JP2014198754A - 親水性塗料組成物、親水性塗膜、水回り物品及び親水性塗膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
親水性塗料の親水成分の比率を低くすると親水性が発現しないことがあり、親水性塗料として問題があった。
【解決手段】
分子内に少なくとも一つのアニオン性親水性基と少なくとも一つのエチレン性不飽和基とを有する化合物(A)をからなる親水成分と、分子内にエチレン性不飽和基を二つ以上有する化合物(B)を含む造膜成分を有しており、前記造膜成分の溶解性パラメータ(SP値)が23(MPa/cm3)1/2以下であり、前記造膜成分の前記親水成分に対する物質量の比が30より大きく450以下であることを特徴とする親水性塗料組成物。
【選択図】 図1
Description
本発明の親水性塗料組成物は、化合物(A)からなる親水成分と造膜成分を含む。造膜成分は化合物(B)を含んでおり、さらに好ましくは化合物(C)を含む。
本発明の親水成分は化合物(A)からなり、化合物(A)は、分子内にアニオン性親水性基と少なくとも一つのエチレン性不飽和基とを有する化合物である。
本発明の造膜成分は化合物(B)を含む。化合物(B)は、分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも二つ以上有する化合物である。また、造膜成分の溶解性パラメータ(SP値)が23(MPa/cm3)1/2以下であり、造膜成分の官能基当量は125g/eq以下であることが好ましい。
本発明の造膜成分には、親水成分の偏析を阻害しない範囲で、かつ造膜成分のSP値や官能基当量の制限を越えない範囲において、化合物(B)とは異なる化合物(C)を加えても良い。
R’は炭素数1〜5の脂肪族炭化水素であり、フェニレン基、エステル基、エーテル基を含んでいても良い。B:H、CH3を表し、A’は、水酸基、モルホリノ基、フルフリル基、アミド基を表す。
本発明の造膜成分の溶解性パラメータ(SP値)は23(MPa/cm3)1/2以下であることが好ましく、さらに好ましくは21より大きく22未満である。ここで、SP値の算出は公知の方法のいずれかを用いればよいが、本実施例中ではFedorの方法により求めた値を用いた。
φi:造膜成分中の化合物iの体積分率
δi:造膜成分中の化合物iのSP値
なお、ここでの造膜成分中の化合物iには化合物(A)を含まない。
造膜成分の官能基当量は125g/eq以下であることがより好ましく、さらに好ましくは200g/eqである。ここで官能基当量とは、官能基1個あたりの化合物の分子量をあらわす。造膜成分として化合物(B)として複数の種類を用いた場合や、他の化合物、例えば、化合物(C)を含む場合の造膜成分の官能基当量は以下のように算出される。
yi:化合物iのモル分率
xi:化合物iの官能基当量
なお、ここでの造膜成分中の化合物iには化合物(A)を含まない。
本発明の親水性塗料組成物は、基材への塗れ性向上や塗料の粘度を調整するために溶媒を使用することができる。溶媒としては親水成分と造膜成分との相溶性の観点から、例えば、メタノール、エタノール、IPA(イソプロパノール)、n―ブタノール等のアルコール類、メトキシエタノール、メトキシプロパノール等のセロソルブ類、アセトン等のケトン類、DMF(N,N’−ジメチルホルムアミド)や水が挙げられるが特にこれに限定されない。また、溶媒は必要に応じて複数種類を混合して用いても良い。
本発明の親水性塗料組成物を重合させる際には、公知のラジカル重合開始剤、触媒、重合促進剤等が親水性を阻害しない範囲で任意に加えられる。
その他任意成分として、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤や塗料の意匠性を制御する染料、顔料、艶消し剤などの各種添加剤を塗料の親水性を阻害しない範囲で添加することができる。
本発明の親水性塗料組成物を用いて形成される親水性塗膜は、以下の式を満たすことが好ましい。
(親水性塗膜の塗膜表面から50nmの深さにおける親水成分の濃度)÷(塗膜表面の親水成分の濃度)×100≦10(%)。
