以下図面を用いて、発明を実施するための最良の形態(以下、これを実施の形態とも呼ぶ)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
(1)第1の実施の形態
(2)第2の実施の形態
(3)他の実施の形態
(1)第1の実施の形態
(1−1)現金自動預払機の外観構成
図1は、第1の実施の形態による現金自動預払機の外観構成を示す。係る現金自動預払機1は、長方形の紙幣の種々のサイズ(すなわち、長辺の長さや短辺の長さ)のうち、最も大きなサイズを基準にし、また必要に応じて他のサイズも考慮して各部を構成することにより、サイズの異なる紙幣を何れも取り扱い得るように構成されている。
因みに、以下の説明では、現金自動預払機1で取り扱うことが可能な種々のサイズの紙幣を、取扱可能紙幣とも呼び、当該現金自動預払機1が取扱可能紙幣の中で実際に入金及び出金用に取り扱う紙幣を、単に紙幣とも呼ぶ。
現金自動預払機1は、上前隅部が切り欠かれたような略L字箱型の筐体(以下、これを預払機筐体とも呼ぶ)2を有している。
因みに、以下の説明では、現金自動預払機1を、預払機筐体2の切欠部分の下側となる前面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印a1で示す左の方向を、預払機左方向とも呼び、当該預払機左方向とは逆の方向を、預払機右方向とも呼ぶ。
そして、以下の説明では、預払機左方向及び預払機右方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて預払機左右方向とも呼ぶ。
また、以下の説明では、現金自動預払機1を、預払機筐体2の前面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印b1で示す上の方向を、預払機上方向とも呼び、当該預払機上方向とは逆の方向を、預払機下方向とも呼ぶ。
そして、以下の説明では、預払機上方向及び預払機下方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて預払機上下方向とも呼ぶ。
さらに、以下の説明では、現金自動預払機1を、預払機筐体2の前面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印c1で示す手前の方向を、預払機前方向とも呼び、当該預払機前方向とは逆の方向を、預払機後方向とも呼ぶ。
そして、以下の説明では、預払機前方向及び預払機後方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて預払機前後方向とも呼ぶ。
預払機筐体2は、前面2Aの上側の切欠部分に、接客用の略L字状のパネル(以下、これを接客パネルとも呼ぶ)3が設けられている。
接客パネル3において表面が上側を向く上向パネル3Aは、例えば、その表面の左後端部に、顧客に入金用の硬貨を投入させ、また出金用の硬貨を取り出させるための硬貨投入取出口(以下、これを硬貨口とも呼ぶ)3AXが形成されている。
また上向パネル3Aは、例えば、その表面の右後端部に、顧客に入金用の紙幣を投入させ、また出金用の紙幣を取り出させるための紙幣投入取出口(以下、これを紙幣口とも呼ぶ)3AYが形成されている。
さらに上向パネル3Aは、例えば、その表面の中央前端部に、取引の手順を案内するための種々の取引手順案内画像の表示及び表面へのタッチ操作が可能なタッチスクリーン4が配置されている。
因みに、預払機筐体2は、上向パネル3Aの裏面の左後端部に、硬貨口3AX用のシャッタ(以下、これを硬貨口用シャッタとも呼ぶ)5を有するシャッタ開閉部が配置されている。
また預払機筐体2は、上向パネル3Aの裏面の右後端部に、紙幣口3AY用のシャッタ(以下、これを紙幣口用シャッタとも呼ぶ)6を有するシャッタ開閉部が配置されている。
なお、接客パネル3において表面が前側を向く前向パネル3Bは、例えば、その表面の中央部に、通帳挿入排出口7とカード挿入排出口8とが形成されている。
現金自動預払機1は、係る構成のもと、タッチスクリーン4に取引手順案内画像を表示すると共に、顧客によるタッチスクリーン4の表面へのタッチ操作に応じて、当該タッチスクリーン4に表示する取引手順案内画像を適宜切り換える。
そして現金自動預払機1は、タッチスクリーン4に適宜切り換えて表示する取引手順案内画像によって、顧客に硬貨や紙幣の預け入れのような入金や、硬貨や紙幣の払い出しのような出金等の所望の取引の手順を案内する。
これにより現金自動預払機1は、顧客に取引の手順の案内に従って、入金の際には顧客に取引の手順の案内に従って、硬貨口3AXや紙幣口3AYに入金用の硬貨や紙幣を投入させる。
また現金自動預払機1は、出金の際には顧客に取引の手順の案内に従って、硬貨口3AXや紙幣口3AYから出金用の硬貨や紙幣を取り出させる。
このようにして現金自動預払機1は、顧客が所望する現金(すなわち、硬貨や紙幣)の入金や出金等の取引を行うことができる。
(1−2)現金自動預払機の内部構成
次いで、現金自動預払機1の内部構成について説明する。因みに、以下には、現金自動預払機1の内部構成として便宜上、現金としての紙幣の入金及び出金に関する構成について説明し、現金としての硬貨の入金及び出金に関する構成については説明を省略する。
図2に示すように、現金自動預払機1の預払機筐体2は、上向パネル3Aの位置よりも下側の左下端部に、当該現金自動預払機1全体を統括制御する制御ユニット10が収納されている。
また預払機筐体2は、上向パネル3Aの位置よりも下側の右下端部に、制御ユニット10の制御のもと、紙幣の入金処理及び出金処理を実行する紙幣処理ユニット11が収納されている。
図3に示すように、紙幣処理ユニット11は、略箱型の筐体(以下、これをユニット筐体とも呼ぶ)12を有している。
ユニット筐体12内には、上述した紙幣口用シャッタ6を有するシャッタ開閉部13の真下となる例えば上前隅部に、紙幣口3AYを介して顧客から入金用の紙幣を受け取り、また顧客に出金用の紙幣を引き渡すための紙幣受渡部14が配置されている。
またユニット筐体12内には、例えば、紙幣受渡部14の後斜め下に、紙幣の金種や状態等を鑑別するための鑑別部15が配置されている。
さらにユニット筐体12内には、例えば、鑑別部15の後斜め上に、入金時に紙幣を保持して、その入金を一時的に保留するための一時保留部16が配置されている。
さらにユニット筐体12内には、例えば、一時保留部16の下に、破損している紙幣や折れ曲がっている紙幣等のような異常な紙幣を収納するための紙幣収納庫17が収納されている。
因みに、以下の説明では、破損している紙幣や折れ曲がっている紙幣等のような異常な紙幣を、適宜、入金用及び出金用の紙幣とは区別してリジェクト紙幣とも呼ぶ。
また、以下の説明では、リジェクト紙幣を収納するための紙幣収納庫17を、特にリジェクト庫17とも呼ぶ。
さらにまたユニット筐体12内には、例えば、下端部(すなわち、紙幣受渡部14、鑑別部15及びリジェクト庫17の下側)に、入出金用の複数の紙幣を金種別に収納する(すなわち、それぞれ特定の1金種の紙幣を収納する)ための複数の紙幣収納庫18乃至22が前から後へ順に並べるようにして着脱可能に装着されている。
これに加えてユニット筐体12内には、上前端部において紙幣受渡部14と鑑別部15との間に、搬送ガイドや搬送ローラ等の複数種類の搬送路形成部品を有する搬送部(以下、これを前側搬送部とも呼ぶ)25が配置されている。
そして前側搬送部25は、複数種類の搬送路形成部品によって紙幣の搬送路(以下、これを前側紙幣搬送路とも呼ぶ)25Aを形成しており、当該前側紙幣搬送路25Aが紙幣受渡部14及び鑑別部15に接続されている。
またユニット筐体12内には、上端部において紙幣受渡部14、鑑別部15、一時保留部16及びリジェクト庫17の間にも、複数種類の搬送路形成部品を有する搬送部(以下、これを上側搬送部とも呼ぶ)26が配置されている。
そして上側搬送部26は、複数種類の搬送路形成部品によって紙幣の搬送路(以下、これを上側紙幣搬送路とも呼ぶ)26Aを形成しており、当該上側紙幣搬送路26Aが紙幣受渡部14、鑑別部15、一時保留部16及びリジェクト庫17に接続されている。
さらにユニット筐体12内には、中央部において鑑別部15、リジェクト庫17、前側搬送部25及び上側搬送部26と、複数の紙幣収納庫18乃至22との間にも、複数種類の搬送路形成部品を有する搬送部(以下、これを中央搬送部とも呼ぶ)27が配置されている。
そして中央搬送部27は、複数種類の搬送路形成部品によって紙幣の搬送路(以下、これを中央紙幣搬送路とも呼ぶ)27Aを形成しており、当該中央紙幣搬送路27Aが前側紙幣搬送路25A、上側紙幣搬送路26A及び複数の紙幣収納庫18乃至22に接続されている。
ところで、前側搬送部25、上側搬送部26及び中央搬送部27は、前側紙幣搬送路25A、上側紙幣搬送路26A及び中央紙幣搬送路27Aを介して長方形の紙幣を例えば、一方の短辺を左側に位置させ、かつ他方の短辺を右側に位置させて(すなわち、紙幣の長手方向を預払機左右方向とほぼ平行にして)一方の長辺を搬送方向に向けた搬送姿勢で搬送している。
すなわち、前側搬送部25、上側搬送部26及び中央搬送部27は、前側紙幣搬送路25A、上側紙幣搬送路26A及び中央紙幣搬送路27Aを介して長方形の紙幣を、一方の長辺を搬送方向の上流側へ位置させ、かつ他方の長辺を当該搬送方向の下流側に位置させた搬送姿勢で搬送している。
なお、以下の説明では、長方形の紙幣の長手方向(すなわち、紙幣の長辺と平行な方向)を、紙幣長手方向とも呼び、当該紙幣の短手方向(すなわち、紙幣の短辺と平行な方向)を、紙幣短手方向とも呼ぶ。
よって紙幣処理ユニット11は、紙幣受渡部14、鑑別部15、一時保留部16、リジェクト庫17及び複数の紙幣収納庫18乃至22において紙幣を、当該紙幣の搬送時の搬送姿勢に応じて一方の短辺を左側に位置させ、かつ他方の短辺を右側に位置させた(すなわち、紙幣長手方向を預払機左右方向とほぼ平行にした)姿勢で取り扱っている。
実際に制御ユニット10は、紙幣の入金時、顧客により紙幣口3AYに1又は複数の入金用の紙幣が投入されると、その入金用の紙幣を紙幣受渡部14で受け取り、当該紙幣受渡部14から、その入金用の紙幣を1枚ずつ繰り出す。
また制御ユニット10は、紙幣受渡部14から1枚ずつ繰り出した紙幣を、前側紙幣搬送路25Aを介して鑑別部15へ搬送して、当該鑑別部15において、その紙幣の金種や状態等を鑑別させる。
その結果、制御ユニット10は、鑑別部15から正常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、上側紙幣搬送路26Aを介して一時保留部16へ搬送して一時的に保持させることにより、当該紙幣の入金を保留する。
また制御ユニット10は、鑑別部15から破損や折れ等により異常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、リジェクト紙幣として上側紙幣搬送路26Aを介して紙幣受渡部14へ戻すように搬送して顧客に返却する。
このようにして制御ユニット10は、鑑別部15において、紙幣口3AYに投入された入金用の紙幣が全て鑑別されると、一時保留部16から一時的に保持していた紙幣(すなわち、正常であると鑑別された紙幣)を1枚ずつ繰り出す。
この際、制御ユニット10は、一時保留部16から1枚ずつ繰り出した紙幣を、上側紙幣搬送路26Aを介して鑑別部15へ搬送して、当該鑑別部15において再び、その紙幣の金種や状態等を鑑別させる。
そして制御ユニット10は、鑑別部15から正常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、前側紙幣搬送路25A及び中央紙幣搬送路27Aを順次介して当該紙幣の金種に応じた紙幣収納庫18乃至22へ搬送して収納する。
ただし、制御ユニット10は、この際、鑑別部15から異常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、リジェクト紙幣として前側紙幣搬送路25A、中央紙幣搬送路27A及び上側紙幣搬送路26Aを順次介してリジェクト庫17へ搬送して収納することにより、その後の出金には用いないようにする。
このようにして制御ユニット10は、紙幣処理ユニット11において紙幣の入金処理を実行して、顧客の所望する取引としての紙幣の入金を行うことができる。
一方、制御ユニット10は、紙幣の出金時、複数の紙幣収納庫18乃至22から、顧客により出金用に指定された金額分の紙幣を1枚ずつ繰り出す。
この際、制御ユニット10は、複数の紙幣収納庫18乃至22から1枚ずつ繰り出した紙幣を、中央紙幣搬送路27A及び前側紙幣搬送路25Aを順次介して鑑別部15へ搬送して、当該鑑別部15において紙幣の金種や状態等を鑑別させる。
その結果、制御ユニット10は、鑑別部15から正常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、上側紙幣搬送路26Aを介して紙幣受渡部14へ搬送する。
