JP2014088855A - 内燃機関のブローバイガス還流装置 - Google Patents

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怜 杉山
Keiji Yotsueda
啓二 四重田
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吉郎 加藤
Naruto Yamane
成人 山根
Suekichi Sugiyama
末吉 杉山
Isao Matsumoto
功 松本
Masakazu Tabata
正和 田畑
Hayahei Shioda
隼平 塩田
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Abstract

【課題】クランクケースからブローバイガスとともに吸気通路へと還流される小粒径オイルミストの量を低減させることによって、吸気通路構成部材に堆積するデポジットの量を低減することが可能な内燃機関のブローバイガス還流装置を提供する。
【解決手段】ブローバイガス還流装置は、ブローバイガス通路を構成するガス通路構成部材53aを備える。更に、そのガス通路構成部材53aは、小粒径オイルミストSOMがガス通路構成部材53aの内壁面に大粒径オイルミストLOMに比較してより多く付着するように、ブローバイガスに含まれる小粒径オイルミストSOMをガス通路構成部材53aの内壁面側に集中させ且つ凝集させる凝集用誘導部材53bを備える。従って、吸気通路構成部材に付着するデポジットの量を低減することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関のクランクケース内のブローバイガスを吸気通路へ還流(流入)させる「内燃機関のブローバイガス還流装置」に関する。
従来から、内燃機関(以下、単に「機関」とも称呼する。)の燃焼室からクランクケース内に漏出したブローバイガスを吸気通路に還流させることにより、クランクケース内の換気を行うシステムが知られている。係るシステムは、「ブローバイガス還流装置」又は「PCV(ポジティブ・クランクケース・ベンチレーション)」とも称呼される。
ところで、クランクケース内ではクランクシャフトが高速で回転すること及びピストンリングとシリンダ内周壁面との間からの筒内ガスが噴出すること等によってオイルが飛散する。その結果、クランクケース内にオイルミスト(潤滑油の液体状微粒子)が形成される。このオイルミストがブローバイガス還流装置によりブローバイガスとともに吸気通路に還流されると、吸気通路を構成している部材(以下、「吸気通路構成部材」とも称呼する。)に付着する。即ち、吸気通路構成部材にデポジットが堆積する。
このデポジットは機関の特性上好ましくない。特に、吸気通路にターボチャージャのコンプレッサ部が設けられている場合、そのコンプレッサ部を構成している部材(例えば、ディフューザ)にデポジットが堆積すると、ターボチャージャの効率が著しく低下する虞がある。
そのため、従来装置の一つはシリンダブロックの側壁に気液分離室(所謂、セパレータ)を備えている。その気液分離室においては、オイルミストを含むブローバイガスが隔壁に衝突し、それにより、オイルミストの一部がブローバイガスから分離される(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2007−187033号公報
しかしながら、上記従来装置によりブローバイガスからオイルミストを完全に除去することは困難であり、依然としてデポジットの堆積量を十分に低減することができない。そこで、発明者は、ブローバイガスの還流により吸気通路構成部材にデポジットが堆積する現象につき検討した。その検討結果は次のとおりである。
