JP2014200205A - 害虫駆除用照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】害虫駆除用照明装置において、ハダニ等の害虫を確実に駆除できるようにする。
【解決手段】害虫駆除用照明装置は、光源と、その光源を点灯制御する制御回路とを備える。光源は、260〜305nmの波長を含む紫外線又は260〜305nmの波長範囲内にピーク波長を有する紫外線を放射する。制御回路は、光源による紫外線の放射強度が0.1〜50μW/cmの範囲内で時間的に変化し、且つその変化を繰り返すように光源を調光制御する。これにより、特に害虫がハダニである場合、低強度での紫外線放射によりハダニの動作を鈍らせてから、高強度で紫外線を放射することにより、ハダニを逃がすことなく、ハダニに高強度の紫外線を連続して照射させることができ、ハダニを殺傷することができる。従って、ハダニを確実に駆除することができる。しかも、紫外線の放射強度の変化が繰り返されることで、殺虫効果の確実性を向上させることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、植物に、害虫を駆除するための紫外線を照射する害虫駆除用照明装置に関する。
植物に寄生する害虫の駆除方法として、植物に化学農薬を散布する方法が一般的に用いられている。しかしながら、この方法によれば、害虫が化学農薬への耐性を持つようになる虞がある。また、害虫が居る箇所に化学農薬が適切に散布されなかったとき、害虫の駆除が不十分になる。特に、ハダニの場合、ハダニは葉の裏に居ることが多く、このような箇所にまで漏れなく化学農薬を散布するには、散布者に多大な労力を伴う。その他の駆除方法として挙げられる生物農薬は、効果を上げることのできる投入時期及び投入場所を選定することが難しく、また、定期的な投入が必要になるので、コスト高となる。
そこで、害虫が耐性を持ち難く、且つ低コストで運用可能な駆除策として、害虫を駆除するための紫外線を放出する光源を備えた植物病害駆除用照明装置が知られている。この照明装置においては、光源による紫外線の放射照度が50μW/cm以下とされる(例えば、特許文献1を参照)。
特開2009−153397号公報
ところで、特許文献1に記載のような照明装置により、例えば、ハダニを十分に駆除するためには、20μW/cm以上の殺傷能力のある高放射強度の紫外線を連続してハダニに照射する必要がある。しかしながら、強度が20μw/cm以上の紫外線をハダニに突然に照射すると、ハダニは驚いて紫外線が照射されていない葉の裏側等に逃げてしまい、ハダニを十分に駆除することができないことがある。また、紫外線の放射強度を更に高めれば、ハダニが逃げる間もなくこれを殺傷できるが、紫外線の放射強度が強すぎると、植物の葉に悪影響を及ぼす虞がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、害虫を効果的に駆除することができる害虫駆除用照明装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、紫外線を含む光を放射する光源と、前記光源を点灯制御する制御部と、を備えた害虫駆除用照明装置において、前記光源は、260〜305nmの波長を含む紫外線又は260〜305nmの波長範囲内にピーク波長を有する紫外線を放射し、前記制御部は、前記光源による前記紫外線の放射強度が0.1〜50μW/cmの範囲内で時間的に変化し、且つその変化を繰り返すように前記光源を調光制御することを特徴とする。
前記制御部は、前記光源による前記紫外線の放射強度が、少なくとも前記害虫の動作を停止させることが可能な停止強度と、前記害虫を殺傷可能な殺傷強度と、を含む複数の設定強度の中で、前記放射強度を段階的に変化させることが好ましい。
前記停止強度は、5〜15μW/cmの範囲内にあり、前記殺傷強度は、20〜50μW/cmの範囲内にあることが好ましい。
前記複数の設定強度は、前記害虫を誘引可能な誘引強度を含むことが好ましい。
前記誘引強度は、0.1〜3μW/cmの範囲内にあることが好ましい。
前記制御部は、前記光源による前記紫外線の放射強度を、前記誘引強度、前記停止強度、前記殺傷強度の順に変化させることを特徴とすることが好ましい。
前記制御部は、前記光源における前記殺傷強度での前記紫外線の放射期間を30分以上とすることが好ましい。
前記光源は、複数、設けられ、前記制御部は、前記複数の光源における前記紫外線の放射強度の変化態様を互いに同じとすることが好ましい。