親水成分が親水性塗膜の表面近傍にのみ存在するように、つまり親水成分が偏析した塗膜が形成されるので、水分の親水性塗膜内部への侵入による親水性塗膜の軟化や、アルカリ成分の侵入による親水性塗膜の加水分解等が親水性塗膜の極表面のみで抑えることが可能となり、耐久性の高い親水性塗膜とすることができる。
本発明の親水性塗料組成物を塗布する基材は、湿潤環境下における物理的耐久性が備えられていれば特に限定されない。例えば、アクリル等の樹脂部材には広く適用可能である。また、特に、水回りのような定期的に水に曝露される水回り部材に使用でき、浴室壁材、浴室床材、浴室窓材、浴室扉材、シャワーブース壁材、洗面鏡、洗面台、浴槽やキッチンカウンター及びキッチンシンク等の人工大理石、レンジフード材、便器、便座、温水洗浄便座及びその洗浄ノズル、排水口、水栓金具等に広く使用可能である。
本発明の親水性塗料組成物から親水性塗膜を形成する製造方法は、基材に親水性塗料組成物を塗布する塗布工程と、前記化合物(A)からなる親水成分を親水性塗膜の表面に偏析させる加熱工程と、活性エネルギー線又は熱を与えることにより、親水成分と造膜成分を共重合させる硬化工程を有しており、好ましくは、基材に前処理を行う前処理工程と、親水性塗料組成物を基材に塗布する塗布工程と、化合物(A)からなる親水成分を、形成する塗膜表面に偏析させる加熱工程と、活性エネルギー線又は熱を与えることにより、親水成分及び造膜成分を共重合させる硬化工程と、からなる。親水性塗料組成物には、重合開始剤を混合させることが好ましく、任意の重合性化合物を混合させても良い。ここで各工程間には、基材をベルトコンベアー等で移動させる移動工程や各工程に移るために生じる待機工程があってもよい。
前処理工程は省略しても良い。親水性塗膜と基材との密着性や親水性塗料組成物の基材への塗れ性に問題がある場合は、基材表面にプライマー層を設けることや、コロナ処理など公知の基材前処理方法を用いることができる。
本発明の親水性塗料組成物を基材に塗布する方法は、例えば、ハケ塗り、スプレーコート、ディップコート、スピンコート、カーテンコートなど公知のものを用いることができる。親水性塗膜の厚さは、十分な親水性と耐磨耗性を有し、かつクラックを発生させず、基材との良好な密着性を発現させるために、0.1μm〜300μmの範囲、好ましくは1〜100μmの範囲、さらに好ましくは1〜20μmの範囲であることが好ましい。従って、親水性塗料組成物は前記範囲の膜厚となるように塗布量を調節して塗布される。
加熱方法は、赤外線または熱風等により加熱する公知の方法を用いることができる。加熱温度は、通常、室温〜200℃の範囲、好ましくは35℃〜150℃、さらに好ましくは40℃〜100℃の範囲が好ましい。また、加熱時間が長すぎると基材が熱可塑性樹脂などの場合、基材の変形等が発生する。さらに、量産性も低下するため好ましい加熱時間としては20分以内、より好ましくは10分以内がよい。また、親水性塗料組成物に化合物(C)や溶媒を含む場合、加熱時間を任意に設定できるが、化合物(C)や溶媒を揮発させ、親水性塗料を乾燥させるのに十分な加熱時間を設定する。
基材に塗布された親水性塗料組成物を硬化させる手段としては、熱硬化、活性エネルギー線硬化、またはその組み合わせ等エチレン性不飽和基を含んだ化合物を重合させる公知の方法を使用することができる。熱硬化により重合硬化を行なう場合は、重合開始剤が用いられる。熱硬化は加熱工程と同様に赤外線または熱風等により加熱する公知の方法を用いることができる。
本発明の親水性塗料組成物は、塗布工程、移動工程や待機工程において、特に相対湿度が高い環境(例えば、RH80%)では、親水成分の偏析や塗膜の透過率などの外観に悪影響を与える恐れがあるため乾燥状態(RH50%以下)下にあることが好ましい。
