JP2014202297A - 等速自在継手 - Google Patents

等速自在継手 Download PDF

Info

Publication number
JP2014202297A
JP2014202297A JP2013079490A JP2013079490A JP2014202297A JP 2014202297 A JP2014202297 A JP 2014202297A JP 2013079490 A JP2013079490 A JP 2013079490A JP 2013079490 A JP2013079490 A JP 2013079490A JP 2014202297 A JP2014202297 A JP 2014202297A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
constant velocity
velocity universal
universal joint
ball
track
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013079490A
Other languages
English (en)
Inventor
智茂 小林
Tomoshige Kobayashi
智茂 小林
真史 大杉
Masashi Osugi
真史 大杉
幹大 多田
Mikihiro Tada
幹大 多田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2013079490A priority Critical patent/JP2014202297A/ja
Publication of JP2014202297A publication Critical patent/JP2014202297A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Bearings For Parts Moving Linearly (AREA)

Abstract

【課題】低コストでありながら、ボール数の変更に対応し得る等速自在継手を提供する。【解決手段】等速自在継手は、軸方向に延びる複数のトラック溝16、18を外周面に形成した内輪10と、軸方向に延びる複数のトラック溝26、28を内周面に形成した外輪20と、対をなす内輪10のトラック溝16、18と外輪20のトラック溝26、28とで形成されるボールトラックに配置され、内輪10と外輪20との間でトルクを伝達する複数のボール30と、内輪10の外周面14と外輪20の内周面24との間に介在してボール30を保持するケージ32とを備え、ボールトラックは遇数存在し、かつ、固定式等速自在継手用の第一ボールトラック16、26と、しゅう動式等速自在継手用の第二ボールトラック18、28とを含んでいる。【選択図】図1