前記光源は、複数、設けられ、前記制御部は、前記複数の光源の中で、前記紫外線の放射強度を変化させる対象の光源を切り替えることが好ましい。
本発明によれば、例えば、低強度での紫外線放射により害虫(例えば、ハダニ)の動作を鈍らせてから高強度で紫外線を放射することにより、害虫を逃がさずにこれに高強度の紫外線を連続して照射させることができ、効果的に害虫を殺傷することができる。また、紫外線の放射強度の変化が繰り返されるので、害虫の殺傷効率を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る害虫駆除用照明装置を示す図。 上記照明装置の光源による放射光の分光分布を正規化した図。 上記光源の一変形例による放射光の分光分布を正規化した図。 上記照明装置による害虫駆除効果を調べるための実験環境を示す図。 上記光源の紫外線放射強度の第1変化パターンを示す図。 上記照明装置の制御回路により実行される上記第1変化パターンに基づく調光制御処理の手順を示すフローチャート。 上記光源の紫外線放射強度の第2変化パターンを示す図。 上記照明装置の制御回路により実行される上記第2変化パターンに基づく調光制御処理の手順を示すフローチャート。 上記光源の紫外線放射強度の第3変化パターンを示す図。 上記照明装置の制御回路により実行される上記第3変化パターンに基づく調光制御処理の手順を示すフローチャート。 上記光源の紫外線放射強度の第1比較パターンを示す図。 上記光源の紫外線放射強度の第2比較パターンを示す図。 上記光源の紫外線放射強度の第3比較パターンを示す図。 上記実施形態の一変形例に係る害虫駆除用照明装置を示す図。 上記実施形態の他の変形例に係る害虫駆除用照明装置を示す図。
本発明の一実施形態に係る害虫駆除用照明装置(以下、照明装置)について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の照明装置1の構成を示す。照明装置1は、植物Pに紫外線を照射するための灯体2と、灯体2を調光制御する調光器3と、を備える。照明装置1は、植物Pに寄生する害虫B1を駆除するため植物Pに紫外線を照射するものであり、駆除対象の害虫B1として、特にハダニ類を想定し、その他、アザミウマ類及びコナジラミ類等の微小昆虫を想定している。ハダニ類には、ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ等が含まれる。
灯体2は、紫外線を含む光を放射する光源21と、光源21を収容する筐体22と、筐体22を支持する支持部材23とを有する。筐体22は、光源21による放射光を外部に出射するための光出射口22aを有する。
光源21は、略260〜305nmの波長を含む紫外線又は260〜305nmの波長範囲内にピーク波長を有する紫外線を放射する。光源21は、蛍光灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、又は紫外線LED等により構成できる。
光源21は、図2に示されるように、放射光における上記波長範囲内の成分割合が例えば9割以上であって、上記波長範囲外の成分が殆ど無いものにより構成される。光源21は、図3に示されるように、少なくとも上記波長範囲内の波長成分の光を放射するものであり、その放射光には上記波長範囲外の波長成分が含まれていてもよい。この場合、光出射口22aには、上記波長範囲内の紫外線を透過し上記波長範囲外の光をカットする波長制御用の光学フィルタが設けられる。この光学フィルタは、例えば、石英ガラス又はフッ素樹脂等の紫外線を透過可能な基材と、その基材上に形成された上記波長範囲外の光をカットするための光学多層膜とにより構成される。なお、以下の説明では、図2に示したような略260〜305nmの波長を含む紫外線又は260〜305nmの波長範囲内にピーク波長を有する紫外線を、単に紫外線という。
光源21による紫外線の放射は、害虫B1が卵、幼虫、さなぎ、成虫のいずれの成長段階であっても実施することが望ましいが、いずれかの成長段階のときだけ実施してもよい。また、害虫B1がハダニである場合、ハダニは草花、野菜、ラン類、花木、庭木及び果樹等、殆どの植物に寄生するので、光源21は、植物の種類を問わず、いずれの植物に対しても使用できる。
