ける検出信号の信号処理過程の例を説明する図である。 図7は、計測されたフォトンカウントデータの実測例(棒グラフ)と、データをスムージングして得られる曲線(点線)と、パルス存在領域にてフィッティングされたガウス関数(実線)を示している。図中、「ノイズ」と付された信号は、ノイズ又は異物による信号であるとして無視される。
1…光分析装置(共焦点顕微鏡)
2…光源
2a…コリメータレンズ
3…シングルモードオプティカルファイバー
5…ダイクロイックミラー
6、7、11…反射ミラー
8…対物レンズ
9…マイクロプレート
10…ウェル(試料溶液容器)
12…コンデンサーレンズ
13…ピンホール
14…バリアフィルター
14a…ダイクロイックミラー
15…マルチモードオプティカルファイバー
16…光検出器
17…ミラー偏向器
17a…ステージ位置変更装置
18…コンピュータ
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
光分析装置の構成
本発明による光分析技術を実現する光分析装置は、基本的な構成に於いて、図1(A)に模式的に例示されている如き、FCS、FIDA等が実行可能な共焦点顕微鏡の光学系と光検出器とを組み合わせてなる装置であってよい。同図を参照して、光分析装置1は、光学系2〜17と、光学系の各部の作動を制御すると共にデータを取得し解析するためのコンピュータ18とから構成される。光分析装置1の光学系は、通常の共焦点顕微鏡の光学系と同様であってよく、そこに於いて、光源2から放射されたレーザー光(Ex)が、コリメーター2aによって平行光となり、ダイクロイックミラー5、反射ミラー6、7にて反射され、対物レンズ8へ入射される。対物レンズ8の上方には、典型的には、1〜数十μLの試料溶液が分注される試料容器又はウェル10が配列されたマイクロプレート9が配置されており、対物レンズ8から出射したレーザー光は、試料容器又はウェル10内の試料溶液中で焦点を結び、光強度の強い領域(励起領域)が形成される。試料溶液中には、観測対象物である発光粒子、典型的には、蛍光性粒子又は蛍光色素等の発光標識が付加された粒子が分散又は溶解されており、かかる発光粒子が励起領域に進入すると、その間、発光粒子が励起され光が放出される。放出された光(Em)は、対物レンズ8、ダイクロイックミラー5を通過し、ミラー11にて反射してコンデンサーレンズ12にて集光され、ピンホール13を通過し、バリアフィルター14を透過して(ここで、特定の波長帯域の光成分のみが選択される。)、マルチモードファイバー15に導入されて、光検出器16に到達し、時系列の電気信号に変換された後、コンピュータ18へ入力され、後に説明される態様にて光分析のための処理が為される。なお、当業者に於いて知られている如く、上記の構成に於いて、ピンホール13は、対物レンズ8の焦点位置と共役の位置に配置されており、これにより、図1(B)に模式的に示されている如きレーザー光の焦点領域、即ち、励起領域内から発せられた光のみがピンホール13を通過し、励起領域以外からの光は遮断される。図1(B)に例示されたレーザー光の焦点領域は、通常、1〜10fL程度の実効体積を有する本光分析装置に於ける光検出領域であり(典型的には、光強度が領域の中心を頂点とするガウス様分布となる。実効体積は、光強度が中心光強度の1/eとなる面を境界とする略楕円球体の体積である。)、コンフォーカル・ボリュームと称される。また、本発明では、1つの発光粒子からの光、例えば、一つの蛍光色素分子からの微弱光が検出されるので、光検出器16としては、好適には、フォトンカウンティングに使用可能な超高感度の光検出器が用いられる。光の検出がフォトンカウンティングによる場合、光強度の測定は、所定時間に亘って、逐次的に、計測単位時間(BIN TIME)毎に、光検出器に到来するフォトンの数を計測する態様にて実行される。従って、この場合、時系列の光強度のデータは、時系列のフォトンカウントデータである。また、顕微鏡のステージ(図示せず)には、観察するべきウェル10を変更するべく、マイクロプレート9の水平方向位置を移動するためのステージ位置変更装置17aが設けられていてよい。ステージ位置変更装置17aの作動は、コンピュータ18により制御されてよい。かかる構成により、検体が複数在る場合にも、迅速な計測が達成可能となる。
更に、上記の光分析装置の光学系に於いては、試料溶液内を光検出領域により走査する、即ち、試料溶液内に於いて焦点領域、即ち、光検出領域の位置を移動するための機構が設けられる。かかる光検出領域の位置を移動するための機構としては、例えば、図1(C)に模式的に例示されている如く、反射ミラー7の向きを変更するミラー偏向器17が採用されてよい(光検出領域の絶対的な位置を移動する方式)。かかるミラー偏向器17は、通常のレーザー走査型顕微鏡に装備されているガルバノミラー装置と同様であってよい。或いは、別の態様として、図1(D)に例示されている如く、試料溶液が注入されている容器10(マイクロプレート9)の水平方向の位置を移動し、試料溶液内に於ける光検出領域の相対的な位置を移動するべくステージ位置変更装置17aが作動されてもよい(試料溶液の絶対的な位置を移動する方式)。また、上記の光路を変更して光検出領域の絶対的な位置を移動する方式によって光検出領域を走査軌道に沿って周回移動させると同時に、試料溶液の位置を移動する方式により、試料溶液内に於ける光検出領域の走査軌道の位置が所定の移動経路に沿って移動されてもよい。いずれの方式による場合も、所望の光検出領域の位置の移動パターンを達成するべく、ミラー偏向器17又はステージ位置変更装置17aは、コンピュータ18の制御の下、光検出器16による光検出と協調して駆動される。光検出領域の位置の走査軌道は、円形、楕円形等の閉じた循環経路であってよく、試料溶液の位置の移動経路は、円形、楕円形、直線、曲線又はこれらの組み合わせから任意に選択されてよい(コンピュータ18に於けるプログラムに於いて、種々の移動パターンが選択できるようになっていてよい。)。なお、図示していないが、対物レンズ8又はステージを上下に移動することにより、光検出領域の位置が上下方向に移動されるようになっていてもよい。
