JP2014198917A - サイドバイサイド型複合繊維 - Google Patents
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Abstract
【課題】均一な糸物性を有し、毛羽が抑制され、布帛としたときに、風合いがソフトでストレッチ性、発色性に優れ、熱や経時での劣化が抑制された、特にトリコット用途に好適なポリトリメチレンテレフタレート系サイドバイサイド型ポリエステル複合繊維を提供する。
【解決手段】少なくとも一方の成分がポリトリメチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルからなるサイドバイサイド型複合繊維であり、以下の(1)〜(4)を満足することを特徴とするサイドバイサイド型複合繊維により達成できる。(1)複合繊維中の末端カルボキシル基量(COOH量)が18.0〜35.0当量/106g(2)複合繊維の極限粘度(IV)が0.60〜0.90(3)複合繊維中にリン元素を2〜30ppm含む(4)0.0018cN/dtex荷重下の伸縮伸長率が40〜90%
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも一方の成分がポリトリメチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルからなるサイドバイサイド型複合繊維であり、以下の(1)〜(4)を満足することを特徴とするサイドバイサイド型複合繊維により達成できる。(1)複合繊維中の末端カルボキシル基量(COOH量)が18.0〜35.0当量/106g(2)複合繊維の極限粘度(IV)が0.60〜0.90(3)複合繊維中にリン元素を2〜30ppm含む(4)0.0018cN/dtex荷重下の伸縮伸長率が40〜90%
【選択図】図1
Description
本発明はストレッチ性、耐熱性に優れ、均一な糸物性を有し、毛羽が抑制され、高次通過性に優れたトリコット用途に好適な、高品位のポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルのサイドバイサイド型複合繊維に関する。
ポリエステルは機械的特性をはじめ、様々な優れた特性を有しているため衣料用途のみならず産業用、医療分野等幅広く展開されている。そして、ポリエステル系布帛にもストレッチ性を与えるため、種々の方法が採用されている。例えば、織物中にポリウレタン系の弾性繊維を混用し、ストレッチ性を付与する方法、ポリエステル繊維に仮撚加工を施し、加撚/解撚トルクを発現させた繊維を用いることにより、織物にストレッチ性を付与する方法、そして、ポリウレタン系繊維や仮撚加工糸を用いない方法として、サイドバイサイド型複合を利用した潜在捲縮発現性ポリエステル繊維が種々提案されている。潜在捲縮発現性ポリエステル繊維は、熱処理により捲縮が発現するか、あるいは熱処理前より微細な捲縮が発現する能力を有するものであり、通常の仮撚加工糸とは区別されるものである。しかしながら、上記の方法では染色不良、ストレッチ性不足等の品質課題を解決することができていないために用途が限定されていた。
一方、ポリトリメチレンテレフタレート(以下PTTと称する)を主成分とするポリエステル繊維は伸長回復性が高く、かつ、ヤング率が低いことによる優れたソフト性、加えて易染性により衣料用途から非衣料用途まで広範囲で盛んに検討がされている。特にPTT系繊維を使用して経編み(以下トリコットと称する)によって得られる布帛は、タテ方向にもヨコ方向にも、あるいは斜め方向にも優れたストレッチが得られ、水着やスポーツウエア用途で好評である。ところが、PTTはポリエチレンテレフタレート(以下PETと称する)よりも熱や酸素による劣化が大きく、PET系繊維に比べて、経編み時の糸切れが多く、布帛の品位も劣ることから、糸物性が均一で、工程通過性に優れた高品位な原糸の提供が要求されていた。
このような課題に関しては従来から研究がなされ、特許出願もなされてきている。例えば、特許文献1では熱安定剤として重合時に5価または3価リンを添加することにより耐熱性、色調に優れたPTTチップが提案されている。しかし、重合時での添加であり、たしかにPTTを重合する工程での熱劣化は抑制でき、色調に優れたPTTチップを得ることができるものの、繊維化する際に酸化、熱劣化が進み、生産性、原糸毛羽、高次通過性、布帛品位いずれにおいても従来と比べて優位性は得られないことが判明した。また、カチオン可染を目的とした単成分繊維のため、良好なストレッチ性及びソフトな風合いは損なわれていた。
一方、PTTとPETをサイドバイサイド型に貼り合わされた複合繊維についても検討がなされてきている。例えば、紡糸、延伸等の製糸性が良好で、織物拘束下での捲縮発現能力を改善し、ストレッチ性に優れるとともに、シボやシワの発現が少なく、発色性が良好で、染め斑の発生が少ない高品位の布帛を得ることが提案されている(特許文献2)。確かにこの方法によれば、ストレッチ性、発色性は改善されてきている。しかしながら、ストレッチ性と発色性を具備すると共に、耐熱性に優れ、毛羽が抑制され、高次通過性に優れ、特に品質品位要求の厳しいトリコット用途に対しては、要求レベルに到底達し得ないものであった。
また、PTTとポリブチレンテレフタレート(以下PBTと称する)とをサイドバイサイド型に複合したポリエステル系複合繊維および製造方法が提案されている(特許文献3)。提案の通り、優れた伸縮性と伸縮耐久性を得ることができるが、特許文献2と同様に、ストレッチ性と発色性を具備すると共に、耐熱性に優れ、毛羽が抑制され、高次通過性に優れ、特に品質品位要求の厳しいトリコット用途に対しては、要求レベルに到底達し得ないものであった。
また、PTTとPETをサイドバイサイド型に貼り合わされた複合繊維について、溶融直前に特定の3価リンを添加することで布帛とするときの生産性や品位が良好で加工時やその後の実使用における熱や酸素による特性低下を抑制するため、風合いがソフトで表面が均一で発色性に優れた布帛品位を持続的に得られる旨の提案がなされている(特許文献4)。提案の通り、特許文献1〜3に比べて毛羽が抑制され、高次通過性は改善されてはいるが、紡糸における劣化抑制は不十分で品質品位要求レベルの厳しいトリコット用途には未だ達していなかった。
更に、近年要求が高まっている細繊度糸や単糸細繊度糸においては、PTTの熱や酸素による劣化により、生産性の低下や原糸毛羽の増加、高次通過性の悪化が顕在化し易い。加えて、高次加工用途では高張力、ハイスピードで加工し、原糸の品質欠点が布帛の欠点として顕著に現れるトリコットへ展開するためには、より高度な技術が要求されてきている。PTTとPETをサイドバイサイド型に張り合わされた複合繊維において、その特長であるソフトでストレッチ性、発色性に優れ、かつ、耐熱性に優れ、均一な糸物性を有し、毛羽が抑制され、高次通過性に優れトリコット用途に好適な、従来技術では、達成し得なかった極限の技術が待ち望まれていた。
均一な糸物性を有し、毛羽が抑制され、布帛としたときに、風合いがソフトでストレッチ性、発色性に優れ、熱や経時での劣化が抑制された、特にトリコット用途に好適なポリトリメチレンテレフタレート系サイドバイサイド型ポリエステル複合繊維を提供するものである。
少なくとも一方の成分がポリトリメチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルからなるサイドバイサイド型複合繊維であり、複合繊維中の末端カルボキシル基量(COOH量)が18.0〜35.0当量/106g、複合繊維の極限粘度(IV)が0.60〜0.90であり、さらに複合繊維中にリン元素を2〜30ppm含み、0.0018cN/dtex荷重下の伸縮伸長率が40〜90%により達成される。
本発明により、従来技術ではなし得なかった、ソフトでストレッチ性、発色性に優れ、細繊度や細単糸繊度糸でありながら均一な物性を有し、かつ、原糸毛羽が抑制された生産性が良好な極限技術の開発は、大きな用途展開を図ることができ、先ず第一段階としてトリコット用途に好適に適用可能とならしめた。
本発明の繊維は、少なくとも一方の成分がPTTを主成分とするポリエステルからなるサイドバイサイド型複合繊維を対象としている。一方の成分がPTTを主成分とするポリエステルからなるサイドバイサイド型複合繊維とすることで、PTTの特徴であるソフト性、ストレッチ性を最大限に活かした複合繊維とすることができる。
本発明の複合繊維の断面形状は、優れたストレッチ性を得るため捲縮糸とすることが好ましい形態であり、そのためにはサイドバイサイド型複合繊維とする。ここでサイドバイサイド型複合繊維とは、図1に示すような形態であり、このような形態により捲縮が発現し布帛としたときに優れたストレッチ性を発揮することができる。
