JP2014201457A - 結晶積層構造体の製造方法 - Google Patents

結晶積層構造体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014201457A
JP2014201457A JP2013076886A JP2013076886A JP2014201457A JP 2014201457 A JP2014201457 A JP 2014201457A JP 2013076886 A JP2013076886 A JP 2013076886A JP 2013076886 A JP2013076886 A JP 2013076886A JP 2014201457 A JP2014201457 A JP 2014201457A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystal
nitride semiconductor
semiconductor layer
layer
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013076886A
Other languages
English (en)
Inventor
慎九郎 佐藤
Shinkuro Sato
慎九郎 佐藤
嘉克 森島
Yoshikatsu Morishima
嘉克 森島
佳弘 山下
Yoshihiro Yamashita
佳弘 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tamura Corp
Koha Co Ltd
Original Assignee
Tamura Corp
Koha Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tamura Corp, Koha Co Ltd filed Critical Tamura Corp
Priority to JP2013076886A priority Critical patent/JP2014201457A/ja
Publication of JP2014201457A publication Critical patent/JP2014201457A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Led Devices (AREA)

Abstract

【課題】Ga基板上に高品質の窒化物半導体層を形成することのできる結晶積層構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】一実施の形態において、Ga基板11上に、AlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で表される組成を有する第1の結晶からなり、Ga基板11の上面を部分的に覆うバッファ層12を形成する工程と、バッファ層12上にAlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で表される組成を有する第2の結晶からなる窒化物半導体層13を形成する工程と、を含み、窒化物半導体層13を形成する工程は、950℃以上かつ1030℃以下の温度で第2の結晶を成長させる第1の成長工程と、第1の成長工程後の、1050℃以上かつ1125℃以下の温度で第2の結晶を成長させる第2の成長工程を含む、結晶積層構造体10の製造方法を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、結晶積層構造体の製造方法に関する。
従来、Ga基板上にバッファ層を介して窒化物半導体結晶を成長させる発光素子の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の発光素子の製造方法によれば、窒化物半導体結晶を2段階に分けて成長させており、初めに窒素ガスをキャリアガスとして用いて700℃から1035℃の温度で成長させた後、続けて水素ガスをキャリアガスとして用いて1050℃以上の温度で成長させる。
特開2012−142512号公報
本発明の目的の1つは、Ga基板上に高品質の窒化物半導体層を形成することのできる結晶積層構造体の製造方法を提供することにある。
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、[1]〜[6]の結晶積層構造体の製造方法を提供する。
[1]Ga基板上に、AlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で表される組成を有する第1の結晶からなり、前記Ga基板の上面を部分的に覆うバッファ層を形成する工程と、前記バッファ層上にAlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で表される組成を有する第2の結晶からなる窒化物半導体層を形成する工程と、を含み、前記窒化物半導体層を形成する工程は、950℃以上かつ1030℃以下の温度で前記第2の結晶を成長させる第1の成長工程と、前記第1の成長工程後の、1050℃以上かつ1125℃以下の温度で前記第2の結晶を成長させる第2の成長工程を含む、結晶積層構造体の製造方法。