筐体22には、板状又はシート状の反射部材が収納されていることが望ましい。この反射部材は、光源21による放射光のうち、光出射口22aとは反対側に進む光を光出射口22aに向けて反射するように構成され、その材質は例えばアルミとされる。支持部材23は、筐体22の光出射口22aからの光出射方向を変更可能とするため、筐体22を上下又は左右に首振り自在に支持していることが望ましい。また、支持部材23は、植物Pの成長に応じて灯体2の高さを変更できるように伸縮自在に構成されていてもよい。
調光器3は、タイマ31と、タイマ31による計時結果に基づいて光源21を点灯制御する制御回路32(制御部)とを有する。制御回路32は、光源21による紫外線の放射強度が0.1〜50μW/cmの範囲内で時間的に変化し、且つその変化を繰り返し、その変化が1日のうちで複数回生じるように光源21を調光制御する。この調光制御処理において、制御回路32は、光源21による紫外線の放射強度が、少なくとも、後述の停止強度及び殺傷強度を含む複数の設定強度の中で、上記放射強度を段階的に変化させる。上記複数の設定強度には、害虫B1を誘引可能な誘引強度が含まれることが望ましい。そのような場合、制御回路32は、光源21による紫外線の放射強度を、誘引強度、停止強度、殺傷強度の順に変化させる。
誘引強度は、害虫B1を誘引可能な強度であり、例えば、略0.1〜3μW/cmの範囲内にある。誘引強度の下限値は、0でなければよく、ここで略0.1μW/cm以上としているのは、それ以下の調光制御が現実的でないことに基づく。誘引強度での紫外線の放射期間は、例えば、略15〜30分であり、誘虫のために0.09〜5.4mJの紫外線が放射される。停止強度は、害虫B1の動作を鈍らせて停止させることが可能な強度であり、例えば、略5〜15μW/cmの範囲内にある。停止強度での紫外線の放射期間は、例えば、略10〜15分であり、害虫B1の動きを停止させるために3.6〜13.5mJの紫外線が照射される。殺傷強度は、害虫B1を弱らせたり、物理的なダメージを与えたりして、害虫B1を殺傷可能な強度であり、例えば、略20〜50μW/cmの範囲内にある。殺傷強度での紫外線の放射期間は、例えば、略30分以上であり、殺虫のために36mJ以上の紫外線が放射される。誘引強度、停止強度及び殺傷強度での紫外線放射による効果については、ハダニを対象とした実験により確認済みである。
次に、制御回路32が後述するパターンに基づいて光源21をそれぞれ調光制御したときの、害虫駆除効果を調べるために実施される実験について説明する。
図4に示すように、この実験では、植物Pとして胡瓜を1株用意し、その胡瓜を略1m×1m×1.5mの寸法の透明容器50に入れて栽培し、栽培開始後、5〜7日目に害虫B1のハダニを5頭、胡瓜の下部の1葉に接種した。そして、光源21による放射光が胡瓜の下方から照射されるように光源21を配置した上で、ハダニを接種した日から3日後に光源21を点灯させた。また、光源21による紫外線の放射強度(以下、単に紫外線の放射強度という)を、以下に説明する第1〜第3変化パターンと第1〜第3比較パターンとでそれぞれ変化させた。このような実験の結果については、透明容器50に入れた胡瓜とその胡瓜に紫外線を照射する照明装置1との組み合わせを3組用意し、これら3組の平均値で評価した。その評価項目は、栽培から1.5ヶ月後に拡大鏡を用いて目視で数えた、任意の2葉の表と裏に居るハダニの頭数である。
以下、調光器3による光源21の変化パターン(第1〜第3変化パターン)について詳述する。ここで、上述した誘引強度、停止強度及び殺傷強度を、それぞれp1、p2、p3とする。
図5は、第1変化パターンを示し、図6は、第1変化パターンに基づく調光制御処理の手順を示す。制御回路32は、タイマ31によるカウント値をリセットし(図6のS11)、タイマ31による計時を開始する(S12)。そのとき、制御回路32は、紫外線の最小放射強度p0を0.1μW/cmとし(S13)、タイマ31による計時開始からの経過時間(以下、計時時間という)が第1期間t1以内である間(S14でNo)、それを維持する。第1期間t1は略15分である。計時時間が第1期間t1を過ぎると(S14でYes)、制御回路32は、紫外線の放射強度を停止強度p2に切り替える(S15)。計時時間が第1期間t1と第2期間t2との合計期間以内である間、すなわち停止強度p2への切替え後からの経過時間が第2期間t2以内である間(S16でNo)、制御回路32は、停止強度p2を維持する。第2期間t2は略15分である。計時時間が上記合計期間を過ぎると(S16でYes)、制御回路32は、紫外線の放射強度を殺傷強度p3に切り替える(S17)。その後、計時時間が第1期間t1、第2期間t2及び第3期間t3の合計期間以内である間、すなわち殺傷強度p3への切替え後からの経過時間が第3期間t3以内である間(S18でNo)、制御回路32は、殺傷強度p3を維持する。計時時間が上記合計期間を過ぎると(S18でYes)、S11の処理に戻る。第3期間は略30分である。
