JP6068219B2 - ハニカムフィルタ - Google Patents

ハニカムフィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP6068219B2
JP6068219B2 JP2013063946A JP2013063946A JP6068219B2 JP 6068219 B2 JP6068219 B2 JP 6068219B2 JP 2013063946 A JP2013063946 A JP 2013063946A JP 2013063946 A JP2013063946 A JP 2013063946A JP 6068219 B2 JP6068219 B2 JP 6068219B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell
honeycomb
opening area
distance
honeycomb segment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013063946A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014188400A (ja
Inventor
有輝 神
有輝 神
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP2013063946A priority Critical patent/JP6068219B2/ja
Publication of JP2014188400A publication Critical patent/JP2014188400A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6068219B2 publication Critical patent/JP6068219B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、ハニカムフィルタに関する。さらに詳しくは、灰(アッシュ)、粒子状物質(PM)を大量に捕集することが可能であり、キャニング時における隔壁の破損を抑制可能なハニカムフィルタに関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関、または各種燃焼装置から排出される排ガスには煤を主体とする粒子状物質が多量に含まれている。この粒子状物質がそのまま大気中に放出されると環境汚染を引き起こすため、内燃機関等からの排ガス流路には、粒子状物質を捕集するためのフィルタが搭載されることが一般的である。
こうした排ガス浄化用のフィルタとしては、例えば、セルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造部と、セルの一方の端部を封止する複数の目封止部と、を備えた目封止ハニカム構造体を挙げることができる。
この目封止ハニカム構造体においては、目封止部を設けることにより、排ガスの通過過程において、排ガスが隔壁を通り抜けるというプロセスが組み込まれるようになる。この排ガスが隔壁を通り抜けるというプロセスにおいて、排ガスに含まれる粒子状物質が隔壁によって捕捉される。そのため、目封止ハニカム構造体によれば、排ガス中の粒子状物質を低減することが可能になる。
さらに、目封止ハニカム構造体に関しては、PMを大量に捕集するために、断面積の大きなセル(大断面積セル)と、断面積の小さなセル(小断面積セル)とを交互に配置するという工夫を施した改良型の目封止ハニカム構造体が報告されている(例えば、特許文献1)。さらに、この改良型の目封止ハニカム構造体では、大断面積セルにおいて流入側の端部を開口させかつ流出側の端部を封止し、小断面積セルにおいて流入側の端部を封止しかつ流出側の端部を開口させている。そのため、改良型の目封止ハニカム構造体では、大断面積セルに排ガスを流入させ、当該大断面積セルを取り囲む隔壁によってPMを捕集する。大断面積セルを取り囲む隔壁は、従来の目封止ハニカム構造体(同一断面積のセルから構成された目封止ハニカム構造体)での1個のセルを取り囲む隔壁と比べ、表面積が大きくなる。そのため、改良型の目封止ハニカム構造体では、多量のPMを捕集可能であり、また、PMを捕集した状況での圧力損失の増大も抑制可能である。
さらに、上述の改良型の目封止ハニカム構造体には、複数個のハニカムセグメントを接合させた目封止ハニカム接合体によって構造的強度を高めるという技術も提案されている。
国際公開第2004/024294号
ところが、上述の目封止ハニカム接合体における各ハニカムセグメントでは、大断面積セルと小断面積セルとを交互に繰り返し配置するという特殊な形態から、隔壁がジグザグに波打つ形状となる。そのため、目封止ハニカム接合体を缶体内に押圧しながら収納する(キャニングする)ことにより、目封止ハニカム接合体に対して側方から押しつぶす力が加わると、各ハニカムセグメントの外周部分の隔壁に破損が生じ易くなる。
上記の問題に鑑みて、本発明の目的は、多量の粒子状物質(PM)を捕集することが可能であり、隔壁の破損を抑制可能なハニカムフィルタに関する技術を提供することにある。
本発明は、以下に示すハニカムフィルタである。
[1] 流入端面から流出端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカムセグメント複数個と、前記ハニカムセグメントに形成された前記複数のセルのうちの所定のセルである第1セルの前記流入端面側の開口部および前記複数のセルのうちの残余のセルである第2セルの前記流出端面側の開口部を封止する目封止部複数個と、前記複数個のハニカムセグメントの平面である側面同士の少なくとも一部を接合する接合層と、を備え、前記ハニカムセグメントは、前記第1セルと前記第2セルとが交互に配置され、前記ハニカムセグメントの前記側面から第1列目〜第3列目に配置された前記セルを形作る外周領域と前記側面から第4列目以降に配置された前記セルを形作る中心領域とを有するとともに、前記中心領域においては、前記セルの延びる方向に垂直な断面において、前記第1セルの開口面積が前記第2セルの開口面積より小さく、前記外周領域においては、前記セルの延びる方向に垂直な断面において、前記第1セルの開口面積が前記第2セルの開口面積と等しいか又は小さく、前記外周領域において、前記第1セルを区画する隔壁のうちで前記ハニカムセグメントの前記側面から最も遠い部分から前記側面までの距離を距離Aとし、前記第2セルを区画する隔壁のうちで前記ハニカムセグメントの前記側面から最も遠い部分から前記側面までの距離を距離Aとし、前記中心領域において、前記第1セルを区画する隔壁のうちで前記ハニカムセグメントの前記側面から最も遠い部分から前記側面までの距離を距離Aとし、前記第2セルを区画する隔壁のうちで前記ハニカムセグメントの前記側面から最も遠い部分から前記側面までの距離を距離Aとする場合に、前記側面から同列目における前記距離Aと前記距離A1との差の値Bが、前記側面から同列目における前記距離Aと前記距離Aとの差の値Bよりも小さいハニカムフィルタ。