サイドバイサイド型複合繊維におけるPTT成分と他方の成分の複合比率は、捲縮性能の向上のためには30:70〜70:30であることが好ましく、35:65〜65:35がより好ましいといえる。
断面形状は両成分とも外周形状が略円形で、異形度は1.0〜2.6とすることが好ましい。このような形状とすることで、外部張力を受けたときに均一に力を分散して受けることができ、複合繊維のS−Sカーブにおける強伸度バラツキも少なくなり好ましい。
本発明でいうPTTとはテレフタル酸を主たる酸成分とし、1,3−プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。PTTは、90モル%以上がトリメチンテレフタレートの繰り返し単位からなることが好ましい。ただし、10モル%以下の割合で他の共重合成分を含むものであってもよい。共重合可能な化合物としては、例えばイソフタル酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのジオール類を挙げることができる。また、必要に応じて、艶消し剤として二酸化チタン、滑剤としてシリカ微粒子やアルミナ微粒抗酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料などを添加してもよい。
また、他方の成分は任意のポリエステルを選択できるが、PTTのほか、PETやPBTが好ましい。これらのポリエステルのうち、特にPETが好ましく、PETとすることでタフネスの向上、U%の向上、布帛のアイロンに対する耐性が向上し好ましい。
PETとはテレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。PETは、90モル%以上がエチレンテレフタレートの繰り返し単位からなることが好ましい。PTTと同様に、前記のような共重合成分を含むものであってもよい。艶消し剤等の添加剤を添加してもよい。
次ぎに複合繊維の極限粘度(以下IVと称する)は0.60〜0.90である。IVが0.60以上あると重合度が低すぎることもなく、複合繊維が実用に耐えるのに十分なタフネスが達成できるので好ましい。一方、IVが0.90以下であれば、紡糸時にIVが高すぎることなく高温紡糸することもなく、溶融紡糸中のCOOH量の増大を抑制でき、メルトフラクチャーが生じることもなく、均一な複合繊維が得られ、タフネスを低下させることもないので好ましい。そして、より好ましくは0.65〜0.85で、特に好ましくは0.70〜0.80の範囲である。
一方、複合繊維の各成分のIVは、PTT成分側は高いほうが好ましく、0.80以上であることが好ましい。より好ましくは0.90以上であるとタフネスやストレッチ性が得られやすい。そして、生産性の観点から2.00以下が好ましく、より好ましくは1.80以下である。
他方の成分のIVは低いものであり、極限粘度差で0.40以上であることが好ましく、0.45以上がより好ましい。PTTやPBTの場合、極限粘度は0.40以上、1.00以下が好ましく、0.50以上、0.90以下がより好ましい。PETの場合、0.40以上0.70以下が好ましく、0.45以上、0.65以下がより好ましい。
高粘度のPTTと低粘度のポリエステルの組み合わせにおいて、用いる両者のIV差も考慮する。高粘度成分と低粘度成分とのIV差は0.4以上あると、良好な伸縮伸張性が発揮され好ましい。そして、このIV差は1.00以内であれば製糸性に悪影響を与えることも少なく好ましい。
本発明の複合繊維中の末端カルボキシル基量(以下COOH量と記す)は18.0〜35.0当量/106gである。18.0当量/106g以上とすることで、分子量低下が起こることなく、ストレッチ性に優れ、発色性に優れた繊維が安定的に得られ好ましい。また、35.0当量/106g以下とすることで耐熱性に優れ、毛羽が抑制された高品位の原糸を安定的に製造でき、トリコット用途においても高次通過性に優れ、布帛としたときの発色性に優れ、経時劣化が抑制されるため好ましい。そして、より好ましくは20.0〜32.0当量/106gで、特に好ましくは22.0〜30.0当量/106gである。複合繊維中のCOOH量を本発明の範囲とするためには、先ずはPTTチップ中の末端カルボキシル基量が40当量/106g以下のチップを使用することが好ましい。PTTチップ中の末端カルボキシル基量を達成する方法としては、例えば、重縮合反応の温度としては240〜270℃で、プレポリマーのCOOH量を評価しながら、最適重合時間、通常は4時間以内、好ましくは1〜3時間の範囲の時間を設定する。重縮合温度は、好ましくは250〜270℃であり、真空度としては、0.13〜133Paが好ましい。また、重縮合時の1,3−プロパンジオールの留去を効率的に行うためには、重合物の表面積を高くすることが大切である。そのためには、例えば、ヘリカル型撹拌機等を用いて効率的な撹拌を行うと共に、反応釜の容積に対する原料仕込みの比率を70%以下、好ましくは60%以下にすることがよい。更に、重縮合反応段階の溶融物の粘度が時間の経過と共に上昇するうちに重縮合反応を停止することが好ましい。時間を伸ばしても溶融粘度が上がらなかったり、むしろ下がったりする前に重縮合反応を終えることが大切である。時間を伸ばしても溶融粘度が上がらなかったり、むしろ下がったりする場合は、重合反応よりも熱分解反応が優位になり、熱分解によって生成するCOOH量が増加するからであり十分注意する。しかし、これだけでは溶融紡糸中にCOOH量は増加するため、後述する製糸方法を採用する。
本発明の複合繊維中のリン元素は2〜30ppm含有する。リン元素が2ppm以上あると熱や酸素による分解を抑制し、布帛とした後の熱によるソフト性、発色性、捲縮などの劣化を抑制することが可能となるので好ましい。また、30ppm以下であることで生産性や原糸毛羽が抑制されるので好ましい。より好ましくは4〜25ppm、更に好ましくは6〜22ppmの範囲である。本発明の複合繊維はPTTを含むものであるが、熱劣化を抑制するためには特にPTT中にリンが含有されることが好ましい。PTTと他のポリエステルを複合させ、PTT中のみにリンを添加する場合は複合繊維としたときにリン元素が2〜30ppmとなるように添加することが好ましい。具体的にはPTTのリン元素含有量は2〜60ppmであることが好ましく、4〜50ppmであることがより好ましい。
上述のリン元素含有による効果を最大限に発揮するには複合繊維中に3価のリンが含有していることがさらに好ましい。3価リンは、ポリエステル中でハイドロペルオキサイドと反応して容易に5価リンに変化するため、3価リンを単純に添加することでは達成し得えず、後述する特定の方法にて複合繊維とした後に3価リンが残存していることが重要である。3価リンはPTTの分解の原因であるハイドロペルオキサイドの酸素を取り込み、無活性化する働きをする。PTTの溶融から紡糸に至るまで3価リンが残存していることは、発生するハイドロペルオキサイドを即座に無活性化することができ、PTTの分解を抑制することが可能となる。さらには、繊維を使用した布帛の作製、その後の熱付与からもポリマ分解を抑制する働きを維持するため、布帛の品位向上にも効果が得られる。サイドバイサイド型複合繊維においては、布帛としたときにストレッチ性が発現するが、アイロン掛け時の過度の熱により布帛が波打ち、変形する問題があるが、このような熱付与時に効果が得られるため、3価リンを複合繊維とした後も残存していることは重要である。複合繊維中の3価リンの残存量は固体31P−NMR測定における3価リンに帰属するスペクトルピーク積分値I3と5価リンに帰属するスペクトルピーク積分値I5との比I3:I5で表すことができ、その好ましい範囲はI3:I5が2:98〜50:50である。3価リンに帰属するピークが存在することは、複合繊維中に3価リンが存在することを意味している。3価リン、5価リンそれぞれに帰属するスペクトルピークの積分値はNMR測定結果にて算出されるものであり、その詳細は後述する方法によるものである。I3の全体に対する割合I3/(I3+I5)(以下3価リン比率と記す)を2%以上とすることで溶融時の分解を抑制し、さらに布帛作成や実使用時での加熱の影響を極小化させることが可能となる。より好ましくは3%(I3:I5=3:97)以上、最も好ましくは4%(I3:I5=4:96)以上である。また、3価リン比率は50%以下である。3価リン比率は高ければ高いほど好ましいが、3価リンはポリエステルに添加すると急速に5価リンに変化するため、50%が限界である。
