JP2014198787A - 基材レスシリコーン両面テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの部材の貼り合わせに用いた後、これらの部材を分離させるときに、所望の一方の部材への粘着剤の残着を生じにくくすることができる粘着剤層を備えた基材レスシリコーン両面テープを提供する。
【解決手段】第1の剥離シート2、シリコーン系粘着剤組成物から形成された粘着剤層1、および第2の剥離シート3がこの順で配置された積層体の構成を備える基材レスシリコーン両面テープ10であって、粘着剤層1の2つの主面1A,1Bの粘着力の差は2mN/25mm以上20mN/25mm以下であって、粘着剤層における粘着力が高い方の主面1Bの粘着力は700mN/25mm以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基材レスシリコーン両面テープに関する。
近年、表示デバイスの製造分野、半導体関連部材の製造分野、電気・電子部品の製造分野などにおいて、2枚の部材(かかる部材として、ガラス基板、シリコンウエハなどが例示される。)を粘着剤で貼り合わせ、得られた、部材/粘着剤/部材からなる積層体の一方の面に加工を施す場合がある。そのような加工として、製膜(ドライ、ウエット)加工、エッチング加工、サンドブラスト加工、ケミカルエッチング処理などが例示される。
このような用途に使用される粘着剤の例として、特許文献1には、剥離紙用シリコーンの硬化物を利用することが開示されている。また、特許文献2には、シリコーン粘着層、基材、及び減粘層が順に積層されてなる両面テープが開示されている。
国際公開第2008/111361号 特開2012−057029号公報
しかし、特許文献1の剥離紙用シリコーンの硬化物では、ガラスとの接着性が十分とは言えず、作業工程中に剥がれてしまう場合がある。また、作業終了後、剥がす際にもどちらのガラスに前記硬化物を残すのか選択することができないという問題点を有している。一方、特許文献2の両面テープは、特許文献1の問題点は解決しているものの、製造コストが高くなるうえ、非常に高温で使用する場合には、減粘層の熱劣化に問題点を有している。
本発明は、かかる現状を鑑み、2つの部材の貼り合わせに用いた後、これらの部材を分離させるときに、所望の一方の部材から粘着剤を残着なく選択的に剥離することができる粘着剤層を備えた基材レスシリコーン両面テープを提供することを課題とする。
上記目的を達成するために提供される本発明は、第1に、第1の剥離シート、シリコーン系粘着剤組成物から形成された粘着剤層、および第2の剥離シートがこの順で配置された積層体の構成を備える基材レスシリコーン両面テープであって、前記粘着剤層の2つの主面の粘着力の差は2mN/25mm以上20mN/25mm以下であって、前記粘着剤層における粘着力が高い方の主面の粘着力は700mN/25mm以下であることを特徴とする基材レスシリコーン両面テープを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)において、前記第1の剥離シートおよび前記第2の剥離シートの少なくとも一方は、支持体の少なくとも一方の主面にフッ素系の剥離剤を塗布することにより形成されたものであることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)において、前記シリコーン系粘着剤組成物は、シロキサン結合を主骨格としアルケニル基を含有する付加型のオルガノポリシロキサンを構成成分として含むシリコーンゴムと、前記シリコーンゴム100質量部あたり0.01質量部以上3質量部以下の白金触媒と、前記シリコーンゴム100質量部あたり15質量部以上100質量部以下のシリコーンレジンとを含むことが好ましい(発明3)。
本発明に係る基材レスシリコーン両面テープが備える粘着剤層は、基材レスの粘着剤層でありながら、一方の主面の粘着力の他方の主面の粘着力に対する差が所定の範囲に設定され、かつ、相対的に粘着力の高い方の主面の粘着力の上限が規定されている。しかも、粘着剤層はシリコーン系粘着剤組成から形成されたものである。それゆえ、かかる粘着剤層により2つの部材を貼り合わせる際に、粘着剤層における相対的に粘着力が低い方の主面を、粘着剤の残着を望まない方の部材の一の面に貼付することで、2つの部材を分離させたときに、その部材と粘着剤層との界面での分離を優先的に生じさせることができる。