[2]前記第1の成長工程において、Hガスをキャリアガスとして用いる、前記[1]に記載の結晶積層構造体の製造方法。
[3]前記窒化物半導体層の前記第1の成長工程により形成された領域の厚さは、前記窒化物半導体層の全体の厚さの34%以上かつ60%以下である、前記[1]又は[2]に記載の結晶積層構造体の製造方法。
[4]前記Ga基板の主面の面方位は、(101)又は(−201)である、前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の結晶積層構造体の製造方法。
[5]前記第1の結晶の組成はAlNである、前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の結晶積層構造体の製造方法。
[6]前記第2の結晶の組成はGaN結晶である、前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の結晶積層構造体の製造方法。
本発明によれば、Ga基板上に高品質の窒化物半導体層を形成することのできる結晶積層構造体の製造方法を提供することができる。
図1は、第1の実施の形態に係る結晶積層構造体の垂直断面図である。 図2(a)〜(c)は、第1の実施の形態に係る結晶積層構造体の製造工程を表す垂直断面図である。 図3(a)は、結晶核生成前の膜状のバッファ層の表面の観察画像である。図3(b)は、890℃で結晶核生成したバッファ層の表面の観察画像である。 図4(a)は、990℃で結晶核生成したバッファ層の表面の観察画像である。図4(b)は、1090℃で結晶核生成したバッファ層の表面の観察画像である。 図5(a)は、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度が890℃であった窒化物半導体層の表面の観察画像である。図5(b)は、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度が990℃であった窒化物半導体層の表面の観察画像である。図5(c)は、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度が1090℃であった窒化物半導体層の表面の観察画像である。 図6は、GaN結晶である第2の結晶の成長温度と酸素濃度との関係を表すグラフである。 図7は、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度と窒化物半導体層13のX線ロッキングカーブの半値幅との関係を示すグラフである。 図8は、第1の層の厚さと窒化物半導体層のX線ロッキングカーブの半値幅との関係を示すグラフである。 図9(a)は、第1の層の厚さが3000nmである窒化物半導体層の表面の観察画像である。図9(b)は、第1の層の厚さが4000nmである窒化物半導体層の表面の観察画像である。
Ga基板上に窒化物半導体からなるバッファ層を介して窒化物半導体結晶を成長させる場合には、キャリアガスや結晶の原料ガスによるGa基板の表面のエッチングを抑えることが重要である。Ga基板の表面がキャリアガスや結晶の原料ガスによりエッチングされると、Ga基板と窒化物半導体結晶との界面にボイドが発生するおそれがある。例えば、キャリアガスとして用いられるHガスや、Nの原料としてのNHガスが、Ga基板に対する反応性が高く、Ga基板をエッチングしやすい。
Ga基板と窒化物半導体結晶との界面にボイドが発生した場合、窒化物半導体層が成長時に発生する応力等により割れたり、Ga基板から剥がれたりするおそれがある。また、窒化物半導体結晶中に、Ga基板との界面から上面まで達する高密度の転位等が発生し、結晶品質が低下するおそれがある。
そこで、Ga基板と窒化物半導体結晶との界面におけるボイドの発生を抑えるための方法の1つとして、Ga基板に対する反応性が高いHガス以外のガスをキャリアガスとして用いて、キャリアガスによる窒化物半導体結晶のエッチングを抑える方法がある。
また、Ga基板と窒化物半導体結晶との界面におけるボイドの発生を抑えるための他の方法として、バッファ層をGa基板の上面の全域を覆うように厚く形成し、Ga基板と窒化物半導体結晶とが直接接触しないようにし、Ga基板と窒化物半導体結晶との界面を形成しない方法がある。
しかしながら、Hガス以外のガス、例えばNガスをキャリアガスとして用いる場合には、窒化物半導体結晶の結晶品質が低くなり、電気抵抗が大きくなるという問題がある。また、バッファ層を厚く形成する場合は、結晶積層構造体の縦方向の電気抵抗が高くなり、また、窒化物半導体結晶の結晶品質が低くなる。
そこで、この様な問題を回避するため、本発明者等は、鋭意研究の結果、窒化物半導体結晶の成長条件を制御することにより、上記の方法を用いずにキャリアガスによる窒化物半導体結晶のエッチングを抑えることができ、かつ高品質の結晶積層構造体が得られることを見出した。その一例を、実施の形態として以下に説明する。
〔第1の実施の形態〕
(結晶積層構造体の構造)
図1は、第1の実施の形態に係る結晶積層構造体10の垂直断面図である。結晶積層構造体10は、Ga基板11と、Ga基板11上のバッファ層12と、バッファ層12上の窒化物半導体層13を含む。
