JP6144946B2 - ハニカムフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、ハニカムフィルタに関する。さらに詳しくは、排ガスに含まれる粒子状物質(PM)の捕集に使用可能なハニカムフィルタに関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関、または各種燃焼装置から排出される排ガスには煤を主体とする粒子状物質が多量に含まれている。この粒子状物質がそのまま大気中に放出されると環境汚染を引き起こすため、内燃機関等からの排ガス流路には、粒子状物質を捕集するためのフィルタが搭載されることが一般的である。
こうした排ガス浄化用のフィルタとしては、例えば、セルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造部と、セルの一方の端部を封止する複数の目封止部と、を備えた目封止ハニカム構造体を挙げることができる。
この目封止ハニカム構造体においては、目封止部を設けることにより、排ガスの通過過程において、排ガスが隔壁を通り抜けるというプロセスが組み込まれるようになる。この排ガスが隔壁を通り抜けるというプロセスにおいて、排ガスに含まれる粒子状物質が隔壁によって捕捉される。そのため、目封止ハニカム構造体によれば、排ガス中の粒子状物質を低減することが可能になる。
目封止ハニカム構造体では、熱膨張などにより隔壁に応力が発生することがある。例えば、目封止ハニカム構造体において、隔壁を通過する前の排ガスを流通させるセルと、隔壁を通過した後の排ガスを流通させるセルとを隔てる隔壁にクラックが発生した場合、粒子状物質が漏れてしまう。
そこで、隔壁に生じる応力を緩和するため、セルの延びる方向に垂直な断面において、セルの断面形状の角部(隔壁が交差する部分)に丸みを付けた改良型ハニカム構造体が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2007−289925号公報
ところが、上述の改良型ハニカム構造体であっても、依然として隔壁にクラックが発生し、粒子状物質の漏れが生じてしまうことがある。
上記の問題に鑑みて、本発明の目的は、隔壁のクラック発生を抑制し、クラックが発生してしまう場合であっても粒子状物質の漏れを抑制可能なハニカムフィルタに関する技術を提供することにある。
本発明は、以下に示すハニカムフィルタである。
[1] 流入端面から流出端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、前記複数のセルのうちの所定のセルである第1セルの前記流入端面側の開口部および前記複数のセルのうちの残余のセルである第2セルの前記流出端面側の開口部を目封止する目封止部複数個と、を備え、前記第1セルと前記第2セルとが交互に配置され、前記ハニカム構造部の前記セルの延びる方向に垂直な断面において、前記複数のセルの断面は角部を有し、前記複数のセルの全個数のうちの20%以上の個数の前記セルの前記角部を形成する部分の前記隔壁の少なくとも1の角部には凹部を有し、前記第1セルを形成する前記隔壁の前記凹部は、隣接する前記第1セルに向けて形成し、前記第2セルを形成する前記隔壁の前記凹部は、隣接する前記第2セルに向けて形成するとともに、前記第1セルを形成する前記隔壁の前記凹部は、隣接する前記第2セルに向けて形成されず、前記第2セルを形成する前記隔壁の前記凹部は、隣接する前記第1セルに向けて形成されず、以下の(1)及び(2)の少なくとも一方の条件を満たすハニカムフィルタ。
(1)前記凹部を有する前記隔壁により形成された前記第1セル(E)と、該第1セル(E)を形成する前記隔壁の前記凹部の凹む方向に隣接する他の前記第1セル(F)と、前記第1セル(E)と前記第1セル(F)とを結ぶ線に対して交差する位置で互いに隣接する一対の前記第2セル(e)と前記第2セル(f)との間において、
前記第2セル(e)を形成する前記隔壁は前記第2セル(f)に向けて凹む前記凹部を有さず、かつ、前記第2セル(f)を形成する前記隔壁は前記第2セル(e)に向けて凹む凹部を有さない。
(2)前記凹部を有する前記隔壁により形成された前記第2セル(g)と、該第2セル(g)を形成する前記隔壁の前記凹部の凹む方向に隣接する他の前記第2セル(h)と、前記第2セル(g)と前記第2セル(h)とを結ぶ線に対して交差する位置で互いに隣接する一対の前記第1セル(G)と前記第1セル(H)との間において、
前記第1セル(G)を形成する前記隔壁は前記第1セル(H)に向けて凹む前記凹部を有さず、かつ、前記第1セル(H)を形成する前記隔壁は前記第1セル(G)に向けて凹む前記凹部を有さない。
] 前記凹部を有する前記隔壁により形成された前記第1セル(C)と、該第1セル(C)を形成する前記隔壁の前記凹部の凹む方向に隣接する他の前記第1セル(D)と、前記第1セル(C)と前記第1セル(D)とを結ぶ線に対して交差する位置で互いに隣接する一対の前記第2セル(c)と前記第2セル(d)との間で、前記ハニカム構造部の前記セルの延びる方向に垂直な断面において、前記第2セル(c)における前記第2セル(d)に最も近い位置にある前記角部および前記第2セル(d)における前記第2セル(c)に最も近い位置にある前記角部がともにR形状を有したR形状角部である前記[]に記載のハニカムフィルタ。
] 前記凹部を有する前記隔壁により形成された前記第1セル(E)と、該第1セル(E)を形成する前記隔壁の前記凹部の凹む方向に隣接する他の前記第1セル(F)と、前記第1セル(E)と前記第1セル(F)とを結ぶ線に対して交差する位置で互いに隣接する一対の前記第2セル(e)と前記第2セル(f)との間において、前記第2セル(e)を形成する前記隔壁は前記第2セル(f)に向けて凹む前記凹部を有さず、かつ、前記第2セル(f)を形成する前記隔壁は前記第2セル(e)に向けて凹む凹部を有さず、前記第1セル(E)を形成する前記隔壁の前記凹部から前記第1セル(F)までの前記隔壁の厚さXE−Fは、前記第2セル(e)と前記第2セル(f)との間の前記隔壁の厚さYe−fよりも小さい前記[]または[]に記載のハニカムフィルタ。
] 前記隔壁の厚さXE−Fは、前記隔壁の厚さYe−fの0.5倍よりも大きく且つ前記隔壁の厚さYe−fの0.9倍よりも小さい前記[]に記載のハニカムフィルタ。
] 前記凹部を有する前記隔壁により形成された前記第2セル(g)と、該第2セル(g)を形成する前記隔壁の前記凹部の凹む方向に隣接する他の前記第2セル(h)と、前記第2セル(g)と前記第2セル(h)とを結ぶ線に対して交差する位置で互いに隣接する一対の前記第1セル(G)と前記第1セル(H)との間において、前記第1セル(G)を形成する前記隔壁は前記第1セル(H)に向けて凹む前記凹部を有さず、かつ、前記第1セル(H)を形成する前記隔壁は前記第1セル(G)に向けて凹む前記凹部を有さず、前記第2セル(g)を形成する前記隔壁の前記凹部から前記第2セル(h)までの前記隔壁の厚さYg−hは、前記第1セル(G)と前記第1セル(H)との間の前記隔壁の厚さXG−Hよりも小さい前記[]〜[]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
] 前記隔壁の厚さYg−hは、前記隔壁の厚さXG−Hの0.5倍よりも大きく且つ前記隔壁の厚さXG−Hの0.9倍よりも小さい前記[]に記載のハニカムフィルタ。
] 前記ハニカム構造部の前記セルの延びる方向に垂直な断面において、前記ハニカム構造部の断面の重心から外周までの距離の50%以内の範囲の領域である中心領域と、前記中心領域の外周にある残余の領域である外周領域とを有し、前記中心領域に含まれる前記セルを形成する前記隔壁のみが前記凹部を有する前記[1]〜[]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