図7は、第2変化パターンを示し、図8は、第2変化パターンに基づく調光制御処理の手順を示す。この調光制御処理は、上記第1変化パターンに基づく調光制御処理(図6を参照)において、S13の処理を、紫外線の放射強度を誘引強度p1とするS21の処理(図8を参照)に変更したものである。
図9は、第3変化パターンを示し、図10は、第3変化パターンに基づく調光制御処理の手順を示す。この調光制御処理は、上記第1変化パターンに基づく調光制御処理(図6を参照)において、S13〜S18の処理をS31〜S34の処理(図10を参照)に変更したものである。上記変更により、紫外線の放射強度を0とする第1期間t1が省略され、その代わりに、紫外線の放射強度を殺傷強度p3とする第3期間t3が延長されてt3’≒45分に変更される。
S12の処理後、制御回路32は、紫外線の放射強度を停止強度p2とし(S31)、計時時間が第2期間t2以内である間(S32でNo)、停止強度p2を維持する。計時時間が第2期間t2を過ぎると(S32でYes)、制御回路32は、紫外線の放射強度を殺傷強度p3に切り替える(S33)。計時時間が第2期間t2と第3期間t3’との合計期間以内である間、すなわち殺傷強度p3への切替え後からの経過時間が第3期間t3’以内である間(S34でNo)、制御回路32は、殺傷強度p3を維持する。第3期間t3’は略45分である。計時時間が上記合計期間を過ぎると(S34でYes)、S11の処理に戻る。
次に、上記第1〜第3変化パターンと対比される第1〜第3比較パターンについて詳述する。図11は、第1比較パターンを示す。本比較パターンでは、紫外線の放射強度が常に0とされ、紫外線が放射されない。図12は、第2比較パターンを示す。本比較パターンは、上記第3変化パターン(図9を参照)において、紫外線の放射強度を停止強度p2とする処理を、その放射強度を0とする処理に変更したものである。図13は、第3比較パターンを示す。本比較パターンでは、紫外線の放射強度が常に殺傷強度p3とされ、殺傷強度p3の紫外線が連続的に放射される。
第1変化パターン〜第3変化パターンと第1比較パターン〜第3比較パターンとによる害虫駆除効果の評価結果を下記表1に示す。なお、上述したように、各パターンにおいて、実験開始時に夫々5頭のハダニが接種された。
Figure 2014200205
上記表1に示されるように、ハダニは繁殖力が非常に強く、第1比較パターンのように紫外線が照射されなければ、ハダニは1.5ヶ月で数十倍にまで増殖する。このような繁殖力に起因して、第1変化パターン〜第3変化パターン、第2比較パターン及び第3比較パターンのように紫外線が放射された場合であっても、ハダニの頭数が接種時よりも増える。しかしながら、第1変化パターン〜第3変化パターンでは、第2比較パターン及び第3比較パターンと比べて、ハダニの頭数が1/4以下に抑えられる。その理由を次に説明する。
第1変化パターン〜第3変化パターン、第2比較パターン及び第3比較パターンでは、ハダニの頭数は、紫外線が照射され易い葉の裏側よりも、紫外線が照射され難い表側の方が多くなっており、ハダニが葉の裏側から葉の表側に移動することがわかる。ハダニの移動速度は、基本的に遅いことから、胡瓜のように葉が大きい植物では、葉の裏側から表側に回るために20分以上の時間を要する。そこで、余裕を持たせて例えば30分間以上、殺傷強度p3で紫外線を照射すればハダニを殺虫できると見込まれる。しかしながら、第3比較パターンの結果に示されるように、紫外線を連続照射しただけでは、十分な殺虫効果が得られないことが分かった。これは、ハダニが強力な紫外線に驚き、急いで逃げたためであると推測される。一方、殺傷強度p3での紫外線放射を第2比較パターンのように断続的にすると、殺虫効果は僅かに向上するものの、その程度は限定的である。
一方、第1変化パターン〜第3変化パターンではいずれも、上述した通り、ハダニの頭数が激減している。第1変化パターン〜第3変化パターンの共通点は、特に第2比較パターンと比べて、殺傷強度p3で紫外線を放射する前に、停止強度p2で紫外線を放射した点である。すなわち、停止強度p2での紫外線放射によりハダニの動きを鈍らせ、その状態で殺傷強度p3の紫外線を放射したことで、ハダニを逃がさずにハダニに殺傷強度p3の紫外線を多量に浴びせることができ、殺虫効果を飛躍的に向上させることができた。