ただし、制御ユニット10は、この際、鑑別部15から異常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、リジェクト紙幣として上側紙幣搬送路26Aを介してリジェクト庫17へ搬送して収納することにより、その後の出金には用いないようにする。
そして制御ユニット10は、紙幣受渡部14へ、出金用に指定された金額分の紙幣を搬送し終えると、顧客に、その出金用に指定された金額分の紙幣を引き渡す。
このようにして制御ユニット10は、紙幣処理ユニット11において紙幣の出金処理を実行して、顧客の所望する取引としての紙幣の出金を行うことができる。
(1−3)紙幣収納庫の外観構成
次いで、図4を用いて、複数の紙幣収納庫18乃至22の外観構成について説明する。ただし、複数の紙幣収納庫18乃至22は、同様の外観を有している。
このため、以下には、1つの紙幣収納庫18の外観構成について説明し、他の紙幣収納庫19乃至22の外観構成については説明を省略する。
図4に示すように、紙幣収納庫18は、例えば、上下に長い略直方体状の外装ケース30を有している。
そして外装ケース30の正面30Aには、内部に紙幣を装填し、また内部から紙幣を取り出すための略長方形状の扉31が開閉可能に設けられている。
また外装ケース30の上面30Bには、後寄りに、預払機左右方向と平行なスリット状の紙幣取込繰出口30BXが形成されている。
さらに外装ケース30の上面30Bには、例えば、前端部に、紙幣収納庫18の着脱や運搬の際等に利用可能な取手32が収納及び引出可能に設けられている。
これにより紙幣収納庫18は、現金自動預払機1から外された場合、内部に収納している紙幣を取り出させるようにして回収させ、また内部に出金用の紙幣を装填させるようにして補充させることができる。
そのうえで、紙幣収納庫18は、現金自動預払機1に例えば、外装ケース30の正面30Aを前に向けた姿勢で装着される。
そして紙幣収納庫18は、現金自動預払機1に装着された状態では、上述のように中央紙幣搬送路27Aを介して1枚ずつ搬送される入金用の紙幣を、紙幣取込繰出口30BXを介して内部に取り込んで収納する。
また紙幣収納庫18は、現金自動預払機1に装着された状態では、内部に収納している紙幣を出金用として1枚ずつ紙幣取込繰出口30BXを介して繰り出して、上述のように中央紙幣搬送路27Aへ引き渡すことができる。
(1−4)紙幣収納庫の内部構成
次いで、複数の紙幣収納庫18乃至22の内部構成について説明する。ただし、複数の紙幣収納庫18乃至22は、内部も同様に構成されている。
このため、以下には、1つの紙幣収納庫18の内部構成について説明し、他の紙幣収納庫19乃至22の内部構成については説明を省略する。
図5乃至図7に示すように、紙幣収納庫18内には、前側の所定位置に、紙幣収納スペース40形成用の例えば、長方形板状の仕切板(以下、これを前側仕切板とも呼ぶ)41が、一面41Aを後に向け、かつ当該前側仕切板41の長手方向を預払機上下方向と平行にして配置されている。
また紙幣収納庫18内には、前側仕切板41の後にも紙幣収納スペース40形成用の例えば、長方形板状の仕切板(以下、これを後側仕切板とも呼ぶ)42が、一面42Aを前側仕切板41の一面41Aと対向させ、かつ当該後側仕切板42の長手方向を預払機上下方向と平行にして配置されている。
前側仕切板41は、その幅(すなわち、預払機左右方向の長さ)が例えば、サイズの異なる取扱可能紙幣のうち、長辺の最も長い取扱可能紙幣の当該長辺の長さ以上の所定の幅に選定されると共に、その高さ(すなわち、預払機上下方向の長さ)が所定の高さに選定されている。
因みに、以下の説明では、サイズの異なる取扱可能紙幣のうち長辺の最も長い取扱可能紙幣を、特に長辺最長紙幣とも呼ぶ。
また後側仕切板42は、その幅(すなわち、預払機左右方向の長さ)が例えば、サイズの異なる取扱可能紙幣のうち長辺の最も短い取扱可能紙幣の当該長辺の長さよりも長いものの、前側仕切板41の幅以下の所定の幅に選定されている。
因みに、以下の説明では、サイズの異なる取扱可能紙幣のうち長辺の最も短い取扱可能紙幣を、特に長辺最短紙幣とも呼ぶ。
さらに後側仕切板42は、その高さ(すなわち、預払機上下方向の長さ)が、前側仕切板41の高さよりも低い所定の高さに選定されている。
そして紙幣収納庫18は、前側仕切板41及び後側仕切板42の配置間隔が例えば、サイズの異なる取扱可能紙幣のうち短辺の最も長い取扱可能紙幣の当該短辺の長さ以上の所定の間隔に選定されている。
因みに、以下の説明では、サイズの異なる取扱可能紙幣のうち短辺の最も長い取扱可能紙幣を、特に短辺最長紙幣とも呼ぶ。
これにより紙幣収納庫18は、前側仕切板41及び後側仕切板42間に、サイズの異なる取扱可能紙幣を何れも、当該取扱可能紙幣の一面を上に向けた姿勢で順に積み重ねるようにして収納可能な、預払機上下方向に長い略直方体状の紙幣収納スペース40が形成されている。
また紙幣収納庫18は、紙幣収納スペース40に、一面45Aに紙幣を収納用に載上する(すなわち、集積する)ための略長方形平板状のステージ45が、図示しない一対の支柱を介して当該一面45Aを上に向け、かつステージ45の長手方向を預払機左右方向と平行にした姿勢で昇降可能に支持されている。
ステージ45は、一面45Aにおいて預払機左右方向と平行な一対の長辺の長さが、長辺最長紙幣の長辺の長さ以上の所定長さに選定されると共に、預払機前後方向と平行な一対の短辺の長さが、短辺最長紙幣の短辺の長さ以上の所定の長さに選定されている。
これによりステージ45は、一面45Aに、サイズの異なる取扱可能紙幣を何れも順に重ねるように載上することができる。
また紙幣収納庫18は、例えば、紙幣収納スペース40の周囲の所定位置に、ステージ45を昇降させるための図示しない駆動モータ(以下、これをステージ駆動モータとも呼ぶ)と、図示しない所定のステージ昇降部とが設けられている。
よって紙幣収納庫18は、紙幣取込時や紙幣繰出時、上述した制御ユニット10の制御のもと、ステージ駆動モータが動作すると、ステージ昇降部を介してステージ45を、その一面45Aを上に向けて水平にした姿勢のまま上昇及び下降させる(すなわち、預払機上方向及び預払機下方向へ移動させる)ことができる。
また紙幣収納庫18は、紙幣収納スペース40の後斜め上側に、当該紙幣収納庫18内で紙幣を取込及び繰出用に搬送する搬送部(以下、これを収納庫内搬送部とも呼ぶ)46が設けられている。
収納庫内搬送部46は、対向配置される一対の第1搬送ガイド47及び第2搬送ガイド48を有している。
第2搬送ガイド48は、例えば、後側仕切板42の幅と等しい幅(すなわち、預払機左右方向の長さ)を有する板状に形成されている。
そして第2搬送ガイド48は、後側仕切板42の後側で一面48Aを上に向け、かつ一端を当該後側仕切板42の上端に接合して、又は近接させて配置されている。
また第1搬送ガイド47は、例えば、それぞれ第2搬送ガイド48の幅よりも狭い所定の幅を有する短冊状に形成された2個の搬送ガイド47A、47Bから構成されている。
そして2個の搬送ガイド47A、47Bのうち、一方の搬送ガイド47Aは、一面47AXを下に向けた状態で、当該一面47AXの一端部を第2搬送ガイド48の一面48Aの左端部と所定の間隙を介して対向させると共に、他端部をステージ45の一面45Aの左端部と対向させて配置されている。
また2個の搬送ガイド47A、47Bのうち、他方の搬送ガイド47Bは、一面47BXを下に向けた状態で、当該一面47BXの一端部を第2搬送ガイド48の一面48Aの右端部と所定の間隙を介して対向させると共に、他端部をステージ45の一面45Aの右端部と対向させて配置されている。
因みに、以下の説明では、一対の第1搬送ガイド47及び第2搬送ガイド48のうち、上側に位置する一方の第1搬送ガイド47を、上搬送ガイド47とも呼び、下側に位置する他方の第2搬送ガイド48を、下搬送ガイド48とも呼ぶ。
また、以下の説明では、上搬送ガイド47を構成する2個の搬送ガイド47A、47Bのうち、左側に位置する搬送ガイド47Aを、左上搬送ガイド47Aとも呼び、右側に位置する搬送ガイド47Bを、右上搬送ガイド47Bとも呼ぶ。
これにより紙幣収納庫18において収納庫内搬送部46は、左上搬送ガイド47A及び右上搬送ガイド47Bと、下搬送ガイド48との間に、紙幣を取込及び繰出用に搬送するための搬送路(以下、これを取込繰出搬送路とも呼ぶ)49を形成し、当該取込繰出搬送路49の一端を紙幣収納スペース40に繋げている。
因みに、収納庫内搬送部46は、特に図示してはいないが、上搬送ガイド47及び下搬送ガイド48の後端から紙幣取込繰出口30BXまでの間に他の一対の搬送ガイドが対向配置され、又は上搬送ガイド47及び下搬送ガイド48が紙幣取込繰出口30BXまでの長さを有する所定形状に形成されている。
よって収納庫内搬送部46は、上搬送ガイド47及び下搬送ガイド48と他の一対の搬送ガイドとにより、又は上搬送ガイド47及び下搬送ガイド48により、取込繰出搬送路49が実際には紙幣収納スペース40から紙幣取込繰出口30BXまでに亘って形成され、当該取込繰出搬送路49の他端が紙幣取込繰出口30BXに繋げられている。
因みに、取込繰出搬送路49を介して紙幣を取込用に搬送する際の搬送方向は、紙幣取込繰出口30BX側が上流側となり、かつ紙幣収納スペース40側が下流側となり、紙幣を紙幣取込繰出口30BXから紙幣収納スペース40へと搬送する方向である。
また取込繰出搬送路49を介して紙幣を繰出用に搬送する際の搬送方向は、紙幣収納スペース40側が上流側となり、かつ紙幣取込繰出口30BX側が下流側となり、紙幣を紙幣収納スペース40から紙幣取込繰出口30BXへと搬送する方向である。
ところで、収納庫内搬送部46において左上搬送ガイド47A及び右上搬送ガイド47Bは、互いの一端部において紙幣収納スペース40寄りの所定位置に、第1ローラ回転軸(図示せず)を預払機左右方向と平行にして図中に矢印d1で示す一回転方向、及びこれとは逆の他回転方向へ回動可能に支持している。
第1ローラ回転軸には、取込繰出搬送路49の搬送路幅の中心から左右へ等間隔の所定位置に、紙幣取込繰出用の例えば、2個のローラ50、51が取り付けられている。
因みに、以下の説明では、第1ローラ回転軸に取り付けられた紙幣取込繰出用の2個のローラ50、51を、それぞれフィードローラ50、51とも呼ぶ。
2個のフィードローラ50、51は、所定の外径を有し、例えば、外周面が平らに(すなわち、一周に亘る凹部や凸部のないように)形成されている。
そして第1ローラ回転軸は、これら2個のフィードローラ50、51の外周面の一部をそれぞれ、左上搬送ガイド47A及び右上搬送ガイド47Bの一端部に穿設された孔部(図示せず)を介して取込繰出搬送路49内に入り込ませている。
さらに下搬送ガイド48は、紙幣収納スペース40寄りの所定位置に、第2ローラ回転軸(図示せず)を預払機左右方向と平行にして一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持している。
第2ローラ回転軸には、2個のフィードローラ50、51と対向する位置に紙幣取込用の例えば、2個のローラ52、53が取り付けられている。
因みに、以下の説明では、第2ローラ回転軸に取り付けられた紙幣取込用の2個のローラ52、53を、それぞれ取込ローラ52、53とも呼ぶ。
2個の取込ローラ52、53は、所定の外径を有し、例えば、外周面が平らに(すなわち、一周に亘る凹部や凸部のないように)形成されている。
そして第2ローラ回転軸は、2個の取込ローラ52、53の外周面の一部をそれぞれ、下搬送ガイド48に穿設された孔部(図示せず)を介して取込繰出搬送路49内に入り込ませて、2個のフィードローラ50、51の外周面の一部に押し付けている。
さらに収納庫内搬送部46は、2個のフィードローラ50、51の前となるステージ45の上側に、当該ステージ45上の紙幣を1枚ずつ取込繰出搬送路49側へ送り出すための図示しない2個のローラ(以下、これらをピッカローラとも呼ぶ)が、預払機左右方向と平行な第3ローラ回転軸を中心にして他回転方向へ回転可能に設けられている。
因みに、2個のピッカローラは、それぞれ外周面の一部を、左上搬送ガイド47A及び右上搬送ガイド47Bの他端部に穿設された孔部(図示せず)を介して当該左上搬送ガイド47A及び右上搬送ガイド47Bの下側に突出させている。
さらにまた収納庫内搬送部46は、取込繰出搬送路49において2個のフィードローラ50、51及び2個の取込ローラ52、53の配置位置より紙幣取込繰出口30BX側にも、適宜、1又は複数組の搬送ローラが設けられている。
ところで、紙幣収納庫18は、紙幣収納スペース40の周囲の所定位置に、2個のフィードローラ50、51を回転させるための図示しない駆動モータ(以下、これをローラ駆動モータとも呼ぶ)も設けられている。
そして紙幣収納庫18は、第1ローラ回転軸にギアが取り付けられると共に、当該ギアが他の複数のギアを介してローラ駆動モータの出力軸に連結されている。