ブローバイガスには煤(soot)等の微粒子(パティキュレートマター、PM)が含まれている。パティキュレートマターの径は例えば0.1μm程度未満である。これに対し、クランクケース内において発生しているオイルミストには、粒径の平均が例えば0.2μm乃至1μm程度の小粒径のミスト(以下、「小粒径オイルミスト」と称呼される。)と、粒径の平均が例えば4.9μm程度の大粒径のミスト(以下、「大粒径オイルミスト」と称呼される。)と、が含まれている。従って、図6の(A)に示したように、複数のパティキュレートマターPMが小粒径オイルミストSOM内に取り込まれる。同様に。図6の(D)に示したように、複数のパティキュレートマターPMが大粒径オイルミストLOM内に取り込まれる。
小粒径オイルミストSOM及び大粒径オイルミストLOMは、ブローバイガス還流装置によってクランクケースから吸気通路へと還流されたときに受熱するので、それらのオイルミスト中の蒸発し易い成分(蒸発成分)が蒸発する(図6の(A)、(B)、(D)及び(E)を参照。)。
ところで、小粒径オイルミストSOMの体積に対する表面積(受熱面積)の比は、大粒径オイルミストLOMの体積に対する表面積(受熱面積)の比よりも大きい。よって、小粒径オイルミストSOMの蒸発成分は相対的により多く蒸発するので、小粒径オイルミストSOMにおけるパティキュレートマターPMの密度は非常に高くなる。従って、小粒径オイルミストSOMは、図6の(B)に示したように吸気通路構成部材に付着し、図6の(C)に示したように固体状(又はゲル状)となる。即ち、吸気通路構成部材にデポジットが発生する。
一方、蒸発成分が蒸発しても、大粒径オイルミストLOMにおけるパティキュレートマターPMの密度はそれほど高くならない。よって、小粒径オイルミストSOMに比較して、大粒径オイルミストLOMは粘度が低く且つ吸気通路構成部材に付着し難い。その結果、図6の(E)に示したように、大粒径オイルミストLOMは「吸気通路構成部材に付着した小粒径オイルミスト(デポジット)」を押し流す。即ち、大粒径オイルミストLOMは吸気通路構成部材の洗浄作用を有する。
以上の分析から、発明者は、「デポジットの堆積量を低減するためには、ブローバイガス還流装置によって還流されるブローバイガスに含まれるオイルミストの総て又は殆どを除去するのではなく、大粒径オイルミストの数を大きく減少させることなく小粒径オイルミストの数を大きく減少させることが重要且つ効果的である。」との知見を得た。
従って、本発明の目的の一つは、クランクケースからブローバイガスとともに吸気通路へと還流される大粒径オイルミストの量を大きく低減させることなく、クランクケースからブローバイガスとともに吸気通路へと還流される小粒径オイルミストの量を低減させることによって、吸気通路構成部材に堆積するデポジットの量を低減することが可能な内燃機関のブローバイガス還流装置を提供することにある。
本発明による内燃機関のブローバイガス還流装置(本発明装置)は、前記機関のクランクケース内のブローバイガスを、前記クランクケース内に発生している小粒径オイルミスト及び同小粒径オイルミストよりも粒径の大きい大粒径オイルミストとともに、ブローバイガス通路を通して前記機関の吸気通路へ還流させる装置である。
更に、本発明装置は、
前記ブローバイガス通路を構成するガス通路構成部材が、
前記小粒径オイルミストが前記ガス通路構成部材の内壁面に前記大粒径オイルミストに比較してより多く付着するように、前記小粒径オイルミストを前記ガス通路構成部材の内壁面側に集中させ且つ凝集させる凝集用誘導部材を備えることを特徴とする。
これによれば、ブローバイガスに含まれる大粒径オイルミストと小粒径オイルミストとのうち、小粒径オイルミストが選択的(優先的)にガス通路構成部材の内壁面側に集中させられる。その結果、小粒径オイルミスト同士が衝突し或いは小粒径オイルミストがガス通路構成部材の内壁面へ衝突するので、小粒径オイルミストが凝集し、大粒径オイルミストとなるか又はガス通路構成部材の内壁面に付着する。
従って、吸気通路に流入する小粒径オイルミストの数が減少するので、吸気通路構成部材に付着するデポジットの量(デポジットの堆積量)を低減することができる。同時に、吸気通路に流入する大粒径オイルミストの数は大きく減少することがないので、吸気通路構成部材に付着したデポジットを洗浄することができる。以上から、本発明装置は、吸気通路構成部材のデポジット堆積量を減少することができる。