したがって、2つの部材が貼り合わされてなる積層体の一方の部材に加工が施される場合には、粘着剤層における相対的に粘着力が低い方の主面を、その加工が施される部材の一の面に貼付することにより、その加工が施されている間はその部材と粘着剤層との剥離が生じにくく、加工後に2つの部材を分離させた後に、その加工が施された部材の面に残着した粘着剤を取り除く作業が必要とされないため、その加工に関連する作業全体の効率を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る基材レスシリコーン両面テープの概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
1.基材レスシリコーン両面テープ
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る基材レスシリコーン両面テープ10は、シリコーン系粘着剤組成物から形成された粘着剤層1のそれぞれの主面1A,1Bに、フッ素系の剥離剤に基づく剥離処理層2a,2bの面からなる剥離面2A,2Bを有する剥離シート(第1の剥離シート2、第2の剥離シート3)を貼り合わせたものである。
(1)粘着剤層
(1−1)組成
本実施形態に係る基材レスシリコーン両面テープ10が備える粘着剤層1は、次に説明する成分を含有するシリコーン系粘着剤組成物から形成されたものである。シリコーン系粘着剤組成物は他の種類の粘着剤組成物、例えばアクリル系の粘着剤組成物に比べて耐熱性に優れるため、シリコーン系粘着剤組成物から形成された粘着剤層1は、加熱されたときに浮き、剥がれ、発泡といった不具合が生じにくい。
本実施形態に係るシリコーン系粘着剤組成物は、シロキサン結合を主骨格としアルケニル基を有する付加型のオルガノポリシロキサンを構成成分として含むシリコーンゴムを含有することが好ましい。かかるシリコーンゴムを含有することにより、粘着剤層1の粘着力を比較的低くすることが可能となる。それゆえ、被着体から粘着剤層1を容易に剥離することが可能であり、かつ、粘着剤層1の凝集破壊に基づく粘着剤層1を構成する材料の被着体への残着を極めて僅少にすることができる。
前記アルケニル基の具体例として、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基等が挙げられる。さらに、付加反応性を有さない有機基を有していてもよい。そのような有機基の具体例として、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基等などのアリール基などが挙げられる。
上記のシリコーンゴムに含まれるオルガノポリシロキサンの重合度は特に制限されないが、通常500以上10000以下、さらには2000以上8000以下であることが好ましい。
本実施形態に係るシリコーン系粘着剤組成物は白金触媒を含有することが好ましい。この白金触媒は、上記のアルケニル基の付加反応を開始させる機能や当該付加反応を促進する機能を有する。この白金触媒の種類として、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等を例示することができる。本実施形態に係るシリコーン系粘着剤組成物が上記のシリコーンゴムおよび白金触媒を含有する場合には、白金触媒のシリコーン系粘着剤組成物中の含有量は、シリコーンゴム100質量部あたり0.01質量部以上3質量部以下とすることが好ましい。この範囲とすることで、白金触媒の機能が安定的に発揮される。白金触媒の機能をより安定的に発揮させる観点から、シリコーン系粘着剤組成物中の白金触媒の含有量は、シリコーンゴム100質量部あたり0.05質量部以上2.00質量部以下であることがより好ましく、0.10質量部以上1.00質量部以下であることが特に好ましい。
本実施形態に係るシリコーン系粘着剤組成物は、シリコーンレジン、すなわち、分子中に分岐状オルガノポリシロキサンを含有することが好ましい。かかるシリコーンレジンを含有することにより、粘着剤層1の被着体に対する粘着性を高めることができる。この粘着性の程度を適切に設定する観点から、本実施形態に係るシリコーン系粘着剤組成物が上記のシリコーンゴムおよびシリコーンレジンを含有する場合には、シリコーンレジンのシリコーン系粘着剤組成物中の含有量は、シリコーンゴム100質量部あたり10質量部以上100質量部以下とすることが好ましい。上記の粘着性をより適切に設定する観点から、シリコーン系粘着剤組成物中のシリコーンレジンの含有量は、シリコーンゴム100質量部あたり15質量部以上75質量部以下とすることがより好ましく、20質量部以上50質量部以下とすることが特に好ましい。
本実施形態に係るシリコーン系粘着剤組成物は、粘着剤層1が所望の機能を発揮できる限り、各種の成分を含有することができる。例えば、ヒドロシリル基を有する架橋剤;架橋促進剤;染料、顔料等の着色材料;アニリド系、フェノール系等の酸化防止剤;ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤;タルク、二酸化チタン、シリカ、でんぷん等のフィラー成分;可塑剤;酸化防止剤;光安定剤;分散剤;レベリング剤などが例示される。また、本実施形態に係るシリコーン系粘着剤組成物がヒドロシリル基を有する架橋剤を含有する場合には、その含有量は、シリコーンゴム100質量部あたり1.0質量部以上10.0質量部以下とすることが好ましい。