Description

この発明は、ボールを用いたタイプの等速自在継手に関するもので、たとえば自動車のドライブシャフト用等速自在継手やプロペラシャフト用等速自在継手に利用することができる。
等速自在継手は、駆動側の回転軸と従動側の回転軸を連結してトルクを伝達する働きをし、2軸が角度をとった状態でも角速度が変動しないため、自動車や各種産業機械の動力伝達系をはじめ広く使用されている。各種の等速自在継手が知られているが、角度変位だけが可能な固定式と、軸方向変位(プランジング)も可能なしゅう動式とに大別できる。固定式としてはバーフィールドジョイント(BJ)やアンダーカットフリージョイント(UF)などがあり、しゅう動式としてはダブルオフセットジョイント(DOJ)がある。なお、トリポードジョイント(TJ)もしゅう動式に属するが、ボールタイプではないためここでは除外する。
図6〜8を参照して、固定式等速自在継手の代表例としてバーフィールドジョイントについて説明する。ここで、図6は図7のVI−VI線に沿った断面(縦断面)を示し、図7は図6のVII−VII線に沿った断面(横断面)を示す。バーフィールドジョイントは、内側継手部材としての内輪210と、外側継手部材としての外輪220と、トルク伝達部材としてのボール230と、ボール230を保持するケージ232とを主要な構成要素としている。内輪210を駆動側または従動側の回転軸と接続し、外輪220を従動側または駆動側の回転軸と接続する。
内輪210は軸心にスプライン(またはセレーション。以下同じ)孔212が形成してあり、このスプライン孔212で駆動側または駆動側の回転軸200とトルク伝達可能に結合するようになっている。内輪210は球面状の外周面214を有し、その外周面214に、内輪210の軸方向に延びた複数のトラック溝216が円周方向に等ピッチで形成してある。
外輪220は、図示した例は軸方向の一端で開口したベル型で、マウス部222とステム部229とからなり、ステム部229に形成したスプラインで従動側または駆動側の回転軸とトルク伝達可能に結合するようになっている。マウス部222は球面状の内周面224を有し、その内周面224に、外輪220の軸方向に延びた複数のトラック溝226が円周方向に等ピッチで形成してある。
内輪210のトラック溝216と外輪220のトラック溝226は対をなし、各対のトラック溝216、226間にボール230が組み込んである。ここでは、横断面を示す図7から分かるように、ボール230の数は6である。したがって、内輪210のトラック溝216、外輪220のトラック溝226の数もそれぞれ6である。
縦断面(図6)で見るとトラック溝216、226は円弧状で、内輪210のボール溝216の曲率中心O1と外輪220のボール溝226の曲率中心O2は、いずれも中心軸線上にある。また、これらの曲率中心O1、O2は、継手中心Oから互いに反対側に等距離F1だけオフセットした位置にある。したがって、対をなすトラック溝216、226によって形成されるボールトラックは、外輪220の開口側に向かって徐々に拡大したくさび状を呈する。なお、図7ではトラック溝216、226の横断面が円形であるかのように示してあるが、バーフィールドジョイントではトラック溝216、226の横断面は楕円形状である。
ケージ232は内輪210と外輪220との間に介在する。そして、ケージ232の球面状の内周面234は内輪210の外周面214と球面接触し、ケージ232の球面状の外周面236は外輪220の内周面224と球面接触する。ケージ232には、半径方向に貫通するポケット238が円周方向に所定間隔で形成してあり、各ポケット238にボール230が収容される。その結果、すべてのボール230はケージ232によって同一平面P(図8)上に保持される。
述べたような構成であるため、図8に示すように、駆動側と従動側の2軸が角度θをとった状態で回転すると、くさび状のボールトラック(216、226)の作用で、外輪220の開口側へボール230を押し出そうとする力が作用する。この力をケージ232が受け止める結果、ケージ232は常に、角度θを二等分する平面P上にボール列を配向せしめる。その結果、2軸が角度θをとった状態でも、ボール230の中心OBから各回転軸に降ろした垂線(回転半径)の長さが一定となり、各回転軸の角速度が変動することはない。
次に、図9および図10を参照して、しゅう動式等速自在継手の代表例としてダブルオフセットジョイント(DOJ)について説明する。ここで、図9は図10のIX−IX線に沿った断面(縦断面)を示し、図10は図9のX−X線に沿った断面(横断面)を示している。ダブルオフセットジョイントは、内側継手部材としての内輪310と、外側継手部材としての外輪320と、トルク伝達部材としてのボール330と、ボール330を保持するケージ332とを主要な構成要素としている。内輪310を駆動側または従動側の回転軸と接続し、外輪320を従動側または駆動側の回転軸と接続する。
内輪310は軸心にスプライン孔312が形成してあり、このスプライン孔312で駆動側または駆動側の回転軸とトルク伝達可能に結合するようになっている。内輪310は球面状の外周面314を有し、その外周面314に、内輪310の軸方向に延びた複数のトラック溝316が円周方向に等ピッチで形成してある。図9に示すように、トラック溝316は内輪310の中心軸線と平行である。
外輪320は、いわゆるベル型で、互いに一体的なマウス部322とステム部329とからなり、ステム部329のスプラインで従動軸または駆動軸とトルク伝達可能に結合するようになっている。マウス部322は反ステム部328側で開口した空洞を有し、その内周面324は円筒状である。その内周面324の円周方向に等ピッチで、軸方向に延びる複数のトラック溝326が形成してある。図9に示すように、トラック溝326は外輪320の中心軸線と平行である。
