JP2014201004A - 熱硬化性樹脂成形品金型,熱硬化性樹脂成形品および熱硬化性樹脂成形品の成形方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂成形品金型,熱硬化性樹脂成形品および熱硬化性樹脂成形品の成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱硬化性樹脂成形品を成形する際に、成形不良の発生を抑制することを目的とする。
【解決手段】金型の成形品空間112の内面にシボ状の面(122,126,1231,1271,1211,1251,1252,1212,1272,1232)を形成し、ゲート119近傍よりゲート119から遠い充填末端部に形成されるシボ状の面の表面粗さを大きくすることにより、ゲート119から遠い充填末端部から順に樹脂を硬化させることができ、充填末端部であっても樹脂不足分を保圧により供給することができるので、ヒケ等の成形不良の発生を抑制することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、金型を用いて熱硬化性樹脂成形品を形成する熱硬化性樹脂成形品金型,それを用いて形成した熱硬化性樹脂成形品および熱硬化性樹脂成形品の成形方法に関するものである。
レンズ等の光学部品を樹脂成形により形成する場合があるが、レンズ用の成形樹脂材料としては、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂に大別される。このうち、熱硬化性樹脂は、熱可塑性樹脂よりも耐熱性が優れるため、さまざまな用途での使用が期待されている。熱硬化性樹脂を用いた樹脂成形では、成形品空間が形成された金型に熱硬化性樹脂を注入し、加熱硬化することにより、成形品空間の形状に即した樹脂成形品を形成している。また、熱硬化性樹脂は、その流動性の高さから、突出しピンとその摺動穴との隙間にも樹脂が進入して付着し、硬化するため、頻繁な清掃作業を必要とするなど量産性に課題があった。しかし、特許文献1に記載されているように、成形用フレームを採用することによって量産が可能となってきた。
図5は従来の熱硬化性樹脂成形品であるレンズの金型構造を例示する図であり、前記特許文献1に記載された従来の金型構造を示すものである。
図5において、一対の割型129、130の間に、逃げ開口131の位置にレンズ成形空間132の位置にあわせて成形用フレーム133を狭着している。このような構成の金型を用いてレンズを形成する場合は、まず、レンズ成形空間132に熱硬化性樹脂を注入し、加熱して硬化させる。次に、レンズ成形空間132の外側に配置された突出し離型部材134により成形品を突き出して成形したレンズを取り出す。このように、成形用フレーム133をあらかじめ金型内に設け、成形用フレーム133を突出し離型部材134で突き出して成形品を取り出すことによって、流動性に起因する問題が生じにくい成形が可能となっている。
特開2010−214763号公報
レンズ成形空間132に注入された樹脂は金型表面より熱が伝達され、表面より硬化層を形成していく。樹脂が硬化していく際、レンズ成形空間132内の樹脂は収縮が起こっている。この収縮による樹脂の不足分を、保圧により硬化していない樹脂をレンズ成形空間132内に補充して補う。しかしながら、従来の金型構成では、充填開始時から樹脂の硬化が始まっているため、樹脂の注入口であるゲート側に近い樹脂がゲートから遠い充填末端部より先に金型に接触し、硬化し始める。そのため、充填末端部に十分な保圧がかかる前に周りの樹脂が硬化してしまい、成形品内に十分に樹脂が充填されていないヒケなどの成形不良が発生していた。また、成形品の肉厚は均一ではなく、最大肉厚部では薄肉部に比べて硬化のタイミングが遅くなるため、最大肉厚部の中心部には十分な保圧がかからなくなり、十分に樹脂が充填されていないヒケなどの成形不良が発生していた。
