JP2014202162A - スクロール型流体機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で、耐久性、潤滑性、及び回転駆動力の伝達性能を向上し、更には小型・軽量化を実現したクランク機構により、生産性と信頼性の高いスクロール型流体機械を提供する。【解決手段】主軸部12、駆動軸部56、並びに大径軸部10を有する回転軸8と、該回転軸とクランク機構34を構成するブッシュ52と、大径軸部においては第1軸受部材を介して回転軸を回転自在に支持するハウジングと、ブッシュが第2軸受部材を介して嵌入されるボスを有し、固定スクロールと可動スクロールとを備え、駆動軸部は主軸部及び大径軸部と同じ軸線Lを有し、貫通孔64はブッシュの軸線Lbの偏心位置に設けられ、貫通孔の内周面64aと駆動軸部の外周面56bとは駆動軸部の回転駆動力をブッシュに偏心して伝達する係合面部66を形成する。【選択図】図2
Description
本発明は、スクロール型流体機械(圧縮機又は膨張機)に係り、詳しくは、車両用空調装置やヒートポンプ装置に組み込まれて好適なスクロール型流体機械に関する。
この種のスクロール型流体機械は、駆動ユニットである電動モータの回転駆動力を被駆動ユニットであるスクロールユニットにクランク機構を介して伝達するものが知られている。
そして、前記回転軸は、電動機やエンジンからの動力を受ける主軸(主軸部)と、主軸の上端側に回転軸に対して偏心して配置されたクランク軸(駆動軸部)とを含み、このクランク軸は、主軸の上端に形成されたクランクピンと、このクランクピンに対して着脱自在に取り付けられるブッシュとを備え、これらクランクピンとブッシュとの間に、これらを互いに係止するための係止手段を設けたスクロール型圧縮機が開示されている(例えば特許文献1)。
そして、前記回転軸は、電動機やエンジンからの動力を受ける主軸(主軸部)と、主軸の上端側に回転軸に対して偏心して配置されたクランク軸(駆動軸部)とを含み、このクランク軸は、主軸の上端に形成されたクランクピンと、このクランクピンに対して着脱自在に取り付けられるブッシュとを備え、これらクランクピンとブッシュとの間に、これらを互いに係止するための係止手段を設けたスクロール型圧縮機が開示されている(例えば特許文献1)。
また、前記主軸の大径部の先端面に、駆動ピン(駆動軸部)と異なるピンを設けるとともに、前記ブッシュにこのピンを受ける円弧状の溝を設けたスクロール型圧縮機が開示されている(例えば特許文献2)
前述した特許文献1のクランク軸は、主軸に対し同心に形成される場合があるものの、クランクピンとブッシュとは係止手段としての連結ピンで行われ、別部材を要するため、クランク機構の製造コストが増大するおそれがある。
また、クランクピンよりも小径の別部材である連結ピンに、クランク機構の作動時における負荷(曲げ応力や摩擦力)が集中的に繰り返し作用するため、クランク機構の強度、ひいては耐久性が低下するおそれもある。
また、クランクピンよりも小径の別部材である連結ピンに、クランク機構の作動時における負荷(曲げ応力や摩擦力)が集中的に繰り返し作用するため、クランク機構の強度、ひいては耐久性が低下するおそれもある。
また、クランク機構に連結ピンを用いた場合には、クランク軸に対するブッシュの偏心回転量(スイング量)の遊びを設定するのが困難であり、クランク機構の調整を高精度に行うことができない。
一方、特許文献2においては、クランクピンと異なるピンをブッシュの円弧状の溝に挿入することにより、クランク軸に対するブッシュの偏心回転量の遊びを設定可能であるが、別部材であるクランクピンを要することには変わりなく、クランクピンとは別のピンをも要し、更にはこのピンが挿入される円弧状溝の形成が必要であり、クランクピンのオフセット量やクランクピン径に大幅な制約を受けるため、クランク機構の作動に伴う衝撃を効果的に緩衝することができない。従って、クランク機構の作動に伴い振動及び騒音の抑制が困難であった。
一方、特許文献2においては、クランクピンと異なるピンをブッシュの円弧状の溝に挿入することにより、クランク軸に対するブッシュの偏心回転量の遊びを設定可能であるが、別部材であるクランクピンを要することには変わりなく、クランクピンとは別のピンをも要し、更にはこのピンが挿入される円弧状溝の形成が必要であり、クランクピンのオフセット量やクランクピン径に大幅な制約を受けるため、クランク機構の作動に伴う衝撃を効果的に緩衝することができない。従って、クランク機構の作動に伴い振動及び騒音の抑制が困難であった。
本発明は前述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、簡単な構成で、製造コストを低減しながら、強度、耐久性、潤滑性、及び回転駆動力の伝達性能を向上し、更には小型化及び軽量化を実現したクランク機構により、生産性及び信頼性の高いスクロール型流体機械を提供することにある。
上記の目的を達成するべく、請求項1記載の本発明のスクロール型流体機械は、駆動ユニットにより回転駆動される一端側の主軸部、他端側の駆動軸部、並びに主軸部と駆動軸部との間に位置する大径軸部を有する回転軸と、駆動軸部が嵌入される貫通孔を有し、回転軸とクランク機構を構成するブッシュと、主軸部にて軸シール部材を介し、大径軸部においては第1軸受部材を介して回転軸を回転自在に支持するハウジングと、ハウジングに固定される固定スクロールと、ブッシュが第2軸受部材を介して嵌入されるボスを有し、回転軸の回転駆動に伴い固定スクロールに対し公転旋回し、固定スクロールと協働して潤滑油を含む作動流体の作動室を形成する可動スクロールとを備え、駆動軸部は主軸部及び大径軸部と同じ軸線を有し、貫通孔はブッシュの軸線の偏心位置に設けられ、貫通孔の内周面と駆動軸部の外周面とは駆動軸部の回動駆動力をブッシュに偏心して伝達する係合面部を形成する。
請求項2記載の発明では、係合面部は、駆動軸部の外周面に駆動軸部の軸線方向に沿って軸径内方に凹設された凹面部と、貫通孔の内周面にブッシュの軸線方向に沿って孔径外方に凸設された凸面部とからなる。
