JP2014202195A - 内燃機関のブローバイガス環流装置 - Google Patents

内燃機関のブローバイガス環流装置 Download PDF

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啓二 四重田
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吉郎 加藤
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末吉 杉山
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Abstract

【課題】吸気通路内のデポジットを防止する為に、ブローバイガスからオイルミストを簡便に且つ良好に分離する装置を提供する。
【解決手段】ブローバイガス環流通路56を備えた内燃機関10のブローバイガス環流装置50には、上流から下流に向かって流路断面が徐々に拡大する拡大部分54Eが形成されている。拡大部分54Eの内壁面と該拡大部分よりも上流の前記ブローバイ環流通路の部分の内壁面との接続部にエッジ55が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関のブローバイガス環流装置に関する。
特許文献1に内燃機関のブローバイガス環流装置が記載されている。ブローバイガス環流装置は、たとえば、クランクケース内のブローバイガスを吸気通路に排出するための装置である。
特開2007−187033号公報
ところで、ブローバイガスには、潤滑油に由来するオイルミストが含まれている。このオイルミストがブローバイガスとともに吸気通路に流入すると、吸気通路内において、このオイルミストに起因してデポジットが発生することがある。こうしたデポジットの発生は、内燃機関の性能を低下させる可能性がある。
そこで、本発明の目的は、ブローバイガスからオイルミストを簡便に且つ良好に分離することにある。
本発明は、ブローバイガス環流通路を備えた内燃機関のブローバイガス環流装置に関する。そして、上記目的を達成するために、本発明では、上流から下流に向かって流路断面が徐々に拡大する拡大部分が前記ブローバイガス環流通路に形成されている。そして、前記拡大部分の内壁面と該拡大部分よりも上流の前記ブローバイ環流通路の部分の内壁面との接続部にエッジが形成されている。
本発明によれば、拡大部分に流入するブローバイガスの流速が比較的速い場合、拡大部分よりも上流のブローバイガス通路の内壁面近傍から拡大部分に流入したブローバイガスは、拡大部分の内壁面から離れて流れた後に該内壁面に向かって流れる。そして、このブローバイガスが拡大部分の内壁面に衝突する。このとき、ブローバイガス中のオイルミストが拡大部分の内壁面に付着する。このため、ブローバイガスからオイルミストが分離される。
なお、上記発明の1つの態様では、流路断面が一定である一定部分が前記拡大部分の上流側端部に接続されており、上流から下流に向かって流路断面が徐々に縮小する縮小部分が前記一定部分の上流側に接続されている。
これによれば、拡大部分に流入するブローバイガスの流速が高められる。このため、拡大部分に流入したブローバイガスは、より確実に、拡大部分の内壁面から離れて流れた後に該内壁面に向かって流れる。このため、より確実に、ブローバイガスからオイルミストが分離される。
また、上記発明の1つの態様では、前記拡大部分の内壁面が上流から下流に向かう方向において平坦である。
これによれば、拡大部分を比較的簡易に形成することができる。
また、上記発明の1つの態様では、前記拡大部分の上流側内壁面が上流から下流に向かう方向において湾曲しており、前記拡大部分の下流側内壁面が上流から下流に向かう方向において平坦である。
これによれば、拡大部分の上流側内壁面が上流から下流に向かう方向において湾曲している。したがって、拡大部分に流入するブローバイガスの流速が比較的遅い場合、より確実に、拡大部分よりも上流のブローバイガス通路の内壁面近傍から拡大部分に流入したブローバイガスが拡大部分の内壁面に沿って流れる。このため、拡大部分に流入したブローバイガスの圧力回復率が高く維持される。これによって、拡大部分に起因する圧損の増大が低減される。