本発明の複合繊維の伸縮伸長率は40〜90%である。この伸縮伸長率が高いほど捲縮発現能力が高いことを示しており、40%以上であれば適度で快適なストレッチ特性を与えることができるので好ましい。また、90%以下とすることで布帛としたときにシボがなく、フラット感、寸法安定性が向上し好ましい。そして、より好ましくは50〜80%である。この伸縮伸長率の測定方法の詳細は後述するが、布帛内での拘束力に相当する0.0018cN/dtexと同じ荷重を繊維カセに吊して熱処理することで、布帛拘束下での捲縮発現能力を繊維カセの伸縮伸長率で表せるものである。
本発明の複合繊維中のジプロピレングリコール含有量(以下DPG量と記す)含有量は0.05〜から1.00重量%が好ましい。DPG量は、ポリマーの溶融安定性や重合反応性、布帛としたときの発色性や耐光性に影響を与え、0.05重量%以上であると融点は高くなり、溶融安定性は高くなり、染色時の染料吸尽率を高め、発色性が向上し、アルカリ減量加工も容易とするので好ましい。また、1.0重量%以下であると融点が低くならず、熱安定性も低下せず、耐光性が低下したりしないので好ましい。より好ましくは0.10〜0.80重量%である。
次ぎに、本発明の複合繊維中のジエチレングリコール含有量(以下DEG量と記す)含有量は0.05〜1.00重量%が好ましい。DEGの含有量が0.05重量%以上あると溶融安定性や耐熱性、布帛としたときの発色性や耐光性が向上するため好ましい。また、DEGの含有量が1.0重量%以下であると耐熱性が低くならず、毛羽が抑制された原糸を安定的に製造できるため好ましい。より好ましくは0.10〜0.80重量%である。
本発明の複合繊維の好ましい物性について説明する。布帛拘束力に打ち勝って、安定的に捲縮を発現させるためには、収縮応力および収縮応力の極大を示す温度が重要な特性となる。収縮応力の極大を示す温度は高いほど仕上げ工程での取り扱いが容易となる。したがって、布帛の熱処理工程で捲縮発現性を高めるには、収縮応力の極大を示す温度は120℃以上であり、好ましくは130℃以上、さらに好ましくは150℃以上である。上限値は、210℃以下であれば、他の物性値、製糸性とのバランスが取れて好ましい。そして、収縮応力は高いほど布帛拘束下での捲縮発現性が良好となり、極大値は0.08cN/dtex以上であり、好ましくは0.15cN/dtex以上、さらに好ましくは0.25cN/dtex以上である。ピーク温度と同様に上限値は、0.45cN/dtex以下であれば、他の物性値、製糸性とのバランスが取れて好ましい。
また、40℃、70RH%環境下で200日保管した前後の収縮応力のピーク値差が0.10cN/dtex以下であることが好ましい。このような過酷な環境下で保管しても均一な物性値を保っていることで、酸化劣化が少なく、安定した物性を有する原糸の品質保証ができ、ひいてはトリコット編みにしたときに、布帛の品位バラツキの少ない製品が得られるので好ましい。
沸騰水収縮率は3〜12%とすると良好な風合いの布帛を容易に得ることができるので好ましい。沸騰水収縮率が12%以下であると、繊維そのものが均一となり、織編物とした際に製品の寸法が安定し、好ましい。下限は、3%以上とすることで熱セット温度を極端に高くする必要もなく、強伸度等他の物性とのバランスも取れて好ましい。
強度は2.5cN/dtex以上、タフネスは15.0以上であることが好ましい。強度3.0cN/dtex以上、タフネス20.0以上であることがより好ましい。強度2.5cN/dtex以上あること、布帛にした際にその強力も高く、衣料用布帛の薄地化,高密度化,軽量化に適している。強度の上限は6.0cN/dtex以下が好ましく、延伸倍率が高すぎることによる毛羽の発生を抑えることができ工程通過性が良好になる。また、繊維強度を高くするには製造時の延伸倍率を高くするのが一般的であるが、このようにすると強度は高くなるものの伸度が低くなり、毛羽が発生しやすく、製織などの工程通過性が悪くなる。このため、伸度を十分に保ちつつ高い強度を得るにはタフネスが15.0以上である好ましく、20.0以上であることがより好ましい。低粘度ポリマ側にPETを用いること、及び、紡糸温度を適正化することにより強度は高くなりタフネスは向上する。従って、強度は4.0cN/dtex以上であることがより好ましい。製糸条件の適正化によるタフネスの向上には限界があり、汎用ポリエステルにて到達可能な27.0以下であることが好ましい。
伸度は布帛化するときの扱いやすさや、PTT繊維のソフト性の維持のために、20〜60%であることが好ましく、より好ましくは25〜55%とすることが良く、さらに好ましくは25〜45%とすることが良い。
本発明の複合繊維は連続15回測定での強度バラツキCV%が5.0%以下、伸度バラツキCV%が12.0%以下であることが好ましい。強度バラツキCV%が5.0%以下、伸度バラツキCV%が12.0%以下であると、トリコット用途に適用しても、糸切れは少なく、生産性が良好で、布帛としたときにスジやシボ感がなく、欠点の少ない良好な品位のトリコット編みが得られるのである。
本願の用途は高張力、ハイスピードで加工し、原糸の品質欠点が布帛の欠点として顕著に現れるトリコットへの展開を目指している。詳細は製造方法で細述するが、熱劣化、酸化劣化、冷却斑、分散斑、異常滞留等の糸物性に悪影響を与える全ての因子を現状で対応可能な極限の技術を盛り込んだものである。これらの技術で初めて強度、伸度のバラツキを上記の如く小さくすることが可能となり、トリコット用途に好適な複合繊維とならしめたのである。
また、U%は均一性の高い布帛を得るために1.8%以下とすることが好ましく、より好ましくは1.0%以下である。1.8%以下であると染色後の染め斑を抑制することができるので好ましい。染色工程において、糸斑の大きな部分は分子配向が小さいために染料が多く吸尽され、糸に太細の斑があると染め斑の原因となり商品価値を低下させるので、U%は小さいほど好ましく、1.0%以下であることがより好ましい。
本発明の総繊度、単糸繊度は、総繊度は10〜1000dtex、単糸繊度は0.3〜30dtex程度が一般的に採用される範囲であるが、総繊度を低く、単糸繊度を低くすることにより布帛の薄地化が図れ、発色性やソフト性は向上するため、総繊度10〜100dtex、単糸繊度0.3〜6.0dtex、フィラメント数は10〜100がより好ましい。総繊度が低くなると繊維化する際の熱劣化が進み、布帛とした後の耐熱性も低下することから、特に総繊度が56dtex以下の細繊度糸においては、布帛への熱付与による強力低下の抑制効果が顕著となる。また、単糸繊度が低くなると布帛のソフト性は向上するが、原糸毛羽は増加し、U%は悪化し、高次通過性は悪化し、布帛とした後の熱付与によるソフト性や発色性の低下、ムラ感も顕在化することから、特に単糸繊度2.0dtex以下の多フィラメント糸において、布帛とした後の熱劣化、酸化劣化による品位低下を抑制する効果が顕著となる。また、フィラメント数が多くなると口金の巨大化または複雑化により熱劣化が進行する。本発明の複合繊維はこれらの不良要因を全て克服し、トリコット用途に適用可能としたものである。
次いで、本発明の目的を達成するための好ましい製糸方法を説明する。
本発明の複合繊維は、(1)チップ化したPTTポリマのCOOH量を厳選し、このチップを水分率100ppm以下まで乾燥して、紡糸装置に送り込み、ポリマを溶融・計量・濾過した後に吐出するプロセス、(2)吐出されたフィラメントを冷却風により冷却した後引き取るプロセス、(3)引き取られたフィラメントを巻き取るプロセス、(4)巻き取られたマルチフィラメントをさらに熱延伸し、サイドバイサイド型ポリエステル複合繊維を得るプロセスにより成り立っている。また上記(3)のプロセスにおいて直接複合繊維を得ることも可能であり、また上記(2)のプロセスにおいて冷却風による冷却に引き続いて加熱域で延伸し、次いで(3)のプロセスを経て複合繊維を得ることも可能である。また(3)のプロセスにおいて引き取った複合繊維を一旦巻き取ることなく加熱ローラーで延伸、熱処理した後巻き取る1工程法によっても複合繊維を得ることが可能である。
以下順を追って説明する。
前記した如く耐熱性、耐酸化分解性を高めたPTTチップは、製糸工程に供する前に更に厳選しCOOH量40当量/106g以下のチップだけを使用することが重要である。こうすることにより、複合繊維中の末端カルボキシル基量(COOH量)を本願の目標範囲18.0〜35.0当量/106gにすることが容易となるのである。そして、チップの乾燥は露点−40℃以下、好ましくは真空の雰囲気下で100〜200℃で3〜8時間乾燥することが大切である。こうすることで乾燥後のチップ水分率が100ppm以下まで下げることができ、その後の溶融紡糸過程での加水分解を抑制し、高品質の複合繊維とすることが可能となる。
更に、乾燥工程から紡糸溶融工程まではクローズラインとし、ライン中はN2シールで酸素濃度500ppm以下の雰囲気とすることが重要である。このような配慮をすることで、熱劣化、酸化劣化を抑制し、高品質の複合繊維とすることが可能となるのである。