内輪310のトラック溝316と外輪320のトラック溝326は対をなし、各対のトラック溝316、326間にボール330が組み込んである。ここでは、横断面を示す図10から分かるように、ボール330の数は6である。したがって、内輪310のトラック溝316、外輪320のトラック溝326の数もそれぞれ6である。
ケージ332は内輪310と外輪320との間に介在している。そして、ケージ332は内周に内球面334を有し、外周に外球面336を有し、内球面334で内輪310の外周面314と球面嵌合し、外球面336で外輪320の内周面324と線接触する。内球面334の曲率中心O3と外球面336の曲率中心O4は、いずれもケージ332の中心軸線上にあり、継手中心Oから互いに反対側に等距離F2だけオフセットした位置にある(ダブルオフセット)。
ケージ332の円周方向に所定ピッチでポケット338が設けてあり、各ポケット338にボール330が収容される。その結果、すべてのボール330が同一平面に保持される。ポケット338はケージ332を半径方向に貫通しており、したがって、ボール330はケージ332の内径側および外径側に部分的に突出する。ボール330の、内径側に突出した部分は内輪310のボール溝316と係合し、外径側に突出した部分は外輪320のボール溝326と係合する。
特開2008−008475号公報
特許文献1では、ボールタイプの等速自在継手におけるボールの数を3〜5に減らすことが提案されている。ボールの数を減らすことにより、内輪および外輪のトラック溝の数と、ケージのポケットの数が減少するため、加工工数の削減によるコスト低減が実現するというものである。しかしながら、トラック溝の数とケージのポケットの数を3〜5に減らした等速自在継手は、それ以外のボール数の等速自在継手、たとえばボール数を6とする等速自在継手としてはもはや成立し得ない。したがって、特許文献1に記載された等速自在継手は、ボールの数を6から3〜5に減らしただけであって、等速自在継手の種類を増やすことにしかならない。
この発明の主要な目的は、低コストでありながら、ボール数の変更に対応し得る等速自在継手を提供することにある。
この発明の等速自在継手は、軸方向に延びる複数のトラック溝を外周面に形成した内輪と、軸方向に延びる複数のトラック溝を内周面に形成した外輪と、対をなす上記内輪のトラック溝と上記外輪のトラック溝とで形成されるボールトラックに組み込まれ、上記外輪と上記内輪との間でトルクを伝達する複数のボールと、上記内輪の外周面と上記外輪の内周面との間に介在して上記ボールを保持するケージとを備え、
上記ボールトラックの数は遇数で、かつ、固定式等速自在継手用の第一ボールトラックと、しゅう動式等速自在継手用の第二ボールトラックとを含み、上記第一ボールトラックと上記第二ボールトラックは、円周方向に等ピッチで、かつ、交互に配置してあり、
上記ボールの数は上記ボールトラックの数の半分であり、上記ボールトラックに一つおきに上記ボールを組み込んだことを特徴とする。
この発明は、すべてのボールトラックにボールを組み込むのではなく、ボールが組み込んでない、したがって、トルク伝達に関与しないボールトラックをつくることで、課題を解決した。回転バランスを考慮するならば、偶数のボールトラックを設けておき、一つおきのボールトラックにボールを組み込むのが好ましい。たとえば、内輪と外輪にそれぞれ6本のトラック溝を設け、一つおきのボールトラックにボールを組み込むと、ボールの数は全部で3個となる。トラック溝の数や、ケージのポケットの数は変更しないため、組み込むボールの数を任意に変更することができる。したがって、ボールの数を減らすことにより、それに相応した部品(ボール)点数の削減が可能となり、それに伴って軽量化も実現する。
内輪と外輪に設けるトラック溝を、固定式等速自在継手用のトラック溝と、しゅう動式等速自在継手用のトラック溝を交互に配置するようにしてもよい。すなわち、その場合の等速自在継手は、軸方向に延びる複数のトラック溝を外周面に形成した内輪と、軸方向に延びる複数のトラック溝を内周面に形成した外輪と、対をなす上記内輪のトラック溝と上記外輪のトラック溝とで形成されるボールトラックに配置され、上記外輪と上記内輪との間でトルクを伝達する複数のボールと、上記内輪の外周面と上記外輪の内周面との間に介在して上記ボールを保持するケージとを備え、上記ボールトラックの数は遇数で、かつ、固定式等速自在継手用の第一ボールトラックと、しゅう動式等速自在継手用の第二ボールトラックとを含む。
従来の固定式等速自在継手は個々のボールに作用するトルク負荷が過大にならないようにしている。しかし、トラック溝径に対するボール径で表されるボール接触率や、トラック溝に対するボールの接触楕円の面積をある程度増大させても差し支えない場合には、ボール数を積極的に減らすことにより、その分だけコストダウンを図ることが可能となる。たとえば6個から3個にボール数を減らすことで、部品(ボール)点数が半減することによるコストダウンが可能となる。なお、ボールの数を6個から3個に減らすためには、ボールとトラック溝との接触面積を増やし、3個でも十分な総接触面積を確保する必要がある。そのためには、ボール径を大きくする。
本発明のドライブシャフトは、ハーフシャフトと、上記ハーフシャフトの一方の端部に取り付けた固定式等速自在継手と、上記ハーフシャフトの他方の端部に取り付けたしゅう動式等速自在継手とを具備したドライブシャフトであって、上記固定式等速自在継手と上記しゅう動式等速自在継手に上記等速自在継手を使用し、かつ、上記固定式等速自在継手と上記しゅう動式等速自在継手で共通の内輪または外輪を使用したものである。
一般に、等速自在継手を自動車のドライブシャフトに使用する場合、固定式等速自在継手をアウトボード側(車輪側)に配置し、しゅう動式等速自在継手をインボード側(ギアボックスやミッション側)に配置する。そこで、内輪および外輪に、それぞれ、固定式等速自在継手用のトラック溝としゅう動式等速自在継手用のトラック溝の両方を設けておくことにより、その内輪または外輪を、固定式等速自在継手用にもしゅう動式等速自在継手用にも使用する、言い換えれば兼用することができる。また、1種類の内輪と1種類の外輪がそれぞれ固定式等速自在継手用としゅう動式等速自在継手用に共通化されるため、2種類の内輪と2種類の外輪を製作するのに比べて、材料および製造の両面からコストダウンが可能となる。