本実施形態では、特に害虫B1がハダニである場合、低強度での紫外線放射により害虫B1の動作を鈍らせてから高強度で紫外線を放射することにより、害虫B1を逃がさずに、害虫B1に高強度の紫外線を連続して照射させることができ、害虫B1を殺傷できる。従って、害虫B1が成虫であれば害虫B1の産卵を防ぐことで増殖を抑制することができ、たとえ産卵がなされても高強度の紫外線放射により孵化を防ぐことで害虫B1の発生を抑制することができ、そのため、害虫B1を確実に防除することができる。しかも、紫外線の放射強度の変化が繰り返されることで、害虫防除効果の確実性を高くすることができる。また、光源21による紫外線の放射強度は、予め設定された複数の設定強度の中で段階的に切り替えるだけでよいので、放射強度を変化させるための構成は簡単なもので済む。
また、第1、第2変化パターンの場合、第3変化パターンと比べて、誘引強度p0,p1による紫外線の放射期間が追加されるので、紫外線から逃げていた害虫B1が紫外線の照射領域に戻る可能性が出て来る。そのような場合、それらの害虫B1に停止強度p2及び殺傷強度p3で紫外線を浴びせることができ、従って、害虫B1の防除効果が向上する。また、紫外線放射の休止、害虫B1の動作停止及び殺傷という一連の流れにより、害虫B1の防除をより効果的に実施することができる。
また、殺傷強度p3での紫外線の放射期間が30分以上とされる。従って、害虫B1がハダニである場合、ハダニが例えば紫外線の当たり難い葉の裏側から紫外線の当たり易い葉の表側に逃げようと移動しても、その移動期間中に殺傷強度p3の紫外線を継続してハダニに照射し続けることができる。そのため、ハダニを確実に殺傷し駆除することができる。
次に、上記実施形態の変形例について図面を参照して説明する。以下の変形例において、上記実施形態と同一の構成が複数ある場合、それらを区別するため、上記実施形態の符号の末尾に個別のアルファベットを付加したものを用いる。
図14は、上記実施形態の一変形例に係る照明装置1の構成を示す。本変形例の照明装置1は、複数の灯体(図例では2つの灯体2A、2B)を備える。灯体2Aは、光源21A、筺体22A及び支持部材23Aを有し、灯体2Bは、光源21B、筺体22B及び支持部材23Bを有する。本変形例の照明装置1における光源の数は、上記に限定されない。
光源21A、21Bは、植物Pの葉の表側と裏側の両方に紫外線を照射するため、植物Pの上方と下方にそれぞれ配置されている。この配置のため、支持部材23A、23Bは、予め長さが相違するように構成されるか、又は伸縮自在な構成とされ、使用時に伸び縮みさせることにより、長さに差が設けられる。制御回路32は、光源21A、21Bにおける紫外線の放射強度の変化態様を互いに略同じとする。すなわち、制御回路32は、光源21A、21Bによる紫外線の放射強度を、略同じタイミングで、略同じ値に変化させる。
上記実施形態のように、紫外線を一方向から照射した場合、葉の裏側だけでなく、複数の葉が重なり合ったときに光源の奥方にある葉の表面側にも陰ができ、この陰が害虫B1の隠れ場所となることがある。これに対して、本変形例によれば、上述した陰ができ難いので、害虫B1の隠れ場所を少なくし、より効果的に害虫B1を殺傷することができる。また、植物Pの葉の表側と裏側の両方に紫外線を略同時に略同じ強度で照射することができ、特に殺傷強度p3での紫外線放射期間には、害虫B1の逃げ場をより確実になくして、害虫B1の防除効果を向上させることができる。
図15は、上記実施形態の他の変形例に係る照明装置1の構成を示す。本変形例の照明装置は、複数用いられて、照明システムを構成する。図例では、2台の照明装置1A、1Bを示すが、照明装置1の数は、これに限定されず、複数であればよい。照明装置1Aは、灯体2A(光源21A、筺体22A、支持部材23A)及び調光器3Aを有し、照明装置1Bは、灯体2B(光源21B、筺体22B、支持部材23B)及び調光器3Bを有する。
光源21A、21Bを用いた駆除方法として、又は光源21A、21Bのうち、紫外線の放射強度を変化させる対象、すなわち調光制御対象の光源が切り替えられる。この切替え制御が行われる場合、調光制御対象とされる光源だけが点灯し、その他の光源は消灯する。本例においても、上記変形例と同等の効果が得られる。