請求項3記載の発明では、係合面部は、駆動軸部及びブッシュの軸周方向に凹面部及び凸面部が相補する円弧形状をなす。
請求項3記載の発明では、係合面部は、駆動軸部及びブッシュの軸周方向に凹面部及び凸面部が相補する円弧形状をなす。
請求項4記載の発明では、凸面部は、ブッシュの軸周方向に係合面部に連続した円弧形状の回動許容面を有する。
請求項5記載の発明では、ブッシュの軸線方向における係合面部の長さが該軸線方向におけるブッシュの高さよりも短い。
請求項6記載の発明では、ブッシュには作動室の形成に伴い作動流体の作動反力が作用し、係合面部は、作動反力を凹面部の接線方向に分解した分力が可動スクロールの旋回半径を増加する方向に作用する向きに位置付けられる。
請求項5記載の発明では、ブッシュの軸線方向における係合面部の長さが該軸線方向におけるブッシュの高さよりも短い。
請求項6記載の発明では、ブッシュには作動室の形成に伴い作動流体の作動反力が作用し、係合面部は、作動反力を凹面部の接線方向に分解した分力が可動スクロールの旋回半径を増加する方向に作用する向きに位置付けられる。
請求項7記載の発明では、ブッシュは、その外周面にカウンタウェイト部を一体に有し、第2軸受部材はすべり軸受であり、ブッシュの本体は、鉄を主成分とする焼結金属により成形され、カウンタウェイト部は、鉄を主成分とする焼結金属に密度向上措置を施して成形される。
請求項8記載の発明では、カウンタウェイト部は、駆動軸部が挿入される側のブッシュの本体の端面と面一に形成される。
請求項8記載の発明では、カウンタウェイト部は、駆動軸部が挿入される側のブッシュの本体の端面と面一に形成される。
請求項9記載の発明では、駆動軸部は、大径軸部との境界となる根元において拡径された凸段差部と、貫通孔から突出した駆動軸部に係合されるとともに貫通孔よりも大径の係合部材とを有し、ブッシュは、駆動軸部が嵌入される側のブッシュの本体の端面に、ブッシュの外周面よりも内側に凹設されるとともに凸段差部が摺動される凹段差部を有する。
請求項10記載の発明では、大径軸部は、その軸線方向に凹面部から主軸部の外周面に連なるように貫通されるとともに潤滑油が流れる第1潤滑孔を有する。
請求項10記載の発明では、大径軸部は、その軸線方向に凹面部から主軸部の外周面に連なるように貫通されるとともに潤滑油が流れる第1潤滑孔を有する。
請求項11記載の発明では、ブッシュは、その軸線方向に凸面部に近接した内方位置において貫通されるとともに潤滑油が流れる第2潤滑孔を有する。
請求項12記載の発明では、回転軸の軸径は、大径軸部、駆動軸部、主軸部の順に大きい。
請求項12記載の発明では、回転軸の軸径は、大径軸部、駆動軸部、主軸部の順に大きい。
請求項1記載の本発明のスクロール型流体機械によれば、駆動軸部は主軸部及び大径軸部と同じ軸線を有し、貫通孔はブッシュの軸線の偏心位置に設けられ、貫通孔の内周面と駆動軸部の外周面とは駆動軸部の回動駆動力をブッシュに偏心して伝達する係合面部を形成する。これにより、主軸部に対する駆動軸部の偏心加工を要することなく、また、駆動軸部とブッシュとを連結する連結ピン等の別部材を要することがないため、クランク機構の製造コストを大幅に低減することができる。
また、クランク機構にクランクピンよりも小径の別部材である連結ピンを要しないことにより、クランク機構の作動時における負荷(曲げ応力や摩擦力)が連結ピンに集中的に繰り返し作用することが回避され、クランク機構の強度、ひいては耐久性を大幅に向上することができる。
また、駆動軸部からブッシュへの回転駆動力の伝達を係合面部において面接触による係合で行うことにより、特許文献2に示す構造に比して、駆動軸部に対するブッシュの偏心回転量(スイング量)の遊びを容易に設定可能である。従って、クランク機構の調整を高精度に行うことができるため、クランク機構の作動に伴う衝撃を効果的に緩衝することができ、ひいてはクランク機構の振動及び騒音を低減しながら、クランク機構の回転駆動力の伝達性能を大幅に向上することができる。
また、駆動軸部からブッシュへの回転駆動力の伝達を係合面部において面接触による係合で行うことにより、特許文献2に示す構造に比して、駆動軸部に対するブッシュの偏心回転量(スイング量)の遊びを容易に設定可能である。従って、クランク機構の調整を高精度に行うことができるため、クランク機構の作動に伴う衝撃を効果的に緩衝することができ、ひいてはクランク機構の振動及び騒音を低減しながら、クランク機構の回転駆動力の伝達性能を大幅に向上することができる。
請求項2記載の本発明によれば、具体的には、係合面部は、駆動軸部の外周面に駆動軸部の軸線方向に沿って軸径内方に凹設された凹面部と、貫通孔の内周面にブッシュの軸線方向に沿って孔径外方に凸設された凸面部とからなり、簡単な形状の面接触可能な係合面部が形成される。
請求項3記載の本発明によれば、具体的には、係合面部は、駆動軸部及びブッシュの軸周方向に凹面部及び凸面部が相補する円弧形状をなし、簡単な形状の面接触となる係合面部が形成される。
請求項3記載の本発明によれば、具体的には、係合面部は、駆動軸部及びブッシュの軸周方向に凹面部及び凸面部が相補する円弧形状をなし、簡単な形状の面接触となる係合面部が形成される。
請求項4記載の本発明によれば、凸面部は、ブッシュの軸周方向に係合面部に連続した円弧形状の回動許容面を有する。駆動軸部56が貫通孔64に遊嵌され、貫通孔64に対する駆動軸部56の回動が許容される。これにより、凸面部における回動許容面の領域を調整することで、駆動軸部に対するブッシュの偏心回転量の遊びを容易に設定可能であり、クランク機構の調整を高精度に行うことができる。従って、クランク機構の振動及び騒音を低減しながら、クランク機構の回転駆動力の伝達性能をより一層向上することができる。
請求項5記載の本発明によれば、ブッシュの軸線方向における係合面部の長さが該軸線方向におけるブッシュの高さよりも短いことにより、可動スクロールのボスに第2軸受部材を介して嵌入されるブッシュが係合面部の係合面の幅全体で接触するようにして傾斜可能となり、クランク機構の耐久性を向上することができる。