本発明は前記従来課題を解決するもので、熱硬化性樹脂成形品を成形する際に、成形不良の発生を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の熱硬化性樹脂成形品金型は、熱硬化性樹脂が注入されて熱硬化性樹脂成形品が成形される成形品空間と、前記成形品空間に前記熱硬化性樹脂を注入する注入口となるゲートと、前記成形品空間の内表面の少なくとも一部に形成される第1のシボ状の面とを有し、前記シボ状の面の表面粗さが、前記ゲートから離れる程粗いことを特徴とする。
以上のように、金型の成形品空間の内面にシボ状の面を形成し、ゲート近傍よりゲートから遠い充填末端部に形成されるシボ状の面の表面粗さを大きくすることにより、ゲートから遠い充填末端部から順に樹脂を硬化させることができ、充填末端部であっても樹脂不足分を保圧により供給することができるので、ヒケ等の成形不良の発生を抑制することができる。
本発明の熱硬化性樹脂成形品の例であるレンズの構成を示す断面図 本発明の熱硬化性樹脂成形品金型の構成を例示する断面図 本発明の熱硬化性樹脂成形品金型の構成を例示する要部拡大図 本発明の熱硬化性樹脂成形品の成形方法を説明するフロー図 従来の熱硬化性樹脂成形品であるレンズの金型構造を例示する図
本発明の熱硬化性樹脂成形品金型は、成形品空間の内面の少なくとも一部に、表面に凹凸が形成されたシボ状の面を形成し、シボ状の面の凹凸の大きさである表面粗さが、熱硬化性樹脂注入口であるゲートから遠くなるほど粗くなることが特徴である。熱硬化性樹脂成形品を成形する際には、本発明の熱硬化性樹脂成形品金型の成形品空間に熱硬化性樹脂を注入し、熱硬化性樹脂を加熱,硬化させた後、離型することにより硬化した熱硬化性樹脂成形品を取得する。このようにして成形された熱硬化性樹脂成形品は、表面の少なくとも一部に凹凸が転写されたシボ状の面が形成され、樹脂注入口であるゲートに対応する位置を基準として、シボ状の面の凹凸が、ゲートに対応する位置から離れる程大きくなる。このように本発明の熱硬化性樹脂成形品金型を用いて樹脂成形することにより、ゲートから離れた充填末端部から樹脂が硬化し始め、樹脂硬化の際に充填末端部が収縮したとしても、硬化が進んでいないゲート側の樹脂が充填末端部に充填され、ヒケ等の成形不良の発生を抑制することができる。
以下本発明を実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では熱硬化性樹脂成形品としてレンズを成形する場合を例に説明するが、熱硬化性樹脂成形品はレンズや光学部品に限らず、様々な樹脂成形品であっても良い。また、以下の説明では、金型内に成形用フレームを設ける場合を例に説明するが、成形用フレームを設けずに樹脂成形する場合にも同様に適用可能である。
(実施の形態1)
図1は本発明の熱硬化性樹脂成形品の例であるレンズの構成を示す断面図である。
図1に示すように、熱硬化性樹脂で成形されたレンズ101は、第1光学レンズ面102、第2光学レンズ面103を有している。第1光学レンズ面102は光学有効範囲104とシボ状の面105を有し、第2光学レンズ面103は光学有効範囲106とシボ状の面107を有する。また、シボ状の面105、107は、樹脂成形の際の樹脂注入口であるゲート側から樹脂の流動方向に向けて、表面粗さが粗くなる。シボ状とは表面が凹凸状となっている形状である。一例として、光学有効範囲104,106の表面粗さは3nmRa、シボ状の面の表面粗さは0.5μm〜5μmRaであり、光学有効範囲104,106を除き、ゲート側から遠い領域に向かって徐々に表面粗さが粗くなる。ゲートの位置については、次の図2を用いて説明する。
図2は本発明の熱硬化性樹脂成形品金型の構成を例示する断面図であり、レンズ金型の断面図である。
図2に示すように、本発明の熱硬化性樹脂成形品金型は第1金型108,第2金型109から構成される。第1金型108,第2金型109にそれぞれ、第1レンズ入れ子110,第2レンズ入れ子111が組込まれており、光学レンズ面はレンズ入れ子110,111に形成される。本発明の熱硬化性樹脂成形品金型は、第1金型108と第2金型109とを型締めすることにより、成形品空間112が形成される。第2金型109には成形用フレーム113が挿入できるように成形用フレーム挿入溝114が形成されており、さらに、成形用フレーム113の位置決めのための位置決めピン115が2〜3箇所と、成形用フレーム113を突出して成形品を取り出すための突出しピン116が形成される。突出しピン116は、成形用フレーム113と成形用フレーム挿入溝114との微小な隙間から熱硬化性樹脂が流れてくるため、樹脂流動部から十分離れたところに配置されている。成形品空間112までの樹脂の流路として,スプルー117,ランナー118,ゲート119を有している。