[2] 前記値Bがゼロである前記[1]に記載のハニカムフィルタ。
[3] 前記外周領域においては、前記第1セルの前記開口面積が前記第2セルの前記開口面積と等しい前記[1]または[2]に記載のハニカムフィルタ。
[4] 前記外周領域における前記第1セルの前記開口面積および前記第2セルの前記開口面積が、前記中心構造部における前記第1セルの前記開口面積以下である前記[1]〜[3]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
[5] 前記側面から第1列目のみにおいて、前記値Bがゼロである前記[1]に記載のハニカムフィルタ。
[6] 前記側面から第1列目のみにおいて、前記第1セルの前記開口面積が前記第2セルの前記開口面積と等しい前記[1]または[5]に記載のハニカムフィルタ。
[7] 前記側面から第1列目のみにおいて、前記第1セルの前記開口面積および前記第2セルの前記開口面積が、前記中心領域における前記第1セルの前記開口面積以下である前記[1],[5],[6]のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。
本発明のハニカムフィルタによれば、第1セルと比較して開口面積の大きいか又は等しい第2セルを取り囲む隔壁で粒子状物質を補足するため、多量の粒子状物質(PM)を捕集可能である。また、本発明のハニカムフィルタによれば、ハニカムセグメントの外周領域における距離Aと距離Aとの差の値Bが中心領域における距離Aと距離Aとの差の値Bよりも小さい。このことにより、本発明のハニカムフィルタでは、ハニカムセグメントの外周領域において隔壁のジグザグに波打つ振れ幅が小さくなる。その結果、本発明のハニカムフィルタによれば、ハニカムセグメントに対して側方から押しつぶす力が加わる時でも、隔壁の破損(一具体例としては隔壁の座屈)を抑制可能となる。
本発明のハニカムフィルタの一実施形態を示す斜視図である。 図1中に示されたハニカムフィルタに用いられているハニカムセグメントの斜視図である。 図2中に示されたハニカムセグメントの一部分の断面を表した模式図である。 本発明のハニカムフィルタの一実施形態を構成するハニカムセグメントについて流入端面の一部分を拡大して示した模式図である。 本発明のハニカムフィルタの他の実施形態を構成するハニカムセグメントについて流入端面の一部分を拡大して示した模式図である。 本発明のハニカムフィルタのさらに他の実施形態を構成するハニカムセグメントについて流入端面の一部分を拡大して示した模式図である。 本発明のハニカムフィルタのさらに他の実施形態を構成するハニカムセグメントについて流入端面の一部分を拡大して示した模式図である。 本発明のハニカムフィルタのさらに他の実施形態を構成するハニカムセグメントについて流入端面の一部分を拡大して示した模式図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
1.ハニカムフィルタ:
図1は、本発明の一実施形態のハニカムフィルタ50について流入端面3の側からみた斜視図である。図示されているように、本実施形態のハニカムフィルタ50は、複数個のハニカムセグメント1を備えている。さらに、本実施形態のハニカムフィルタ50では、複数個のハニカムセグメント1の平面である側面同士を接合層23を介して接合させている。また、本実施形態のハニカムフィルタ50では、複数個のハニカムセグメント1を接合させた接合体が円筒形状を有し、外周壁31が接合体の外周を取り囲んでいる。
図2は、図1中に示されたハニカムフィルタ50に用いられる1個のハニカムセグメント1の斜視図である。図3は、図2中に示されたハニカムセグメント1の一部分の断面[セルの延びる方向Z(以下、「Z方向」と簡略)に平行な断面]を表した模式図である。図示されているように、本実施形態のハニカムフィルタ50に用いられるハニカムセグメント1は、隔壁9を有し、この隔壁9によってハニカム構造が形作られている。すなわち、ハニカムセグメント1では、隔壁9が流入端面3から流出端面5まで延びる複数のセル7を区画形成している。ハニカムセグメント1では、外周が側壁33によって取り囲まれている。ハニカムセグメント1では、Z方向に垂直な断面において、側壁33がX方向に平行な一対の辺およびY方向(X方向およびZ方向に垂直な方向)に平行な一対の辺により構成された四角形の断面形状を呈する。そして、ハニカムセグメント1では、Z方向の両端において平らな面を形作っている。すなわち、ハニカムセグメント1では、Z方向の両端のうちの一方が流入端面3、他方が流出端面5となる。
さらに、図3に示されているように、ハニカムセグメント1では、複数のセル7が、第1セル11と第2セル15から構成され、第1セル11と第2セル15とが交互に配置されている。さらに、ハニカムセグメント1において、第1セル11は流入端面3側の開口部を目封止部19によって封止され、その一方で第2セル15は流出端面5側の開口部を目封止部19によって封止されている。
こうした目封止部19の配置態様によって、ハニカムセグメント1では、ガスGが流入端面3から第2セル15内に流入する。続いて、第2セル15の流出端面5側の端部が目封止部19によって塞がれているため、第2セル15内に流入したガスGは、当該第2セル15を取り囲む隔壁9を通り抜け、隣の第1セル11に流れていく。このとき、ガスGに含まれる粒子状物質(PM)が隔壁9によって捕捉されていく。そして、第1セル11に流入したガスGは、第1セル11の流出端面5側の開口部から排出される。
特に、ハニカムセグメント1では、Z方向に垂直な断面において、中心領域27で第1セル11の開口面積が第2セル15の開口面積より小さく、外周領域25で第1セル11の開口面積が第2セル15の開口面積と等しいか又は小さいという特徴を有する。
上述のような第1セル11および第2セル15の開口面積に関する特徴から、ハニカムセグメント1では、第2セル15を取り囲む隔壁9、換言すると、粒子状物質の捕捉を担う隔壁9の表面積が大きくなる。そのため、ハニカムセグメント1によれば、多量のPMを捕集可能であり、また、PMを捕集した状況での圧力損失も抑制可能である。ひいては、本実施形態のハニカムフィルタ50を用いると、上述のハニカムセグメント1を複数個備えているため、ガスG中に含まれている粒子状物質を大量に捕集し、ガスGを効果的に浄化可能である。