また紙幣収納庫18は、第2ローラ回転軸に、当該第2ローラ回転軸を他回転方向へのみ回転させるための図示しないワンウェイクラッチが取り付けられと共に、当該ワンウェイクラッチが第1ローラ回転軸のギアに連結されている。
さらに紙幣収納庫18は、1又は複数組の搬送ローラのローラ回転軸もそれぞれ複数のギアを介して第1ローラ回転軸のギアに連結されている。
さらにまた紙幣収納庫18は、例えば、第1ローラ回転軸と第3ローラ回転軸とが歯付プーリ、及び無端状の駆動ベルトを介して連結されている。
よって収納庫内搬送部46は、紙幣取込時、制御ユニット10の制御のもと、ローラ駆動モータが紙幣の取込用に動作すると、これに応じて第1ローラ回転軸と共に2個のフィードローラ50、51を紙幣の取込用に一回転方向へ回転させることができる。
また収納庫内搬送部46は、この際、第1ローラ回転軸の一回転方向への回転に連動させて第2ローラ回転軸と共に2個の取込ローラ52、53を紙幣の取込用に、当該2個のフィードローラ50、51の回転方向とは逆の他回転方向へ回転させることができる。
さらに収納庫内搬送部46は、第1ローラ回転軸の一回転方向への回転に連動させて1又は複数組の搬送ローラもそれぞれ紙幣の取込用に互いに逆の一回転方向及び他回転方向へ回転させることができる。
これにより収納庫内搬送部46は、紙幣取込繰出口30BXを介して取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣を、紙幣の取込用に互いに逆回転している1又は複数組の搬送ローラの間に挟み込むようにしてフィードローラ50、51及び取込ローラ52、53側へ送り出すことができる。
また収納庫内搬送部46は、1又は複数組の搬送ローラの間を通した紙幣を、紙幣の取込用に互いに逆回転している2個のフィードローラ50、51及び2個の取込ローラ52、53の間に挟み込むようにして紙幣収納スペース40側へ送り出すことができる。
このようにして収納庫内搬送部46は、紙幣取込繰出口30BXを介して取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣を、当該取込繰出搬送路49を介して紙幣収納スペース40側へ搬送することができる。
一方、収納庫内搬送部46は、紙幣繰出時、制御ユニット10の制御のもと、ローラ駆動モータが紙幣の繰出用に動作すると、これに応じて第1ローラ回転軸と共に2個のフィードローラ50、51を紙幣の繰出用に他回転方向へ回転させることができる。
また収納庫内搬送部46は、この際、第1ローラ回転軸の他回転方向への回転に連動させて第3ローラ回転軸と共に2個のピッカローラも紙幣の繰出用に、2個のフィードローラ50、51の回転方向と同一の他回転方向へ回転させることができる。
さらに収納庫内搬送部46は、第1ローラ回転軸の他回転方向への回転に連動させて1又は複数組の搬送ローラをそれぞれ紙幣の繰出用に互いに逆の一回転方向及び他回転方向へ回転させることができる。
ただし、収納庫内搬送部46は、この際、第2ローラ回転軸と共に2個の取込ローラ52、53についてはワンウェイクラッチの作用により、第1ローラ回転軸の他回転方向への回転には連動させずに、回転を停止させる。
これにより収納庫内搬送部46は、2個のピッカローラにより、ステージ45上の複数の紙幣を上から順に1枚ずつ取込繰出搬送路49側へ送り出すことができる。
また収納庫内搬送部46は、このようにして取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣を、紙幣の繰出用に他回転方向へ回転している2個のフィードローラ50、51、及び回転を停止させている2個の取込ローラ52、53の間に挟み込むようにして1又は複数組の搬送ローラ側へ送り出すことができる。
さらに収納庫内搬送部46は、2個のフィードローラ50、51及び2個の取込ローラ52、53の間を通した紙幣を、紙幣の繰出用に互いに逆回転している1又は複数組の搬送ローラの間に挟み込むようにして紙幣取込繰出口30BXへ送り出すことができる。
このようにして収納庫内搬送部46は、ステージ45上の紙幣を、取込繰出搬送路49を介して紙幣取込繰出口30BXへ搬送して、その紙幣取込繰出口30BXから繰り出すことができる。
係る構成に加えて紙幣収納庫18の収納庫内搬送部46は、取込繰出搬送路49の横幅を規制すると共に、紙幣取込時に紙幣を、取込繰出搬送路49を介して搬送する際には、その紙幣を取込繰出搬送路49の一端からステージ45上へ案内するための略長方形板状の一対の第1サイドガイド55及び第2サイドガイド56を有している。
因みに、取込繰出搬送路49の横幅は、取込繰出搬送路49を介して紙幣を搬送する際の当該紙幣の一面とは平行で、かつ紙幣の搬送方向とは直交する方向(すなわち、この実施の形態の場合は預払機左右方向でもある)の長さであり、以下、これを搬送路幅とも呼ぶ。
また、以下の説明では、取込繰出搬送路49を介して紙幣を搬送する際の当該紙幣の一面とは平行で、かつ紙幣の搬送方向とは直交する方向(すなわち、この実施の形態の場合は預払機左方向及び預払機右方向でもある)を、適宜、搬送路幅方向とも呼ぶ。
一方の第1サイドガイド55は、当該第1サイドガイド55の長手方向を預払機上下方向と平行にし、かつ一面55Aを右側に向けた姿勢で、取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の左横に交換可能に設けられている。
また他方の第2サイドガイド56は、当該第2サイドガイド56の長手方向を預払機上下方向と平行にし、かつ一面56Aを左側に向けて一方の第1サイドガイド55の一面55Aと対向させた姿勢で、取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の右横に交換可能に設けられている。
因みに、以下の説明では、一対の第1サイドガイド55及び第2サイドガイド56のうち、取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の左横に位置する一方の第1サイドガイド55を、左サイドガイド55とも呼び、当該取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の右横に位置する他方の第2サイドガイド56を、右サイドガイド56とも呼ぶ。
左サイドガイド55及び右サイドガイド56は、預払機上下方向の長さが互いに等しい所定の長さに選定されている。
また左サイドガイド55及び右サイドガイド56は、預払機前後方向の長さが互いに等しい所定の長さに選定されている。
そして左サイドガイド55は、上端を左上搬送ガイド47Aの上側に突出させ、下端部を下搬送ガイド48の配置位置よりも下側に位置させている。
また左サイドガイド55は、一面55Aの中央部を取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界付近に位置させて、当該一面55Aの中央上端部において後寄りの部分を、左側のフィードローラ50及び取込ローラ52の左側面において前寄りの部分と対向させている。
よって左サイドガイド55は、一面55Aの前端部を取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界付近よりも紙幣収納スペース40側に位置させて、当該前端部の下寄りの所定の範囲を、昇降可能なステージ45の左側面の後端部と対向させている。
また左サイドガイド55は、一面55Aの後端部を取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界付近よりも取込繰出搬送路49側に位置させて、当該一面55Aの後上端部を、左側のフィードローラ50及び取込ローラ52の左側面において後寄りの部分と対向させている。
そして左サイドガイド55は、一面55Aの後上端部に、所定の深さの(すなわち、一面55Aの前端部よりも一段凹んだ)切欠面として、取込繰出搬送路49の搬送路幅を規制するための幅規制部55AXが形成されている。
また左サイドガイド55は、一面55Aの中央上端部に、幅規制部55AXの前縁と繋がる前斜め右方向と平行な傾斜面として、取込繰出搬送路49の搬送路幅を変更するための幅変更部55AYが形成されている。
一方、右サイドガイド56は、上端を右上搬送ガイド47Bの上側に突出させ、下端部を下搬送ガイド48の配置位置よりも下側に位置させている。
また右サイドガイド56は、一面56Aの中央部を取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界付近に位置させて、当該一面56Aの中央上端部において後寄りの部分を、右側のフィードローラ51及び取込ローラ53の右側面において前寄りの部分と対向させている。
よって右サイドガイド56は、一面56Aの前端部を取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界付近よりも紙幣収納スペース40側に位置させて、当該前端部の下寄りの所定の範囲を、昇降可能なステージ45の右側面の後端部と対向させている。
また右サイドガイド56は、一面56Aの後端部を取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界付近よりも取込繰出搬送路49側に位置させて、当該一面56Aの後上端部を、右側のフィードローラ51及び取込ローラ53の右側面において後寄りの部分と対向させている。
そして右サイドガイド56は、一面56Aの後上端部に、所定の深さの(すなわち、一面56Aの前端部よりも一段凹んだ)切欠面として、取込繰出搬送路49の搬送路幅を規制するための幅規制部56AXが形成されている。
また右サイドガイド56は、一面56Aの中央上端部に、幅規制部56AXの前縁と繋がる前斜め右方向と平行な傾斜面として、取込繰出搬送路49の搬送路幅を変更するための幅変更部56AYが形成されている。
因みに、以下の説明では、左サイドガイド55及び右サイドガイド56の一面55A、56Aに切欠面として形成された幅規制部55AX、56AXを、それぞれ幅規制面55AX、56AXとも呼ぶ。
また、以下の説明では、左サイドガイド55及び右サイドガイド56の一面55A、56Aに傾斜面として形成された幅変更部55AY、56AYを、それぞれ幅変更面55AY、56AYとも呼ぶ。
なお、左サイドガイド55及び右サイドガイド56は、一面55A、56Aにおける幅規制面55AX、56AXの深さが、互いに等しい所定の深さに選定されている。
また左サイドガイド55及び右サイドガイド56は、一面55A、56Aの前端部と幅規制面55AX、56AXとの間の長さが、互いに等しい所定の長さに選定されている。
よって左サイドガイド55及び右サイドガイド56は、一面55A、56A(すなわち、一面55A、56Aの前端部)に対する幅変更面55AY、56AYの角度が、互いに等しい所定の角度に選定されている。
これにより左サイドガイド55及び右サイドガイド56は、取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界付近よりも当該取込繰出搬送路49側(すなわち、後側)に位置する互いの幅規制面55AX、56AXにより、取込繰出搬送路49の搬送路幅を、長辺最長紙幣の長辺の長さよりも長い所定の幅に規制している。
また左サイドガイド55及び右サイドガイド56は、取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界付近に位置する互いの幅変更面55AY、56AYにより、幅規制面55AX、56AXによって規制する搬送路幅を、紙幣収納スペース40側へ徐々に狭めるように変更している。
さらに左サイドガイド55及び右サイドガイド56は、紙幣収納スペース40の両横に位置する一面55A、56Aの前端部を、ステージ45の左側面及び右側面の後端部に近接させている。
これにより左サイドガイド55及び右サイドガイド56は、紙幣取込時、取込繰出搬送路49に取り込まれた紙幣を、当該取込繰出搬送路49を介して紙幣収納スペース40側へ搬送させながらステージ45の一面45Aの上側へ案内することができる。
また紙幣収納庫18の収納庫内搬送部46は、後述するように紙幣取込時、取込繰出搬送路49を介して紙幣収納スペース40側へ搬送する紙幣において搬送路幅方向の端部である左の短辺側や右の短辺側を上側に捲るように変形させたときに、当該紙幣の浮き上がりを抑えるための細板状の一対の第1抑えガイド57及び第2抑えガイド58も有している。
一方の第1抑えガイド57は、左サイドガイド55の一面55Aの後縁から前縁までの長さと等しい長さを有し、当該一面55Aの上端部の形状(すなわち、一面55Aの上端部において幅規制面55AXから幅変更面55AYを経た前端部までの形状)に対応する略クランク状に形成されている。
