JP2014201583A - 水性誘引殺虫組成物、並びに、昆虫誘引剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな昆虫誘引剤を特定し、当該昆虫誘引剤を使用した水性誘引殺虫組成物を提供する。【解決手段】殺虫成分および昆虫誘引剤を含有してなる水性誘引殺虫組成物において、昆虫誘引剤として、ブドウを原料とし、発酵、温熱熟成処理を経て得られる甘味果実酒を用いることを特徴とする水性誘引殺虫組成物が提供される。当該甘味果実酒としては、酒精強化ワインの1種であって、一般にベイクドワイン、マディラワインと呼ばれている甘味果実酒が挙げられる。ブドウを原料とし、発酵、温熱熟成処理を経て得られる甘味果実酒を有効成分として含有することを特徴とする昆虫誘引剤も提供される。【選択図】図5

Description

本発明は、水性誘引殺虫組成物、並びに、昆虫誘引剤に関し、さらに詳細には、特定の処理を経た甘味果実酒を昆虫誘引剤として含有する水性誘引殺虫組成物、並びに、当該甘味果実酒を有効成分とする昆虫誘引剤に関する。
ハエやコバエ(主にショウジョウバエ)等の飛翔害虫を駆除するための殺虫組成物として、誘引物質によって飛翔害虫を誘引し、当該組成物中の殺虫成分を摂取させて殺虫する製剤(ベイト剤、食毒剤)が知られている。ここで、殺虫効果を向上させるためには、飛翔害虫を殺虫組成物に効率よく誘引するための誘引剤(昆虫誘引剤)を使用することが重要である。かかる昆虫誘引剤の例としては、果実、果実加工品、醸造酒、果実酒、醸造酢、乳酸菌飲料等が知られている(例えば、特許文献1、2)。
特開2002−20213号公報 特開2002−272344号公報
上記のようにハエやコバエ等の飛翔害虫に対する誘引剤は種々知られており、中でもブドウ酒に代表される果実酒がよく使用されている。しかし、かかる果実酒では誘引効果が必ずしも十分ではなく、その結果として殺虫効果も劣るため、より誘引効果の優れた誘引剤を含有する水性誘引殺虫組成物の開発が望まれていた。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ブドウを原料とし、発酵、温熱熟成処理を経て得られる甘味果実酒がハエやコバエなどの飛翔害虫に対して強い誘引活性を示すことを新たに見出した。そして、これを昆虫誘引剤として殺虫成分とともに含有してなる水性誘引殺虫組成物が、ハエやコバエなどの飛翔害虫に対して高い誘引効果を示し、その結果として殺虫効果にも非常に優れることを見出し、本発明に至った。
上記した知見に基づいて提供される請求項1に記載の発明は、殺虫成分および昆虫誘引剤を含有してなる水性誘引殺虫組成物において、昆虫誘引剤として、ブドウを原料とし、発酵、温熱熟成処理を経て得られる甘味果実酒を用いることを特徴とする水性誘引殺虫組成物である。
本発明は水性誘引殺虫組成物に係るものであり、昆虫誘引剤として、ブドウを原料とし、発酵、温熱熟成処理を経て得られる甘味果実酒(以下、本誘引剤ということがある)を用いることを特徴としている。本発明の水性誘引殺虫組成物によれば、コバエ等の飛翔害虫を効率よく誘引し、その結果として殺虫効果を非常に向上させることができる。本発明の水性誘引殺虫組成物は、例えば、コバエ等の飛翔害虫を駆除するためのベイト剤として有用である。
本誘引剤の代表例として、酒精強化ワインの1種であって、一般にベイクドワイン、マディラワインと呼ばれている甘味果実酒が挙げられる。ここで、酒精強化ワインとは、発酵過程の途中でブランデーなどの蒸留酒を添加し、エタノールの濃度を上げることにより酵母を殺して発酵を止めたワインである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の水性誘引殺虫組成物において、殺虫成分として、ネオニコチノイド系殺虫剤を用いることを特徴とする。かかる構成により、誘引された飛翔害虫の殺虫効果をより向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の水性誘引殺虫組成物において、ネオニコチノイド系殺虫剤として、クロチアニジンを用いることを特徴とする。かかる構成により、誘引された飛翔害虫の殺虫効果をより向上させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の水性誘引殺虫組成物において、クロチアニジンを、水可溶性有機溶媒に溶解させたクロチアニジン溶液として用いることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の水性誘引殺虫組成物において、水可溶性有機溶媒がN−メチルピロリドンであることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、ブドウを原料とし、発酵、温熱熟成処理を経て得られる甘味果実酒を有効成分として含有することを特徴とする昆虫誘引剤である。