本発明装置の一態様において、前記凝集用誘導部材は、前記ブローバイガス通路における前記ブローバイガスの流れ方向に沿って同ブローバイガス通路の中心軸側から前記ガス通路構成部材の内壁面に次第に近づく凝集促進壁である。
これによれば、凝集促進壁の壁面に沿ったガスの流れが生じる。この現象はコアンダ効果と称呼される現象に依ると考えられる。凝集促進壁の壁面は、ブローバイガス通路の中心軸側からガス通路構成部材の内壁面に次第に近づく。従って、この凝集促進壁により、ブローバイガス通路の中心軸側からガス通路構成部材の内壁面に向う穏やかなガスの流れが生じる。更に、小粒径オイルミストは、大粒径ミストに比較して、その体積(質量)に対する表面積の比が大きいのでこの穏やかなガスの流れに乗り易い。その結果、ブローバイガスに含まれる小粒径オイルミストを優先的にガス通路構成部材の内壁面側に容易に且つ簡単な構成で集中させることができる(図3を参照。)。
本発明装置の他の態様において、
前記ガス通路構成部材の少なくとも一部は同一部が構成する前記ブローバイガス通路の中心軸が曲線となる曲線部を有するように構成されており、
前記凝集用誘導部材は、前記曲線部に設けられたガス捕捉壁である。
このガス捕捉壁は、
外壁面及び内壁面を有するとともにその断面が円弧状の板状部材からなり、
前記ガス通路構成部材の曲線部の内側に配置され、
前記ガス捕捉壁の外壁面の一の端部が前記ガス通路構成部材の曲線部の内壁面と前記中心軸と平行となるように接続され、
前記ガス捕捉壁の外壁面の前記一の端部と平行な他の端部が前記ガス通路構成部材の曲線部の内壁面と離隔し、
前記ガス捕捉壁の外壁面と前記ガス通路構成部材の曲線部の内壁面との距離が同曲線部の周方向において前記他の端部から前記一の端部に近づくほど小さくなる、
ように構成されている。
ブローバイガス通路の中心軸が曲線となるように構成されている部分(曲線部)におけるガス通路構成部材の内周側のガスの流速は、同曲線部における外周側のガスの流速よりも小さいので、ブローバイガス通路の周方向に二次流れが生じる。一方、小粒径オイルミストは、小粒径オイルミストの体積(質量)に対する表面積の比が大粒径オイルミストの体積(質量)に対する表面積の比よりも大きいことなどから、大粒径オイルミストに比較して流速の小さい二次流れに乗り易い。
従って、小粒径オイルミストは、ガス捕捉壁(の外壁面)とガス通路構成部材の内壁面との間に入り込んで集中する。換言すると、ガス捕捉壁により、小粒径オイルミストをガス通路構成部材の内壁面側に容易に且つ簡単な構成で集中させることができる(図4の(B)及び(C)を参照。)。
以上から、理解されるように、本発明によるブローバイガス還流装置におけるブローバイガス通路は、前記小粒径オイルミストの体積に対する表面積の比が前記大粒径オイルミストの体積に対する表面積の比よりも大きいことを利用して同小粒径オイルミストを所定の部位に集中させ且つ凝集させる凝集用誘導部材を備える、と言うこともできる。換言すると、本発明装置は、小粒径オイルミストをブローバイガス通路中の遅い流れに乗せてガス通路構成部材の内壁面側へと誘導して凝集させるとともに、大粒径オイルミストをブローバイガス通路中の早い流れに乗せて吸気通路へと優先的に還流させる装置である。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の各実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