第1実施形態のブローバイガス環流装置を備えた内燃機関を示した図である。 第1実施形態のオイルミスト分離機構を示した図である。 第1実施形態におけるブローバイガス流量と圧力回復率との関係を示した図である。 第1実施形態の拡大部分の作用を説明するための図である。 第1実施形態の縮小部分の作用を説明するための図である。 第2実施形態のオイルミスト分離機構を示した図である。
以下、図面を参照して本発明の内燃機関のブローバイガス還流装置の実施形態について説明する。なお、以下で説明する実施形態の内燃機関はピストン往復動型の圧縮自着火式の内燃機関(いわゆる、ディーゼルエンジン)であり、当該内燃機関は複数の気筒(たとえば、4つの気筒)を直列に備えている。しかしながら、本発明は他の形式の内燃機関にも適用可能である。なお、以下の説明において「デポジット」とは吸気中のオイルミストに起因して発生するデポジットを意味する。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1に示したように、第1実施形態のブローバイガス還流装置は内燃機関(以下「機関」)10に適用される。機関10は機関本体20と、吸気通路30と、排気通路40とを具備する。機関本体20はクランクケース21と、オイルパン22と、シリンダブロック23と、シリンダヘッド24とを有する。クランクケース21はクランクシャフト21Aを回転可能に支持している。オイルパン22はクランクケース21の下方においてクランクケース21に固定されている。そして、オイルパン22はクランクケース21とともにクランクシャフト21Aおよび潤滑油OLを収容する空間(以下「クランクケース室」)を形成している。
シリンダブロック23はクランクケース21の上方においてクランクケース21に固定されている。シリンダブロック23はアルミニウム製である。また、シリンダブロック23は中空円筒状のシリンダボア23Aを複数個(本実施形態では、4つ)備えている。シリンダボア23Aの内周には鋳鉄製のシリンダライナ23Bが嵌入されている。シリンダボア23A(本実施形態では、特に、シリンダライナ23B)にはピストン23Cが収容されている。
ピストン23Cは略円筒形である。また、ピストン23Cはその側面に複数のピストンリングを備えている。複数のピストンリングのうちの最も下方(すなわち、クランクケース21側)のリングはいわゆるオイルリングORである。オイルリングORはシリンダボア23Aの内周壁面(本実施形態では、特に、シリンダライナ23Bの内周壁面)上を摺動しながら同内周壁面上の潤滑油(別の言い方をすれば、油膜)をクランクケース21側に掻き落とすようになっている。ピストン23Cはコネクティングロッド23Dによってクランクシャフト21Aに連結されている。ピストン23Cの上壁面(すなわち、頂壁面)はシリンダライナ23Bの内周壁面およびシリンダヘッド24の下壁面とともに燃焼室CCを形成している。
シリンダヘッド24はシリンダブロック23の上方においてシリンダブロック23に固定されている。シリンダヘッド24には燃焼室CCに連通する吸気ポートおよび排気ポートが形成されている。吸気ポートは吸気弁によって開閉される。吸気弁はシリンダヘッド24に収容されたインテークカムシャフトのカム(図示せず)によって駆動される。排気ポートは排気弁によって開閉される。排気弁はシリンダヘッド24に収容されたエグゾーストカムシャフトのカム(図示せず)によって駆動される。シリンダヘッド24はシリンダヘッドカバー24Aによって覆われている。シリンダヘッド24内には燃料噴射弁(図示せず)が備えられている。
吸気通路30は概して吸気管31とインタークーラ32と過給機60のコンプレッサ61と吸気ポートとから構成されている。吸気管31は吸気ポートに接続されている。コンプレッサ61は吸気管31に介装されている。インタークーラ32はコンプレッサ61よりも下流の吸気管31に介装されている。