請求項6記載の本発明によれば、ブッシュには作動室の形成に伴い作動流体の作動反力が作用し、係合面部は、作動反力を凹面部の接線方向に分解した分力が可動スクロールの旋回半径を増加する方向に作用する向きに位置付けられる。これにより、作動反力を凹面部の接線方向に分解した分力を可動スクロールの旋回半径、すなわちクランク機構のクランク半径を増加する方向に作用させることにより、可動スクロールの渦巻壁が固定スクロールの渦巻壁と好適に接触して作動室のシール性が高まる。また、生産上のばらつき等の理由により可動スクロールと固定スクロールとの噛み合いに相対的なズレが生じたとしても、作動室のシール性を確保することができ、スクロール型流体機械の性能及び生産性を向上することができる。
請求項7記載の本発明によれば、ブッシュは、その外周面にカウンタウェイト部を一体に有し、第2軸受部材はすべり軸受であり、ブッシュの本体は、鉄を主成分とする焼結金属により成形され、カウンタウェイト部は、鉄を主成分とする焼結金属に密度向上措置を施して成形される。特に第2軸受部材をすべり軸受とした場合には、焼結金属は、すべり軸受に対し耐摩耗性を有し、要求される加工精度を無切削で実現できることから、ブッシュを低コストで成形可能である。また、焼結金属のポーラス空間に潤滑油を含浸させることにより、すべり軸受の摺動面の潤滑性能をも向上可能であり、クランク機構の耐久性を飛躍的に向上することができる。
また、カウンタウェイト部に密度向上措置を施した成形を行うことにより、ブッシュ全体におけるカウンタウェイト部の重量比及び強度を高めることができるため、カウンタウェイト部、ブッシュ、ひいてはクランク機構の小型化及び軽量化を実現可能である。
請求項8記載の本発明によれば、カウンタウェイト部は駆動軸部が挿入される側のブッシュの端面と面一に形成されることにより、ブッシュの形状の複雑化を回避し、ブッシュを成形加工する際の金型を簡素化することができる。また、カウンタウェイト部を焼結金属で成形することと相俟ってカウンタウェイト部をブッシュの端面と面一にすることによりブッシュの生産性向上を図ることができるため、ブッシュ、ひいてはクランク機構の製造コストをより一層低減することができる。
請求項8記載の本発明によれば、カウンタウェイト部は駆動軸部が挿入される側のブッシュの端面と面一に形成されることにより、ブッシュの形状の複雑化を回避し、ブッシュを成形加工する際の金型を簡素化することができる。また、カウンタウェイト部を焼結金属で成形することと相俟ってカウンタウェイト部をブッシュの端面と面一にすることによりブッシュの生産性向上を図ることができるため、ブッシュ、ひいてはクランク機構の製造コストをより一層低減することができる。
請求項9記載の本発明によれば、駆動軸部は凸段差部を有し、ブッシュは凸段差部が摺動される凹段差部を有することにより、応力集中が生じやすい駆動軸部の根元の強度を高めることができるとともに、貫通孔から突出した駆動軸部に係合される係合部材と協働して、駆動軸部に対するブッシュのがたつきを効果的に抑制することができる。従って、クランク機構の振動及び騒音を低減しながらクランク機構の耐久性をより一層高めることができる。
請求項10記載の本発明によれば、大径軸部に第1潤滑孔を形成することにより、クランク機構を潤滑するための潤滑油を第1潤滑孔から主軸部側に流通させることができる。従って、潤滑油の流動性を高めることができるため、係合面部、第1及び第2軸受部材、及び軸シール部材の潤滑性を高め、クランク機構の振動及び騒音を低減しながら、スクロール型流体機械の信頼性をより一層向上することができる。
また、第1潤滑孔は軸線方向に凹面部から主軸部の外周面に連なるように貫通され、凹面部及び第1潤滑孔の形成を一括加工で行うことができるため、回転軸のバランス調整や軽量化を容易に図りながら、クランク機構の生産性を向上し、その製造コストを更に低減することができる。
請求項11記載の本発明によれば、ブッシュに第2潤滑孔を形成することにより、クランク機構を潤滑するための潤滑油を第2潤滑孔を経て主軸部側に流通させることができる。また、第2潤滑孔を第1潤滑孔と連通する位置に形成すれば、一貫の潤滑油流路を形成可能である。従って、潤滑油の流動性を更に高めることができるため、係合面部の耐摩耗性を更に高め、クランク機構の振動及び騒音を低減しながら、スクロール型流体機械の信頼性をより一層向上することができる。
請求項11記載の本発明によれば、ブッシュに第2潤滑孔を形成することにより、クランク機構を潤滑するための潤滑油を第2潤滑孔を経て主軸部側に流通させることができる。また、第2潤滑孔を第1潤滑孔と連通する位置に形成すれば、一貫の潤滑油流路を形成可能である。従って、潤滑油の流動性を更に高めることができるため、係合面部の耐摩耗性を更に高め、クランク機構の振動及び騒音を低減しながら、スクロール型流体機械の信頼性をより一層向上することができる。
また、第2潤滑孔の形成によりブッシュを減肉することができるため、ブッシュの軽量化を図ることができるとともに、ブッシュにおけるカウンタウェイト部の重量比率を高めることができるため、カウンタウェイト部を大きくしなくともクランク機構の作動バランスを容易に調整可能である。
また、第2潤滑孔の存在によって凸面部の内方側に凸面部の弾性変形が許容されるため、凹面部に対する凸面部の接触面圧の異常な増大を防止することもでき、ひいては係合面部の耐摩耗性を更に高めることができる。
また、第2潤滑孔の存在によって凸面部の内方側に凸面部の弾性変形が許容されるため、凹面部に対する凸面部の接触面圧の異常な増大を防止することもでき、ひいては係合面部の耐摩耗性を更に高めることができる。
請求項12記載の本発明によれば、回転軸の軸径が大径軸部、駆動軸部、主軸部の順に大きいことにより、主軸部よりも小径の連結ピンを用いる場合に比して、駆動軸部の強度を向上することができるとともに、係合面部における面接触面積を大きく確保することができる。また、大径軸部の軸径が大きいことにより、十分な大きさの第1潤滑孔を形成可能である。