本発明は昆虫誘引剤に係るものであり、ブドウを原料とし、発酵、温熱熟成処理を経て得られる甘味果実酒を有効成分として含有する。本発明の昆虫誘引剤によれば、コバエ等の飛翔害虫を効率よく誘引することができる。
本発明の水性誘引殺虫組成物によれば、ハエやコバエ等の飛翔害虫を効率よく誘引し、殺虫することができる。
本発明の昆虫誘引剤によれば、ハエやコバエ等の飛翔害虫を効率よく誘引することができる。
本発明の水性誘引組成物を内包する殺虫用具を表す正面図である。 図1の殺虫用具の断面図である。 図1の殺虫用具の平面図である。 図1の殺虫用具が備える吸水性担体を表す斜視図である。 本発明の水性誘引組成物を使用する他の殺虫用具の構成を模式的に表す説明図である。
本発明の水性誘引殺虫組成物は、殺虫成分とともに、ブドウを原料とし、発酵、温熱熟成処理を経て得られる甘味果実酒(本誘引剤)を昆虫誘引剤として含有する。
なお、甘味果実酒とは、酒税法第3条第14号で定義されるように、同条第13号に定義される通常の果実酒とは区別されている。本発明において昆虫誘引剤として使用されるのは、甘味果実酒のうち、ブドウを原料とし、発酵、温熱熟成処理を経て得られる甘味果実酒である。
本誘引剤の具体例としては、マディラワインやベイクドワインと称されるブドウ由来の甘味果実酒が挙げられる。
マディラワインは、ブドウ果汁の発酵過程の途中で酒精強化を行い、その後、高温条件下で保存および熟成する処理(温熱熟成処理)が行われたものである。なおマディラワインとは、厳密にはポルトガル領のマデイラ島で生産されたものを指すが、本発明においては生産地を問わず、マデイラ島で生産されたマディラワインと成分や性状等の点で実質的に同等とみなせるものもマディラワインと称する。
また一般に、ベイクドワインとは、ブドウを原料とし温熱熟成を経た甘味果実酒であって、マディラワインと基本的に同じものか、製法の点で多く共通している。ベイクドワインについても、ブドウを原料とし、発酵過程の途中で酒精強化し、さらに温熱熟成処理することにより製造される。このようにして得られたベイクドワインのアルコール度数は通常15%以上であり、一般のワインのアルコール度数よりも高い。また、前記の酒精強化によって発酵が止まり、糖分の分解が抑制されて糖分が比較的多く残るため、通常のワインよりも甘味が強いという特徴を有している。
このようなマディラワインやベイクドワインは市場から入手可能である。具体例としては、「メルシャン ベークドワイン」(キリン協和フーズ株式会社)、「アデカ ニューベークドワイン」(株式会社アデカ)、「十勝ワイン シルフィー」(池田町ブドウ・ブドウ酒研究所)、「シャンモリベークドワイン」(盛田甲州ワイナリー株式会社)、等が挙げられる。
上記温熱熟成処理における温度と熟成期間については、例えば、温度は一般には40℃〜60℃で、期間は通常2週間〜10年である。
本発明の水性誘引殺虫組成物における本誘引剤の含有量は、特に限定されないが、一般的には1〜90重量%であり、好ましくは10〜50重量%である。
本発明の水性誘引殺虫組成物に含まれる殺虫剤(殺虫成分)としては、フェニルピラゾール系殺虫薬、ネオニコチノイド系殺虫剤等があげられる。これら殺虫剤の組成物中における含量としては、例えば0.01〜1重量%程度とすることができる。
ネオニコチノイド系殺虫剤としては、クロチアニジン、ニテンピラム、イミダクロプリド、チアクロプリド、チアメトキサム、アセタミプリドまたはジノテフラン等が挙げられ、特に好ましいのはクロチアニジンである。クロチアニジンを用いることにより、食毒効果により優れた水性誘引殺虫組成物とすることができる。
本発明の水性誘引殺虫組成物を調製するにあたり、前記殺虫成分には、クロチアニジンを含め、水に難溶性のものがあり、このような殺虫成分を用いる場合は有機溶媒に予め溶解させた溶液として使用することが好ましい。
