JP2004275437A - 折り畳み式洋傘用伸縮自在シャフト - Google Patents

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Kazuo Harasawa
一雄 原澤
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Abstract

【課題】多段式伸縮自在シャフトを構成する各パイプが自由に回転しないようにするとともにシャフトをスムーズに伸縮させることができるようにする。
【解決手段】複数のパイプ4,6,8,10が入れ子式にスライド自在に嵌挿されている。複数のパイプの中、シャフトの最も内側のパイプ10を除いた各パイプ4,6,8の内径部の断面形状が多角形に形成され、複数のパイプの中、シャフトの最も外側のパイプ4を除いた各パイプ6,8,10の後端部の外径部に断面形状が多角形の角形部6a,8a,10aが形成され、これらの角形部6a,8a,10aが外側のパイプの多角形状の内径部に軸方向にスライド自在に嵌合し、外側と内側のパイプの相対回転が阻止されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯用の折り畳み式洋傘に用いられる伸縮自在な多段式のシャフトに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の折り畳み式洋傘に用いられる伸縮自在な多段式のシャフトは、シャフトを構成する各パイプの自由回転を防止するため、外側のパイプの各々の内径部に稜線を設け、内側のパイプの外周には、周囲段差と溝を設けている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−353012号公報(2ページ、第5図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
パイプの内側に稜線を設ける構造は、高精度が要求される。稜線の精度に誤差があると、シャフトの伸縮方向のスライド動作をスムーズに行うことができなくなる。そのためシャフトの製造に精度が要求される分、製造コストが高くなるという問題点が生じる。
本発明は稜線を設けることなくスムーズに伸縮動作を行うことができるシャフトを提供することを目的とするものである。
また、本発明の他の目的は、外観的にも見映えのよい外周面が丸形のシャフトを提供することである。
また本発明の他の目的は、シャフトを構成するパイプの周回転と抜け脱を確実に防止することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、折り畳み式洋傘に用いられる複数のパイプから成る多段式の伸縮自在なシャフトであって、複数のパイプを入れ子式にスライド自在に嵌挿し、前記複数のパイプの中、前記シャフトの最も内側のパイプを除いた各パイプの内径部の断面形状を多角形に形成し、前記複数のパイプの中、前記シャフトの最も外側のパイプを除いた各パイプの後端部の外径部に断面形状が多角形の角形部を形成し、該各パイプの角形部を該各パイプの外側のパイプの内径部に軸方向にスライド自在に嵌合させ、外側と内側のパイプの相対回転を阻止するようにしたものである。
また本発明は、前記外側のパイプの先端部に該外側のパイプにスライド自在に嵌挿する内側のパイプの後端部の角形部の端部を係止するための係止部を設けたものである。
また本発明は、前記外側のパイプの先端の近傍にインデックス孔を形成し、前記内側のパイプの後端の近傍に貫通孔を設け、前記内側のパイプの内径部にばね体を圧縮配置し、該ばね体に取り付けた突起体を前記貫通孔から所定量突出する方向に弾発配置し、前記シャフトを伸長し前記外側のパイプの先端部に前記内側のパイプの前記角形部の端部が係止されたとき、前記突起体が前記インデックス孔に嵌合し、前記内側と外側のパイプの相対的な長手方向の移動と周回転とを解除可能にロックしたものである。
また本発明は、前記各パイプの外側から見える外周面を丸く形成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。
2は、折り畳み洋傘用の伸縮自在シャフトであり、複数の互いに径が異なり且つほぼ同長のパイプを、入れ子式にスライド自在に嵌合した多段式に構成されている。一番太い第1パイプ4の内径部に、第2のパイプ6がスライド自在に嵌合し、この第2のパイプ6の内径部に、第3のパイプ8がスライド自在に嵌合し、該第3のパイプ8の内径部に最も細い第4のパイプ10がスライド自在に嵌合している。
【0007】
前記伸縮自在なシャフト2には、折り畳み洋傘を構成するための骨格構成要素(図示省略)やその他の部品がロクロ(図示省略)を介して取り付けられる。シャフト2を構成する各パイプ4,6,8,10は、ステンレス、真鍮その他の金属素材により構成されている。第1図乃至第3図に示すように、パイプ4,6,8の内径部の断面形状は、それぞれ正八角形から成る多角形を構成している。前記第1のパイプ4の外周面は全長に亘って丸く即ち外周の断面が円形に形成されている。
【0008】
前記第2乃至第4のパイプ6,8,10の外周面は、外側のパイプによって隠れる各後端部を除いて、外部から見える部分Kが丸く形成され、該各パイプ6,8,10は、対応する外側のパイプ4,6,8にスライド自在に嵌挿されている。前記パイプ6,8,10の外周面の各後端部側即ちパイプの根本側には、図1及び図2に示すように、リング状の部材から成る角形部6a,8a,10aが所定範囲に亘って固設され、該角形部6a,8a,10aの外径部の断面形状は、正八角形から成る多角形に形成されている。尚、上記パイプ4,6,8の内径部の多角形状及びこれらに嵌合する角形部6a,8a,10aの多角形状は図示する正八角形に特に限定されるものではない。
【0009】
前記パイプ6,8,10の各角形部6a,8a,10aの外径部は、それらが嵌合する外側のパイプ4,6,8の内径部の多角形状とほぼ同一の寸法に設定され、各角形部6a,8a,10aが対応する外側のパイプ4,6,8の多角形の内径部にスライド自在に密嵌することができるように構成されている。前記第4のパイプ10以外のパイプ4,6,8は、先端を絞って、係止部Sが形成され、シャフト2を伸長した際、外側のパイプ4,6,8の係止部Sに、内側のパイプ6,8,10の角形部6a,8a,10aの端部が衝突し、内側のパイプ6,8,10が外側のパイプから外れないように構成されている。
【0010】
前記外側のパイプ4,6,8の先端の近傍には180度の間隔を存してそれぞれ一対のインデックス孔12が形成されている。また、前記内側のパイプ6,8,10の後端の近傍に180度の間隔を存してそれぞれ一対の貫通孔14が形成されている。16は前記内側のパイプ6,8,10の内径部後端に屈曲配置されたU字状のばね体であり、これの両端に凸曲面を有する突起体18が固着されている。前記突起体18は、前記貫通孔14に嵌合配置され、その先端凸曲面が前記貫通孔14から所定量突出する方向に弾発されている。
【0011】
上記した構成において、第1のパイプ4と第2のパイプ6は、第2のパイプ6の角形部6aが第1のパイプ4の角形の内径部にスライド自在に密嵌しているため、互いに、長手方向のみスライドが可能であり、第1のパイプ4に対して第2のパイプ6が相対回転する方向の移動が、多角形嵌合構造によって阻止される。第2のパイプ6と第3のパイプ8間、第3のパイプ8と第4のパイプ10間の関係も上記第1のパイプ4と第2のパイプ6との関係と同様であり、互いの長手方向のスライド移動が可能であり、相対回転方向の移動が、外側のパイプの内径部とこれに嵌合する内側のパイプの角形部の多角形によって阻止される。
【0012】
前記シャフト2を伸長し前記外側のパイプ4,6,8の先端部に前記内側のパイプ6,8,10の前記角形部6a,8a,10aの端部が係止されたとき、丁度、内側のパイプ6,8,10突起体18が図5に示すように、外側のパイプ4,6,8の前記インデックス孔12に嵌合し、前記内側と外側のパイプの相対的な長手方向の移動と周回転とが解除可能にロックされ、内側のパイプ6,8,10対応する外側のパイプ4,6,8から簡単に外れたり、回転することがない。
【0013】
【発明の効果】
本発明は上述の如く構成したので、シャフトの伸縮動作を外側のパイプに対する内側のパイプの回転を阻止した状態で確実且つ円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシャフトに使用されるパイプを示し、(A)は正面図、(B)は縦断面図、(C)はC−C断面図である。
【図2】本発明に係るシャフトの正面図である。
【図3】本発明に係るシャフトのA−A線断面図である。
【図4】本発明に係るシャフトのB−B線断面図である。
【図5】パイプの係止機構を示す断面図である。
【符号の説明】
2 シャフト
4 パイプ
6 パイプ
8 パイプ
10 パイプ
12 インデックス孔
14 貫通孔
16 ばね体
18 突起体