(1−2)粘着力
本実施形態に係る基材レスシリコーン両面テープ10が備える粘着剤層1は、一方の主面1Aの粘着力が他方の主面1Bの粘着力よりも低い。なお、本明細書において粘着力の測定方法は、後述する実施例に記載される測定方法とする。
本明細書において、本実施形態に係る基材レスシリコーン両面テープが備える粘着剤層1の主面のうち、粘着力が低い方の主面1Aを「低粘着力面」といい、粘着力が高い方の主面1Bを「高粘着力面」という。また、使用時に低粘着力面に対向するように配置される部材を「第1の部材」といい、使用時に高粘着力面に対向するように配置される部材を「第2の部材」という。さらに、第1の部材と第2の部材とを総称して「被着体」という場合もある。
本実施形態に係る基材レスシリコーン両面テープ10が備える粘着剤層1は、高粘着力面1Bの粘着力と低粘着力面1Aの粘着力との差(本明細書において「粘着力差」ともいう。)が、2mN/25mm以上20mN/25mm以下である。粘着力差が上記の範囲であることにより、基材レスシリコーン両面テープ10により貼り合わされた2つの被着体を分離させるときに、第1の部材と粘着剤層1との界面での分離が優先的に生じることが安定的に実現される。したがって、第1の部材に粘着剤が残着しにくい。
粘着力差が2mN/25mmよりも過度に小さい場合には、第1の部材にも粘着剤が残着する可能性が高まる。一方、粘着力差が20mN/25mmよりも過度に大きくなると、低粘着力面1Aの粘着力が過度に低くなっている場合があり、その場合には、2つの被着体を分離させる作業を行う前の段階、例えば、第1の部材に対する加工作業中に、第1の部材から粘着剤層1が剥離しやすくなるおそれがある。
加工作業などの間には第1の部材から粘着剤層1が剥離する可能性をより安定的に低減させるとともに、2つの被着体を分離させる作業において第1の部材と粘着剤層1との間での分離が優先的に生じることをより安定的に実現する観点から、粘着力差は2.5mN/25mm以上18mN/25mm以下であることが好ましく、3mN/25mm以上16mN/25mm以下であることがより好ましく、4mN/25mm以上10mN/25mm以下であることが特に好ましい。
本実施形態に係る基材レスシリコーン両面テープ10が備える粘着剤層1の高粘着力面1Bの粘着力は700mN/25mm以下とされる。高粘着力面1Bの粘着力が700mN/25mmよりも過度に高くなると、低粘着力面1Aの粘着力も高まる場合がある。その場合には、粘着剤層1の内部での凝集破壊が生じる可能性が高まるため、第1の部材と第2の部材とを分離させたときに、第1の部材に粘着剤が残着するおそれがある。凝集破壊により第1の部材に粘着剤が残着する可能性をより安定的に低減させる観点から、高粘着力面1Bの粘着力は600mN/25mm以下とすることが好ましく、400mN/25mm以下とすることがより好ましく、200mN/25mm以下とすることが特に好ましい。
このように、本実施形態に係る基材レスシリコーン両面テープ10が備える粘着剤層1は、基材レスの粘着剤層でありながら、一方の主面(高粘着力面)1Bの粘着力の他方の主面(低粘着力面)1Aの粘着力に対する差(粘着力差)が所定の範囲に設定され、かつ、相対的に粘着力の高い方の主面(高粘着力面)1Bの粘着力の上限が規定されている。しかも、粘着剤層1はシリコーン系粘着剤組成から形成されたものである。それゆえ、かかる粘着剤層10により2つの被着体を貼り合わせる際に、粘着剤層1における相対的に粘着力が低い方の主面(低粘着力面)1Aを、粘着剤の残着を望まない方の被着体(第1の部材)に貼付することで、2つの被着体を分離させたときに、第1の部材と粘着剤層1との界面での分離を優先的に生じさせることができる。
したがって、2つの被着体が貼り合わされてなる積層体の一方の被着体に加工が施される場合には、その被着体を第1の部材として、粘着剤層1における相対的に粘着力が低い方の主面(低粘着力面)1Aを、第1の部材に貼付すればよい。その加工が施されている間は第1の部材と粘着剤層1との剥離が生じにくく、加工後に2つの被着体を分離させた後に、加工が施された第1の部材の面に残着した粘着剤を取り除く作業が必要とされないため、その加工に関連する作業全体の効率を向上させることができる。このような2つの被着体が必要な時には適切に貼り合わされた状態を維持しつつ、これらを分離する際に一方の被着体に粘着剤層1に係る粘着剤が残着しにくいようにすることを実現する粘着剤層の特性を、本明細書において「再剥離制御性」ともいう。本実施形態に係る基材レスシリコーン両面テープ10が備える粘着剤層1は再剥離制御性に優れる。