図3は本発明の熱硬化性樹脂成形品金型の構成を例示する要部拡大図であり、成形品空間を拡大描写した図である。
図3に示すように、第1レンズ入れ子110は、第1光学レンズ面102(図1参照)に対応する平坦面120と、平坦面120の周囲に形成されるシボ状の面1211、1212とを有した入れ子である。第1レンズ入れ子110を組み込んだ第1金型108自体には光学レンズ面を形成する領域はなく、ランナー118およびゲート119にシボ状の面122、レンズ外形部に相当する領域にシボ状の面1231、1232を有する。同様に、第2レンズ入れ子111は、第2光学レンズ面103(図1参照)に対応する平坦面124と、平坦面124の周囲に形成されるシボ状の面1251、1252とを有した入れ子であり、第2金型109自体には光学レンズ面を形成する領域はない。さらに、第2金型109は、成形用フレーム113のランナー118およびゲート119を形成する面にシボ状の面126、レンズ外形部に相当する領域にシボ状の面1271,1272を有する。いずれのシボ状の面においても樹脂の流動方向128に向けて、表面粗さが粗くなるシボ状の面とする。すなわち、樹脂流動末端部の方がシボ状の面の表面粗さが粗い。
以上の説明では、一つのレンズを成形する場合について説明したが、通常は複数個のレンズを一度に得るために複数個の成形品空間が一つの金型に作られる。
以下、本発明の熱硬化性樹脂成形品の成形方法を、図1〜図4を参照しながら説明する。
図4は本発明の熱硬化性樹脂成形品の成形方法を説明するフロー図であり、図4(a)は実施の形態1における熱硬化性樹脂成形品の成形方法を説明するフロー図である。
まず、第1金型108と第2金型109をパーティングラインを境に離間させた状態で、第2金型109の成形用フレーム挿入溝114に成形用フレーム113をセットする。この成形用フレーム113のセットの際、位置決めピン115を用いることができる。その後、第1金型108と第2金型109を型締めの手段により駆動させ、金型内に成形品空間112を形成する(図4(a)のステップ1)。
その状態で、液体状の熱硬化性樹脂をスプルー117,ランナー118,ゲート119を通過させて、成形品空間112内に熱硬化性樹脂を注入する。熱硬化性樹脂の注入の際、実施の形態1の熱硬化性樹脂成形方法では、あらかじめ金型を加熱しておく((図4(a)のステップ2)。
次に、ランナー118も含め、成形品空間112内に熱硬化性樹脂が充填される。この時、あらかじめ金型が加熱されているため、第1金型108と第2金型109から伝熱し、熱硬化性樹脂が加熱されて、樹脂が十分硬化する。その後、型開きの駆動により、パーティングラインを境に第2金型109を離間させる方向に開く。このとき、第1金型108および第2金型109の熱硬化性樹脂との付着力の差により、ランナー118を含めた成形品空間112に成形された樹脂成形品が第1金型108に残る可能性があるため、第2金型109側に残る手段を講じておくと良い。例えば、成形用フレーム113および、樹脂成形品を第2金型109に押し付ける構造を第1金型108側に設けることで可能である((図4(a)のステップ3)。
最後に、型開きの後、成形機の突出しロッドによりエジェクタプレートを駆動させ、突出しピン116により成形用フレーム113を含めた熱硬化性樹脂成形品を突出して取り出す。そして、熱硬化性樹脂成形品を取り出した後、成形用フレーム113を取り外し、ゲート部119をカットすることにより、レンズ101を得る((図4(a)のステップ4)。