さらに、溶融紡糸過程でのCOOH量の増加を抑制するためには、ポリエステルの溶融直前に酸素濃度500ppm以下の雰囲気下にて3価リンを添加し、3価リンを添加後、大気に開放することなく溶融し紡糸する。重合時の添加では重合時の熱、酸素の影響で3価リンが消費されるため、溶融時の分解を抑制することができないのである。
ここで溶融直前とは、溶融する120分前までを指しており、3価リンを添加してから溶融するまでの時間が長くなると微量に存在する酸素や水分の影響を受け、溶融後の分解が促進される。3価リンの添加は溶融まで90分以下となる時点で行うのがより好ましい。もっとも好ましいのは溶融の30分前以下で添加することである。3価リンを添加する雰囲気は酸素濃度が500ppm以下である理由も同様であり、3価リンを効率良く機能させることが可能となるためである。酸素濃度はより好ましくは300ppm以下である。窒素や不活性気体の充満により酸素濃度を低下させることが可能であり、窒素流入と真空ポンプによる排気を同時に実施することで酸素濃度を極小化させることができるのである。
更に、3価リンの添加後は大気に開放することなく溶融紡糸する。大気開放による酸素、水分の付着を防止し、3価リンを効率良く機能させることが可能となる。3価リン添加後、500ppm以下の酸素濃度を維持し溶融することが好ましい方法である。添加する3価リンは5%熱減量温度が280℃以上であると3価リン自身の分解が抑制されるため好ましい。これは、PTTを溶融する際には250℃以上の加熱が必要となるためである。低粘度成分としてPETを選択した場合、ホモPETでは270℃以上の加熱が必要となるため、3価リンの5%熱減量温度は290℃以上であることがより好ましい。添加するリン化合物は3価リンであり、(I)亜リン酸、(II)亜ホスホン酸、(III)亜ホスフィン酸、(IV)ホスフィンが挙げられるが、耐熱性の観点から芳香環を持ち、嵩高い化合物が好ましい。たとえば、(II)の例として、テトラメチル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホナイト、テトラエチル[1,1−ビフェニル]−4、4‘−ジイルビスホスホナイト、テトラブチル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホナイト、テトラヘキシル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホナイト、テトラオクチル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホナイト、テトラベンジル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホナイト、テトラーt−ブチル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホナイト、テトラフェニル[1,1−ビフェニル]−4、4’−ジイルビスホスホナイトのほか、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイトなどが挙げられる。
(上記式中、R1〜R12は水素または炭素数1〜20の炭化水素基をあらわしている)
3価リンの添加はスクリューフィーダーやテーブルフィーダーを用い、溶融直前のチップ配管から添加することが好ましい方法で、フィーダー内の酸素濃度は500ppm以下に保つことが好ましく、300ppm以下とすることがより好ましい状態である。3価リンを添加した後、溶融するが、プレッシャーメルターによる方法、エクストルーダーによる方法が挙げられるが、エクストルーダーによる溶融が効率と分解抑制の観点から好ましい。その際、エクストルーダーのスクリュー先端と配管の距離(クリアランス)は2mm〜8mmとすることが好ましい。このようにクリアランスを非常に狭くすることでポリマの異常滞留部がなくなり、均一な糸物性を得ることができ、溶融紡糸過程でのCOOH量増加を抑制できるので好ましい。溶融温度は使用するポリマの融点よりも10〜40℃高温に設定し行うことが好ましい。
3価リンの添加はスクリューフィーダーやテーブルフィーダーを用い、溶融直前のチップ配管から添加することが好ましい方法で、フィーダー内の酸素濃度は500ppm以下に保つことが好ましく、300ppm以下とすることがより好ましい状態である。3価リンを添加した後、溶融するが、プレッシャーメルターによる方法、エクストルーダーによる方法が挙げられるが、エクストルーダーによる溶融が効率と分解抑制の観点から好ましい。その際、エクストルーダーのスクリュー先端と配管の距離(クリアランス)は2mm〜8mmとすることが好ましい。このようにクリアランスを非常に狭くすることでポリマの異常滞留部がなくなり、均一な糸物性を得ることができ、溶融紡糸過程でのCOOH量増加を抑制できるので好ましい。溶融温度は使用するポリマの融点よりも10〜40℃高温に設定し行うことが好ましい。
サイドバイサイド型複合繊維として、PTT(以下Aと記す)成分、PET(以下Bと記す)成分を別々に溶融し、押出したA成分とB成分を、サイドバイサイド型となるよう複合口金を用いて吐出した後、紡糸された糸条を一旦巻き取ることなくそのまま延伸を行う1工程(DSD)法を用いて得ることができる。
溶融されたポリマは計量ポンプや濾過フィルター、口金ノズルなどを経て吐出されるが、本発明の複合繊維は、繊維化後もリン元素含有量、COOH量を適正化しており、熱劣化を抑制できるので、紡糸温度は高い方が繊維のタフネスの向上、U%の向上が図れるために好ましい。
低粘度成分としてPETを採用した場合、PETによるタフネス向上が望めるため、より高い紡糸温度、すなわち、PTTの融点よりも30〜60℃高い紡糸温度が好ましい。好ましい紡糸温度は260〜290℃である。このような紡糸温度を採用することにより高タフネスで製糸性の良好な複合繊維を得ることができるのである。
一方、溶融から吐出までの滞留時間は短時間であるほど、COOH量の増加を抑制するには好ましい。溶融から紡出までの溶融通過時間、加熱時間を極力短くし、A,B成分の分子量低下を抑制することが好ましい。A成分、B成分とも別々に溶融混練され、加熱ゾーン、そして精密に吐出計量し、異物補足の濾過層を通過して、サイドバイサイド型となるよう複合口金を用いて吐出・糸条化・冷却される。この、溶融から吐出までの通過時間をポリマ滞留時間とする。この滞留時間は、30分以内であると、ポリマの熱劣化を軽減でき、IV低下が押さえられ、糸のタフネス低下を防止することができ、複合繊維中のCOOH量の増加を抑制できるため、毛羽が抑制され、耐熱性に優れ、高次通過性に優れ、布帛としたときの発色性が優れ、経時劣化が抑制できるので好ましい。より好ましくは20分以下である。
紡糸ポリマ配管の内壁は0.8Sの鏡面仕上げすることが大切である。通常のPETに用いられているポリマ配管の内面粗度は3S(3μmの凹凸を許容)の仕上げが一般的に用いられる。本願は極限まで配管内面を磨き上げ、0.8Sとしたものである。このような鏡面にすることでポリマの異常滞留が軽減され、均一な物性を有する繊維が得られ、溶融紡糸過程でのCOOH量増加を抑制できるので好ましい。
パック内にはハイミキサーを組み込むことが好ましい。ハイミキサーとはポリマを分割混合することに効果的で、例えばハイミキサーの分割層数は「2×4n」で計算でき、5段のハイミキサーであれば2×45=2048分割となる。本発明では3〜10段のハイミキサーを用いると、ポリマが混練微分散され、節糸が発生することもなく、強伸度バラツキの小さい均一な糸物性が得られ、良好な製糸性が得られるので好ましい。
このように高品質を得るために、様々に改善工夫を凝らした複合繊維は吐出され、糸条化するが、口金下の冷却方法は、糸条の冷却斑が生じにくい、糸条の外側から内側へ冷却風を当てる環状チムニーが、均一冷却できる点で好ましい。この際に、冷却風はマルチフィラメントに直交する方向から、マルチフィラメントに冷却気体を当てて冷却することが望ましい。このときの冷却風の速度は、0.2m/秒以上、1m/秒以下が好ましく、0.3m/秒以上、0.8m/秒以下がより好ましい。また、冷却風の温度は、均一冷却するために低い方が好ましいが、冷却風の温調コストとの兼ね合いから、15℃以上、25℃以下にすることが好ましい。こうすることにより、糸条間および糸条の長手方向への糸の太さ斑が改善され、U%が1.8%以下を達成できるのである。
紡出したマルチフィラメントは公知の紡糸油剤を給油して表面被覆するが、このときの油剤の付着量は、糸に対し、0.3重量%以上、1.5重量%以下付着させることで、糸条は収束して良好なパッケージフォームとなり、次ぎ工程以降での糸道ガイド、糸同志の擦過によるトラブル減少が図れるので好ましい。