また、主軸部は、回転駆動力のトルク伝達性能を確保可能な限り小径であることが主軸部のシール確保及び軽量化のために望ましい。
以下、図面により本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る圧縮機を示す。当該圧縮機1は横置きタイプのスクロール型圧縮機であって、車両の空調システムの冷凍回路に組み込まれている。圧縮機1は潤滑油を含む冷媒を吸入し、圧縮した後に吐出する。この冷媒中の潤滑油は圧縮機1内の軸受や種々の摺動面を潤滑する他、摺動面のシールする機能をも発揮する。
図1は、本実施形態に係る圧縮機を示す。当該圧縮機1は横置きタイプのスクロール型圧縮機であって、車両の空調システムの冷凍回路に組み込まれている。圧縮機1は潤滑油を含む冷媒を吸入し、圧縮した後に吐出する。この冷媒中の潤滑油は圧縮機1内の軸受や種々の摺動面を潤滑する他、摺動面のシールする機能をも発揮する。
上記圧縮機1はリアハウジング2及びフロントハウジング(ハウジング)4を備え、リアハウジング2とフロントハウジング4との間にはスクロールユニット6が配置されている。
フロントハウジング4内には回転軸8が水平配置され、この回転軸8はスクロールユニット6側に位置した大径軸部10と、フロントハウジング4から突出した小径の主軸部12とを有する。大径軸部10は軸受(第1軸受部材)15を介してフロントハウジング4に回転自在に支持され、主軸部12は軸シール(軸シール部材)16を介してフロントハウジング4に回転自在に支持されている。
フロントハウジング4内には回転軸8が水平配置され、この回転軸8はスクロールユニット6側に位置した大径軸部10と、フロントハウジング4から突出した小径の主軸部12とを有する。大径軸部10は軸受(第1軸受部材)15を介してフロントハウジング4に回転自在に支持され、主軸部12は軸シール(軸シール部材)16を介してフロントハウジング4に回転自在に支持されている。
主軸部12の突出端には電磁クラッチ18を内蔵した駆動プーリ20が取付けられており、この駆動プーリ20は軸受22を介してフロントハウジング4に回転自在に支持されている。駆動プーリ20には車両のエンジン(駆動ユニット)の回転駆動力が図示しない駆動ベルトを介して伝達され、駆動プーリ20の回転は電磁クラッチ18を介して回転軸8に伝達可能である。従って、エンジンの駆動中、電磁クラッチ18がオン作動されると、回転軸8は駆動プーリ20と一体的に回転し、エンジンの回転駆動力がスクロールユニット6に伝達される。
一方、スクロールユニット6は、リアハウジング2及びフロントハウジング4に挟持された固定スクロール24と、この固定スクロール24に対して噛み合うように組付けられた可動スクロール26とを備えている。固定及び可動スクロール24,26にはそれぞれ渦巻壁が対向して立設され、可動スクロール26は、回転軸8に回転駆動されることにより固定スクロール24に対し公転旋回し、固定スクロール24及び可動スクロール26の各渦巻壁が噛み合って協働することにより、その内部に潤滑油を含む冷媒の圧縮室(作動室)28が形成され、この圧縮室28の容積が固定スクロール24に対する可動スクロール26の公転旋回運動に伴い増減される。
前述した可動スクロール26に公転旋回運動を付与するため、可動スクロール26の基板30に凸設されたボス32と回転軸8とはクランク機構34を介して連結されている。また、基板30はフロントハウジング4に内設されたスラストプレート35に摺動可能に当接されている。
固定スクロール24はリアハウジング2に固定ボルト36を介して固定され、固定スクロール24とリアハウジング2における端壁38との間に吐出室40が形成されている。
固定スクロール24はリアハウジング2に固定ボルト36を介して固定され、固定スクロール24とリアハウジング2における端壁38との間に吐出室40が形成されている。
固定スクロール24は圧縮室28と吐出室40とを互いに連通させる吐出孔42を有し、吐出室40には吐出孔42を開閉する吐出弁44が配置され、この吐出弁44はストッパプレート46によってその開度が規制されている。
フロントハウジング4の外周壁4aには冷媒の吸入ポート48が形成され、吸入ポート48は前述した冷媒循環経路の復路に連通されている。また、フロントハウジング4には、フロントハウジング4と可動スクロール26との間に吸入室50が確保され、吸入室50は吸入ポート48に連通されている。一方、リアハウジング2の端壁38には図示しない吐出ポートが形成され、この吐出ポートは吐出室40に連通されている。
フロントハウジング4の外周壁4aには冷媒の吸入ポート48が形成され、吸入ポート48は前述した冷媒循環経路の復路に連通されている。また、フロントハウジング4には、フロントハウジング4と可動スクロール26との間に吸入室50が確保され、吸入室50は吸入ポート48に連通されている。一方、リアハウジング2の端壁38には図示しない吐出ポートが形成され、この吐出ポートは吐出室40に連通されている。
前述した圧縮機1によれば、回転軸8の回転に伴い、可動スクロール26が自転することなく旋回運動する。このような可動スクロール26の旋回運動は、吸入室50から圧縮室28内への冷媒の吸入行程や、吸入した冷媒の圧縮及び吐出行程をもたらし、この結果、高圧の冷媒が圧縮室28から吐出弁44を通じて吐出室40内に吐出される。ここで、冷媒には潤滑油が含まれているので、冷媒中の潤滑油はフロントハウジング4内の後述する軸受(第2軸受け部材、すべり軸受)14や、軸受15,軸シール16,スラストプレート35、及び可動スクロール26の各摺動面等を潤滑し、また、圧縮室28のシールにも寄与する。
ここで、図2〜図5に示すように、前述したクランク機構34は、回転軸8、ブッシュ52、止め輪(係合部材)54から構成され、前述した車両のエンジンの回転駆動力を駆動ベルト、駆動プーリ20、電磁クラッチ18、回転軸8を順次介した後、スクロールユニット6の可動スクロール26に伝達する。
