JP2014198306A - ハニカムフィルタ - Google Patents
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Abstract
Description
図1〜図3に示されているように、本発明の一実施形態のハニカムフィルタ50aは、ハニカム構造部10と、複数個の目封止部19とを備えている。ハニカム構造部10は、流入端面3から流出端面5まで延びる流体の流路となる複数のセル7を区画形成する隔壁9を有する。目封止部19は、複数のセル7のうちの所定のセルである第1セル11の流入端面3側の開口部および複数のセル7のうちの残余のセルである第2セル15の流出端面5側の開口部を目封止する。ハニカム構造部10では、第1セル11と第2セル15とが交互に配置されている。そして、ハニカム構造部10のセル7の延びる方向(以下、「Z方向」と簡略)に垂直な断面において、複数のセル7の断面は角部21を有する。さらに、複数のセル7の全個数のうちの20%以上の個数のセル7の角部21を形成する部分の隔壁9は少なくとも1の角部21に凹部を有する。なお、図1は、本発明の一実施形態のハニカムフィルタ50aについて、流入端面3の側からみた模式的な斜視図である。図2は、図1中に示されたハニカムフィルタ50aの一部分の断面を表した模式図である。図3は、図2中のA−A断面の一部を拡大した模式図である。図面において、第1セル11の断面については、網掛けで表す。
次に、本実施形態のハニカムフィルタを製造する方法について説明する。まず、ハニカムフィルタを作製するための坏土を調製し、この坏土を成形して、ハニカム成形体を作製する(成形工程)。得られたハニカム成形体を、乾燥して、ハニカム乾燥体を得ることが好ましい。
まず、成形工程においては、セラミック原料を含有するセラミック成形原料を成形して、流体の流路となる複数のセルを区画形成するハニカム成形体を形成する。
次に、得られたハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を得る。なお、ハニカム成形体の焼成は、ハニカム成形体に目封止部を配設した後に行ってもよい。
次に、ハニカム構造体の第1セルの流入端面側の端部と残余の第2セルの流出端面側の端部とに、目封止材料を充填して、目封止部を形成する。
セラミック原料として、炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末とを80:20の質量割合で混合したものを用いた(表1中で「隔壁の材質」を「SiC」と表示)。そして、これに、バインダとしてヒドロキシプロピルメチルセルロース、造孔材として吸水性樹脂を添加するとともに、水を添加して成形原料を作製した。得られた成形原料を、ニーダーを用いて混練して、坏土を得た。
実施例2〜7、比較例1のハニカムフィルタについては、各条件を表1に示すものとなるように変更した以外は、実施例1と同様に作製した。セルの断面の角部の中にR形状角部が存在する場合には、表1中において「(R角部あり)」と記している。
全てのハニカムセグメントを「凹部無しセグメント」とした以外は、実施例1と同様に作製した。
コージェライト化原料として、アルミナ、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、およびシリカを使用した(表1中で「隔壁の材質」を「コージェライト」と表示)。コージェライト化原料100質量部に、造孔材5質量部、水(分散媒)85質量部、吸水性ヒドロキシプロピルメチルセルロース(有機バインダ)8質量部、および界面活性剤3質量部を添加した。その後、混合、さらに混練して、坏土を得た。
実施例9〜13、比較例3のハニカムフィルタについては、各条件を表1に示すものとなるように変更した以外は、実施例8と同様に作製した。セルの断面の角部の中にR形状角部が存在する場合には、表1中において「(R角部あり)」と記している。
比較例4のハニカムフィルタについては、スリットに凸部を有さない口金を用いることにより、全てのセルを凹部を有さない隔壁から形成した以外は、実施例8と同様に作製した。
実施例14のハニカムフィルタについては、図16に示されているように、第1セルの断面形状を四角形、第2セルの断面形状を八角形とし、第2セルの開口面積が第1セルの開口面積と比べて大きくした上で、各条件を表1に示すものとなるように変更した以外は、実施例1と同様に作製した。
実施例15〜17のハニカムフィルタについては、各条件を表1に示すものとなるように変更した以外は、実施例14と同様に作製した。なお、表1に示されている、「八角形」の断面形状のセルの開口面積は、「四角形」の断面形状のセルの開口面積よりも大きい。
アイソスタティック強度の測定は、社団法人自動車技術会発行の自動車規格(JASO規格)のM505−87で規定されているアイソスタティック破壊強度試験に基づいて行った。アイソスタティック破壊強度試験は、ゴムの筒状容器に、ハニカムフィルタを入れてアルミ製板で蓋をし、水中で等方加圧圧縮を行う試験である。即ち、アイソスタティック破壊強度試験は、缶体に、ハニカムフィルタが外周面把持される場合の圧縮負荷加重を模擬した試験である。このアイソスタティック破壊強度試験によって測定されるアイソスタティック強度は、ハニカムフィルタが破壊したときの加圧圧力値(MPa)で示される。結果を表1に示す。
ハニカムフィルタにディーゼルエンジンから排出されたスートを各々7g/L捕集し、入口ガス温700℃、酸素濃度10%、排ガス流量0.7Nm3/minの2.0L4気筒ディーゼルエンジンの排気ガスによりハニカムフィルタに堆積したスートを燃焼した。燃焼試験後、燃焼再生によるハニカムフィルタの損傷を実体顕微鏡により観察、クラックの状態を確認した。第1セル同士が繋がっているクラックが形成されている場合、表1中の「クラックの位置」の欄に「第1セル−第1セル」と示す。第2セル同士が繋がっているクラックが形成されている場合、表1中の「クラックの位置」の欄に「第2セル−第2セル」と示す。第1セルと第2セルとが繋がっているクラックが形成されている場合、表1中の「クラックの位置」の欄に「第1セル−第2セル」と示す。