排気通路40は概して排気ポートと排気管41と過給機60のタービン62とから構成されている。排気管41は排気ポートに接続されている。タービン62は排気管41に介装されている。タービン62はシャフトによってコンプレッサ61に連結されている。
タービン62はそこに流入する排気ガスのエネルギによって回転せしめられる。タービン62の回転はシャフトを介してコンプレッサ61に伝達される。これによって、コンプレッサ61が回転する。このコンプレッサ61の回転によって吸気が圧縮せしめられる。すなわち、過給機60が過給を行う。
第1実施形態のブローバイガス還流装置50は第1ガス通路51と第2ガス通路52と第3ガス通路53とを有する。第1ガス通路51はシリンダブロック23内に形成されている。第1ガス通路51はクランクケース室をシリンダヘッド24内の第2ガス通路52に接続する。第2ガス通路52はシリンダヘッド24内の所定の経路を通って第3ガス通路53の一端に接続されている。第3ガス通路53は機関本体20の外部に設けられたガス管53Aによって構成されている。第3ガス通路53の他端はコンプレッサ61よりも上流の吸気管31に接続されている。本明細書において、ブローバイガス環流通路は、概して、第1ガス通路51と第2ガス通路52と第3ガス通路とから構成される通路である。
燃焼室CCからクランクケース室に漏出したブローバイガスは第1ガス通路51、第2ガス通路52および第3ガス通路53を通って吸気通路30に還流せしめられる。なお、吸気通路30へのブローバイガスの還流量を制御するために周知のPCVバルブが第3ガス通路53に配置されていてもよい。
<オイルミスト分離機構>
第1実施形態のオイルミスト分離機構について説明する。図2に示されているように、オイルミスト分離機構54は、ブローバイガス環流通路の一部として、拡大部分54Eと一定部分54Cと縮小部分54Sとを有する。言い換えれば、ブローバイガス環流通路に、拡大部分54Eと一定部分54Cと縮小部分54Sとが形成されている。
<拡大部分>
拡大部分54Eは、ブローバイガスの流方向(以下単に「流方向」)Abgに関して上流から下流に向かってその流路断面が拡大する部分である。言い換えれば、拡大部分54Eは、流方向Abgに関して上流から下流に向かってその流路断面積が徐々に広くなる(すなわち、増大する)部分である。なお、本明細書において、流路断面は、ブローバイガス環流通路の延在方向Dexに対して垂直な平面におけるブローバイガス環流通路の断面である。また、流路断面積は、流路断面の面積である。また、拡大部分54Eの流路断面は、その断面形状が相似形に維持されつつ拡大する。また、拡大部分54Eの流路断面は、一様に拡大する。また、拡大部分54Eの単位長さ当たりの流路断面積の変化量は、一定である。なお、拡大部分54Eの長さは、拡大部分の延在方向Dexにおける長さである。
また、拡大部分54Eの延在方向Dexに対して平行な平面で切った断面において、拡大部分54Eの内壁面は、平坦である。また、拡大部分54Eの流路断面形状は、円形または略円形である。したがって、拡大部分54Eの直径は、流方向Abgに上流から下流に向かって徐々に大きくなる。また、拡大部分54Eは、その延在範囲の全域に亘って直線的または略直線的に延在する。言い換えれば、拡大部分54Eの延在方向Dexは、直線または略直線である。また、拡大部分54Eの延在方向Dexに対する拡大部分54Eの内壁面の延在方向の角度θe1は、拡大部分の延在範囲の全域に亘って90度よりも小さい。
<縮小部分>
縮小部分54Sは、流方向Abgに関して上流から下流に向かってその流路断面が縮小する部分である。言い換えれば、縮小部分54Sは、流方向Abgに関して上流から下流に向かってその流路断面積が徐々に狭くなる(すなわち、減少する)部分である。また、縮小部分54Sの流路断面は、その断面形状が相似形に維持されつつ縮小する。また、縮小部分54Sの流路断面は、一様に縮小する。また、縮小部分54Sの単位長さ当たりの流路断面積の変化量は、一定である。なお、縮小部分54Sの長さは、縮小部分の延在方向Dexにおける長さである。