前記した(3)のプロセスにおいて引き取った複合繊維を一旦巻き取ることなく加熱ローラーで延伸、熱処理した後巻き取る1工程法を採用することが品質の安定、工程の省略化によるコストダウンが図れるので好ましい。上記の1工程法は、給油した後、引き取り、巻き取ることなく連続して延伸工程に導き、第1ホットローラ(1HR)に導き、1段または2段階で延伸し、第2ホットローラ(2HR)にて熱セットした後、巻き取る。この際に、好ましい紡糸速度は1100m/分以上、3000m/分以下である。3000m/分以下で紡糸することで、紡糸張力を0.3g/dtex以下に抑えることができ、繊維内部構造の歪みを抑制できるため好ましい。そして、引取後連続して延伸を行う直接紡糸延伸方式が品質の安定、特に繊維長手方向での強伸度バラツキを抑制でき、さらには工程の省略化によるコストダウンが図れるので好ましい。
延伸温度としては、未延伸糸のガラス転移温度付近である50℃以上、80℃以下で行なうことが好ましい。50℃以上とすることで均一延伸でき、80℃以下とすることで延伸ロールへの融着や繊維の自発伸長による操業性悪化を防ぐことができる。また、延伸後には、未延伸糸の結晶速度が最大となる温度で熱セットすることが好ましく、130℃以上、220℃以下が好ましい。熱セットすることで繊維の結晶化を促進し、強度を高くでき、伸縮伸長率、収縮応力、沸騰水収縮率を始め、各種の糸物性の安定化が図れるので好ましい。また、2HR−3ゴデットローラ(3GR)間でリラックス率を2.5〜5.5%とすることで延伸によって生じたポリエステル分子非晶部位の歪みを緩和することができるため、巻締り抑制効果、耐磨耗性向上効果、糸物性の均一化が得られるので好ましい。
熱セットした糸条は巻取機で巻き取るが、巻取張力は0.02g/dtex以上、0.15g/dtex以下とすることが好ましい。パッケージに巻いた際に糸物性の内外層差の軽減、サドルやバルジの軽減、そして、伸縮伸長率、沸騰水収縮率の安定化が図れるので好ましい。
繊維化された複合繊維はパーンまたはチーズ状パッケージとして巻き取られる。その後、仮撚、撚糸などの加工を施すことも可能であるが、繊維中のリン元素含有量、COOH量を適正化した本発明の複合繊維は仮撚、撚糸などの加熱に対し、PTTの分解が抑制され、ポリトリメチレンテレフタレート系複合繊維ならではの捲縮性能やソフト性を維持したままの加工が可能となる。そして、当然のことながらトリコット以外の織物、編物いずれの布帛に展開可能であり、布帛作成時の生産性の向上はもちろん、染色、熱セットなどの加熱による影響を排除することが可能となり、従来にない品位の安定した布帛を得ることができる。
以上のことから、本発明のサイドバイサイド型複合繊維は、ソフトでストレッチ性、発色性に優れ、細繊度糸や細単糸繊度糸でありながら均一な物性を有し、かつ、生産性が良好で原糸毛羽が抑制された極限技術の製造方法により初めて達成できるのである。
以下、実施例を挙げて具体的に説明する。なお、実施例の主な測定値は以下の方法で測定した。
(1)極限粘度(IV)
定義式のηrは、25℃温度の純度98%以上のo−クロロフェノール(以下、OCPと記する)10mL中に試料ポリマーを0.8g溶かし、25℃の温度にてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを下式により求め、極限粘度(IV)を算出した。
・ηr=η/η0=(t×d)/(t0×d0)
極限粘度(IV)=0.0242ηr+0.2634
ここで、
η:ポリマー溶液の粘度
η0:OCPの粘度
t:溶液の落下時間(秒)
d:溶液の密度(g/cm3)
t0:OCPの落下時間(秒)
d0:OCPの密度(g/cm3) 。
定義式のηrは、25℃温度の純度98%以上のo−クロロフェノール(以下、OCPと記する)10mL中に試料ポリマーを0.8g溶かし、25℃の温度にてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを下式により求め、極限粘度(IV)を算出した。
・ηr=η/η0=(t×d)/(t0×d0)
極限粘度(IV)=0.0242ηr+0.2634
ここで、
η:ポリマー溶液の粘度
η0:OCPの粘度
t:溶液の落下時間(秒)
d:溶液の密度(g/cm3)
t0:OCPの落下時間(秒)
d0:OCPの密度(g/cm3) 。
(2)COOH量
サンプル1g(繊維の場合は複合繊維)にベンジルアルコール25mlを加え、窒素雰囲気以下で200℃で15分間加熱した。その後、フェノールフタレイン指示薬を3滴、クロロホルム25mlを添加した後、0.02Nの水酸化カリウムのベンジルアルコール溶液で滴定し、末端カルボキシル基量(当量/106g)を求めた。
サンプル1g(繊維の場合は複合繊維)にベンジルアルコール25mlを加え、窒素雰囲気以下で200℃で15分間加熱した。その後、フェノールフタレイン指示薬を3滴、クロロホルム25mlを添加した後、0.02Nの水酸化カリウムのベンジルアルコール溶液で滴定し、末端カルボキシル基量(当量/106g)を求めた。
(3)DPG量
サンプル2gを2Nの水酸化カリウムのメタノール溶液25mlに加え、還流下4時間かけて加溶媒分解し、このメタノール溶液を用いてガスクロマトグラフィーにより定量した。カラムはDURA BOND DB−WAX0.25mm×30mm(0.25μm)を用いてヘリウム100ml/分流しながら150〜230℃まで20℃/分の昇温速度で測定した。検出器は水素炎イオン化型検出器を用いた。
サンプル2gを2Nの水酸化カリウムのメタノール溶液25mlに加え、還流下4時間かけて加溶媒分解し、このメタノール溶液を用いてガスクロマトグラフィーにより定量した。カラムはDURA BOND DB−WAX0.25mm×30mm(0.25μm)を用いてヘリウム100ml/分流しながら150〜230℃まで20℃/分の昇温速度で測定した。検出器は水素炎イオン化型検出器を用いた。
(4)DEG量
サンプル0.5gを10%ヒドラジン/ブタノール溶媒に溶解させ、SHIMADZU社製ガスクロマトグラフGC−8A型、及びCR−6Aクロマトパックを用いて測定した。
サンプル0.5gを10%ヒドラジン/ブタノール溶媒に溶解させ、SHIMADZU社製ガスクロマトグラフGC−8A型、及びCR−6Aクロマトパックを用いて測定した。
(5)リン含有量
理学電機工業製蛍光X線装置ZSX100eにて複合繊維中のリン含有量を定量した。
理学電機工業製蛍光X線装置ZSX100eにて複合繊維中のリン含有量を定量した。
(6)5%熱減量温度
SII製TG/DTA6300を用い、窒素流量500ml/min、昇温速度10℃/minにて測定し、重量減少が5%となった温度を読み取った。
SII製TG/DTA6300を用い、窒素流量500ml/min、昇温速度10℃/minにて測定し、重量減少が5%となった温度を読み取った。
(7)3価リン比率
Chemagnetics製CMX−300を用い、室温にて固体31P−NMR測定を行った。化学シフト基準としては、85重量%リン酸水溶液(外部基準0.0ppm)、(NH4)2HPO4(外部基準1.33ppm)を用いた。得られたスペクトルピークについて、3価リンに帰属するピークの積分値(およそ1100〜160ppmの位置に相当)の合計I3と5価リンに帰属するピークの積分値(およそ50ppm以下、3価よりも低ppmに相当)の合計I5を表示し、以下に示す式にて3価リン比率を求めた。なお、スピニングサイドバンドは各ピークの主ピークの積分値に合算した。
3価リン比率(%)=I3/(I3+I5)×100 。
Chemagnetics製CMX−300を用い、室温にて固体31P−NMR測定を行った。化学シフト基準としては、85重量%リン酸水溶液(外部基準0.0ppm)、(NH4)2HPO4(外部基準1.33ppm)を用いた。得られたスペクトルピークについて、3価リンに帰属するピークの積分値(およそ1100〜160ppmの位置に相当)の合計I3と5価リンに帰属するピークの積分値(およそ50ppm以下、3価よりも低ppmに相当)の合計I5を表示し、以下に示す式にて3価リン比率を求めた。なお、スピニングサイドバンドは各ピークの主ピークの積分値に合算した。
3価リン比率(%)=I3/(I3+I5)×100 。
(8)伸縮伸長率
伸縮伸長率はJIS L1090(合成繊維フィラメントかさ高加工糸試験方法)、5.7項C法(簡便法)に従い、以下に示す式にて伸縮伸長率とした。
伸縮伸長率(%)=[(L1−L0)/L0]×100%
L0:繊維カセに0.0018cN/dtex荷重を吊した状態で90℃熱水処理を20分間行い、1昼夜風乾した後のカセ長
L1:L0測定後、L0測定荷重を取り除いて0.09cN/dtex荷重を吊して30秒後のカセ長 。