Ga基板11は、β−Ga単結晶からなる。Ga基板11の上面は、品質の高い窒化物半導体結晶の成長の下地となることのできる、(101)、(−201)等の面方位を有する面である。
バッファ層12は、窒化物半導体結晶、すなわちAlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で表される組成を有する結晶である第1の結晶からなる。この第1の結晶の典型的な組成はAlN(x=1、y=z=0)である。バッファ層12は、Ga基板11の上面を部分的に覆う。
窒化物半導体層13は、窒化物半導体結晶、すなわちAlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で表される組成を有する結晶である第2の結晶からなる。この第2の結晶の典型的な組成はGaN(y=1、x=z=0)である。
窒化物半導体層13は、第1の層13aと、第1の層13a上の第2の層13bを含む。第1の層13aは、950℃以上かつ1030℃以下の温度で第2の結晶を成長させることにより形成される層である。また、第2の層13bは、1050℃以上かつ1125℃以下の温度で第2の結晶を成長させることにより形成される層である。
第1の層13aの厚さT1は、窒化物半導体層13の全体の厚さTの34%以上かつ60%以下であることが好ましい。
窒化物半導体層13は、Ga基板11の上面のバッファ層12に覆われていない部分に接触する。
なお、Ga基板11及び窒化物半導体層13は、Si等の導電型不純物を含んでもよい。
(結晶積層構造体の製造方法)
以下に、本実施の形態の結晶積層構造体の製造工程の一例について説明する。
図2(a)〜(c)は、第1の実施の形態に係る結晶積層構造体10の製造工程を表す垂直断面図である。
まず、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理されたGa基板11に有機洗浄、SPM(Sulfuric acid/ hydrogen peroxide mixture)洗浄、及びHF液による洗浄を施す。
次に、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置のチャンバー内にGa基板11を搬送する。
次に、図2(a)に示されるように、Ga基板11上に膜状のバッファ層12を形成する。この膜状のバッファ層12は、チャンバー内の温度を400〜600℃に保持した状態で、第1の結晶の原料ガスとキャリアガスとしてのNガスをチャンバー内に供給して、第1の結晶をGa基板11上に成長させることにより形成される。
第1の結晶の原料ガスとしては、例えば、Alの原料としてのトリメチルアルミニウム(TMA)ガス、Gaの原料としてのトリメチルガリウム(TMG)ガス、Inの原料としてのトリメチルインジウム(TMI)ガス、及びNの原料としてのNHガスが用いられる。
この段階では、バッファ層12はほぼ均一の厚さを有する膜であり、Ga基板11の上面の全域を覆っている。
次に、図2(b)に示されるように、バッファ層12上に第2の結晶を成長させ、窒化物半導体層13の第1の層13aを形成する。この工程を第2の結晶の第1の成長工程とする。
第1の成長工程では、チャンバー内の温度を950℃以上かつ1030℃以下に保持した状態で、第2の結晶の原料ガスとキャリアガスとしてのHガスをチャンバー内に供給して、第2の結晶をバッファ層12上に成長させる。
第2の結晶の原料ガスとしては、例えば、Alの原料としてのトリメチルアルミニウム(TMA)ガス、Gaの原料としてのトリメチルガリウム(TMG)ガス、Inの原料としてのトリメチルインジウム(TMI)ガス、及びNの原料としてのNHガスが用いられる。
ここで、第2の結晶を成長させるためにチャンバー内の温度を上昇させることにより、膜状のバッファ層12から複数の第1の結晶の核がアイランド状に生成される。これにより、バッファ層12がアイランド状の複数の結晶核から構成される層に変化し、Ga基板11の上面を部分的に覆うことになる。
なお、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度を高く設定するほど、バッファ層12における核生成が促進され、結晶核が大きく、かつ少なくなる。その結果、結晶核の間隔が大きくなり、Ga基板11の上面がHガスやNHガスによりエッチングされ易くなるため、Ga基板11と第2の結晶との界面にボイドが発生しやすくなる。
そして、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度を1030℃より高い温度に設定した場合には、Ga基板11と第2の結晶との界面に、第2の結晶の割れや剥がれを引き起こすおそれのある量や大きさのボイドが発生する。そのため、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度は1030℃以下に設定される。
一方、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度を低く設定するほど、バッファ層12における核生成が進まず、結晶核が小さく、かつ多くなる。その結果、Ga基板11と第2の結晶との界面から発生する転位の密度が高くなる。第2の結晶中に高密度の転位が存在すると、成長中に大きな応力が生じ、割れや剥がれを引き起こす。