また、縮小部分54Sの延在方向Dexに対して平行な平面で切った断面において、縮小部分54Sの内壁面は、平坦である。また、縮小部分54Sの流路断面形状は、円形または略円形である。したがって、縮小部分54Sの直径は、流方向Abgに上流から下流に向かって徐々に小さくなる。また、縮小部分54Sは、その延在範囲の全域に亘って直線的または略直線的に延在する。言い換えれば、縮小部分54Sの延在方向Dexは、直線または略直線である。また、縮小部分54Sの延在方向Dexに対する縮小部分54Sの内壁面の延在方向の角度θs1は、縮小部分54Sの延在範囲の全域に亘って90度よりも小さい。
<一定部分>
一定部分54Cは、縮小部分54Sと拡大部分54Eとの間に形成されている。一定部分54Cの入口端部は、縮小部分54Sの出口端部に接続されている。一定部分54Cの入口端部は、流方向Abgにおいて上流側の一定部分54Cの端部である。したがって、一定部分54Cの入口端部は、一定部分54Cの上流側端部であるとも言える。縮小部分54Sの出口端部は、流方向Abgにおいて下流側の縮小部分54Sの端部である。したがって、縮小部分54Sの出口端部は、縮小部分54Sの下流側端部であるとも言える。また、一定部分54Cの出口端部は、拡大部分54Eの入口端部に接続されている。一定部分54Cの出口端部は、流方向Abgにおいて下流側の一定部分54Cの端部である。したがって、一定部分54Cの出口端部は、一定部分54Cの下流側端部であるとも言える。拡大部分54Eの入口端部は、流方向Abgにおいて上流側の拡大部分54Eの端部である。したがって、拡大部分54Eの入口端部は、拡大部分54Eの上流側端部であるとも言える。
一定部分54Cは、流方向Abgに関してその流路断面が一定である。言い換えれば、一定部分54Cは、流方向Abgに関してその流路断面積が一定である(すなわち、増大も減少もしない)。
また、一定部分54Cの延在方向Dexに対して平行な平面で切った断面において、一定部分54Cの内壁面は、平坦である。また、一定部分54Cの流路断面形状は、円形または略円形である。また、一定部分54Cは、その延在範囲の全域に亘って直線的または略直線的に延在する。言い換えれば、一定部分54Cの延在方向Dexは、直線または略直線である。また、一定部分54Cの内壁面の延在方向は、当該一定部分54Cの延在方向Dexに対して平行である。また、一定部分54Cの流路断面形状は、縮小部分54Sの出口端部の流路断面形状および拡大部分54Eの入口端部の流路断面形状と同じである。
<縮小部分と一定部分との接続部>
延在方向Dexに沿った断面で見た場合において、縮小部分54Sの内壁面に平行なラインを一定部分の領域まで延長したときに、そのラインに対して一定部分54Cの内壁面がなす角度θs2は、90度よりも小さい。
また、一定部分54Cの延在方向Dexは、縮小部分54Sの延在方向Dexに一致している。
なお、縮小部分54Sは、ブローバイガス環流通路の流路断面が上流から下流に向かってステップ的に拡大したり縮小したりすることなく、一定部分54Cに接続されている。
<一定部分と拡大部分との接続部>
また、延在方向Dexに沿った断面で見た場合において、一定部分54Cの内壁面に平行なラインを拡大部分54Eの領域まで延長したときに、そのラインに対して拡大部分54Eの内壁面がなす角度(以下「拡大角度」)θe2は、90度よりも小さい。特に、拡大角度θe2は、図3にラインL1で示されているように、ブローバイガスの流速に対する圧力回復率の変化率の変化率がブローバイガスの特定の流速において変化する角度に設定されている。なお、この圧力回復率Rrは、Rr=(Psout−Psin)/(Pdout−Pdin)の式から算出される値である。ここで、Psoutは、拡大部分54Eの出口端部における静圧であり、Psinは、拡大部分54Eの入口端部における静圧であり、Pdoutは、拡大部分54Eの出口端部における動圧であり、Pdinは、拡大部分54Eの入口端部における動圧である。また、前記特定の流速は、たとえば、図3に示されているように、ブローバイガスの最大流速の概ね二分の一の流速である。この場合、拡大角度θe2は、ブローバイガスの最大流速に応じて設定される角度であると言える。なお、このブローバイガスの最大流速は、機関10がとり得る機関運転状態においてとり得るブローバイガスの流速のうちの最大の流速である。また、ブローバイガスの流速は、ブローバイガス環流通路が接続されている部分の吸気通路30内の圧力とクランクケース室内の圧力との間の圧力差によって決まる。なお、図3には、比較例として、拡大角度θe2が第1実施形態の拡大角度よりも小さい場合における圧力回復率を示すラインL2が示されている。