伸縮伸長率はJIS L1090(合成繊維フィラメントかさ高加工糸試験方法)、5.7項C法(簡便法)に従い、以下に示す式にて伸縮伸長率とした。
伸縮伸長率(%)=[(L1−L0)/L0]×100%
L0:繊維カセに0.0018cN/dtex荷重を吊した状態で90℃熱水処理を20分間行い、1昼夜風乾した後のカセ長
L1:L0測定後、L0測定荷重を取り除いて0.09cN/dtex荷重を吊して30秒後のカセ長 。
(9)強度、伸度、タフネス、強度・伸度のCV%
JIS L1013(1999)に従い測定した。タフネス、強度・伸度のCV%は以下の式にて算出した。
(タフネス)=(強度)×(伸度)0.5
(強度のCV%)=(連続15回測定の強度の標準偏差)/(連続15回測定の強度の平均値)×100
このときの強度の算出は、強伸度連続15回測定直前に繊度を1回測定し、該繊度値で15回の各強力値を除した。
(伸度のCV%)=(連続15回測定の伸度の標準偏差)/(連続15回測定の伸度の平均値)×100 。
JIS L1013(1999)に従い測定した。タフネス、強度・伸度のCV%は以下の式にて算出した。
(タフネス)=(強度)×(伸度)0.5
(強度のCV%)=(連続15回測定の強度の標準偏差)/(連続15回測定の強度の平均値)×100
このときの強度の算出は、強伸度連続15回測定直前に繊度を1回測定し、該繊度値で15回の各強力値を除した。
(伸度のCV%)=(連続15回測定の伸度の標準偏差)/(連続15回測定の伸度の平均値)×100 。
(10)収縮応力ピーク値、収縮応力ピーク温度、40℃70RH%環境下で200日保管した前後の収縮応力のピーク値差
200mmの試料を結んで環状にし、鐘紡エンジニアリング社製KE−2を用い、初期荷重0.044cN/dtex、初期温度30℃、昇温速度100℃/分にて収縮応力を測定し、収縮応力が最大になる温度(ピーク温度)、および、その時の収縮応力の値(ピーク値)を求めた。
200mmの試料を結んで環状にし、鐘紡エンジニアリング社製KE−2を用い、初期荷重0.044cN/dtex、初期温度30℃、昇温速度100℃/分にて収縮応力を測定し、収縮応力が最大になる温度(ピーク温度)、および、その時の収縮応力の値(ピーク値)を求めた。
40℃70RH%環境下で200日保管した前後の収縮応力のピーク値差は、巻取り後48時間以内に測定した収縮応力のピーク値から、40℃70RH%環境下で200日保管した後、48時間以内に測定した収縮応力のピーク値を引いて算出した。
(11)U%
Zellweger社製USTER TESTER 4−CXを使用し、200m/分の速度で5分間糸を給糸しながらノーマルモードで測定を行った。
Zellweger社製USTER TESTER 4−CXを使用し、200m/分の速度で5分間糸を給糸しながらノーマルモードで測定を行った。
(12)生産性
製糸量5トンの連続紡糸を3回実施し、トンあたりの平均の糸切れ回数を算出した。糸切れ回数に応じ、以下の評価点数とした。
3点:糸切れ回数 0.5回/トン未満
2点:糸切れ回数 0.5回/トン以上、1.0回/トン未満
1点:糸切れ回数 1.0回/トン以上、2.0回/トン未満
0点:糸切れ回数 2.0回/トン以上 。
製糸量5トンの連続紡糸を3回実施し、トンあたりの平均の糸切れ回数を算出した。糸切れ回数に応じ、以下の評価点数とした。
3点:糸切れ回数 0.5回/トン未満
2点:糸切れ回数 0.5回/トン以上、1.0回/トン未満
1点:糸切れ回数 1.0回/トン以上、2.0回/トン未満
0点:糸切れ回数 2.0回/トン以上 。
(13)毛羽
採取した繊維をTEK製毛羽検出装置付きの整経機に掛けて、500m/分の速度で引き取りした。整経機が停止するごとに目視で毛羽の有無を確認し、長さ2mm以上の毛羽の個数をカウントした。10万m×50サンプルを測定し、10万mあたりの平均の毛羽の個数を算出した。
採取した繊維をTEK製毛羽検出装置付きの整経機に掛けて、500m/分の速度で引き取りした。整経機が停止するごとに目視で毛羽の有無を確認し、長さ2mm以上の毛羽の個数をカウントした。10万m×50サンプルを測定し、10万mあたりの平均の毛羽の個数を算出した。
毛羽の個数に応じ、以下の評価点数とした。
3点:0.1個/10万m未満
2点:0.1個/10万m以上、0.2個/10万m未満
1点:0.2個/10万m以上、0.4個/10万m未満
0点:0.4個/10万m以上 。
2点:0.1個/10万m以上、0.2個/10万m未満
1点:0.2個/10万m以上、0.4個/10万m未満
0点:0.4個/10万m以上 。
(14)編糸切れ
採取した繊維を整経し、28Gトリコットハーフ組織として20反を編み立てした。フロント糸、バック糸とも同一の繊維を用いた。編み立て中に発生した糸切れ回数(1反あたりの編糸切れ回数)に応じ、以下の評価点数とした。
3点:0.3回/反未満
2点:0.3回/反以上、0.6回/反未満
1点:0.6回/反以上、1.0回/反未満
0点:1.0回/反以上 。
採取した繊維を整経し、28Gトリコットハーフ組織として20反を編み立てした。フロント糸、バック糸とも同一の繊維を用いた。編み立て中に発生した糸切れ回数(1反あたりの編糸切れ回数)に応じ、以下の評価点数とした。
3点:0.3回/反未満
2点:0.3回/反以上、0.6回/反未満
1点:0.6回/反以上、1.0回/反未満
0点:1.0回/反以上 。
(15)布帛発色性、布帛ソフト性
フロント糸、バック糸とも、各実施例及び比較例により得られた繊維を用い、28Gトリコットハーフ組織の編物生機を作成した。得られた生機を95℃にて精錬し、140℃にてプリセット後、起毛処理を施した。その後、130℃にてブルー色に染色し、ピンテンターを用い160℃にて仕上げセットを行い起毛編物を得た。得られた起毛編物を1m角に切り取り、該編物1点について、経験年数3年以上の評価者3名による官能評価を行い、該評価者3名の合議によって以下の評価点数とした。
3点:従来品と比較して明らかに優れている
2点:従来品と比較して大幅な改善ではないものの、若干優れている
1点:従来品と比較して優位性は見られない
0点:従来品と比較して劣っている
それぞれの評価の観点は以下の通りである。
フロント糸、バック糸とも、各実施例及び比較例により得られた繊維を用い、28Gトリコットハーフ組織の編物生機を作成した。得られた生機を95℃にて精錬し、140℃にてプリセット後、起毛処理を施した。その後、130℃にてブルー色に染色し、ピンテンターを用い160℃にて仕上げセットを行い起毛編物を得た。得られた起毛編物を1m角に切り取り、該編物1点について、経験年数3年以上の評価者3名による官能評価を行い、該評価者3名の合議によって以下の評価点数とした。
3点:従来品と比較して明らかに優れている
2点:従来品と比較して大幅な改善ではないものの、若干優れている
1点:従来品と比較して優位性は見られない
0点:従来品と比較して劣っている
それぞれの評価の観点は以下の通りである。
布帛発色性:布帛のムラ感、発色性について目視検査により従来品(56dtex36フィラメントで極限粘度0.65のホモPET単独糸を使用したゾッキ編物)との比較評価を行った。ムラ感がなく、発色性が高いほど高点数とした。
布帛ソフト性:布帛のソフト性について触感検査により従来品(56dtex36フィラメントで極限粘度0.65のホモPET単独糸を使用したゾッキ編物)との比較評価を行った。ソフト性が高いほど高点数とした。
(16)総合評価
前述(12)〜(15)の評価点数を足し算し、以下の基準で合否を判定した。
合格:点数6点以上、かつ、(12)〜(15)の評価項目で0点の項目がないこと。
不合格:点数5点以下、または、(12)〜(15)の評価項目で0点の項目がある。
前述(12)〜(15)の評価点数を足し算し、以下の基準で合否を判定した。
合格:点数6点以上、かつ、(12)〜(15)の評価項目で0点の項目がないこと。
不合格:点数5点以下、または、(12)〜(15)の評価項目で0点の項目がある。
実施例1
高粘度成分として極限粘度1.10、DSCによる融点が228℃のホモPTTチップでCOOH量が20〜40当量/106g以下のチップを準備し、低粘度成分として極限粘度0.51、DSCによる融点が257℃であるホモPETチップを準備し、それぞれ露点温度−50℃の絶乾空気にて40ppmの水分率となるまで乾燥した。
高粘度成分として極限粘度1.10、DSCによる融点が228℃のホモPTTチップでCOOH量が20〜40当量/106g以下のチップを準備し、低粘度成分として極限粘度0.51、DSCによる融点が257℃であるホモPETチップを準備し、それぞれ露点温度−50℃の絶乾空気にて40ppmの水分率となるまで乾燥した。