観測対象物となる発光粒子が多光子吸収により発光する場合には、上記の光学系は、多光子顕微鏡として使用される。その場合には、励起光の焦点領域(光検出領域)のみで光の放出があるので、ピンホール13は、除去されてよい。また、光分析装置1に於いては、図示の如く、複数の励起光源2が設けられていてよく、発光粒子の励起波長によって適宜、励起光の波長が選択できるようになっていてよい。同様に、光検出器16も複数個備えられていてよく、試料中に波長の異なる複数種の発光粒子が含まれている場合に、それらから光をその波長によって別々に検出できるようになっていてよい。なお、本発明の場合には、上記の構成に於いて、励起光Ex又は検出光Emの波長によって光検出領域の寸法(直径)を変更する機構が設けられる。かかる機構としては、対物レンズ8から入射される励起光のビーム径を調節するために、コリメーター2aが、励起光源2からの光路(各光源からの光路が合流する前)の各々に設けられていてよい。また、光検出領域の寸法(直径)を変更する別の機構として、ピンホール13の口径が適宜変更できるようになっていてよい。(互いに口径の異なるピンホール13、13aが選択的に使用できるようになっていてよい。)
コンピュータ18は、CPUおよびメモリを備え、CPUが各種演算処理を実行することにより、本発明の手順を実行する。なお、各手順は、ハードウェアにより構成するようにしてもよい。本実施形態で説明される処理の全て或いは一部は、それらの処理を実現するプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を用いて、コンピュータ18により実行されてよい。即ち、コンピュータ18は、記憶媒体に記憶されているプログラムを読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、本発明の処理手順を実現するようになっていてよい。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等であってよく、或いは、上記のプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータがプログラムを実行するようにしても良い。
本発明の光分析技術の原理
「発明の概要」の欄に記載されている如く、本発明の光分析技術に於いては、端的に述べれば、走査分子計数法に於いて、粒子検出のスループットの向上とS/N比の悪化の程度との最適なバランスが得られるように、照明光若しくは励起光及び検出光の波長帯域によって光検出領域の寸法(直径)を変更可能にする構成が採用される。以下、本発明の走査分子計数法及び光検出領域の寸法の調節の原理について説明する。
1.走査分子計数法の原理
「走査分子計数法」(特許文献9〜11)では、基本的には、光検出領域の位置を移動するための機構(ミラー偏向器17)を駆動して光路を変更し、或いは、試料溶液が注入されている容器10(マイクロプレート9)の水平方向の位置を移動して、図2(A)にて模式的に描かれているように、試料溶液内に於いて光検出領域CVの位置を移動しながら、即ち、光検出領域CVにより試料溶液内を走査しながら、光検出が実行される。そうすると、例えば、光検出領域CVが移動する間(図中、時間t0〜t2)に於いて1つの発光粒子の存在する領域を通過する際(t1)には、発光粒子から光が放出され、図2(B)に描かれている如き時系列の光強度データ上に有意な光強度(Em)のパルス状の信号が出現することとなる。かくして、上記の光検出領域CVの位置の移動と光検出を実行し、その間に出現する図2(B)に例示されている如きパルス状の信号(有意な光強度)を一つずつ検出することによって、発光粒子が個別に検出され、その数をカウントすることにより、計測された領域内に存在する発光粒子の数、或いは、濃度若しくは数密度に関する情報が取得できることとなる。かかる走査分子計数法の原理に於いては、蛍光強度のゆらぎの算出の如き統計的な演算処理は行われず、発光粒子が一つずつ検出されるので、FCS、FIDA等では十分な精度にて分析ができないほど、観測されるべき粒子の濃度が低い試料溶液でも、粒子の濃度若しくは数密度に関する情報が取得可能である。
2.光検出領域の寸法の調節の原理
(i)概要
既に述べた如く、上記の走査分子計数法に於いては、試料溶液中にて移動する光検出領域に包含された発光粒子が検出されるので、光検出領域の寸法(直径)が大きいほど、より短期間により多くの発光粒子の検出が為され、計測時間の短縮が図られることとなる(粒子検出のスループットの向上)。しかしながら、光検出領域が拡大されると、背景ノイズとなる試料溶液のラマン散乱光の量及び強度が大きくなり、発光粒子の光強度及び検出数に対する背景ノイズの光強度及び検出数の比率の増大、即ち、S/N比の悪化が生ずることとなる。従って、走査分子計数法による発光粒子の検出の際には、粒子検出のスループットの向上とS/N比の悪化とのバランスを考慮して光検出領域の寸法を決定することが好ましい。この点に関し、試料溶液のラマン散乱光の量及び強度は、励起光の波長及び検出光の波長が短くなるほど、増大する。即ち、例えば、図3(A)に模式的に描かれている如く、励起光Exとして、波長帯域λ1の光と波長帯域λ2の光とを用いる場合、二つの波長帯域の光を対物レンズへ導入する光学系が同一であり、図3(B)に模式的に描かれている如く、波長帯域λ1の光検出領域CVと波長帯域λ2(<λ1)の光検出領域CVの寸法が略等しい場合には、短波長側の波長帯域λ2のラマン散乱光Inが長波長側の波長帯域λ1のラマン散乱光Inよりも相対的に大きくなり、波長帯域λ1の光で励起される発光粒子の放出する光の強度と波長帯域λ2の光で励起される発光粒子の放出する光の強度とが略等しい場合であっても、後者の検出精度が悪化することとなる。また、検出光に於いても、ラマン散乱光は、(励起光が同じであっても)検出光の波長が短くなるほど、増大するので、図3(B)に模式的に描かれている如き状況と同様のことが生ずる。そこで、本発明に於いては、励起光の波長及び検出光の波長によって光検出領域の寸法を調節し、これにより、粒子検出のスループットの向上とS/N比の悪化との最適なバランスが得ることが図られる。
(ii)光検出領域の寸法の調節手法
光検出領域の寸法の調節は、具体的には、一つの態様として、対物レンズへ入射される励起光のビーム径(光路径)の調節により達成可能である。光検出領域の光軸方向に垂直な面の直径dは、励起光のビーム径Dを用いて、
d=2.44iλ/D …(1)