上述した図14に示した葉の表側と裏側の両方に紫外線を照射する変形例(上下から同時照射)、及び図15に示した調光制御対象の光源が切り替えられる変形例(切替照明)による害虫防除の評価結果を下記表2に示す。ここでも、各パターンにおいて、実験開始時に夫々5頭のハダニが接種された。また、これらの変形例における紫外線放射強度は、図7に示した第2変化パターンに準じ、また、切り替え照射の照射パターンは、図7におけるt1+t2の期間で殺傷期間を、t3の期間で誘引・停止期間を設けた。なお、表2では、下方から紫外線を照射した実施例(図4参照)の結果(表1で示した第2変化パターンと同サンプル)を参考のために載せている。
Figure 2014200205
上記表2に示されるように、上下から同時照射、及び切替照明では、葉の裏側だけでなく、表側にも紫外線が照射されるので、下方から葉の裏側を中心に紫外線を照射して実施例に比べて、害虫予防効果を高くすることができる。特に、切替照明は、下方からの照射と電力消費量が同じであり、同時照射の半分とすることができ、しかもそれらを上回る害虫予防効果を得ることができた。
なお、本発明は、上記実施形態及び変形例の構成に限定されるものでなく、使用目的に応じ、様々な変形が可能である。例えば、制御回路32は、光源21による紫外線の放射強度の変化について、第1変化パターン乃至第3変化パターンのうちのいずれかとその他のものと組み合わせ、その組合せを繰り返してもよい。
また、上記変形例において、制御回路32は、光源21A、21Bの中で、紫外線の放射強度を変化させる対象の光源、すなわち調光制御対象の光源を切り替えてもよい。その場合、制御回路32は、調光制御対象の光源だけを点灯し、その他の光源を消灯する。このような切替え制御によれば、消費電力を削減しつつ、害虫B1の防除効果の向上を図ることができる。
1 害虫駆除用照明装置
21、21A、21B 光源
32 制御回路(制御部)
P1 植物
B1 害虫
p1 誘引強度
p2 停止強度
p3 殺傷強度

Claims (9)

  1. 紫外線を含む光を放射する光源と、前記光源を調光制御する制御部と、を備えた害虫駆除用照明装置において、
    前記光源は、260〜305nmの波長を含む紫外線又は260〜305nmの波長範囲内にピーク波長を有する紫外線を放射し、
    前記制御部は、前記光源による前記紫外線の放射強度が0.1〜50μW/cmの範囲内で時間的に変化し、且つその変化を繰り返すように前記光源を調光制御することを特徴とする害虫駆除用照明装置。
  2. 前記制御部は、前記光源による前記紫外線の放射強度が、少なくとも前記害虫の動作を停止させることが可能な停止強度と、前記害虫を殺傷可能な殺傷強度と、を含む複数の設定強度の中で、前記放射強度を段階的に変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の害虫駆除用照明装置。
  3. 前記停止強度は、5〜15μW/cmの範囲内にあり、
    前記殺傷強度は、20〜50μW/cmの範囲内にあることを特徴とする請求項2に記載の害虫駆除用照明装置。
  4. 前記複数の設定強度は、前記害虫を誘引可能な誘引強度を含むことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の害虫駆除用照明装置。
  5. 前記誘引強度は、0.1〜3μW/cmの範囲内にあることを特徴とする請求項4に記載の害虫駆除用照明装置。
  6. 前記制御部は、前記光源による前記紫外線の放射強度を、前記誘引強度、前記停止強度及び前記殺傷強度の順に変化させることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の害虫駆除用照明装置。
  7. 前記制御部は、前記光源における前記殺傷強度での前記紫外線の放射期間を30分以上とすることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか一項に記載の害虫駆除用照明装置。
  8. 前記光源は、複数、設けられ、
    前記制御部は、前記複数の光源における前記紫外線の放射強度の変化態様を互いに同じとすることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の害虫駆除用照明装置。
  9. 前記光源は、複数、設けられ、
    前記制御部は、前記複数の光源の中で、前記紫外線の放射強度を変化させる対象の光源を切り替えることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の害虫駆除用照明装置。
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