また、拡大部分54Eの内壁面と一定部分54Cの内壁面との接続部には、エッジ55が形成されている。
また、拡大部分54Eの延在方向Dexは、一定部分54Cの延在方向Dexに一致している。
なお、一定部分54Cは、ブローバイガス環流通路の流路断面が上流から下流に向かってステップ的に拡大したり縮小したりすることなく、拡大部分54Eに接続されている。
<上流隣接部分>
縮小部分54Sの入口端部には、上流隣接部分54Uが接続されている。縮小部分54Sの入口端部は、流方向Abgにおいて上流側の縮小部分の端部である。上流隣接部分54Uは、縮小部分54Sよりも上流において該縮小部分54Sに隣接するブローバイガス環流通路の部分である。また、上流隣接部分54Uは、縮小部分54Sの入口端部からブローバイガス環流通路の延在方向Dexに所定長さに亘るブローバイガス環流通路の部分である。
上流隣接部分54Uは、流方向Abgに関してその流路断面が一定である。言い換えれば、上流隣接部分54Uは、流方向Abgに関してその流路断面積が一定である(すなわち、増大も減少もしない)。
また、上流隣接部分54Uの延在方向Dexに対して平行な平面で切った断面において、上流隣接部分54Uの内壁面は、平坦である。また、上流隣接部分54Uの流路断面形状は、円形または略円形である。また、上流隣接部分54Uは、その延在範囲の全域に亘って直線的または略直線的に延在する。言い換えれば、上流隣接部分54Uの延在方向Dexは、直線または略直線である。また、上流隣接部分54Uの内壁面の延在方向は、当該上流隣接部分54Uの延在方向Dexに対して平行である。また、上流隣接部分54Uの流路断面形状は、縮小部分54Sの入口端部の流路断面形状と同じである。
<縮小部分と上流隣接部分との接続部>
延在方向Dexに沿った断面で見た場合において、縮小部分54Sの内壁面に対して上流隣接部分54Uの内壁面がなす角度(以下「縮小角度」)θs2は、90度よりも大きい。
また、縮小部分54Sの延在方向Dexは、上流隣接部分54Uの延在方向Dexに一致している。
なお、上流隣接部分54Uは、ブローバイガス環流通路の流路断面が上流から下流に向かってステップ的に拡大したり縮小したりすることなく、縮小部分に接続されている。
<下流隣接部分>
拡大部分54Eの出口端部には、下流隣接部分54Dが接続されている。拡大部分54Eの出口端部は、流方向Abgにおいて下流側の拡大部分54Eの端部である。下流隣接部分54Dは、拡大部分54Eよりも下流において該拡大部分54Eに隣接するブローバイガス環流通路の部分である。また、下流隣接部分54Uは、拡大部分54Eの出口端部からブローバイガス環流通路の延在方向Dexに所定長さに亘るブローバイガス環流通路の部分である。
下流隣接部分54Dは、流方向Abgに関してその流路断面が一定である。言い換えれば、下流隣接部分54Dは、流方向Abgに関してその流路断面積が一定である(すなわち、増大も減少もしない)。
また、下流隣接部分54Dの延在方向Dexに対して平行な平面で切った断面において、下流隣接部分54Dの内壁面は、平坦である。また、下流隣接部分54Dの流路断面形状は、円形または略円形である。また、下流隣接部分54Dは、その延在範囲の全域に亘って直線的または略直線的に延在する。言い換えれば、下流隣接部分54Dの延在方向Dexは、直線または略直線である。また、下流隣接部分54Dの内壁面の延在方向は、当該下流隣接部分54Dの延在方向Dexに対して平行である。また、下流隣接部分54Dの流路断面形状は、拡大部分54Eの出口端部の流路断面形状と同じである。
<拡大部分と下流隣接部分との接続部>