本明細書において「第1セル11の開口面積」とは、Z方向に垂直な断面における第1セル11の断面積を意味する。また、本明細書において「第2セル15の開口面積」とは、Z方向に垂直な断面における第2セル15の断面積を意味する。
本明細書において「中心領域27」とは、ハニカムセグメント1の側面21(側壁33の外側表面)から第4列目以降に配置されたセル7を形作る領域を意味する。また、本明細書において「外周領域25」とは、ハニカムセグメント1の側面21から第1列目から第3列目に配置されたセル7を形作る領域を意味する。
図4は、本発明のハニカムフィルタの一実施形態を構成するハニカムセグメント1aについて流入端面3の一部分を拡大して示した模式図である。図4に示されている部分は、図2中の枠αの部分に相当する。まずここで、ハニカムセグメント1aに関する説明に先立ち、図4を参照しつつ用語の定義をする。外周領域25において、第1セル11を区画する隔壁9のうちで側面21から最も遠い部分から側面21までの距離を距離Aとする。外周領域25において、第2セル15を区画する隔壁9のうちで側面21から最も遠い部分から側面21までの距離を距離Aとする。中心領域27において、第1セル11を区画する隔壁9のうちで側面21から最も遠い部分から側面21までの距離を距離Aとする。中心領域27において、第2セル15を区画する隔壁9のうちで側面21から最も遠い部分から側面21までの距離を距離Aとする。
ハニカムセグメント1aでは、側面21から同列目における距離Aと距離Aとの差の値Bが、側面21から同列目における距離Aと距離Aとの差の値Bよりも小さい。そのため、ハニカムセグメント1aでは、外周領域25においてX方向またはY方向に延びる隔壁9がジグザグに波打つ形状となり得るものの、その振れ幅が小さい。なお、外周領域25においてX方向またはY方向に延びる隔壁9とは、第1列目のセル7と第2列目のセル7との間、第2列目のセル7と第3列目のセル7との間、および第3列目のセル7と第4列目のセル7との間をそれぞれ隔てている隔壁9のことである。そのため、ハニカムセグメント1aに対して側方から押しつぶそうとする力が加わる場合であっても、外周領域25に存在する隔壁9に座屈が生じにくく、ひいては外周領域25における隔壁9の破損を抑制することが可能になる。図4を参照し述べると、ハニカムセグメント1aでは、例えば、第1セル11同士および第2セル15同士が交差する交点部35での隔壁9の屈曲が緩やかになる。そのため、ハニカムセグメント1aによれば、当該隔壁9にY方向に沿った圧縮応力が生じる場合でも、隔壁9がX方向に曲がって破損してしまうことが抑制される。
なお、ハニカムセグメント1aでは、セル7が側壁33の延びる方向に沿って、具体的には、X方向およびY方向に沿って並び、第1セル11の断面形状が八角形、第2セル15の断面形状が四角形となっている。なお、「第1セル11の断面形状が八角形」とは、X方向およびY方向に延びる4辺の長辺と長辺同士の間に介在する短辺とから構成される八角形のことである。「第2セル15の断面形状が四角形」とは、X方向およびY方向に延びる4辺から構成される四角形のことである。ハニカムセグメント1aでは、距離Aおよび距離Aは、Z方向に垂直な断面において、第1セル11を区画する隔壁9のうちの、Y方向に平行で側面21から遠い側の長辺に該当する部分から側面21までの距離となる。また、ハニカムセグメント1aにおいて、距離Aおよび距離Aは、Z方向に垂直な断面において、第2セル15を区画する隔壁9のうちの、Y方向に平行で側面21から遠い側の辺に該当する部分から側面21までの距離となる。
図5は、本発明のハニカムフィルタの他の実施形態を構成するハニカムセグメント1bについて流入端面3の一部分を拡大して示した模式図である。図5に示されている部分は、図2中の枠αの部分に相当する。ハニカムセグメント1bでは、値Bが値Bよりも小さく、かつ、側面21から同列目における距離Aと距離Aとが等しい(換言すると、値Bがゼロである)。このように値Bが値Bよりも小さくかつ値Bがゼロであることにより、ハニカムセグメント1bでは、外周領域25においてX方向またはY方向に延びる隔壁9が直線状に延びている。その結果として、ハニカムセグメント1bに対して側方から押しつぶそうとする力が加わる場合であっても、外周領域25に存在する隔壁9に座屈がより生じにくい。そのため、ハニカムセグメント1bによれば、外周領域25における隔壁9の破損をより確実に抑制することが可能になる。
さらに、図5に示されているように、ハニカムセグメント1bでは、外周領域25において、第1セル11の開口面積が第2セル15の開口面積と等しい。ハニカムセグメント1bでは、第1セル11および第2セル15がX方向およびY方向に沿って交互に並んでいる。さらに、ハニカムセグメント1bでは、外周領域25において第1セル11および第2セル15の断面形状が四角形となっている。そのため、ハニカムセグメント1bでは、外周領域25において、側面から中心に向かう方向に延びる隔壁9も直線状に延びている。その結果、ハニカムセグメント1bでは、外周領域25に存在する隔壁9に座屈がより一層確実に生じにくく、ひいては外周領域25における隔壁9の破損をより一層確実に抑制することが可能になる。
図6は、本発明のハニカムフィルタの他の実施形態を構成するハニカムセグメント1cについて流入端面3の一部分を拡大して示した模式図である。図6に示されている部分は、図2中の枠αの部分に相当する。ハニカムセグメント1cでは、外周領域25における第1セル11の開口面積および第2セル15の開口面積が、中心領域27における第1セル11の開口面積以下である。なお、ハニカムセグメント1cでは、中心領域27および外周領域25の双方において、セル密度は同じであり、また、セル7(第1セル11および第2セル15)がX方向およびY方向に沿って直線状に並んでいる。このような構成において、外周領域25における第1セル11の開口面積および第2セル15の開口面積が中心領域27における第1セル11の開口面積以下である場合、外周領域25における隔壁9の厚さは、中心領域27と比べて大きくなる。そのため、ハニカムセグメント1cに対して側方から押しつぶそうとする力が加わる場合であっても、外周領域25に存在する隔壁9に座屈がより生じにくい。すなわち、ハニカムセグメント1cによれば、外周領域25における隔壁9の破損をより確実に抑制することが可能になる。