本実施形態に係る基材レスシリコーン両面テープ10が備える粘着剤層1の高粘着力面1Bの粘着力の下限は、前述の粘着力差から、20mN/25mmとされる。粘着力差の好ましい範囲に基づき、本実施形態に係る基材レスシリコーン両面テープ10が備える粘着剤層1の高粘着力面1Bの粘着力も、30mN/25mm以上であることが好ましく、40mN/25mm以上であることがより好ましく、60mN/25mm以上であることが特に好ましい。
本実施形態に係る基材レスシリコーン両面テープ10が備える粘着剤層1の低粘着力面1Aの粘着力の範囲は、上記の粘着力差の範囲および高粘着力面1Bの粘着力の範囲に関する条件を満たす限り、特に限定されない。加工作業などの間には第1の部材から粘着剤層1が剥離する可能性をより安定的に低減させるとともに、2つの被着体を分離させる作業において第1の部材と粘着剤層1との間での分離が優先的に生じることをより安定的に実現する観点から、10mN/25mm以上698mN/25mm以下であることが好ましく、20mN/25mm以上398mN/25mm以下であることがより好ましく、30mN/25mm以上198mN/25mm以下であることが特に好ましい。
(1−3)厚さ
本実施形態に係る基材レスシリコーン両面テープ10が備える粘着剤層1の厚さは特に限定されない。粘着剤層1が過度に薄い場合には、被着体(第1の部材、第2の部材)に対する粘着性が、必要とされる程度まで得られにくくなるおそれがある。この適切な程度の粘着性を得やすくする観点から、粘着剤層1の厚さは2μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることが特に好ましい。一方、粘着剤層1の厚さの上限は、その用途に応じて適宜設定されるべきものであり、通常、200μm以下とされ、100μm以下とすることが好ましく、50μm以下とすることがより好ましい。
(2)剥離シート
図1に示されるように、本実施形態に係る基材レスシリコーン両面テープ10は、2つの剥離シート2,3を備える。本明細書において、低粘着力面1Aに対向するように積層される剥離シート2を「第1の剥離シート」という。また、高粘着力面1Bに対向するように積層される剥離シート3を「第2の剥離シート」という。
(2−1)第1の剥離シート
図1に示されるように、本一実施形態に係る基材レスシリコーン両面テープ10が備える第1の剥離シート2は、第1の支持材2bと、第1の支持材2bの一方の主面上に積層された第1の剥離処理層2aとを備える。第1の剥離シート2の剥離面である第1の剥離面2Aは、第1の剥離処理層2aにおける第1の支持材2bに対向する主面の反対側の主面からなる。
第1の支持材2bを構成する材料は特に限定されない。具体例として、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニルフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリアラミドフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、フッ素樹脂フィルムが挙げられ、これらの架橋フィルムも第1の支持材2bを構成する材料の一例として挙げられる。第1の支持材2bはこれらの積層フィルムであってもよい。寸法安定性および経済性の観点から、第1の支持材2bを構成する材料の好ましい例として、ポリエチレンテレフタレートフィルムおよびポリエチレンナフタレートフィルムが挙げられる。
第1の支持材2bの厚さは特に限定されない。通常、5〜300μm程度であり、取扱性および経済性の観点から、10〜100μm程度が好ましい。
本実施形態において、第1の剥離処理層2aは、第1の支持材2bの一方の主面上にフッ素系の剥離剤を塗布することにより形成されたものである。フッ素系の剥離剤から形成された第1の剥離処理層2aの面からなる第1の剥離面2Aを備える第1の剥離シート2は、シリコーン系粘着剤組成物から形成された本実施形態に係る粘着剤層1から容易に剥離することができ、好ましい。また、後述するように、第1の剥離処理層2aがフッ素系の剥離剤を塗布することにより形成されたものであることにより、第1の剥離処理層2aの面からなる第1の剥離面2Aに対向するように位置する粘着剤層1の主面1Aの粘着力を低下させることができる。
フッ素系の剥離剤の塗布量は特に限定されない。通常、0.02〜2.0g/m程度であり、0.2〜1.0g/mであることが好ましい。剥離剤の塗布方法は特に限定されず、公知の塗布方法を採用すればよい。塗布方法の具体例として、グラビアコート法、マイヤーバーコート法、キスコート法などが挙げられる。
(2−2)第2の剥離シート