この場合、有機溶媒が疎水性であると、得られた殺虫成分溶液が水性誘引殺虫組成物中で分離するため、水可溶性の有機溶媒が使用される。かかる水可溶性有機溶媒は、殺虫成分を溶解させるものであれば特に限定されないが、殺虫成分としてクロチアニジンを用いた場合には、溶解性の点からN−メチルピロリドンもしくはこれを主成分とする水可溶性有機溶媒を使用することが好ましい。
殺虫成分としてクロチアニジンを用いる場合、クロチアニジンの含量(組成物中における含有率。以下同じ。)としては、一般には0.05〜0.5重量%であり、より好ましくは0.1〜0.3重量%である。なお、クロチアニジンの含量が0.5重量%を超えると、溶解に必要なN−メチルピロリドンの含量が多くなり、水性化することが難しくなる。
また、クロチアニジンとN−メチルピロリドンの割合については、通常、クロチアニジンに対してN−メチルピロリドンが10〜60重量倍程度である。
本発明の水性誘引殺虫組成物には、他の誘引補助成分、たとえば甘味果実酒以外の酒類、酢類、果汁、乳酸菌飲料、酵母エキス、糖類などを用いることができる。これらの成分は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また成分は、液状、固体状のいずれであってもよい。
甘味果実酒以外の酒類の例としては、清酒、ワイン(果実酒)、梅酒、ウイスキー、焼酎、ビール、みりん等が挙げられる。これらの酒類は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
酢類の例としては、醸造酢、穀物酢、米酢、黒酢、りんご酢、レモン酢、ワインビネガー、いも酢、ゴマ酢などが挙げられる。これらの酢類は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
果汁の例としては、ブドウ、パイナップル、メロン、スイカ、イチゴ、リンゴ、モモ、ミカン、マンゴー、グァバなどの果汁が挙げられる。これらの果汁は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの果汁は、果物から直接搾取したものでもよいし、濃縮還元した加工品でもよい。
乳酸菌飲料の例としては、カルピス(商品名、カルピス株式会社)、のむヨーグルト(商品名、株式会社明治)、ヤクルト(商品名、株式会社ヤクルト本社)などが挙げられる。これらの乳酸菌飲料は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
糖類の例としては、ショ糖、ブドウ糖、果糖、デキストリン、ソルビトール、黒糖、蜂蜜などが挙げられる。これらの糖類は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
酵母エキスの例としては、水に溶解しやすいものが好ましく、例えばミーストAP−1122(商品名、アサヒフードアンドヘルスケア株式会社)、ハイパーミストHG−PS(商品名、アサヒフードアンドヘルスケア株式会社)などが挙げられる。これらの酵母エキスは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他の誘引補助成分としては、フルーツ系香料、発酵食品系香料等の各種香料;発酵食品;酢酸、プロピオン酸等の各種有機酸;乳製品;乾燥酵母;酒粕等が挙げられる。
なお、このような誘引補助剤を使用する場合であっても、本誘引剤に対する誘引補助剤の使用割合が多くなると、本誘引剤が誘引補助剤に希釈されたり、香気が阻害されたりして本誘引剤のもつ誘引効果が十分に発揮できなくなるため、誘引補助剤の使用割合は重量として本誘引剤に対して同量以下、特に半分量以下であることが好ましい。
なお、本誘引剤に含まれている水分は、組成物中に持ち込まれ、組成物全体に占める水の一部となる。他の誘引補助成分についても同様である。
本発明の水性誘引殺虫組成物には、さらに他の成分を適宜含有させてもよい。他の成分の例としては、安定化剤、防腐剤、着色料、誤飲防止剤等が挙げられる。
安定化剤の例としては、アスコルビン酸等の酸化防止剤が挙げられる。
防腐剤の例としては、ソルビン酸、ソルビン酸塩、パラヒドロキシ安息香酸エステル類、チアベンダゾール、等が挙げられる。
着色料としては、カラメル色素、クチナシ色素、アントシアニン色素、紅花色素、フラボノイド色素、赤色2号、赤色3号、黄色4号、黄色5号、等が挙げられる。
誤飲防止剤としては、安息香酸デナトニウム、等が挙げられる。
