JP2014199939A - 結晶積層構造体及び半導体素子 - Google Patents

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佳弘 山下
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Abstract

【課題】窒化物半導体層がGa2O3基板から剥離し難い結晶積層構造体及びその結晶積層構造体を含む半導体素子を提供する。【解決手段】一実施の形態において、Ga2O3基板11上に、AlxGayInzN(0≰x≰1、0≰y≰1、0≰z≰1、x+y+z=1)で表される組成を有して部分的に形成されたバッファ層12と、バッファ層12上にAlxGayInzN(0≰x≰1、0≰y≰1、0≰z≰1、x+y+z=1)で表される組成を有する窒化物半導体層13と、を含む、結晶積層構造体10、及びその結晶積層構造体10を含む半導体素子を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、結晶積層構造体及び半導体素子に関する。
従来、Ga基板上にバッファ層を介して窒化物半導体結晶を成長させる発光素子の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の発光素子の製造方法によれば、窒化物半導体結晶を2段階に分けて成長させており、初めに窒素ガスをキャリアガスとして用いて700℃から1035℃の温度で成長させた後、続けて水素ガスをキャリアガスとして用いて1050℃以上の温度で成長させる。
特開2012−142512号公報
本発明の目的の1つは、窒化物半導体層がGa基板から剥離し難い結晶積層構造体及びその結晶積層構造体を含む半導体素子を提供することにある。
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、以下の[1]〜[4]の結晶積層構造体及び半導体素子を提供する。
[1]Ga基板と、前記基板上に形成したAlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)の組成を有する窒化物半導体層と、を含み、前記基板と前記窒化物半導体層との界面に含まれるボイドの、前記基板の上面に垂直な方向の大きさが100nm以下である結晶積層構造体。
[2]前記[1]に記載の結晶積層構造体を含む半導体素子。
[3]Ga基板と、前記基板上に部分的に形成したAlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)の組成を有するバッファ層と、前記基板表面及び前記バッファ層上に形成したAlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)の組成を有する窒化物半導体層と、を含み、前記基板と前記窒化物半導体層との界面に含まれるボイドの、前記基板の上面に垂直な方向の大きさが100nm以下である結晶積層構造体。
[4]前記[3]に記載の結晶積層構造体を含む半導体素子。
本発明によれば、窒化物半導体層がGa基板から剥離し難い結晶積層構造体及びその結晶積層構造体を含む半導体素子を提供することができる。
図1は、第1の実施の形態に係る結晶積層構造体の垂直断面図である。 図2(a)〜(c)は、第1の実施の形態に係る結晶積層構造体の製造工程を表す垂直断面図である。 図3は、第2の実施の形態に係るLED素子の垂直断面図である。 図4(a)、(b)、(c)は、それぞれ基板A、B、C上の窒化物半導体層の観察画像である。 図5(a)、(b)は、それぞれGa基板と窒化物半導体層との界面にボイドを含む結晶積層構造体の断面のSEM観察画像、及びTEM観察画像である。
Ga基板上に窒化物半導体からなるバッファ層を介して窒化物半導体結晶を成長させる場合には、キャリアガスや結晶の原料ガスによるGa基板の表面のエッチングを抑えることが重要である。Ga基板の表面がキャリアガスや結晶の原料ガスによりエッチングされると、Ga基板と窒化物半導体結晶との界面にボイドが発生するおそれがある。例えば、キャリアガスとして用いられるHやNの原料として用いられるNHガスが、Ga基板に対する反応性が高く、Ga基板をエッチングしやすい。
Ga基板と窒化物半導体結晶との界面にボイドが発生した場合、窒化物半導体層が成長時に発生する応力等により割れたり、Ga基板から剥がれたりするおそれがある。また、窒化物半導体結晶を形成したGa基板からなる結晶積層構造体を超音波洗浄やダイシングする際に、窒化物半導体結晶がGa基板から剥離するおそれがある。このため、この結晶積層構造体を用いて発光素子やトランジスタ等のデバイスを製造する場合の歩留まりが著しく低下する。
