JP2014199180A - 術野洗浄液中の菌の検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生体試料を含む術野洗浄液中の菌の存在を簡便に検出できる方法を提供する。
【解決手段】(i)術野洗浄液を血小板活性化物質と混合・接触させ;(ii)前記血小板活性化物質を前記術野洗浄液から除去して、被測定試料を得;(iii)前記被測定試料を、前記被測定試料中のエンドトキシンとの結合により活性化されるC因子含有試薬および発光合成基質と反応させて、前記発光合成基質から前記発光基質を遊離させ;(iv)前記工程(iii)で遊離した発光基質に発光酵素を作用させて、発光量を測定し;さらに(v)前記工程(iv)で得られた発光量を、基準値と比較することを有する術野洗浄液中の菌の検出方法。
【選択図】なし
【解決手段】(i)術野洗浄液を血小板活性化物質と混合・接触させ;(ii)前記血小板活性化物質を前記術野洗浄液から除去して、被測定試料を得;(iii)前記被測定試料を、前記被測定試料中のエンドトキシンとの結合により活性化されるC因子含有試薬および発光合成基質と反応させて、前記発光合成基質から前記発光基質を遊離させ;(iv)前記工程(iii)で遊離した発光基質に発光酵素を作用させて、発光量を測定し;さらに(v)前記工程(iv)で得られた発光量を、基準値と比較することを有する術野洗浄液中の菌の検出方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、術野洗浄液中の菌の検出方法に関する。生体試料が混入した術野洗浄液中の菌の存在を簡易に検出する方法に関する。
股関節置換術、膝関節置換術、心臓手術、血管手術、結腸直腸手術等の外科手術時には、微生物に対してバリアとして機能している皮膚が切開され、本来無菌である内部組織が開放されるため、手術を行った部位に発生する手術部位感染(surgical site infection:SSI)が問題となっている。SSIの原因と推定される細菌としては、黄色ブドウ球菌、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌、肺炎球菌、グラム陰性菌などが挙げられる。また、SSIの発生率は手術の種類や手術を行う部位によって異なり、JANIS(厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業)2007年季報(1月〜6月)のデータによると、例えば、胃の手術では4.0%、直腸の手術では17.1%となっており、入院患者の院内感染の中で、SSIが占める割合は14〜16%を占め、尿路感染や肺炎に次いで2番目の多さである。さらに、SSIが起こると、治癒が遅くなることで、入院日数や医療コストが増え、患者への負担がかなり大きくなってしまう。このため、SSIを最小限にする取り組みが急務である。
一般的にSSI対策としては、手術前・中・後で異なる。このうち、手術中のSSI対策としては、絹糸ではなく合成吸収糸を縫合糸として使用する、創縁ドレープを用いる、など様々な対策があるが、上記対策に加えて、疾患部を縫合する前に、術野を生理食塩水などで洗浄し、感染の原因となる菌を可能な限り除去する対策がとられている。また、術野での菌数がある程度以下であれば自助回復力によってその菌を死滅させることが期待できる。しかしながら、従来の方法では、検出時間に少なくとも数時間を要し、術後にしか細菌の検出結果を得られないため、細菌数の確認が行われないまま縫合されていた。このため、短時間で(術中に)細菌の存在を検出できる方法が求められている。
一方、細菌の検出方法としては、グラム陰性菌の外膜を構成する成分の一つである「エンドトキシン(endotoxin)」の濃度を測定する方法がある(例えば、特許文献1)。特許文献1の方法は、試料と、エンドトキシンとの結合により活性化されるC因子を含有する試薬と、ペプチドに発光基質が結合してなる発光合成基質とを反応させ、発光合成基質から発光基質を遊離させる発光基質遊離工程と、発光基質遊離工程により遊離した発光基質に発光酵素を作用させ、発光量を測定する発光量測定工程と、発光量測定工程により得られた測定値に基づいて試料中のエンドトキシン濃度を定量する濃度定量工程とを包含することを特徴としている。当該方法によると、試料中のエンドトキシンを、簡便かつ高感度に測定できる。
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、血液等の生体試料を含む場合には、エンドトキシンが存在しない試料でも発光してしまい、少量のエンドトキシン(細菌)が存在する試料の場合には、当該試料とエンドトキシン(細菌)が存在しない試料とを識別することができないという問題がある。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、生体試料を含む術野洗浄液中の菌の存在を簡便に検出できる方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、生体試料を含む術野洗浄液中の菌の存在を短時間で検出できる方法を提供することである。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、生体試料を含む術野洗浄液中のエンドトキシン濃度を測定する前に、術野洗浄液を血小板活性化物質で予め処理することによって、偽陽性の問題を解消し、上記目的が達成できることを知得した。当該知見に基づいて、本発明を完成した。
すなわち、上記諸目的は、(i)術野洗浄液を血小板活性化物質と混合・接触させ[工程(i)];(ii)前記血小板活性化物質を前記術野洗浄液から除去して、被測定試料を得[工程(ii)];(iii)前記被測定試料を、前記被測定試料中のエンドトキシンとの結合により活性化されるC因子含有試薬および発光合成基質と反応させて、前記発光合成基質から前記発光基質を遊離させ[工程(iii)];(iv)前記工程(iii)で遊離した発光基質に発光酵素を作用させて、発光量を測定し[工程(iv)];さらに(v)前記工程(iv)で得られた発光量を、基準値と比較する[工程(v)]、ことを有する術野洗浄液中の菌の検出方法によって達成できる。
本発明の方法によれば、生体試料を含む術野洗浄液であっても、術野洗浄液中の細菌を容易にかつ短時間で検出できる。
本発明は、(i)術野洗浄液を血小板活性化物質と混合・接触させ[工程(i)];(ii)前記血小板活性化物質を前記術野洗浄液から除去して、被測定試料を得[工程(ii)];(iii)前記被測定試料を、前記被測定試料中のエンドトキシンとの結合により活性化されるC因子含有試薬および発光合成基質と反応させて、前記発光合成基質から前記発光基質を遊離させ[工程(iii)];(iv)前記工程(iii)で遊離した発光基質に発光酵素を作用させて、発光量を測定し[工程(iv)];さらに(v)前記工程(iv)で得られた発光量を、基準値と比較する[工程(v)]、ことを有する術野洗浄液中の菌の検出方法に関する。本発明の方法は、生体試料を含む術野洗浄液中のエンドトキシン濃度を測定する前に、術野洗浄液を血小板活性化物質で予め処理することを特徴とする。本発明者らは、生体試料中の血小板凝固因子が存在すると、エンドトキシン(細菌)が存在しない試料であっても発光してしまうことを発見した。さらに、術野洗浄液中の血小板凝固因子を血小板活性化物質で処理することによって、上記したような偽陽性結果の原因物質を除去できる。このため、当該処理後の術野洗浄液中のエンドトキシン濃度を測定すると、エンドトキシン(細菌)が存在しない試料の発光量を有意に抑制でき、エンドトキシン(細菌)の存在を正確に検出することができる。また、20CFU/mL以下という少数の細菌をも検出することができる。上記利点に加えて、本発明の方法によると、20分以下という短時間での検出が可能である。このため、患者への負担を軽減でき、また、表皮を縫合する前に細菌が検出できるため、SSIを有効に予防することができる。