図1は、本発明の第1実施形態に係るブローバイガス還流装置が適用された内燃機関の概略図である。 図2は、図1に示した第3ガス通路部に設けられた凝集用誘導部材を示す図であり、(A)は同第3ガス通路部を構成しているガス管の部分正面図、(B)は同ガス管の中心軸を通る平面にて同ガス管を切断した断面図、(C)は同ガス管を同中心軸に直交する平面にて切断した断面図((B)の1−1断面図)である。 図3は図2に示した凝集用誘導部材とガス管の部分拡大断面図である。 図4は、本発明の第2実施形態に係るブローバイガス還流装置の第3ガス通路部に設けられたガス捕捉壁を示す図であり、(A)は同第3ガス通路部を構成しているガス管の曲線部の部分正面図、(B)は同ガス管の中心軸に直交する平面にて同ガス管の曲線部を切断した断面図((A)の2−2断面図)、(C)は同ガス管を同中心軸を含む曲面にて同ガス管の曲線部を切断した断面図((B)の3−3断面図)である。 図5は、図4に示したガス捕捉壁の変形例を示す図である。 図6は、オイルミスト及びパティキュレートマターの変化の様子を示した概念図である。
以下、本発明の各実施形態に係る「内燃機関のブローバイガス還流装置」について図面を参照しながら説明する。本発明のブローバイガス還流装置が適用される内燃機関は、ピストン往復動型・直列・多気筒(4気筒)・ディーゼル機関である。但し、本発明は他の形式の機関にも適用することができる。
<第1実施形態>
(構成)
図1に示したように、本発明の第1実施形態に係るブローバイガス還流装置は内燃機関(機関)10に適用される。機関10は、機関本体部20、吸気通路部30及び排気通路部40を備えている。
機関本体部20は、クランクケース21、オイルパン22、シリンダブロック23及びシリンダヘッド部24を含んでいる。
クランクケース21は、クランクシャフト21aを回転可能に支持している。
オイルパン22は、クランクケース21の下方においてクランクケース21に固定されている。オイルパン22は、クランクケース21とともに、クランクシャフト21a及び潤滑油(オイル)OLを収容する空間(以下、「クランクケース室」とも称呼する。)を形成している。
シリンダブロック23は、クランクケース21の上方においてクランクケース21に固定されている。シリンダブロック23は、アルミニウム製であって、中空円筒状のシリンダ(シリンダボア)23aを複数個(4気筒分)備えている。シリンダ23aの内周には鋳鉄製のシリンダライナ23bが嵌入されている。
シリンダ23aにはピストン23cが収容されている。
ピストン23cは略円筒形であり、側面に複数のピストンリングを備えている。複数のピストンリングのうちの最も下方(クランクケース21側)のリングは、所謂「オイルリングOR」である。オイルリングORは、シリンダ23aの内壁(即ち、シリンダライナ23bの内壁)を摺動しながら同内壁の潤滑油(油膜)をクランクケース21側に掻き落とすようになっている。ピストン23cは、コネクティングロッド23dによってクランクシャフト21aに連結されている。ピストン23cの上面(頂面)はシリンダライナ23bの内壁面及びシリンダヘッド部24の下面と共に燃焼室CCを形成している。
シリンダヘッド部24は、シリンダブロック23の上方においてシリンダブロック23に固定されている。シリンダヘッド部24には、燃焼室CCに連通する吸気ポート、及び、燃焼室CCに連通する排気ポートが形成されている。吸気ポートは吸気弁により開閉される。吸気弁は、シリンダヘッド部24に収容された「図示しないインテークカムシャフトのカム」により駆動される。排気ポートは排気弁により開閉される。排気弁は、シリンダヘッド部24に収容された「図示しないエグゾーストカムシャフトのカム」により駆動される。シリンダヘッド部24は、シリンダヘッドカバー24aにより覆われている。更に、シリンダヘッド部24内には図示しない燃料噴射弁が備えられている。
吸気通路部30は、吸気管31、インタークーラー32及びターボチャージャ60のコンプレッサ61を含んでいる。吸気管31は吸気ポートと接続されている。従って、吸気管31及び吸気ポートは吸気通路を構成している。
コンプレッサ61は吸気管31に介装されていて、吸入空気を圧縮するようになっている。インタークーラー32は、吸気管31であってコンプレッサ61よりも下流の位置に介装されていて、吸入空気を冷却するようになっている。