] 前記ハニカム構造部の前記セルの延びる方向に垂直な断面において、前記ハニカム構造部の断面の重心から外周までの距離の50%以内の範囲の領域である中心領域と、前記中心領域の外周にある残余の領域である外周領域とを有し、前記外周領域に含まれる前記セルを形成する前記隔壁のみが前記凹部を有する前記[1]〜[]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
] 前記第1セルを形成する前記隔壁は前記凹部を有し、かつ、前記第2セルを形成する前記隔壁は前記凹部を有さない前記[1]〜[]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
本発明のハニカムフィルタによれば、複数のセルの全個数のうちの20%以上の個数のセルの角部を形成する部分の隔壁が凹部を有するので、隔壁におけるクラックの発生を抑制することが可能になる。
本発明の一実施形態のハニカムフィルタについて、流入端面の側からみた模式的な斜視図である。 図1中に示されたハニカムフィルタの一部分の断面を表した模式図である。 図2中のA−A’断面の一部を拡大した模式図である。 本発明の一実施形態のハニカムフィルタの隔壁にクラックが発生した場合を模式的に示した断面図である。 本発明の他の実施形態のハニカムフィルタのセルの延びる方向に垂直な断面の一部を拡大した模式図である。 本発明のさらに他の実施形態のハニカムフィルタのセルの延びる方向に垂直な断面の一部を拡大した模式図である。 本発明のさらに他の実施形態のハニカムフィルタのセルの延びる方向に垂直な断面の一部を拡大した模式図である。 本発明のさらに他の実施形態のハニカムフィルタのセルの延びる方向に垂直な断面を示した模式図である。 本発明のさらに他の実施形態のハニカムフィルタのセルの延びる方向に垂直な断面を示した模式図である。 本発明のさらに他の実施形態のハニカムフィルタにおけるセルの延びる方向に垂直な断面の一部を拡大した模式図である。 凹部の一形態を模式的に表した断面図である。 凹部の他の形態を模式的に表した断面図である。 凹部のさらに他の形態を模式的に表した断面図である。 本発明のさらに他の実施形態のハニカムフィルタについて、流入端面の側からみた模式的な斜視図である。 図14中に示されたハニカムフィルタを構成するハニカムセグメントの模式的な斜視図である。 本発明のさらに他の実施形態のハニカムフィルタを構成するハニカムセグメントの模式的な斜視図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
1.ハニカムフィルタ:
図1〜図3に示されているように、本発明の一実施形態のハニカムフィルタ50aは、ハニカム構造部10と、複数個の目封止部19とを備えている。ハニカム構造部10は、流入端面3から流出端面5まで延びる流体の流路となる複数のセル7を区画形成する隔壁9を有する。目封止部19は、複数のセル7のうちの所定のセルである第1セル11の流入端面3側の開口部および複数のセル7のうちの残余のセルである第2セル15の流出端面5側の開口部を目封止する。ハニカム構造部10では、第1セル11と第2セル15とが交互に配置されている。そして、ハニカム構造部10のセル7の延びる方向(以下、「Z方向」と簡略)に垂直な断面において、複数のセル7の断面は角部21を有する。さらに、複数のセル7の全個数のうちの20%以上の個数のセル7の角部21を形成する部分の隔壁9は少なくとも1の角部21に凹部を有する。なお、図1は、本発明の一実施形態のハニカムフィルタ50aについて、流入端面3の側からみた模式的な斜視図である。図2は、図1中に示されたハニカムフィルタ50aの一部分の断面を表した模式図である。図3は、図2中のA−A断面の一部を拡大した模式図である。図面において、第1セル11の断面については、網掛けで表す。
ハニカムフィルタ50aによれば、複数のセル7の全個数のうちの20%以上の個数のセル7の角部21を形成する部分の隔壁9が凹部17を有するので、隔壁9におけるクラックの発生を抑制することが可能になる。詳しく述べると、ハニカムフィルタ50aでは、ハニカム構造部10に熱応力が生じた場合に、凹部がクッションのように熱応力を緩和する役割を果たす。そのため、ハニカムフィルタ50aによれば、ハニカム構造部10に熱応力が生じても、当該熱応力を緩和し、その結果、隔壁9におけるクラックの発生を抑制することができる。
また、ハニカムフィルタ50aでは、全個数のうちの20〜90%の個数のセル7の角部21を形成する部分の隔壁9の少なくとも1の角部21が凹部17を有することが好ましい。このような構成にすることにより、クラック抑制に優れる。さらに、全個数のうちの30〜80%の個数のセル7の角部21を形成する部分の隔壁9の少なくとも1の角部21が凹部17を有することがより好ましい。特に、全個数のうちの40〜70%の個数のセル7の角部21を形成する部分の隔壁9の少なくとも1の角部21が凹部17を有することが最も好ましい。
また、ハニカムフィルタ50aでは、第1セル(A)11aを形成する隔壁9の凹部17は、第1セル(A)11aに隣接する他の第1セル(B)11bに向けて凹み、第2セル(a)15aを形成する隔壁9の凹部17は、第2セル(a)15aに隣接する他の第2セル(b)15bに向けて凹むことが好ましい。本明細書にいう「凸部が隣接するセルに向けて凹む」とは、Z方向に垂直な断面において、凹部の延びる方向の延長線上に「隣接するセル」の一部が存在することを意味する。
図4は、ハニカムフィルタ50aの隔壁9にクラックが発生した場合を模式的に示した断面図である。第1セル(A)11aを形成する隔壁9の凹部17が第1セル(A)11aに隣接する他の第1セル(B)11bに向けて凹んでいることにより、仮に隔壁9にクラック35が発生する時に、当該クラック35が第1セル(A)11aを形成する隔壁9の凹部17から第1セル(B)11bに向かって形成される。また、第2セル(a)15aを形成する隔壁9の凹部17は、第2セル(a)15aに隣接する他の第2セル(b)15bに向けて凹んでいることにより、クラック35は、第2セル(a)15aを形成する隔壁9の凹部17から第2セル(b)15bに向かって形成される。そのため、クラック35によって、第1セル11,11同士、または第2セル15,15同士がつながる。よって、クラック35によって第1セル11と第2セル15とがつながることを抑制する。第1セル1と第2セル2とが繋がってしまうと、第2セル15に流入した排ガスを、隔壁9を通過させることなく、第1セル11から排出させてしまう。すなわち、第1セル11と第2セル15とが繋がってしまうと、粒子状物質の漏れが生じてしまう。ハニカムフィルタ50aでは、クラック35によって第1セル11と第2セル15とがつながることを抑制するので、その結果として、粒子状物質の漏れを抑制することが可能となる。
図5は、本発明の他の実施形態のハニカムフィルタ50bのZ方向に垂直な断面の一部を拡大した模式図である。第1セル(C)11cは、凹部17を有する隔壁9により形成されている。第1セル(D)11dは、第1セル(C)11cを形成する隔壁9の凹部17の凹む方向に隣接する。第2セル(c)15cおよび第2セル(d)15dは、第1セル(C)11cと第1セル(D)11dとを結ぶ線に対して交差する位置で互いに隣接する一対のセルである。ハニカムフィルタ50bのように、ハニカム構造部10のZ方向に垂直な断面において、第2セル(c)15cにおける第2セル(d)15dに最も近い位置にある角部21および第2セル(d)15dにおける第2セル(c)15cに最も近い位置にある角部21がともにR形状を有したR形状角部23であることが好ましい。上記の構成にてR形状角部23が形成されている場合には、隔壁9に生じる応力をより一層確実に緩和することが可能になる。