そこで、Ga基板と窒化物半導体結晶との界面におけるボイドの発生を抑えるための方法の1つとして、Hガス等のGa基板に対する反応性が高いガス以外のガスをキャリアガスとして用いて、キャリアガスによる窒化物半導体結晶のGa基板のエッチングを抑える方法がある。
また、Ga基板と窒化物半導体結晶との界面におけるボイドの発生を抑えるための他の方法として、バッファ層をGa基板の上面の全域を覆うように厚く形成し、Ga基板と窒化物半導体結晶とが直接接触しないようにし、Ga基板と窒化物半導体結晶との界面を形成しない方法がある。
しかしながら、Ga基板に対する反応性が低いガス、例えばNガスをキャリアガスとして用いる場合には、窒化物半導体結晶の結晶品質が低くなり、電気抵抗が大きくなるという問題がある。また、バッファ層を厚く形成する場合は、結晶積層構造体の縦方向の電気抵抗が高くなり、また、窒化物半導体結晶の結晶品質が低くなる。
そこで、この様な問題を回避するため、本発明者等は、鋭意研究の結果、窒化物半導体結晶の成長条件を制御することにより、上記の方法を用いずにキャリアガスによるGa基板のエッチングを抑えることができ、かつ高品質の結晶積層構造体が得られることを見出した。その一例を、実施の形態として以下に説明する。
〔第1の実施の形態〕
(結晶積層構造体の構造)
図1は、第1の実施の形態に係る結晶積層構造体10の垂直断面図である。結晶積層構造体10は、Ga基板11と、Ga基板11上のバッファ層12と、バッファ層12上の窒化物半導体層13を含む。
Ga基板11は、β−Ga単結晶からなる。Ga基板11の上面は、品質の高い窒化物半導体結晶の成長の下地となることのできる、(−201)、(101)等の面方位を有する面である。また、Ga基板11の上面は、(−201)面から[−10−2]方向に−0.5〜1.5°、[010]方向に−1.0〜1.0°傾いた面であってもよく、(101)面から[10−1]方向に0.5〜2.5°、[010]方向に−1.0〜1.0°傾いた面であってもよい。
バッファ層12は、窒化物半導体結晶、すなわちAlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で表される組成を有する結晶である第1の結晶からなる。この第1の結晶の典型的な組成はAlN(x=1、y=z=0)である。バッファ層12は、Ga基板11の上面を部分的に覆う。
窒化物半導体層13は、窒化物半導体結晶、すなわちAlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で表される組成を有する結晶である第2の結晶からなる。この第2の結晶の典型的な組成はGaN(y=1、x=z=0)である。
窒化物半導体層13は、第1の層13aと、第1の層13a上の第2の層13bを含む。第1の層13aは、成長圧力が100mbar以下かつ成長温度が1020℃以下、又は成長圧力が100mbarより大きく400mbar以下かつ成長温度が900℃以下の成長条件で第2の結晶を成長させることにより形成される層である。また、第2の層13bは、1050℃以上の温度で第2の結晶を成長させることにより形成される層である。
窒化物半導体層13は、Ga基板11の上面のバッファ層12に覆われていない部分に接触する。
Ga基板11と窒化物半導体層13との界面には、第2の結晶の成長時や、結晶積層構造体10の超音波洗浄やダイシング時に窒化物半導体層13のGa基板11からの剥離を引き起こすような大きさのボイドが含まれない。具体的には、Ga基板11と窒化物半導体層13との界面に含まれるボイドのGa基板11の上面に垂直な方向の大きさは100nm以下である。
なお、Ga基板11及び窒化物半導体層13(第2の結晶)は、Si等の導電型不純物を含んでもよい。
(結晶積層構造体の製造方法)
以下に、本実施の形態の結晶積層構造体の製造工程の一例について説明する。
図2(a)〜(c)は、第1の実施の形態に係る結晶積層構造体10の製造工程を表す垂直断面図である。
まず、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理されたGa基板11に有機洗浄、SPM(Sulfuric acid/ hydrogen peroxide mixture)洗浄、及びHF液による洗浄を施す。
次に、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置のチャンバー内にGa基板11を搬送する。
次に、図2(a)に示されるように、Ga基板11上に膜状のバッファ層12を形成する。この膜状のバッファ層12は、チャンバー内の温度を400〜600℃に保持した状態で、第1の結晶の原料ガスとキャリアガスとしてのNガスをチャンバー内に供給して、第1の結晶をGa基板11上に成長させることにより形成される。