により与えられる。(ここで、iは、対物レンズの焦点距離であり、λは、入射光波長である。)従って、図3(C)に模式的に描かれている如く、各光源2の光路上に設けられるコリメーター2aによって、各光源2の発する光の波長の各々について、式(1)を参照して、所望の光検出領域の直径dが得られるよう励起光のビーム径Dが調節されてよい。なお、式(1)から理解される如く、光の波長が短いほど、ビーム径Dは拡大される。これにより、図3(D)に模式的に描かれている如く、短波長側の光検出領域CVの寸法が低減されて、発光粒子の光の信号Isの発生期間が短くなるが、その強度Isに対するラマン散乱光Inの強度及び量が低減されることとなり、発光粒子の光の信号Isの検出精度の向上が図られることとなる。
光検出領域の寸法の調節は、別の態様として、ピンホールの口径の調節により達成可能である。共焦点顕微鏡の光検出領域の寸法は、ピンホールの口径を大きくするほど、大きくなる。そこで、光計測の際に、検出対象となる発光粒子の励起光又は放出光の波長に応じて、ピンホールの口径を変更するようにしてよい。ピンホールの口径の変更は、典型的には、口径の異なる複数のピンホールが準備され、適宜選択して使用することによって為される。具体的には、例えば、図4(A)、(C)にて模式的に描かれている如く、励起光として波長帯域λ1の光と波長帯域λ2の光とを用いる場合、波長帯域λ1の光により励起され波長帯域λ3の光を放出する発光粒子の検出を行う場合には、或る適宜選択されたピンホール13を用い、波長帯域λ1より短い波長帯域λ2の光により励起され波長帯域λ3より短い波長帯域λ4の光を放出する発光粒子の検出を行う場合には、ピンホール13よりも口径の小さいピンホール13aが用いられる。こうすることによって、図4(B)、(D)にて模式的に描かれている如く、短波長側の波長帯域λ4の光を放出する発光粒子の検出の際には、短波長側の波長帯域λ3の光を放出する発光粒子の検出の場合に比して、光検出領域CVの寸法が小さくなり、従って、波長帯域λ4に於いて検出されるラマン散乱光の強度Inが低減されることとなる。
なお、波長帯域λ3と波長帯域λ4の光を同時に計測する場合には、図4(E)に例示されている如く、コンデンサーレンズ12とピンホール13が、検出光Emを波長帯域によって分割するダイクロイックミラー14aよりも後に於いて、波長帯域の各々の光路に対して別々に設けられてよい。これにより、検出光は、波長帯域によって異なる口径のピンホール13を通過することとなるので、図4(F)に模式的に例示されている如く、光検出領域の寸法が波長帯域毎に調節でき、従って、ラマン散乱光の強度Inの低減を波長帯域毎に達成できることとなる。
(iii)ラマン散乱光の影響が低減された光検出領域の寸法の算定
ラマン散乱光の存在下に於いて発光粒子の光を検出可能にする光検出領域の寸法は、以下の如く概算することが可能である。まず、光検出領域の形状を直径dの球であるとし、光検出領域の中心を発光粒子が通過したときに、発光粒子の発光強度が最大となり、発光粒子が光検出領域の中心から離れるほど、発光強度がガウス分布に従って低減すると仮定したとき、光検出領域の中心からの発光粒子の通過位置がxであるときの発光粒子の最大強度は、
Figure 2014202550
により与えられる。ここで、aは、発光粒子の吸光定数、bは、発光粒子の量子収率、fは、発光粒子の蛍光寿命、cは、発光粒子依存しない定数である。また、光検出領域からの溶液のラマン散乱光の強度Nは、
Figure 2014202550
により与えられる。ここで、gは、波長に依存しない定数、Aは、ラマン散乱断面積である。ところで、発光粒子は、S>Nのときに検出可能となるので、式(2)、(3)より、光検出領域の中心からの発光粒子の通過位置xが、
Figure 2014202550
を満たすとき、発光粒子の光強度がラマン散乱光強度より大きくなる。かくして、通過位置xが0とならないように光検出領域の直径dを設定することにより、光強度がラマン散乱光強度より大きくなる発光粒子が存在し、発光粒子が検出可能となる。
(iv)二波長励起の場合に設定される短波長と長波長の光検出領域の寸法の比の算定
図3(B)又は図4(A)、(C)、(E)の如く、互いに異なる二つの波長帯域の励起光を用いた場合に、両者のS/N比を等しくする光検出領域の寸法の比、並びに、ビーム径の比、ピンホール径の比は、下記の如く概算される。まず、上記の式(4)のxが有意な値であるとき、直径dの光検出領域を通過する発光粒子のうち、検出される発光粒子(ラマン散乱光強度よりも強い光を放出する発光粒子)の割合(検出率)Pは、
Figure 2014202550
となる。ここで、
Figure 2014202550
である。ところで、短波長λ2の励起光を用いて発光粒子Lの検出する場合の検出率PLと、長波長λ1の励起光を用いて発光粒子Hの検出する場合の検出率PHとを考えた時、両者のS/N比が等しいとすると、PL=PHとなるので、この条件を満たす短波長λ2の光検出領域の直径dlと長波長λ1の光検出領域の直径dhとの比は、式(5)から、
Figure 2014202550
により与えられる。ここで、aH、aL、bH、bL、fH、fLは、それぞれ、発光粒子H、Lの長波長λ1及び短波長λ2の光を与えたときの発光粒子の吸光定数、量子収率、蛍光寿命であり、AH、AL、は、それぞれ、長波長λ1及び短波長λ2の光を与えたときのAは、ラマン散乱断面積である。従って、短波長λ2の励起光を用いて発光粒子Lを検出し、長波長λ1の励起光を用いて発光粒子Hを検出する場合、式(6)を満たすように、光検出領域の直径を設定すれば、両者のS/N比を略等しくできることとなる。
ラマン散乱断面積は、ラマン散乱の波数vs(cm-1)、励起光の波数vp(cm-1)を用いて、
Figure 2014202550
により表され(非特許文献1)、媒質が水である場合、
vs=vp+3400 …(8)
となるので、式(6)は、
Figure 2014202550
となる(vsh、vsl、vph、vplは、それぞれ、長波長及び短波長に於けるラマン散乱の波数と励起光の波数である。)なお、短波長λ2の光検出領域の直径dlと長波長λ1の光検出領域の直径dhは、いずれも、光強度がラマン散乱光強度より大きくなる発光粒子の存在するよう式(4)のxが有意な値となるように設定された値とすべきである。
また、式(1)の光検出領域の直径dと対物レンズに入射される光のビーム径Dとの関係を用いると、短波長λ2のビーム径Dlと長波長λ1のビーム径Dhとの比は、
Figure 2014202550