そして一方の第1抑えガイド57は、左サイドガイド55の一面55Aの上縁の近傍に、当該一面55Aの後縁から前縁に亘って左上搬送ガイド47A側へ張り出すように(すなわち、右側へ突出するように)設けられている。
また、他方の第2抑えガイド58は、右サイドガイド56の一面56Aの後縁から前縁までの長さと等しい長さを有し、当該一面56Aの上端部の形状(すなわち、一面56Aの上端部において幅規制面56AXから幅変更面56AYを経た前端部までの形状)に対応する略クランク状に形成されている。
そして他方の第2抑えガイド58は、一方の第1抑えガイド57と対向させて、右サイドガイド56の一面56Aの上縁の近傍に、当該一面56Aの後縁から前縁に亘って右上搬送ガイド47B側へ張り出すように(すなわち、左側へ突出するように)設けられている。
因みに、以下の説明では、一対の第1抑えガイド57及び第2抑えガイド58のうち、左サイドガイド55に設けられた一方の第1抑えガイド57を、左抑えガイド57とも呼び、右サイドガイド56に設けられた他方の第2抑えガイド58を、右抑えガイド58とも呼ぶ。
ところで、上述した2個のフィードローラ50、51は、例えば、取込繰出搬送路49を介して長辺最短紙幣が搬送される際に当該長辺最短紙幣の中心が搬送路幅の中心から搬送路幅方向へ目一杯ずれていても、長辺最短紙幣の上を向いた一面において紙幣長手方向の一端部及び他端部(すなわち、一対の短辺よりも内側の所定位置)と対向するように、第1ローラ回転軸に対する取付位置が適宜選定されている。
これに応じて、上述した2個の取込ローラ52、53は、取込繰出搬送路49を介して長辺最短紙幣が搬送される際に当該長辺最短紙幣の中心が搬送路幅の中心から搬送路幅方向へ目一杯ずれていても、長辺最短紙幣の下を向いた他面において紙幣長手方向の一端部及び他端部(すなわち、一対の短辺よりも内側の所定位置)と対向するように、第2ローラ回転軸に対する取付位置が適宜選定されている。
よって紙幣収納庫18は、取込繰出搬送路49を介して長辺最短紙幣を、当該長辺最短紙幣の一方の短辺を搬送路幅の一方の縁(すなわち、左端や右端)に位置させて搬送するような場合でも、長辺最短紙幣を2個のフィードローラ50、51及び2個の取込ローラ52、53で確実に挟み込むようにして搬送し得るようにしている。
また左サイドガイド55及び右サイドガイド56は、上述のように幅規制面55AX、56AXと、幅変更面55AY、56AYの一部とをフィードローラ50、51及び取込ローラ52、53と対向させている。
このため紙幣収納庫18は、紙幣取込時、取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣を、紙幣の取込用に互いに逆回転している2個のフィードローラ50、51及び2個の取込ローラ52、53の間に挟み込むようにして紙幣収納スペース40側へ搬送するように駆動している状態で、左サイドガイド55及び右サイドガイド56の互いの幅規制面55AX、56AXの間、及び互いの幅変更面55AY、56AYの間を順に通過させている。
よって図8乃至図10に示すように、左サイドガイド55は、紙幣取込時に取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60の中心が搬送路幅の中心から預払機左方向へずれていた場合、取込繰出搬送路49を介して搬送される紙幣60の左の短辺側を左前角部から幅変更面55AYに押し付けるようにして当該幅変更面55AY及び一面55Aの前端部に亘って摺動させる。
これにより左サイドガイド55は、紙幣60の一方の長辺を搬送方向へ向けたまま、当該紙幣60において預払機左方向の端部である左の短辺側を左前角部から徐々に上側へ捲るように変形させることができる。
その結果、左サイドガイド55は、紙幣60が左の短辺側を上側へ捲るように変形させたまま、2個のフィードローラ50、51及び2個の取込ローラ52、53の間から送り出されて取込繰出搬送路49の一端からステージ45の一面45Aの上側へ放出されると、その紙幣60に元の平坦な状態に戻ろうとする復元力を作用させることができる。
また左抑えガイド57は、左サイドガイド55が紙幣60の左の短辺側を上側へ捲るように変形させた際、下を向いた平坦な一面に当該紙幣60の左の短辺側を左前角部から押し付けさせるようにして摺動させる。
そして左抑えガイド57は、紙幣60が左の短辺側を上側へ捲るように変形させたまま取込繰出搬送路49の一端からステージ45の一面45Aの上側へ放出されたときにも、一面に左の短辺側を押し付けさせて紙幣60を浮き上がらないように抑えている。
これにより左抑えガイド57は、紙幣60に作用する復元力により、当該紙幣60を元の平坦な状態に戻させながら、左サイドガイド55の一面55Aから離隔させて右側へ変位させることができる。
一方、右サイドガイド56も、左サイドガイド55と同様に、紙幣取込時に取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60の中心が搬送路幅の中心から預払機右方向へずれていた場合、取込繰出搬送路49を介して搬送される紙幣60の右の短辺側を右前角部から幅変更面56AYに押し付けるようにして当該幅変更面56AY及び一面56Aの前端部に亘って摺動させる。
これにより右サイドガイド56は、紙幣60の一方の長辺を搬送方向へ向けたまま、当該紙幣60において預払機右方向の端部である右の短辺側を右前角部から徐々に上側へ捲るように変形させることができる。
その結果、右サイドガイド56は、紙幣60が右の短辺側を上側へ捲るように変形させたまま、2個のフィードローラ50、51及び2個の取込ローラ52、53の間から送り出されて取込繰出搬送路49の一端からステージ45の一面45Aの上側へ放出されると、その紙幣60に元の平坦な状態に戻ろうとする復元力を作用させることができる。
また右抑えガイド58も、左抑えガイド57と同様に、右サイドガイド56が紙幣60の右の短辺側を上側へ捲るように変形させた際、下を向いた平坦な一面に当該紙幣60の右の短辺側を右前角部から押し付けさせるようにして摺動させる。
そして右抑えガイド58は、紙幣60が右の短辺側を上側へ捲るように変形させたまま取込繰出搬送路49の一端からステージ45の一面45Aの上側へ放出されたときにも、一面に右の短辺側を押し付けさせて紙幣60を浮き上がらないように抑えている。
これにより右抑えガイド58は、紙幣60に作用する復元力により、当該紙幣60を元の平坦な状態に戻させながら、右サイドガイド56の一面56Aから離隔させて左側へ変位させることができる。
ここで、紙幣60は、左の短辺側が上側に捲るように変形した場合、当該左の短辺側の上側へ捲るように変形した部分の根元から左の短辺までの幅に応じた大きさの復元力が作用する。
また紙幣60は、右の短辺側が上側に捲るように変形した場合も、当該右の短辺側の上側へ捲るように変形した部分の根元から右の短辺までの幅に応じた大きさの復元力が作用する。
因みに、以下の説明では、紙幣60において左の短辺側の上側に捲るように変形した部分、及び右の短辺側の上側に捲るように変形した部分を、それぞれ捲れ変形部分とも呼ぶ。
また、以下の説明では、紙幣60において左の捲れ変形部分の根元から左の短辺までの幅、及び右の捲れ変形部分の根元から右の短辺までの幅を、それぞれ捲れ幅とも呼ぶ。
そして左サイドガイド55は、取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60の中心が搬送路幅の中心から預払機左方向へずれていた場合、一面55Aにおける幅規制面55AXの深さによって、当該紙幣60の左の短辺側を上側へ捲るように変形させる際の捲れ幅を規制している。
また右サイドガイド56も、左サイドガイド55と同様に、取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60の中心が搬送路幅の中心から預払機右方向へずれていた場合、一面56Aにおける幅規制面56AXの深さによって、当該紙幣60の右の短辺側を上側へ捲るように変形させる際の捲れ幅を規制している。
因みに、以下の説明では、左サイドガイド55において捲れ幅を規制するための一面55Aにおける幅規制面55AXの深さ、及び右サイドガイド56において捲れ幅を規制するための一面56Aにおける幅規制面56AXの深さを、それぞれ捲れ幅規制深さとも呼ぶ。
そして紙幣収納庫18は、取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60の中心が搬送路幅の中心から搬送路幅方向へずれていた場合、左サイドガイド55や右サイドガイド56により紙幣60の左や右の短辺側を上側へ捲るように変形させることで作用する復元力を、その紙幣60をステージ45の一面45Aの中央部へ変位させるために利用している。
すなわち、左サイドガイド55は、捲れ幅規制深さが適宜選定されており、取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60の中心が搬送路幅の中心から預払機左方向へずれていた場合、当該紙幣60にステージ45の一面45Aの中央部へ変位させるための復元力を作用させ得るように、その紙幣60の左の短辺側を変形させるための捲れ幅を規制している。
また右サイドガイド56についても同様に、捲れ幅規制深さが適宜選定されており、取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60の中心が搬送路幅の中心から預払機右方向へずれていた場合、当該紙幣60にステージ45の一面45Aの中央部へ変位させるための復元力を作用させ得るように、その紙幣60の右の短辺側を変形させるための捲れ幅を規制している。
ただし、紙幣収納庫18は、上述のようにステージ45の一面45Aの大きさが、長辺最長紙幣の長辺及び短辺最長紙幣の短辺を基準にして、サイズの異なる取扱可能姿勢を何れも一面45Aからはみ出させずに載上可能なように選定されている。
よって紙幣収納庫18では、取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60の中心が搬送路幅の中心から搬送路幅方向へずれていた場合、その紙幣60の長辺の長さが短いほど、当該紙幣60をステージ45の一面45Aの中央部に変位させるための変位量を大きくする必要がある。
すなわち、紙幣収納庫18では、紙幣60の長辺の長さが短いほど捲れ幅を広くして、当該紙幣60をステージ45の一面45Aの中央部に変位させるための変位量を変える必要がある。
従って紙幣収納庫18では、長辺の長さが異なる取扱可能紙幣にそれぞれステージ45の一面45Aの中央部に変位させるための最適な復元力を作用させるために、捲れ幅規制深さがそれぞれ取扱可能紙幣の長辺の異なる長さに応じて適宜選定された複数組の左サイドガイド55及び右サイドガイド56が予め用意されている。
そして紙幣収納庫18では、収納する紙幣60が設定された場合、その紙幣60の長辺の長さに対応する1組の左サイドガイド55及び右サイドガイド56を取り付けさせることで、紙幣60の短辺側を、その長辺の長さに応じた捲れ幅で上側に捲るように変形させることができる。
また紙幣収納庫18は、例えば、現金自動預払機1の運用上、収納する紙幣60の種類が変更された場合に変更前の紙幣60と変更後の紙幣60とで長辺の長さが異なると、変更前に取り付けていた1組の左サイドガイド55及び右サイドガイド56を、変更後の紙幣60の長辺の長さに対応する1組の左サイドガイド55及び右サイドガイド56に交換させる。
これにより紙幣収納庫18は、収納する紙幣60が変更された場合でも、変更後の紙幣60の短辺側を、その長辺の長さに応じた捲れ幅で上側に捲るように変形させることができる。
このようにして紙幣収納庫18は、収納する紙幣60の短辺側を上側へ捲るように変形させるための捲れ幅を、その紙幣60の長辺の長さに応じて調整し得るようにしている。
これにより紙幣収納庫18は、サイズの異なる(すなわち、長辺の長さが異なる)紙幣60の何れを収納する場合でも、取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60の中心が搬送路幅の中心から搬送路幅方向へずれていると、その紙幣60を、取込繰出搬送路49の一端から紙幣収納スペース40へ放出したとき、ステージ45の一面45Aの中央部へ変位させることができる。
ところで、複数組の左サイドガイド55及び右サイドガイド56は、それぞれ捲れ幅規制深さが異なるものの、例えば、預払機上下方向の長さが互いに等しく、また預払機前後方向の長さも互いに等しく形成されている。
ただし、複数組の左サイドガイド55及び右サイドガイド56は、それぞれ一面55A、56Aの前端部と幅規制面55AX、56AXとの間の長さを適宜変更することで、何れも幅変更面55AY、56AYが当該一面55A、56A(すなわち、一面55A、56Aの前端部)に対して等しい角度で形成されている。