そして、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度を950℃より低い温度に設定した場合には、第2の結晶中に割れや剥がれを引き起こすおそれのある高密度の転位が存在する。そのため、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度は950℃以上に設定される。
なお、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度が適切であっても、膜状のバッファ層12が厚すぎるとアイランド状の結晶核が生成されないため、図2(a)に示される膜状のバッファ層12はおよそ1〜5nmの厚さに形成されることが好ましい。
次に、図2(c)に示されるように、第1の層13a上に第2の結晶を成長させ、第2の層13bを形成する。この工程を第2の結晶の第2の成長工程とする。
第2の成長工程では、チャンバー内の温度を1050℃以上かつ1125℃以下に保持した状態で、第2の結晶の原料ガスとキャリアガスとしてのHガスをチャンバー内に供給して、第2の結晶の成長を継続する。
ここで、第2の成長工程における第2の結晶の成長温度を1050℃より低い温度に設定した場合には、第2の結晶の成長温度が低すぎるため、水平方向への成長速度が低くなる。その結果、第2の層13bの上面の平坦性が悪くなり、白濁が生じる。
なお、当然ながら、第2の結晶の第1の成長工程のみで窒化物半導体層13を形成しようとする場合(第1の層13aのみで窒化物半導体層13を構成する場合)は、最後まで950℃以上かつ1030℃以下の温度で第2の結晶を成長させることになるため、窒化物半導体層13の上面の平坦性が悪くなり、白濁が生じる。
上記のように、第1の成長工程により窒化物半導体層13の結晶品質を向上させ、かつ、Ga基板11からの剥がれを防ぐことができ、第2の成長工程により窒化物半導体層13の上面を平坦化し、白濁をふせぐことができる。
このため、窒化物半導体層13の形成における第1の成長工程の割合が大きいほど、窒化物半導体層13の結晶品質を向上させることができるが、第2の成長工程の割合が少なすぎると、窒化物半導体層13の上面を十分に平坦化することができない。そこで、窒化物半導体層13の上面を十分に平坦化し、かつ窒化物半導体層13の結晶品質を高めるためには、第1の成長工程で形成される第1の層13aの厚さT1が、窒化物半導体層13の全体の厚さTの34%以上かつ60%以下であることが好ましい。
なお、仮に第1の層13a中に転位が発生した場合であっても、第2の層13bを形成するために第2の結晶の成長温度を変化させたときに成長方向が変わり、転位の方向を曲げることができる。Ga基板11の鉛直方向に伸びていた転位を水平方向に曲げることで、転位同士をぶつけ合い消滅させることもできる。
(実施の形態の効果)
上記実施の形態によれば、窒化物半導体層13の形成を第1の成長工程と第2の成長工程の2段工程を含む工程で行うことにより、結晶品質が高く、Ga基板11から剥がれず、かつ上面が平坦で白濁していない窒化物半導体層13を得ることができる。また、第1の成長工程においてHガスをキャリアガスとして用いてもGa基板11と窒化物半導体結晶13との界面におけるボイドの発生を抑えることができるため、より結晶品質の高い窒化物半導体層13を形成することができる。
そして、このような高品質の窒化物半導体層13を含む結晶積層構造体10は、十分な特性を備えた発光素子やトランジスタ等のデバイスの形成に用いることができる。
第1の成長工程における第2の結晶の成長温度が窒化物半導体層13の品質に与える影響を評価した。
まず、MOCVD装置を用いて、(101)面を主面とする3枚のGa基板11上に成長温度450℃でAlN結晶である第1の結晶を成長させて膜状のバッファ層12をそれぞれ形成し、続いて、3枚のGa基板11を格納したチャンバー内の温度をそれぞれ890℃、990℃、1090℃まで上昇させて、アイランド状の結晶核を生成した。そして、各々のGa基板11上のバッファ層12の結晶核の状態を電子顕微鏡により観察した。
図3(a)は、結晶核生成前の膜状のバッファ層12の表面の観察画像である。図3(b)は、890℃で結晶核生成したバッファ層12の表面の観察画像である。図4(a)は、990℃で結晶核生成したバッファ層12の表面の観察画像である。図4(b)は、1090℃で結晶核生成したバッファ層12の表面の観察画像である。
図3(a)に示されるように、450℃で形成した膜状のバッファ層12の表面は平坦であり、目立った凹凸は観察されない。そして、図3(b)、図4(a)、(b)に示されるように、昇温後の温度が高いほど結晶核が大きくなり、その数が減少する。なお、図3(b)、図4(a)、(b)の結晶核の下に観察される均一な濃い色の部分は、Ga基板11の上面の露出部分である。
これらの結果は、窒化物半導体層13を形成する際の第1の成長工程における第2の結晶の成長温度が高いほど、膜状のバッファ層12から生成される結晶核が大きくなり、その数が減少することを示している。