により、与えられる。(即ち、波長帯域λ1の光の照明光光路の光路径と波長帯域λ2の光の照明光光路の光路径との比が、波長帯域λ1に於ける試料溶液のラマン散乱断面積及び波長帯域λ2に於ける試料溶液のラマン散乱断面積の比と波長帯域λ1の波数値及び波長帯域λ2の波数値の比とに基づいて決定される。)従って、短波長λ2の励起光を用いて発光粒子Lを検出し、長波長λ1の励起光を用いて発光粒子Hを検出する場合、式(10)を満たすように、各波長のビーム径を設定すれば、両者のS/N比を略等しくできることとなる。なお、短波長λ2のビーム径Dlと長波長λ1のビーム径Dhは、いずれも、光強度がラマン散乱光強度より大きくなる発光粒子の存在するよう式(4)のxが有意な値となるように設定された値とすべきである。更に、ピンホール径mと光検出領域の直径dとは比例すると考えられるので、短波長λ2のピンホール径mlと長波長λ1のピンホール径mhとの比は、
Figure 2014202550
により与えられる。短波長λ2の励起光を用いて発光粒子Lを検出し、長波長λ1の励起光を用いて発光粒子Hを検出する場合、光検出領域の直径をピンホール径により調節する場合には、式(11)を満たすように、各波長のピンホール径を設定すれば、両者のS/N比を略等しくできることとなる。なお、短波長λ2のピンホール径mlと長波長λ1のピンホール径mhは、いずれも、光強度がラマン散乱光強度より大きくなる発光粒子の存在するよう式(4)のxが有意な値となるように設定された値とすべきである。
典型的な例として、蛍光色素ATTO488(a=90000,b=80,f=3.1)を488nm(20491cm-1)で励起し、蛍光色素ATTO550(a=120000,b=80,f=3.2)を543nm(18417cm-1)で励起する場合、上記の比は、それぞれ、
dh/dl=1.22
Dl/Dh=1.10
mh/ml=1.22
となる。従って、この場合、短波長側の光検出領域の直径とピンホール径は長波長側の1.22倍であればよく、長波長側の対物レンズへのビーム径は短波長側の1.1倍であればよい。
走査分子計数法の処理操作過程
図1(A)に例示の光分析装置1を用いた本発明に従った走査分子計数法の実施形態に於いては、具体的には、(1)発光粒子を含む試料溶液の調製、(2)試料溶液の光強度の測定処理、及び、(3)測定された光強度の分析処理が実行される。図5は、フローチャートの形式にて表した本実施形態に於ける処理を示している。
(1)試料溶液の調製
本発明の光分析技術の観測対象物となる粒子は、溶解された分子等の、試料溶液中にて分散し溶液中にてランダムに運動する粒子であれば、任意のものであってよく、例えば、タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、糖鎖、アミノ酸若しくはこれらの凝集体などの生体分子、ウイルス、細胞、或いは、金属コロイド、その他の非生物学的分子などであってよい。観測対象物となる粒子が光を発する粒子でない場合には、発光標識(蛍光分子、りん光分子、化学・生物発光分子)が観測対象物となる粒子に任意の態様にて付加されたものが用いられる。試料溶液は、典型的には水溶液であるが、これに限定されず、有機溶媒その他の任意の液体であってよい。
(2)試料溶液の光強度の測定(図5−ステップ100)
本実施形態の走査分子計数法による光分析に於ける光強度の測定は、測定中にミラー偏向器17及び/又はステージ位置変更装置17aを駆動して、試料溶液内での光検出領域の位置の移動(試料溶液内の走査)を行いながら実行される。操作処理に於いて、典型的には、マイクロプレート9のウェル10に試料溶液を注入して顕微鏡のステージ上に載置した後、使用者がコンピュータ18に対して、測定の開始の指示を入力すると、コンピュータ18は、記憶装置(図示せず)に記憶されたプログラム(試料溶液内に於いて光検出領域の位置を移動する手順と、光検出領域の位置の移動中に光検出領域からの光を検出して時系列の光強度データを生成する手順)に従って、試料溶液内の光検出領域に於ける励起光の照射及び光強度の計測が開始される。かかる計測中、コンピュータ18のプログラムに従った処理動作の制御下、ミラー偏向器17及び/又はステージ位置変更装置17aは、ミラー7(ガルバノミラー)及び/又は顕微鏡のステージ上のマイクロプレート9を駆動して、ウェル10内に於いて光検出領域の位置の移動を実行し、これと同時に光検出器16は、逐次的に検出された光を電気信号に変換してコンピュータ18へ送信し、コンピュータ18では、任意の態様にて、送信された信号から時系列の光強度データを生成して保存する。なお、典型的には、光検出器16は、一光子の到来を検出できる超高感度光検出器であるので、光の検出が、フォトンカウンティングによる場合、時系列光強度データは、時系列のフォトンカウントデータであってよい。
光強度の計測中の光検出領域の位置の移動速度は、任意に、例えば、実験的に又は分析の目的に適合するよう設定された所定の速度であってよい。検出された発光粒子の数に基づいて、その数密度又は濃度に関する情報を取得する場合には、光検出領域の通過した領域の大きさ又は体積が必要となるので、移動距離が把握される態様にて光検出領域の位置の移動が実行される。なお、計測中の経過時間と光検出領域の位置の移動距離とが比例関係にある方が測定結果の解釈が容易となるので、移動速度は、基本的に、一定速度であることが好ましいが、これに限定されない。
ところで、光検出領域の位置の移動速度に関して、計測された時系列の光強度データからの発光粒子の個別の検出、或いは、発光粒子の数のカウンティングを、定量的に精度よく実行するためには、かかる移動速度は、発光粒子のランダムな運動、即ち、ブラウン運動による移動速度よりも速い値に設定されることが好ましい。本発明の光分析技術の観測対象粒子は、溶液中に分散又は溶解されて自由にランダムに運動する粒子であるので、ブラウン運動によって位置が時間と伴に移動する。従って、光検出領域の位置の移動速度が粒子のブラウン運動による移動に比して遅い場合には、図6(A)に模式的に描かれている如く、粒子が領域内をランダムに移動し、これにより、光強度がランダムに変化し(既に触れた如く、光検出領域の励起光強度は、領域の中心を頂点として外方に向かって低減する。)、個々の発光粒子に対応する有意な光強度の変化を特定することが困難となる。そこで、好適には、図6(B)に描かれている如く、粒子が光検出領域を略直線に横切り、これにより、時系列の光強度データに於いて、図6(C)の最上段に例示の如く、個々の発光粒子に対応する光強度の変化のプロファイルが略一様となり(発光粒子が略直線的に光検出領域を通過する場合には、光強度の変化のプロファイルは、励起光強度分布と略同様となる。)、個々の発光粒子と光強度との対応が容易に特定できるように、光検出領域の位置の移動速度は、粒子のブラウン運動による平均の移動速度(拡散移動速度)よりも速く設定される。
