JP2014200266A - 折り畳み式洋傘用伸縮自在シャフト - Google Patents

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Abstract

【課題】 量産するのに適した、外観にスライド用ガイドが現れないようにした多段式の折り畳み式洋傘用伸縮自在シャフトを提供する。
【解決手段】複数のパイプを入れ子式にスライド自在に嵌挿し、複数のパイプの中、シャフトの最も内側のパイプを除いた各パイプの内径部に直線方向に延びるスリットを有するガイド部材を固定配置する。スリットにシャフトの長手方向に延びる互いに平行なガイド縁部を形成する。複数のパイプの中、シャフトの最も外側のパイプを除いた各パイプの後端部側に突起体を設ける。突起体を各パイプの外側のパイプの内径部に固定配置したガイド部材のスリットにスライド自在に嵌合させ、外側と内側のパイプの相対回転を阻止する。ガイド部材を細長い板状の部材により構成し、該板状の部材にその長手方向に沿って細長状のスリットを形成し、該スリットの互いに平行な縁部を突起体を直線方向案内するとともに突起体の回転方向の移動を阻止するガイド面とする。
【選択図】 図6

Description

本発明は、外観にスライド用ガイドが現れないようにした折り畳み式洋傘に用いられる伸縮自在な多段式のシャフトに関する。
従来、外観にスライド用ガイドが現れないようにした折り畳み式洋傘に用いられる伸縮自在な多段式のシャフトとして、外側のパイプの各々の内径部に稜線を設け、内側のパイプの外周に周囲段差と溝を設けた構成のものが知られている(例えば特許文献1参照)。 また、複数のパイプを入れ子式にスライド自在に嵌挿し、シャフトの最も内側のパイプを除いた各パイプの内径部にその長手方向に沿ってほぼ全長にわたって凹溝を形成し、内側のパイプの後端部の外径部に凸条を設け、各パイプの凸条を外側のパイプの内径部の凹部に軸方向にスライド自在に嵌挿させ、外側と内側のパイプの相対回転を阻止するように構成したものが知られている(例えば特許文献2参照)。
特開2001−353012号公報 特許4516763号公報
外側のパイプの内径部側に突起状の稜線を設け、内側のパイプの外周に周囲段差と溝を設ける構造は、製造に高精度が要求され、大量生産に適さないという問題点がある。
また、パイプの内側に凹溝を形成する構成は製造工程において高価な製造装置が必要となるため製造コストが高価になるとともに、大量生産に適さないという問題点がある。
本発明は、上記問題点を解決することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、外観にスライド用ガイドが現れないようにした折り畳式洋傘に用いられる複数のパイプからなる多段式の伸縮自在なシャフトであって、複数のパイプを入れ子式にスライド自在に嵌挿し、複数のパイプの中、シャフトの最も内側のパイプを除いた各パイプの内径部に直線方向に延びるスリットを有するガイド部材を固定配置し、前記スリットにシャフトの長手方向に延びる互いに平行なガイド縁部を形成し、複数のパイプの中、シャフトの最も外側のパイプを除いた各パイプの後端部側に突起体を設け、各パイプの外側のパイプの内径部に固定配置したガイド部材のスリットにスライド自在に嵌合させ、外側と内側のパイプの相対回転を阻止するようにし、前記ガイド部材を細長い板状の部材により構成し、該板状の部材にその長手方向に沿って細長状のスリットを形成し、該スリットの互いに平行な縁部を前記突起体を案内するガイド面としたことを特徴とする。
また本発明は、前記突起体を軸状に形成し、前記複数のパイプの中、シャフトの最も外側のパイプを除いた各パイプの後端部側に穴を設け、該穴に軸状の突起体をスライド自在に嵌合し、前記各パイプの後端部側の内径部にばね材を配置し、該ばね材の弾力によって前記突起体を前記穴から突出する方向に付勢したことを特徴とする。