本発明によれば、ボールの数を減らすことで、部品点数の削減とそれに伴う軽量化が実現する。しかも、ボールトラックは減らさず、単にトルク伝達に関与しないボールトラックをつくりだすのみであるから、ボールトラックの数の範囲内で、ボールの数の変更に対応することができる。
内輪および外輪のトラック溝を冷間鍛造で成型することで、トラック溝の数や形状が異なっても成型に要するコストは変わらない。たとえば、等速自在継手に使用するボールの数をたとえば6個から3個に減らし、その一方、内輪および外輪のトラック溝は6本のままとし、そのうちの3本は使用しないトラック溝、つまり、トルク伝達に関与しないトラック溝とする。トラック溝を減らさないことで、内輪および外輪の重量が増えず、また、鍛造素材の投入重量を増やす必要もない。この点、特許文献1のようにボール数を減らすためにトラック溝の数を減らした場合、内輪および外輪はむしろ重量が増え、しかも、鍛造成型の素材投入重量も増えることになる。
内輪および外輪に、固定式等速自在継手のトラック溝としゅう動式等速自在継手のトラック溝の両方を設けることにより、特性の異なる2種類の等速自在継手の内輪および外輪を共通化して互換性をもたせる。そうすることにより、固定式等速自在継手の内輪および外輪としゅう動式等速自在継手の内輪および外輪を兼用することができる。ケージポケットを減らすことでもポケットの加工が少なくなりケージの加工費が削減できる。したがって、鍛造金型代や管理費等が一元化され、コストダウンが図れる。
ドライブシャフトのインボードジョイント、アウトボードジョイントとして使用する場合、両者のトラック溝の位相を容易にずらすことができるため、NVH特性を問題がないレベルに抑えることができ、かつ、組み立て工数が減少してコストダウンが図れる。ここで、NVHは、Noise、Vibration、Harshnessの頭文字で、振動、騒音、乗り心地を表す特性として知られている。
インボードジョイントとアウトボードジョイントのトラック溝の位相が重ならないようにする、言い換えれば、位相をずらすためには、たとえばアウトボードジョイントのトラック溝位相を基準とすると、それに対して位相をずらした位置にインボードジョイントのトラック溝があるようにして組み立てる。このとき、ドライブシャフトのハーフシャフトとジョイントの内輪とはスプラインで結合しているため、スプラインの歯数によって位相をずらすことのできるピッチが決まる。しかしながら、ボール数を減らしたことで、重なる位相が少なくなり、その結果、位相をずらす作業が容易となる。たとえば、ボールトラックの数が6でボールの数が3の場合、10度〜110度の範囲内で位相をずらせばよい。従来のようにボールトラックの数が6でボールの数も6の場合には10度〜50度の範囲内で位相をずらす必要があるのに比べると+60度、範囲が広がったことになる。
このようにしてトラック溝の重なりを回避することにより、振動の振幅を減少させ、NVH特性に影響ないレベルに抑えることができる。とりわけ前述の具体例において60度ずらした場合は、相方の継手の誘起力が相殺され、より良好なNVH特性が得られる。また、組み付け公差が大きいため、組み付けが容易で、コストダウンが図れる。
また、ドライブシャフトが角度を取った状態でトルク伝達を行なう時には、誘起力が発生することが知られている。この誘起力はボール個数と角度位相に関係する。本発明の等速自在継手では、たとえば3個ボールの場合、3次の変動成分が主体となる。固定式等速自在継手のトラック溝位相としゅう動式等速自在継手のトラック溝位相が同位相であると、次数が同じ振動成分が重なり、誘起力が増大して車両のNVH性能に悪影響を与える。本発明の固定式等速自在継手としゅう動式等速自在継手をドライブシャフトに使用する場合には、その重なりを回避させて振幅を減少させ、NVH特性に影響ないレベルに抑えることが低コストで実現できる。
第一実施例を示す縦断面図である。 図1の等速自在継手の端面図である。 図1の等速自在継手の斜視図である。 第二実施例を示す縦断面図である。 第三実施例を示す縦断面図である。 従来の技術を説明するための縦断面図である。 図6のVII−VII線に沿った断面図である。 作動角をとった状態を示す図6と類似の縦断面図である。 従来の技術を説明するための縦断面図である。 図9のX−X線に沿った断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。第一実施例は固定式等速自在継手として使用する場合、第二実施例はしゅう動式等速自在継手として使用する場合の例である。また、第三実施例はドライブシャフトの等速自在継手に適用する場合の例である。
第一実施例
まず、図1および図2を参照して、固定式等速自在継手として使用する場合の実施例について説明する。図面に例示した固定式等速自在継手J1はアンダーカットフリージョイント(UF)の例で、内輪10と、外輪20と、ボール30と、ケージ32を主要な構成要素としている。ブーツ46、48(図5参照)を装着し、内部に潤滑用のグリースまたはオイルを充填して使用するのが一般的である。
内輪10は、軸心部に軸孔12を有し、この軸孔12に形成したスプラインで駆動軸または従動軸とトルク伝達可能に結合するようになっている(図5参照)。内輪10の外周面14は球面状で、その外周面14の円周方向に等ピッチで、軸方向に延びるトラック溝が形成してある。トラック溝は、交互に配置した第一トラック溝16と第二トラック溝18を含む。