親水成分として化学式1で表される化合物(A)として、3−スルホニルプロピルアクリレートカリウム塩(以後SPA−Kと略す)0.08gを0.5gの水に溶解させた後、造膜成分としてエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物(B)であるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学社製NKエステルA−DPH)7gと、光重合開始剤としてイルガキュアー500(BASF社製)0.14gと、溶媒としてメトキシエタノール15gを加えた溶液をスターラーで60分攪拌することによって、化合物(A)と化合物(B)のモル比が1:35.2(造膜成分(mol)/親水成分(mol)=35.2)となるようにして実施例1の親水性塗料組成物を調製した。
実施例2は、表2に示すような配合比とした以外は、実施例1と同様に親水性塗膜を形成し、各評価試験を実施した。
実施例3〜5は、化合物(A)を3−スルホニルプロピルメタクリレートカリウム塩(SPMA−K)とし、実施例6は化合物(B)をペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)に変更し、表2に示すような配合で親水性塗料組成物を調製し、実施例1と同様に親水性塗膜を形成した。
実施例7〜9は、化合物(A)をスルホニルエチルメタクリレートナトリウム塩(SEM−Na)に変更し、化合物(B)としてポリグリセリンモノエチレンオキサイドポリアクリレート(PG5009)、PETAの2種類を用いて表2に示すような配合で親水性塗料組成物を調製し、実施例1と同様に親水性塗膜を形成した。
実施例10は、化合物(A)をSPMA−Kとし、造膜成分として、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物(B)であるA−DPHに加え、化合物(C)としてヒドロキシルエチルメタクリレート(HEMA)を加えて、表3に示すような配合で親水性塗料組成物を調製し、実施例1と同様に親水性塗膜を形成した。
実施例11〜19は、実施例10に対し親水性化合物(A)をSPA―Kに変更して、表3に示すような配合で親水性塗料組成物を調製し、実施例10と同様に親水性塗膜を形成した。
実施例20は化合物(A)をSPMA―Kに変更し、化合物(B)を(APG5054E)へ変更して、表3に示すような配合で親水性塗料組成物を調製し、実施例10と同様に親水性塗膜を形成した。
実施例21は、実施例20に化合物(B)としてA−DPHをさらに加え、表3に示すような配合で親水性塗料組成物を調製し、実施例10と同様に親水性塗膜を形成した。
実施例22は、実施例20に対し化合物(B)をエトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(EO付加モル数3)(新中村化学社製:ABE300)に変更して、表3に示すような配合で親水性塗料組成物を調製し、実施例10と同様に親水性塗膜を形成した。
実施例23は、実施例22に対し化合物(B)としてA−DPHをさらに加え、表3に示すような配合で親水性塗料組成物を調製し、実施例10と同様に親水性塗膜を形成した。
基材として、幅1.5mmの凹部に14mm×14mm×1mmの凸部とを有した軟質オレフィンシート100mm×100mm上に、熱硬化性アクリル系プライマーを塗布して、加熱重合した基材を用意した。次に、実施例10の親水性塗料組成物に、粒径中央値6〜7μmのポリカーボネート粒子をトルエンに溶解させた艶調整剤を4g加え、スターラーで攪拌させることにより艶消し意匠を付与した浴室床用塗料を調合した。この浴室用床用塗料をスプレーガン(明治機械製作所FinerII)で製膜後の膜厚が6〜7μm程度になるように浴室用床に塗布した後、実施例1と同様に、恒温恒室槽内で27℃の気温でRH40%の環境湿度条件で2分静置した後に、加熱、紫外線照射を行って親水性塗膜を形成した。
比較例1は表2に示すような配合で親水性塗料組成物を調製した以外は実施例1と同様に親水性塗膜を形成した。
比較例2は、化合物(A)としてSPMA−K、化合物(B)として2−プロペン酸,1,1’−[(2−ヒドロキシ1,3−プロパンジイル)ビス[オキシ(2−ヒドロキシー3,1−プロパンジイル)]]エステル(共栄社化学社製:80MFA)を用い、表2に示す配合で親水性塗料組成物を調製し、実施例1と同様に親水性塗膜を形成した。