回転軸8は、その軸線Lの方向に主軸部12とは反対側に大径軸部10から突出した駆動軸部56を有している。駆動軸部56は主軸部12及び大径軸部10に一体に形成され、主軸部12と駆動軸部56との間に大径軸部10が位置付けられている。駆動軸部56、大径軸部10、及び主軸部12は同一の軸線Lを有して形成され、回転軸8の軸径は大径軸部10、駆動軸部56、主軸部12の順に大きい。
回転軸8は、その軸線Lの方向に主軸部12とは反対側に大径軸部10から突出した駆動軸部56を有している。駆動軸部56は主軸部12及び大径軸部10に一体に形成され、主軸部12と駆動軸部56との間に大径軸部10が位置付けられている。駆動軸部56、大径軸部10、及び主軸部12は同一の軸線Lを有して形成され、回転軸8の軸径は大径軸部10、駆動軸部56、主軸部12の順に大きい。
主軸部12の先端面12a及び駆動軸部56の先端面56aには、それぞれ回転軸8の旋盤加工用のセンター穴58が軸線L上に形成され、駆動軸部56は一般的なクランクピンのように回転軸8の軸線Lから偏心していないため、回転軸8のワンチャック旋盤加工が可能である。また、センター穴58を拡径し、センター穴58を回転軸8の肉抜き孔としても利用すれば、回転軸8の軽量化が促進される。
駆動軸部56の先端面56a近傍における外周面56bには、その周方向に沿って環状の係合溝60が形成されている。係合溝60はクランク機構34を組み付けたときに貫通孔64から突出し、係合溝60には貫通孔64よりも大径となるC字形状の止め輪54が係合される。
また、駆動軸部56には大径軸部10との境界となる根元に、駆動軸部56の外周面56bの周方向に沿って駆動軸部56よりも拡径された凸段差部62が凸設されている。
また、駆動軸部56には大径軸部10との境界となる根元に、駆動軸部56の外周面56bの周方向に沿って駆動軸部56よりも拡径された凸段差部62が凸設されている。
ブッシュ52の本体は、その外周面52aが可動スクロール26のボス32にすべり軸受又は転がり軸受である軸受14を介して嵌入されることで可動スクロール26に連結される。ブッシュ52の本体は、例えば鉄を主成分とする焼結金属によって成形され、この場合には軸受14はすべり軸受であるのが好ましい。
図5に示すように、ブッシュ52には、回転軸8の軸線Lとは異なるブッシュ52の本体の軸線Lbから偏心した位置に、駆動軸部56が嵌入される貫通孔64が貫通されている。なお、軸線Lと軸線Lbとの離間距離が可動スクロール26の旋回半径Roに相当する。
図5に示すように、ブッシュ52には、回転軸8の軸線Lとは異なるブッシュ52の本体の軸線Lbから偏心した位置に、駆動軸部56が嵌入される貫通孔64が貫通されている。なお、軸線Lと軸線Lbとの離間距離が可動スクロール26の旋回半径Roに相当する。
そして、貫通孔64の内周面64aと駆動軸部56の外周面56bとは係合面部66を形成し、係合面部66は駆動軸部56の回動駆動力をブッシュ52に偏心して伝達する。
詳しくは、係合面部66は、駆動軸部56の外周面56bに軸線Lの方向に沿って軸径内方に凹設された凹面部68と、貫通孔64の内周面64aに軸線Lbの方向に沿って孔径外方に凸設された凸面部70とが面接触することにより構成される。
詳しくは、係合面部66は、駆動軸部56の外周面56bに軸線Lの方向に沿って軸径内方に凹設された凹面部68と、貫通孔64の内周面64aに軸線Lbの方向に沿って孔径外方に凸設された凸面部70とが面接触することにより構成される。
図5に示すように、係合面部66のブッシュ52の軸線Lの方向における長さL1は軸線Lの方向におけるブッシュ52の高さHよりも短く形成されている。また、駆動軸部56が嵌入される側のブッシュ52の本体の端面52bには、ブッシュ52の外周面52aよりも内側に凹段差部72が凹設されている。なお、凹段差部72を形成することによりブッシュ52の減肉となるため、ブッシュ52の軽量化が促進される。
そして、貫通孔64に駆動軸部56を嵌入し、ブッシュ52から突出した駆動軸部56の係合溝60に止め輪54を係合することで、ブッシュ52の凹段差部72が駆動軸部56の凸段差部62と接触する。こうして駆動軸部56からのブッシュ52の抜け止め措置が施されるとともにブッシュ52の軸方向の移動が規制される。
また、大径軸部10には、軸線Lの方向に凹面部68から主軸部12の外周面12bに連なるように第1潤滑孔74が貫通され、この第1潤滑孔74には冷媒から分離した潤滑油がフロントハウジング4内の軸受14,15、軸シール16、スラストプレート35、及び可動スクロール26の各摺動面等を潤滑する。
また、大径軸部10には、軸線Lの方向に凹面部68から主軸部12の外周面12bに連なるように第1潤滑孔74が貫通され、この第1潤滑孔74には冷媒から分離した潤滑油がフロントハウジング4内の軸受14,15、軸シール16、スラストプレート35、及び可動スクロール26の各摺動面等を潤滑する。
一方、ブッシュ52には、その外周面52aの凸面部70の凸方向にカウンタウェイト部76が一体に凸設されている。カウンタウェイト部76は、鉄を主成分とする焼結金属に銅溶浸等による密度向上措置を施した成形が行われ、カウンタウェイト部76のブッシュ52の駆動軸部56が嵌入される側の端面76aはブッシュ52の本体の端面52bと面一に形成される。なお、必ずしもカウンタウェイト部76の端面76aをブッシュ52の本体の端面52bと面一にする必要はないが、面一にすることにより金型構成の簡素化が可能である。
また、ブッシュ52には、ブッシュ52におけるカウンタウェイト部76の重量比を考慮してブッシュ52の本体の外周に沿って軸線Lの方向に肉抜き孔78が貫通され、また、凸面部70に近接した内方位置において軸線Lの方向に第2潤滑孔80が貫通されている。肉抜き孔78及び第2潤滑孔80は好ましくは第1潤滑孔74と連通する位置に設けられ、第1潤滑孔74と同様に、冷媒から分離した潤滑油がフロントハウジング4内の軸受14,15,軸シール16、スラストプレート35、及び可動スクロール26の各摺動面等を潤滑する際の流路としても利用される。