排気通路部40は、排気管41及びターボチャージャ60のタービン62を含んでいる。排気管41は排気ポートと接続されている。従って、排気管41及び排気ポートは排気通路を構成している。
タービン62は排気管41に介装されていて、排ガスにより回転されるようになっている。この結果、タービン62に連結されたコンプレッサ61が回転し、それによりターボチャージャ60は過給を行なうようになっている。
第1実施形態に係るブローバイガス還流装置50は、第1ガス通路部51と、第2ガス通路部52と、第3ガス通路部53と、を含む。
第1ガス通路部51はシリンダブロック23内に形成されている。第1ガス通路部51はクランクケース室をシリンダヘッド部24内の第2ガス通路部52に接続するようになっている。第2ガス通路部52は、シリンダヘッド部24内の所定の経路を通り、第3ガス通路部53の一端に接続されている。第3ガス通路部53は機関10本体の外部に設けられたガス管53aにより構成されている。第3ガス通路部53の他端は吸気管31であってコンプレッサ61よりも上流位置に接続されている。
第3ガス通路部53を構成するガス管53aは「ガス通路構成部材」とも称呼される。更に、第1ガス通路部51及び第2ガス通路部52を構成している「機関10(シリンダブロック23)の部分」もまた「ガス通路構成部材」である。ガス管53aは、直線部Aと曲線部(湾曲部分)Bとを含んでいる。ガス管53aの断面形状は実質的に円形である。
以上の構成により、燃焼室CCからクランクケース室に漏出したブローバイガスは、第1ガス通路部51、第2ガス通路部52及び第3ガス通路部53を通って吸気通路部30へと還流(流入)させられる。なお、第3ガス通路部53には図示しない周知のPCVバルブが備えられてもよい。
クランクシャフト21aは、実際には、クランクケースに回転可能に支持されたクランクジャーナルと、クランクピン、クランクアーム及びバランスウエイトと、を含んでいる。クランクピン、クランクアーム及びバランスウエイトは機関10が運転されているとき、高速で回転・運動する。更に、コネクティングロッド23dも機関10が運転されているとき、高速で運動する。従って、オイルリングORによりクランクケース室へと掻き落とされる潤滑油は、高速で回転・運動している部材(クランクピン、クランクアーム、バランスウエイト及びコネクティングロッド23d等)に落下しながら衝突して飛散する。更に、オイルパン22内の潤滑油OLもこれらの運動に伴って飛散する。加えて、ピストンリングとシリンダライナ23bの内壁面との間から燃焼室内のガスが噴出することによっても潤滑油が飛散する。よって、クランクケース室内に多量のオイルミスト(潤滑油の飛沫)が発生する。
図2の(A)及び(B)に拡大して示したように、第3ガス通路部53を構成するガス管53aの直線部Aには複数の凝集用誘導部材53bが配設されている。
凝集用誘導部材53bは、ガス管53aの中心軸CL(ブローバイガス通路の中心軸)を通る平面にてガス管53aを切断した断面図である図2の(B)に示したように、底面(下面)及び頂面(上面)が開放された中空の円錐台(コーン)状金属部材である。凝集用誘導部材53bのそれぞれは、図2の(B)に示したように、その中心軸がガス管53aの中心軸CLに一致するように、且つ、ブローバイガスの流れ方向に沿って次第に拡径するように、ガス管53a内に配置されている。
換言すると、凝集用誘導部材53bは、ブローバイガス通路におけるブローバイガスの流れ方向(図2の(B)の矢印を参照。)に沿って「ブローバイガス通路(第3ガス通路53の直線部)の中心軸CLからそのガス通路構成部材であるガス管53aの内壁面に向けて次第に近づく凝集促進壁」であると表現することもできる。更に、凝集用誘導部材53bの側壁外周部と中心軸CLとの距離(即ち、外径)の最大値は、ガス管53a内壁と中心軸CLとの距離よりも小さい。複数の凝集用誘導部材53bは、一つの凝集用誘導部材53bの底面が、その一つの凝集用誘導部材53bに隣接する他の一つの凝集用誘導部材53bの頂面と同一平面内に存在するように配置されている。図2の(C)(中心軸CLに直交する平面にてガス管53aを切断した断面図)に示したように、凝集用誘導部材53bのそれぞれは、4本の円柱状支持部材53cによりガス管53aに保持・固定されている。