具体的には、拡散係数Dを有する発光粒子がブラウン運動によって半径Woの光検出領域(コンフォーカルボリューム)を通過するときに要する時間Δtは、平均二乗変位の関係式
(2Wo)=6D・Δt …(12)
から、
Δt=(2Wo)/6D …(13)
となるので、発光粒子がブラウン運動により移動する速度(拡散移動速度)Vdifは、概ね、
Vdif=2Wo/Δt=3D/Wo …(14)
となる。そこで、光検出領域の位置の移動速度は、かかるVdifを参照して、それよりも十分に早い値に設定されてよい。例えば、観測対象粒子の拡散係数が、D=2.0×10−10/s程度であると予想される場合には、Woが、0.62μm程度だとすると、Vdifは、1.0×10−3m/sとなるので、光検出領域の位置の移動速度は、その10倍以上の15mm/sなどと設定されてよい。なお、観測対象粒子の拡散係数が未知の場合には、光検出領域の位置の移動速度を種々設定して光強度の変化のプロファイルが、予想されるプロファイル(典型的には、励起光強度分布と略同様)となる条件を見つけるための予備実験を繰り返し実行して、好適な光検出領域の位置の移動速度が決定されてよい。
なお、本発明に於いては、既に述べた如く、光検出領域の寸法が、励起光及び/又は検出光の波長に応じて、対物レンズへ入射される励起光のビーム径を変更するか、ピンホールの口径を変更することによって調節される。かかる光検出領域の寸法の調節は、基本的には、上記の一連の操作処理に先立って実行される(図5−ステップ50)。励起光として互いに異なる波長帯域の光を同時に光検出領域へ与える場合、光検出領域の寸法の調節が励起光のビーム径の調節によって為されるときには、式(10)を参照して、それぞれの波長帯域の光のビーム径がコリメーター2aを用いて設定されてよい。光検出領域の寸法の調節がピンホールの口径を変更することによって為される場合であって、ピンホールが検出光を波長帯域によって分割するダイクロイックミラー14aよりも対物レンズ側に配置された構成のときには、励起光として互いに異なる波長帯域の光は、別々に与えられ、ピンホールは、励起光に対応した口径を有するものが使用され、一方の波長帯域の光の計測が完了した後に、他方の波長帯域の光の計測を実行するべく、ピンホールの切換が行われてよい。ピンホールが検出光を波長帯域によって分割するダイクロイックミラー14aよりも光検出器側に配置され、それぞれの光検出器までの光路に、ピンホールを設置できる場合には、各光路を伝播してくる検出光の波長帯域に対応した口径のピンホールが使用されてよい。
(3)光強度の分析処理
時系列光強度データの生成が為されると、時系列光強度データに於ける光強度値を用いて、下記の如く、発光粒子の信号の検出、発光粒子のカウンティング、濃度算出等の各種分析が実行される。
(i)発光粒子の信号の個別検出(図5−ステップ110〜160)
既に触れた如く、一つの発光粒子の光検出領域を通過する際の軌跡が、図6(B)に示されている如く略直線状である場合、その粒子に対応する信号に於ける光強度データ上での光強度の変化は、光学系により決定される光検出領域内の光強度分布を反映した略釣鐘状のプロファイルを有する。従って、走査分子計数法では、基本的には、光強度データ上で、適宜設定される閾値Ithを超える光強度値が継続する時間幅Δτが所定の範囲にあるとき、その光強度のプロファイルを有する信号が一つの粒子が光検出領域を通過したことに対応すると判定され、一つの発光粒子の検出が為されるようになっていてよい。そして、光強度が閾値Ithを超えないか、時間幅Δτが所定の範囲にない信号は、ノイズ又は異物の信号として判定される。また、光検出領域の光強度分布が、ガウス分布:
I=A・exp(−2t/a) …(15)
であると仮定できるときには、有意な光強度のプロファイル(バックグラウンドでないと明らかに判断できるプロファイル)に対して式(15)をフィッティングして算出された強度A及び幅aが所定の範囲内にあるとき、その光強度のプロファイルが一つの粒子が光検出領域を通過したことに対応すると判定され、一つの発光粒子の検出が為されてよい。(強度A及び幅aが所定の範囲外にある信号は、ノイズ又は異物の信号として判定され、その後の分析等に於いて無視されてよい。)
光強度データ上の信号の検出の処理の一つの例に於いては、まず、光強度データ(図6(C)、最上段「検出結果(未処理)」)に対して、スムージング(平滑化)処理が為される(図5−ステップ110、図6(C)中上段「スムージング」)。発光粒子の発する光は確率的に放出されるものであり、微小な時間に於いてデータ値の欠落が生じ得るため、かかるスムージング処理によって、前記の如きデータ値の欠落を無視できることとなる。スムージング処理は、例えば、移動平均法により為されてよい。なお、スムージング処理を実行する際のパラメータ、例えば、移動平均法に於いて一度に平均するデータ点数や移動平均の回数など、は、光強度データ取得時の光検出領域の位置の移動速度(走査速度)、BIN TIMEに応じて適宜設定されてよい。
次いで、スムージング処理後の光強度データに於いて、有意なパルス状の信号(以下、「パルス信号」と称する。)が存在する時間領域(パルス存在領域)を検出するために、スムージング処理後の光強度データの時間についての一次微分値が演算される(ステップ120)。光強度データの時間微分値は、図6(C)中下段「時間微分」に例示されている如く、信号値の変化時点に於ける値の変化が大きくなるので、かかる時間微分値を参照することによって、有意な信号の始点と終点を有利に決定することができる。