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る基材レスシリコーン両面テープ10が備える第2の剥離シート3は、第2の支持材3bと、第2の支持材3bの一方の主面上に積層された第2の剥離処理層3aとを備える。第2の剥離シート3の剥離面である第2の剥離面3Aは、第2の剥離処理層3aにおける第2の支持材3bに対向する主面の反対側の主面からなる。
第2の支持材3bを構成する材料は特に限定されない。かかる材料の具体例および好ましい例は第1の支持材2bを構成する材料の場合と同様である。第2の支持材3bの厚さは特に限定されない。通常、5〜300μm程度であり、取扱性および経済性の観点から、10〜100μm程度が好ましい。
本実施形態において、第2の剥離処理層3aは、第2の支持材3bの一方の主面上にフッ素系の剥離剤を塗布することにより形成されたものである。フッ素系の剥離剤から形成された第2の剥離処理層3aの面からなる第2の剥離面3Aは、シリコーン系粘着剤組成物から形成された本実施形態に係る粘着剤層1から容易に剥離することができ、好ましい。フッ素系の剥離剤の塗布量は特に限定されない。通常、0.02〜2.0g/m程度であり、0.2〜1.0g/mであることが好ましい。剥離剤の塗布方法は特に限定されず、公知の塗布方法を採用すればよい。塗布方法の具体例として、グラビアコート法、キスコート法などが挙げられる。
2.基材レスシリコーン両面テープの製造方法
本実施形態に係る基材レスシリコーン両面テープ10の製造方法は、特に限定されない。次に説明する製造方法により製造すれば、本実施形態に係る基材レスシリコーン両面テープ10を容易に得ることができ、好ましい。
まず、本実施形態に係るシリコーン系粘着剤組成物またはこれに溶媒を加えてなる塗工液を用意する。溶媒を用いる際に、その種類や塗工液の固形分濃度はシリコーン系粘着剤組成物の組成、塗工条件、目的とする粘着剤層1の厚さなどを考慮して適宜設定すればよい。溶媒としては、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどが例示され、固形分濃度は10質量%以上40質量%程度の範囲が例示される。
次に、第1の剥離シート2の第1の剥離面2Aに、上記の塗工液を塗布し、乾燥処理を行って塗布層を形成する。養生期間が必要な場合は養生期間をおくことにより、養生期間が不要な場合はそのまま、上記塗布層が粘着剤層1となる。
塗工液の塗布方法は特に限定されない。通常行われているグラビアコート法、バーコート法、コンマコート法、ナイフコート法などを行うことができる。塗布後の乾燥処理の詳細は限定されない。乾燥温度は限定されない。例えば90℃〜150℃の範囲に加熱してもよい。乾燥処理の時間も限定されず、乾燥温度を考慮して適宜設定すればよい。乾燥時間が5分間以上である場合には、第1の剥離シート2の第1の剥離面2Aに接するように形成された粘着剤層1の主面1Aの粘着力を安定的に低減させることができ、好ましい。同様の観点から、乾燥時間は8分間以上であることが特に好ましい。なお、乾燥時間の上限は特にないが、製造コストの点を考慮すると30分間程度である。
こうして得られた第1の剥離シート2と粘着剤層1との積層体における粘着剤層1からなる面に、第2の剥離シート3の第2の剥離面3Aを貼付することにより、第1の剥離シート2、粘着剤層1および第2の剥離シート3がこの順に積層された基材レスシリコーン両面テープ10を得ることができる。得られた基材レスシリコーン両面テープ10は必要により養生される。養生の条件は限定されない。一例として、23℃、相対湿度50%の大気環境下に1週間置くことが挙げられる。
ここで、第1の剥離シート2の第1の剥離面2A上に積層されている粘着剤層1は、第1の剥離面2A上に塗工液が塗布されることにより得られた塗布層が、第1の剥離面2Aに接した状態で乾燥処理などを経ることにより形成されたものである。これに対し、第2の剥離シート3の第2の剥離面3Aに上に積層されている粘着剤層1は、塗布層が乾燥処理などを経たことにより形成された粘着剤層1の主面1Bが第2の剥離面3Aに貼付されたものである。このような、粘着剤層1の積層方法の相違に基づき、粘着剤層1の第1の剥離面2Aに対向する主面1Aの粘着力を、第2の剥離面3Aに対向する主面1Bの粘着力よりも低くすることができる。すなわち、上記の製造方法により製造された基材レスシリコーン両面テープ10が備える粘着剤層1は、主面1Aが低粘着力面であり、主面1Bが高粘着力面である。