延在方向Dexに沿った断面で見た場合において、拡大部分54Eの内壁面に対して下流隣接部分54Dの内壁面がなす角度θdは、90度よりも大きい。
また、下流隣接部分54Dの延在方向Dexは、拡大部分54Eの延在方向Dexに一致している。
なお、拡大部分54Eは、ブローバイガス環流通路の流路断面が上流から下流に向かってステップ的に拡大したり縮小したりすることなく、下流隣接部分54Dに接続されている。
このように、第1実施形態のオイルミスト分離機構54では、流方向Abgにおいて上流から下流に向かって流路断面が徐々に縮小した後に所定長さに亘って一定となり、その後、徐々に拡大する部分がブローバイガス環流通路に形成されている。つまり、オイルミスト分離機構54は、ベンチュリ管を構成していると言える。この場合、縮小部分54Sは、ベンチュリ管のノズル部に相当する。また、拡大部分54Eは、ベンチュリ管のディフューザ部に相当する。
また、第1実施形態のオイルミスト分離機構54では、ブローバイガス環流通路の一部に、絞り部が形成されているとも言える。
<第1実施形態の効果>
第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。第1実施形態のオイルミスト分離機構54では、一定部分54Cと拡大部分54Eとの接続部に、エッジ55が形成されている。このため、ブローバイガスの流速が比較的速い場合、図4(A)に示されているように、一定部分54Cの内壁面近傍から拡大部分54Eに流入したブローバイガスは、拡大部分54Eの内壁面から離れて流れた後に該内壁面に向かって流れる。そして、このブローバイガスが拡大部分54Eの内壁面に衝突する。このとき、ブローバイガス中のオイルミストが拡大部分54Eの内壁面に付着する。これによって、ブローバイガスからオイルミストが分離される。
さらに、ブローバイガスの流速が比較的遅い場合、図4(B)に示されているように、一定部分54Cの内壁面近傍から拡大部分54Eに流入したブローバイガスは、拡大部分54Eの内壁面に沿って流れる。このため、ブローバイガスの流速が比較的遅い場合に解決すべき課題となる圧損の上昇が抑制される。すなわち、圧力回復率が高く維持される。
また、図5に示されているように、縮小部分54Sに到来したブローバイガスの一部は、縮小部分54Sの内壁面に衝突する。このときにも、ブローバイガス中のオイルミストが縮小部分54Sの内壁面に付着する。これによって、ブローバイガスからオイルミストが分離される。
なお、拡大部分54Eおよび縮小部分54Sに付着したオイルミストは、各オイルミストが小粒径のオイルミストであっても互いに集まり、比較的大きな粒径のオイルミストとなる。このため、これら内壁面に付着したオイルミストが再びブローバイガス中に飛散する可能性は低い。もちろん、こうした飛散をより確実に抑制するために、これら内壁面に付着したオイルミストをブローバイガス環流通路から排出させるようにしてもよい。
また、拡大部分54Eおよび縮小部分54Sの内壁面にオイルミストが付着していると、これら内壁面にブローバイガスが衝突した際に、ブローバイガス中のオイルミストが内壁面に付着しているオイルミストと凝集する。このため、ブローバイガスからオイルミストが分離されやすい。
また、拡大部分54Eの延在方向Dexに対して平行な平面で切った断面において、拡大部分54Eの内壁面が平坦であるため、拡大部分54Eを比較的簡易に形成することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態のオイルミスト分離機構について説明する。なお、以下で説明する構成以外の第2実施形態の構成は、第1実施形態の構成と同じである。
<オイルミスト分離機構>
図6に示されているように、第2実施形態のオイルミスト分離機構54の拡大部分54Eは、湾曲部分54Ecと平坦部分54Epとからなる。湾曲部分54Eは、流方向Abgにおいて上流側の拡大部分54Eの部分である。したがって、湾曲部分54Eの上流側端部は、拡大部分54Eの入口端部であり、一定部分54Cの出口端部に接続されている。平坦部分54Epは、流方向Abgにおいて下流側の拡大部分54Eの部分である。したがって、平坦部分54Epの下流側端部は、拡大部分54Eの出口端部であり、下流隣接部分54Dに接続されている。また、湾曲部分54Ecの下流側端部は、平坦部分54Epの上流側端部に接続されている。