本発明の水性誘引殺虫組成物は、例えば、以下のようにして製造することができる。殺虫成分が水に難溶性である場合、まず、所定量の殺虫成分を水可溶性有機溶媒に溶解する。この溶解液に本誘引剤を適量添加し、必要に応じて他の成分も添加し、さらに必要に応じて殺虫成分や本誘引剤が前記所望の含有量になるように水を加えて攪拌、混和することにより製造することができる。
また殺虫成分が水に可溶である場合、本誘引剤に殺虫成分を上記した範囲内で適量添加し、攪拌、混和し、さらに必要に応じて他の成分も添加し、また必要に応じて殺虫成分や本誘引剤が前記所望の含有量になるように水を加えて攪拌、混和することにより本発明の水性誘引殺虫組成物を製造することができる。
本発明の水性誘引殺虫組成物を用いて飛翔害虫を駆除する方法としては、簡単には、上部が開口した適当な容器に本発明の水性誘引殺虫組成物をそのまま液体状で入れ、あるいは当該組成物を含浸させたスポンジ、不織布や網織物などのシート、紐などの適宜の形状の吸水性担体あるいは水性誘引殺虫組成物を含むゲル状物を容器内に収納し、この容器を駆除対象となる場所に配置すれば良い。
また、上記方法において、本発明の水性誘引殺虫組成物がこぼれたり、人体に直接に接することを防止するために、以下に述べるような殺虫用具として使用してもよい。
図1〜3に示す殺虫用具1は、コバエ類を主たる殺虫対象とした殺虫用具であり、吸水性担体2と、容器3と、蓋(蓋部)5とで構成されている。
容器3は有底かつ円筒状であり、皿状あるいは桶状の形状を有する。
容器3の底には吸水性担体2が載置されている。図4に示すように、吸水性担体2は円盤状であり、スポンジや不織布等で構成されている。吸水性担体2には本発明の水性誘引殺虫組成物が含漬され、保持されている。
容器3の開口部には蓋(蓋部)5が装着され、容器3を上方から覆っている。蓋5は正面視が長方形又は台形の円筒状部材であり、皿あるいは桶を逆さにしたような形状である。図3に示すように、蓋5の天面6には複数の小孔7(開口)が設けられている。そして、小孔7を介して容器3の内外が連通している。小孔7はコバエ類が通過可能なサイズを有している。
殺虫用具1を使用する場合は、コバエ類を駆除したい場所に殺虫用具1を置く。コバエは、水性誘引殺虫組成物に含まれる昆虫誘引剤の作用により、蓋5の小孔7から容器3の内部に侵入し、吸水性担体2に留まる。そして、吸水性担体2に保持された水性誘引殺虫組成物を摂取する(吸う)。これにより、コバエはその場で致死する。
吸水性担体2に代えて、本発明の水性誘引殺虫組成物を含むゲルを設置してもよい。この場合には、誘引されたコバエがゲルを食餌し、その場で致死する。
本実施形態では開口として複数の小孔7を採用しているが、開口は対象害虫が通過可能である限り、その形状、サイズ、数に限定はない。例えば、開口はスリット状であってもよい。
一方、図5に示す殺虫用具11は、コバエ類を主たる殺虫対象とした殺虫用具であり、吸水性担体12と、容器13と、死骸受け部15を有する。容器13には本発明の水性誘引殺虫組成物16が液体状で収容されている。
容器13は細口瓶様の透明容器である。
吸水性担体12は網織物や不織布よりなる紐状体であり、一方の端部17が容器13内の水性誘引殺虫組成物16に浸漬している。吸水性担体12の他方の端部18は、容器13の口部を介して外に露出している。容器13内の水性誘引殺虫組成物16は、端部17から吸水性担体12に吸い上げられて端部18に至っている。すなわち、容器13から吸水性担体12に水性誘引殺虫組成物が供給され、吸水性担体12の全体に水性誘引殺虫組成物が保持されている。
死骸受け部15は上部が開放した筒状かつ有底の部材からなり、吸水性担体12の端部18を囲むように設置されている。死骸受け部15と端部18とは隙間なく接している。
殺虫用具11を使用する場合は、コバエ類を駆除したい場所に殺虫用具11を置く。コバエは、水性誘引殺虫組成物16に含まれる昆虫誘引剤の作用により、死骸受け部15の上部から吸水性担体12の端部18に近づき、端部18上に留まる。そして、端部18に保持された水性誘引殺虫組成物16を摂取する(吸う)。これにより、コバエはその場で致死し、死骸が死骸受け部15に溜まる。ここで、死骸受け部15と端部18とは隙間なく接しているので、コバエの死骸は全て死骸受け部15の底部に溜まる。コバエの死骸が死骸受け部15からこぼれ落ちることはない。