図7は、本発明のハニカムフィルタのさらに他の実施形態を構成するハニカムセグメント1dについて流入端面3の一部分を拡大して示した模式図である。図7に示されている部分は、図2中の枠αの部分に相当する。ハニカムセグメント1dでは、値Bが値Bよりも小さく、かつ、側面21から第1列目のみにおいて距離Aと距離Aとが等しい(換言すると、値Bがゼロである)。このように値Bが値Bよりも小さくかつ側面21から第1列目のみにおいて値Bがゼロであることにより、ハニカムセグメント1dでは、第1列目のセル7と第2列目のセル7との間を隔てる隔壁9が直線状に延びている。その結果として、ハニカムセグメント1dに対して側方から押しつぶそうとする力が加わる場合であっても、外周領域25に存在する隔壁9に座屈がより生じにくく、ひいては外周領域25における隔壁9の破損をより確実に抑制することが可能になる。
加えて、ハニカムセグメント1dでは、側面21から第2列目および第3列目の第2セル15の開口面積が側面21から第1列目の第2セル15の開口面積よりも大きい。そのため、ハニカムセグメント1dによれば、上述のハニカムセグメント1bと比べて、第2列目および第3列目の第2セル15を取り囲む隔壁9で粒子状物質を多く捕集しつつも圧力損失の増大を抑制することが可能である。
さらに、ハニカムセグメント1dでは、側面21から第1列目のみにおいて第1セル11の開口面積が第2セルの開口面積と等しい。さらに、ハニカムセグメント1dでは、側面21から第1列目のみにおいて、第1セル11および第2セル15の断面形状が四角形となっている。ハニカムセグメント1dでは、側面21から第1列目のみにおいて第1セル11の開口面積が第2セルの開口面積と等しいことにより、最も破損が生じ易い最外周部分の隔壁9における座屈をより一層確実に抑制可能になる。
図8は、本発明のハニカムフィルタの他の実施形態を構成するハニカムセグメント1eについて流入端面3の一部分を拡大して示した模式図である。図8に示されている部分は、図2中の枠αの部分に相当する。ハニカムセグメント1eでは、側面21から第1列目のみにおいて、第1セル11の開口面積および第2セル15の開口面積が、中心領域27における第1セル11の開口面積以下である。なお、ハニカムセグメント1eでは、中心領域27および外周領域25の双方において、セル密度は同じであり、また、セル7(第1セル11および第2セル15)がX方向およびY方向に沿って直線状に並んでいる。このような構成において、側面21から第1列目のみにおいて、第1セル11の開口面積および第2セル15の開口面積が、中心領域27における第1セル11の開口面積以下である場合、上記の第1列目のセル7を囲む隔壁9の厚さは、他の部分と比べて大きくなる。そのため、ハニカムセグメント1eに対して側方から押しつぶそうとする力が加わる場合であっても、外周領域25に存在する隔壁9に座屈がより生じにくい。すなわち、ハニカムセグメント1eによれば、外周領域25における隔壁9の破損をより確実に抑制することが可能になる。
加えて、ハニカムセグメント1eでは、側面21から第2列目および第3列目の第2セル15の開口面積が側面21から第1列目の第2セル15の開口面積よりも大きい。そのため、ハニカムセグメント1eによれば、上述のハニカムセグメント1cと比べて、第2列目および第3列目の第2セル15を取り囲む隔壁9で粒子状物質を多く捕集しつつも圧力損失の増大を抑制することが可能である。
ハニカムセグメント1では、第1セル11および第2セル15の形状は、第1セル11の開口面積が第2セル15の開口面積に比して小さくなる形状であれよい。例えば、第1セル11および第2セル15の形状は、それぞれ、三角形、四角形、六角形、八角形等の多角形形状とすることができる。特に、第2セル15の形状を八角形として、第1セル11の形状を四角形とすることが好ましい(図4を参照)。この場合には、第2セル15の「隔壁9を隔てて第1セル11と隣接する4つの辺」の長さが、第1セル11の幅と同じ長さであることが更に好ましい(図4を参照)。このようにすると、ハニカムセグメント1の機械的強度を向上させることができる。
ハニカムセグメント1を構成する隔壁9の、Z方向に垂直な断面における厚さ(以下、単に、「隔壁9の厚さ」ということがある)は、少なくとも中心領域27においては基本的に均一なものとする。「基本的に均一」とは、成形時の変形等により、僅かに隔壁9の厚さに差異が生じた場合を除き、隔壁9の厚さが均一であることを意味する。例えば、ハニカムセグメント1を押出成形する口金(金型)のスリットを、スライサー加工により製造した場合に、上記均一な厚さの隔壁9が実現される。
隔壁9の厚さは、64〜508μmであることが好ましく、89〜483μmであることが更に好ましく、110〜381μmであることが特に好ましい。隔壁9の厚さを上記範囲とすることにより、ハニカムセグメント1の強度を維持し、初期の圧力損失の増加を更に抑制することができる。64μmより薄いと、ハニカムセグメント1の強度が低くなることがある。508μmより厚いと、ハニカムセグメント1の初期の圧力損失が高くなることがある。上記隔壁9の厚さは、第1セル11と第2セル15とを区画する部分における隔壁9の厚さのことである。
隔壁9の気孔率は、35〜70%であることが好ましく、40〜70%であることが更に好ましく、40〜68%であることが特に好ましい。隔壁9の気孔率を上記範囲とすることにより、ハニカムセグメント1の強度を維持し、初期の圧力損失の増加を更に抑制することができる。気孔率が35%より小さいと、ハニカムセグメント1の初期の圧力損失が高くなることがある。気孔率が70%より大きいと、ハニカムセグメント1の強度が低くなることがある。気孔率は、水銀ポロシメータによって測定した値である。
隔壁9の平均細孔径は、7〜30μmであることが好ましく、8〜27μmであることが更に好ましく、9〜25μmであることが特に好ましい。隔壁9の平均細孔径を上記範囲とすることにより、ハニカムセグメント1の強度を維持し、初期の圧力損失の増加を更に抑制することができる。平均細孔径が7μmより小さいと、ハニカムセグメント1の初期の圧力損失が高くなることがある。平均細孔径が30μmより大きいと、アッシュ、微粒子状物質の捕集性能が低下することがある。平均細孔径は、水銀ポロシメータによって測定した値である。
ハニカムセグメント1のセル密度は、特に制限されないが、15〜62個/cmであることが好ましく、31〜56個/cmであることが更に好ましい。セル密度が上記範囲であると、ハニカムセグメント1の強度を保ちつつ圧力損失を低く抑えることができる。セル密度が15個/cmより小さいと、ハニカムセグメント1の強度が低下するため、キャニング時に破壊してしまうおそれがある。セル密度が62個/cmより大きいと、初期圧力損失が高くなりすぎるため、エンジン出力が低下したり、燃費が悪くなったりするおそれがある。本明細書において「セル密度」とは、Z方向に垂直な断面における単位面積当たり(1cm当たり)のセル7の個数を意味する。