また、上記の製造方法によれば、粘着剤層1の主面1Aの粘着力を主面1Bの粘着力よりも低くすることができるとともに、第1の剥離シート2の第1の剥離面2Aを、第2の剥離シート3の第2の剥離面3Aよりも剥離しにくくする(剥離力を高める)ことができる。したがって、上記の基材レスシリコーン両面テープ10の製造方法によれば、第1の剥離シート2および第2の剥離シート3の材料として同一種類の剥離シートを用いたとしても、得られた基材レスシリコーン両面テープ10は、第1の剥離シート2が相対的に剥離しにくい剥離シートとなり、第2の剥離シート3が相対的に剥離しやすい剥離シートとなる。すなわち、上記の基材レスシリコーン両面テープ10の製造方法によれば、1種類の剥離シートおよび1種類のシリコーン系粘着剤組成物を用いながら、軽剥離型剥離シートと粘着剤層と重剥離型剥離シートとを備え、しかも粘着剤層は双方の主面の粘着力が相違する、基材レスシリコーン両面テープ10を得ることができる。
3.基材レスシリコーン両面テープの使用方法
基材レスシリコーン両面テープ10は、その使用の際に、低粘着力面である粘着剤層1の主面1Aが先に表出するように、第1の剥離シート2を先に剥離してもよいし、高粘着力面である粘着剤層1の主面1Bが先に表出するように、第2の剥離シート3を先に剥離してもよい。以下、粘着剤層1の主面1Bを先に表出させる場合を具体例として説明を行う。
製膜、エッチングなどの加工の際の載置板となる部材を、第2の部材として用意し、第2の部材の一の面に、基材レスシリコーン両面テープ10から剥離シート3を除去し、表出させた粘着剤層1の主面1Bを貼付する。
次に、第2の部材の一の面に積層された粘着剤層1に積層している第1の剥離シート2を剥離し、粘着剤層1の主面1Aを表出させる。続いて、第2の部材と粘着剤層1を介して貼り合わされる部材(製膜、エッチングなどの加工が施される対象)である第1の部材を用意し、第1の部材の一の面に、粘着剤層1の主面1Aを貼付する。こうして、第2の部材、粘着剤層1および第1の部材がこの順に積層された積層構造体が得られる。
かかる積層構造体の第1の部材の露出面に対して、上記の製膜、エッチングなどの加工を行った後、第1の部材と第2の部材とを分離させると、第1の部材と粘着剤層1との界面での剥離が優先的に生じ、加工後の第1の部材を、その面に粘着剤層1に係る粘着剤が残着することなく得ることができる。
ここで、上記の第1の部材に対する加工が積層構造体を加熱し、結果的に粘着剤層1が高温環境下に置かれることがあっても、粘着剤層1は、前述のようにシリコーン系粘着剤組成物から形成されたものであるため、粘着剤層1が変質する現象や、粘着剤層1と被着体との積層状態が変化する現象が生じにくい。
そのような、粘着剤層1を高温環境下に置く可能性のある加工の具体例として、蒸着やスパッタリングなどのドライプロセスによる、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化亜鉛にアルミニウムやガリウムが添加された酸化亜鉛系材料(AZO、GZO)などの透明導電膜の形成が例示される。
被着体(第1の部材、第2の部材)の組成や構造は特に限定されない。被着体の一具体例として、ガラス基板が挙げられる。被着体がガラス基板である場合において、そのガラス基板を構成する材料の具体的な種類は特に限定されない。例えば、化学強化ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス、ソーダライムガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、アルミノケイ酸ガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス等が挙げられる。ガラス基板の厚さは特に限定されない。通常は0.1〜5mmであり、好ましくは0.2〜2mmである。なお、ガラス基板は、加工の際の載置板としても好ましい。
被着体は、耐熱性のプラスチック材料から構成されていてもよい。被着体が耐熱性のプラスチックフィルムからなる場合において、その具体例として、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリサルフォンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、液晶ポリマーフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム;これらの2種以上の積層体などが挙げられる。プラスチックフィルムは、一軸延伸または二軸延伸されたものでもよい。
被着体のさらに具体的な例として、半導体ウェハ、パッケージ等の半導体関連部材;カバーガラス、保護シート、偏光フィルム、位相差フィルム等の表示デバイス関連部材;ガラスエポキシ材料などによる回路基板、筺体等の電気・電子部品関連部材などが挙げられる。また、こうした部材の支持部材として機能する部材である、マザーガラス、金属系材料やセラミックス材料などからなるベースプレートなども、被着体の具体例として挙げられる。