(作用)
以上のように構成されたブローバイガス還流装置50において、「直線部Aにおけるガス管53aの内壁近傍におけるガスの流速」は「ガス管53aの中心軸CL近傍におけるガスの流速」よりも小さくなる(これは、ガス管53aの内壁近傍のレイノルズ数が小さいためと考えられる)。このため、ガス管53aの直線部Aにおける部分拡大図である図3に示したように、凝集用誘導部材53bの壁面(凝集促進壁の壁面)に沿ったガスの流れが生じる(矢印Y1を参照。)。即ち、ガス管53aの中心軸CLからガス管53aの内壁に向かう流れが生じる。この現象はコアンダ効果と称呼される現象に依ると考えられる。
この流れにより、ブローバイガスとともにガス管53a内を流れる「小粒径オイルミストSOM及び大粒径オイルミストLOM」のうちの小粒径オイルミストSOMが、凝集用誘導部材53bの壁面に沿ったガスの流れ(流速の小さいガスの流れ)Y1に乗ってガス管53aの内壁面側へと誘導される。これは、小粒径オイルミストSOMの体積(質量)に対する表面積の比が大粒径オイルミストLOMの体積(質量)に対する表面積の比よりも大きいことに依る(即ち、小粒径オイルミストSOMの受ける空気抵抗が大粒径オイルミストLOMの受ける空気抵抗よりも大きいことに依る)と考えられる。
更に、ガス管53aの内壁面側へ誘導された小粒径オイルミストSOMは、小粒径オイルミストSOM同士の衝突により凝集する。加えて、ガス管53aの内壁面側へ誘導された小粒径オイルミストSOMは、ガス管53aの内壁への衝突によっても凝集する。その結果、小粒径オイルミストSOMは、凝集用誘導部材53bの壁面及び/又はガス管53aの内壁面に付着して付着物DPとなる。一方、大粒径オイルミストLOMは流速の大きい部分、即ち、ガス管53aの中心軸CLの近傍を流れるので、そのまま吸気通路へと還流される(矢印Z1を参照。)。
従って、吸気通路に流入する小粒径オイルミストSOMの数が減少するので、吸気通路構成部材(特に、コンプレッサ61のディフューザ等)に付着するデポジットの量(デポジットの堆積量)を低減することができる。同時に、吸気通路に流入する大粒径オイルミストLOMの数は大きくは減少しないので、吸気通路構成部材に付着したデポジットを洗浄することができる(図6の(E)を参照。)。以上から、ブローバイガス還流装置50は、吸気通路構成部材のデポジット堆積量を減少することができる。
<第2実施形態>
(構成)
本発明の第2実施形態に係るブローバイガス還流装置は上述した内燃機関10に適用される。更に、このブローバイガス還流装置70は、図4に示したように、凝集用誘導部材としてガス捕捉壁71を備える点においてのみ、ブローバイガス還流装置50と相違している。従って、以下、この相違点を中心として説明する。
このガス捕捉壁71は、図1及び図4の(A)に示したように、ガス管53aの曲線部(ブローバイガス通路の中心軸が曲線となっている図1の領域Bを参照。)に設けられている。ガス捕捉壁71は、図4に示したように、以下の特徴を備える。
・ガス捕捉壁71は、外壁面71a及び内壁面71bを有する板状部材である。
・ガス捕捉壁71は、断面が円弧状である。
・ガス捕捉壁71の円弧の曲率はガス管53aの内壁の曲率よりも小さい。
即ち、ガス捕捉壁71は、上面及び下面が開放し且つ断面が円形であって中心軸が曲線に沿っている管を、その管の中心軸と平行な面にて切断して得られる部分である。
・ガス捕捉壁71は、ガス管53aの曲線部B(少なくとも一部)の内側に配置されている。
・ガス捕捉壁71は、「外壁面71aの一の端部71a1」が「ガス管53aの曲線部B(少なくとも一部)の内壁面」に、ガス管53aの中心軸CLと平行となるように接続(固定)されている。