比較例4、5は、親水成分、造膜成分を実施例7〜9と同様にし、表2に示す配合で親水性塗料組成物を調製し、実施例1と同様に親水性塗膜を形成した。
比較例6は、親水成分を加えずに造膜成分としてA−DPHを用いた以外は実施例1と同様に親水性塗膜を形成した。
比較例7は、化合物(A)をSPMA−Kとして、化合物(B)としてクレゾールノボラック型エポキシアクリレート(新中村化学社製:EA7420)、化合物(C)としてHEMAを、表3に示す配合で親水性塗料組成物を調製し、実施例10と同様に親水性塗膜を形成した。
比較例8は、比較例7に対し化合物(B)を80MFAとして表3に示す配合で親水性塗料組成物を調製し、実施例10と同様に親水性塗膜を形成した。
比較例9は、化合物(A)をSPMA−K、化合物(B)としてA−DPH、80MFAの2種類、化合物(C)としてHEMAを表3に示す配合で親水性塗料組成物を調製し、実施例10と同様に親水性塗膜を形成した。
比較例10は、比較例9と同様の親水性塗料組成物を用いて、実施例24と同様に浴室用床に塗装、親水性塗膜を形成した。
分子量:232.3
分子量:246.3
分子量:216.19
分子量:579
SP値:21
官能基当量:96.5
比重:1.189
分子量:298
SP値:22.7
官能基当量:99.3
比重:1.183
分子量:1400
SP値:21.4
官能基当量:200
比重:1.183
分子量:348.4
SP値:25.2
官能基当量:174.2
比重:1.073
分子量:3500
SP値:20.1
官能基当量:388.9
比重:1.073
分子量:3216
SP値:24.7
官能基当量:247.4
比重:1.136
分子量:469
SP値:21
官能基当量:234.5
比重:1.146
分子量:130.1
SP値:23
比重:1.073
水に対する静的接触角は、FACE接触角計CA−X150(協和界面科学製)を用いて、室温2μLの水滴を滴下後20秒後の静的接触角をθ/2法で測定した。測定は、親水性塗膜を形成した後に蒸留水で親水性塗膜を水洗いし乾燥させた後と、後述する耐薬品性試験の後にそれぞれ3点測定した。各測定結果は各測定の3回の平均値を用いた。
オレイン酸にカーボンブラック(三菱化学社製MA100)を1wt%となるように加えた疎水性の擬似汚物を作成し、この擬似汚物約2mlを試験体の上に滴下後、水道水で洗い流した後に目視で汚染状態を以下の要領で判定した。
○:試験体表面に汚染物質の付着がほとんどなくなっていた場合
△:僅かに付着して残っていた場合
×:明らかに付着して残っていた場合
防曇性試験は、超音波式加湿器の湯気に対し、親水性塗膜を形成した表面を垂直にあて、5秒間外観を観察し、目視にて以下の要領で判定した。
○:曇りが発生しない
△:一部曇りが発生する
×:曇りが発生する
乾燥時及び湿潤時の鉛筆硬度は、JISK5600−5−4の引っかき硬度(鉛筆法)に準じて測定した。なお、ここでの乾燥時とは、室温20℃、相対湿度50RH%以下の環境、湿潤時とは作成した親水性塗膜を蒸留水に1時間浸漬し、取り出した直後とした。
親水性塗膜を形成した実施例について以下の耐アルカリ性試験を行なった。
5wt%水酸化ナトリウム水溶液に48時間浸漬させた後に流水で十分にすすぎ洗いを行った。乾燥後に親水性塗膜の水接触角、防汚性試験、防曇性試験をそれぞれ実施し性能の劣化を評価した。
上記の範囲をはずれた実施例では耐アルカリ性試験後に水接触角が著しく上昇し親水性が悪化した。
次に、実施例2、実施例3、実施例7、比較例1及び比較例5について、親水性塗膜のスルホン酸塩基に由来する硫黄原子濃度(S)の表面及び深さ分布の測定を行った。
装置:PHI5000 Versa Probe(アルバック・ファイ)
X線源:単色化Al Ka(1486.6eV)
分光器:静電同心半球型分析器
増幅器:多チャンネル式(Multi−ChnannelDetector.16ch並列)
測定条件
測定エネルギー:C1s,O1s,K2s,S2p,Na1s
スパッタデプスプロファイル
X線ビーム径:300μmφ(75W,15kV)