なお、本発明の方法により検出される菌としては、特に制限されず、一般的に手術部位感染(SSI)の原因と推定される細菌でありうる。具体的には、Budvicia属、Buttauxella属、Cedecea属、Citrobacter属、Enterobacter属、Escherichia属、Edwardsiella属、Erwinia属、Ewingella属、Hafnia属、Klebsiella属、Kluyvera属、Leclercia属、Leminorella属、Morganella属、Obesumbacterium属、Pragia属、Proteus属、Providencia属、Rahnella属、Salmonella属、Serratia属、Shigella属、Tatumella属、Trabulsiella属、Xenorhabdus属、Yersinia属、Yokenella属、Acinetobacter属、Actinobacillus属、Aeromonas属、Agrobacterium属、Alcaligenes属、Arcobacter属、Bordetella属、Brucella属、Branhamella属、Burkholderia属、Calymmatobacterium属、Campylobacter属、Capnocytophage属、Cardiobacterium属、Chromobacterium属、Chryseomonas属、Comamonas属、Eikenella属、Flavimonas属、Flavobacterium属、Flexispira属、Francisella属、Haemophilus属、Helicobacter属、Kingella属、Legionella属、Methylobacterium属、Moraxella属、Neisseria属、Ochrobactrum属、Oligella属、Pasteurella属、Pectobacterium属、Plesiomonas属、Pseudomonas属、Shewanella属、Sphingobacterium属、Sphingomonas属、Stenotrophomonas属、Streptobacillus属、Viblio属、Weeksalla属、Xanthomonas属、Acidaminococcus属、Anaerobiospirillum属、Anaerorhabdus属、Bacteroides属、Biophila属、Centipeda属、Desulfomonas属、Desulfovibrio属、Dichelobacter属、Fusobacterium属、Leptotrichia属、Megasphaera属、Mitsuokella属、Mobiluncus属、Porphyromonas属、Prevotella属、Selenomonas属、Tissierella属、Veillonella属、及びWolinella属等に属するグラム陰性菌などが挙げられる。これらのうち、手術部位感染の主要原因となるEnterobacter属、Escherichia属、Pseudomonas属、Bacteroides属に適応するのが望ましい。なお、手術部位感染の原因としてはグラム陰性菌だけではなく、グラム陽性菌も含まれるが、洗浄の度合いを確認するためにはグラム陰性菌のみの検出で十分である。
以下、本発明の実施の形態を図1〜3を参照しながら説明する。なお、各図中では、液の量、反応条件などが記載されているが、これらは好ましい一実施形態を示すものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.工程(i)
本工程では、術野洗浄液を血小板活性化物質と混合・接触させる。
本工程では、術野洗浄液を血小板活性化物質と混合・接触させる。
ここで、術野洗浄液とは、股関節置換術、膝関節置換術、心臓手術、血管手術、結腸直腸手術等の外科手術で患部の縫合前に、術野を洗浄液で洗浄するが、その際の洗浄液をいう。このため、本発明の方法が適用される術野洗浄液は、通常、血液成分等の生体由来の成分を含む。洗浄後は、術野洗浄液を吸引・廃液し、この洗浄および吸引・廃液操作を、適当回数、例えば、合計2〜25回(好ましくは4〜20回)程度、繰り返す。各洗浄工程で得られる術野洗浄液のいずれを本工程で使用してもよいが、一般的には、最終洗浄工程で得られた術野洗浄液が使用される。なお、術野の洗浄回数は術式、病気の重篤度、患者の体重などによって異なり、最終的には術者の判断にゆだねられる。また、術野洗浄液は、特に制限されず、通常、外科手術で洗浄に使用されるものが同様にして使用できる。具体的には、生理食塩水、滅菌水、リンガー溶液、4.5%のブドウ糖等の糖やグリセリン等の細胞に無害な浸透圧保持剤を加えて生体組織細胞と実質的に同じ浸透圧に等張した溶液、脳脊髄手術用洗浄灌流液などが挙げられる。また、1回あたりに使用される術野洗浄液の量は、特に制限されず、通常外科手術における使用量と同様でありうる。具体的には、1回あたりに使用される術野洗浄液の量は、100〜1,000mLが好ましく、総量としては、100〜10,000mLがより好ましい。また、上記術野洗浄液は、そのまま使用されてもよいが、患者への負担をかんがみると、体温とほぼ同等の温度(例えば、35〜40℃、好ましくは37℃前後)に加温されることが好ましい。
本工程において、術野洗浄液は、全量を血小板活性化物質と混合・接触させる必要はなく、通常、その一部が使用される。
本工程で使用できる血小板活性化物質は、血小板の凝集を誘導できる物質であれば特に制限されない。具体的には、陽イオンがCa2+、Cu2+、Zn2+、Mg2+、K+、NH4 +、Na+、またはH+である陽イオン交換樹脂;陰イオンがSO4 2−、I−、NO3 −、CrO4 2−、Br−、Cl−、OH−、またはF−である陰イオン交換樹脂;コラーゲン、フィブリン、ADP、アラキドン酸、トロンビン、セロトニン、プロタミン、カルシウム塩、RGDペプチド、若しくは凝固因子(例えば、フィブリノゲン、トロンビン、プロトロンビン、フォンビルブランドファクター、トロンボキサン、トロンボプラスチン、第五因子、第七因子、第八因子、第九因子、第十因子、第十一因子、第十二因子、プレカリクレイン、高分子キニノゲン等)などの血小板を活性化して血栓を生じやすくする物質から構成されるまたは前記少なくとも一の物質で被覆されるビーズ;珪砂、例えば、大きさが0.4〜20μmの珪砂、結晶シリカ、例えば、大きさが5μm以下で平均粒径が1.1μmの結晶シリカ(例えば、ペンシルバニア・グラスサンド社製、商品名:Min−USil)、珪藻土、ガラス微粉末、カオリン、ベントナイト;ならびにポリスチレン、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、およびポリアクリル酸等のアンモニウム塩、カルボン酸またはスルホン酸を含む樹脂などが挙げられる。陽/陰イオン交換樹脂は、市販品を使用してもよい。具体的には、陽イオン交換樹脂(弱酸性陽イオン交換樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂)としては、アンバーライト(商標)CG−4000、CG−5000、CG−6000、CG−8000、IR−116、IR−118、IR−118H、IR−120、IR−120B、IR−122、IR−124、252、200CT、201CT、200C、IRC−50、IRC−84、XT−1007、XT−1009、XT−1002(以上、いずれも株式会社オルガノ製の商品名)等のアンバーライト(商標)系陽イオン交換樹脂;ダイヤイオン(商標)SK−1A、SK−1B、SK−104、SK−110、SK−112、FMK−10、WK−10、WK−11、WK−20、PA−406、PA−408、PA−412、PA−416、PA−418、PK−208、PK−212、PK−216、PK−218、PK−220、PK−228、UBK08、UBK10、UBK12(以上、いずれも三菱化学株式会社製の商品名)等のダイヤイオン(商標)系陽イオン交換樹脂などが挙げられる。また、陰イオン交換樹脂(弱塩基性陰イオン交換樹脂、中塩基性陰イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂)としては、アンバーライト(商標)IRA−400、IRA−400J、IRA−400T、IRA−401、IRA−402BL、IRA−404J、IRA−430、IRA−458、IRA−458、IRA−900、IRA−900J、IRA−904、IRA−910、IRA−910CT、IRA−938、IRA−958、IRA−958RF、IRA−410、IRA−410J、IRA−411、IRA−910、IRA−68、IRA−35、IRA−93等のアンバーライト(商標)系陰イオン交換樹脂;ダイヤイオン(商標)WA−10、WA−11、WA−20、WA−21、WA−30、PA−406、PA−408、PA−412、PA−416、PA−418、PA−306、PA−306S、PA−308、PA−312、PA−316、PA−318、PA−318L、PA−318L、PA−408、PA−412、PA−418、HPA25、SA−10A、SA−11A、SA−12A、SA−20A、SA−21A、NSA100、UBA120(以上、いずれも三菱化学株式会社製の商品名)等のダイヤイオン(商標)系陰イオン交換樹脂;OPTIPORE−XUS40285.00、OPTIPORE−XUS 40390.00(以上、いずれもダウケミカル株式会社製の商品名)等の弱塩基性陰イオン交換樹脂などが挙げられる。