第1の結晶の原料ガスとしては、例えば、Alの原料としてのトリメチルアルミニウム(TMA)ガス、Gaの原料としてのトリメチルガリウム(TMG)ガス、Inの原料としてのトリメチルインジウム(TMI)ガス、及びNの原料としてのNHガスが用いられる。
この段階では、バッファ層12はほぼ均一の厚さを有する膜であり、Ga基板11の上面の全域を覆っている。
次に、図2(b)に示されるように、バッファ層12上に第2の結晶を成長させ、窒化物半導体層13の第1の層13aを形成する。この工程を第2の結晶の第1の成長工程とする。
第1の成長工程では、チャンバー内の圧力と温度を、圧力が100mbar以下かつ温度が1020℃以下、又は圧力が100mbarより大きく400mbar以下かつ温度が900℃以下の条件を満たす大きさに保持した状態で、第2の結晶の原料ガスとキャリアガスとしてのHガスをチャンバー内に供給して、第2の結晶をバッファ層12上に成長させる。
第2の結晶の原料ガスとしては、例えば、Alの原料としてのトリメチルアルミニウム(TMA)ガス、Gaの原料としてのトリメチルガリウム(TMG)ガス、Inの原料としてのトリメチルインジウム(TMI)ガス、及びNの原料としてのNHガスが用いられる。
ここで、第2の結晶を成長させるためにチャンバー内の圧力及び温度を上昇させることにより、膜状のバッファ層12から複数の第1の結晶の核がアイランド状に生成される。これにより、バッファ層12がアイランド状の複数の結晶核から構成される層に変化し、Ga基板11の上面を部分的に覆うことになる。
そのため、第2の結晶は、バッファ層12の表面からだけでなく、Ga基板11の上面のバッファ層12に覆われていない領域からも成長する。これにより、窒化物半導体層13の結晶品質を向上させることができる。
なお、膜状のバッファ層12が厚すぎるとアイランド状の結晶核が生成されないため、図2(a)に示される膜状のバッファ層12はおよそ1〜5nmの厚さに形成されることが好ましい。
成長圧力が100mbar以下かつ成長温度が1020℃以下、又は成長圧力が100mbarより大きく400mbar以下かつ成長温度が900℃以下の成長条件で第2の結晶を成長させることにより、Ga基板11と窒化物半導体層13との界面に、Ga基板11の上面に垂直な方向の大きさが100nmよりも大きいボイドを発生させることなく、窒化物半導体層13を形成することができる。
この理由として、第2の結晶の成長圧力及び成長温度が上記の条件を満たすことにより、Ga基板11のバッファ層12に覆われていない露出部分がNHガス等によりエッチングされる速度に対して、露出部分を第2の結晶が覆う速度が大きくなることや、圧力及び温度がGa基板11のエッチングが進行しにくくなる条件を満たしていること等が考えられる。
次に、図2(c)に示されるように、第1の層13a上に第2の結晶を成長させ、第2の層13bを形成する。この工程を第2の結晶の第2の成長工程とする。
第2の成長工程では、チャンバー内の温度を1050℃以上に保持した状態で、第2の結晶の原料ガスとキャリアガスとしてのHガスをチャンバー内に供給して、第2の結晶の成長を継続する。
ここで、第2の成長工程における第2の結晶の成長温度を1050℃より低い温度に設定した場合には、第2の結晶の成長温度が低すぎるため、第2の層13bの上面の平坦性が悪くなり、また、白濁が生じる。
なお、当然ながら、第2の結晶の第1の成長工程のみで窒化物半導体層13を形成しようとする場合(第1の層13aのみで窒化物半導体層13を構成する場合)は、最後まで1020℃以下の温度で第2の結晶を成長させることになるため、窒化物半導体層13の上面の平坦性が悪くなり、また、白濁が生じる。
上記のように、第1の成長工程により窒化物半導体層13のGa基板11からの剥がれを防ぐことができ、第2の成長工程により窒化物半導体層13の上面を平坦化し、白濁をふせぐことができる。
〔第2の実施の形態〕
(半導体素子の構造)
第2の実施の形態は、第1の実施の形態の結晶積層構造体10を含む半導体素子についての形態である。以下に、その半導体素子の一例として、LED素子について説明する。
図3は、第2の実施の形態に係るLED素子20の垂直断面図である。LED素子20は、Ga基板21と、Ga基板21上のバッファ層22と、バッファ層22上のn型クラッド層23と、n型クラッド層23上の発光層24と、発光層24上のp型クラッド層25と、p型クラッド層25上のコンタクト層26と、コンタクト層26上のp側電極27と、Ga基板21のバッファ層22と反対側の面上のn側電極28とを有する。
また、バッファ層22、n型クラッド層23、発光層24、p型クラッド層25、及びコンタクト層26から構成される積層体の側面は、絶縁膜29に覆われる。