しかる後、光強度データ上に於いて、逐次的に、有意なパルス信号が検出される(ステップ130〜160)。具体的には、まず、光強度データの時間微分値データ上にて、逐次的に時間微分値を参照して、一つのパルス信号の始点と終点とが探索され決定され、パルス存在領域が特定される(ステップ130)。一つのパルス存在領域が特定されると、そのパルス存在領域に於けるスムージングされた光強度データに対して、釣鐘型関数のフィッティングが行われ(図6(C)下段「釣鐘型関数フィッティング」)、釣鐘型関数のパルスのピーク(最大値)の強度Ipeak、パルス幅(半値全幅)Wpeak、フィッティングに於ける(最小二乗法の)相関係数等のパラメータが算出される(ステップ140)。なお、フィッティングされる釣鐘型関数は、典型的には、ガウス関数であるが、ローレンツ型関数であってもよい。そして、算出された釣鐘型関数のパラメータが、一つの発光粒子が光検出領域を通過したときに検出されるパルス信号が描く釣鐘型のプロファイルのパラメータについて想定される範囲内にあるか否か、即ち、パルスのピーク強度、パルス幅、相関係数が、それぞれ、所定範囲内にあるか否か等が判定される(ステップ150)。かくして、図7左に示されている如く、算出された釣鐘型関数のパラメータが一つの発光粒子に対応する信号に於いて想定される範囲内にあると判定された信号は、一つの発光粒子に対応する信号であると判定され、これにより、一つの発光粒子が検出されたこととなる。一方、図7右に示されている如く、算出された釣鐘型関数のパラメータが想定される範囲内になかったパルス信号は、ノイズとして無視される。なお、発光粒子の信号の検出と同時に信号数のカウンティング、即ち、発光粒子のカウンティングが実行されてよい。
上記のステップ130〜150の処理に於けるパルス信号の探索及び判定は、光強度データの全域に渡って繰り返し実行されてよい(ステップ160)。互いに異なる波長帯域の励起光を用いて光計測を行い、それぞれの波長帯域の励起光に対応して、複数の時系列光強度データが生成されている場合には、それぞれの時系列光強度データについて、ステップ130〜150の処理が実行されてよい。なお、光強度データから発光粒子の信号を個別に検出する処理は、上記の手順に限らず、任意の手法により実行されてよい。
(ii)発光粒子濃度の決定
検出された発光粒子の信号の数を計数して、発光粒子の数の決定が為されている場合、任意の手法にて、光検出領域の通過した領域の総体積が算定されれば、その体積値と発光粒子の数とから試料溶液中の発光粒子の数密度又は濃度が決定可能となる。
光検出領域の通過した領域の総体積は、励起光又は検出光の波長、レンズの開口数、光学系の調整状態に基づいて理論的に算定されてもよいが、実験的に、例えば、発光粒子の濃度が既知の溶液(対照溶液)について、検査されるべき試料溶液の測定と同様の条件にて、上記に説明した光強度の測定、発光粒子の検出及びカウンティングを行うことにより検出された発光粒子の数と、対照溶液の発光粒子の濃度とから決定されるようになっていてよい。具体的には、例えば、発光粒子の濃度Cの対照溶液について、対照溶液の発光粒子の検出数がNであったとすると、光検出領域の通過した領域の総体積Vtは、
Vt=N/C …(16)
により与えられる。また、対照溶液として、発光粒子の複数の異なる濃度の溶液が準備され、それぞれについて測定が実行されて、算出されたVtの平均値が光検出領域の通過した領域の総体積Vtとして採用されるようになっていてよい。そして、Vtが与えられると、発光粒子のカウンティング結果がnの試料溶液の発光粒子の濃度cは、
c=n/Vt …(17)
により与えられる。なお、光検出領域の体積、光検出領域の通過した領域の総体積は、上記の方法によらず、任意の方法にて、例えば、FCS、FIDAを利用するなどして与えられるようになっていてよい。また、本実施形態の光分析装置に於いては、想定される光検出領域の移動パターンについて、種々の標準的な発光粒子についての濃度Cと発光粒子の数Nとの関係(式(16))の情報をコンピュータ18の記憶装置に予め記憶しておき、装置の使用者が光分析を実施する際に適宜記憶された関係の情報を利用できるようになっていてよい。
上記に説明した本発明の有効性を検証するために、以下の如き実験を行った。なお、以下の実施例は、本発明の有効性を例示するものであって、本発明の範囲を限定するものではないことは理解されるべきである。
発光粒子として蛍光色素を含む試料溶液を用い、本発明に従って走査分子計数法に於いて励起光波長によって光検出領域の寸法を変更することによって、発光粒子の検出に於けるS/N比の改善できることを検証した。
試料溶液として、トリス緩衝液(10 mM Tris-HCl(pH 8.0), 0.05% Triton X-100)に10fM ATTO647N(シグマアルドリッチ社)を含む溶液(溶液1)とトリス緩衝液に10fM ATTO488(シグマアルドリッチ社)を含む溶液(溶液2)とを調製した。また、比較のため、上記の蛍光色素を含まないトリス緩衝液も準備した(色素なし)。光の計測に於いては、光分析装置として、共焦点蛍光顕微鏡の光学系とフォトンカウンティングシステムを備えた1分子蛍光測定装置MF20(オリンパス株式会社)を用い、各試料溶液について時系列のフォトンカウントデータを取得した。その際、励起光として、ATTO488を励起するために488nmのレーザ光を用い(短波長側の設定)、ATTO647Nを励起するために633nmのレーザ光を用いた(長波長側の設定)。検出光波長帯域については、バンドパスフィルターを用いて、488nmの光で励起されるATTO488の蛍光については、510〜560nmの波長帯域の光を検出し、633nmの光で励起されるATTO647Nの蛍光については、650〜690nmの波長帯域の光を検出した。光検出領域の直径は、対物レンズへ入射されるビーム径を変えることによって変更し、光束密度が概ね一致するようにレーザーパワーを調節した。具体的には、光検出領域の直径を大きく設定する場合には、ビーム径を1mmとし、レーザーパワーを1000μWとした。光検出領域の直径を小さく設定する場合には、ビーム径を3.7mmとし、レーザーパワーを100μWとした。試料溶液中に於ける光検出領域は、15mm/秒の移動速度にて移動させた。また、フォトンカウンティングのBIN TIMEは10μ秒とした。
走査分子計数法によって光の計測光強度の測定後、取得された時系列のフォトンカウントデータに於いて、「(i)発光粒子の信号の個別検出」及び図5のステップ110〜160に記載された処理に従って、データのスムージング及びフィッティングを実行して、発光粒子の信号の特徴を有する信号を検出した。フィッティングに於いては、スムージングされたフォトンカウントの有意なパルス状の信号に対してガウス関数を最小二乗法によりフィッティングし、(ガウス関数に於ける)ピーク強度、パルス幅(半値全幅)、相関係数を決定し、下記の条件:
20μ秒<パルス幅<400μ秒
ピーク強度>1(フォトン/10μ秒)
相関係数>0.90
を満たすパルス状信号を、発光粒子の信号の特徴を有する信号として判別した。