本発明は、本誘引剤を有効成分として含有する昆虫誘引剤を包含する。本発明の昆虫誘引剤においても、必要に応じて、上記したような他の成分を含有させてもよい。また液状、固体状等、その形状に限定はない。
本発明の水性誘引殺虫組成物、並びに、昆虫誘引剤における対象昆虫(害虫)としては、キイロショウジョウバエ、クロショウジョウバエ等のショウジョウバエ科に属するコバエ類、ノミバエ科、キノコバエ科に属するコバエ類、が挙げられる。その他、イエバエ科やクロバエ科に属するハエ類が挙げられる。
以下に、実施例をもって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお食酢(リンゴ酢)は、ショウジョウバエの誘引物質として知られている(特許文献1、2)ことから、比較組成物3の誘引剤として使用した。
〔実施例1〕
クロチアニジン(住友化学株式会社製、以下同じ)0.1重量部をN−メチルピロリドン(関東化学株式会社製、以下同じ)4.9重量部に溶解し、溶液を得た。この溶液にベイクドワイン(キリン協和フーズ製)50重量部と水45重量部とを加えて攪拌し、均一な溶液(以下、「本発明組成物(1)」と称する)を得た。
本発明組成物(1)10gを上部直径7cm、底面部直径6cm、高さ3.5cmの樹脂性円形カップ容器に収容し、本発明殺虫用具(1)とした。
〔比較例1〕
クロチアニジン0.1重量部をN−メチルピロリドン4.9重量部に溶解し、溶液を得た。この溶液に赤ワイン(ワイン(果実酒)、キリン協和フーズ製)50重量部と水45重量部とを加えて攪拌し、均一な溶液(以下、「比較組成物(1)」と称する)を得た。
比較組成物(1)10gを上部直径7cm、底面部直径6cm、高さ3.5cmの樹脂性円形カップ容器に収容し、比較殺虫用具(1)とした。
〔比較例2〕
クロチアニジン0.1重量部をN−メチルピロリドン4.9重量部に溶解し、溶液を得た。この溶液に白ワイン(ワイン(果実酒)、キリン協和フーズ製)50重量部と水45重量部とを加えて攪拌し、均一な溶液(以下、「比較組成物(2)」と称する)を得た。
比較組成物(2)10gを上部直径7cm、底面部直径6cm、高さ3.5cmの樹脂性円形カップ容器に収容し、比較殺虫用具(2)とした。
〔比較例3〕
クロチアニジン0.1重量部をN−メチルピロリドン4.9重量部に溶解し、溶液を得た。この溶液にリンゴ酢50重量部と水45重量部とを加えて攪拌し、均一な溶液(以下、「比較組成物(3)」と称する)を得た。
比較組成物(3)10gを上部直径7cm、底面部直径6cm、高さ3.5cmの樹脂性円形カップ容器に収容し、比較殺虫用具(3)とした。
〔試験例1〕
一辺50cmの立方体のナイロンゴースケージを準備した。このケージの床面の四隅に、本発明殺虫用具(1)、比較殺虫用具(1)、比較殺虫用具(2)及び比較殺虫用具(3)を1個ずつ設置した。キイロショウジョウバエ126頭をケージ内に放ち、24時間後に各殺虫用具に誘引されて致死した虫数を数えた。放った虫数に対する致死した虫数の割合(トラップ率)を算出した。
この結果、ベイクドワインを用いた本発明殺虫用具(1)の場合は、72%の高いトラップ率が得られた。一方、普通のワインを用いた比較殺虫用具(1)と比較殺虫用具(2)の場合は、それぞれ18%と1%の低いトラップ率しか得られなかった。また、リンゴ酢を用いた比較殺虫用具(3)の場合も2%の低いトラップ率しか得られなかった。
Figure 2014201583

Claims (6)

  1. 殺虫成分および昆虫誘引剤を含有してなる水性誘引殺虫組成物において、昆虫誘引剤として、ブドウを原料とし、発酵、温熱熟成処理を経て得られる甘味果実酒を用いることを特徴とする水性誘引殺虫組成物。
  2. 殺虫成分として、ネオニコチノイド系殺虫剤を用いることを特徴とする請求項1記載の水性誘引殺虫組成物。
  3. ネオニコチノイド系殺虫剤として、クロチアニジンを用いることを特徴とする請求項2記載の水性誘引殺虫組成物。
  4. クロチアニジンを、水可溶性有機溶媒に溶解させたクロチアニジン溶液として用いることを特徴とする請求項3記載の水性誘引殺虫組成物。
  5. 水可溶性有機溶媒がN−メチルピロリドンであることを特徴とする請求項4記載の水性誘引殺虫組成物。
  6. ブドウを原料とし、発酵、温熱熟成処理を経て得られる甘味果実酒を有効成分として含有することを特徴とする昆虫誘引剤。
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