ここで、Ga基板21、バッファ層22、及びn型クラッド層23は、第1の実施の形態の結晶積層構造体10を構成するGa基板11、バッファ層12、及び窒化物半導体層13にそれぞれ相当する。バッファ層22及びn型クラッド層23の厚さは、例えば、それぞれ5nm、4μmである。
発光層24は、例えば、3層の多重量子井戸構造と、その上の厚さ10nmのGaN結晶膜からなる。各多重量子井戸構造は、厚さ8nmのGaN結晶膜と厚さ2nmのInGaN結晶膜からなる。
p型クラッド層25は、例えば、厚さ150nmの、濃度5.0×1019/cmのMgを含むGaN結晶膜である。
コンタクト層26は、例えば、厚さ10nmの、濃度1.5×1020/cmのMgを含むGaN結晶膜である。
絶縁膜29は、SiO等の絶縁材料からなる。
p側電極27及びn側電極28は、それぞれコンタクト層26及びGa基板21にオーミック接合する電極である。
LED素子20は、例えば、Ga基板21側から光を取り出すLEDチップであり、キャンタイプのステムにAgペーストを用いて実装される。
(実施の形態の効果)
上記実施の形態によれば、第1の成長工程における第2の結晶の成長圧力及び成長温度を制御することにより、窒化物半導体層13のGa基板11からの剥離を引き起こすような大きさのボイドがGa基板11と窒化物半導体層13との界面に発生することを防止できる。また、第1の成長工程においてHガスをキャリアガスとして用いても、窒化物半導体層13のGa基板11からの剥離を引き起こすような大きさのボイドがGa基板11と窒化物半導体層13との界面に発生することを防止できるため、より結晶品質の高い窒化物半導体層13を形成することができる。
そして、このようなGa基板11と窒化物半導体層13を含む結晶積層構造体10を用いてLED素子20等の発光素子やトランジスタ等のデバイスを製造する場合には、窒化物半導体層のGa基板からの剥離を防止し、歩留まりを向上させることができる。
第1の成長工程における第2の結晶の成長条件がGa基板11と窒化物半導体層13との界面に含まれるボイドの大きさに与える影響を評価した。
まず、MOCVD装置を用いて、(−201)面から[−10−2]方向に0.7°傾いた面を主面とする3枚のGa基板11上に成長温度490℃でAlN結晶である第1の結晶を成長させて厚さ5nmの膜状のバッファ層12をそれぞれ形成し、続いて、H/NH混合雰囲気下で3枚のGa基板11上に、成長速度2000nm/hでそれぞれSiが添加されたGaN結晶である第2の結晶を成長させて、厚さ1000nmの第1の層13aを形成した(第1の成長工程)。
さらに、3枚のGa基板11の第1の層13a上に、成長温度1100℃、成長圧力250mbar、成長速度2000nm/hで第2の結晶の成長を続けて、厚さ1000nmの第2の層13bを形成した(第2の成長工程)。そして、各々のGa基板11上の窒化物半導体層13の状態を光学顕微鏡により上方から観察した。
ここで、第1の成長工程における第2の結晶の成長条件は、3枚のGa基板11でそれぞれ異なる。1枚目のGa基板11(基板Aとする)上には、第1の成長工程において、成長圧力400mbar、成長温度1020℃で第2の結晶を成長させた。2枚目のGa基板11(基板Bとする)上には、第1の成長工程において、成長圧力400mbar、成長温度860℃で第2の結晶を成長させた。3枚目のGa基板11(基板Cとする)上には、第1の成長工程において、成長圧力100mbar、成長温度1020℃で第2の結晶を成長させた。
基板B、Cの第1の成長工程における第2の結晶の成長条件は、第1の実施の形態に係る成長条件、成長圧力が100mbar以下かつ成長温度が1020℃以下、又は成長圧力が100mbarより大きく400mbar以下かつ成長温度が900℃以下、を満たす。一方、基板Aの第1の成長工程における第2の結晶の成長条件は、第1の実施の形態に係る成長条件を満たさない。
図4(a)、(b)、(c)は、それぞれ基板A、B、C上の窒化物半導体層13の観察画像である。図4(a)中の矢印により示される位置には、基板Aと窒化物半導体層13との界面に存在するボイドが観察される。一方、図4(b)、(c)に示されるように、基板B、C上には目立ったボイドが観察されない。これは、基板Bと窒化物半導体層13との界面、及び基板Cと窒化物半導体層13との界面には、光学顕微鏡で簡単に観察できるほどの大きさのボイドが存在しないことを表している。
図5(a)、(b)は、それぞれGa基板11と窒化物半導体層13との界面にボイドを含む結晶積層構造体10の断面のSEM(Scanning Electron Microscope)観察画像、及びTEM(Transmission Electron Microscope)観察画像である。