上記陽/陰イオン交換樹脂のうち、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、フェノールホルマリン樹脂などを基体とし、イオン交換基としてスルホン酸基を有するもの等の強酸性陽イオン交換樹脂(例えば、アンバーライト(商標)IR−120、IR−120B、IR−124、252、200CT、;ダイヤイオン(商標)SK−1A、SK−1B、SK−104、SK−110、SK−112、UBK08、UBK10、UBK12、FMK−10、PK−208、PK−212、PK−216、PK−218、PK−220、PK−228)等の、強酸性陽イオン交換樹脂、およびスチレン−ジビニルベンゼン共重合体などを基体とし、イオン交換基としてトリメチルアンモニウム基、β―ヒドロキシエチルジメチルアンモニウム基を有するもの等の強塩基性陰イオン交換樹脂(例えば、アンバーライト(商標)IRA−400、IRA−400J、IRA−402BL、IRA−404J、IRA−410、IRA−410J、IRA−411、IRA−900J、IRA−904、IRA−910CT、IRA−958、IRA−958RF、;ダイヤイオン(商標)SA−10A、SA−11A、SA−12A、SA−10B、FMA−10、NSA100、UBA120、PA−306S、PA−308、PA−312、PA−316、PA−318L、HPA25、SA−20A、SA−21A、PA−408、PA−412、PA−418)等の、強塩基性陰イオン交換樹脂が好ましく使用される。また、上記陽/陰イオン交換樹脂以外の血小板活性化物質のうちでは、コラーゲンやポリスチレンビーズが好ましく使用される。なお、上記血小板活性化物質は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
術野洗浄液と血小板活性化物質との混合比は、血小板活性化物質が、術野洗浄液中のエンドトキシン不存在下で発光の原因となる物質(例えば、血小板凝固因子)を十分除去できる量混合される限り、特に制限されない。具体的には、血小板活性化物質を、術野洗浄液1mLに対して、好ましくは0.05〜1.0g、より好ましくは0.1〜0.5gの量で、混合・接触させることが好ましい。上記量であれば、血小板活性化物質により、術野洗浄液中のエンドトキシン不存在下で発光の原因となる物質を十分除去できる。なお、本明細書において、「エンドトキシン不存在下で発光の原因となる物質を除去する」とは、当該物質の存在による偽陽性を予防・防止することを意味する。このため、「エンドトキシン不存在下で発光の原因となる物質の除去」には、当該物質の物理的な除去に加えて、当該物質の不活性化をも包含する。このため、当該物質の除去後の術野洗浄液は、エンドトキシン不存在下で発光の原因となる物質を実質的に含まない形態、およびエンドトキシン不存在下では発光の原因とならない形態で当該物質を含む形態のいずれの形態をも包含する。
また、術野洗浄液と血小板活性化物質との混合・接触条件もまた、血小板活性化物質が、術野洗浄液中のエンドトキシン不存在下で発光の原因となる物質を十分除去できる条件であれば、特に制限されない。具体的には、血小板活性化物質を、術野洗浄液と、好ましくは15〜45℃で、より好ましくは20〜40℃で、0.5〜15分間、より好ましくは3〜10分間、混合・接触する。この際、術野洗浄液と血小板活性化物質との混合・接触は、攪拌条件下で行ってもまたは静置条件下で行ってもよい。
2.工程(ii)
本工程は、上記工程(i)で術野洗浄液を血小板活性化物質と混合・接触した後、血小板活性化物質を術野洗浄液から除去して、被測定試料を調製する工程である。
本工程は、上記工程(i)で術野洗浄液を血小板活性化物質と混合・接触した後、血小板活性化物質を術野洗浄液から除去して、被測定試料を調製する工程である。
本工程において、血小板活性化物質の除去方法は、特に制限されず、公知の方法が使用される。例えば、上記工程(i)の混合液を所定時間(例えば、3分間以上)静置して血小板活性化物質を沈殿させた後、その上澄み液を得てもよい。または、上記工程(i)の混合液を、遠心分離、濾過、吸引濾過、多孔質膜濾過、不織布濾過等の公知の分離方法を用いて術野洗浄液と血小板活性化物質とを分離して、その上澄み液や濾液を得てもよい。ここで、このようにして得られた上澄み液/濾液をそのまま被測定試料として使用してもよい。また、上記分離方法は、1種を単独で適用してもあるいは2種以上を適宜組み合わせて適用してもいずれでもよく、血小板活性化物質の除去程度によって適宜選択される。
3.工程(iii)
本工程は、上記工程(ii)で得られた被測定試料を、当該被測定試料中のエンドトキシンとの結合により活性化されるC因子含有試薬(以下、単に「C因子含有試薬」とも称する)および発光合成基質と反応させて、前記発光合成基質から前記発光基質を遊離させる工程である。なお、本工程において、被測定試料は、工程(ii)で得られた被測定試料全量を使用する必要はなく、通常、その一部が使用され、その量は、工程(iv)で発光量が測定できる量であればよく、適宜選択できる。
本工程は、上記工程(ii)で得られた被測定試料を、当該被測定試料中のエンドトキシンとの結合により活性化されるC因子含有試薬(以下、単に「C因子含有試薬」とも称する)および発光合成基質と反応させて、前記発光合成基質から前記発光基質を遊離させる工程である。なお、本工程において、被測定試料は、工程(ii)で得られた被測定試料全量を使用する必要はなく、通常、その一部が使用され、その量は、工程(iv)で発光量が測定できる量であればよく、適宜選択できる。
本明細書中、「エンドトキシン(endotoxin)」とは、細菌、特にグラム陰性菌の外膜を構成する成分の1つであり、リポ多糖(LPS)がC因子の活性化に寄与する。エンドトキシンは、細菌、特にグラム陰性菌の表層に外膜の一部として存在する。また、エンドトキシンは、通常、菌の死後、血流中に遊離して存在している。このため、被測定試料中のエンドトキシン濃度を測定することによって、被測定試料中の菌の存在を検出することが可能である。
本工程では、エンドトキシンを含む被測定試料とC因子含有試薬(例えば、カブトガニの血球抽出液)とを混合・接触させると、被測定試料中のエンドトキシンにより反応系(例えば、リムルス反応系)が活性化する。より具体的には、C因子含有試薬がカブトガニの血球抽出液(LAL:Limulus Amebocyte Lysate)である場合の、エンドトキシンによる反応系(リムルス反応系)の活性化メカニズムは下記のとおりである。すなわち、エンドトキシンは、C因子(Factor C)と結合してC因子を活性化し、活性化されたC因子(活性型C因子)はB因子(Factor B)をさらに活性化する。続いて、活性化されたB因子(活性型B因子)は前凝固酵素(Preclotting Enzyme)を活性化し、凝固酵素(Clotting Enzyme)が生成する。この凝固酵素はコアギュローゲン(Coagulogen)を基質として部分水解し、凝固タンパク質であるコアギュリン(Coagulin)を生成して、ゲル化する[T. Miyata, M. Hiranaga et al., Amino Acid Sequence of the Coagulogen from Limulus polyphemus Hemocytes, The Journal of Biological Chemistry, 259, 8924-8933 (1984)参照]。次に、当該反応系に発光合成基質が存在すると、発光合成基質のC末端のペプチド部分(例えば、Arg)と発光基質との結合が切断して、発光合成基質から発光基質が遊離する。