第一トラック溝16は固定式等速自在継手用で、図1の上半分に示すように、内輪10の中心軸線上の点を曲率中心とする円弧状である。第一トラック溝16の曲率中心は、内輪10の外周面14の曲率中心でもある継手中心から軸方向にオフセットした位置にある。第一トラック溝16は、中心軸線と平行なストレート部分を有する(アンダーカットフリー)。第二トラック溝18はしゅう動式等速自在継手用で、図1の下半分に示すように、内輪10の中心軸線と平行である。
外輪20は、いわゆるベル型で、互いに一体的なマウス部22とステム部29とからなり、ステム部29のスプラインで従動軸または駆動軸とトルク伝達可能に結合するようになっている。マウス部22は反ステム部28側で開口した空洞を有し、内周面24は球面状である。その内周面24の円周方向に等ピッチで、軸方向に延びるトラック溝が形成してある。トラック溝は、交互に配置した第一トラック溝26と第二トラック溝28を含む。
第一トラック溝26は固定式等速自在継手用である。すなわち、図1の上半分に示すように、外輪20の中心軸線上の点を曲率中心とする円弧状である。第一トラック溝26の曲率中心は、外輪20の内周面24の曲率中心でもある継手中心から軸方向にオフセットした位置にある。内輪10の第一トラック溝16の曲率中心と外輪20の第一トラック溝26の曲率中心は互いに反対方向に等距離だけオフセットしている。第一トラック溝26は、外輪20の中心軸線と平行なストレート部分を有する(アンダーカットフリー)。第二トラック溝28はしゅう動式等速自在継手用で、図1の下半分に示すように、外輪20の中心軸線と平行である。
図2は、内輪10の第一トラック溝16と第二トラック溝18がそれぞれ3本で、内輪10が合計6本のトラック溝を有し、同様に、外輪20の第一トラック溝26と第二トラック溝28がそれぞれ3本で、外輪20が合計6本のトラック溝を有する場合を例示したものである。
内輪10の第一トラック溝16および外輪20の第一トラック溝26は、基本的構成に関する限り、図6および図7を参照してすでに述べた従来の固定式等速自在継手と変わるところはない。同様に、内輪10の第二トラック溝18および外輪20の第二トラック溝28は、基本的構成に関する限り、図9および図10を参照してすでに述べた従来のしゅう動式等速自在継手と変わるところはない。
対をなす内輪10の第一トラック溝16と外輪20の第一トラック溝26との間にボール30を組み込む。一方、対をなす内輪10の第二トラック溝18と外輪20の第二トラック溝28との間にはボール30を組み込まない。つまり、第二トラック溝18、28はトルク伝達に関与しない。
ケージ32は内輪10と外輪20との間に介在し、両者と球面嵌合している。すなわち、ケージ32は同心の内球面34と外球面36を有し、内球面34は内輪10の外周面14と球面嵌合し、外球面36は外輪20の内周面24と球面嵌合する。ケージ32の円周方向に所定ピッチでポケット38が設けてあり、各ポケット38にボール30を収容することで、すべてのボール30が同一平面に保持される。ポケット38はケージ32を半径方向に貫通しており、したがって、ボール30はケージ32の内径側および外径側に部分的に突出する。そして、内径側に突出した部分は内輪10の第一ボール溝16と係合し、外径側に突出した部分は外輪20の第一ボール溝26と係合する。
述べたように、第一実施例は、6本のボールトラックのうちの3本にのみボールを組み込んだものである。固定式等速自在継手を構成する3本のボールトラック16、26にのみボール30を組み込み、しゅう動式等速自在継手用のボールトラック18、28にはボールを組み込んでない。つまり、しゅう動式等速自在継手用のボールトラック18、28はトルク伝達に関与しない。したがって、6個のボールを用いる従来の固定式等速自在継手と比較してボール3個分の軽量化が達成できる。なお、第一実施例の固定式等速自在継手としての作用は、図9および図10を参照して述べた従来の固定式等速自在継手と同様である。
第二実施例
次に、図4を参照して、しゅう動式等速自在継手として使用する場合の例について説明する。図面に例示したしゅう動式等速自在継手J2は、内輪110と、外輪120と、ボール130と、ケージ132を主要な構成要素としている。ここでも、ブーツ46、48(図5参照)を装着し、内部に潤滑用のグリースまたはオイルを充填して使用するのが一般的である。
内輪110は、軸心部に軸孔112を有し、この軸孔112に形成したスプラインで駆動軸または従動軸とトルク伝達可能に結合するようになっている(図5参照)。内輪110の外周面114は球面状で、その外周面114の円周方向に等ピッチで、軸方向に延びるトラック溝が形成してある。トラック溝は、交互に配置した第一トラック溝116と第二トラック溝118を含む。
第一トラック溝116は固定式等速自在継手用である。すなわち、図4の上半分に示すように、外周面の曲率中心から軸方向にオフセットした中心軸線上の点を曲率中心とする円弧状である。ここでは、中心軸線と平行なストレート部分を有する(アンダーカットフリー)。第二トラック溝118はしゅう動式等速自在継手用で、図4の下半分に示すように、中心軸線と平行である。
外輪120は、いわゆるベル型で、互いに一体的なマウス部122とステム部129とからなり、ステム部129のスプラインで従動軸または駆動軸とトルク伝達可能に結合するようになっている。マウス部122は反ステム部128側で開口した空洞を有し、内周面124は円筒状である。その内周面124の円周方向に等ピッチで、軸方向に延びるトラック溝が形成してある。トラック溝は、交互に配置した第一トラック溝126と第二トラック溝128を含む。
第一トラック溝126は固定式等速自在継手用である。すなわち、図4の上半分に示すように、外周面の曲率中心から軸方向にオフセットした中心軸線上の点を曲率中心とする円弧状である。ここでは、中心軸線と平行なストレート部分を有する(アンダーカットフリー)。第二トラック溝128はしゅう動式等速自在継手用で、図4の下半分に示すように、中心軸線と平行である。