本明細書にいう「R形状を有する角部21」とは、角部21の先端が丸みを帯びていることを意味する。
図6は、本発明のさらに他の実施形態のハニカムフィルタ50cのZ方向に垂直な断面の一部を拡大した模式図である。ハニカムフィルタ50cのように、凹部17を有する隔壁9により形成された第1セル(E)11eと、該第1セル(E)11eを形成する隔壁9の凹部17の凹む方向に隣接する他の第1セル(F)11fと、第1セル(E)11eと第1セル(F)11fとを結ぶ線に対して交差する位置で互いに隣接する一対の第2セル(e)15eと第2セル(f)15fとの間において、以下の、第1の関係および第2の関係を満たすことが好ましい。第1の関係は、第2セル(e)15eを形成する隔壁9は第2セル(f)15fに向けて凹む凹部17を有さず、かつ、第2セル(f)15fを形成する隔壁9は第2セル(e)15eに向けて凹む凹部17を有さないことである。第2の関係は、第1セル(E)11eを形成する隔壁9の凹部17から第1セル(F)11fまでの隔壁9の厚さXE−Fは、第2セル(e)15eと第2セル(f)15fとの間の隔壁9の厚さYe−fよりも小さいことである。上記の第1の関係および第2の関係を満たす場合、隔壁9の強度を維持しつつ、仮にクラック35が生じてしまう場合に、第1セル(E)11eと第1セル(F)11fとつなぐクラック35の形成を誘導しやくなる。その結果として、第1セル11と第2セル15とをつなぐクラック35の形成を抑制することが可能となる。
さらに、上記の第1の関係および第2の関係に加えて、隔壁9の厚さXE−Fは、隔壁9の厚さYe−fの0.5倍よりも大きく且つ隔壁9の厚さYe−fの0.9倍よりも小さいことがより好ましい。「0.5×Ye−f<XE−F<0.9×Ye−f」を満たす場合、隔壁9の強度維持、および第1セル(E)11eと第1セル(F)11fとつなぐクラック35の形成を誘導する作用をさらに確実に発揮させることが可能になる。その結果として、第1セル11と第2セル15とをつなぐクラック35の形成をさらに確実に抑制することが可能となる。
図7は、本発明のさらに他の実施形態のハニカムフィルタ50dのZ方向に垂直な断面の一部を拡大した模式図である。ハニカムフィルタ50dのように、凹部17を有する隔壁9により形成された第2セル(g)15gと、該第2セル(g)15gを形成する隔壁9の凹部17の凹む方向に隣接する他の第2セル(h)15hと、第2セル(g)15gと第2セル(h)15hとを結ぶ線に対して交差する位置で互いに隣接する一対の第1セル(G)11gと第1セル(H)11hとの間において、以下の、第3の関係および第4の関係を満たすことが好ましい。第3の関係は、第1セル(G)11gを形成する隔壁9は第1セル(H)11hに向けて凹む凹部17を有さず、かつ、第1セル(H)11hを形成する隔壁9は第1セル(G)11gに向けて凹む凹部17を有さないことである。第4の関係は、第2セル(g)15gを形成する隔壁9の凹部17から第2セル(h)15hまでの隔壁9の厚さYg−hは、第1セル(G)11gと第1セル(H)11hとの間の隔壁9の厚さXG−Hよりも小さいことである。上記の第3の関係および第4の関係を満たす場合、隔壁9の強度を維持しつつ、クラック35が生じてしまう場合に、第2セル(g)15gと第2セル(h)15hとつなぐクラック35の形成を誘導しやくなる。その結果として、第1セル11と第2セル15とをつなぐクラック35の形成を抑制することが可能となる。
さらに、上記の第3の関係および第4の関係に加えて、隔壁9の厚さYg−hは、隔壁9の厚さXG−Hの0.5倍よりも大きく且つ隔壁9の厚さXG−Hの0.9倍よりも小さいことが好ましい。「0.5×XG−H<Yg−h<0.9×XG−H」を満たす場合、隔壁9の強度維持、および第2セル(g)15gと第2セル(h)15hとつなぐクラック35の形成を誘導する作用をさらに確実に発揮させることが可能になる。その結果として、第1セル11と第2セル15とをつなぐクラック35の形成をさらに確実に抑制することが可能となる。
図8は、本発明のさらに他の実施形態のハニカムフィルタ50eのZ方向に垂直な断面を示した模式図である。ハニカムフィルタ50eでは、ハニカム構造部10のZ方向に垂直な断面において、ハニカム構造部10の断面の重心Cから外周までの距離の50%以内の範囲の領域である中心領域27と、中心領域27の外周にある残余の領域である外周領域25とを有する。なお、図8中の一点鎖線は、中心領域27と外周領域25との境界を表す。ハニカムフィルタ50eでは、中心領域27に含まれるセル7を形成する隔壁9のみが凹部17を有する。当該ハニカムフィルタ50eのように、中心領域27に含まれるセル7を形成する隔壁9のみが凹部17を有することが好ましい。中心領域27に含まれるセル7を形成する隔壁9のみが凹部17を有する場合、クラックの形成を抑制することができる。また、クラックが形成される状況の際に、第1セル11同士および/または第2セル15同士を繋ぐかたちで、クラックが形成されように誘導することができる。
本明細書において「ハニカム構造部の断面の重心」とは、ハニカム構造部の断面全体を穴の無い均一な平面と仮定した場合における当該平面の重心の位置を意味する。本明細書において「中心領域27に含まれるセル7」には、中心領域と外周領域との境界に重なるセル7も該当することとする。
さらに、中心領域27に含まれるセル7を形成する隔壁9のみが凹部17を有する場合、重心Cから外周に向けてセル7の個数を積算する場合に、重心Cから数えてセル7の全個数の20〜90%に相当する個数のセル7を形成する隔壁9のみが凹部17を有することがより好ましい。このような構成とすることにより、クラックの形成を抑制することができる。また、クラックが形成される状況の際に、第1セル11同士および/または第2セル15同士を繋ぐかたちで、クラックが形成されように誘導することができる。
図9は、本発明のさらに他の実施形態のハニカムフィルタ50fのZ方向に垂直な断面を示した模式図である。ハニカムフィルタ50fでは、ハニカム構造部10のZ方向に垂直な断面において、ハニカム構造部10の断面の重心Cから外周までの距離の50%以内の範囲の領域である中心領域27と、中心領域27の外周にある残余の領域である外周領域25とを有する。なお、図9中の一点鎖線は、中心領域27と外周領域25との境界を表す。ハニカムフィルタ50fでは、外周領域25に含まれるセルを形成する隔壁9のみが凹部17を有する。当該ハニカムフィルタfのように、外周領域25に含まれるセル7を形成する隔壁9のみが凹部17を有することが好ましい。外周領域25に含まれるセル7を形成する隔壁9のみが凹部17を有する場合、クラックの形成を抑制することができる。また、クラックが形成される状況の際に、第1セル11同士および/または第2セル15同士を繋ぐかたちで、クラックが形成されように誘導することができる。
さらに、外周領域25に含まれるセル7を形成する隔壁9のみが凹部17を有する場合、外周から重心Cに向けてセル7の個数を積算する場合に、外周から数えてセルの全個数の20〜90%に相当する個数のセルを形成する隔壁9のみが凹部17を有することが好ましい。このような構成とすることにより、クラックの形成を抑制することができる。また、クラックが形成される状況の際に、第1セル11同士および/または第2セル15同士を繋ぐかたちで、クラックが形成されように誘導することができる。
図10は、本発明のさらに他の実施形態のハニカムフィルタ50gにおけるZ方向に垂直な断面の一部を拡大した模式図である。ハニカムフィルタ50gのように、第1セル11を形成する隔壁9は凹部17を有し、かつ、第2セル15を形成する隔壁9は凹部17を有さないことが好ましい。このような構成にすることにより、粒子状物質の漏れをより確実に抑制することが可能になる。