本工程で使用されうるC因子含有試薬は、エンドトキシンとの反応により凝固酵素が生成されるものであれば、特に制限されない。例えば、従来リムルステストに使用されているカブトガニ血球抽出液(amebocyte lysate)の成分を好適に用いることができる。また、カブトガニ血球抽出液も特に制限されず、例えば、リムルス(Limulus)属、タキプレウス(Tachypleus)属、およびカルシノスコルピウス(Carcinoscorpius)属に属するカブトガニの血球から得られたものが使用できる。また、C因子含有試薬は、市販品を使用してもよく、例えば、リムルス試薬(LAL(Limulus Amebocyte Lysate)試薬)として市販されているもの、エンドトキシン測定用のキットに付属のリムルス試薬(LAL試薬)を用いることができる。エンドトキシン測定用のキットとしては、具体的には、Kinetic−QCL、QCL−1000、パイロジェント5000、パイロジェント06プラス、パイロジェント03プラス(いずれも、ロンザジャパン株式会社製の商品名);リムルスJテストワコー、リムルスJシングルテストワコー、リムルスJシングルテストワコー、リムルスHS−Jシングルテストワコー、リムルスES−Jテストワコー、リムルスFシングルテストワコー、リムルスHS−Fテストワコー、リムルスHS−Fシングルテストワコー、リムルスES−IIテストワコー、リムルスES−IIシングルテストワコー、リムルスHS−Tシングルテストワコー、リムルスカラーKYテストワコー、リムルスカラーKYシングルテストワコー、リムルスPSシングルテストワコー(いずれも、和光純薬工業株式会社製の商品名)などが挙げられる。または、カブトガニ血球抽出物J凍結乾燥品、カブトガニ血球抽出物HS−J凍結乾燥品、カブトガニ血球抽出物F凍結乾燥品、カブトガニ血球抽出物HS−F凍結乾燥品、カブトガニ血球抽出物ES−II凍結乾燥品(いずれも、和光純薬工業株式会社製の商品名)などをエンドトキシン測定用専用試薬として使用してもよい。
このように、C因子含有試薬として、従来、リムルステストに使用されているカブトガニ血球抽出成分(例えば、市販のリムルス試薬)を使用した場合には、上述したように、エンドトキシンを含む試料との反応により、活性型C因子、活性型B因子および凝固酵素が生成する。これらはいずれもプロテアーゼ活性を有するタンパク質であることが知られている。したがって、発光合成基質としては、活性型C因子の認識配列を有するもの、活性型B因子の認識配列を有するもの、および凝固酵素の認識配列を有するものが使用できる。ここで、本発明の方法では、活性型C因子、活性型B因子および凝固酵素のうちの1種を単独でプロテアーゼ活性を指標としても、または2種以上をプロテアーゼ活性の指標としてもよいが、操作の簡便性などを考慮すると、1種を使用することが好ましい。このため、それぞれの場合に応じて、指標とする酵素に対応する発色合成基質を適宜選択して用いればよい。
または、カブトガニのC因子の遺伝子の一部または全部に基づいて合成された組換遺伝子由来のリコンビナントC因子を用いることも可能である。このようなリコンビナントC因子は、特に制限されず、例えば、市販のパイロジーンrFc(ロンザジャパン株式会社製の商品名)に付属のリコンビナントC因子などを好適に用いることができる。または、リコンビナントC因子は、公知の遺伝子操作を用いて、カブトガニC因子の遺伝子を発現ベクターに挿入・スクリーニングし、得られた発現ベクターを適当な宿主細胞に形質転換して、当該細胞で組換タンパク質を発現、精製することによって製造してもよい。
このように、C因子含有試薬としてリコンビナントC因子を用いた場合には、当該試薬中にB因子および前凝固酵素は存在しないので、エンドトキシンを含む試料との反応により生成されるのは活性型のリコンビナントC因子のみである。ゆえに、この場合には、発光合成基質には活性型C因子の認識配列を有するものを使用すればよい。
C因子含有試薬の使用量は、被測定試料中のエンドトキシンと十分結合する量であれば特に制限されない。具体的には、C因子含有試薬の使用量(タンパク質濃度換算)は、被測定試料1mLに対して、好ましくは1.5〜3.5mg程度、より好ましくは2.0〜3.3mg程度である。なお、市販品を使用する場合には、通常、製造社の指示に従って、適宜選択できる。
また、本工程で使用されうる発光合成基質は、ペプチドに発光基質が結合してなるものであればよい。本明細書において「発光基質」とは、生物発光で反応の基質となって光を発する物質を意味する。発光基質は、特に制限されず、公知の発光基質が使用できる。例えば、ホタルルシフェリン、下記式で表されるアミノルシフェリン、レニラルシフェリン、ウミホタルルシフェリン、ヴァルグリン、渦鞭毛藻類ルシフェリン、バクテリアルシフェリンなどが挙げられる。これらのうち、アミノルシフェリンを使用する場合には、アミノルシフェリン中のアミノ基が、隣接するアミノ酸のカルボキシル基とアミド結合を形成する。
または、発光基質は市販品を使用してもよい。具体的には、D−ルシフェリン(D-Luciferin)、D−ルシフェリンナトリウム(D-Luciferin Sodium Salt)、D−ルシフェリンナトリウム一水和物(D-Luciferin Sodium Salt Monohydrate)、D−ルシフェリンカリウム(D-Luciferin Potassium Salt)、Luciferase-Luciferin, Lyophilized、Luciferase, recombinant(いずれも、和光純薬工業株式会社製の商品名)、D(−)−ルシフェリン(Photinus pyralis ルシフェリン、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製)などが挙げられる。
アミノルシフェリンと結合するペプチドは、当該ペプチドのC末端におけるアミノルシフェリンとのアミド結合が、活性型C因子、活性型B因子および凝固酵素のいずれか1種のプロテアーゼ活性により切断されるアミノ酸配列からなるものであればよい。アミノ酸残基数およびアミノ酸配列は、特に限定されない。特異性、合成コスト、取扱い易さ等の観点を考慮すると、アミノ酸残基数は2個〜10個が好ましい。
具体的には、凝固酵素の認識配列を有するペプチドとしては、以下に制限されないが、Gly−Val−Ile−Gly−Arg−、Val−Leu−Gly−Arg−、Leu−Arg−Arg−、Ile−Glu−Gly−Arg−、Leu−Gly−Arg−、Val−Ser−Gly−Arg−、Val−Gly−Arg−などが挙げられる。また、活性型C因子の認識配列を有するペプチドとしては、以下に制限されないが、Ile−Glu−Ala−Arg−、Leu−Gly−Asn−Lys−Val−Ser−Arg−、Ile−Thr−Thr−Val−Gly−Arg−などが挙げられる。活性型B因子の認識配列を有するペプチドとしては、以下に制限されないが、Thr−Thr−Thr−Thr−Arg−、Ser−Arg−Gln−Arg−Arg−などが挙げられる。上記ペプチドは、N末端が保護基で保護されていてもよい。保護基としては、通常この分野で用いられるものであれば限定されることなく用いることができる。具体的には、例えば、N−スクシニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ベンゾイル基、p−トルエンスルホニル基などが挙げられる。
または、発光合成基質は、例えば、特表2005−530485号公報の実施例6及び実施例7に記載の方法を参照することにより合成することができる。また、Promega社から市販されている「Proteasome−GloTM Assay Systems」に付属の発光合成基質(ベンゾイル−Leu−Arg−Arg−アミノルシフェリン)を使用することができる。発光合成基質中に遊離のアミノルシフェリンが含まれる場合は、これを予め除去しておくことが好ましい。発光合成基質から遊離のアミノルシフェリンを除去することにより、バックグラウンド発光を抑制することができる。遊離のアミノルシフェリンを除去する方法としては、例えば、20mM トリシン、8mM Mg2+、0.13mM EDTAの緩衝液(pH7.8)中、0.8mM 補酵素A、1.5mM ATP、250μg/mlホタルルシフェラーゼおよび90mM DTTを含む溶液と混合し、室温(25℃)で1時間〜6時間インキュベートする方法が挙げられる。
または、発光合成基質は、市販品を使用してもよい。具体的には、エンドトキシン用ペプチド ルシフェリン(株式会社バイオエネックス製)などがある。
発光合成基質の使用量は、十分量の発光基質を遊離できる量であれば特に制限されない。具体的には、発光合成基質の使用量は、好ましくは50〜100μMであり、より好ましくは70〜80μMである。なお、市販品を使用する場合には、通常、製造社の指示に従って、適宜選択できる。