また複数組の左サイドガイド55及び右サイドガイド56は、それぞれ幅変更面55AY、56AYに紙幣60の左前角部や右前角部が押し付けられた際、当該左前角部や右前角部に過度の負荷がかからないように、一面55A、56Aに対する幅変更面55AY、56AYの角度が適宜選定されている。
よって複数組の左サイドガイド55及び右サイドガイド56は、何れの1組が紙幣収納庫18に取り付けられても、幅変更面55AY、56AYに紙幣60の左前角部や右前角部が押し付けられた際に当該左前角部や右前角部を折り曲げ、また皺がよるように潰すことを防止して、紙幣60の左や右の短辺側を上側へ捲るように変形させることができる。
さらに複数組の左サイドガイド55及び右サイドガイド56は、それぞれ捲れ幅を規制する捲れ幅規制深さが、対応する紙幣60の長辺の長さに応じて異なるものの、当該紙幣60の左や右の短辺側を、幅規制面55AX、56AXに対する左や右の短辺の位置を基準にして上側に捲るように変形させている。
よって複数組の左サイドガイド55及び右サイドガイド56は、それぞれ紙幣60の左や右の短辺側を上側へ捲るように変形させた場合の一面55A、56Aに対する当該紙幣60の左や右の短辺の位置がほぼ等しくなっている。
このため複数組の左サイドガイド55及び右サイドガイド56の一面55A、56Aには、それぞれほぼ等しい高さ位置に左抑えガイド57及び右抑えガイド58が、当該左抑えガイド57及び右抑えガイド58の長手方向を預払機前後方向と平行にして設けられている。
よって紙幣収納庫18は、内部に1組の左サイドガイド55及び右サイドガイド56の配置スペースを確保するだけで、複数組の左サイドガイド55及び右サイドガイド56を何れも左抑えガイド57及び右抑えガイド58と共に配置することができる。
そして左抑えガイド57及び右抑えガイド58は、左サイドガイド55及び右サイドガイド56が搬送中の紙幣60の左や右の短辺側を上側に捲るように変形させる際、紙幣60において徐々に上側へ変位する左前角部や右前角部を平坦な一面で受けて摺動させている。
よって左抑えガイド57及び右抑えガイド58は、紙幣60の左や右の短辺側が上側に捲るように変形した際、当該紙幣60の左前角部や右前角部が損傷することを防止し、また皺がよるように潰れることも大幅に低減させて、その紙幣60を浮き上がらないように抑えながら、ステージ45の一面45Aの中央部へ変位させることができる。
(1−5)紙幣収納庫による紙幣の取込処理及び繰出処理
次いで、制御ユニット10が、上述した紙幣の入金処理において紙幣収納庫18乃至22で行う紙幣60の取込処理、及び上述した紙幣の出金処理において当該紙幣収納庫18乃至22で行う紙幣60の繰出処理について順に説明する。
図11に示すように、制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22による紙幣取込時、当該紙幣収納庫18乃至22において、ステージ駆動モータを動作させてステージ昇降部を駆動することによりステージ45を上昇又は下降させる。
そして制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において、ステージ45上で最も上に位置する紙幣(以下、これを最上位紙幣とも呼ぶ)60が所定の紙幣取込位置に到達すると、ステージ駆動モータの動作を停止させる。
これにより制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において、2個のピッカローラとステージ45上の最上位紙幣60との間に、紙幣収納スペース40への紙幣60の取り込みに最適な、当該紙幣60の所定枚数分の厚みに相当する隙間を形成する。
この状態で制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において、ローラ駆動モータを紙幣60の取込用に動作させる。
よって制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において、第1ローラ回転軸と共に2個のフィードローラ50、51を紙幣60の取込用に一回転方向へ回転させる。
また制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において、第1ローラ回転軸の一回転方向への回転に連動させて、第2ローラ回転軸と共に2個の取込ローラ52、53を紙幣60の取込用に、2個のフィードローラ50、51の回転方向とは逆の他回転方向へ回転させる。
さらに制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において、第1ローラ回転軸の一回転方向への回転に連動させて、1又は複数組の搬送ローラもそれぞれ紙幣60の取込用に互いに逆の一回転方向及び他回転方向へ回転させる。
この状態で制御ユニット10は、中央紙幣搬送路27Aを介して紙幣60を1枚ずつ紙幣収納庫18乃至22へ搬送する。
これにより制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において紙幣60を、紙幣取込繰出口30BXを介して取込繰出搬送路49に取り込んで、互いに逆回転している1又は複数組の搬送ローラの間に順に挟み込むようにして2個のフィードローラ50、51及び2個の取込ローラ52、53側へ送り出す。
また制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において、1又は複数組の搬送ローラの間を順に通した紙幣60を、引き続き互いに逆回転している2個のフィードローラ50、51と2個の取込ローラ52、53との間に挟み込むようにして紙幣収納スペース40側へ送り出す。
このようにして制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において紙幣60を、取込繰出搬送路49を介して紙幣収納スペース40側へ搬送して、当該紙幣60を取込繰出搬送路49の一端からステージ45の一面45Aの上側へ放出する。
これにより制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において紙幣60を落下させて、ステージ45の一面45Aの最上位紙幣60に重ねるように載せる。
ところで、紙幣収納庫18乃至22は、取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60の中心が搬送路幅の中心から搬送路幅方向へずれていた場合、当該紙幣60をずれたままの状態で2個のフィードローラ50、51及び2個の取込ローラ52、53の間に挟み込みながら、左サイドガイド55及び右サイドガイド56の互いの幅規制面55AX、56AXの間、及び互いの幅変更面55AY、56AYの間を順に通過させる。
よって紙幣収納庫18乃至22は、取込繰出搬送路49を介して搬送される紙幣60の左や右の短辺側を左前角部や右前角部から左サイドガイド55及び右サイドガイド56の幅変更面55AY、56AYに押し付けて摺動させることで、当該紙幣60の左や右の短辺側を左前角部や右前角部から徐々に上側へ捲るように変形させる。
そして紙幣収納庫18乃至22は、紙幣60を、左や右の短辺側を上側へ捲るように変形させたまま、2個のフィードローラ50、51及び2個の取込ローラ52、53の間から送り出して取込繰出搬送路49の一端から紙幣収納スペース40へ放出する。
また紙幣収納庫18乃至22は、この際、左抑えガイド57及び右抑えガイド58の一面に紙幣60の左や右の短辺側を押し付けるようにして摺動させる。
よって紙幣収納庫18乃至22は、紙幣60を、左や右の短辺側を上側へ捲るように変形させたまま取込繰出搬送路49の一端から紙幣収納スペース40へ放出したときには、左抑えガイド57及び右抑えガイド58により、その紙幣60を浮き上がらないように抑えながら、当該紙幣60に元の平坦な状態に戻ろうとする復元力を作用させる。
従って紙幣収納庫18乃至22は、紙幣60を元の平坦な状態に復元させて左サイドガイド55及び右サイドガイド56の一面55A、56Aから離隔させることにより、当該紙幣60をステージ45の一面45Aの中央部へ変位させながら落下させて最上位紙幣60に重ねるように載せる。
このようにして制御ユニット10は、紙幣60を、中央紙幣搬送路27Aを介して紙幣収納庫18乃至22へ搬送する毎に、当該紙幣収納庫18乃至22において同様に、その紙幣60を取込繰出搬送路49を介して紙幣収納スペース40へ搬送してステージ45の一面45Aに順に重ねるようにして収納することができる。
ところで、制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において例えば、ステージ45の一面45Aに新たに1枚の紙幣60を載せる毎に、ステージ駆動モータを間欠的に動作させてステージ昇降部を駆動することで、ステージ45を僅かに下降させる。
これにより制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において、ステージ45の一面45Aに新たに載せた紙幣60(すなわち、新たな最上位紙幣60)を紙幣取込位置に位置させる。
このようにして制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において、紙幣収納スペース40に複数の紙幣60を常に同一の取込条件で取り込ませる。
従って制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において、紙幣収納スペース40に複数の紙幣60を順次、取込繰出搬送路49や、2個のピッカローラと最上位紙幣60との間等で詰まらせることなく取り込んでステージ45の一面45Aに順に積層するようにして収納することができる。
一方、図12に示すように、制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22による紙幣繰出時、当該紙幣収納庫18乃至22において、ステージ駆動モータを動作させてステージ昇降部を駆動することによりステージ45を上昇させる。
これにより制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において、ステージ45の一面45A上の最上位紙幣60(すなわち、最上位紙幣60の上を向いている一面)を、2個のピッカローラの外周面の下側の部分に所定の押圧力で押し付けて、ステージ駆動モータの動作を停止させる。
この状態で制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において、ローラ駆動モータを紙幣60の繰出用に動作させる。よって制御ユニット10は、第1ローラ回転軸と共に2個のフィードローラ50、51を紙幣60の繰出用に他回転方向へ回転させる。
また制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において、第1ローラ回転軸の他回転方向への回転に連動させて、1又は複数組の搬送ローラもそれぞれ紙幣60の繰出用に互いに逆の一回転方向及び他回転方向へ回転させる。
さらに制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において、第1ローラ回転軸の他回転方向への回転に連動させて、2個のピッカローラも紙幣60の繰出用に他回転方向へ回転させる。
ただし、制御ユニット10は、この際、紙幣収納庫18乃至22において、第2ローラ回転軸についてはワンウェイクラッチの作用により回転させないようにして、2個の取込ローラ52、53を、回転を停止させたままにする。
これにより制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において、2個のピッカローラにより、ステージ45の一面45A上から最上位紙幣60を取込繰出搬送路49へ送り出すようにして、当該取込繰出搬送路49に、その紙幣60を取り込む。
また制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において、取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60を、他回転方向へ回転している2個のフィードローラ50、51と、回転を停止させている2個の取込ローラ52、53との間に挟み込むようにして1又は複数組の搬送ローラ側へ送り出す。
さらに制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において、2個のフィードローラ50、51と2個の取込ローラ52、53との間を通した紙幣60を、引き続き互いに逆回転している1又は複数組の搬送ローラの間に順に挟み込むようにして紙幣取込繰出口30BX側へ送り出す。
このようにして制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22に収納している紙幣60を、取込繰出搬送路49を介して紙幣取込繰出口30BXへ搬送して、当該紙幣取込繰出口30BXから中央紙幣搬送路27Aへ繰り出すことができる。