図11、図12は、凹部17の一形態をそれぞれ模式的に表した断面図である。図11に示されている凹部17は、丸みを帯びて凹んでいる。図12に示されている凹部17は、四角形で凹んでいる。これらのように、Z方向に垂直な断面において、凹部17の形態は特に制限されない。
図13は、本発明のさらに他の実施形態のハニカムフィルタ50hにおけるZ方向に垂直な断面の一部を拡大した模式図である。ハニカムフィルタ50hのように、隣接する第1セル(I)11iと第1セル(J)11jとの間において、第1セル(I)11iを形成する隔壁9が第1セル(J)11jに向かって凹む凹部17を有し、かつ、第1セル(J)11jを形成する隔壁9が第1セル(I)11iに向かって凹む凹部17を有していてもよい。このような構成の場合、第1セル(I)11iと第1セル(J)11jとつなぐクラック35の形成をより確実に誘導し易くなる。その結果として、第1セル11と第2セル15とをつなぐクラック35の形成を確実に抑制することが可能となる。
また、図示しないが、隣接する第2セル(i)15と第2セル(j)15との間において、第2セル(i)15を形成する隔壁9が第2セル(j)15に向かって凹む凹部17を有し、かつ、第2セル(j)を形成する隔壁9が第2セル(i)15に向かって凹む凹部17を有していてもよい。このような構成の場合、第2セル(i)15と第2セル(j)15とつなぐクラック35の形成をより確実に誘導し易くなる。その結果として、第1セル11と第2セル15とをつなぐクラック35の形成を確実に抑制することが可能となる。
図14は、本発明のさらに他の実施形態のハニカムフィルタ50iについて、流入端面3の側からみた模式的な斜視図である。図15は、図14中に示されたハニカムフィルタ50iを構成するハニカムセグメント1(1a)の模式的な斜視図である。ハニカムフィルタ50iは、複数個のハニカムセグメント1aと、複数個の目封止部19と、接合層33とを備える。ハニカムセグメント1aは、一方の端面である流入端面3から他方の端面である流出端面5まで延びる流体の流路となる複数のセル7を区画形成する隔壁9を有する。目封止部19は、ハニカムセグメント1aに形成された複数のセル7のうちの所定のセルである第1セル11の流入端面3側の開口部および複数のセル7のうちの残余のセル7である第2セル15の流出端面5側の開口部を封止する。ハニカムセグメント1aの外周は、側壁37によって囲まれている。接合層33は、複数個のハニカムセグメント1aの側面39(側壁37の外表面)同士の少なくとも一部を接合する。
ハニカムフィルタ50iでは、ハニカム構造部10が複数個のハニカムセグメント1aにより構成されている。ハニカムフィルタ50iでは、複数個のハニカムセグメント1aは、「凹部有りセグメント」および「凹部無しセグメント」から構成される。「凹部有りセグメント」とは、「凹部を有する隔壁」を有するハニカムセグメント1aである。「凹部無しセグメント」とは、「凹部を有する隔壁」を有さないハニカムセグメント1aである。ハニカムフィルタ50iでは、ハニカム構造部10の中央部分を構成する縦2個×横2個のハニカムセグメント1aが「凹部有りセグメント」である。また、ハニカム構造部10の外周を構成する残余のハニカムセグメント1aが「凹部無しセグメント」である。このような「凹部有りセグメント」および「凹部無しセグメント」の構成にすることにより、クラックの形成を抑制することができる。また、クラックが形成される状況の際に、第1セル11同士および/または第2セル15同士を繋ぐかたちで、クラックが形成されように誘導することができる。
また、ハニカム構造部10の中央部分を構成する縦2個×横2個のハニカムセグメント1aが「凹部無しセグメント」であり、かつ、ハニカム構造部10の外周を構成する残余のハニカムセグメント1aが「凹部有りセグメント」としてもよい。このような「凹部有りセグメント」および「凹部無しセグメント」の構成にすることにより、クラックの形成を抑制することができる。また、クラックが形成される状況の際に、第1セル11同士および/または第2セル15同士を繋ぐかたちで、クラックが形成されように誘導することができる。
なお、ハニカムフィルタ50iを構成するハニカムセグメント1aの個数についても特に制限はない。例えば、図14に示すハニカムフィルタ50iは、円筒形状の外観を備えたものであり、16個のハニカムセグメント1aを備えたものである。このハニカムフィルタ50iにおいては、4個のハニカムセグメント1aが完全セグメントであり、この完全セグメントが、Z方向に直交する断面において、縦2個×横2個の配列で並んだ状態になっている。また、上記4個の完全セグメントの外周(Z方向に直交する断面における外周)に位置する12個のハニカムセグメント1aが、不完全セグメントである。不完全セグメントの形状は、Z方向に直交する断面形状の一部に、ハニカムフィルタ50iの外周形状に対応した形状(例えば、円弧部分)を有する。
例えば、図14に示されている、円筒形状の外観を有するハニカムフィルタ50iについては、まず、16個の完全セグメントを縦4個×横4個にて配置して接合してハニカムセグメント接合体を作製する。次いで、ハニカムセグメント接合体の外周を円形の断面形状となるように研削し、外周をコート材(外周壁31の材料)でコートすることにより、得ることが可能である。このとき、一部を研削されたハニカムセグメント1aが不完全セグメントとなる。
以下、本発明のハニカムフィルタにおける「その他の特徴」を説明する。
ハニカムフィルタ50では、隔壁9の気孔率が20〜80%であることが好ましく、さらに、30〜70%であることがより好ましく、特に、40〜60%であることが最も好ましい。気孔率が20%未満の場合には、圧力損失が増大してしまう恐れがある。気孔率が80%超の場合には、ハニカムフィルタ50の構造的強度が劣る恐れがある。本明細書において「隔壁の気孔率」とは、水銀ポロシメータにより測定した値である。
隔壁9の平均細孔径は、5〜30μmであることが好ましく、7〜25μmであることが更に好ましく、9〜20μmであることが特に好ましい。隔壁9の平均細孔径を上記範囲とすることにより、ハニカムフィルタ50の強度を維持し、初期の圧力損失の増加を更に抑制することができる。平均細孔径が5μmより小さいと、ハニカムフィルタ50の初期の圧力損失が高くなることがある。平均細孔径が30μmより大きいと、アッシュ、微粒子状物質の捕集性能が低下することがある。平均細孔径は、水銀ポロシメータによって測定した値である。
ハニカムフィルタ50では、隔壁9の厚さは、0.1〜0.4mmであることが好ましく、さらに、0.15〜0.35mmであることがより好ましく、特に、0.2〜0.3mmであることが特に好ましい。隔壁9の厚さが0.1mm未満の場合には、ハニカムフィルタ50の構造的強度が劣る恐れがある。隔壁9の厚さが0.4mm超の場合には、圧力損失が増大してしまう恐れがある。
本明細書において「隔壁9の厚さ」とは、Z方向に対して垂直な断面において、隣接する2つのセル7を区画する隔壁9の厚さのことを意味する。「隔壁9の厚さ」は、例えば、画像解析装置(ニコン社製、商品名「NEXIV、VMR−1515」)によって測定することができる。
ハニカムフィルタ50では、セル密度は、23〜70個/cmであることが好ましく、さらに、31〜62個/cmであることがより好ましく、特に、38〜55個/cmであることが最も好ましい。セル密度が23個/cm未満である場合には、排気ガスと触媒との接触面積が小さくなるので、排気ガスの浄化性能が劣る恐れがある。セル密度が70個/cm超である場合には、圧力損失が著しく高くなってしまうことがある。本明細書において「セル密度」とは、Z方向に垂直な断面における単位面積当たり(1cm当たり)のセル7の個数を意味する。