乾燥後、両成分とも酸素濃度10ppm、25℃の窒素雰囲気下で保管し、かつ、乾燥から溶融までのチップ仕込み配管はクローズラインで、ライン中は酸素濃度500ppm以下の窒素雰囲気とした。高粘度成分にのみエクストルーダーによる溶融の3分前に酸素濃度10ppmの雰囲気下で化学式(II)に相当する5%熱減量温度344℃のテトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイトをリン元素量換算で18ppm計量添加した。
高粘度成分はエクストルーダーにて255℃にて溶融し、低粘度成分はエクストルーダーにて285℃にて溶融し、紡糸温度を280℃に設定し、計量ポンプによる計量を行い、パック内には7段のハイミキサーを組み込み、ポリマを混練微分散させ、ろ過を経て口金ノズルにて図1(a)のような断面形状となるように複合比率50:50のサイドバイサイド型に貼り合わせ吐出させた。
この時、エクストルーダーのスクリュー先端と配管とのクリアランスは5mmのものを用いた。そして、溶融から吐出までの滞留時間は高粘度、低粘度ポリマとも10分となるように配管長を調整した。なお、ポリマ配管内壁は0.8Sに鏡面仕上げしたものを用いた。
吐出したポリマは図2に示す製糸装置にて繊維化した。すなわち、冷却2、給油3を経て1500m/分の速度、50℃の表面温度に設定された引取りロール(第1HR5)にて引き取り、一旦巻き取ることなく、連続して4500m/分、150℃に設定された熱処理ロール(第2HR6)に引き回し、3.0倍の延伸を実施した。
延伸、熱処理された糸条は4365m/分の速度に設定されたゴデットローラ(第3GR7、第4GR8)にて張力調整し、4060m/分の速度で0.15g/dtexの張力にてチーズ状パッケージを巻き取り、56dtex−36フィラメントのサイドバイサイド型ポリトリメチレン系ポリエステル複合繊維を得た。得られた繊維に対する評価結果を表1に示した。
実施例1は、複合繊維中の末端COOH量が少なく、伸縮伸張率が良好で収縮応力のピーク値、ピーク温度も高く、連続15回測定した強度バラツキ、伸度バラツキとも小さく、また、40℃、70RH%環境下で200日保管した前後の収縮応力のピーク値差が0.10cN/dtex以内で良好な結果であることも確認した。
得られた原糸をトリコット編みに供した結果、原糸不良による糸切れ等の停台回数は通常のPET繊維と遜色がなく、良好な結果であった。更に、得られた布帛を染色加工に供したがソフトでストレッチ性に富み、発色性が良好な加工反が得られた。結果を表1に示す。
実施例2〜3、比較例1〜2
実施例2はPTTへのリン添加量を少なく,逆に実施例3はPTTへのリン添加量を多くした実験水準であり、その他の条件は実施例1に準じた。実施例2は末端COOH量が増加し、実施例1に比べ多少見劣りしたが、繊維物性、毛羽、トリコット編成性とも合格範囲内であった。
実施例2はPTTへのリン添加量を少なく,逆に実施例3はPTTへのリン添加量を多くした実験水準であり、その他の条件は実施例1に準じた。実施例2は末端COOH量が増加し、実施例1に比べ多少見劣りしたが、繊維物性、毛羽、トリコット編成性とも合格範囲内であった。
実施例3は、特に強度バラツキ、伸度バラツキが小さく、毛羽、糸切れも少なく良好な生産性を示し、また、加工反はソフトでストレッチに富み発色性も良好であった。
比較例1、2はPTTへのリン添加量を本願の下限、上限はずれとしたものである。比較例1は明らかに耐熱性が不十分で、糸物性、製糸性、加工性とも不良であった。比較例2はリンを多量に添加したことで、繊維構造を阻害させる要因となり、タフネスの低下、強伸度のバラツキ、そして、生産性、原糸毛羽、編糸切れ、布帛発色性において不良であった。以上の結果を表1に示した。
実施例4、比較例3〜4
エクストルーダーでの溶融直前に添加するリン化合物として、実施例4は化学式(I)に相当する5%熱減量温度272℃のトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを用いた以外は実施例1と同様の方法にて製糸し、複合繊維を得た。
エクストルーダーでの溶融直前に添加するリン化合物として、実施例4は化学式(I)に相当する5%熱減量温度272℃のトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを用いた以外は実施例1と同様の方法にて製糸し、複合繊維を得た。
実施例1と比較すると生産性、毛羽、トリコット編成性が悪化したが、問題ない程度であり、加工反はソフトで発色性良好であった。
比較例3は添加するリン化合物を、5%熱減量温度242℃のビス(2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル)エチルエステルホスファイトを、比較例4は5価リンを選定し、5%熱減量温度276℃のフェニルホスホン酸を用いた以外は実施例1と同様の方法で製糸したものである。
いずれも、生産性、毛羽、トリコット編成性が悪化し、得られた複合繊維の末端COOH量の増大が認められ、布帛はソフト性、発色性ともに不良であった。以上の結果を表1に示した。
実施例5〜6、比較例5
実施例5〜6と比較例5はリン化合物添加部の酸素濃度に関して実験したものである。
実施例5〜6と比較例5はリン化合物添加部の酸素濃度に関して実験したものである。
リン添加部の酸素濃度を表2のように変更した以外は実施例1に準じた。酸素濃度が高くなるに従い、生産性、毛羽、トリコット編成性は悪化し、比較例5では末端COOH量が本願規定範囲を超え、強伸度バラツキが悪化し、40℃70RH%環境下で200日保管した前後の収縮応力ピーク値差も増大し、得られた布帛の品位はスジ感が強く、ソフト性、発色性に乏しく不良であった。
実施例7〜8、比較例6〜8
実施例7〜8と比較例6〜8はPTTとPETのIVに関して実験したものである。
実施例7〜8と比較例6〜8はPTTとPETのIVに関して実験したものである。
表2に示した如くIV水準を変更し、それに伴い紡糸温度を補正した以外は実施例1に準じた。実施例7は全ての面で良好であった。実施例8は強度が低く、ややタフネスが小さかったが合格範囲内であった。一方、比較例6は強度、タフネス、ストレッチ性とも不十分であった。また、比較例7は高温紡糸となり、メルトフラクチャーが生じ紡糸性が著しく不良であった。比較例8はPTTとPETのIV差が小さいことにより、特にストレッチ性が不良であった。以上の結果を表2に示した。
実施例9、比較例9
次ぎに複合形態についての検証を行った。
次ぎに複合形態についての検証を行った。
実施例1をブランクとして、実施例9では図1(c)のようなキノコ型の断面となるように口金スペックを調整し複合繊維を得た。得られた複合繊維は実施例1と比較すると強伸度バラツキが悪化し、布帛はムラ感が強かったが合格レベルであった。
比較例9では同心円となる公知の口金を用い、芯鞘断面形状となるように複合吐出させた。この時の芯鞘複合比率は鞘:芯=80:20となるように吐出量を補正した。なお、溶融から吐出までの滞留時間は鞘成分が8分、芯成分が30分となるように配管長を調整した。
実施例1に比べ比較例9は強伸度、タフネスは問題なかったが、伸縮伸長率が不足し、本発明の水準に達しなかった。結果を表3に示した。
比較例10
次ぎに低粘度成分側に用いるポリマについて、実施例1をブランクとして比較例10にて検証を行った。
次ぎに低粘度成分側に用いるポリマについて、実施例1をブランクとして比較例10にて検証を行った。
比較例10では高粘度側のPTTにのみエクストルーダー溶融直前でリン化合物を添加した。得られた複合繊維は、伸縮伸長率が高すぎ、布帛のフラット感がなく、ムラ感が強く不合格レベルとなった。結果を表3に示した。
実施例10〜11、比較例11〜12
次ぎに紡糸温度について表3に通り変更した以外は実施例1と同様の条件にて製糸し、複合繊維を得た。
次ぎに紡糸温度について表3に通り変更した以外は実施例1と同様の条件にて製糸し、複合繊維を得た。
紡糸温度を上げた実施例10は紡糸温度が高いにも関わらず、PTT自体の耐熱性向上が認められ、タフネスが向上し、良好なU%が得られた。
紡糸温度を下げた実施例11はタフネスが若干劣るものの、実用上問題ないものが得られた。その他の特性値も合格レベルであった。
一方、紡糸温度を255℃まで低下した比較例11は、PET側が低温紡糸となり、サンプル採取が不能であった。
また、比較例12は高温紡糸となり、口金面汚れが激しくなり糸切れが多発した。結果を表3に示した。
実施例12〜14、比較例13
次ぎにバイメタル複合比を表4の通り変更した以外は実施例1に準じた条件で製糸し、複合繊維を得た。なお、滞留時間は濾過面積、配管長で所定の時間になるように調整した。
次ぎにバイメタル複合比を表4の通り変更した以外は実施例1に準じた条件で製糸し、複合繊維を得た。なお、滞留時間は濾過面積、配管長で所定の時間になるように調整した。