・ガス捕捉壁71は、「外壁面71aの一の端部71a1と平行な他の端部71a2」がガス管53aの曲線部B(少なくとも一部)の内壁面」と離隔している。
・ガス捕捉壁71の外壁面71aとガス管53aの曲線部B(少なくとも一部)の内壁面との距離Lは、ガス管53aの周方向に沿って(即ち、二次流れの向きに沿って)次第に小さくなる(図4の(B)を参照。)。
・ガス捕捉壁71はガス管53aの周方向において互いにオーバーラップすることがないように複数(図4においては3個)設けられている。
(作用)
ガス管53aの曲線部Bにおいては、図4の(A)に破線の矢印により示したように、ガス管53aの周方向に二次流れが生じている。これは、ガス管53aの曲線部Bにおける内周側のブローバイガスの流速vinが曲線部Bにおける外周側のブローバイガスの流速voutよりも小さいことに依る。一方、小粒径オイルミストSOMは、小粒径オイルミストSOMの体積に対する表面積の比が大粒径オイルミストLOMの体積に対する表面積の比よりも大きいことなどから、大粒径オイルミストLOMに比較して、流速の小さい二次流れに乗り易い。
従って、小粒径オイルミストSOMは図4の(B)及び(C)に示したように、ガス捕捉壁71の外壁面71aとガス管53aの内壁面との間に入り込み、「小粒径オイルミストSOM同士の衝突」と、「小粒径オイルミストSOMと外壁面71aとの衝突、及び、小粒径オイルミストSOMとガス管53aの内壁面との衝突」等により凝集する。その結果、小粒径オイルミストSOMは外壁面71a及びガス管53aの内壁面に付着物DPとして付着する。一方、大粒径オイルミストLOMは流速の大きい部分、即ち、ガス管53aの中心軸CLの近傍を流れるので、そのまま吸気通路へと還流される。
従って、吸気通路に流入する小粒径オイルミストSOMの数が減少するので、吸気通路構成部材に付着するデポジットの量(デポジットの堆積量)を低減することができる。同時に、吸気通路に流入する大粒径オイルミストLOMの数は大きくは減少しないので、吸気通路構成部材に付着したデポジットを洗浄することができる(図6の(E)を参照。)。以上から、ブローバイガス還流装置70は、吸気通路構成部材のデポジット堆積量を減少することができる。
以上、説明したように、本発明の各実施形態に係るブローバイガス還流装置はブローバイガス通路を構成するガス通路構成部材(53a)を備える。更に、そのガス通路構成部材(53a)は、ブローバイガスに含まれる小粒径オイルミストがガス通路構成部材(53a)の内壁面に大粒径オイルミストに比較してより多く付着するように、小粒径オイルミストをガス通路構成部材(53a)の内壁面側に集中させ且つ凝集させる凝集用誘導部材(53b、71)を備える。従って、吸気通路構成部材に付着するデポジットの量を低減することができる。更に、上記各実施形態において、ブローバイガス通路(53)が、小粒径オイルミストの体積に対する表面積の比が大粒径オイルミストの体積に対する表面積の比よりも大きいことを利用して、小粒径オイルミストを所定の部位(ガス管53aの内壁近傍)に集中させて凝集させる凝集用誘導部材を備えていると言うこともできる。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、ガス管53aの断面形状(内壁の形状)は円形に限らず、楕円形、長円形及び多角形であってもよい。また、凝集用誘導部材53bは、第1ガス通路部51(の直線部分)及び第2ガス通路部52(の直線部分)に設けられてもよい。同様に、ガス捕捉壁71は、第1ガス通路部51(の曲線部分)及び第2ガス通路部52(の曲線部分)に設けられてもよい。更に、凝集用誘導部材53bは、中空の円錐台状である必要はなく、例えば、その円錐台をその円錐台の中心軸を通る2つの平面にて切断した形状を有していてもよい。加えて、第2実施形態におけるガス捕捉壁71は、図5に示した断面形状(ガス捕捉壁71の外壁面71aとガス管53aの曲線部Bの内壁面との距離Lが周方向における一の向きに沿って次第に小さくなる壁71Lと、距離Lが周方向における一の向きと反対の向きに沿って次第に小さくなる壁71Rと、を備える形状)を有していてもよい。