図6に示すように、係合面部66は、駆動軸部56及びブッシュ52の軸周方向に凹面部68及び凸面部70が相補する円弧形状をなして形成されている。また、凸面部70にはブッシュ52の軸周方向に係合面部66に連続した円弧形状の回動許容面82が係合面部66の両端に確保されている。これより係合面部66の軸周方向における円弧の周長さL2は凸面部70の軸周方向における円弧の周長さL3よりも短くなっている。
回動許容面82は、旋回半径Roが好ましくは、0.2m程度増加、あるいは0.2mm程度減少した状態で、ブッシュ52が回動したとしても、回動許容面82にブッシュ52が干渉しないように設けられている。また、凹面部68は凸面部70の円弧の略中央に位置付けられている。そして、この回動許容面82の存在により、駆動軸部56が貫通孔64に遊嵌され、貫通孔64に対して駆動軸部56の軸周方向における回動が許容される。
ここで、駆動軸部56において軸線Lが貫通する中心点Cと、ブッシュ52において軸線Lbが貫通する中心点Cbとを結ぶ軸をY軸とする。そして、中心点Cbを通過するとともにY軸に対して直交する軸をX軸とすると、凹面部68と凸面部70との接触中心点Caと中心点C1とを通過する線とX軸との交差角度がクランク機構34のアーム角θとして定義される。なお、接触中心点Caには、凹面部68と凸面部70とが軸線L方向に面接触する際に最も大きな荷重が加担される中心線Laが貫通する。
一方、圧縮室28の形成に伴い冷媒の圧縮反力(作動反力)Fが図6中の矢印方向に作用し、凹面部68には圧縮反力Fを凹面部68の接線方向に分解した分力Fdが作用する。分力Fdの作用方向は、駆動軸部56、ブッシュ52、ひいては可動スクロール26が旋回する旋回方向Doと同一の向きであり、換言すると、係合面部66はクランク機構34のクランク半径(すなわち旋回半径Ro)を増加する方向に作用する向きに位置付けられている。そして、前述した回動許容面82を確保することにより、アーム角θ、旋回半径Ro、分力Fd、ひいては固定スクロール24に対する可動スクロール26の押圧力の調整が可能となる。
以上のように、本実施形態では、駆動軸部56は主軸部12と同じ軸線Lを有し、貫通孔64はブッシュ52の軸線Lbの偏心位置に設けられ、前述した係合面部66を形成することにより、主軸部12に対する駆動軸部56の偏心加工を要することなく、また、駆動軸部56とブッシュ52とを連結する連結ピン等の別部材を要することがないため、クランク機構34の製造コストを大幅に低減することができる。
また、クランク機構34にクランクピンよりも小径の別部材である連結ピンを要しないことにより、クランク機構34の作動時における負荷(曲げ応力や摩擦力)が連結ピンに集中的に繰り返し作用することが回避され、クランク機構34の強度、ひいては耐久性を大幅に向上することができる。
また、駆動軸部56からブッシュ52への回転駆動力の伝達を係合面部66において面接触が可能な係合で行うことにより、特許文献2に示す構造に比して、駆動軸部56に対するブッシュ52の偏心回転量(スイング量)の遊びを容易に設定可能である。
また、駆動軸部56からブッシュ52への回転駆動力の伝達を係合面部66において面接触が可能な係合で行うことにより、特許文献2に示す構造に比して、駆動軸部56に対するブッシュ52の偏心回転量(スイング量)の遊びを容易に設定可能である。
具体的には、係合面部66は凹面部68と凸面部70とから構成され、凹面部68及び凸面部70が相補する円弧形状とすることにより、簡単な形状の面接触を実現し、更に凸面部70に回動許容面82を形成することにより、駆動軸部56が貫通孔64に遊嵌され、貫通孔64に対する駆動軸部56の回動が許容される。これにより、凸面部70における回動許容面82の領域を調整することで、駆動軸部56に対するブッシュ52の偏心回転量の遊びを容易に設定可能であり、クランク機構34の調整を高精度に行うことができ、クランク機構34の振動及び騒音、例えば電磁クラッチ18をオフにしたときの脱音等を低減しながら、クランク機構34の回転駆動力の伝達性能を向上することができる。
また、係合面部66は、そのブッシュ52の軸線Lb方向における長さL1が軸線Lb方向におけるブッシュ52の高さHよりも短いことにより、可動スクロール26のボス32に軸受14を介して嵌入されるブッシュ52が係合面部66の係合面の幅全体で接触するようにして傾斜可能となり、クランク機構34の耐久性を向上することができる。
また、ブッシュ52には圧縮室28の形成に伴い冷媒の圧縮反力Fが作用し、係合面部66は、圧縮反力Fを凹面部68の接線方向に分解した分力Fbが可動スクロール26の旋回半径Roを増加する方向に作用する向きに位置付けられる。これにより、圧縮反力Fを凹面部68の接線方向に分解した分力Fdを可動スクロール26の旋回半径Roを増加する方向、すなわちクランク機構34のクランク半径を増加する方向に作用させることにより、可動スクロール26の渦巻壁が固定スクロール24の渦巻壁と好適に接触して圧縮室28のシール性が高まる。また、生産上のばらつき等の理由により可動スクロール26と固定スクロール24との噛み合いに相対的なズレが生じたとしても、圧縮室28のシール性を確保することができ、圧縮機1の性能及び生産性を向上することができる。
また、ブッシュ52の外周面52aにカウンタウェイト部76を一体に有し、第2軸受部材はすべり軸受であり、ブッシュ52の本体は、軸受14を介して回転自在に支持されるとともに鉄を主成分とする焼結金属により成形され、カウンタウェイト部76は、鉄を主成分とする焼結金属に密度向上措置を施して成形される。焼結金属は、すべり軸受に対し耐摩耗性を有し、要求される加工精度を無切削で実現できることから、軸受14をすべり軸受とした場合には、ブッシュ52を低コストで成形可能である。また、焼結金属のポーラス空間に潤滑油を含浸させることにより、すべり軸受14の摺動面の潤滑性能をも向上可能であり、クランク機構34の耐久性を飛躍的に向上することができる。