因みに、制御ユニット10は、この際、2個のピッカローラによりステージ45の一面45A上から仮に2枚の紙幣60が上下に重なったまま取込繰出搬送路49側へ送り出されても、2個の取込ローラ52、53の回転を停止させているため、その2個の取込ローラ52、53によって下側の紙幣60の送り出しを一旦止めて上側の紙幣60のみを2個のフィードローラ50、51と2個の取込ローラ52、53との間に通すことができる。
すなわち、制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22において2個のピッカローラによりステージ45の一面45A上から仮に2枚の紙幣60が上下に重なったまま取込繰出搬送路49側へ送り出されても、これら2枚の紙幣60を2個のフィードローラ50、51及び2個の取込ローラ52、53の間で分離して1枚ずつ繰り出すことができる。
また制御ユニット10は、この際、ステージ45上から最上位紙幣60を取込繰出搬送路49へ送り出す毎に、ステージ駆動モータを間欠的に動作させてステージ昇降部を駆動することで、ステージ45を僅かに上昇させる。
すなわち、制御ユニット10は、ステージ45上から最上位紙幣60を取込繰出搬送路49へ送り出す毎に、ステージ45により新たな最上位紙幣60を2個のピッカローラの外周面の下側の部分に所定の押圧力で押し付ける。
よって制御ユニット10は、2個のピッカローラにより常に同一の送出条件で、ステージ45の一面45A上の複数の紙幣60を1枚ずつ取込繰出搬送路49側へ送り出させている。
これにより制御ユニット10は、紙幣収納庫18乃至22に収納している紙幣60を1枚ずつ的確に取込繰出搬送路49を介して搬送して紙幣取込繰出口30BXから中央紙幣搬送路27Aへ繰り出すことができる。
(1−6)第1の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、現金自動預払機1では、紙幣収納庫18乃至22において、紙幣収納スペース40に紙幣60を載せるためのステージ45を配置するようにした。
また現金自動預払機1では、紙幣収納庫18乃至22において、紙幣収納スペース40の近傍に一対の上搬送ガイド47及び下搬送ガイド48を対向配置して、当該上搬送ガイド47及び下搬送ガイド48の間に紙幣60を搬送するための取込繰出搬送路49を形成して、当該取込繰出搬送路49の一端を紙幣収納スペース40に繋げるようにした。
さらに現金自動預払機1では、紙幣収納庫18乃至22において、取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の両横に、一対の左サイドガイド55及び右サイドガイド56を互いの一面55A、56Aを対向させて配置するようにした。
そして現金自動預払機1では、左サイドガイド55及び右サイドガイド56の一面55A、56Aにおいて、取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界付近よりも当該取込繰出搬送路49側に、搬送路幅を所定の幅に規制するための所定の深さの幅規制面55AX、56AXを形成するようにした。
また現金自動預払機1では、左サイドガイド55及び右サイドガイド56の一面55A、56Aにおいて、取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界付近に、幅規制面55AX、56AXによって規制する搬送路幅を紙幣収納スペース40側に徐々に狭めるように変更する幅変更面55AY、56AYを形成するようにした。
さらに現金自動預払機1では、左サイドガイド55及び右サイドガイド56の一面55A、56Aにおいて取込繰出搬送路49よりも上搬送ガイド47側の所定位置に、一対の左抑えガイド57及び右抑えガイド58を設けるようにした。
そして現金自動預払機1は、紙幣収納庫18乃至22において紙幣取込時、取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60の中心が搬送路幅の中心から搬送路幅方向へずれていると、左サイドガイド55及び右サイドガイド56の幅変更面55AY、56AYで、当該取込繰出搬送路49を介して搬送する紙幣60の左や右の短辺側を上側へ捲るように変形させる。
また現金自動預払機1は、この際、紙幣収納庫18乃至22において左抑えガイド57及び右抑えガイド58の一面に、紙幣60の上側へ捲るように変形させた左や右の短辺側
当該紙幣60の左や右の短辺側を押し付けるようにして摺動させる。
そして現金自動預払機1は、紙幣収納庫18乃至22において紙幣60を、左や右の短辺側を上側へ捲るように変形させ、かつ左抑えガイド57及び右抑えガイド58の一面で摺動させたまま、取込繰出搬送路49の一端からステージ45の一面45Aの上側へ放出する。
すなわち、現金自動預払機1は、紙幣収納庫18乃至22において取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60の中心が搬送路幅の中心から搬送路幅方向へずれているために、その紙幣60の左や右の短辺側を上側へ捲るように変形させる際、当該紙幣60の左や右の短辺側を、左抑えガイド57及び右抑えガイド58の一面に何ら突き当てることなく押し付けるようにして紙幣収納スペース40側まで摺動させて浮き上がりを抑えることができる。
よって現金自動預払機1は、紙幣収納庫18乃至22において紙幣60の左や右の短辺側を上側へ捲るように変形させても、当該紙幣60の左や右の短辺側が損傷することを大幅に低減させることができる。
その結果、現金自動預払機1は、紙幣収納庫18乃至22において取込繰出搬送路49の一端から紙幣収納スペース40へ放出した紙幣60をステージ45の一面45Aの中央部へ変位させて載せるものの、当該テージ45の一面45A上で紙幣60の損傷に起因する集積不良が発生することを大幅に低減させることができる。
特に現金自動預払機1は、紙幣60の左や右の短辺側を上側へ捲るように変形させる際の捲れ幅を、それぞれ紙幣60の長辺の長さに応じた捲れ幅に規制する複数組の左サイドガイド55及び右サイドガイド56を用意すると共に、これら複数組の左サイドガイド55及び右サイドガイド56にそれぞれ左抑えガイド57及び右抑えガイド58を設けるようにした。
そして現金自動預払機1は、紙幣収納庫18乃至22において、左サイドガイド55及び右サイドガイド56を交換可能にし、収納する紙幣60の長辺の長さに対応する左サイドガイド55及び右サイドガイド56を取り付けるようにした。
よって現金自動預払機1は、紙幣収納庫18乃至22に、長辺の長さの異なる紙幣60の何れを収納する場合でも、紙幣60の左や右の短辺側を上側へ捲るように変形させる際に左前角部や右前角部が損傷することを防止することができる。
以上の構成によれば、現金自動預払機1は、紙幣収納庫18乃至22において取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の両横に、搬送路幅を所定の幅に規制し、また取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界付近では、その規制していた搬送路幅を徐々に狭めることで、取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60の中心が搬送路幅の中心から搬送路幅方向へずれている場合は、当該紙幣60の左や右の短辺側を上側へ捲るように変形させる一対の左サイドガイド55及び右サイドガイド56を対向させて配置すると共に、当該左サイドガイド55及び右サイドガイド56の対向する一面55A、56Aに、紙幣60の浮き上がりを抑えるための一対の左抑えガイド57及び右抑えガイド58を、上搬送ガイド47側に張り出すように設けるようにした。
これにより現金自動預払機1は、紙幣収納庫18乃至22において取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60の中心が搬送路幅の中心から搬送路幅方向へずれているために、その紙幣60の左や右の短辺側を上側へ捲るように変形させる際、当該紙幣60の左や右の短辺側を、左抑えガイド57及び右抑えガイド58の一面に何ら突き当てることなく押し付けるようにして紙幣収納スペース40側まで摺動させて浮き上がりを抑えることができる。
よって現金自動預払機1は、紙幣収納庫18乃至22において、紙幣60の左や右の短辺側、特に左前角部や右前角部が損傷することを大幅に低減させることができる。
また現金自動預払機1は、紙幣収納庫18乃至22において紙幣取込時、取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60を、互いに逆回転している2個のフィードローラ50、51及び2個の取込ローラ52、53の間に挟み込むようにして紙幣収納スペース40側へ搬送するように駆動している状態で、左サイドガイド55及び右サイドガイド56の互いの幅規制面55AX、56AXの間、及び互いの幅変更面55AY、56AYの間を順に通過させるようにした。
従って現金自動預払機1は、紙幣収納庫18乃至22において紙幣60を搬送しながら左や右の短辺側を上側へ捲るように変形させる際、当該紙幣60が左及び右の短辺側の一方を他方よりも前側に位置させるように回転することをほぼ確実に防止することができる。
よって現金自動預払機1は、紙幣収納庫18乃至22において、紙幣60において上側へ捲るように変形させた左や右の短辺側が、左抑えガイド57及び右抑えガイド58の一面に比較的強く押し付けられて折れ曲がりや皺がよって潰れる等して損傷することをほぼ確実に防止することができる。
さらに現金自動預払機1は、紙幣収納庫18乃至22において2個のフィードローラ50、51及び2個の取込ローラ52、53を、取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界近傍に配置するようにした。
このため現金自動預払機1は、紙幣60を搬送しながら変形させる際に当該紙幣60が回転することを防止し得ることに加えて、その紙幣60の一方の長辺を搬送方向(すなわち、紙幣収納スペース40側)へ向けたまま、取込繰出搬送路49の一端から紙幣収納スペース40へ放出することもできる。
そして現金自動預払機1は、左サイドガイド55及び右サイドガイド56の一面55A、56Aの前端部を紙幣収納スペース40の両横で預払機前後方向と平行にするようにした。
また現金自動預払機1は、左サイドガイド55及び右サイドガイド56の一面55A、56Aに設けられる左抑えガイド57及び右抑えガイド58の前端部も紙幣収納スペース40の両横で預払機前後方向と平行にするようにした。
よって現金自動預払機1は、左や右の短辺側を上側へ捲るように変形させた紙幣60を取込繰出搬送路49の一端から紙幣収納スペース40へ放出した際、左抑えガイド57及び右抑えガイド58の一面で摺動させていた当該紙幣60の左や右の短辺を預払機前後方向とほぼ平行にすることができる。
このため現金自動預払機1は、紙幣収納スペース40で紙幣60を元の平坦な状態に戻しながら、左サイドガイド55や右サイドガイド56の一面55A、56Aから離隔させるとき、当該紙幣60を、左及び右の短辺側の一方を他方よりも前側に位置させるように回転することをほぼ確実に防止して、ステージ45の一面45Aの中央部へ的確に変位させることができる。
さらに現金自動預払機1は、左サイドガイド55及び右サイドガイド56の一面55A、56Aにおいて幅規制面55AX、56AXから幅変更面55AY、56AYを経た前端部までに亘って左抑えガイド57及び右抑えガイド58を設けるようにした。
従って現金自動預払機1は、紙幣収納庫18乃至22において、紙幣60の左や右の短辺側を上側へ捲るように変形させる際、その左や右の短辺側が左抑えガイド57や右抑えガイド58の後端部に当たって損傷することを確実に防止することができる。
また現金自動預払機1は、左サイドガイド55及び右サイドガイド56を比較的薄く形成している場合でも、左抑えガイド57及び右抑えガイド58を補強材のように機能させて破損し難くすることができる。
(2)第2の実施の形態
(2−1)現金自動預払機の外観構成
次いで、第2の実施の形態による現金自動預払機70(図1)について説明する。ただし、第2の実施の形態による現金自動預払機70は、第1の実施の形態による現金自動預払機1(図1)と同様の外観構成を有している。
よって、第2の実施の形態による現金自動預払機70の外観構成については、図1を用いて上述した第1の実施の形態による現金自動預払機1の外観構成を参照することとして、ここでの説明は省略する。
(2−2)現金自動預払機の内部構成
次いで、第2の実施の形態による現金自動預払機70の内部構成について説明する。第2の実施の形態による現金自動預払機70(図2)は、紙幣処理ユニット71の一部構成を除いて上述した第1の実施の形態による現金自動預払機1と同様に構成されている。