また本発明は、前記スリットの長手方向の先端側に閉塞部を設け、前記突起体の移動経路に位置させて外側のパイプに止め穴を設け、前記突起体が前記スリットの閉塞端側に移動したとき、突起体が前記止め穴に嵌入し、内側のパイプの外側のパイプに対する軸方向に沿った一方向の相対移動が解除可能にロックされるようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記ガイド部材を構成する板状の部材が、該部材が取り付けられるパイプの内周面の曲率に合わせて幅方向にわん曲していることを特徴とするものである。
本発明は、パイプの内側に配置したガイド部材のスリットによりパイプの内側に簡単に凹溝を形成することができるため、大量生産に適し、製造コストの低減を実現することができる。
本発明に使用されるガイド部材の外観説明図である。 ガイド部材のA−A線横断面説明図である。 本発明に係るシャフトに使用されるパイプの中の一つのパイプを示し、(A)は正面図、(B)はパイプの内部構造を示す縦断面説明図、(C)はパイプの内部構造を示す縦断面説明図である。 本発明に係るシャフトに使用されるパイプの中の一つのパイプの内部構造を示すB−B線横断面説明図である。 シャフトの説明的正面図である。 シャフトの一部の断面説明図であり、(A)は突起体がガイド部材に嵌合している状態を示し、(B)は突起体が止め穴に挿入した状態を示している。 シャフトの一部の横断面説明図である。 突起体の外観説明図である。
以下に本発明の実施の形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。
図5は、折り畳み式洋傘用の伸縮自在シャフト2の正面説明図を示し、シャフト2は複数の互いに径が異なり且つほぼ同長のパイプを入れ子式にスライド自在に嵌合した多段式に構成されている。各パイプはステンレスにより構成され、一番太い第1パイプ4の内径部に、第2のパイプ6が軸方向にスライド自在に嵌合し、この第2パイプ6の内径部に最も細い第3のパイプ8が軸方向にスライド自在に嵌合している。
シャフト2には、折り畳み式洋傘を構成するための骨格構成要素(図示省略)やその他の部品がロクロ(図示省略)を介して取り付けられる。シャフト2は、手操作により最も縮小されたとき、第1パイプ4の内側の第2パイプ6の後端(図5中、右端)は、第1パイプ4の後端近傍に設けられたストッパー(図示省略)により係止され、第2パイプ6の内側の第3パイプ8の後端は、第2パイプ6の後端近傍に設けられたストッパー(図示省略)により係止される。これらのストッパー機構によりシャフト2の縮小最短長さが規定されている。
また、第1パイプ4の後端(根本)には洋傘の柄(図示省略)が取り付けられている。パイプ4,6の内径部には、図6及び図7に示すように、それぞれステンレス製のガイド部材10,12が固定配置されている。図1は、第1パイプ4の内径部に固定配置されるガイド部材10を示している。第2パイプ6の内径部に固定配置されるガイド部材12の構造は図1に示す第1パイプ用のガイド部材10の構造と同一である。
ガイド部材10,12は、細長い板状のステンレス製の本体Hからなり、該本体Hの中央部に、その長手方向に沿ってスリット14が形成されている。ガイド部材10,12の本体Hは、取り付けられるパイプ14,16の内周面に密着できるように、該パイプ4,6の曲率に合わせて幅方向にわん曲し、本体Hの、パイプ4,6の内周面に当接する側の側面の幅方向の曲率が対応するパイプ4,6の内周面の曲率と同一に設定されている。ガイド部材10,12の本体Hに形成されたスリット14は、互いに平行なガイド縁部G1,G2を形成し、該スリット14の後方は開放され、先端側は閉塞され、閉塞部14aが形成された構造となっている。
各ガイド部材10,12は、対応するパイプ4,6の内周面に長手方向を一致させて密着配置され、図3Bに示すように、各ガイド部材10,12は両端が折り曲げられて、対応するパイプ4,6の管壁端部に密着係合している。各ガイド部材10,12は、その両端の折り曲げによる係合により、対応するパイプ4,6の内径部に固定されている。各ガイド部材10,12の本体Hの板厚と、対応するパイプ4,6の管壁の厚さはほぼ同一に設定されている。