隔壁9の材料としては、セラミックが好ましく、強度及び耐熱性に優れることより、コージェライト、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、ムライト、アルミナ、チタン酸アルミニウム、窒化珪素、及び炭化珪素−コージェライト系複合材料からなる群から選択される少なくとも1種が更に好ましい。
目封止部19の材料としては、隔壁9の材料と同じものを挙げることができ、隔壁9の材料と同じものを用いることが好ましい。
ハニカムセグメント1は、Z方向の長さLが50〜381mmであることが好ましく、70〜330mmであることが更に好ましく、100〜305mmであることが特に好ましい。上記範囲とすることにより、各種エンジンからのPM排出量に応じた捕集容積を限られたスペースの範囲で確保できる。
ハニカムセグメント1は、Z方向に直交する断面における幅W(X方向およびY方向における幅)が25〜50mmであることが好ましく、30〜45mmであることが更に好ましく、33〜43mmであることが特に好ましい。上記範囲とすることにより、各種エンジンからのPM排出量に応じた捕集容積を限られたスペースの範囲で確保できる。
ハニカムセグメント1は、上記長さL/上記幅Wの値が1.0〜12.0であることが好ましく、1.3〜8.5であることが更に好ましく、1.3〜7.3であることが特に好ましい。上記範囲とすることにより、リングクラックを抑制することができる。
接合層23は、複数個のハニカムセグメント1を接合して一体化するための接合材からなるものである。
接合層23の実際の厚さについては、ハニカムセグメント1の形状、複数個のハニカムセグメント1の配列などによって、適宜決定される。
また、接合層23は、ハニカムセグメント1の流入端面3から流出端面5まで配設されていることが好ましい。
接合層23の材料については特に制限はないが、例えば、炭化珪素、アルミナ、窒化珪素、等のセラミック粒子を、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナにより結合した材料等を好適例として挙げることができる。このような材料を用いることによって、ハニカムフィルタ50に生じる熱応力を良好に低減することができる。また、このような材料を用いることにより、接合層23が、ハニカムフィルタ50に負荷がかかったときの緩衝材としての役割も果たす。
また、接合層23としては、熱膨張係数が、2.0×10−6/K以上、4.0×10−6/K以下であることが好ましい。また、接合層23のヤング率は、0.01GPa以下であることが好ましい。熱膨張係数は、接合層23の40℃から800℃における熱膨張係数とする。
ハニカムフィルタ50を構成するハニカムセグメント1の個数についても特に制限はない。例えば、図1に示すハニカムフィルタ50は、円筒形状の外観を備えたものであり、16個のハニカムセグメント1を備えたものである。このハニカムフィルタ50においては、4個のハニカムセグメント1が完全セグメントであり、この完全セグメントが、Z方向に直交する断面において、縦2個×横2個の配列で並んだ状態になっている。また、上記4個の完全セグメントの外周(Z方向に直交する断面における外周)に位置する12個のハニカムセグメント1が、不完全セグメントである。不完全セグメントの形状は、Z方向に直交する断面形状の一部に、ハニカムフィルタ50の外周形状に対応した形状(例えば、円弧部分)を有する。
例えば、図1に示されている、円筒形状の外観を有するハニカムフィルタ50については、まず、16個の完全セグメントを縦4個×横4個にて配置して接合してハニカムセグメント接合体を作製する。次いで、ハニカムセグメント接合体の外周を円形の断面形状となるように研削し、外周をコート材(外周壁31の材料)でコートすることにより、得ることが可能である。このとき、一部を研削されたハニカムセグメント1が不完全セグメントとなる。
2.ハニカムフィルタの製造方法:
次に、本実施形態のハニカムフィルタを製造する方法について説明する。まず、ハニカムセグメントを作製するための坏土を調製し、この坏土を成形して、複数個のハニカムセグメントの成形体を作製する(成形工程)。得られたハニカムセグメントの成形体を、乾燥して、ハニカムセグメントの乾燥体を得ることが好ましい。
次に、得られたハニカムセグメントの成形体(或いは、必要に応じて行われた乾燥後のハニカムセグメントの乾燥体)を焼成してハニカムセグメントを作製する(ハニカムセグメント作製工程)。
次に、得られた各ハニカムセグメントの流入端面における所定のセル(第1セル)の開口部、及び流出端面における残余のセル(第2セル)の開口部に目封止を施して、目封止部を形成する(目封止工程)。
次に、得られた各ハニカムセグメントを接合材で接合して、ハニカムセグメント接合体(ハニカムフィルタ)を作製する(ハニカムセグメント接合工程)。即ち、複数個のハニカムセグメントが、互いの側面同士が対向するように隣接して配置されるとともに、対向する側面同士が接合材により接合されたハニカムセグメント接合体(ハニカムフィルタ)を作製する。接合させるハニカムセグメントの個数は、作製しようとするハニカムフィルタの大きさに合わせた個数であることが好ましい。接合材は、ハニカムセグメントが熱膨張、熱収縮したときに、体積変化分を緩衝する(吸収する)役割を果たすとともに、各ハニカムセグメントを接合する役割を果たす。この接合材が、本実施形態のハニカムフィルタにおける接合層となる。
また、接合体を形成した後、接合体の外周部分を切削して所望の形状にすることが好ましい。本実施形態のハニカムフィルタを製造する場合には、最外周に位置するハニカムセグメントが切削されるようにして、軸方向に垂直な断面における形状が円形、楕円形、レーストラック形状になるように、接合体の外周部分を切削することが好ましい。
このようにして本実施形態のハニカムフィルタを製造することができる。以下、各製造工程について更に詳細に説明する。
2−1.成形工程:
まず、成形工程においては、セラミック原料を含有するセラミック成形原料を成形して、流体の流路となる複数のセルを区画形成するハニカム成形体を形成する。