ハニカムフィルタ50では、Z方向に垂直な断面において、セル7の形状は、特に限定されず、例えば、三角形、四角形、六角形、八角形等の多角形形状とすることができる。なお、Z方向に垂直な断面において、セル7の形状は、第1セル11を三角形としかつ第2セル15を六角形とする組み合わせや、第1セル11を四角形としかつ第2セル15を八角形とする組み合わせなど、複数種の多角形を組み合わせてもよい。あるいは、第1セル11について、三角形のものと六角形のものとを混合させた形態としてもよい。
また、ハニカムフィルタ50では、Z方向に垂直な断面において、第1セル11の開口面積と第2セル15の開口面積が異なっていてもよい。特に、第2セル15の開口面積が第1セルの開口面積と比べて大きいことが好ましい。ハニカムフィルタ50では、排ガスは第2セル15内に流入し、第2セル15を取り囲む隔壁9によって粒子状物質が捕捉される。すなわち、ハニカムフィルタ50では、第2セル15を取り囲む隔壁9が粒子状物質の捕捉を担う。第2セル15の開口面積が第1セル11の開口面積よりも大きい場合には、粒子状物質の捕捉を担う隔壁9の表面積が大きくなるので、多量の粒子状物質を捕捉することが可能になる。また、第2セル15の開口面積が第1セル11の開口面積よりも大きい場合には、粒子状物質を捕捉した状況での圧力損失を抑制することも可能になる。
図16は、本発明のさらに他の実施形態のハニカムフィルタを構成するハニカムセグメント1bの模式的な斜視図である。図示されているように、ハニカムセグメント1bでは、Z方向に垂直な断面において、第2セル15の開口面積が第1セルの開口面積と比べて大きい。そして、Z方向に垂直な断面において、第1セル11の形状は四角形であり、第2セル15の形状は八角形である。ここでは図示しないが、例えば、ハニカムセグメント1bにおいて、目封止部19の配置態様を逆にすれば、第1セル11の開口面積が第2セル15の開口面積よりも大きいものとできる。
さらに、ハニカムフィルタ50では、第1セル11と第2セル15とが交互に配置されていても、あるいは、第1セル11と第2セル15とが交互に配置されていなくてもよい。また、ハニカムフィルタ50では、第1セル11の数と第2セル15の数が同じであってもよいし、第1セル11の数と第2セル15の数が異なっていてもよい。第1セルの数と第2セルの数が異なる場合には、第2セル15の数が第1セル11の数よりも多いことが好ましい。第2セル15の数が第1セル11の数と比べて多い場合には、粒子状物質の捕捉を担う隔壁9の総表面積が大きくなるので、多量の粒子状物質を捕捉することが可能になる。さらに、第2セル15の数が第1セル11の数と比べて多い場合には、第2セル15の数が、第1セル11の数に対して百分率比で30〜400%多いことがより好ましい。
隔壁9の材料としては、セラミックが好ましい。セラミックの中では、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト、ムライト、アルミナ、チタン酸アルミニウム、窒化珪素、及び炭化珪素−コージェライト系複合材料からなる群から選択される少なくとも1種を用いることさらに好ましい。これらの材料を用いることにより、強度および耐熱性に優れたものとなる。特に、隔壁9は、コージェライト、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、ムライト、アルミナ、チタン酸アルミニウム、窒化珪素、及び炭化珪素−コージェライト系複合材料からなる群から選択される1種を主成分とすることがより一層好ましい。なお、本明細書において「主成分」というときは、全体の50質量%以上含有することをいう。例えば、「炭化珪素を主成分とする」とは、隔壁9が炭化珪素を50質量%以上含有していることをいう。
ハニカムフィルタ50では、構造的強度を高める観点から、ハニカム構造部10の外周が外周壁31によって取り囲まれているとよい。外周壁31の厚さは、特に限定されないが、0.3〜1.5mmが好ましい。外周壁31の厚さを上記範囲内とする場合には、ハニカムフィルタ50の強度を適度に維持しつつ、圧力損失の増大を防止することができる。
ハニカムフィルタ50では、外周壁31の材質は、隔壁9と同じであることが好ましいが、異なっていてもよい。
ハニカムフィルタ50では、外周壁31の形状は、特に限定されない。外周壁31の形状は、図1に示された円筒形状や、それ以外にも、Z方向に垂直な断面形状が楕円形の筒形状、Z方向に垂直な断面形状が四角形、五角形、六角形等の多角形の筒形状等であってもよい。
目封止部19の材料としては、隔壁9の材料と同じものを挙げることができ、隔壁9の材料と同じものを用いることが好ましい。
なお、ハニカムフィルタ50が、複数個のハニカムセグメント1を接合して作られたものである場合には、以下の接合層33であるとよい。
接合層33は、複数個のハニカムセグメント1を接合して一体化するための接合材からなるものである。
接合層33の実際の厚さについては、ハニカムセグメント1の形状、複数個のハニカムセグメント1の配列などによって、適宜決定される。
また、接合層33は、ハニカムセグメント1の流入端面3から流出端面5まで配設されていることが好ましい。
接合層33の材料については特に制限はないが、例えば、炭化珪素、アルミナ、窒化珪素、等のセラミック粒子を、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナにより結合した材料等を好適例として挙げることができる。このような材料を用いることによって、ハニカムフィルタ50に生じる熱応力を良好に低減することができる。また、このような材料を用いることにより、接合層33が、ハニカムフィルタ50に負荷がかかったときの緩衝材としての役割も果たす。
また、接合層33としては、熱膨張係数が、2.0×10−6/K以上、4.0×10−6/K以下であることが好ましい。また、接合層33のヤング率は、0.01GPa以下であることが好ましい。熱膨張係数は、接合層33の40℃から800℃における熱膨張係数とする。
2.ハニカムフィルタの製造方法:
次に、本実施形態のハニカムフィルタを製造する方法について説明する。まず、ハニカムフィルタを作製するための坏土を調製し、この坏土を成形して、ハニカム成形体を作製する(成形工程)。得られたハニカム成形体を、乾燥して、ハニカム乾燥体を得ることが好ましい。
次に、得られたハニカム成形体(或いは、必要に応じて行われた乾燥後のハニカム乾燥体)を焼成してハニカム構造体を作製する(ハニカム構造体作製工程)。
次に、得られたハニカム構造体の流入端面における所定のセル(第1セル)の開口部、及び流出端面における残余のセル(第2セル)の開口部に目封止を施して、目封止部を形成する(目封止工程)。
このようにして本実施形態のハニカムフィルタを製造することができる。以下、各製造工程について更に詳細に説明する。
2−1.成形工程:
まず、成形工程においては、セラミック原料を含有するセラミック成形原料を成形して、流体の流路となる複数のセルを区画形成するハニカム成形体を形成する。
セラミック成形原料に含有されるセラミック原料としては、炭化珪素(SiC)、珪素−炭化珪素系複合材料、窒化珪素、コージェライト化原料、コージェライト、ムライト、アルミナ、チタニア、炭化珪素、チタン酸アルミニウムなどを挙げることができる。そして、炭化珪素(SiC)、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト化原料、コージェライト、ムライト、アルミナ、チタニア、炭化珪素、及びチタン酸アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。なお、「珪素−炭化珪素系複合材料」とは、炭化珪素(SiC)を骨材としてかつ珪素(Si)を結合材として形成されたものである。「コージェライト化原料」とは、シリカが42〜56質量%、アルミナが30〜45質量%、マグネシアが12〜16質量%の範囲に入る化学組成となるように配合されたセラミック原料であって、焼成されてコージェライトになるものである。