第2と第3のパイプ6,8の後端の近傍の管壁には、それぞれ穴16,18が設けられている。各穴16,18は、各パイプ6,8の管壁の、ガイド部材10,12取り付け部から円周方向にずれた位置に穿設されている。各パイプ6,8の後端の近傍の内径部には、U字状にわん曲された帯状の板ばねからなるばね材20,22が配置され、該ばね材20,22にそれぞれ突起体24,26が固定されている。突起体24,26は、図8に示すように先の丸い丸棒状の短軸体から成り、金属その他プラスチック材などの硬質材により構成されている。
ばね材20,22は、各パイプ6,8の後部に弾発力に抗して圧縮して挿入配置され、各突起体24,26がそれぞれ対応する穴16,18にスライド自在に挿入され、該穴16,18を通じて突起体24,26は、その上部がパイプ6,8の外周面から所定長さ突出している。穴16,18に挿入された突起体24,26は、パイプ6,8に対して垂直な方向へのスライド移動が可能であるとともに、穴16,18によってスライド可能方向に対して直角な方向即ちパイプ6,8に対して円周方向の移動が規制されている。
第2及び第3のパイプ6,8から突出する突起体24,26は、外側のパイプ4,6に固定配置されたガイド部材10,12のガイド縁部G1,G2間にスライド自在に嵌合し、且つ、各突起体24,26の先端が外側のパイプ4,6の内周面にスライド自在に弾接している。ガイド部材10,12のスリット14の閉塞端14aは、係止部を構成し、シャフト2を伸長した際、外側のパイプ4,6のガイド部材10,12の係止部に、内側のパイプ6,8から突出する突起体4,6が衝突して係止部に係止されるとともに、突起体24,26が、図6Bに示すように外側のパイプ4,6に設けられた止め穴28,30に挿入し、内側のパイプ6,8が外側のパイプ4,6にロックされるように構成されている。
このロック状態は、内側のパイプ6,8と外側のパイプ4,6との間に手操作によって縮小方向に強く加圧することで解除されるように構成されている。この解除は突起体24,26の先端が曲面を形成し、この曲面が止め穴28,30に嵌合する構成により可能となっている。即ち互いに嵌合するパイプに強い縮小方向の圧力が作用すると、突起体24,26の曲面が止め穴28,30の縁に加圧され、突起体24,26に軸方向に圧力が作用し、この圧力によって、突起体24,26はばね力に抗して引っ込み、止め穴28,30から外れ、これにより一対のパイプの縮小方向のロックの解除が実現する。
一方、突起体24,26が、止め穴28,30に挿入されたロック状態において、突起体24,26の円柱状の軸部はガイド部材10,12のスリット14の閉塞端14aと接触するとともに、先端のわん曲部が止め穴28,30の縁部に当接する。この止め穴28,30とスリット14の閉塞端14aとの位置が一致した構成により、内側のパイプ6,8と外側のパイプ4,6との間に手操作によってシャフトの伸長方向に強く加圧力が作用しても、スリット14の閉塞端14aからは突起体24,26の円柱状の軸部に直角に圧力が作用するためこの圧力は突起体24,26を引っ込ませる方向に作用しない。またこの時、止め穴28,30の縁部からは突起体24,26を引っ込ませる方向の圧力が作用しない。そのため、シャフト2にロック状態から更に伸長方向に強く加圧力が作用してもパイプ4,6,8の結合が外れることがない。
上記した構成において、シャフト2の組立時、パイプ4,6,8は、互いに入れ子式にスライド自在に嵌挿される。該状態において、第1のパイプ4と第2のパイプ6は、第2のパイプ6から突出する突起体24が第1のパイプ4に固定されたガイド部材10のスリット14のガイド縁部G1,G2にスライド自在に嵌合しているため、ガイド縁部G1,G2に沿って互いに長手方向にのみスライド可能であり、第1のパイプ4に対して第2のパイプ6が相対回転する方向の移動が突起体24と、スリット14のガイド縁部G1,G2との嵌合構造によって阻止される。