内輪110の第一トラック溝116および外輪120の第一トラック溝126は、基本的構成に関する限り、図6および図7を参照してすでに述べた従来の固定式等速自在継手と変わるところはない。同様に、内輪110の第二トラック溝118および外輪120の第二トラック溝128は、基本的構成に関する限り、図9および図10を参照してすでに述べた従来のしゅう動式等速自在継手と変わるところはない。
対をなす内輪110の第二トラック溝118と外輪120の第二トラック溝128との間にボール130を組み込む。一方、対をなす内輪110の第一トラック溝116と外輪120の第一トラック溝126との間にはボール130を組み込まない。つまり、第一トラック溝116、126はトルク伝達に関与しない。
ケージ132は内輪110と外輪120との間に介在している。ケージ132は内周に内球面134を有し、外周に外球面136を有する。内球面134の曲率中心と外球面136の曲率中心は、継手中心から軸方向に互いに反対側にオフセットしている(ダブルオフセット)。そして、ケージ132の内球面134は内輪110の外周面114と球面嵌合し、ケージ132の外球面136は外輪120の内周面124と線接触する。
ケージ132の円周方向に所定ピッチでポケット138が設けてあり、各ポケット138にボール130を収容することで、すべてのボール130が同一平面に保持される。ポケット138はケージ132を半径方向に貫通しており、したがって、ボール130はケージ132の内径側および外径側に部分的に突出する。そして、内径側に突出した部分は内輪110の第二ボール溝118と係合し、外径側に突出した部分は外輪120の第二ボール溝128と係合する。
述べたように、第二実施例は、6本のボールトラックのうちの3本にのみボールを組み込んだものである。しゅう動式等速自在継手を構成する3本のボールトラック118、128にのみボール130を組み込み、固定式等速自在継手用のボールトラック116、126にはボールを組み込んでない。つまり、固定式等速自在継手用のボールトラック116、126はトルク伝達に関与しない。したがって、6個のボールを用いる従来のしゅう動式等速自在継手と比較してボール3個分の軽量化が達成できる。なお、第二実施例のしゅう動式等速自在継手としての作用は、図9および図10を参照して述べた従来のしゅう動式等速自在継手と同様である。
上述の第一実施例、第二実施例のいずれにおいても、トラック溝の加工方法は鍛造でも機械加工でもよい。もっとも、鍛造成型によれば、材料歩留まりがよい上に、後加工を必要としないため製造工数も少なくてすむ。また、鍛造材料の投入重量を減らすことができるため、コストダウンとなる。また、6本のボールトラックのうち、実際にボールを組み込むのは3本だけであるため、固定式であれ、しゅう動式であれ、従来の等速自在継手と比較するとボール3個分の軽量化が実現する。
第三実施例
次に、ドライブシャフトの等速自在継手に適用した実施例について述べる。図5に示すように、ドライブシャフトは、ハーフシャフト40と、固定式等速自在継手J1と、しゅう動式等速自在継手J2とで構成される。固定式等速自在継手J1としては、上に述べた第一実施例の固定式等速自在継手を使用することができる。また、しゅう動式等速自在継手J1としては、上に述べた第二実施例のしゅう動式等速自在継手を使用することができる。そして、図示するように、ハーフシャフト40の一方の端部42に、固定式等速自在継手J1の内輪10の軸孔12をスプライン嵌合させ、止め輪で抜け止めをする。同様に、ハーフシャフト40のもう一方の端部44に、しゅう動作式等速自在継手J2の内輪110の軸孔112をスプライン嵌合させ、止め輪で抜け止めをする。
ドライブシャフトとして使用する場合には、固定式等速自在継手J1としゅう動式等速自在継手J2のトラック溝位相が重ならないように、どちらかのトラック溝を基準に、任意の角度だけずらして組み付ける。具体例を挙げるならば、ボールトラックの数が6でボールの数が3の場合、10度〜110度の範囲内で位相をずらす。ボールトラックの数が6でボールの数も6の場合には10度〜50度の範囲内で位相をずらす必要があるのに対して+60度、範囲が広がる。このようにしてトラック溝の重なりを回避することにより、振動の振幅を減少させ、NVH特性に影響ないレベルに抑えることができる。とりわけ前述の具体例において60度ずらした場合は、相方の継手の誘起力が相殺され、より良好なNVH特性が得られる。また、上記具体例から分かるように組み付け公差が大きいため、組み付けが容易で、コストダウンが図れる。
図面に示した実施例に即して本発明の構成を説明したが、本発明は、特許請求の範囲に悖ることなく種々の改変を加えて実施をすることが可能である。たとえば、図示した実施例はトラック溝の数を6とした例であるが、8、10、12などのその他の偶数とすることも可能である。
また、第一実施例および第二実施例では、固定式等速自在継手用のトラック溝すなわち第一トラック溝をアンダーカットフリージョイント用とした場合を例にとったが、バーフィールドジョイント用とすることも可能である。両者の相違点は第一トラック溝のストレート部の有無のみである。
さらに、第三実施例は自動車のドライブシャフトの等速自在継手に適用した例であるが、自動車のプロペラシャフトの等速自在継手に適用することも可能である。
1 固定式等速自在継手
10 内輪
12 軸孔
14 外周面
16 第一ボール溝
18 第二ボール溝
20 外輪
22 マウス部
24 内周面
26 第一ボール溝
28 第二ボール溝
29 ステム部
30 ボール
32 ケージ
34 内球面
36 外球面
38 ポケット
2 しゅう動式等速自在継手
110 内輪
112 軸孔
114 外周面
116 第一ボール溝
118 第二ボール溝
120 外輪
122 マウス部
124 内周面
126 第一ボール溝
128 第二ボール溝
129 ステム部
130 ボール
132 ケージ
134 内球面
136 外球面
138 ポケット
40 ハーフシャフト
42、44 端部
46、48 ブーツ