結果に於いて、まず、長波長側の励起光及び検出光の波長帯域の設定に於いて、光検出領域直径を大きく設定した場合と光検出領域直径を小さく設定した場合に於ける発光粒子の信号として検出されたパルス数(検出パルス総数)と単位時間当たりの検出パルス数(検出パルス数/秒)は、下記の通りであった。
検出パルス総数 検出パルス数/秒
光検出領域直径大(溶液2) 64 8
光検出領域直径大(色素なし) 0 0
光検出領域直径小(溶液2) 16 0.04
光検出領域直径小(色素なし) 0 0
(なお、「光検出領域直径大」の場合の測定時間は、8秒であり、「光検出領域直径小」の場合の測定時間は、400秒である。)
上記から理解される如く、長波長側の設定では、光検出領域直径を大きく設定した場合に於いても、色素なし溶液では、信号が殆ど検出されず、ラマン散乱光によるS/N比の低下は、観測されなかった。一方、単位時間当たりの検出パルス数については、光検出領域直径を小さく設定した場合には、光検出領域直径を大きく設定した場合に比して、値が大幅に低減した。このことから、長波長側の設定では、粒子検出のスループットを増大すべく、光検出領域直径を大きく設定した場合が有利であることが示された。
一方、短波長側の励起光及び検出光の波長帯域の設定に於いて、光検出領域直径を大きく設定した場合と光検出領域直径を小さく設定した場合に於ける発光粒子の信号として検出されたパルス数(検出パルス総数)と単位時間当たりの検出パルス数(検出パルス数/秒)は、下記の通りであった。
検出パルス総数 検出パルス数/秒
光検出領域直径大(溶液1) 54 6.75
光検出領域直径大(色素なし) 48 6
光検出領域直径小(溶液1) 53 0.133
光検出領域直径小(色素なし) 31 0.78
(なお、「光検出領域直径大」の場合の測定時間は、8秒であり、「光検出領域直径小」の場合の測定時間は、400秒である。)
上記を参照して、短波長側の設定では、光検出領域直径を大きく設定した場合には、ラマン散乱光の強度が高くなり、色素なし溶液でも、発光粒子の信号として誤検出される頻度が多くなった。しかしながら、光検出領域直径を小さく設定すると、発光粒子の信号として誤検出されるパルス数が低減した。S/N比([溶液1のパルス数−色素なしのパルス数]/[色素なしのパルス数])について見ると、光検出領域直径を大きく設定した場合が、0.125であったのに対し、光検出領域直径を小さく設定した場合には、0.666に増大された。このことから、短波長側の設定では、S/N比を向上すべく、光検出領域直径を小さく設定した場合が有利であることが示された。
かくして、上記の実施例の結果から理解される如く、本発明の教示に従って、励起光及び検出光の波長帯域によって光検出領域の大きさを異なる大きさに設定することにより、粒子検出のスループットの向上とS/N比の悪化の程度とのバランスを最適にできることが示された。

Claims (16)

  1. 共焦点顕微鏡又は多光子顕微鏡の光学系を用いて試料溶液中にて分散しランダムに運動する発光粒子からの光を検出する光分析装置であって、
    前記試料溶液内に於ける前記光学系の光検出領域の位置を移動する光検出領域移動部と、
    前記光検出領域の寸法を調節する光検出領域寸法調節部と、
    前記光検出領域からの光を検出する光検出部と、
    前記試料溶液内に於いて前記光検出領域の位置を移動させながら前記光検出部にて前記検出された前記光検出領域からの光の時系列の光強度データを生成し、前記時系列の光強度データに於いて前記発光粒子の各々からの光を表す信号の特徴を有する信号を個別に検出する信号処理部とを含み、
    前記光検出領域寸法調節部が、前記光検出領域へ与えられる光の波長帯域又は前記光検出領域から前記光検出部へ到達する光の波長帯域によって前記光検出領域の寸法を異なる寸法に調節する装置。
  2. 請求項1の装置であって、前記光検出領域へ少なくとも二つの波長帯域の光を与える少なくとも二つの照明光光路が設けられ、前記光検出領域寸法調節部が、前記少なくとも二つの照明光光路の光路径を個別に調節することにより、前記光検出領域の寸法を調節する装置。
  3. 請求項1の装置であって、前記光検出領域から前記光検出部まで少なくとも二つの波長帯域の光が到達する光路が設けられ、前記光路の前記光検出領域と共役の位置にピンホールが設けられ、前記光検出領域寸法調節部が、前記ピンホールを通過する光の波長帯域によって前記ピンホールの口径を異なる大きさに調節することにより、前記光検出領域の寸法を調節する装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかの装置であって、前記光検出領域の直径が、前記光検出領域へ与えられる波長帯域の光にて励起される前記発光粒子の光強度と前記波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱による光強度とに基づいて算定された前記ラマン散乱による光強度が前記発光粒子の光強度を下回るときの直径に設定される装置。
  5. 請求項2の装置であって、前記少なくとも二つの波長帯域が第一の波長帯域と第二の波長帯域とを含み、前記第一の波長帯域の光の照明光光路の光路径と前記第二の波長帯域の光の照明光光路の光路径との比が前記第一の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱断面積及び前記第二の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱断面積の比と前記第一の波長帯域の波数値及び前記第二の波長帯域の波数値の比とに基づいて決定される装置。
  6. 請求項2の装置であって、前記少なくとも二つの波長帯域が第一の波長帯域と第二の波長帯域とを含み、前記第一の波長帯域の光の照明光光路の光路径と前記第二の波長帯域の光の照明光光路の光路径との比が、前記第一の波長帯域の光にて励起される第一の発光粒子の光強度が前記第一の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱による光強度を上回るときの光路径と前記第二の波長帯域の光にて励起される第二の発光粒子の光強度が前記第二の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱による光強度を上回るときの光路径との比である装置。