次に、MOCVD装置を用いて、(101)面を主面とする3枚のGa基板11上に成長温度450℃でAlN結晶である第1の結晶を成長させて膜状のバッファ層12をそれぞれ形成し、続いて、3枚のGa基板11上に、それぞれ成長温度890℃、990℃、1090℃でGaN結晶である第2の結晶を成長させて第1の層13aを形成した(第1の成長工程)。さらに、3枚のGa基板11の第1の層13a上に、成長温度1090℃でGaN結晶である第2の結晶を各々成長させて、窒化物半導体層13の全体の厚さTが2300nmとなるように第2の層13bを形成した(第2の成長工程)。そして、各々のGa基板11上の窒化物半導体層13の表面(第2の層13bの表面)の状態を光学顕微鏡により観察した。
図5(a)は、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度が890℃であった窒化物半導体層13の表面の観察画像である。図5(b)は、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度が990℃であった窒化物半導体層13の表面の観察画像である。図5(c)は、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度が1090℃であった窒化物半導体層13の表面の観察画像である。
図5(a)に示されるように、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度が890℃であった窒化物半導体層13の内部には、矢印で示される位置に割れが発生した。これは、第2の結晶の成長途中に発生した割れが、その上に成長した第2の結晶に覆われたものである。
また、図5(c)に示されるように、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度が1090℃であった窒化物半導体層13の内部には、矢印で示される位置にボイドが発生した。
一方、図5(b)に示されるように、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度が1090℃であった窒化物半導体層13には、割れもボイドも観察されなかった。そして、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度がおよそ950℃以上かつ1030℃以下である場合に、窒化物半導体層13に割れ及びボイドが発生しないことが確認された。
図6は、GaN結晶である第2の結晶の成長温度と酸素濃度との関係を表すグラフである。図6は、結晶成長温度の増加に伴って酸素濃度が低下することを示している。図6を用いれば、例えば、第1の層13aの酸素濃度を測定することにより、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度を推定できる。
図7は、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度と窒化物半導体層13のX線ロッキングカーブの半値幅との関係を示すグラフである。
図7には、窒化物半導体層13の第2の結晶の(002)面及び(101)面のX線ロッキングカーブの半値幅が示されている。
図7に示されるように、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度が890℃であった窒化物半導体層13において、第2の結晶の(101)面のX線ロッキングカーブの半値幅が広い。これは、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度が890℃程度であるときには、窒化物半導体層13の結晶品質が低くなることを表している。
第1の成長工程における第2の結晶の成長温度が、窒化物半導体層13に割れ及びボイドが発生しない950℃以上かつ1030℃以下であるときは、(101)面のX線ロッキングカーブの半値幅が比較的狭く、窒化物半導体層13の結晶品質が高いことが図7から読み取れる。
なお、本実施例においては、Ga基板11として(101)面を主面とするGa基板を用いた場合の評価結果を示したが、(−201)面を主面とするGa基板を用いた場合にも同様の評価結果が得られる。また、第1の結晶がAlN結晶以外の窒化物半導体結晶である場合や、第2の結晶がGaN結晶以外の窒化物半導体結晶である場合であっても、同様の評価結果が得られる。
第1の層13aの厚さが窒化物半導体層13の品質に与える影響を評価した。
MOCVD装置を用いて、(101)面を主面とする3枚のGa基板11上に成長温度450℃でAlN結晶である第1の結晶を成長させて膜状のバッファ層12をそれぞれ形成し、続いて、3枚のGa基板11上に成長温度990℃でGaN結晶である第2の結晶を成長させて、それぞれ厚さ500nm、750nm、1000nmの第1の層13aを形成した(第1の成長工程)。さらに、3枚のGa基板11の第1の層13a上に、成長温度1090℃でGaN結晶である第2の結晶を成長させて、窒化物半導体層13の全体の厚さTが2000nmとなるように第2の層13bを各々形成した(第2の成長工程)。
図8は、第1の層13aの厚さT1と窒化物半導体層13のX線ロッキングカーブの半値幅との関係を示すグラフである。
図8には、窒化物半導体層13の第2の結晶の(002)面及び(101)面のX線ロッキングカーブの半値幅が示されている。
図8は、第1の層13aの厚さT1が大きくなるほど(002)面及び(101)面のX線ロッキングカーブの半値幅が狭くなり、窒化物半導体層13の結晶品質が高くなることを示している。