セラミック成形原料に含有されるセラミック原料としては、炭化珪素(SiC)、珪素−炭化珪素系複合材料、窒化珪素、コージェライト化原料、コージェライト、ムライト、アルミナ、チタニア、炭化珪素、チタン酸アルミニウムなどを挙げることができる。そして、炭化珪素(SiC)、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト化原料、コージェライト、ムライト、アルミナ、チタニア、炭化珪素、及びチタン酸アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。なお、「珪素−炭化珪素系複合材料」とは、炭化珪素(SiC)を骨材としてかつ珪素(Si)を結合材として形成されたものである。「コージェライト化原料」とは、シリカが42〜56質量%、アルミナが30〜45質量%、マグネシアが12〜16質量%の範囲に入る化学組成となるように配合されたセラミック原料であって、焼成されてコージェライトになるものである。
また、このセラミック成形原料は、上記セラミック原料に、分散媒、有機バインダ、無機バインダ、造孔材、界面活性剤等を混合して調製することが好ましい。各原料の組成比は、特に限定されず、作製しようとするハニカム構造部の構造、材質等に合わせた組成比とすることが好ましい。
セラミック成形原料を成形する際には、まず成形原料を混練して坏土とし、得られた坏土をハニカム形状に成形することが好ましい。成形原料を混練して坏土を形成する方法としては特に制限はなく、例えば、ニーダー、真空土練機等を用いる方法を挙げることができる。坏土を成形してハニカム成形体を形成する方法としては特に制限はなく、押出成形、射出成形等の従来公知の成形方法を用いることができる。例えば、所望のセル形状、隔壁厚さ、セル密度を有する口金を用いて押出成形してハニカム成形体を形成する方法等を好適例として挙げることができる。口金の材質としては、摩耗し難い超硬合金が好ましい。
また、上記成形後に、得られたハニカム成形体を乾燥してもよい。乾燥方法は、特に限定されるものではないが、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等を挙げることができ、なかでも、誘電乾燥、マイクロ波乾燥又は熱風乾燥を単独で又は組合せて行うことが好ましい。
2−2.ハニカムセグメント作製工程:
次に、得られたハニカム成形体を焼成してハニカムセグメントを得る。なお、ハニカム成形体の焼成は、ハニカム成形体に目封止部を配設した後に行ってもよい。
また、ハニカム成形体を焼成(本焼成)する前には、そのハニカム成形体を仮焼することが好ましい。仮焼は、脱脂のために行うものであり、その方法は、特に限定されるものではなく、中の有機物(有機バインダ、分散媒、造孔材等)を除去することができればよい。一般に、有機バインダの燃焼温度は100〜300℃程度、造孔材の燃焼温度は200〜800℃程度であるので、仮焼の条件としては、酸化雰囲気において、200〜1000℃程度で、3〜100時間程度加熱することが好ましい。
ハニカム成形体の焼成(本焼成)は、仮焼した成形体を構成する成形原料を焼結させて緻密化し、所定の強度を確保するために行われる。焼成条件(温度、時間、雰囲気)は、成形原料の種類により異なるため、その種類に応じて適当な条件を選択すればよい。例えば、コージェライト化原料を使用している場合には、焼成温度は、1410〜1440℃が好ましい。また、焼成時間は、最高温度でのキープ時間として、4〜6時間が好ましい。
なお、ハニカム構造部が複数個のハニカムセグメントからなる場合、複数のハニカム成形体または焼成後のハニカム成形体を、互いの側面同士が対向するように隣接して配置された状態で接合材によって接合する。接合材としては、従来公知の接合材を用いることができる。
2−3.目封止工程:
次に、ハニカムセグメントの第1セルの流入端面側の端部と残余の第2セルの流出端面側の端部とに、目封止材料を充填して、目封止部を形成する。
ハニカムセグメントに目封止材料を充填する際には、例えば、まず、流入端面側の端部に目封止材料を充填し、その後、流出端面側の端部に目封止材料を充填する。端部に目封止材料を充填する方法としては、以下のマスキング工程と圧入工程とを有する方法を挙げることができる。マスキング工程は、ハニカムセグメントの一方の端面(例えば、流入端面)にシートを貼り付け、シートにおける、「目封止部を形成しようとするセル」と重なる位置に孔を開ける工程である。圧入工程は、「ハニカム構造部の、シートが貼り付けられた側の端部」を目封止材料が貯留された容器内に圧入して、目封止材料をハニカムセグメントのセル内に圧入する工程である。目封止材料をハニカムセグメントのセル内に圧入する際には、目封止材料は、シートに形成された孔を通過し、シートに形成された孔と連通するセルのみに充填される。
次に、ハニカムセグメントに充填された目封止材料を乾燥させて、目封止部を形成し、目封止ハニカムセグメントを得る。なお、ハニカムセグメントの両端部に目封止材料を充填した後に、目封止材料を乾燥させてもよいし、ハニカムセグメントの一方の端部に充填した目封止材料を乾燥させた後に、他方の端部に目封止材料を充填し、その後、他方の端部に充填した目封止材料を乾燥させてもよい。更に、目封止材料を、より確実に固定化する目的で、焼成してもよい。また、乾燥前のハニカム成形体又は乾燥後のハニカム成形体に目封止材料を充填し、乾燥前のハニカム成形体又は乾燥後のハニカム成形体と共に、目封止材料を焼成してもよい。
2−4.ハニカムセグメント接合工程:
次に、得られた各ハニカムセグメントを接合材で接合して、複数個のハニカムセグメントが、互いの側面同士を対向するように隣接して配置されるとともに、対向する側面同士が接合層により接合されたハニカムセグメント接合体を作製する。
ハニカムセグメントは、接合材を用いて接合されることが好ましい。接合材をハニカムセグメントの側面に塗布する方法は、特に限定されず、刷毛塗り等の方法を用いることができる。
接合材としては、無機繊維、コロイダルシリカ、粘土、SiC粒子等の無機原料に、有機バインダ、発泡樹脂、分散剤等の添加材を加えたものに水を加えて混練したスラリー等を挙げることができる。
ハニカムセグメントの側面同士を接合する接合材が、作製されるハニカムフィルタにおける接合層となる。
複数個のハニカムセグメントを接合材によって接合した後、得られたハニカムセグメントの接合体の外周部分を切削して所望の形状にすることが好ましい。また、ハニカムセグメントを接合し、ハニカムセグメントの接合体の外周部分を切削した後に、その外周部分に外周コート材を配設して、ハニカムフィルタを作製することが好ましい。この外周コート材が、ハニカムフィルタの外周壁となる。このような外周壁を配設することにより、ハニカムフィルタの真円度が向上する等の利点がある。
このように構成することによって、本実施形態のハニカムフィルタを製造することができる。但し、本実施形態のハニカムフィルタの製造方法は、上述した製造方法に限定されることはない。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