すなわち、図3との対応部分に同一符号を付した図13に示すように、紙幣処理ユニット71は、着脱可能に装着される複数の紙幣収納庫72乃至76の構成を除いて、上述した第1の実施の形態による紙幣処理ユニット11と同様に構成されている。よって、以下には、複数の紙幣収納庫72乃至76の構成について説明する。
(2−3)紙幣収納庫の外観構成
複数の紙幣収納庫72乃至76は、上述した第1の実施の形態による紙幣収納庫18乃至22と同様の外観構成を有している。
よって、複数の紙幣収納庫72乃至76の外観構成については、図4を用いて上述した第1の実施の形態による紙幣収納庫18乃至22の外観構成を参照することとして、ここでの説明は省略する。
(2−4)紙幣収納庫の内部構成
次いで、複数の紙幣収納庫72乃至76の内部構成について説明する。ただし、複数の紙幣収納庫72乃至76は、内部が同様に構成されている。
このため、以下には、1つの紙幣収納庫72の内部構成について説明し、他の紙幣収納庫73乃至76の内部構成については説明を省略する。
図5乃至図7との対応部分に同一符号を付した図14乃至図16に示すように、紙幣収納庫72は、収納庫内搬送部79に設けられる左サイドガイド80及び右サイドガイド81と、左抑えガイド82及び右抑えガイド83と、左上搬送ガイド85A及び右上搬送ガイド85Bからなる上搬送ガイド85との構成を除いて、上述した第1の実施の形態による紙幣収納庫18乃至22と同様に構成されている。
この場合、左上搬送ガイド85A及び右上搬送ガイド85Bは、上述した第1の実施の形態による左上搬送ガイド47A及び右上搬送ガイド47Bと基本的には同様に構成されている。
そして左上搬送ガイド85A及び右上搬送ガイド85Bは、一面85AX、85BXを下側に向けて、上述した第1の実施の形態による左上搬送ガイド47A及び右上搬送ガイド47Bと同様の位置に配置されることにより、下搬送ガイド48と共に取込繰出搬送路49を形成している。
また左サイドガイド80は、基本的には、上述した第1の実施の形態による左サイドガイド55と同様に構成されており、一面80Aに幅規制面80AX及び幅変更面80AYが形成されている。
そして左サイドガイド80は、当該左サイドガイド80の長手方向を預払機上下方向と平行にし、かつ一面80Aを右側に向けた姿勢で、取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の左横に交換可能に設けられている。
すなわち、左サイドガイド80は、上端を左上搬送ガイド85Aの上側に突出させ、下端部を下搬送ガイド48の配置位置よりも下側に位置させている。
また左サイドガイド80は、一面80Aの中央部を取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界付近に位置させて、幅変更面80AYにおいて後寄りの部分を、左側のフィードローラ50及び取込ローラ52の左側面において前寄りの部分と対向させている。
よって左サイドガイド80は、一面80Aの前端部を取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界付近よりも紙幣収納スペース40側に位置させて、当該前端部の下寄りの所定の範囲を、昇降可能なステージ45の左側面の後端部と対向させている。
また左サイドガイド80は、一面80Aの後端部を取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界付近よりも取込繰出搬送路49側に位置させて、幅規制面80AXを、左側のフィードローラ50及び取込ローラ52の左側面において後寄りの部分と対向させている。
一方、右サイドガイド81も、基本的には、上述した第1の実施の形態による右サイドガイド56と同様に構成されており、一面81Aに幅規制面81AX及び幅変更面81AYが形成されている。
そして右サイドガイド81は、当該右サイドガイド81の長手方向を預払機上下方向と平行にし、かつ一面81Aを左側に向けて左サイドガイド80の一面80Aと対向させた姿勢で、取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の右横に交換可能に設けられている。
すなわち、右サイドガイド81は、上端を右上搬送ガイド85Bの上側に突出させ、下端部を下搬送ガイド48の配置位置よりも下側に位置させている。
また右サイドガイド81は、一面81Aの中央部を取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界付近に位置させて、幅変更面81AYにおいて後寄りの部分を、右側のフィードローラ51及び取込ローラ53の右側面において前寄りの部分と対向させている。
よって右サイドガイド81は、一面81Aの前端部を取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界付近よりも紙幣収納スペース40側に位置させて、当該前端部の下寄りの所定の範囲を、昇降可能なステージ45の右側面の後端部と対向させている。
また右サイドガイド81は、一面81Aの後端部を取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界付近よりも取込繰出搬送路49側に位置させて、幅規制面81AXを、右側のフィードローラ51及び取込ローラ53の右側面において後寄りの部分と対向させている。
これにより左サイドガイド80及び右サイドガイド81は、取込繰出搬送路49において紙幣収納スペース40との境界付近よりも後側に位置する幅規制面80AX、81AXにより、当該取込繰出搬送路49の搬送路幅を、長辺最長紙幣の長辺の長さよりも長い所定の幅に規制している。
また左サイドガイド80及び右サイドガイド81は、取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界付近に位置する幅変更面80AY、81AYにより、幅規制面80AX、81AXによって規制した搬送路幅を、紙幣収納スペース40側へ徐々に狭めるように変更している。
さらに左サイドガイド80及び右サイドガイド81は、紙幣収納スペース40の両横に位置する一面80A、81Aの前端部を、ステージ45の左側面及び右側面の後端部に近接させている。
これにより左サイドガイド80及び右サイドガイド81は、紙幣取込時、取込繰出搬送路49に取り込まれた紙幣を、当該取込繰出搬送路49を介して紙幣収納スペース40側へ搬送させながらステージ45の一面45Aの上側へ案内することができる。
ただし、左サイドガイド80は、一面80Aの上端部において左上搬送ガイド85Aの上側に向いた他面85AYの左縁と対向する位置に、当該一面80Aの後縁から前縁に亘って略クランク状に凹む段差部80AZが形成されている。
また右サイドガイド81も、左サイドガイド80と同様に一面81Aの上端部において右上搬送ガイド85Bの上側に向いた他面85BYの右縁と対向する位置に、当該一面81Aの後縁から前縁に亘って略クランク状に凹む段差部81AZが形成されている。
また左抑えガイド82及び右抑えガイド83は、例えば、左サイドガイド80及び右サイドガイド81の預払機前後方向の長さよりも長い平板状に形成されている。
そして左抑えガイド82は、左側面82Aが左サイドガイド80の段差部80AZに対応させて略クランク状に形成されている。
また右抑えガイド83は、右側面83Aが右サイドガイド81の段差部81AZに対応させて略クランク状に形成されている。
そのうえで、左抑えガイド82は、一面82Bを下側に向けて左上搬送ガイド85Aの他面85AYに、取付位置を預払機左右方向へ変更可能なように取り付けられている。
そして左抑えガイド82は、左上搬送ガイド85Aの他面85AYに対する取付位置が調整されることで、左端部を左サイドガイド80の一面80Aの段差部80AZに係合させている。
また右抑えガイド83は、一面83Bを下側に向けて右上搬送ガイド85Bの他面85BYに、取付位置を預払機左右方向へ変更可能なように取り付けられている。
そして右抑えガイド83は、右上搬送ガイド85Bの他面85AYに対する取付位置が調整されることで、左端部を右サイドガイド81の一面81Aの段差部81AZに係合させている。
ここで、紙幣収納庫72についても、長辺の長さが異なる取扱可能紙幣にそれぞれステージ45の一面45Aの中央部に変位させるための最適な復元力を作用させるために、捲れ幅規制深さがそれぞれ取扱可能紙幣の長辺の異なる長さに応じて適宜選定された複数組の左サイドガイド80及び右サイドガイド81が予め用意されている。
よって紙幣収納庫72でも、収納する紙幣60が設定や変更された場合、設定された紙幣60や変更後の紙幣60の長辺の長さに対応する1組の左サイドガイド80及び右サイドガイド81を取り付けさせている。
そして紙幣収納庫72は、収納する紙幣60に対応する1組の左サイドガイド80及び右サイドガイド81を取り付けられた際、左上搬送ガイド85Aの他面85AYに対する左抑えガイド82の取付位置を調整させることで、当該左抑えガイド82の左端部を左サイドガイド80の一面80Aの段差部80AZに係合させる。
また紙幣収納庫72は、右上搬送ガイド85Bの他面85AYに対する右抑えガイド83の取付位置についても調整させることで、当該右抑えガイド83の右端部を右サイドガイド81の一面81Aの段差部81AZに係合させる。
これにより紙幣収納庫72は、左サイドガイド80及び右サイドガイド81並びに左抑えガイド82及び右抑えガイド83を、上述した第1の実施の形態による左サイドガイド55及び右サイドガイド56並びに左抑えガイド57及び右抑えガイド58と同様に機能させることができる。
よって紙幣収納庫72は、サイズの異なる(すなわち、長辺の長さが異なる)紙幣60の何れを収納する場合でも、取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60の中心が搬送路幅の中心から搬送路幅方向へずれていたときには、当該紙幣60の短辺側を、その長辺の長さに応じた捲れ幅で上側に捲るように変形させることができる。
そして紙幣収納庫72は、その変形させた紙幣60を、取込繰出搬送路49の一端から紙幣収納スペース40へ放出すると、当該ステージ45の一面45Aの中央部へ変位させることができる。
すなわち、図8乃至図10との対応部分に同一符号を付した図17乃至図19に示すように、左サイドガイド80は、紙幣取込時に取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60の中心が搬送路幅の中心から預払機左方向へずれていた場合、取込繰出搬送路49を介して搬送される紙幣60の左の短辺側を左前角部から幅変更面80AYに押し付けるようにして当該幅変更面80AY及び一面80Aの前端部に亘って摺動させる。
これにより左サイドガイド80は、紙幣60の一方の長辺を搬送方向へ向けたまま、当該紙幣60の左の短辺側を左前角部から徐々に上側へ捲るように変形させることができる。
その結果、左サイドガイド80は、紙幣60が左の短辺側を上側へ捲るように変形させたまま、2個のフィードローラ50、51及び2個の取込ローラ52、53の間から送り出されて取込繰出搬送路49の一端から紙幣収納スペース40へ放出されると、その紙幣60に元の平坦な状態に戻ろうとする復元力を作用させることができる。
また左抑えガイド82は、左サイドガイド80が紙幣60の左の短辺側を上側へ捲るように変形させた際、下に向いた平坦な一面82Bの左端部に当該紙幣60の左の短辺側を左前角部から押し付けさせるようにして紙幣収納スペース40側へ摺動させる。
よって左抑えガイド82は、紙幣60が左の短辺側を上側へ捲るように変形させたまま取込繰出搬送路49の一端から紙幣収納スペース40へ放出されたとき、一面82Bの左端部に左の短辺側を押し付けさせて紙幣60を浮き上がらないように抑えている。
これにより左抑えガイド82は、紙幣60に作用する復元力により、当該紙幣60を元の平坦な状態に戻させながら、左サイドガイド80の一面80Aから離隔させてステージ45の一面45Aの中央部へ変位させることができる。
一方、右サイドガイド81も、左サイドガイド80と同様に、紙幣取込時に取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60の中心が搬送路幅の中心から預払機右方向へずれていた場合、取込繰出搬送路49を介して搬送される紙幣60の右の短辺側を右前角部から幅変更面81AYに押し付けるようにして当該幅変更面81AY及び一面81Aの前端部に亘って摺動させる。
これにより右サイドガイド81は、紙幣60の一方の長辺を搬送方向へ向けたまま、当該紙幣60の右の短辺側を左前角部から徐々に上側へ捲るように変形させることができる。
その結果、右サイドガイド81は、紙幣60が右の短辺側を上側へ捲るように変形させたまま、2個のフィードローラ50、51及び2個の取込ローラ52、53の間から送り出されて取込繰出搬送路49の一端から紙幣収納スペース40へ放出されると、その紙幣60に元の平坦な状態に戻ろうとする復元力を作用させることができる。