また、このセラミック成形原料は、上記セラミック原料に、分散媒、有機バインダ、無機バインダ、造孔材、界面活性剤等を混合して調製することが好ましい。各原料の組成比は、特に限定されず、作製しようとするハニカム構造部の構造、材質等に合わせた組成比とすることが好ましい。
セラミック成形原料を成形する際には、まず成形原料を混練して坏土とし、得られた坏土をハニカム形状に成形することが好ましい。成形原料を混練して坏土を形成する方法としては特に制限はなく、例えば、ニーダー、真空土練機等を用いる方法を挙げることができる。坏土を成形してハニカム成形体を形成する方法としては特に制限はなく、押出成形、射出成形等の従来公知の成形方法を用いることができる。例えば、所望のセル形状、隔壁厚さ、セル密度を有する口金を用いて押出成形してハニカム成形体を形成する方法等を好適例として挙げることができる。口金の材質としては、摩耗し難い超硬合金が好ましい。
例えば、隔壁の凹部の形状と相補的なかたちで、口金のスリットに凸部を形成しておくことにより、凹部を有する隔壁を押出成形することが可能になる。
また、上記成形後に、得られたハニカム成形体を乾燥してもよい。乾燥方法は、特に限定されるものではないが、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等を挙げることができ、なかでも、誘電乾燥、マイクロ波乾燥又は熱風乾燥を単独で又は組合せて行うことが好ましい。
2−2.ハニカム構造体作製工程:
次に、得られたハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を得る。なお、ハニカム成形体の焼成は、ハニカム成形体に目封止部を配設した後に行ってもよい。
また、ハニカム成形体を焼成(本焼成)する前には、そのハニカム成形体を仮焼することが好ましい。仮焼は、脱脂のために行うものであり、その方法は、特に限定されるものではなく、中の有機物(有機バインダ、分散剤、造孔材等)を除去することができればよい。一般に、有機バインダの燃焼温度は100〜300℃程度、造孔材の燃焼温度は200〜800℃程度であるので、仮焼の条件としては、酸化雰囲気において、200〜1000℃程度で、3〜100時間程度加熱することが好ましい。
ハニカム成形体の焼成(本焼成)は、仮焼した成形体を構成する成形原料を焼結させて緻密化し、所定の強度を確保するために行われる。焼成条件(温度、時間、雰囲気)は、成形原料の種類により異なるため、その種類に応じて適当な条件を選択すればよい。例えば、コージェライト化原料を使用している場合には、焼成温度は、1410〜1440℃が好ましい。また、焼成時間は、最高温度でのキープ時間として、4〜6時間が好ましい。
2−3.目封止工程:
次に、ハニカム構造体の第1セルの流入端面側の端部と残余の第2セルの流出端面側の端部とに、目封止材料を充填して、目封止部を形成する。
ハニカム構造体に目封止材料を充填する際には、例えば、まず、流入端面側の端部に目封止材料を充填し、その後、流出端面側の端部に目封止材料を充填する。端部に目封止材料を充填する方法としては、以下のマスキング工程と圧入工程とを有する方法を挙げることができる。マスキング工程は、ハニカム構造体の一方の端面(例えば、流入端面)にシートを貼り付け、シートにおける、「目封止部を形成しようとするセル」と重なる位置に孔を開ける工程である。圧入工程は、「ハニカム構造部の、シートが貼り付けられた側の端部」を目封止材料が貯留された容器内に圧入して、目封止材料をハニカム構造体のセル内に圧入する工程である。目封止材料をハニカム構造体のセル内に圧入する際には、目封止材料は、シートに形成された孔を通過し、シートに形成された孔と連通するセルのみに充填される。
次に、ハニカム構造体に充填された目封止材料を乾燥させて、目封止部を形成し、目封止ハニカム構造体、すなわちハニカムフィルタを得る。なお、ハニカム構造体の両端部に目封止材料を充填した後に、目封止材料を乾燥させてもよいし、ハニカム構造体の一方の端部に充填した目封止材料を乾燥させた後に、他方の端部に目封止材料を充填し、その後、他方の端部に充填した目封止材料を乾燥させてもよい。更に、目封止材料を、より確実に固定化する目的で、焼成してもよい。また、乾燥前のハニカム成形体又は乾燥後のハニカム成形体(ハニカム乾燥体)に目封止材料を充填し、乾燥前のハニカム成形体又はハニカム乾燥体と共に、目封止材料を焼成してもよい。
なお、作製しようとするハニカムフィルタが、複数個のハニカムセグメントを接合して作られたものである場合には、上述のハニカム構造体と同様の方法で、ハニカムセグメントを作製し、ハニカムセグメントのセルの端部に目封止部を形成する。
次に、得られた各ハニカムセグメントを接合材で接合して、複数個のハニカムセグメントが、互いの側面同士を対向するように隣接して配置されるとともに、対向する側面同士が接合層により接合されたハニカムセグメント接合体を作製する。
ハニカムセグメントは、接合材を用いて接合されることが好ましい。接合材をハニカムセグメントの側面に塗布する方法は、特に限定されず、刷毛塗り等の方法を用いることができる。
接合材としては、無機繊維、コロイダルシリカ、粘土、SiC粒子等の無機原料に、有機バインダ、発泡樹脂、分散剤等の添加材を加えたものに水を加えて混練したスラリー等を挙げることができる。
ハニカムセグメントの側面同士を接合する接合材が、作製されるハニカムフィルタにおける接合層となる。
複数個のハニカムセグメントを接合材によって接合した後、得られたハニカムセグメントの接合体の外周部分を切削して所望の形状にすることが好ましい。また、ハニカムセグメントを接合し、ハニカムセグメントの接合体の外周部分を切削した後に、その外周部分に外周コート材を配設して、ハニカムフィルタを作製することが好ましい。この外周コート材が、ハニカムフィルタの外周壁となる。このような外周壁を配設することにより、ハニカムフィルタの真円度が向上する等の利点がある。
このように構成することによって、本実施形態のハニカムフィルタを製造することができる。但し、本実施形態のハニカムフィルタの製造方法は、上述した製造方法に限定されることはない。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
セラミック原料として、炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末とを80:20の質量割合で混合したものを用いた(表1中で「隔壁の材質」を「SiC」と表示)。そして、これに、バインダとしてヒドロキシプロピルメチルセルロース、造孔材として吸水性樹脂を添加するとともに、水を添加して成形原料を作製した。得られた成形原料を、ニーダーを用いて混練して、坏土を得た。
次に、得られた坏土を、真空押出成形機を用いて成形し、隔壁によって複数のセルが区画形成されたハニカムセグメントの成形体を複数個作製した。なお、ハニカムセグメントの成形体は、2種類の口金を用いて、「『凹部を有す隔壁により形成されたセル』と『凹部を有さない隔壁により形成されたセル』とが互い違いに配置されたもの」(以下、「凹部有りセグメント」)、「『凹部を有さない隔壁により形成されたセル』のみが配置されたもの」(以下、「凹部無しセグメント」)の2種類を作製した。
次に、得られたハニカムセグメントの成形体を高周波誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥した。なお、乾燥時には、ハニカムセグメントの成形体の流出端面が、鉛直下向きになるように配置して乾燥を行った。