第2のパイプ6と第3のパイプ8間の関係も上記第1のパイプ4と第2のパイプ6との関係と同様であり、互いに長手方向のスライド移動が可能であり、相対回転方向の移動が外側のパイプ6に固定されたガイド部材12のスリット14と、これに嵌合する内側のパイプ8の突起体26によって阻止される。シャフト2を伸長し、外側のパイプ4,6のガイド部材10,12のスリット14の閉塞端14aに内側のパイプ6,8から突出する突起体24,26が係止されたとき、丁度ばね材20,22により突出方向に付勢された突起体24,26が、外側のパイプ4,6の止め穴28,30に嵌合する。これにより、シャフト2の所定の伸長状態において内側のパイプ6,8が対応する外側のパイプ4,6にロックされ、シャフト2の各パイプの結合が外れることがなく、またこの伸長状態に保持される。
本実施形態では、突起体24,26と止め穴28,30とがシャフトのロックとストッパー機構を構成するので別途にロック機構及びストッパーを設ける必要がない。
尚、本発明の実施に際しては、ガイド部材10,12をパイプ4,6に固定する構成は、圧着、接着その他種々の固定手段を採用することができる。また、ガイド部材10,12は、細長のわん曲板状部材に限定されるものではなく、ステンレスなどからなる筒体を用いることができ、またスリットも複数設けるようにしても良い。
又、突起体24,26は、ばね材20に取り付ける構成に限定されるものではなく、パイプ6,8に直接固定又は、一体的に設ける構成としても良い。
2 シャフト
4 第1パイプ
6 第2パイプ
8 第3パイプ
10 ガイド部材
12 ガイド部材
14 スリット
14a 閉塞端
16 穴
18 穴
20 ばね材
22 ばね材
24 突起体
26 突起体
28 止め穴
30 止め穴

Claims (4)

  1. 外観にスライド用ガイドが現れないようにした折り畳式洋傘に用いられる複数のパイプからなる多段式の伸縮自在なシャフトであって、複数のパイプを入れ子式にスライド自在に嵌挿し、複数のパイプの中、シャフトの最も内側のパイプを除いた各パイプの内径部に直線方向に延びるスリットを有するガイド部材を固定配置し、前記スリットにシャフトの長手方向に延びる互いに平行なガイド縁部を形成し、複数のパイプの中、シャフトの最も外側のパイプを除いた各パイプの後端部側に突起体を設け、各パイプの外側のパイプの内径部に固定配置したガイド部材のスリットにスライド自在に嵌合させ、外側と内側のパイプの相対回転を阻止するようにし、前記ガイド部材を細長い板状の部材により構成し、該板状の部材にその長手方向に沿って細長状のスリットを形成し、該スリットの互いに平行な縁部を前記突起体を案内するガイド面としたことを特徴とする折り畳み式洋傘用の伸縮自在シャフト。
  2. 前記突起体を軸状に形成し、前記複数のパイプの中、シャフトの最も外側のパイプを除いた各パイプの後端部側に穴を設け、該穴に軸状の突起体をスライド自在に嵌合し、前記各パイプの後端部側の内径部にばね材を配置し、該ばね材の弾力によって前記突起体を前記穴から突出する方向に付勢したことを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式洋傘用の伸縮自在シャフト。
  3. 前記スリットの長手方向の先端側に閉塞部を設け、前記突起体の移動経路に位置させて外側のパイプに止め穴を設け、前記突起体が前記スリットの閉塞端側に移動したとき、突起体が前記止め穴に嵌入し、内側のパイプの外側のパイプに対する軸方向に沿った一方向の相対移動が解除可能にロックされるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の折り畳み式洋傘用の伸縮自在シャフト。
  4. 前記ガイド部材を構成する板状の部材が、該部材が取り付けられるパイプの内周面の曲率に合わせて幅方向にわん曲していることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式洋傘用の伸縮自在シャフト。
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