本実施形態に係る粘着剤層1の一方の主面上に複数の被着体が積層されてもよい。この場合において、互いに近位な被着体同士が、本実施形態に係る粘着剤層1の面の面内方向に離間していてもよい。
第1の部材が分離したことにより得られる粘着剤層1と第2の部材との積層体のその後の取り扱いは特に限定されない。粘着剤層1と第2の部材とを分離させ、第2の部材を再利用可能としてもよい。本実施形態に係る粘着剤層1は、前述のとおりシリコーン系粘着剤組成物から形成されたものであり、第2の部材に対向するように位置する粘着剤層1の主面1Bの粘着力は700mN/25mm以下であるから、第2の部材から粘着剤層1を比較的容易に剥離させることができ、しかも第2の部材の面に粘着剤層1に係る粘着剤が残着しにくい。したがって、粘着剤層1を剥離して得られる第2の部材は、粘着剤除去のための煩雑な作業を必要とすることなく、再利用が可能である。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、第2の剥離シート3は、第2の剥離処理層3aがフッ素系の剥離剤以外の剥離剤から形成されたものであってもよいし、第2の剥離処理層3aを有さず、第2の支持材3bの面が粘着剤層1に対する剥離性を有し第2の剥離面3Aをなしていてもよい。第2の剥離処理層3aを与えるフッ素系の剥離剤以外の剥離剤として、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系の剥離剤が挙げられる。第2の剥離面3Aが第2の支持材2bの面からなる場合の第2の支持材3bの具体例として、フッ素樹脂フィルムが挙げられる。
また、基材レスシリコーン両面テープ10の使用に際し、粘着剤層1の主面(低粘着力面)1Aを先に表出させた場合には、その面を第1の部材の一の面に貼付し、得られた第2の剥離シート3、粘着剤層1および第1の部材からなる積層体から第2の剥離シート3を剥離し、表出した粘着剤層1の主面(高粘着力面)1Bを第2の部材の一の面に貼付すればよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)シリコーン系粘着剤組成物の塗工液の調製
付加硬化型のシリコーンゴム(信越化学工業社製、商品名:KS−847H)100質量部に、シリコーンレジン(東レ・ダウコーニング社製、商品名:SD4587L)40質量部、および白金触媒(東レ・ダウコーニング社製、商品名:SRX−212)0.6質量部を加え、メチルエチルケトンで固形分濃度が25質量%に調整されたシリコーン系粘着剤組成物の塗工液を用意した。
(2)粘着シートの作製
剥離シートとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(厚さ:50μm)の一方の主面上に、フッ化シリコーンからなる剥離剤層を有する重剥離フィルム(リンテック社製、製品名:SP−PET50FD)を2枚用意し、それぞれ第1の剥離シートおよび第2の剥離シートとして使用した。
第1の剥離シートの剥離面(第1の剥離面)上に上記のシリコーン系粘着剤組成物の塗工液をナイフコーターにて塗布し、120℃で10分間乾燥して、厚さ25μmの粘着剤層を得た。この粘着剤層と第1の剥離シートとからなる積層体の粘着剤層の主面に第2の剥離シートの剥離面(第2の剥離面)を貼合して、第1の剥離シート、粘着剤層および第2の剥離シートがこの順に積層されてなる基材レスシリコーン両面テープを得た。
こうして得られた基材レスシリコーン両面テープの第1の剥離シートを剥離して、表出した粘着剤層の主面(低粘着力面)を第1のガラス基板(コーニング社製、製品名:イーグルXG)の一の主面に貼付して、第1の剥離シート、粘着剤層および第1のガラス基板からなる積層体を得た。以下、この積層体から第1の剥離シートを剥離して得られた積層体を「第1の積層体」という。
第1の剥離シートに代えて、剥離処理が施されていないポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(厚さ:25μm)を用い、その一方の主面上に上記の塗工液を塗布したこと以外は、上記と同様の操作を行い、PET製フィルム、粘着剤層および第2の剥離シートがこの順に積層されてなるシリコーン片面テープを得た。以下、このシリコーン片面テープを「第1のシリコーン片面テープ」という。
〔比較例1〕
実施例1において調製したシリコーン系粘着剤組成物の塗工液を、スピンコート法により、第2のガラス基板(コーニング社製、製品名:イーグルXG)上に塗布し、得られた塗布層を120℃で10分間加熱して、粘着剤層と第2のガラス基板とからなる積層体を得た。以下、この積層体を「第2の積層体」という。
〔試験例1〕