乾燥後のハニカムセグメントの成形体に、目封止部を形成した。まず、ハニカムセグメントの成形体の流入端面側のセルの開口部に、マスクを施した。このとき、マスクを施したセルと、マスクを施さないセルとが交互に並ぶようにした。なお、流入端面では、「凹部を有さない隔壁により形成されたセル」の開口部にマスクを施した。そして、ハニカムセグメントの成形体のマスクを施した側の端部を目封止スラリーに浸漬して、マスクが施されていないセルの開口部に目封止スラリーを充填した。そして、乾燥後のハニカムセグメントの成形体の流出端面における残りのセル(即ち、流入端面において目封止部を形成していないセル)についても、同様にして、目封止部を形成した。
そして、目封止部を形成したハニカムセグメントの成形体を脱脂し、焼成して、目封止部がセルの開口部に配設されたハニカムセグメントを得た。脱脂の条件は、550℃で3時間とした。焼成の条件は、アルゴン雰囲気下で、1450℃、2時間とした。なお、焼成時には、ハニカムセグメントの成形体の流出端面が、鉛直下向きになるように配置して焼成を行った。
得られたハニカムセグメントは、隔壁厚さが0.3mmであり、セル密度が47個/cmであった。また、ハニカムセグメントは、長さ152.4mmで、四角柱形状(36mm×36mmの正方形の断面形状)であった。また、第1セルの断面形状および第2セルの断面形状は共に「四角形」(正方形)であった。
上述のハニカムセグメントを16個作製した。そして、16個のハニカムセグメントが、4個×4個の並びになるようにして、接合材で接合し、接合材を乾燥させてハニカムセグメントの接合体を得た。乾燥させた接合材が、接合層となる。接合材をハニカムセグメントの側面に塗布する際には、接合層の厚さが1.0mmとなるようにした。
なお、接合の際には、中心部分の縦2個×横2個のハニカムセグメントを「凹部有りセグメント」とし(表1中において、「凹部付隔壁の存在する場所」を、「中心」と表示)、これらの周囲の12個のハニカムセグメント1を「凹部無しセグメント」とした。
次に、ハニカムセグメントの接合体を、まず、その全体形状が円筒形状となるように、外周を研削加工した。
その後、研削加工したハニカムセグメントの接合体の外周に、セラミック材料を塗工して外周コート部を形成し、ハニカムフィルタを得た。ハニカムフィルタのZ方向に垂直な断面の形状は、直径が143.8mmの円形であった。また、ハニカムフィルタのZ方向の長さは152.4mmであった。以上により、接合型のハニカムフィルタを得た(表1中で「フィルタ構造」を「接合型」と表示)。全セル数に対する凹部を有する隔壁から形成されたセルの数の割合を表1に示す(表1中では「凹部付隔壁から形成されたセルの割合」と表示)。
(実施例2〜7、比較例1)
実施例2〜7、比較例1のハニカムフィルタについては、各条件を表1に示すものとなるように変更した以外は、実施例1と同様に作製した。セルの断面の角部の中にR形状角部が存在する場合には、表1中において「(R角部あり)」と記している。
(比較例2)
全てのハニカムセグメントを「凹部無しセグメント」とした以外は、実施例1と同様に作製した。
(実施例8)
コージェライト化原料として、アルミナ、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、およびシリカを使用した(表1中で「隔壁の材質」を「コージェライト」と表示)。コージェライト化原料100質量部に、造孔材5質量部、水(分散媒)85質量部、吸水性ヒドロキシプロピルメチルセルロース(有機バインダ)8質量部、および界面活性剤3質量部を添加した。その後、混合、さらに混練して、坏土を得た。
次に、所定の金型を用いて坏土を押出成形してハニカム成形体を得た。ハニカム成形体は、セルの延びる方向に直交する断面において四角形のセルが形成され、全体形状が円柱形状であった。そして、得られたハニカム成形体をマイクロ波乾燥機で乾燥した。その後、更に熱風乾燥機で完全に乾燥させた。続いて、乾燥させたハニカム成形体の両端面を切断し、所定の寸法に整えた。なお、口金において、第1セルと第2セルとが交互に配置されたハニカム成形体が成形されることを想定し、「外周領域」において第1セルに該当する隔壁を成形するスリットに、適当数の凸部(隔壁の凹部と相補的な形状)を設けた。口金における凸部の数を調整することにより、最終的に得られるハニカムフィルタにおける「全セル数に対する凹部を有する隔壁から形成されたセルの数の割合」(凹部付隔壁から形成されたセルの割合)を調整した。
このようにして得られたハニカム成形体を、更に、1410〜1440℃で、5時間、焼成することによってハニカム構造体を得た。
得られたハニカム構造体は、Z方向に垂直な断面における直径が143.8mmであり、Z方向の長さが152.4mmであった。ハニカム構造体における、各条件を表1に示す。以上により、一体構造のハニカムフィルタを得た(表1中で「フィルタ構造」を「一体構造」と表示)。また、第1セルの断面形状および第2セルの断面形状は共に「四角形」(正方形)であった。
(実施例9〜13、比較例3)
実施例9〜13、比較例3のハニカムフィルタについては、各条件を表1に示すものとなるように変更した以外は、実施例8と同様に作製した。セルの断面の角部の中にR形状角部が存在する場合には、表1中において「(R角部あり)」と記している。
(比較例4)
比較例4のハニカムフィルタについては、スリットに凸部を有さない口金を用いることにより、全てのセルを凹部を有さない隔壁から形成した以外は、実施例8と同様に作製した。
(実施例14)
実施例14のハニカムフィルタについては、図16に示されているように、第1セルの断面形状を四角形、第2セルの断面形状を八角形とし、第2セルの開口面積が第1セルの開口面積と比べて大きくした上で、各条件を表1に示すものとなるように変更した以外は、実施例1と同様に作製した。
(実施例15〜17)
実施例15〜17のハニカムフィルタについては、各条件を表1に示すものとなるように変更した以外は、実施例14と同様に作製した。なお、表1に示されている、「八角形」の断面形状のセルの開口面積は、「四角形」の断面形状のセルの開口面積よりも大きい。
Figure 0006144946
実施例1〜17および比較例1〜4のハニカムフィルタについて、[アイソスタティック強度]、[スス再生時によるクラック形成試験]、および[捕集効率低下率]の各評価を行った。各評価の評価方法を以下に示す。
[アイソスタティック強度]
アイソスタティック強度の測定は、社団法人自動車技術会発行の自動車規格(JASO規格)のM505−87で規定されているアイソスタティック破壊強度試験に基づいて行った。アイソスタティック破壊強度試験は、ゴムの筒状容器に、ハニカムフィルタを入れてアルミ製板で蓋をし、水中で等方加圧圧縮を行う試験である。即ち、アイソスタティック破壊強度試験は、缶体に、ハニカムフィルタが外周面把持される場合の圧縮負荷加重を模擬した試験である。このアイソスタティック破壊強度試験によって測定されるアイソスタティック強度は、ハニカムフィルタが破壊したときの加圧圧力値(MPa)で示される。結果を表1に示す。
[スス再生時によるクラック形成試験]
ハニカムフィルタにディーゼルエンジンから排出されたスートを各々7g/L捕集し、入口ガス温700℃、酸素濃度10%、排ガス流量0.7Nm/minの2.0L4気筒ディーゼルエンジンの排気ガスによりハニカムフィルタに堆積したスートを燃焼した。燃焼試験後、燃焼再生によるハニカムフィルタの損傷を実体顕微鏡により観察、クラックの状態を確認した。第1セル同士が繋がっているクラックが形成されている場合、表1中の「クラックの位置」の欄に「第1セル−第1セル」と示す。第2セル同士が繋がっているクラックが形成されている場合、表1中の「クラックの位置」の欄に「第2セル−第2セル」と示す。第1セルと第2セルとが繋がっているクラックが形成されている場合、表1中の「クラックの位置」の欄に「第1セル−第2セル」と示す。
[捕集効率低下率]