また、本工程において、被測定試料とC因子含有試薬と発光合成基質との反応条件は、これらが反応して発光合成基質から発光基質が遊離する条件であれば特に制限されない。具体的には、反応温度は、好ましくは15〜45℃であり、より好ましくは20〜40℃である。また、反応時間は、好ましくは0.5〜20分であり、より好ましくは1〜15分であり、特に好ましくは3〜10分である。また、被測定試料とC因子含有試薬と発光合成基質との反応順序は、上記3成分を同時に反応させても、あるいは、被測定試料とC因子含有試薬とを反応させた後、さらに発光合成基質を加えもよいが、後者が好ましい。その際の反応条件もまた、これらが反応して発光合成基質から発光基質が遊離する条件であれば特に制限されない。好ましくは、被測定試料とC因子含有試薬とをまず混合して、15〜45℃であり、より好ましくは20〜40℃で、0.5〜20分間、より好ましくは1〜15分間、特に好ましくは3〜10分間程度反応(インキュベート)した後、発光合成基質を添加・混合して、15〜45℃であり、より好ましくは20〜40℃で、0.5〜20分間、より好ましくは1〜10分間、特に好ましくは3〜7分間程度反応(インキュベート)する。
4.工程(iv)
本工程は、上記工程(iii)で遊離した発光基質に発光酵素を作用させて、発光量を測定する。本工程では、発光基質(例えば、アミノルシフェリン、ルシフェリン)に発光酵素(例えば、ルシフェラーゼ)を作用させることにより、光が発生し、その発光量を測定する。
本工程は、上記工程(iii)で遊離した発光基質に発光酵素を作用させて、発光量を測定する。本工程では、発光基質(例えば、アミノルシフェリン、ルシフェリン)に発光酵素(例えば、ルシフェラーゼ)を作用させることにより、光が発生し、その発光量を測定する。
本工程で使用できる発光酵素は、特に制限されず、発光合成基質から遊離した発光基質の発光を触媒して、光を発生させるものであればいずれの発光酵素も使用できる。例えば、発光バクテリア(例えば、Vibrio fischeri)、ホタルイカ(Watasenia scintillans)、ウミホタル、昆虫等の生物の発光器官から精製した天然型ルシフェラーゼ、遺伝子工学的手法により調製した組み換え型ルシフェラーゼ、および天然型ルシフェラーゼのアミノ酸配列中の1または複数のアミノ酸に付加、欠失または置換等の変異を導入した変異型ルシフェラーゼなどを使用することができる。ここで、昆虫由来のルシフェラーゼとしては、北米ホタル(Photinus pyralis;受託番号 M15077)、ゲンジボタル(Luciola cruciata;受託番号 M26194)、ヘイケボタル(Luciola lateralis;受託番号 Z49891, X66919)、ツチボタル(Arachnocampa luminosa)、ヒメボタル(Hotaria parvula;受託番号 L39929)、ヤエヤマヒメボタル(Yaeyama)、マドボタル(Pyrocoelia miyako;受託番号 L39928, Pyrocoelia pygidialis;受託番号 EU826678, Pyrocoelia pectoralis;受託番号 EF155570, Pyrocoelia rufa;受託番号 AY447203)、オバボタル(Lucidina biplagiata)、光コメツキムシ(Pyrearinus termitilluminar;受託番号 AF116843)、鉄道虫(Phrixothrix vivianii;受託番号 AF139644, Phrixothrix hirtus;受託番号 AF139645)、アキマドボタル(Pyrocoelia rufa)、イリオモテボタル(Rhagophthalmus ohbai)などの甲虫由来のルシフェラーゼを好適に用いることができる。これらの甲虫由来のルシフェラーゼのアミノ酸配列およびそれをコードする遺伝子の塩基配列は、公知のデータベース(例えば、EMBL Nucleotide Sequence Database(http://www.ebi.ac.uk/embl/))に登録されており、一例として上記に受託番号を示す。
また、ルシフェラーゼは、上記したような天然型(野生型)ルシフェラーゼのアミノ酸配列を有するものに限定されず、発光基質の生物発光を触媒する機能を有する限り、これらのアミノ酸配列と異なるアミノ酸配列を有する変異型ルシフェラーゼであってもよい。野生型のアミノ酸配列と異なるアミノ酸配列としては、例えば、野生型のアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換または付加されたアミノ酸配列が挙げられる。ここで、「1もしくは数個のアミノ酸が欠失、挿入、置換または付加された」とは、部位特異的突然変異誘発法等の公知の変異ポリペプチド作製法により欠失、挿入、置換もしくは付加できる程度の数(好ましくは10個以下、より好ましくは7個以下、最も好ましくは5個以下(下限は1個))のアミノ酸が欠失、挿入、置換または付加されることを意味する。
変異型ルシフェラーゼを使用する場合には、発光強度を増大するように修飾された変異型ルシフェラーゼを用いることが好ましい。このような変異型ルシフェラーゼを用いると、微量のエンドトキシンであっても高感度で測定できる。発光強度を増大するように修飾された変異型ルシフェラーゼは、公知であり、例えば、特開2009−77660号公報や特開2007−97577号公報などに記載される。より具体的には、以下の(ア)〜(オ)の変異型ルシフェラーゼが挙げられる。
(ア)野生型北米ホタルルシフェラーゼのアミノ酸配列(GenBank Accession No. M15077)において、423位のイソロイシン(Ile)がロイシン(Leu)に置換され、436位のアスパラギン酸(Asp)がグリシン(Gly)に置換されたアミノ酸配列からなる変異型ホタルルシフェラーゼ(野生型北米ホタルルシフェラーゼの発光強度と比較して約18倍);
(イ)野生型北米ホタルルシフェラーゼのアミノ酸配列において、423位のイソロイシン(Ile)がロイシン(Leu)に置換され、530位のロイシン(Leu)がアルギニン(Arg)に置換されたアミノ酸配列からなる変異型ホタルルシフェラーゼ(野生型北米ホタルルシフェラーゼの発光強度と比較して約18倍);
(ウ)野生型北米ホタルルシフェラーゼのアミノ酸配列において、436位のアスパラギン酸(Asp)がグリシン(Gly)に置換され、530位のロイシン(Leu)がアルギニン(Arg)に置換されたアミノ酸配列からなる変異型ホタルルシフェラーゼ(野生型北米ホタルルシフェラーゼの発光強度と比較して約8倍);
(エ)野生型北米ホタルルシフェラーゼのアミノ酸配列において、423位のイソロイシン(Ile)がロイシン(Leu)に置換され、436位のアスパラギン酸(Asp)がグリシン(Gly)に置換され、530位のロイシン(Leu)がアルギニン(Arg)に置換されたアミノ酸配列からなる変異型ホタルルシフェラーゼ(野生型北米ホタルルシフェラーゼの発光強度と比較して約20倍);および
(オ)野生型北米ホタルルシフェラーゼのアミノ酸配列において、423位のイソロイシン(Ile)がロイシン(Leu)に、530位のロイシン(Leu)がアルギニン(Arg)に置換され、さらに、47位のイソロイシン(Ile)がスレオニン(Thr)に、50位のアスパラギン(Asn)がセリン(Ser)に、59位のメチオニン(Met)がスレオニン(Thr)に、252位のスレオニン(Thr)がセリン(Ser)に置換されたアミノ酸配列からなる変異型ホタルルシフェラーゼ(野生型北米ホタルルシフェラーゼの発光強度と比較して約21倍)。
(イ)野生型北米ホタルルシフェラーゼのアミノ酸配列において、423位のイソロイシン(Ile)がロイシン(Leu)に置換され、530位のロイシン(Leu)がアルギニン(Arg)に置換されたアミノ酸配列からなる変異型ホタルルシフェラーゼ(野生型北米ホタルルシフェラーゼの発光強度と比較して約18倍);
(ウ)野生型北米ホタルルシフェラーゼのアミノ酸配列において、436位のアスパラギン酸(Asp)がグリシン(Gly)に置換され、530位のロイシン(Leu)がアルギニン(Arg)に置換されたアミノ酸配列からなる変異型ホタルルシフェラーゼ(野生型北米ホタルルシフェラーゼの発光強度と比較して約8倍);
(エ)野生型北米ホタルルシフェラーゼのアミノ酸配列において、423位のイソロイシン(Ile)がロイシン(Leu)に置換され、436位のアスパラギン酸(Asp)がグリシン(Gly)に置換され、530位のロイシン(Leu)がアルギニン(Arg)に置換されたアミノ酸配列からなる変異型ホタルルシフェラーゼ(野生型北米ホタルルシフェラーゼの発光強度と比較して約20倍);および
(オ)野生型北米ホタルルシフェラーゼのアミノ酸配列において、423位のイソロイシン(Ile)がロイシン(Leu)に、530位のロイシン(Leu)がアルギニン(Arg)に置換され、さらに、47位のイソロイシン(Ile)がスレオニン(Thr)に、50位のアスパラギン(Asn)がセリン(Ser)に、59位のメチオニン(Met)がスレオニン(Thr)に、252位のスレオニン(Thr)がセリン(Ser)に置換されたアミノ酸配列からなる変異型ホタルルシフェラーゼ(野生型北米ホタルルシフェラーゼの発光強度と比較して約21倍)。