結晶品質の高さの1つの指標として、(002)面及び(101)面のX線ロッキングカーブの半値幅が550秒以下であることを用いれば、第1の層13aの厚さT1がおよそ680nm以上であるときに、窒化物半導体層13の結晶品質が高くなるということができる。すなわち、窒化物半導体層13の全体の厚さTが2000nmであるので、第1の層13aの厚さT1が窒化物半導体層13の全体の厚さTの34%以上であるときに、窒化物半導体層13の結晶品質が高くなるということができる。
次に、MOCVD装置を用いて、(−201)面を主面とする2枚のGa基板11上に成長温度550℃でAlN結晶である第1の結晶を成長させて膜状のバッファ層12をそれぞれ形成し、続いて、2枚のGa基板11上に成長温度990℃でGaN結晶である第2の結晶を成長させて、それぞれ厚さ3000nm、4000nmの第1の層13aを形成した(第1の成長工程)。さらに、2枚のGa基板11の第1の層13a上に、成長温度1090℃でGaN結晶である第2の結晶を成長させて、窒化物半導体層13の全体の厚さTが6000nmとなるように第2の層13bを各々形成した(第2の成長工程)。そして、各々のGa基板11上の窒化物半導体層13の表面(第2の層13bの表面)の状態を光学顕微鏡により観察した。
図9(a)は、第1の層13aの厚さT1が3000nmである窒化物半導体層13の表面の観察画像である。この窒化物半導体層13においては、第1の層13aの厚さT1が窒化物半導体層13の全体の厚さTの50%である。
図9(b)は、第1の層13aの厚さT1が4000nmである窒化物半導体層13の表面の観察画像である。この窒化物半導体層13においては、第1の層13aの厚さT1が窒化物半導体層13の全体の厚さTの67%である。
図9(b)に示されるように、第1の層13aの厚さT1が窒化物半導体層13の全体の厚さTの67%である窒化物半導体層13の表面には、丸で囲まれる位置にピットが発生した。これは、第1の層13aの厚さT1の窒化物半導体層13の全体の厚さTに対する割合が大きすぎると、第2の結晶の成長温度が高く、結晶表面を平坦化することのできる第2の成長工程が短くなることによる。ピットを含む結晶を用いてデバイスを製造した場合、ピットがリーク等の不良の原因となることが知られている。
一方、図9(a)に示されるように、第1の層13aの厚さT1が窒化物半導体層13の全体の厚さTの50%である窒化物半導体層13の表面には、ピットが観察されなかった。そして、第1の層13aの厚さT1が窒化物半導体層13の全体の厚さTのおよそ60%以下である場合に、窒化物半導体層13の表面にピットが発生しないことが確認された。
なお、本実施例においては、Ga基板11として(−201)面を主面とするGa基板を用いた評価と、(101)面を主面とするGa基板を用いた評価の結果を示したが、いずれの評価においても、(101)面を主面とするGa基板と(−201)面を主面とするGa基板のいずれの基板を用いても同様の評価結果が得られる。また、第1の結晶がAlN結晶以外の窒化物半導体結晶である場合や、第2の結晶がGaN結晶以外の窒化物半導体結晶である場合であっても、同様の評価結果が得られる。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、本発明は、上記実施の形態及び実施例に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
また、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
10…結晶積層構造体、 11…Ga基板、 12…バッファ層、 13…窒化物半導体層、 13a…第1の層、 13b…第2の層

Claims (6)

  1. Ga基板上に、AlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で表される組成を有する第1の結晶からなり、前記Ga基板の上面を部分的に覆うバッファ層を形成する工程と、
    前記バッファ層上にAlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で表される組成を有する第2の結晶からなる窒化物半導体層を形成する工程と、
    を含み、
    前記窒化物半導体層を形成する工程は、950℃以上かつ1030℃以下の温度で前記第2の結晶を成長させる第1の成長工程と、前記第1の成長工程後の、1050℃以上かつ1125℃以下の温度で前記第2の結晶を成長させる第2の成長工程を含む、結晶積層構造体の製造方法。
  2. 前記第1の成長工程において、Hガスをキャリアガスとして用いる、
    請求項1に記載の結晶積層構造体の製造方法。
  3. 前記窒化物半導体層の前記第1の成長工程により形成された領域の厚さは、前記窒化物半導体層の全体の厚さの34%以上かつ60%以下である、
    請求項1又は2に記載の結晶積層構造体の製造方法。
  4. 前記Ga基板の主面の面方位は、(101)又は(−201)である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の結晶積層構造体の製造方法。