また、カウンタウェイト部76に密度向上措置を施した成形を行うことにより、ブッシュ52全体におけるカウンタウェイト部76の重量比及び強度を高めることができるため、カウンタウェイト部76、ブッシュ52、クランク機構34の小型化及び軽量化を実現可能である。
また、ブッシュ52本体の端面52bとカウンタウェイト部76の端面76aとが面一に形成されることにより、ブッシュ52の形状の複雑化を回避し、ブッシュ52を成形加工する際の金型を簡素化することができる。また、カウンタウェイト部76を焼結金属で成形することと相俟ってカウンタウェイト部76をブッシュ52の端面52bと面一にすることによりブッシュ52の生産性向上を図ることができるため、ブッシュ52、ひいてはクランク機構34の製造コストをより一層低減することができる。
また、ブッシュ52本体の端面52bとカウンタウェイト部76の端面76aとが面一に形成されることにより、ブッシュ52の形状の複雑化を回避し、ブッシュ52を成形加工する際の金型を簡素化することができる。また、カウンタウェイト部76を焼結金属で成形することと相俟ってカウンタウェイト部76をブッシュ52の端面52bと面一にすることによりブッシュ52の生産性向上を図ることができるため、ブッシュ52、ひいてはクランク機構34の製造コストをより一層低減することができる。
また、駆動軸部56は凸段差部62を有し、ブッシュ52は凸段差部62が摺動される凹段差部72を有することにより、応力集中が生じやすい駆動軸部56の根元の強度を高めることができるとともに、係合溝60に装着した止め輪54と協働して、駆動軸部56に対するブッシュ52のがたつきを効果的に抑制することができる。従って、クランク機構34の振動及び騒音を低減しながらクランク機構34の耐久性をより一層高めることができる。
また、大径軸部10に第1潤滑孔74を形成することにより、スクロールユニット6等を潤滑した後に係合面部66に供給された潤滑油を第1潤滑孔74から主軸部12側に流通させることができる。従って、潤滑油の流動性を高めることができるため、係合面部66、軸受14,15、及び軸シール16の潤滑性を高め、クランク機構34の振動及び騒音を低減しながら、圧縮機1の信頼性をより一層向上することができる。
また、第1潤滑孔74は軸線L方向に凹面部68から主軸部12の外周面12bに連なるように貫通され、凹面部68及び第1潤滑孔74の形成を一括加工で行うことができるため、回転軸8のバランス調整や軽量化を容易に図りながら、クランク機構34の生産性を向上し、その製造コストを更に低減することができる。
また、ブッシュ52に第2潤滑孔80を形成することにより、スクロールユニット6等を潤滑した後にブッシュ52に供給された潤滑油を第2潤滑孔80から主軸部12側に流通させることができる。また、第2潤滑孔80を第1潤滑孔74と連通する位置に形成すれば、一貫の潤滑油流路を形成可能である。従って、潤滑油の流動性を更に高めることができるため、係合面部66の耐摩耗性を更に高め、クランク機構34の振動及び騒音を低減しながら、圧縮機1の信頼性をより一層向上することができる。
また、ブッシュ52に第2潤滑孔80を形成することにより、スクロールユニット6等を潤滑した後にブッシュ52に供給された潤滑油を第2潤滑孔80から主軸部12側に流通させることができる。また、第2潤滑孔80を第1潤滑孔74と連通する位置に形成すれば、一貫の潤滑油流路を形成可能である。従って、潤滑油の流動性を更に高めることができるため、係合面部66の耐摩耗性を更に高め、クランク機構34の振動及び騒音を低減しながら、圧縮機1の信頼性をより一層向上することができる。
また、第2潤滑孔80の形成によりブッシュ52を減肉することができるため、ブッシュ52の軽量化を図ることができるとともに、ブッシュ52におけるカウンタウェイト部76の重量比率を高めることができるため、カウンタウェイト部76を大きくしなくともクランク機構34の作動バランスを容易に調整可能である。
また、第2潤滑孔80の存在によって凸面部70の内方側に凸面部70の弾性変形が許容されるため、凹面部68に対する凸面部70の接触面圧の異常な増大を防止することもでき、ひいては係合面部66の耐摩耗性を更に高めることができる。
また、第2潤滑孔80の存在によって凸面部70の内方側に凸面部70の弾性変形が許容されるため、凹面部68に対する凸面部70の接触面圧の異常な増大を防止することもでき、ひいては係合面部66の耐摩耗性を更に高めることができる。
また、回転軸8の軸径が大径軸部10、駆動軸部56、主軸部12の順に大きいことにより、主軸部12よりも小径の連結ピンを用いる場合に比して、駆動軸部56の強度を向上することができるとともに、係合面部66における面接触面積を大きく確保することができる。また、大径軸部10の軸径が大きいことにより、十分な大きさの第1潤滑孔74を形成可能である。
また、主軸部12は、圧縮機1に要求される回転駆動力のトルク伝達性能を確保可能な限り小径であることが主軸部12のシール確保及び軽量化のために望ましい。
本発明は、前述の実施形態に制約されるものではなく種々の変形が可能である。
例えば、係合面部66は相補する円弧形状の凹面部68及び凸面部70に限らず、面接触可能な係合面部を形成可能であれば前述した実施形態に限定されない。
また、クランク機構34はスクロール型圧縮機1に限らず、圧縮機以外の膨張機を含むスクロール型流体機械全般に適用可能であるのは勿論である。具体的には、図1において、吐出弁44及びストッパプレート46を除外し、吐出室40を冷媒の吸入室、吐出孔42を冷媒の吸入孔、圧縮室28を冷媒の膨張室(作動室)、吸入室50を冷媒の吐出室とすることにより、スクロール型膨張機を構成可能である。
本発明は、前述の実施形態に制約されるものではなく種々の変形が可能である。
例えば、係合面部66は相補する円弧形状の凹面部68及び凸面部70に限らず、面接触可能な係合面部を形成可能であれば前述した実施形態に限定されない。