上記変異型ホタルルシフェラーゼは、野生型ホタルルシフェラーゼの遺伝子を修飾して得られた変異型ホタルルシフェラーゼ遺伝子を、公知の方法により発現ベクターに挿入し、適当な宿主細胞に導入して、組換えタンパク質として発現・精製することにより得ることができる。遺伝子の修飾は、部位特異的変異導入、ランダム変異導入、有機合成等の、当業者に周知の方法により行うことができる。なお、北米ホタルルシフェラーゼ遺伝子(cDNA)の塩基配列は、Accession No. M15077としてデータベース(例えば、EMBL Nucleotide Sequence Database(http://www.ebi.ac.uk/embl/))に登録されている。また、上記(ア)〜(オ)に記載の変異型ホタルルシフェラーゼは、特開2007−97577号公報の実施例を参照することにより作製することができる。
また、ゲンジボタル、ヘイケボタル、ヒメボタル、マドボタル、光コメツキムシおよび鉄道虫のルシフェラーゼについても、上記北米ホタルのルシフェラーゼの場合と同様、公知のデータベースに登録されたルシフェラーゼ遺伝子の塩基配列に基づいて、公知の方法により変異型ルシフェラーゼを容易に取得することができる。さらに、上記北米ホタル由来の変異型ホタルルシフェラーゼの置換アミノ酸を参照することによって、他の甲虫由来のルシフェラーゼにおける同等の位置のアミノ酸を置換することにより、当業者は発光強度が増大した変異型ルシフェラーゼを容易に取得することができる。
または、発光酵素は、市販品を使用してもよい。具体的には、エンドトキシン用ペプチド ルシフェラーゼ(株式会社バイオエネックス製)、ルシフェラーゼ(北米ホタルルシフェラーゼ、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製)、ルシフェラーゼレポータージーンアッセイキット,高感度(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製)などがある。
上記工程(iii)で遊離した発光基質への発光酵素の作用形式は、特に制限されず、公知と同様の方法が使用できる。また、市販品を使用する場合には、製造社の指示に従って反応(作用)および測定を行えばより。通常、上記工程(iii)で得られた術野洗浄液に、発光酵素(ルシフェラーゼ)を添加して、発光基質に発光酵素を作用させるが。この際、ルシフェリン/ルシフェラーゼの発光反応には、ATPおよび2価金属イオンが必要である。このため、例えば、ATPおよびマグネシウムイオンを含む緩衝液にルシフェラーゼを溶解し、このルシフェラーゼ溶液を添加することが好ましい。具体的には、例えば、20〜40℃、好ましくは約37℃で反応を行い、ルシフェラーゼ溶液を添加後2秒から10秒の発光量を計測する方法が挙げられる。ここで、発光量の測定方法は、特に制限されず、公知の方法が使用できる。例えば、発光量の測定には、市販のルミノメータ(発光測定装置)、蛍光高度計を用いることができる。メーカーおよび性能については特に限定されないが、相対光量測定値が広範(例えば、0〜10,000,000)に測定できる装置が好ましく使用される。具体的には、キッコーマン社のルミテスターC1000やパーキンエルマー社のARVO Light等の仕様が好適である。測定は、使用する装置の説明書に従って行えばよい。
また、本発明では、エンドトキシンの濃度測定用キットを使用してもよい。ここで、エンドトキシンの濃度測定用キットは、C因子含有試薬、発光合成基質および発光酵素を構成成分として含有し、必要であれば、上記に加えて、必要な試薬や器具等を適宜選択してキットの構成としてもよい。キットを使用することにより、エンドトキシンの濃度(発光量)を簡便かつ迅速に測定することができる。具体的には、上記したようなエンドトキシン用ペプチドルシフェリン・ルシフェリン(株式会社バイオエネックス製)、ルシフェラーゼレポータージーンアッセイキット,高感度(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製)など使用できる。
上記工程(i)〜(iv)は、別々の工程として行っても、または連続して行ってもよい。例えば、図4に示されるデバイスを用いることによって、上記工程(i)〜(iv)を連続的に行うことができる。以下、当該形態を具体的に説明するが、本発明は下記形態に限定されない。
図4に示されるデバイス1は、上部の中空の管状体2および下部の中空の管状体2’から構成される。このうち、下部の中空の管状体2’の底部には、試料採取部3が配置される。この試料採取部3は、工程(iii)における被測定試料の体積(図1の形態では、50μL)を有する中空の管状構造を有し、上部は開口し、下部はゴムバルブなどで密閉される。また、上部の中空の管状体2の下部には、血小板活性化物質除去部4が設置され、さらにこの血小板活性化物質除去部4の上部に血小板活性化物質載置部5が設置される。ここで、血小板活性化物質除去部4は、工程(ii)において、術野洗浄液7から血小板活性化物質6を除去するために設置される。このため、血小板活性化物質除去部4は、血小板活性化物質6もしくは採取した術野洗浄液中に含まれる組織片を通過させない程度の網状物でありうる。一方、血小板活性化物質載置部5は、工程(i)で術野洗浄液7と血小板活性化物質6とを混合・接触させるために設置される。このため、血小板活性化物質載置部5は、術野洗浄液7を通過させない程度の膜状物でありうる。また、後述するが、術野洗浄液7と血小板活性化物質6との混合・接触後は、血小板活性化物質載置部5の少なくとも一部に穴を開けることによって、血小板活性化物質6と術野洗浄液7との混合物を血小板活性化物質除去部4に移動させ、血小板活性化物質除去部4により血小板活性化物質6を術野洗浄液7から除去する(工程(ii))。このため、血小板活性化物質載置部5は、簡単に穴の開く程度の強度を有する膜状物でありうる。この血小板活性化物質載置部5に血小板活性化物質6が配置される。
まず、工程(i)において、所定量の術野洗浄液7を上部の中空の管状体2に添加する(図4B)。これにより、術野洗浄液7は、血小板活性化物質載置部5上にある血小板活性化物質6と混合・接触する。血小板活性化物質載置部5で術野洗浄液7を血小板活性化物質6と所定時間混合・接触させた後、血小板活性化物質除去用部材8で血小板活性化物質載置部5に穴を開ける(図4C)。ここで、血小板活性化物質除去用部材8は、血小板活性化物質載置部5の少なくとも一部に穴を開ける構造を有するものであればよく、図4に示されるような棒状(棒状物が複数設置されてもよい)になっているものに限られず、はさみなどで血小板活性化物質載置部5に穴を開けてもよい。これにより、術野洗浄液7は血小板活性化物質除去部4を通過し、下部の中空の管状体2’に貯溜される。一方、血小板活性化物質6は、血小板活性化物質除去部4に保持される。すなわち、術野洗浄液から血小板活性化物質が除去されて、術野洗浄液7’が得られる。次に、上部の中空の管状体2と下部の中空の管状体2’とを分離し(図4D)、下部の中空の管状体2’の開口部を、密閉部材9で試料採取部3の開口部を密閉し、試料採取部3の下部に設置されたゴムバルブ(図示せず)にシリンジ10を穿刺して、試料採取部3内部の術野洗浄液7’を採取する(図4E)。このように採取された試料が工程(ii)の被測定試料7”となる。さらに、この被測定試料7”を、別の容器11に入れ(図4F)、この容器11に、C因子含有試薬および発光合成基質(図4G中では、一括して「12」で示す)(図4G)を順次添加して、被測定試料7”をC因子含有試薬及び発光合成基質と反応させて、発光合成基質から発光基質を遊離させる(工程(iii))。ここで遊離した発光基質に発光酵素13を作用させて(図4H)、発光量を適当な測定装置14で測定する(図4I)。
5.工程(v)
本工程では、上記工程(iv)で得られた発光量を、基準値と比較する。上述したように、術野洗浄液中に特定数以下の菌数が存在していても、自助回復力によってその菌を死滅させることが期待できる。このため、「基準値」は、当該自助回復力によってその菌を死滅させることが期待できる菌数(エンドトキシン濃度)に対応する発光量となりうる。また、自助回復力によってその菌を死滅させることが期待できる菌数は、術式や術式、病気の重篤度、患者の体重などによって異なり、最終的には術者の判断にゆだねられる。通常、自助回復力によってその菌を死滅させることが期待できる菌数は、30CFU/mL以下(下限=0CFU/mL)であり、好ましくは20CFU/mL以下(下限=0CFU/mL)である。