実施例12はPET比率を増やしたことにより伸縮伸長特性、布帛ソフト性が若干劣るものの許容レベルであった。
実施例13、14はPTT比率を増やしたことにより伸度が若干高めであるものの伸縮伸長特性、布帛ソフト性、発色性は合格レベルであった。
一方、PTTを80%まで増加した比較例13はソフト性、ストレッチ性は認められたが低強度でタフネスが不足し、トリコット布帛にした際のアイロンに対する耐熱性が不十分であった。結果を表4に示した。
実施例15、比較例14
滞留時間を表4の通り変更した以外は実施例1と同様の条件にて製糸し、複合繊維を得た。
滞留時間を表4の通り変更した以外は実施例1と同様の条件にて製糸し、複合繊維を得た。
鞘成分の滞留時間を35分とした実施例15は、多少の熱劣化、酸化劣化の影響を受けたが、合格レベルであった。
一方、更に滞留時間を延ばした比較例14は、糸物性、製糸性とも、いずれの評価結果も不十分であった。結果を表4に示した。
実施例16〜17、比較例15
エクストルーダーのスクリュー先端と配管とのクリアランスを表5の通り変更した以外は実施例1と同様の条件にて製糸し、複合繊維を得た。
エクストルーダーのスクリュー先端と配管とのクリアランスを表5の通り変更した以外は実施例1と同様の条件にて製糸し、複合繊維を得た。
クリアランスを小さくした実施例16、17はポリマの異常滞留部減少効果で糸切れも少なく、均一な糸物性が得られた。
一方、ポリマ異常滞留を考慮しない比較例15は繊維の強伸度バラツキが大きく、糸切れも多発した。結果を表5に示した。
実施例18〜20
パック内のハイミキサーを表5の通り変更した以外は実施例1と同様の条件にて製糸し、複合繊維を得た。
パック内のハイミキサーを表5の通り変更した以外は実施例1と同様の条件にて製糸し、複合繊維を得た。
パック内にハイミキサーを組み込んだ実施例18、19は繊維物性も均一で安定しており、糸切れも少なく、編成性も良好であった。特に10段のハイミキサーを組み込んだ実施例18は極めて良好であった。
一方、ハイミキサーを組み入れてない実施例20は強伸度バラツキが大きく、布帛のムラ感は悪化したが生産性、毛羽、トリコット編成性は問題なく合格であった。結果を表5に示した。
比較例16
次ぎに、ポリマ配管仕上げ面の効果について検証する。
次ぎに、ポリマ配管仕上げ面の効果について検証する。
比較例16はポリマ配管の仕上げ面を通常のPETに用いられる3Sのものを取り付けた以外は実施例1と同様の条件にて製糸し、複合繊維を得た。
ポリマ配管の仕上げ面を0.8Sの鏡面を用いた実施例1では、全ての面において良好で、繊維物性も均一で安定しており、糸切れも少なく、編成性も良好であったのに対し、ポリマ配管の仕上げ面を3Sとした比較例16は、得られた繊維の末端COOH量が多く、強伸度バラツキも大きく、生産性、毛羽、トリコット編成性は悪化、布帛品位も不良であった。結果を表5に示した。
実施例21
実施例1において、繊維化して冷却、給油を経た1500m/分速度の複合繊維をそのままワインダーで巻取り、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を公知の延伸機を用いホットロール60℃、ホットプレート140℃にて、延伸倍率は伸度が38%になるように調整し、延伸速度800m/分で延伸を行い、56dtex/36f、延伸糸を得た。得られた複合繊維は1工程法に比べ、強伸度バラツキが大きく、毛羽、トリコット編成性ともに劣位であったが、布帛品位は合格レベルであった。結果を表6に示した。
実施例1において、繊維化して冷却、給油を経た1500m/分速度の複合繊維をそのままワインダーで巻取り、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を公知の延伸機を用いホットロール60℃、ホットプレート140℃にて、延伸倍率は伸度が38%になるように調整し、延伸速度800m/分で延伸を行い、56dtex/36f、延伸糸を得た。得られた複合繊維は1工程法に比べ、強伸度バラツキが大きく、毛羽、トリコット編成性ともに劣位であったが、布帛品位は合格レベルであった。結果を表6に示した。
比較例17
比較例17はTPPチップのCOOH量を40以下と厳選せず、20〜100当量/106g程度の分布を持つチップを使用し、その他は実施例1に準じて複合繊維を得た。
比較例17はTPPチップのCOOH量を40以下と厳選せず、20〜100当量/106g程度の分布を持つチップを使用し、その他は実施例1に準じて複合繊維を得た。
得られた繊維は強伸度バラツキが大きく、長手方向にも不均一で、糸切れも多発した。得られた布帛もムラ感が強く、発色性が悪く不合格であった。結果を表6に示した。
比較例18
比較例18は乾チップ水分率を強制的に120ppmとし、これを実施例1の条件に準じて複合繊維を得た。紡糸時の糸切れが多発し、強伸度バラツキも大きく品質も不良であった。結果を表6に示した。
比較例18は乾チップ水分率を強制的に120ppmとし、これを実施例1の条件に準じて複合繊維を得た。紡糸時の糸切れが多発し、強伸度バラツキも大きく品質も不良であった。結果を表6に示した。
実施例22、比較例19
PTT、PETの各ポリマー重合段階でDPG、DEGの共重合量を調整したポリマーを使用した以外は実施例1に準じて複合繊維を得た。
PTT、PETの各ポリマー重合段階でDPG、DEGの共重合量を調整したポリマーを使用した以外は実施例1に準じて複合繊維を得た。
実施例22では、生産性、毛羽、トリコット編成性に多少の悪化が認められたが、発色性に優れた良好な布帛が得られた。
比較例19では生産性、毛羽、トリコット編成性が悪化し、布帛品位も不良であった。結果を表6に示す。
実施例23〜27
2HR温度、延伸倍率を表7の通り変更した以外は実施例1に準じて製糸試験した。
2HR温度、延伸倍率を表7の通り変更した以外は実施例1に準じて製糸試験した。
実施例23、24では2HR温度アップによりHR上の糸揺れが大きく、生産性、毛羽が悪化したが、布帛品位は問題ないレベルであった。
延伸倍率をダウンした実施例25では低強度・高伸度となり布帛の寸法安定性が悪化したが問題ない程度であった。
逆に延伸倍率をアップした実施例26、27は収縮特性が高くなり、毛羽が増加し、トリコット編成性、布帛のムラ感は悪化したが合格レベルであった。結果を表7に示した。
1:紡糸口金
2:糸条冷却送風装置
3:油剤付与装置
4:交絡装置
5:第1ホットローラ
6:第2ホットローラ
7:交絡装置
8:第3ゴデットローラ
9:第4ゴデットローラ
10:コンタクトローラ
11:パッケージ
2:糸条冷却送風装置
3:油剤付与装置
4:交絡装置
5:第1ホットローラ
6:第2ホットローラ
7:交絡装置
8:第3ゴデットローラ
9:第4ゴデットローラ
10:コンタクトローラ
11:パッケージ
Claims (6)
- 少なくとも一方の成分がポリトリメチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルからなるサイドバイサイド型複合繊維であり、以下の(1)〜(4)を満足することを特徴とするサイドバイサイド型複合繊維。
(1)複合繊維中の末端カルボキシル基量(COOH量)が18.0〜35.0当量/106g
(2)複合繊維の極限粘度(IV)が0.60〜0.90
(3)複合繊維中にリン元素を2〜30ppm含む
(4)0.0018cN/dtex荷重下の伸縮伸長率が40〜90% - 他方の成分がポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルからなることを特徴とする請求項1に記載のサイドバイサイド型複合繊維。
- 複合繊維中のジプロピレングリコール含有量(DPG量)が0.05〜1.00重量%、ジエチレングリコール含有量(DEG量)が0.05〜1.00重量%であることを特徴とする請求項2に記載のサイドバイサイド型複合繊維。
- 収縮応力のピーク温度が120〜210℃、収縮応力のピーク値が0.08〜0.45cN/dtexであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のサイドバイサイド型複合繊維。
- 連続15回測定での強度バラツキCV%が5.0%以下、伸度バラツキCV%が12.0%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のサイドバイサイド型複合繊維。
- 40℃、70RH%環境下で200日保管した前後の収縮応力のピーク値差が0.10cN/dtex以下であることを特徴とする請求項5に記載のサイドバイサイド型複合繊維。
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