ステップ3の工程の際、スプルー117,ランナー118,ゲート119を通過して成形品空間112内に熱硬化性樹脂が充填されるまでの間、熱硬化性樹脂は金型の接触面から熱を加えられ化学反応を起こして硬化していく。熱硬化性樹脂が硬化していく際、空間内の樹脂は収縮が起こっている。この収縮による熱硬化性樹脂の不足分を、保圧により硬化していない熱硬化性樹脂を熱硬化性樹脂が不足する空間内に補充することにより補うのであるが、従来の金型構成では充填開始時から熱硬化性樹脂の硬化が始まっているため、ゲート119側に近い熱硬化性樹脂がゲート119から遠い充填末端部より先に金型に接触し、硬化し始めることから、充填末端部に十分な保圧がかかる前に周りの熱硬化性樹脂が硬化してしまうことが発生し、成形品空間112内に十分に熱硬化性樹脂が充填されていないヒケなどの成形不良が発生していた。また、成形品空間112の肉厚は均一ではなく、最大肉厚部では薄肉部に比べて硬化のタイミングが遅くなるため、最大肉厚部の中心部には十分な保圧がかからなくなり、十分に樹脂が充填されていないヒケなどの成形不良が発生していた。
この課題に対し、図3に示すように、本発明では光学レンズ面に対応する平坦面120,124の周囲にシボ状の面をつけることにより、樹脂の硬化速度をコントロールすることにより解決させる。例えば、第1シボとしてシボ状の面1211,シボ状の面1231、第2シボとしてシボ状の面122、第3シボとしてシボ状の面1251,シボ状の面1271、第4シボとしてシボ状の面126、第5シボとしてシボ状の面1212,シボ状の面1232、第6シボとしてシボ状の面1252,シボ状の面1272をつける。そのため、ゲート119から熱硬化性樹脂の流動方向128に向けて、表面粗さが粗くなるようにシボ状の面を形成する。このシボ状の面の表面粗さが、0.5μmRa〜5μmRaの範囲で、第2シボ,第4シボ<第1シボ,第3シボ<第5シボ,第6シボとなるように各シボ状の面を形成する。例えば、第2シボ,第4シボの表面粗さを1.0μmRa、第1シボ,第3シボの表面粗さを3.0μmRa、第5シボ,第6シボの表面粗さを5.0μmRaとする。また、ランナー118,ゲート119の領域は、シボ状の面を形成しない平坦面としても良い。また、充填末端部にのみシボ状の面を形成しても良い。なお、光学部品等の平坦面を要しない熱硬化樹脂成形品を成形する場合は、成形品空間112の表面全面に、ゲート119から熱硬化性樹脂の流動方向128に向けて、表面粗さが粗くなるようにシボ状の面を形成しても良い。このように、成形品空間112の内面に、ゲート119から熱硬化性樹脂の流動方向128に向けて、表面粗さが粗くなるようにシボ状の面を形成することにより、ランナー118,ゲート119及びゲート119側よりもゲート119から遠い充填末端部の方が、シボ状の面の差により金型との接触面積が増大するので、熱エネルギーを効率よく樹脂に伝達することができ、充填末端部からゲート119側へ向けて順番に熱硬化性樹脂を硬化させることができるようになる。そして、充填末端部から硬化するので、末端の熱硬化性樹脂が硬化して体積が減少しても、未硬化の熱硬化性樹脂がゲート側から供給できる。その結果、成形品空間112内に、ヒケ等の成形不良を発生させることなく熱硬化性樹脂成形品を得ることができる。なお、熱硬化性樹脂成形品としてレンズを成形する場合は、光学レンズ面の形成領域にはシボ状の面を形成することはできないが、凹形状のレンズの場合、光学レンズ面が薄くなるので、その部分の熱硬化性樹脂はゲート119近傍より早く硬化する。そのため、光学レンズ面の近傍領域の熱硬化性樹脂が硬化する際に、未硬化の熱硬化性樹脂がゲート側から供給され、レンズにヒケ等の成形不良を発生させることを抑制できる。また、例え、凸形状のレンズを成形する場合であっても、充填末端部にシボ状の面を形成することにより、光学レンズ面の近傍領域より充填末端部を確実に先に硬化させることができ、充填末端部の硬化の際の収縮による応力を、未硬化の光学レンズ面の近傍領域およびゲート119近傍の熱硬化性樹脂で吸収することができるため、少なくとも、充填末端部の硬化を起因とする光学レンズ面の歪を抑制することができる。
また、成形品空間112の内面にシボ状の面を形成することにより、硬化の際の収縮により熱硬化性樹脂がゲート119側に引っ張られる力に対する抵抗力を発生させることができ、熱硬化性樹脂が硬化する際の樹脂内圧を常に一定に保つことができるため、複屈折の少ない成形品を得ることができる。