実施例および比較例により得られた第1の積層体および第2の積層体のそれぞれについて、その粘着剤層の主面を第3のガラス基板(コーニング社製、製品名:イーグルXG)に貼付して、2枚のガラス基板が粘着剤層を介して貼り合わされてなる積層体を得た。すなわち、第1のガラス基板と粘着剤層と第3のガラス基板とがこの順で積層された積層体、および第2のガラス基板と粘着剤層と第3のガラス基板とがこの順で積層された積層体を得た。これらの積層体を200℃の環境下に1時間置き、その後、室温(23℃)まで放冷する加熱処理を行った。加熱処理後の積層体のそれぞれについて、第3のガラス基板を剥離し、第3のガラス基板にのみ粘着剤層が付着しているか否かを観察した。
以上の試験を10回行い、第3のガラス基板にのみ粘着剤層が付着している回数をカウントした。測定結果を表1に示す。
〔試験例2〕
実施例1において作製した基材レスシリコーン両面テープの第2の剥離シートを剥離して、表出した粘着剤層の主面(高粘着力面)を、剥離処理が施されていないポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(厚さ:25μm)の一方の主面に貼付して、PET製フィルム、粘着剤層および第1の剥離シートがこの順に積層されてなるシリコーン片面テープを得た。以下、このシリコーン片面テープを「第2のシリコーン片面テープ」という。
第1のシリコーン片面テープおよび第2のシリコーン片面テープのそれぞれについて、250mm長25mm幅の矩形に裁断してテープ片を得た。テープ片のそれぞれの剥離シートを剥がし、表出した粘着剤層の主面(第1のシリコーン片面テープについては高粘着力面、第2のシリコーン片面テープについては低粘着力面)を、それぞれ、ガラス基板(コーニング社製、製品名:イーグルXG)の主面に貼付して、PET製フィルムと粘着剤層とガラス基板とからなり、粘着剤層のガラス基板に対向する面の粘着力が異なる2種類の積層体を得た。これらの積層体のそれぞれについて、PET製フィルムが上方になるように試験台上に載置し、23℃、相対湿度50%の環境下で、2kgローラを用いて一往復加圧し、その後、24時間放置して、剥離試験用サンプルとした。こうして得られた剥離試験用サンプルについて、JIS Z0237:2009を準じて、引張試験機(オリエンテック社製、製品名:テンシロン)を用い、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で、粘着剤層とPET製フィルムとからなる積層体を前記ガラス基板から剥離した。これにより、粘着剤層の低粘着力面または高粘着力面のガラス基板に対する粘着力(mN/25mm)を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2014198787
Figure 2014198787
表1および2に示されるように、本発明の条件を満たす実施例の基材レスシリコーン両面テープが備える粘着剤層は、一方の主面の粘着力と他方の主面の粘着力とが相違し、再剥離制御性に優れる。
本発明の基材レスシリコーン両面テープは、その粘着剤層が再剥離制御性に優れるため、例えば、ガラス基板にITO膜を形成する際に好適に使用される。
10…基材レスシリコーン両面テープ
1…粘着剤層
1A…粘着剤層1の第1の剥離面2Aに対向するように積層された主面(低粘着力面)
1B…粘着剤層1の第2の剥離面3Aに対向するように積層された主面(高粘着力面)
2…第1の剥離シート
2A…第1の剥離面
2a…第1の剥離処理層
2b…第1の支持材
3…第2の剥離シート
3A…第2の剥離面
3a…第2の剥離処理層
3b…第2の支持材

Claims (3)

  1. 第1の剥離シート、シリコーン系粘着剤組成物から形成された粘着剤層、および第2の剥離シートがこの順で配置された積層体の構成を備える基材レスシリコーン両面テープであって、
    前記粘着剤層の2つの主面の粘着力の差は2mN/25mm以上20mN/25mm以下であって、
    前記粘着剤層における粘着力が高い方の主面の粘着力は700mN/25mm以下であること
    を特徴とする基材レスシリコーン両面テープ。
  2. 前記第1の剥離シートおよび前記第2の剥離シートの少なくとも一方は、支持体の少なくとも一方の主面にフッ素系の剥離剤を塗布することにより形成されたものである、請求項1に記載の基材レスシリコーン両面テープ。
  3. 前記シリコーン系粘着剤組成物は、シロキサン結合を主骨格としアルケニル基を含有する付加型のオルガノポリシロキサンを構成成分として含むシリコーンゴムと、前記シリコーンゴム100質量部あたり0.01質量部以上3質量部以下の白金触媒と、前記シリコーンゴム100質量部あたり15質量部以上100質量部以下のシリコーンレジンとを含む、請求項1または2に記載の基材レスシリコーン両面テープ。
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