また、クランク機構34はスクロール型圧縮機1に限らず、圧縮機以外の膨張機を含むスクロール型流体機械全般に適用可能であるのは勿論である。具体的には、図1において、吐出弁44及びストッパプレート46を除外し、吐出室40を冷媒の吸入室、吐出孔42を冷媒の吸入孔、圧縮室28を冷媒の膨張室(作動室)、吸入室50を冷媒の吐出室とすることにより、スクロール型膨張機を構成可能である。
1 スクロール型圧縮機
4 フロントハウジング(ハウジング)
6 スクロールユニット
8 回転軸
10 大径軸部
12 主軸部
12b 主軸部の外周面
14 軸受(第2軸受部材、すべり軸受)
15 軸受(第1軸受部材)
16 軸シール(軸シール部材)
24 固定スクロール
26 可動スクロール
28 圧縮室(作動室)
32 ボス
34 クランク機構
52 ブッシュ
52a ブッシュの外周面
52b ブッシュの本体の端面
54 止め輪(係合部材)
56 駆動軸部
56b 駆動軸部の外周面
62 凸段差部
64 貫通孔
64a 貫通孔の内周面
66 係合面部
68 凹面部
70 凸面部
72 凹段差部
74 第1潤滑孔
76 カウンタウェイト部
80 第2潤滑孔
82 回動許容面
4 フロントハウジング(ハウジング)
6 スクロールユニット
8 回転軸
10 大径軸部
12 主軸部
12b 主軸部の外周面
14 軸受(第2軸受部材、すべり軸受)
15 軸受(第1軸受部材)
16 軸シール(軸シール部材)
24 固定スクロール
26 可動スクロール
28 圧縮室(作動室)
32 ボス
34 クランク機構
52 ブッシュ
52a ブッシュの外周面
52b ブッシュの本体の端面
54 止め輪(係合部材)
56 駆動軸部
56b 駆動軸部の外周面
62 凸段差部
64 貫通孔
64a 貫通孔の内周面
66 係合面部
68 凹面部
70 凸面部
72 凹段差部
74 第1潤滑孔
76 カウンタウェイト部
80 第2潤滑孔
82 回動許容面
Claims (12)
- 駆動ユニットにより回転駆動される一端側の主軸部、他端側の駆動軸部、並びに前記主軸部と前記駆動軸部との間に位置する大径軸部を有する回転軸と、
前記駆動軸部が嵌入される貫通孔を有し、前記回転軸とクランク機構を構成するブッシュと、
前記主軸部にて軸シール部材を介し、前記大径軸部においては第1軸受部材を介して前記回転軸を回転自在に支持するハウジングと、
前記ハウジングに固定される固定スクロールと、
前記ブッシュが第2軸受部材を介して嵌入されるボスを有し、前記回転軸の回転駆動に伴い前記固定スクロールに対し公転旋回し、前記固定スクロールと協働して潤滑油を含む作動流体の作動室を形成する可動スクロールと
を備え、
前記駆動軸部は前記主軸部及び前記大径軸部と同じ軸線を有し、前記貫通孔は前記ブッシュの軸線の偏心位置に設けられ、前記貫通孔の内周面と前記駆動軸部の外周面とは前記駆動軸部の回動駆動力を前記ブッシュに偏心して伝達する係合面部を形成することを特徴とするスクロール型流体機械。 - 前記係合面部は、前記駆動軸部の外周面に前記駆動軸部の軸線方向に沿って軸径内方に凹設された凹面部と、前記貫通孔の内周面に前記ブッシュの軸線方向に沿って孔径外方に凸設された凸面部とからなることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
- 前記係合面部は、前記駆動軸部及び前記ブッシュの軸周方向に前記凹面部及び前記凸面部が相補する円弧形状をなすことを特徴とする請求項2に記載のスクロール型流体機械。
- 前記凸面部は、前記ブッシュの軸周方向に前記係合面部に連続した円弧形状の回動許容面を有することを特徴とする請求項3に記載のスクロール型流体機械。
- 前記ブッシュの軸線方向における前記係合面部の長さが該軸線方向における前記ブッシュの高さよりも短いことを特徴とする請求項4に記載のスクロール型流体機械。
- 前記ブッシュには前記作動室の形成に伴い前記作動流体の作動反力が作用し、
前記係合面部は、前記作動反力を前記凹面部の接線方向に分解した分力が前記可動スクロールの旋回半径を増加する方向に作用する向きに位置付けられることを特徴とする請求項5に記載のスクロール型流体機械。 - 前記ブッシュは、その外周面にカウンタウェイト部を一体に有し、前記第2軸受部材はすべり軸受であり、
前記ブッシュの本体は、鉄を主成分とする焼結金属により成形され、
前記カウンタウェイト部は、鉄を主成分とする焼結金属に密度向上措置を施して成形されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のスクロール型流体機械。 - 前記カウンタウェイト部は、前記駆動軸部が挿入される側の前記ブッシュの本体の端面と面一に形成されることを特徴する請求項7に記載のスクロール型流体機械。
- 前記駆動軸部は、前記大径軸部との境界となる根元において拡径された凸段差部と、前記貫通孔から突出した前記駆動軸部に係合されるとともに前記貫通孔よりも大径の係合部材とを有し、
前記ブッシュは、前記駆動軸部が嵌入される側の前記ブッシュの本体の前記端面に、前記ブッシュの外周面よりも内側に凹設されるとともに前記凸段差部が摺動される凹段差部を有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載のスクロール型流体機械。 - 前記大径軸部は、その前記軸線方向に前記凹面部から前記主軸部の外周面に連なるように貫通されるとともに前記潤滑油が流れる第1潤滑孔を有することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載のスクロール型流体機械。
- 前記ブッシュは、その前記軸線方向に前記凸面部に近接した内方位置において貫通されるとともに前記潤滑油が流れる第2潤滑孔を有することを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載のスクロール型流体機械。
- 前記回転軸の軸径は、前記大径軸部、前記駆動軸部、前記主軸部の順に大きいことを特徴とする請求項10又は11に記載のスクロール型流体機械。
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