セラミック原料として、炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末とを80:20の質量割合で混合したものを用いた。そして、これに、バインダとしてヒドロキシプロピルメチルセルロース、造孔材として吸水性樹脂を添加するとともに、水を添加して成形原料を作製した。得られた成形原料を、ニーダーを用いて混練して、坏土を得た。
次に、得られた坏土を、真空押出成形機を用いて成形し、隔壁によって複数のセルが区画形成されたハニカムセグメントの成形体を複数個作製した。
次に、得られたハニカムセグメントの成形体を高周波誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥した。なお、乾燥時には、ハニカムセグメントの成形体の流出端面が、鉛直下向きになるように配置して乾燥を行った。
乾燥後のハニカムセグメントの成形体に、目封止部を形成した。まず、ハニカムセグメントの成形体の流入端面側のセルの開口部に、マスクを施した。このとき、開口部を完全にマスクで覆われたセルと、開口部を完全にはマスクで覆われていないセルとが交互に並ぶようにした。そして、ハニカムセグメントの成形体のマスクを施した側の端部を目封止スラリー(目封止材料)に浸漬して、マスクが施されていないセルの開口部に目封止スラリーを充填した。そして、乾燥後のハニカムセグメントの成形体の流出端面における残りのセル(即ち、流入端面において目封止部を形成していないセル)についても、同様にして、目封止部を形成した。
そして、目封止部を形成したハニカムセグメントの成形体を脱脂し、焼成して、目封止部がセルの開口部に配設されたハニカムセグメントを得た。脱脂の条件は、550℃で3時間とした。焼成の条件は、アルゴン雰囲気下で、1450℃、2時間とした。なお、焼成時には、ハニカムセグメントの成形体の流出端面が、鉛直下向きになるように配置して焼成を行った。
得られたハニカムセグメントは、中心領域における隔壁厚さが317.5μmであり、セル密度が46.5個/cmであった。また、ハニカムセグメントは四角柱形状(41.5mm×41.5mmの正方形の断面形状)であった。また、側面から第2列目以降において、第1セルの断面形状は正方形、第2セルの断面形状は、八角形(X方向およびY方向に延びる4辺の長辺と長辺同士の間に介在する短辺で囲まれる八角形)であった(図4を参照)。中心領域における第2セルの開口面積と第1セルの開口面積の比は1.7であった。さらに、実施例1のハニカムセグメントに関し、「(「加工セル範囲」の)外周領域における第2セルの開口面積と第1セルの開口面積の比(第2セルの開口面積/第1セルの開口面積の比)」、「値B」、「値B」、「側面からの第3列目までのセルの列のうちで距離Aと距離Aの差が表1に示した値Bとなる列数(加工セル範囲)」を表1に示す。
Figure 0006068219
上述のハニカムセグメントを16個作製した。そして、16個のハニカムセグメントが、4個×4個の並びになるようにして、接合材で接合し、接合材を乾燥させてハニカムセグメントの接合体を得た。乾燥させた接合材が、接合層となる。接合材をハニカムセグメントの側面に塗布する際には、接合層の厚さが1.0mmとなるようにした。
次に、ハニカムセグメントの接合体を、その全体形状が円筒形状となるように、外周を研削加工した。その後、研削加工したハニカムセグメントの接合体の外周に、セラミック材料を塗工して外周壁を形成し、ハニカムフィルタを得た。ハニカムフィルタのZ方向に垂直な断面の形状は、直径が165.0mmの円形であった。また、ハニカムフィルタのZ方向の長さは140.5mmであった。
(実施例2〜6)
実施例2〜6のハニカムフィルタについては、各条件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に作製した。
(比較例1)
値Bと値Bがともに0.17mmで、第1セルの断面形状が正方形、第2セルの断面形状が八角形(X方向およびY方向に延びる4辺の長辺と長辺同士の間に介在する短辺で囲まれる八角形)(図4を参照)、全領域において第2セルの開口面積と第1セルの開口面積の比(第2セルの開口面積/第1セルの開口面積の比)が1.7とし、かつ値Bと値Bとを等しくした以外は、実施例1と同じ方法によってハニカムフィルタを得た。
実施例1〜6および比較例1のハニカムフィルタについて、[アイソスタティック強度]および[圧力損失]の各評価を行った。各評価の評価方法を以下に示す。
[アイソスタティック強度]
アイソスタティック強度の測定は、社団法人自動車技術会発行の自動車規格(JASO規格)のM505−87で規定されているアイソスタティック破壊強度試験に基づいて行った。アイソスタティック破壊強度試験は、ゴムの筒状容器に、ハニカムフィルタを入れてゴム製板で蓋をし、水中で等方加圧圧縮を行う試験である。即ち、アイソスタティック破壊強度試験は、缶体に、ハニカムフィルタが外周面把持される場合の圧縮負荷加重を模擬した試験である。このアイソスタティック破壊強度試験によって測定されるアイソスタティック強度は、ハニカムフィルタが破壊したときの加圧圧力値(MPa)で示される。実施例1〜6については、比較例1のハニカムフィルタのアイソスタティック強度を基準(100%)とした場合の増減(%)(例えば、110%の場合には+10%)を表1に示す。
[圧力損失(kPa)の測定]:
圧力損失は、空気を供給したときの圧力損失を測定した。圧力損失の測定に際しては、まず、作製したハニカムフィルタを収納缶内に収納して排ガス浄化システムを得た。次に、この排ガス浄化システムに、空気を所定の流量で供給した。この場合における圧力損失を測定した。
実施例1〜6の圧力損失に関しては、空気の流量を「10Nm/分」としたときの比較例1の圧力損失を基準(100%)とした場合の増減(%)(例えば、110%の場合には+10%)を表1に示す。
[考察]
実施例1〜6のハニカムフィルタは、比較例1のハニカムフィルタと比較して、アイソスタティック強度が増加し、圧力損失の増大を16%以下に抑えることが可能であった。
本発明は、ディーゼルエンジン等の内燃機関、または各種燃焼装置から排出される排ガスの浄化するためのフィルタとして利用できる。
1,1a〜1e:ハニカムセグメント、3:流入端面、5:流出端面、7:セル、9:隔壁、11:第1セル、13:(第1セルの)開口部、15:第2セル、17:(第2セルの)開口部、19:目封止部、21:側面、23:接合層、25:外周領域、27:中心領域、31:外周壁、33:側壁、35:交点部、50:ハニカムフィルタ。

Claims (7)

  1. 流入端面から流出端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカムセグメント複数個と、