本工程では、上記工程(iv)で得られた発光量を、基準値と比較する。上述したように、術野洗浄液中に特定数以下の菌数が存在していても、自助回復力によってその菌を死滅させることが期待できる。このため、「基準値」は、当該自助回復力によってその菌を死滅させることが期待できる菌数(エンドトキシン濃度)に対応する発光量となりうる。また、自助回復力によってその菌を死滅させることが期待できる菌数は、術式や術式、病気の重篤度、患者の体重などによって異なり、最終的には術者の判断にゆだねられる。通常、自助回復力によってその菌を死滅させることが期待できる菌数は、30CFU/mL以下(下限=0CFU/mL)であり、好ましくは20CFU/mL以下(下限=0CFU/mL)である。
以下では、自助回復力によってその菌を死滅させることが期待できる菌数が20CFU/mL以下(下限=0CFU/mL)である場合の、基準値を設定する方法について具体的に説明するが、本発明は下記方法に限定されるものではない。
5−1.方法(1)
本方法は、菌数が既知な試料を用いる場合の基準値の測定方法を説明する。
本方法は、菌数が既知な試料を用いる場合の基準値の測定方法を説明する。
すなわち、既知の菌数(本形態の場合には、20CFU/mL)を含む標準物質を調製し、上記工程(iii)及び(iv)において、被測定試料の代わりに当該物質を使用する以外は、上記工程(iii)及び(iv)と同様の操作を行い、得られた発光量を基準値とする。なお、既知の菌数を含む標準物質は、例えば、Bio Ball(登録商標)シリーズ(シスメックス株式会社製)が使用できる。例えば、Bio Ball(登録商標)SingleShot 30 Escherichia coli NCTC12923(シスメックス株式会社製)は、Escherichia coli NCTC12923を約30CFU/個(28〜33CFU/個)含むように作製されたボール状の製品(微生物定量試験用標準菌株)である。このため、当該製品を75μLの生理食塩水または蒸留水に添加し、均一に混合した混合液を50μL採取することによって、20CFU/mLの菌数を含む標準物質を調製できる。
5−2.方法(2)
本方法は、菌数が不明な試料を用いる場合の基準値の測定方法を説明する。
本方法は、菌数が不明な試料を用いる場合の基準値の測定方法を説明する。
すなわち、まず、検出すべき菌(手術部位感染(SSI)の原因と推定される細菌)を、一般的な培養方法によって、培養する。得られた培養液を遠心分離など公知の方法を用いて、菌体を分離する。この菌体数(菌濃度)が未知の菌試料に、蒸留水 1mLを加え、濁度(OD600)を測定する。別途、同じ種に属し、菌数が既知の試料(参考試料)を用いて、20CFU/mL菌液の濁度(OD600)を測定する。この結果をもとに、既知の20CFU/mL菌液の濁度と同じになるように、上記菌試料を蒸留水で希釈する。なお、本方法(2)において参考試料としては、上記方法(1)に記載されるBio Ball(登録商標)シリーズ(シスメックス株式会社製)が同様にして使用できる。このようにして得られた20CFU/mL菌液を、上記工程(iii)及び(iv)において、被測定試料の代わりに使用して、上記工程(iii)及び(iv)と同様の操作を行うことによって、得られた発光量を基準値とすることができる。
このようにして、上記工程(iv)で得られた発光量を、上記で得られた基準値と比較し、その結果、上記工程(iv)で得られた発光量が基準値以下である場合には、工程(i)で採取した術野洗浄液中には自助回復力によってその菌を死滅させることが期待できる程度の菌数しか存在しないこととなる。このため、このような場合には、図2の「Yes」で示されるように、術野洗浄を終了して、術野洗浄液を吸引等によって術野から除去・廃液し、表皮を縫合して、手術を終了する。一方、上記工程(iv)で得られた発光量が基準値を超える場合には、工程(i)で採取した術野洗浄液中には自助回復力によってはその菌を死滅できないほどの菌が存在している可能性がある。このため、このような場合には、図2の「No」で示されるように、再度術野洗浄を行い、得られた術野洗浄液について、再度工程(i)〜(iv)を繰り返し、上記工程(iv)で得られた発光量が基準値以下になるまで、術野洗浄を繰り返す。このような場合であっても、工程(i)〜(iv)が短時間で行えるため、患者への負担が少なくすむ。また、このような方法を使用することによって、術中にSSIの原因と推定される細菌の存在を確認できるため、手術部位感染症を抑制・防止できる。
または、下記参考例1でも示すが、菌を含まない手術部位感染について工程(i)〜(iv)を行っても、微量であるが発光量(バックグランドの発光量)を検出することがある。このような場合には、予めバックグランドの発光量を測定しておいて、図3および下記に示されるような計算式で得られた値(計算結果)に応じて、術野洗浄終了の可否を判断してもよい。すなわち、上記工程(iv)で得られた発光量、上記工程(v)で得られた基準値およびバックグランドの発光量を下記計算式にあてはめて、得られた結果(計算結果)が1以下である場合には、工程(i)で採取した術野洗浄液中には自助回復力によってその菌を死滅させることが期待できる程度の菌数しか存在しないこととなる。このため、このような場合には、図3の「Yes」で示されるように、術野洗浄を終了して、術野洗浄液を吸引等によって術野から除去・廃液し、縫合して、手術を終了する。一方、上記工程(iv)で得られた発光量、上記工程(v)で得られた基準値およびバックグランドの発光量を下記計算式にあてはめて、得られた結果(計算結果)が1を超える場合には、工程(i)で採取した術野洗浄液中には自助回復力によってはその菌を死滅できないほどの菌が存在している可能性がある。このため、このような場合には、図3の「No」で示されるように、再度術野洗浄を行い、得られた術野洗浄液について、再度工程(i)〜(iv)を繰り返し、算出される計算結果が1以下になるまで、術野洗浄を繰り返す。このような場合であっても、工程(i)〜(iv)が短時間で行えるため、患者への負担が少なくすむ。また、このような方法を使用することによって、術中にSSIの原因と推定される細菌の存在を確認できるため、手術部位感染症を抑制・防止できる。
なお、バックグランドの発光量は、例えば、以下のようにして得られる。すなわち、患者の血液を採取して、当該血液を生理食塩水で適当(例えば、10,000〜1,000,000倍)に希釈したサンプルをバックグランドサンプルとし、当該サンプルについて、上記工程(i)〜(iv)を行い、得られた発光量を「バックグランドの発光量」とする。
本発明の方法によると、血液成分などの生体試料を含む術野洗浄液であっても、術野洗浄液の菌の存在が自助回復力によって死滅できるか否かを確認することができる。上記利点に加えて、本発明の方法によると、20分以内、好ましくは15分以内、より好ましくは12分以内という短時間での検出が可能である。このため、患者への負担を有意に軽減することができ、また、術中に菌を検出できるため、表皮を縫合する前に細菌が検出でき、SSIを有効に予防することができる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
参考例1
ヘパリン処理を施したヒト全血を、生理食塩水で10,000倍に希釈し、希釈サンプルを調製した。この希釈サンプルを用いて、全培養した大腸菌(Escherichia coli)菌液を、菌濃度が13CFU/mL、130CFU/mL及び1173CFU/mLになるように、それぞれ調製した。ここで、各サンプルを、それぞれ、試料A−13(菌濃度が13CFU/mL)、試料A−130(菌濃度が130CFU/mL)、および試料A−1173(菌濃度が1173CFU/mL)と称する。また、菌を添加しない希釈サンプル自体を、コントロールとして使用し、これを試料C−1と称する。
ヘパリン処理を施したヒト全血を、生理食塩水で10,000倍に希釈し、希釈サンプルを調製した。この希釈サンプルを用いて、全培養した大腸菌(Escherichia coli)菌液を、菌濃度が13CFU/mL、130CFU/mL及び1173CFU/mLになるように、それぞれ調製した。ここで、各サンプルを、それぞれ、試料A−13(菌濃度が13CFU/mL)、試料A−130(菌濃度が130CFU/mL)、および試料A−1173(菌濃度が1173CFU/mL)と称する。また、菌を添加しない希釈サンプル自体を、コントロールとして使用し、これを試料C−1と称する。