また、本発明のブローバイガス還流装置は、凝集用誘導部材として、凝集促進壁53b及びガス捕捉壁71の双方を備えることもできる。更に、本発明はターボチャージャを備えない機関にも当然に適用され得る。
10…内燃機関、20…機関本体部、21…クランクケース、21a…クランクシャフト、22…オイルパン、23…シリンダブロック、23a…シリンダ、23c…ピストン、24a…シリンダヘッドカバー、30…吸気通路部、31…吸気管、40…排気通路部、41…排気管、50…ブローバイガス還流装置、51…第1ガス通路部、52…第2ガス通路部、53…第3ガス通路部、53a…ガス管、53b…凝集用誘導部材、60…ターボチャージャ、61…コンプレッサ、62…タービン、LOM…大粒径オイルミスト、SOM…小粒径オイルミスト、PM…パティキュレートマター。

Claims (4)

  1. 内燃機関のクランクケース内のブローバイガスを、前記クランクケース内に発生している小粒径オイルミスト及び同小粒径オイルミストよりも粒径の大きい大粒径オイルミストとともに、ブローバイガス通路を通して前記機関の吸気通路へ還流させる内燃機関のブローバイガス還流装置において、
    前記ブローバイガス通路を構成するガス通路構成部材が、
    前記小粒径オイルミストが前記ガス通路構成部材の内壁面に前記大粒径オイルミストに比較してより多く付着するように、前記小粒径オイルミストを前記ガス通路構成部材の内壁面側に集中させ且つ凝集させる凝集用誘導部材を備えることを特徴とするブローバイガス還流装置。
  2. 請求項1に記載のブローバイガス還流装置において、
    前記凝集用誘導部材は、前記ブローバイガス通路における前記ブローバイガスの流れ方向に沿って同ブローバイガス通路の中心軸側から前記ガス通路構成部材の内壁面に次第に近づく凝集促進壁であるブローバイガス還流装置。
  3. 請求項1に記載のブローバイガス還流装置において、
    前記ガス通路構成部材の少なくとも一部は同一部が構成する前記ブローバイガス通路の中心軸が曲線となる曲線部を有するように構成されており、
    前記凝集用誘導部材は、前記曲線部に設けられたガス捕捉壁であり、
    前記ガス捕捉壁は、
    外壁面及び内壁面を有するとともにその断面が円弧状の板状部材からなり、
    前記ガス通路構成部材の曲線部の内側に配置され、
    前記ガス捕捉壁の外壁面の一の端部が前記ガス通路構成部材の曲線部の内壁面と前記中心軸と平行となるように接続され、
    前記ガス捕捉壁の外壁面の前記一の端部と平行な他の端部が前記ガス通路構成部材の曲線部の内壁面と離隔し、
    前記ガス捕捉壁の外壁面と前記ガス通路構成部材の曲線部の内壁面との距離が同曲線部の周方向において前記他の端部から前記一の端部に近づくほど小さくなる、
    ように構成されているブローバイガス還流装置。
  4. 内燃機関のクランクケース内のブローバイガスを、前記クランクケース内に発生している小粒径オイルミスト及び同小粒径オイルミストよりも粒径の大きい大粒径オイルミストとともに、ブローバイガス通路を通して前記機関の吸気通路へ還流させる内燃機関のブローバイガス還流装置において、
    前記ブローバイガス通路は、前記小粒径オイルミストの体積に対する表面積の比が前記大粒径オイルミストの体積に対する表面積の比よりも大きいことを利用して同小粒径オイルミストを所定の部位に集中させ且つ凝集させる凝集用誘導部材を備えたブローバイガス還流装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017193963A (ja) * 2016-04-18 2017-10-26 株式会社豊田自動織機 ブローバイガス還流装置
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