Claims (4)

  1. 折り畳み式洋傘に用いられる複数のパイプから成る多段式の伸縮自在なシャフトであって、複数のパイプを入れ子式にスライド自在に嵌挿し、前記複数のパイプの中、前記シャフトの最も内側のパイプを除いた各パイプの内径部の断面形状を多角形に形成し、前記複数のパイプの中、前記シャフトの最も外側のパイプを除いた各パイプの後端部の外径部に断面形状が多角形の角形部を形成し、該各パイプの角形部を該各パイプの外側のパイプの内径部に軸方向にスライド自在に嵌合させ、外側と内側のパイプの相対回転を阻止するようにしたことを特徴とする折り畳み式洋傘用伸縮自在シャフト。
  2. 前記外側のパイプの先端部に該外側のパイプにスライド自在に嵌挿する内側のパイプの後端部の角形部の端部を係止するための係止部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式洋傘用伸縮自在シャフト。
  3. 前記外側のパイプの先端の近傍にインデックス孔を形成し、前記内側のパイプの後端の近傍に貫通孔を設け、前記内側のパイプの内径部にばね体を圧縮配置し、該ばね体に取り付けた突起体を前記貫通孔から所定量突出する方向に弾発配置し、前記シャフトを伸長し前記外側のパイプの先端部に前記内側のパイプの前記角形部の端部が係止されたとき、前記突起体が前記インデックス孔に嵌合し、前記内側と外側のパイプの相対的な長手方向の移動と周回転とを解除可能にロックしたことを特徴とする請求項2に記載の折り畳み式洋傘用伸縮自在シャフト。
  4. 前記各パイプの外側から見える外周面を丸く形成したことを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式洋傘用伸縮自在シャフト。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008155002A (ja) * 2006-12-21 2008-07-10 ▲張▼▲書▼▲みん▼ 低減可能な空隙を備える中棒構造
JP2018143992A (ja) * 2017-03-08 2018-09-20 ヤマホ工業株式会社 伸縮式散布杆

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