また、別途、ヘパリン処理を施したヒト全血に血小板活性化物質としての陽イオン交換樹脂アンバーライトIR−120を0.2g/mLとなるように添加し、37℃の静置条件下で10分間、混合・接触させた後、上澄み液を回収し、5分以上氷冷した。さらに、氷冷後のヒト全血試料を生理食塩水で10,000倍に希釈し、得られた被測定試料をC−2と称する。
上記試料A−13、A−130、A−1173、C−1及びC−2を、それぞれ、50μLずつ採取し、これを、それぞれ、エンドトキシンキット(商品名:エンドトキシン−シングルテストワコー(比濁時間分析法)、和光純薬株式会社製)に添付されるリムルス試薬が50μL入った生物発光測定専用試験管(ルミチューブ、キッコーマン株式会社)に添加し、37℃、10分間、インキュベーターで加温した。
その後、1mM MgSO4及び10%トレハロースを含む50mM Tris−Cl(pH 8.0)に溶解した75μM エンドトキシン用ペプチドルシフェリン(Bz−LGR−Luc溶液、株式会社バイオエネックス製)(発光合成基質)50μLを添加し、37℃、5分間、インキュベーターで加温した。加温後、反応液に1mM MgSO4 及び10%トレハロースを含む50mM Tris−Cl(pH 7.5)に溶解したエンドトキシン用ルシフェラーゼ(ルシフェラーゼFM、株式会社バイオエネックス製)(発光酵素)50μLを添加した後、1mM MgSO4及び10%トレハロースを含む50mM Tris−Cl(pH 8.0)に溶解した10−5M ATP溶液50μLを添加し、数回チューブをタッピングし攪拌させ、ルミノメーター(商品名:ルミテスター C−110、キッコーマン食品株式会社製)にて発光量(RLU)を測定した。なお、エンドトキシン用ペプチドルシフェリン(Bz−LGR−Luc溶液、株式会社バイオエネックス製)(発光合成基質)、エンドトキシン用ルシフェラーゼ(ルシフェラーゼFM、株式会社バイオエネックス製)(発光酵素)、およびATP溶液は、予め、37℃のインキュベーターで加温した。また、各実験は、N=3で行った。
結果を、下記表1および図5に示す。
上記表1および図5から明らかなように、血小板活性化物質で処理しない試料C−1は、菌濃度が13CFU/mLの試料A−13とほぼ同等の発光量を示す。これから、生体試料(血液成分)を含む試料は、血小板活性化物質で処理しない場合には、菌(エンドトキシン)が存在しない場合であっても発光してしまうのに対して、血小板活性化物質で処理することによって、菌(エンドトキシン)が存在しない試料C−2の発光量を有意に低減して、菌濃度が13CFU/mLの試料A−13の発光量と有意に識別できる。
実施例1
ヘパリン処理を施したヒト全血をヒト全血試料として調製した。
ヘパリン処理を施したヒト全血をヒト全血試料として調製した。
次に、このヒト全血試料に血小板活性化物質としての陽イオン交換樹脂アンバーライトIR−120を0.2g/mLとなるように添加し、37℃の静置条件下で、それぞれ、1、3、5、10分間、混合・接触させた。所定時間混合・接触させた後、上澄み液を回収し、5分以上氷冷した。さらに、氷冷後のヒト全血試料を生理食塩水で10,000倍に希釈することによって、被測定試料B−1(1分間混合・接触)、B−3(3分間混合・接触)、B−5(5分間混合・接触)、B−10(10分間混合・接触)を調製した。また、血小板活性化物質と接触させていない希釈サンプルを、コントロールとして使用し、これを試料C−3と称する。
上記試料B−1、B−3、B−5、B−10及びC−3を、それぞれ、50μLずつ採取し、これを、それぞれ、エンドトキシンキット(商品名:エンドトキシン−シングルテストワコー(比濁時間分析法)、和光純薬株式会社製)に添付されるリムルス試薬が50μL入った生物発光測定専用試験管(ルミチューブ、キッコーマン株式会社)に添加し、37℃、10分間、インキュベーターで加温した。
その後、1mM MgSO4及び10%トレハロースを含む50mM Tris−Cl(pH 8.0)に溶解した75μM エンドトキシン用ペプチドルシフェリン(Bz−LGR−Luc溶液、株式会社バイオエネックス製)(発光合成基質)50μLを添加し、37℃、5分間、インキュベーターで加温した。加温後、反応液に1mM MgSO4 及び10%トレハロースを含む50mM Tris−Cl(pH 7.5)に溶解したエンドトキシン用ルシフェラーゼ(ルシフェラーゼFM、株式会社バイオエネックス製)(発光酵素)50μLを添加した後、1mM MgSO4及び10%トレハロースを含む50mM Tris−Cl(pH 8.0)に溶解した10−5M ATP溶液50μLを添加し、数回チューブをタッピングし攪拌させ、ルミノメーター(商品名:ルミテスター C−110、キッコーマン食品株式会社製)にて発光量(RLU)を測定した。なお、エンドトキシン用ペプチドルシフェリン(Bz−LGR−Luc溶液、株式会社バイオエネックス製)(発光合成基質)、エンドトキシン用ルシフェラーゼ(ルシフェラーゼFM、株式会社バイオエネックス製)(発光酵素)、およびATP溶液は、予め、37℃のインキュベーターで加温した。また、各実験は、N=3で行った。
結果を、下記表2および図6に示す。
上記表2および図6から明らかなように、血小板活性化物質で処理した試料B−1、B−3、B−5、B−10は、血小板活性化物質で処理しない試料C−3の発光量に比して、発光量を低減できる。この結果から、血小板活性化物質で処理しない試料C−3では、血液中に含まれる成分が試薬と反応して、発光反応が進行してしまうが、血液を血小板活性化物質で処理することによって、この血液中に含まれる成分を減少させ、その結果菌が存在しない際のバックグランドの発光量を減少させることできることが考察される。
また、特に血小板活性化物質との接触・混合時間を3分以上とすることによって、血小板活性化物質で処理しない試料C−3の発光量と有意に識別できることが分かる。
1…デバイス、
2…上部の中空の管状体、
2’…下部の中空の管状体、
3…試料採取部、
4…血小板活性化物質除去部、
5…血小板活性化物質載置部、
6…血小板活性化物質、
7、7’…術野洗浄液、
7”…被測定試料、
8…血小板活性化物質除去用部材、
9…密閉部材、
10…シリンジ、
12…C因子含有試薬および発光合成基質、
13…発光酵素、
14…測定装置。
2…上部の中空の管状体、
2’…下部の中空の管状体、
3…試料採取部、
4…血小板活性化物質除去部、
5…血小板活性化物質載置部、
6…血小板活性化物質、
7、7’…術野洗浄液、
7”…被測定試料、
8…血小板活性化物質除去用部材、
9…密閉部材、
10…シリンジ、
12…C因子含有試薬および発光合成基質、
13…発光酵素、
14…測定装置。
Claims (4)
- (i)術野洗浄液を血小板活性化物質と混合・接触させ;
(ii)前記血小板活性化物質を前記術野洗浄液から除去して、被測定試料を得;
(iii)前記被測定試料中のエンドトキシンとの結合により活性化されるC因子含有試薬および発光合成基質を反応させて、前記発光合成基質から前記発光基質を遊離させ;
(iv)前記工程(iii)で遊離した発光基質に発光酵素を作用させて、発光量を測定し;さらに
(v)前記工程(iv)で得られた発光量を、基準値と比較する、
ことを有する術野洗浄液中の菌の検出方法。 - 前記基準値は、既知の菌数を含む標準物質を前記被測定試料の代わりに用いて前記工程(iii)および(iv)を行うことによって得られる、請求項1に記載の方法。
- 前記血小板活性化物質は、
陽イオンがCa2+、Cu2+、Zn2+、Mg2+、K+、NH4 +、Na+、またはH+である陽イオン交換樹脂;陰イオンがSO4 2−、I−、NO3 −、CrO4 2−、Br−、Cl−、OH−、またはF−である陰イオン交換樹脂;コラーゲン、フィブリン、ADP、アラキドン酸、トロンビン、セロトニン、プロタミン、カルシウム塩、RGDペプチド、若しくは凝固因子から構成されるまたは前記いずれかの物質で被覆されるビーズ;珪砂、結晶シリカ、珪藻土、ガラス微粉末、カオリン、ベントナイト;ならびにポリスチレン、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸メチル、およびポリアクリル酸からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1または2に記載の方法。 - 前記工程(i)において、術野洗浄液を血小板活性化物質と、3〜10分間、混合・接触する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
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