    前記ハニカムセグメントに形成された前記複数のセルのうちの所定のセルである第1セルの前記流入端面側の開口部および前記複数のセルのうちの残余のセルである第2セルの前記流出端面側の開口部を封止する目封止部複数個と、
    前記複数個のハニカムセグメントの平面である側面同士の少なくとも一部を接合する接合層と、を備え、
    前記ハニカムセグメントは、前記第1セルと前記第2セルとが交互に配置され、前記ハニカムセグメントの前記側面から第1列目〜第3列目に配置された前記セルを形作る外周領域と前記側面から第4列目以降に配置された前記セルを形作る中心領域とを有するとともに、
    前記中心領域においては、前記セルの延びる方向に垂直な断面において、前記第1セルの開口面積が前記第2セルの開口面積より小さく、
    前記外周領域においては、前記セルの延びる方向に垂直な断面において、前記第1セルの開口面積が前記第2セルの開口面積と等しいか又は小さく、
    前記外周領域において、前記第1セルを区画する隔壁のうちで前記ハニカムセグメントの前記側面から最も遠い部分から前記側面までの距離を距離Aとし、前記第2セルを区画する隔壁のうちで前記ハニカムセグメントの前記側面から最も遠い部分から前記側面までの距離を距離Aとし、前記中心領域において、前記第1セルを区画する隔壁のうちで前記ハニカムセグメントの前記側面から最も遠い部分から前記側面までの距離を距離Aとし、前記第2セルを区画する隔壁のうちで前記ハニカムセグメントの前記側面から最も遠い部分から前記側面までの距離を距離Aとする場合に、前記側面から同列目における前記距離Aと前記距離Aとの差の値Bが、前記側面から同列目における前記距離Aと前記距離Aとの差の値Bよりも小さいハニカムフィルタ。
  2. 前記値Bがゼロである請求項1に記載のハニカムフィルタ。
  3. 前記外周領域においては、前記第1セルの前記開口面積が前記第2セルの前記開口面積と等しい請求項1または2に記載のハニカムフィルタ。
  4. 前記外周領域における前記第1セルの前記開口面積および前記第2セルの前記開口面積が、前記中心領域における前記第1セルの前記開口面積以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。
  5. 前記側面から第1列目のみにおいて、前記値Bがゼロである請求項1に記載のハニカムフィルタ。
  6. 前記側面から第1列目のみにおいて、前記第1セルの前記開口面積が前記第2セルの前記開口面積と等しい請求項1または5に記載のハニカムフィルタ。
  7. 前記側面から第1列目のみにおいて、前記第1セルの前記開口面積および前記第2セルの前記開口面積が、前記中心領域における前記第1セルの前記開口面積以下である請求項1,5,6のいずれか1項に記載のハニカムフィルタ。
JP2013063946A 2013-03-26 2013-03-26 ハニカムフィルタ Active JP6068219B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013063946A JP6068219B2 (ja) 2013-03-26 2013-03-26 ハニカムフィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013063946A JP6068219B2 (ja) 2013-03-26 2013-03-26 ハニカムフィルタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014188400A JP2014188400A (ja) 2014-10-06
JP6068219B2 true JP6068219B2 (ja) 2017-01-25

Family

ID=51835300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013063946A Active JP6068219B2 (ja) 2013-03-26 2013-03-26 ハニカムフィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6068219B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1502640B1 (en) * 2002-09-13 2013-03-20 Ibiden Co., Ltd. Honeycomb structure
JP5231305B2 (ja) * 2009-03-27 2013-07-10 日本碍子株式会社 ハニカム構造体及び接合型ハニカム構造体
JP6110751B2 (ja) * 2012-08-13 2017-04-05 日本碍子株式会社 目封止ハニカム構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014188400A (ja) 2014-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5894577B2 (ja) 目封止ハニカム構造体
JP5916713B2 (ja) 目封止ハニカム構造体
JP5916714B2 (ja) 目封止ハニカム構造体及び排ガス浄化装置
JP6110751B2 (ja) 目封止ハニカム構造体
JP6251078B2 (ja) ハニカム構造体
JP6059936B2 (ja) ハニカムフィルタ
WO2005079165A2 (ja) ハニカム構造体及び排気ガス浄化装置
US9217344B2 (en) Honeycomb filter
US10918988B2 (en) Honeycomb filter
JP6110750B2 (ja) 目封止ハニカム構造体
JP5351678B2 (ja) ハニカム構造体
JP5877740B2 (ja) 接合型ハニカムフィルタ
JP6144946B2 (ja) ハニカムフィルタ
JP6084497B2 (ja) ハニカムフィルタ
JP6068219B2 (ja) ハニカムフィルタ
JP2014180600A (ja) ハニカムフィルタ
JP5261526B2 (ja) 目封止ハニカム構造体
JP7472911B2 (ja) セラミックハニカムフィルタ
JP5261527B2 (ja) 目封止ハニカム構造体
JP2016175789A (ja) ハニカム構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6068219

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150