また、シボ状の面に形成された凹凸により、硬化の際の収縮により熱硬化性樹脂がゲート119側に引っ張られる力に対する抵抗力を発生させることができ、光学レンズ面120、124内の樹脂の収縮を均一にし、良好なレンズ面形状精度を得ることができる。
以上のように形成された熱硬化性樹脂成形品の例であるレンズは、図1に示すように、レンズ101における第1光学レンズ面102、第2光学レンズ面103の周囲に、金型上でつけたシボ状の面を転写した表面が粗いシボ状の面105,107が形成されることが特徴である。このように、光学レンズ面の周囲にシボ状の面を形成することにより、表面に凹凸のあるシボ状の面を遮光部として機能させることができる。この遮光部により、レンズへの入光,出光時に余計な光の進入を防ぎ、ゴースト・フレアを良化させることも可能となる。
以上の説明では、上光学面が凸形状、下光学面が凹形状として説明したが、その逆であっても、両面が凹形状、凸形状であってもよい。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2における熱硬化性樹脂成形品の成形方法について図2〜図4を用いて説明する。
図4(b)は実施の形態2,実施の形態3における熱硬化性樹脂成形品の成形方法を説明するフロー図である。
ゲート付近の肉厚が極めて大きいレンズ等の複雑な形状の熱硬化性樹脂成形品を成形する場合は、実施の形態1の熱硬化性樹脂成形品の成形方法に加え、図2に示す金型を用い、加熱されている金型に樹脂を注入するのではなく、熱硬化性樹脂が成形品空間112に充填されてから金型を加熱する制御を行うこともできる。
まず、実施の形態1と同様に金型を型締めして成形品空間112を形成する(図4(b)のステップ1)。
次に、実施の形態2の熱硬化性樹脂成形品の成形方法では、金型を加熱しない状態で熱硬化性樹脂を注入する(図4(b)のステップ2)。
次に、成形品空間112に熱硬化性樹脂を充填した後、金型を加熱して熱硬化性樹脂を硬化させる(図4(b)のステップ3)。
その後は、実施の形態1の成形方法と同様に、型開きをして、硬化した熱硬化性樹脂成形品を取り出す(図4(b)のステップ4)。
このような加熱制御により、熱硬化性樹脂がスプルー117,ランナー118,ゲート119を通過して成形品空間112内に充填されるまでの間、熱硬化性樹脂が硬化することがない。このため、熱硬化性樹脂が先に注入されるゲート119近傍が充填末端部より先に硬化し始めることが抑制され、成形品空間112の表面粗さの違いによる硬化速度への影響が顕著となる。したがって、シボ状の面の表面粗さの粗い充填末端部から硬化し始め、実施の形態1よりも確実に成形品空間112内に保圧を伝えることができるようになり、ヒケ等の成形不良のない熱硬化性樹脂成形品を得ることができる。また、ゲート119側とゲート119から遠い充填末端部の硬化し始めるタイミングが一致するため、図3に示すレンズの成形品空間112において樹脂の流動方向128に向けて、表面粗さが粗くなるようにつけた光学レンズ面の周囲のシボ状の面、1211,1231,122,1251,1271,126,1212,1232,1252,1272により、より確実にゲート119から遠い充填末端部から熱硬化性樹脂を硬化させることができ、ヒケ等の成形不良のない熱硬化性樹脂成形品を得ることができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3における熱硬化性樹脂成形品の成形方法について図2,図3を用いて説明する。
さらに高精度なレンズ等の熱硬化性樹脂成形品を成形する際は、実施の形態2の熱硬化性樹脂成形品の成形方法に加え、熱硬化性樹脂が成形品空間112に充填されてから熱硬化性樹脂の流動方向128とは逆方向に向けて順番に金型を加熱する制御を行っても良い。このように、熱硬化性樹脂を成形品空間112に充填してから、充填末端部からゲート119に向けて順番に金型の加熱を開始する制御を行うことにより、シボ状の面の表面粗さの粗い充填末端部から硬化し始め、成形品空間112内に、より良く保圧を伝えることができ、さらに確実に充填末端部に熱硬化性樹脂を充填することができるため、ヒケ等の成形不良のない熱硬化性樹脂成形品を得ることができる。