図5(a)の円で囲まれた部分、及び図5(b)の下側に並んだ矢印により示される部分にそれぞれボイドが観察される。なお、図5(b)の上側の長い矢印は、Ga基板11の上面に垂直な方向を表す。この方向の大きさが100nmよりも大きいボイドがGa基板11と窒化物半導体層13に存在する場合、窒化物半導体層13のGa基板11からの剥離が発生しやすい。
次の表1は、第1の成長工程における第2の結晶の成長圧力及び成長温度、窒化物半導体層13のX線ロッキングカーブの半値幅、及びGa基板11と窒化物半導体層13の界面におけるGa基板11の上面に垂直な方向の大きさが100nmより大きいボイドの有無の関係を表す表である。
表1の「半値幅」は、窒化物半導体層13の第2の結晶の(002)面及び(101)面のX線ロッキングカーブの半値幅の測定値を表す。(002)面と(101)面は直交するため、これらの面のX線ロッキングカーブの半値幅を測定することにより、窒化物半導体層13の結晶品質を三次元的に評価することができる。
表1の「ボイド」は、Ga基板11と窒化物半導体層13の界面における、Ga基板11の上面に垂直な方向の大きさが100nmより大きいボイドの有無を表し、「○」が無し、「×」が有りを意味する。
表1は、第1の成長工程における成長圧力が低いほど大きなボイドが発生し難く、また、成長温度が低いほど大きなボイドが発生し難いことを示している。なお、第1の成長工程における成長温度が1020℃を超えると、第2の結晶にクラックが発生する可能性が高くなるため、好ましくない。
そして、表1に示される結果から、成長圧力が100mbar以下のときには成長温度が1020℃以下、成長圧力が100mbarより大きく400mbar以下のときには成長温度が900℃以下であれば、Ga基板11と窒化物半導体層13の界面において、Ga基板11の上面に垂直な方向の大きさが100nmより大きいボイドが発生しないことがわかる。
また、表1の「半値幅」の数値は、第1の成長工程における成長圧力が高いほど窒化物半導体層13の結晶品質が高くなり、また、成長温度が高いほど窒化物半導体層13の結晶品質が高くなることを示している。
なお、本実施例においては、第1の結晶、第2の結晶にそれぞれAlN結晶、GaN結晶を用いた場合の評価結果を示したが、第1の結晶がAlN結晶以外の窒化物半導体結晶である場合や、第2の結晶がGaN結晶以外の窒化物半導体結晶である場合であっても、同様の結果が得られる。また、Ga基板11の主面の面方位が上記の面方位と異なる場合であっても、少なくとも、(−201)面、(−201)面から[−10−2]方向に−0.5〜1.5°、[010]方向に−1.0〜1.0°傾いた面、(101)面、又は(101)面から[10−1]方向に0.5〜2.5°、[010]方向に−1.0〜1.0°傾いた面であれば同様の結果が得られる。
複数の第2の実施の形態に係るLED素子20を製造し、n型クラッド層23のGa基板21からの剥離の有無を判定し、歩留まりを求めた。また、比較例として、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度が実施例と異なる製造方法によってLED素子を製造し、歩留まりを求めた。
まず、MOCVD装置を用いて、(−201)面から[−10−2]方向に0.7°傾いた面を主面とする、厚さ400μmのSnを添加したGa基板21上に、成長温度490℃でAlN結晶である第1の結晶を成長させて厚さ5nmの膜状のバッファ層22を形成した。
次に、H/NH混合雰囲気下でGa基板21上に、成長圧力400μm、成長温度860℃、成長速度2000nm/hで濃度4×1018/cmのSiが添加されたGaN結晶である第2の結晶を成長させて、厚さ2000nmの第1の層を形成した
(第1の成長工程)。
続けて、第1の層上に、成長温度1100℃、成長圧力250mbar、成長速度2000nm/hで第2の結晶の成長を続けて、厚さ2000nmの第2の層を形成した(第2の成長工程)。第1の層及び第2の層を形成することにより、n型クラッド層23を得た。
次に、各層が厚さ8nmのGaN結晶膜と厚さ2nmのInGaN結晶膜からなる3層の多重量子井戸構造と、その上の厚さ10nmのGaN結晶膜を、それぞれ成長温度750℃で形成し、発光層24を得た。
次に、成長温度1000℃で濃度5.0×1019/cmのMgを含むGaN結晶を発光層24上に成長させ、厚さ150nmのp型クラッド層25を形成した。
次に、成長温度1000℃で濃度1.5×1020/cmのMgを含むGaN結晶をp型クラッド層25上に成長させ、厚さ10nmのコンタクト層26を形成した。
ここで、バッファ層22、n型クラッド層23、発光層24、p型クラッド層25、及びコンタクト層26の形成においては、Ga原料としてTMG(トリメチルガリウム)ガス、In原料としてTMI(トリメチルインジウム)ガス、Si原料として(CSiH(ジエチルシラン)ガス、Mg原料としてCpMg(ビスシクロペンタジエニルマグネシウム)ガス、N原料としてNH(アンモニア)ガスを用いた。