  7. 請求項3の装置であって、前記発光粒子が第一の波長帯域の光にて励起され第三の波長帯域の光を放出する第一の発光粒子と第二の波長帯域の光にて励起され第四の波長帯域の光を放出する第二の発光粒子とを含み、前記第三の波長帯域の光が通過する前記ピンホールの口径と前記第四の波長帯域の光が通過する前記ピンホールの口径との比が、前記第一の波長帯域の光にて励起される前記第一の発光粒子の光強度と前記第一の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱による光強度とに基づいて算定された前記第一の波長帯域に於けるラマン散乱による光強度が前記第一の発光粒子の光強度を下回るときのピンホールの口径と前記第二の波長帯域の光にて励起される前記第二の発光粒子の光強度と前記第二の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱による光強度とに基づいて算定された前記第二の波長帯域に於けるラマン散乱による光強度が前記第二の発光粒子の光強度を下回るときのピンホールの口径との比に基づいて決定される装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかの装置であって、少なくとも二つの波長帯域の照明光を同時に前記光検出領域へ与え、少なくとも二つの波長帯域の前記光検出領域から放出される光を同時に検出する装置。
  9. 共焦点顕微鏡又は多光子顕微鏡の光学系を用いて試料溶液中にて分散しランダムに運動する発光粒子からの光を検出する光分析方法であって、
    前記試料溶液内に於ける前記光学系の光検出領域の寸法を調節する過程と、
    前記光検出領域の位置を移動しながら前記光検出領域からの光を検出する過程と、
    前記試料溶液内に於いて前記光検出領域の位置を移動しながら前記検出された前記光検出領域からの光の時系列の光強度データを生成し、前記時系列の光強度データに於いて前記発光粒子の各々からの光を表す信号の特徴を有する信号を個別に検出する過程とを含み、
    前記光学系の光検出領域の寸法を調節する過程に於いて、前記光検出領域へ与えられる光の波長帯域又は前記光検出領域からの前記検出される光の波長帯域によって前記光検出領域の寸法を異なる寸法に調節する方法。
  10. 請求項9の方法であって、前記光学系の光検出領域の寸法を調節する過程に於いて、前記光検出領域へ少なくとも二つの波長帯域の光を与える少なくとも二つの照明光光路の光路径を個別に調節することにより、前記光検出領域の寸法を調節する方法。
  11. 請求項9の方法であって、前記光学系の光検出領域の寸法を調節する過程に於いて、前記光検出領域から光検出器まで少なくとも二つの波長帯域の光が到達する光路の前記光検出領域と共役の位置に設けられたピンホールを通過する光の波長帯域によって前記ピンホールの口径を異なる大きさに調節することにより、前記光検出領域の寸法を調節する方法。
  12. 請求項9乃至11のいずれかの方法であって、前記光学系の光検出領域の寸法を調節する過程に於いて、前記光検出領域の直径が、前記光検出領域へ与えられる波長帯域の光にて励起される前記発光粒子の光強度と前記波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱による光強度とに基づいて算定された前記ラマン散乱による光強度が前記発光粒子の光強度を下回るときの直径に設定される方法。
  13. 請求項10の方法であって、前記少なくとも二つの波長帯域が第一の波長帯域と第二の波長帯域とを含み、前記第一の波長帯域の光の照明光光路の光路径と前記第二の波長帯域の光の照明光光路の光路径との比が前記第一の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱断面積及び前記第二の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱断面積の比と前記第一の波長帯域の波数値及び前記第二の波長帯域の波数値の比とに基づいて決定される方法。
  14. 請求項10の方法であって、前記少なくとも二つの波長帯域が第一の波長帯域と第二の波長帯域とを含み、前記第一の波長帯域の光の照明光光路の光路径と前記第二の波長帯域の光の照明光光路の光路径との比が、前記第一の波長帯域の光にて励起される第一の発光粒子の光強度が前記第一の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱による光強度を上回るときの光路径と前記第二の波長帯域の光にて励起される第二の発光粒子の光強度が前記第二の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱による光強度を上回るときの光路径との比である方法。
  15. 請求項11の方法であって、前記発光粒子が第一の波長帯域の光にて励起され第三の波長帯域の光を放出する第一の発光粒子と第二の波長帯域の光にて励起され第四の波長帯域の光を放出する第二の発光粒子とを含み、前記第三の波長帯域の光が通過する前記ピンホールの口径と前記第四の波長帯域の光が通過する前記ピンホールの口径との比が、前記第一の波長帯域の光にて励起される前記第一の発光粒子の光強度と前記第一の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱による光強度とに基づいて算定された前記第一の波長帯域に於けるラマン散乱による光強度が前記第一の発光粒子の光強度を下回るときのピンホールの口径と前記第二の波長帯域の光にて励起される前記第二の発光粒子の光強度と前記第二の波長帯域に於ける試料溶液のラマン散乱による光強度とに基づいて算定された前記第二の波長帯域に於けるラマン散乱による光強度が前記第二の発光粒子の光強度を下回るときのピンホールの口径との比に基づいて決定される方法。
  16. 請求項9乃至15のいずれかの方法であって、少なくとも二つの波長帯域の照明光を同時に前記光検出領域へ与え、少なくとも二つの波長帯域の前記光検出領域から放出される光を同時に検出する方法。
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KR101898220B1 (ko) * 2015-08-04 2018-09-12 한국과학기술원 공초점 현미경 및 이를 이용한 영상 처리 방법

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