<湾曲部分>
湾曲部分54Ecは、流方向Abgに関して上流から下流に向かってその流路断面が拡大する部分である。言い換えれば、湾曲部分54Ecは、流方向Abgに関して上流から下流に向かってその流路断面積が徐々に広くなる(すなわち、増大する)部分である。また、湾曲部分54Ecは、その断面形状が相似形に維持されつつ拡大する。また、湾曲部分54Eの流路断面は、一様に拡大する。また、湾曲部分54Ecの単位長さ当たりの流路断面積の変化量は、徐々に増大する。なお、湾曲部分54Eの長さは、湾曲部分の延在方向Dexにおける長さである。
また、湾曲部分54Ecの延在方向Dexに対して平行な平面で切った断面において、湾曲部分54Ecの内壁面(すなわち、拡大部分54の上流側内壁面)は、湾曲している。また、湾曲部分54Ecの流路断面形状は、円形または略円形である。したがって、湾曲部分54Ecの直径は、流方向Abgに上流から下流に向かって徐々に大きくなる。また、湾曲部分54Ecは、その延在範囲の全域に亘って直線的または略直線的に延在する。言い換えれば、湾曲部分54Ecの延在方向Dexは、直線または略直線である。また、湾曲部分54Ecの延在方向Dexに対する湾曲部分54Ecの内壁面の延在方向(すなわち、内壁面の各地点における接線方向)の角度θc1は、湾曲部分の延在範囲の全域に亘って90度よりも小さい。
<平坦部分>
平坦部分54Epは、流方向Abgに関して上流から下流に向かってその流路断面積が拡大する部分である。言い換えれば、平坦部分54Epは、流方向Abgに関して上流から下流に向かってその流路断面積が徐々に広くなる(すなわち、増大する)部分である。また、平坦部分54Epの流路断面は、一様に拡大する。また、平坦部分54Epの単位長さ当たりの流路断面積の変化量は、一定である。なお、平坦部分54Epの長さは、平坦部分54Epの延在方向Dexにおける長さである。
また、平坦部分54Epの延在方向Dexに対して平行な平面で切った断面において、平坦部分54Epの内壁面(すなわち、拡大部分54Eの下流側内壁面)は、平坦である。また、平坦部分54Epの流路断面形状は、円形または略円形である。したがって、平坦部分54Epの直径は、流方向Abgに上流から下流に向かって徐々に大きくなる。また、平坦部分54Epは、その延在範囲の全域に亘って直線的または略直線的に延在する。言い換えれば、平坦部分54Epの延在方向Dexは、直線または略直線である。また、平坦部分54Epの延在方向Dexに対する平坦部分54Epの内壁面の延在方向の角度θpは、平坦部分の延在範囲の全域に亘って90度よりも小さい。
<湾曲部分と平坦部分との接続部>
延在方向Dexに沿った断面で見た場合において、湾曲部分54Ecの出口端部の内壁面の接線方向は、平坦部分54Epの内壁面の延在方向に一致している。
また、湾曲部分54Ecの延在方向Dexは、平坦部分54pの延在方向Dexに一致している。
なお、湾曲部分54Ecは、ブローバイガス環流通路の流路断面が上流から下流に向かってステップ的に拡大したり縮小したりすることなく、平坦部分54Epに接続されている。
また、湾曲部分54Ecの入口端部の断面形状は、一定部分54Cの出口端部の断面形状と同じである。湾曲部分54Ecの出口端部の断面形状は、平坦部分54Epの入口端部の断面形状と同じである。平坦部分54Epの出口端部の断面形状は、下流隣接部分54Dの流路断面形状と同じである。
<一定部分と湾曲部分との接続部>
また、延在方向Dexに沿った断面で見た場合において、一定部分54Cの内壁面に平行なラインを湾曲部分54Ecの領域まで延長したときに、そのラインに対して湾曲部分54Ecの内壁面がなす角度(以下「拡大角度」)θc2は、90度よりも小さい。特に、拡大角度θc2は、図3にラインL1で示されているように、ブローバイガスの流速に対する圧力回復率の変化率の変化率がブローバイガスの特定の流速において変化する角度に設定されている。