次に、ICP−RIE装置を用いて、コンタクト層26、p型クラッド層25、発光層24、n型クラッド層23、及びバッファ層22に上方からエッチングを施し、メサ形状に加工した。
次に、メサ形状に加工されたコンタクト層26、p型クラッド層25、発光層24、n型クラッド層23、及びバッファ層22の側面に、スパッタリングによりSiOからなる絶縁膜29を形成した。
次に、蒸着装置を用いて、p側電極27及びn側電極28を、それぞれコンタクト層26及びGa基板21にオーミック接合するように形成した。
次に、ダイシングにより、Ga基板21を複数の300μm角のチップに分離し、複数の実施例に係るLED素子20を得た。そして、得られたLED素子20をキャンタイプのステムにAgペーストを用いて実装した。
その後、同様の工程により、比較例に係るLED素子を製造し、キャンタイプのステムに実装した。比較例に係るLED素子の製造工程は、第1の成長工程における第2の結晶の成長温度が1000℃であり、この点のみが実施例に係るLED素子20の製造工程と異なる。
実施例に係るLED素子20の第1の成長工程における第2の結晶の成長圧力及び成長温度は、それぞれ400μm、860℃であり、第1の実施の形態に係る成長条件、成長圧力が100mbar以下かつ成長温度が1020℃以下、又は成長圧力が100mbarより大きく400mbar以下かつ成長温度が900℃以下、を満たす。一方、比較例に係るLED素子の第1の成長工程における第2の結晶の成長圧力及び成長温度は、それぞれ400μm、1000℃であり、第1の実施の形態に係る成長条件を満たさない。
実施例に係るLED素子20には、n型クラッド層23のGa基板21からの剥離が見られず、歩留まりは99.8%であった。一方、比較例に係るLED素子には、ダイシングの工程においてn型クラッド層23のGa基板21からの剥離が発生し、歩留まりは60.4%であった。
なお、本実施例においては、第1の結晶、第2の結晶にそれぞれAlN結晶、GaN結晶を用いた場合の評価結果を示したが、第1の結晶がAlN結晶以外の窒化物半導体結晶である場合や、第2の結晶がGaN結晶以外の窒化物半導体結晶である場合であっても、同様の結果が得られる。また、Ga基板11の主面の面方位が上記の面方位と異なる場合であっても、少なくとも、(−201)面、(−201)面から[−10−2]方向に−0.5〜1.5°、[010]方向に−1.0〜1.0°傾いた面、(101)面、又は(101)面から[10−1]方向に0.5〜2.5°、[010]方向に−1.0〜1.0°傾いた面であれば同様の結果が得られる。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、本発明は、上記実施の形態及び実施例に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
また、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
10…結晶積層構造体、 11…Ga基板、 12…バッファ層、 13…窒化物半導体層、 13a…第1の層、 13b…第2の層、 20…LED素子、 21…Ga基板、 22…バッファ層、 23…n型クラッド層

Claims (4)

  1. Ga基板と、
    前記基板上に形成したAlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)の組成を有する窒化物半導体層と、
    を含み、
    前記基板と前記窒化物半導体層との界面に含まれるボイドの、前記基板の上面に垂直な方向の大きさが100nm以下である結晶積層構造体。
  2. 請求項1に記載の結晶積層構造体を含む半導体素子。
  3. Ga基板と、
    前記基板上に部分的に形成したAlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)の組成を有するバッファ層と、
    前記基板表面及び前記バッファ層上に形成したAlGaInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)の組成を有する窒化物半導体層と、
    を含み、
    前記基板と前記窒化物半導体層との界面に含まれるボイドの、前記基板の上面に垂直な方向の大きさが100nm以下である結晶積層構造体。
  4. 請求項3に記載の結晶積層構造体を含む半導体素子。
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