分析面積:300μm×300μm
信号取り込み角:45.0°
スパッタ条件
イオン源:Ar2500 +
加速電圧:20kV
試料電圧:100nA
スパッタ領域:2mm×2mm
帯電中和条件
中和銃1.1V
イオン銃:7V
(塗膜中S濃度[wt%])
=(化合物(A)の重量濃度)×(硫黄原子量/化合物(A)の分子量)×100
・・・式(3)
各サンプルの塗膜表面からの深さは、親水性塗膜の表面から基材に到達するまでスパッタした際のスパッタ時間とスパッタレートから算出した。スパッタレートは、実施例2、実施例3、比較例1は135.1nm/min、実施例7では63.6nm/min、比較例5では59.8nm/minとそれぞれ算出された。
また、対表面S濃度の割合(%)は、以下の式より求めた。
(対表面S濃度の割合[%])=(各深さにおける各深さS濃度)÷(塗膜表面からの深さが0nmのときの各深さS濃度)×100
次に、本発明の親水性塗料組成物を塗布する基材として、浴室用の床への塗布を行なった例を示す。
図1(a)に示すように、製膜した浴室用床の四方をキムタオル(登録商標)で覆い、約25mlの水道水を浴室用床全体に行き渡るようにかけ流した(図1(b))。水道水をかけ流した後の浴室用床の水はけ性を以下の要領で評価した。
○:かけ流した水が速やかに均一に排水される(図1(a))
△:かけ流した水の一部が床上に残るが、最終的に排水される(図1(b)→(a))
×:かけながした水の一部が床上に残って排水されない。(図1(c))
Claims (10)
- 分子内に少なくとも1つのアニオン性親水性基と少なくとも一つのエチレン性不飽和基とを有する化合物(A)をからなる親水成分と、分子内にエチレン性不飽和基を2つ以上有する化合物(B)を含む造膜成分を有し、
前記造膜成分の溶解性パラメータ(SP値)が23(MPa/cm3)1/2以下であり、前記親水成分と前記造膜成分の物質量の比が1:30より大きく1:450以下であることを特徴とする親水性塗料組成物。 - 前記造膜成分は分子内にエチレン性不飽和基を1つ有する化合物(C)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の親水性塗料組成物。
- 前記化合物(A)、前記化合物(B)及び前記化合物(C)が有するエチレン性不飽和基は、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基のいずれかから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の親水性塗料組成物。
- 前記化合物(A)は、以下の化学式1または化学式2で表されることを特徴とする請求項3に記載の親水性塗料組成物。
- 前記化合物(A)のアニオン性親水性基はスルホン酸またはその塩であることを特徴とする請求項4に記載の親水性塗料組成物。
- 前記化合物(B)はエチレン性不飽和基を4個以上有し、
前記造膜成分のエチレン性不飽和基の官能基当量(g/eq)が125以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の親水性塗料組成物。 - 前記化合物(C)はヒドロキシルエチルメタクリレートであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1つに記載の親水性塗料組成物。
- 請求項1から7のいずれか1つに記載の親水性塗料組成物を基材の表面に塗布し、加熱し、硬化させてなる親水性塗膜。
- 前記表材の表面に請求項8に記載の親水性塗膜が形成された水回り物品。
- 請求項1から7のいずれか1項に記載の親水性塗料組成物を基材に塗布する塗布工程と、
前記化合物(A)からなる親水成分を親水性塗膜表面に偏析させる加熱工程と、
活性エネルギー線又は熱を与えることにより、前記親水成分と前記造膜成分を共重合させる硬化工程と、からなることを特徴とする、
親水性塗膜の製造方法。
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