Claims (5)

  1. 軸方向に延びる複数のトラック溝を外周面に形成した内輪と、軸方向に延びる複数のトラック溝を内周面に形成した外輪と、対をなす上記内輪のトラック溝と上記外輪のトラック溝とで形成されるボールトラックに組み込まれ、上記外輪と上記内輪との間でトルクを伝達する複数のボールと、上記内輪の外周面と上記外輪の内周面との間に介在して上記ボールを保持するケージとを備え、
    上記ボールトラックの数は遇数で、かつ、固定式等速自在継手用の第一ボールトラックと、しゅう動式等速自在継手用の第二ボールトラックとを含み、上記第一ボールトラックと上記第二ボールトラックは、円周方向に等ピッチで、かつ、交互に配置してあり、
    上記ボールの数は上記ボールトラックの数の半分であり、上記ボールトラックに一つおきに上記ボールを組み込んだ、等速自在継手。
  2. すべての上記第一ボールトラックに、または、すべての上記第二ボールトラックに、上記ボールを組み込んだ請求項1の等速自在継手。
  3. 上記内輪のトラック溝および上記外輪のトラック溝のうちの少なくとも一方を冷間鍛造加工によって成形した請求項1または2の等速自在継手。
  4. ハーフシャフトと、上記ハーフシャフトの一方の端部に取り付けた固定式等速自在継手と、上記ハーフシャフトの他方の端部に取り付けたしゅう動式等速自在継手とを具備したドライブシャフトであって、上記固定式等速自在継手と上記しゅう動式等速自在継手に請求項1ないし3のいずれか1項の等速自在継手を使用し、かつ、上記固定式等速自在継手と上記しゅう動式等速自在継手で共通の内輪を使用したドライブシャフト。
  5. ハーフシャフトと、上記ハーフシャフトの一方の端部に取り付けた固定式等速自在継手と、上記ハーフシャフトの他方の端部に取り付けたしゅう動式等速自在継手とを具備したドライブシャフトであって、上記固定式等速自在継手と上記しゅう動式等速自在継手に請求項1ないし3のいずれか1項の等速自在継手を使用し、かつ、上記固定式等速自在継手と上記しゅう動式等速自在継手で共通の外輪を使用したドライブシャフト。
JP2013079490A 2013-04-05 2013-04-05 等速自在継手 Pending JP2014202297A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013079490A JP2014202297A (ja) 2013-04-05 2013-04-05 等速自在継手