上記の「スス再生時によるクラック形成試験」の前および後の双方で、ハニカムフィルタの捕集効率を計測した。「スス再生時によるクラック形成試験」の後における捕集効率が、「スス再生時によるクラック形成試験」の前における捕集効率と比較して、低下しない(低下率0%)または低下率5%以下の場合には「A」、低下率5%超の場合には「B」と評価した。結果を表1に示す。
[総合判定]
「スス漏れ」が「無」かつ「捕集効率低下率」が「A」の場合を「良」と判定した。「スス漏れ」が「有」かつ「捕集効率低下率」が「A」の場合を「可」と判定した。「スス漏れ」が「有」かつ「捕集効率低下率」が「B」の場合を「不可」と判定した。実施例1〜17は、総合判定が「良」または「可」であった。これに対して、比較例1〜4は、いずれも総合判定が「不可」であった。
本発明は、排ガスに含まれる粒子状物質(PM)の捕集に使用可能なハニカムフィルタとして利用できる。
1,1a,1b:ハニカムセグメント、3:流入端面、5:流出端面、7:セル、9:隔壁、10:ハニカム構造部、11,11a〜11j:第1セル、15,15a〜15h:第2セル、17:凹部、19:目封止部、21:角部、23:R形状角部、25:外周領域、27:中心領域、31:外周壁、33:接合層、35:クラック、37:側壁、39:側面、50,50a〜50i:ハニカムフィルタ。

Claims (9)

  1. 流入端面から流出端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム構造部と、
    前記複数のセルのうちの所定のセルである第1セルの前記流入端面側の開口部および前記複数のセルのうちの残余のセルである第2セルの前記流出端面側の開口部を目封止する目封止部複数個と、を備え、
    前記第1セルと前記第2セルとが交互に配置され、
    前記ハニカム構造部の前記セルの延びる方向に垂直な断面において、前記複数のセルの断面は角部を有し、
    前記複数のセルの全個数のうちの20%以上の個数の前記セルの前記角部を形成する部分の前記隔壁の少なくとも1の角部には凹部を有し、
    前記第1セルを形成する前記隔壁の前記凹部は、隣接する前記第1セルに向けて形成し、前記第2セルを形成する前記隔壁の前記凹部は、隣接する前記第2セルに向けて形成するとともに、前記第1セルを形成する前記隔壁の前記凹部は、隣接する前記第2セルに向けて形成されず、前記第2セルを形成する前記隔壁の前記凹部は、隣接する前記第1セルに向けて形成されず、
    以下の(1)及び(2)の少なくとも一方の条件を満たすハニカムフィルタ。
    (1)前記凹部を有する前記隔壁により形成された前記第1セル(E)と、該第1セル(E)を形成する前記隔壁の前記凹部の凹む方向に隣接する他の前記第1セル(F)と、前記第1セル(E)と前記第1セル(F)とを結ぶ線に対して交差する位置で互いに隣接する一対の前記第2セル(e)と前記第2セル(f)との間において、
    前記第2セル(e)を形成する前記隔壁は前記第2セル(f)に向けて凹む前記凹部を有さず、かつ、前記第2セル(f)を形成する前記隔壁は前記第2セル(e)に向けて凹む凹部を有さない。
    (2)前記凹部を有する前記隔壁により形成された前記第2セル(g)と、該第2セル(g)を形成する前記隔壁の前記凹部の凹む方向に隣接する他の前記第2セル(h)と、前記第2セル(g)と前記第2セル(h)とを結ぶ線に対して交差する位置で互いに隣接する一対の前記第1セル(G)と前記第1セル(H)との間において、
    前記第1セル(G)を形成する前記隔壁は前記第1セル(H)に向けて凹む前記凹部を有さず、かつ、前記第1セル(H)を形成する前記隔壁は前記第1セル(G)に向けて凹む前記凹部を有さない。
  2. 前記凹部を有する前記隔壁により形成された前記第1セル(C)と、該第1セル(C)を形成する前記隔壁の前記凹部の凹む方向に隣接する他の前記第1セル(D)と、前記第1セル(C)と前記第1セル(D)とを結ぶ線に対して交差する位置で互いに隣接する一対の前記第2セル(c)と前記第2セル(d)との間で、
    前記ハニカム構造部の前記セルの延びる方向に垂直な断面において、前記第2セル(c)における前記第2セル(d)に最も近い位置にある前記角部および前記第2セル(d)における前記第2セル(c)に最も近い位置にある前記角部がともにR形状を有したR形状角部である請求項1に記載のハニカムフィルタ。
  3. 前記凹部を有する前記隔壁により形成された前記第1セル(E)と、該第1セル(E)を形成する前記隔壁の前記凹部の凹む方向に隣接する他の前記第1セル(F)と、前記第1セル(E)と前記第1セル(F)とを結ぶ線に対して交差する位置で互いに隣接する一対の前記第2セル(e)と前記第2セル(f)との間において、
    前記第2セル(e)を形成する前記隔壁は前記第2セル(f)に向けて凹む前記凹部を有さず、かつ、前記第2セル(f)を形成する前記隔壁は前記第2セル(e)に向けて凹む凹部を有さず、
    前記第1セル(E)を形成する前記隔壁の前記凹部から前記第1セル(F)までの前記隔壁の厚さXE−Fは、前記第2セル(e)と前記第2セル(f)との間の前記隔壁の厚さYe−fよりも小さい請求項1または2に記載のハニカムフィルタ。
  4. 前記隔壁の厚さXE−Fは、前記隔壁の厚さYe−fの0.5倍よりも大きく且つ前記隔壁の厚さYe−fの0.9倍よりも小さい請求項3に記載のハニカムフィルタ。
  5. 前記凹部を有する前記隔壁により形成された前記第2セル(g)と、該第2セル(g)を形成する前記隔壁の前記凹部の凹む方向に隣接する他の前記第2セル(h)と、前記第2セル(g)と前記第2セル(h)とを結ぶ線に対して交差する位置で互いに隣接する一対の前記第1セル(G)と前記第1セル(H)との間において、
    前記第1セル(G)を形成する前記隔壁は前記第1セル(H)に向けて凹む前記凹部を有さず、かつ、前記第1セル(H)を形成する前記隔壁は前記第1セル(G)に向けて凹む前記凹部を有さず、
    前記第2セル(g)を形成する前記隔壁の前記凹部から前記第2セル(h)までの前記隔壁の厚さYg−hは、前記第1セル(G)と前記第1セル(H)との間の前記隔壁の厚さXG−Hよりも小さい請求項1〜4のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。
  6. 前記隔壁の厚さYg−hは、前記隔壁の厚さXG−Hの0.5倍よりも大きく且つ前記隔壁の厚さXG−Hの0.9倍よりも小さい請求項5に記載のハニカムフィルタ。
  7. 前記ハニカム構造部の前記セルの延びる方向に垂直な断面において、
    前記ハニカム構造部の断面の重心から外周までの距離の50%以内の範囲の領域である中心領域と、前記中心領域の外周にある残余の領域である外周領域とを有し、
    前記中心領域に含まれる前記セルを形成する前記隔壁のみが前記凹部を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。
  8. 前記ハニカム構造部の前記セルの延びる方向に垂直な断面において、
    前記ハニカム構造部の断面の重心から外周までの距離の50%以内の範囲の領域である中心領域と、前記中心領域の外周にある残余の領域である外周領域とを有し、
    前記外周領域に含まれる前記セルを形成する前記隔壁のみが前記凹部を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。
  9. 前記第1セルを形成する前記隔壁は前記凹部を有し、かつ、前記第2セルを形成する前記隔壁は前記凹部を有さない請求項1〜8のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。
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