  5. 前記第1の結晶の組成はAlNである、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶積層構造体の製造方法。
  6. 前記第2の結晶の組成はGaN結晶である、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の結晶積層構造体の製造方法。
JP2013076886A 2013-04-02 2013-04-02 結晶積層構造体の製造方法 Pending JP2014201457A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013076886A JP2014201457A (ja) 2013-04-02 2013-04-02 結晶積層構造体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013076886A JP2014201457A (ja) 2013-04-02 2013-04-02 結晶積層構造体の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014130769A Division JP2014204131A (ja) 2014-06-25 2014-06-25 半導体積層構造体、及び半導体素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014201457A true JP2014201457A (ja) 2014-10-27

Family

ID=52352236

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013076886A Pending JP2014201457A (ja) 2013-04-02 2013-04-02 結晶積層構造体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014201457A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016204748A (ja) * 2015-04-24 2016-12-08 東ソー株式会社 窒化ガリウム系膜ならびにその製造方法
JP2017017114A (ja) * 2015-06-29 2017-01-19 株式会社タムラ製作所 窒化物半導体テンプレート及び紫外線led

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016204748A (ja) * 2015-04-24 2016-12-08 東ソー株式会社 窒化ガリウム系膜ならびにその製造方法
JP2017017114A (ja) * 2015-06-29 2017-01-19 株式会社タムラ製作所 窒化物半導体テンプレート及び紫外線led

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5944294B2 (ja) 窒化物半導体素子および窒化物半導体素子の製造方法
JP5399552B2 (ja) 窒化物半導体素子の製造方法、窒化物半導体発光素子および発光装置
JP5319810B2 (ja) 窒化物半導体層の製造方法
JP6121806B2 (ja) 窒化物半導体ウェーハ、窒化物半導体素子及び窒化物半導体ウェーハの製造方法
JP2006128626A (ja) 窒化物系半導体装置及びその製造方法
JP2013207257A (ja) Gaを含むIII族窒化物半導体の製造方法
JP6298057B2 (ja) ベース基板の前処理方法、および該前処理を行ったベース基板を用いた積層体の製造方法
JP2008500740A (ja) GaN系窒化膜を形成する方法
JP2011051849A (ja) 窒化物半導体自立基板とその製造方法
JP5551131B2 (ja) 窒化物半導体積層構造体の製造方法
JP5865271B2 (ja) 結晶積層構造体及び発光素子
JP7260089B2 (ja) 窒化物半導体
JP2014201457A (ja) 結晶積層構造体の製造方法
JP2014053411A (ja) エピタキシャルウェハ及びその製造方法
JP2016082200A (ja) 結晶積層構造体及びその製造方法、並びに半導体素子
WO2017164036A1 (ja) Iii族窒化物積層体の製造方法
KR20070083146A (ko) 질화물 반도체 발광소자 및 그 제조 방법
JP2014204131A (ja) 半導体積層構造体、及び半導体素子
TW201705530A (zh) 氮化物半導體模板及其製造方法
JP2010251743A (ja) Iii族窒化物半導体成長用基板、iii族窒化物半導体自立基板、iii族窒化物半導体素子、ならびに、これらの製造方法
JP2009084136A (ja) 半導体デバイスの製造方法
JP2014076925A (ja) 半導体基板の製造方法および半導体基板
JP5892971B2 (ja) 窒化物半導体層の製造方法
JP2014199939A (ja) 結晶積層構造体及び半導体素子
JP5749758B2 (ja) 結晶積層構造体及びその製造方法、並びに半導体素子