上記の「スス再生時によるクラック形成試験」の前および後の双方で、ハニカムフィルタの捕集効率を計測した。「スス再生時によるクラック形成試験」の後における捕集効率が、「スス再生時によるクラック形成試験」の前における捕集効率と比較して、低下しない(低下率0%)または低下率5%以下の場合には「A」、低下率5%超の場合には「B」と評価した。結果を表1に示す。
「スス漏れ」が「無」かつ「捕集効率低下率」が「A」の場合を「良」と判定した。「スス漏れ」が「有」かつ「捕集効率低下率」が「A」の場合を「可」と判定した。「スス漏れ」が「有」かつ「捕集効率低下率」が「B」の場合を「不可」と判定した。実施例1〜17は、総合判定が「良」または「可」であった。これに対して、比較例1〜4は、いずれも総合判定が「不可」であった。
Claims (10)
- 流入端面から流出端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、
前記複数のセルのうちの所定のセルである第1セルの前記流入端面側の開口部および前記複数のセルのうちの残余のセルである第2セルの前記流出端面側の開口部を目封止する目封止部複数個と、を備え、
前記第1セルと前記第2セルとが交互に配置され、
前記ハニカム構造部の前記セルの延びる方向に垂直な断面において、前記複数のセルの断面は角部を有し、
前記複数のセルの全個数のうちの20%以上の個数の前記セルの前記角部を形成する部分の前記隔壁の少なくとも1の角部には凹部を有するハニカムフィルタ。 - 前記第1セル(A)を形成する前記隔壁の前記凹部は、前記第1セル(A)に隣接する他の前記第1セル(B)に向けて凹み、
前記第2セル(a)を形成する前記隔壁の前記凹部は、前記第2セル(a)に隣接する他の前記第2セル(b)に向けて凹む請求項1に記載のハニカムフィルタ。 - 前記凹部を有する前記隔壁により形成された前記第1セル(C)と、該第1セル(C)を形成する前記隔壁の前記凹部の凹む方向に隣接する他の前記第1セル(D)と、前記第1セル(C)と前記第1セル(D)とを結ぶ線に対して交差する位置で互いに隣接する一対の前記第2セル(c)と前記第2セル(d)との間で、
前記ハニカム構造部の前記セルの延びる方向に垂直な断面において、前記第2セル(c)における前記第2セル(d)に最も近い位置にある前記角部および前記第2セル(d)における前記第2セル(c)に最も近い位置にある前記角部がともにR形状を有したR形状角部である請求項2に記載のハニカムフィルタ。 - 前記凹部を有する前記隔壁により形成された前記第1セル(E)と、該第1セル(E)を形成する前記隔壁の前記凹部の凹む方向に隣接する他の前記第1セル(F)と、前記第1セル(E)と前記第1セル(F)とを結ぶ線に対して交差する位置で互いに隣接する一対の前記第2セル(e)と前記第2セル(f)との間において、
前記第2セル(e)を形成する前記隔壁は前記第2セル(f)に向けて凹む前記凹部を有さず、かつ、前記第2セル(f)を形成する前記隔壁は前記第2セル(e)に向けて凹む凹部を有さず、
前記第1セル(E)を形成する前記隔壁の前記凹部から前記第1セル(F)までの前記隔壁の厚さXE−Fは、前記第2セル(e)と前記第2セル(f)との間の前記隔壁の厚さYe−fよりも小さい請求項2または3に記載のハニカムフィルタ。 - 前記隔壁の厚さXE−Fは、前記隔壁の厚さYe−fの0.5倍よりも大きく且つ前記隔壁の厚さYe−fの0.9倍よりも小さい請求項4に記載のハニカムフィルタ。
- 前記凹部を有する前記隔壁により形成された前記第2セル(g)と、該第2セル(g)を形成する前記隔壁の前記凹部の凹む方向に隣接する他の前記第2セル(h)と、前記第2セル(g)と前記第2セル(h)とを結ぶ線に対して交差する位置で互いに隣接する一対の前記第1セル(G)と前記第1セル(H)との間において、
前記第1セル(G)を形成する前記隔壁は前記第1セル(H)に向けて凹む前記凹部を有さず、かつ、前記第1セル(H)を形成する前記隔壁は前記第1セル(G)に向けて凹む前記凹部を有さず、
前記第2セル(g)を形成する前記隔壁の前記凹部から前記第2セル(h)までの前記隔壁の厚さYg−hは、前記第1セル(G)と前記第1セル(H)との間の前記隔壁の厚さXG−Hよりも小さい請求項2〜5のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。 - 前記隔壁の厚さYg−hは、前記隔壁の厚さXG−Hの0.5倍よりも大きく且つ前記隔壁の厚さXG−Hの0.9倍よりも小さい請求項6に記載のハニカムフィルタ。
- 前記ハニカム構造部の前記セルの延びる方向に垂直な断面において、
前記ハニカム構造部の断面の重心から外周までの距離の50%以内の範囲の領域である中心領域と、前記中心領域の外周にある残余の領域である外周領域とを有し、
前記中心領域に含まれる前記セルを形成する前記隔壁のみが前記凹部を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。 - 前記ハニカム構造部の前記セルの延びる方向に垂直な断面において、
前記ハニカム構造部の断面の重心から外周までの距離の50%以内の範囲の領域である中心領域と、前記中心領域の外周にある残余の領域である外周領域とを有し、
前記外周領域に含まれる前記セルを形成する前記隔壁のみが前記凹部を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。 - 前記第1セルを形成する前記隔壁は前記凹部を有し、かつ、前記第2セルを形成する前記隔壁は前記凹部を有さない請求項1〜9のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。
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