本発明は、ヒケ等の成形不良の発生を抑制することができ、金型を用いて熱硬化性樹脂成形品を形成する熱硬化性樹脂成形品金型,それを用いて形成した熱硬化性樹脂成形品および熱硬化性樹脂成形品の成形方法等に有用である。
101 レンズ
102 第1光学レンズ面
103 第2光学レンズ面
104 光学有効範囲
105 シボ状の面
106 光学有効範囲
107 シボ状の面
108 第1金型
109 第2金型
110 第1レンズ入れ子
111 第2レンズ入れ子
112 成形品空間
113 成形用フレーム
114 成形用フレーム挿入溝
115 位置決めピン
116 突出しピン
117 スプルー
118 ランナー
119 ゲート
120 平坦面
1211 シボ状の面
1212 シボ状の面
122 シボ状の面
1231 シボ状の面
1232 シボ状の面
124 平坦面
1251 シボ状の面
1252 シボ状の面
126 シボ状の面
1271 シボ状の面
1272 シボ状の面
128 樹脂の流動方向
129 割型
130 割型
131 逃げ開口
132 レンズ成形空間
133 成形品フレーム
134 突出し離型部材

Claims (9)

  1. 熱硬化性樹脂が注入されて熱硬化性樹脂成形品が成形される成形品空間と、
    前記成形品空間に前記熱硬化性樹脂を注入する注入口となるゲートと、
    前記成形品空間の内表面の少なくとも一部に形成される第1のシボ状の面と
    を有し、前記シボ状の面の表面粗さが、前記ゲートから離れる程粗いことを特徴とする熱硬化性樹脂成形品金型。
  2. 前記熱硬化性樹脂成形品が光学部品であり、前記第1のシボ状の面が遮光部の形成領域のみに形成されることを特徴とする請求項1記載の熱硬化性樹脂成形品金型。
  3. 請求項1記載の熱硬化性樹脂成形品金型の前記ゲートから前記成形品空間に熱硬化性樹脂を注入する工程と、
    前記成形品空間に熱硬化性樹脂を充填した後に前記熱硬化性樹脂成形品金型を加熱して前記成形品空間内の熱硬化性樹脂を硬化させる工程と、
    前記熱硬化性樹脂成形品金型を型開きして前記成形品空間に成形された熱硬化性樹脂成形品を取り出す工程と
    を有することを特徴とする熱硬化性樹脂成形品の成形方法。
  4. 前記熱硬化性樹脂成形品金型の加熱を、前記ゲートから離れた領域から順に行うことを特徴とする請求項3記載の熱硬化性樹脂成形品の成形方法。
  5. 請求項1記載の熱硬化性樹脂成形品金型を加熱した状態で前記ゲートから前記成形品空間に熱硬化性樹脂を注入する工程と、
    前記成形品空間内の熱硬化性樹脂を硬化させる工程と、
    前記熱硬化性樹脂成形品金型を型開きして前記成形品空間に成形された熱硬化性樹脂成形品を取り出す工程と
    を有することを特徴とする熱硬化性樹脂成形品の成形方法。
  6. 前記熱硬化性樹脂成形品が光学部品であり、前記第1のシボ状の面が遮光部の形成領域のみに形成されることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂成形品の成形方法。
  7. 請求項1記載の熱硬化性樹脂成形品金型を用いて成形され、
    表面の一部に、前記ゲートに対応する位置から離れる程表面粗さの粗い第2のシボ状の面
    を有することを特徴とする熱硬化性樹脂成形品。
  8. 請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂成形品の成形方法により成形され、
    表面の一部に、前記ゲートに対応する位置から離れる程表面粗さの粗い第2のシボ状の面
    を有することを特徴とする熱硬化性樹脂成形品。
  9. 前記熱硬化性樹脂成形品が光学部品であり、前記第2のシボ状の面が遮光部の形成領域のみに形成されることを特徴とする請求項7または請求項8のいずれかに記載の熱硬化性樹脂成形品。
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