また、湾曲部分54Ecの内壁面と一定部分54Cの内壁面との接続部には、エッジ55が形成されている。
また、湾曲部分54Ecの延在方向Dexは、一定部分54Cの延在方向Dexに一致している。
なお、一定部分54Cは、ブローバイガス環流通路の流路断面が上流から下流に向かってステップ的に拡大したり縮小したりすることなく、湾曲部分54Ecに接続されている。
<平坦部分と下流隣接部分との接続部>
延在方向Dexに沿った断面で見た場合において、平坦部分54Epの内壁面に対して下流隣接部分54Dの内壁面がなす角度θdは、90度よりも大きい。
また、下流隣接部分54Dの延在方向Dexは、平坦部分54Epの延在方向Dexに一致している。
なお、平坦部分54Epは、ブローバイガス環流通路の流路断面が上流から下流に向かってステップ的に拡大したり縮小したりすることなく、下流隣接部分54Dに接続されている。
このように、第2実施形態のオイルミスト分離機構54でも、第1実施形態と同様に、流方向Abgにおいて上流から下流に向かって流路断面が徐々に縮小した後に所定長さに亘って一定となり、その後、徐々に拡大する部分がブローバイガス環流通路に形成されている。
<第2実施形態の効果>
第2実施形態によれば、以下の効果が得られる。拡大部分54Eの上流側の部分が湾曲部分54Ecであるため、拡大部分54Eの上流側内壁面が上流から下流に向かう方向において湾曲している。したがって、拡大部分54Eに流入するブローバイガスの流速が比較的遅い場合、より確実に、上流隣接部分54Uの内壁面近傍から拡大部分に流入したブローバイガスが拡大部分54Eの内壁面に沿って流れる。このため、より確実に、拡大部分に起因する圧損の上昇が抑制される。
また、第2実施形態のオイルミスト分離機構54でも、一定部分54Cと拡大部分54E(より具体的には、湾曲部分54Ec)との接続部に、エッジ55が形成されている。そして、拡大部分54Eの上流側の内壁面は、湾曲している。このため、ブローバイガスの流速が比較的遅い場合、一定部分54Cの内壁面近傍から拡大部分54Eに流入したブローバイガスは、より確実に、拡大部分54Eの内壁面に沿って流れる。一方、ブローバイガスの流速が比較的速い場合、一定部分54Cの内壁面近傍から拡大部分54Eに流入したブローバイガスは、より確実に、拡大部分54Eの内壁面から離れて流れた後に該内壁面に向かって流れる。したがって、より確実に、ブローバイガスからオイルミストが分離される。
すなわち、第2実施形態によれば、拡大部分54Eに流入するブローバイガスの流速に応じて圧損の上昇抑制とオイルミストの分離とがバランス良く達成される。
10…内燃機関
50…ブローバイガス環流装置
54E…拡大部分
54S…縮小部分
54C…一定部分
54Ec…湾曲部分
54Ep…平坦部分
55…エッジ
56…ブローバイガス環流通路

Claims (4)

  1. ブローバイガス環流通路を備えた内燃機関のブローバイガス環流装置において、上流から下流に向かって流路断面が徐々に拡大する拡大部分が前記ブローバイガス環流通路に形成されており、前記拡大部分の内壁面と該拡大部分よりも上流の前記ブローバイ環流通路の部分の内壁面との接続部にエッジが形成されている内燃機関のブローバイガス環流装置。
  2. 流路断面が一定である一定部分が前記拡大部分の上流側端部に接続されており、上流から下流に向かって流路断面が徐々に縮小する縮小部分が前記一定部分の上流側に接続されている請求項1に記載の内燃機関のブローバイガス環流装置。
  3. 前記拡大部分の内壁面が上流から下流に向かう方向において平坦である請求項1または2に記載の内燃機関のブローバイガス環流装置。
  4. 前記拡大部分の上流側内壁面が上流から下流に向かう方向において湾曲しており、前記拡大部分の下流側内壁面が上流から下流に向かう方向において平坦である請求項1または2に記載の内燃機関のブローバイガス環流装置。
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