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013079490A JP2014202297A (ja) 2013-04-05 2013-04-05 等速自在継手

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014202297A true JP2014202297A (ja) 2014-10-27

Family

ID=52352921

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013079490A Pending JP2014202297A (ja) 2013-04-05 2013-04-05 等速自在継手

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014202297A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024127915A1 (ja) * 2022-12-12 2024-06-20 Ntn株式会社 固定式等速自在継手

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024127915A1 (ja) * 2022-12-12 2024-06-20 Ntn株式会社 固定式等速自在継手

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5634777B2 (ja) 固定式等速自在継手
JP5734742B2 (ja) 等速自在継手
JP2012017809A5 (ja)
US5813917A (en) Shaft assembly
CN105658981B (zh) 固定式等速万向联轴器
JP2014202297A (ja) 等速自在継手
JP4896662B2 (ja) 固定式等速自在継手
JP2009085326A (ja) 等速自在継手
JP2007239924A (ja) 固定式等速自在継手
JP2007247848A (ja) クロスグルーブ型等速自在継手
JP7292008B2 (ja) 後輪用ドライブシャフト専用の摺動式等速自在継手
JP2001349332A (ja) 固定型等速自在継手およびその組立方法
JP2008019961A (ja) 固定式等速自在継手
JP2007078081A (ja) 摺動型等速自在継手及びその製造方法
EP3418597A1 (en) Stationary constant-velocity universal joint
JP6099942B2 (ja) 固定式等速自在継手
JP2008196591A (ja) 固定式等速自在継手及びその製造方法
JP4896673B2 (ja) 固定式等速自在継手及びその製造方法
JP5031397B2 (ja) クロスグルーブ型等速自在継手
CN102537102A (zh) 双偏置型等速接头
JP2019095015A (ja) 等速自在継手
JP2007263222A (ja) 固定式等速自在継手
JP2007107568A (ja) 固定式等速自在継手
JP2009121667A (ja) 摺動式等速自在継手
JP2011069404A (ja) 固定式等速自在継手