また右抑えガイド83も、左抑えガイド82と同様に、右サイドガイド81が紙幣60の右の短辺側を上側へ捲るように変形させた際、下に向いた平坦な一面83Bの右端部に当該紙幣60の右の短辺側を右前角部から押し付けさせるようにして紙幣収納スペース40側へ摺動させる。
よって右抑えガイド83は、紙幣60が右の短辺側を上側へ捲るように変形させたまま取込繰出搬送路49の一端から紙幣収納スペース40へ放出されたとき、一面83Bの右端部に右の短辺側を押し付けさせて紙幣60を浮き上がらないように抑えている。
これにより右抑えガイド83は、紙幣60に作用する復元力により、当該紙幣60を元の平坦な状態に戻させながら、右サイドガイド81の一面81Aから離隔させてステージ45の一面45Aの中央部へ変位させることができる。
因みに、紙幣収納庫72乃至76は、図11について上述した場合と同様に制御ユニット10の制御のもと、紙幣60の入金処理において紙幣60の取込処理を実行して入金用の紙幣60を収納することができる。
また紙幣収納庫72乃至76は、図12について上述した場合と同様に制御ユニット10の制御のもと、紙幣60の出金処理において紙幣60の繰出処理を実行して出金用の紙幣60を繰り出すことができる。
(2−5)第2の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、現金自動預払機70では、紙幣収納庫72乃至76において、取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の両横に、搬送路幅を所定の幅に規制し、また取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界付近では、その規制していた搬送路幅を徐々に狭めるための一対の左サイドガイド80及び右サイドガイド81を対向させて配置するようにした。
そして現金自動預払機70では、左サイドガイド80及び右サイドガイド81の一面80A、81Aの上端部に段差部80AZ、81AZを形成するようにした。
また現金自動預払機70では、紙幣収納庫72乃至76において、左上搬送ガイド85Aの他面85AYに左抑えガイド82を、取付位置を変更可能に取り付けて、当該左抑えガイド82の左端部を左サイドガイド80の段差部80AZに係合させるようにした。
さらに現金自動預払機70では、紙幣収納庫72乃至76において、右上搬送ガイド85Bの他面85BYに右抑えガイド83を、取付位置を変更可能に取り付けて、当該右抑えガイド83の右端部を右サイドガイド81の段差部81AZに係合させるようにした。
従って現金自動預払機70は、上述した第1の実施の形態の場合と同様に、紙幣収納庫72乃至76において取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60の中心が搬送路幅の中心から搬送路幅方向へずれているために、その紙幣60の左や右の短辺側を上側へ捲るように変形させる際、当該紙幣60の左や右の短辺側を、左抑えガイド82の一面82Bや右抑えガイド83の一面83Bに何ら突き当てることなく押し付けるようにして紙幣収納スペース40側まで摺動させて浮き上がりを抑えることができる。
よって現金自動預払機70は、紙幣収納庫72乃至86において紙幣60の左や右の短辺側を上側へ捲るように変形させても、当該紙幣60の左や右の短辺側が損傷することを大幅に低減させることができる。
以上の構成によれば、現金自動預払機70は、紙幣収納庫72乃至76において取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の両横に、搬送路幅を所定の幅に規制し、また取込繰出搬送路49及び紙幣収納スペース40の境界付近では、その規制していた搬送路幅を徐々に狭めることで、取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60の中心が搬送路幅の中心から搬送路幅方向へずれている場合は、当該紙幣60の左や右の短辺側を上側へ捲るように変形させる一対の左サイドガイド80及び右サイドガイド81を設けると共に、当該左サイドガイド80及び右サイドガイド81の一面80A、81Aの上端部に段差部80AZ、81AZを形成し、左上搬送ガイド85Aの他面85AYに左抑えガイド82を、取付位置を変更可能に取り付けて、当該左抑えガイド82の左端部を左サイドガイド80の段差部80AZに係合させると共に、右上搬送ガイド85Bの他面85BYに右抑えガイド83を、取付位置を変更可能に取り付けて、当該右抑えガイド83の右端部を右サイドガイド81の段差部81AZに係合させるようにした。
これにより現金自動預払機70は、上述した第1の実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができると共に、これに加えて、紙幣収納庫72乃至76において紙幣60の取り込みに対し、左サイドガイド80及び右抑えガイド83を、複数組の左サイドガイド80及び右サイドガイド81の何れの1組とも組み合わせて用いることができる。
よって現金自動預払機70は、紙幣収納庫72乃至76に交換可能に設けられる複数組の左サイドガイド80及び右サイドガイド81の構成を簡易化することができる。
(3)他の実施の形態
(3−1)他の実施の形態1
なお上述した第1及び第2の実施の形態においては、左サイドガイド55、80の一面55A、80Aに預払機上下方向と平行な幅規制面55AX、80AXと前斜め右方向と平行な幅変更面55AY、80AYとを形成すると共に、右サイドガイド56、81の一面56A、81Aに預払機上下方向と平行な幅規制面56AX、81AXと前斜め左方向と平行な幅変更面56AY、81AYとを形成するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、例えば、図20に示すように、左サイドガイド90及び右サイドガイド91の一面90A、91Aに、取込繰出搬送路49の真横で搬送路幅を規制しつつも、互いの間隔を取込繰出搬送路49の下側から上側へ徐々に広げるように傾斜する幅規制面90AX、91AXを形成する。
また本発明は、左サイドガイド90の一面90Aに、上斜め左前方向と平行に傾斜する幅変更面90AYを形成すると共に、右サイドガイド91の一面91Aに、上斜め右前方向と平行に傾斜する幅変更面91AYを形成するようにしても良い。
また本発明は、係る構成によれば、取込繰出搬送路49に取り込んだ紙幣60の中心が搬送路幅の中心から搬送路幅方向へずれているために、当該紙幣60の左や右の短辺側を捲るように変形させる際、当該左や右の短辺側を幅規制面90AX、91AX及び幅変更面90AY、91AYの傾斜に沿わせてほぼ確実に上側へ捲るように変形させることができる。
よって本発明は、紙幣60の捲るように変形させた左や右の短辺側をほぼ確実に左抑えガイド57や右抑えガイド58の一面に押し付けるようにして摺動させることができ、その結果、当該紙幣60を取込繰出搬送路49の一端から紙幣収納スペース40へ放出したとき、当該ステージ45の一面45Aの中央部にほぼ確実に変位させることができる。
(3−2)他の実施の形態2
また上述した第1及び第2の実施の形態においては、紙幣収納庫18乃至22、72乃至76に左サイドガイド55、80及び右サイドガイド56、81を交換可能に設けるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、例えば、図9との対応部分に同一符号を付した図21に示すように、紙幣収納庫100に対し、捲れ幅規制深さが所定の深さに選定された1組の左サイドガイド101及び右サイドガイド102を、種々の幅のカラー105、106と種々の長さのねじ107、108とを用いて、互いの一面101A、102Aの間隔を変更可能に設けるようにしても良い。
本発明は、係る構成によれば、複数組の左サイドガイド55、80及び右サイドガイド56、81を用意する必要がなく、紙幣収納庫100において、収納する紙幣60の長辺の長さに応じて1組の左サイドガイド101及び右サイドガイド102の配置間隔を変更するだけで、上述した第1の実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
(3−3)他の実施の形態3
また上述した第1及び第2の実施の形態においては、紙幣収納庫18乃至22、72乃至76の収納庫内搬送部46、79において取込繰出搬送路49の両横から紙幣収納スペース40の両横に亘って一対の左サイドガイド55、80及び右サイドガイド56、81を互いの一面55A、80A、56A、81Aを対向させて配置するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、紙幣収納庫の収納庫内搬送部において取込繰出搬送路の両横に一対の左サイドガイド及び右サイドガイドを互いの一面を対向させて配置し、一対の左抑えガイド及び右抑えガイドを、当該一対の左サイドガイド及び右サイドガイドから上搬送ガイド47、85側に突出させるようにして設けるようにしても良い。
また本発明は、紙幣収納庫の収納庫内搬送部において2個のフィードローラ及び2個の取込ローラ、又は他の複数組のローラを、一対の左サイドガイド及び右サイドガイドの幅規制面及び幅変更面と対向させて配置する。
そして本発明は、紙幣収納庫において紙幣取込時、取込繰出搬送路に取り込んだ紙幣を、2個のフィードローラ及び2個の取込ローラの間、又は他の複数組のローラの間に挟み込むようにして紙幣収納スペース側へ搬送するように駆動している状態で、左サイドガイド及び右サイドガイドの互いの幅規制面の間、及び互いの幅変更面の間を順に通過させるようにしても良い。
本発明は、係る構成によれば、紙幣収納庫において紙幣取込時に取込繰出搬送路に取り込んだ紙幣の中心が搬送路幅の中心から搬送路幅方向へずれていた場合、その取込繰出搬送路を介して紙幣を搬送しながら、左サイドガイド及び右サイドガイドと一対の左抑えガイド及び右抑えガイドとにより当該紙幣を搬送路幅の中央部に変位させたうえで取込繰出搬送路の一端から紙幣収納スペースへ放出させることができる。
これにより本発明は、係る構成によっても、上述した第1及び第2の実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
ところで、本発明は、係る収納庫内搬送部の構成を、例えば、上述した前側搬送部25や上側搬送部26、中央搬送部27に適用することもできる。
本発明は、このように係る構成を前側搬送部25や上側搬送部26、中央搬送部27に適用した場合、前側紙幣搬送路25Aや上側紙幣搬送路26A、中央紙幣搬送路27Aを介して紙幣を搬送しながら搬送路幅の中央部に変位させたうえで、鑑別部15や一時保留部16等に引き渡すことができる。
よって本発明は、係る構成によれば、前側紙幣搬送路25Aや上側紙幣搬送路26A、中央紙幣搬送路27Aを介して搬送する紙幣が鑑別部15や一時保留部16等との接続部分に詰まることをほぼ確実に防止することができると共に、その紙幣を搬送路幅の中央部に変位させる際に当該紙幣の端部が破損することも大幅に低減させることができる。
(3−4)他の実施の形態4
また上述した第1及び第2の実施の形態においては、現金自動預払機1、70及び紙幣収納庫18乃至22、72乃至76内で長方形の紙幣60を、一方の長辺を搬送方向の上流側へ位置させ、かつ他方の長辺を当該搬送方向の下流側に位置させた搬送姿勢で搬送するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、現金自動預払機及び紙幣収納庫内で長方形の紙幣を、一方の短辺を搬送方向の上流側へ位置させ、かつ他方の短辺を当該搬送方向の下流側に位置させた搬送姿勢で搬送するようにしても良い。
そして本発明は、紙幣収納庫において取込繰出搬送路に取り込んだ紙幣の中心が搬送路幅の中心から搬送路幅方向へずれている場合、その紙幣において搬送路幅方向の端部である一方の長辺側及び他方の長辺側を上側へ捲るように変形させるようにしても良い。
本発明は、係る構成の場合も、上述した第1及び第2の実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
(3−5)他の実施の形態5
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、本発明による紙葉類収納装置を、図1乃至図21について上述した現金自動預払機1、70に着脱可能に設けられる紙幣収納庫18乃至22、72乃至76に適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、現金自動預払機1、70に着脱可能に設けられる上述のリジェクト庫17や、当該現金自動預払機に固設される紙幣収納庫、現金自動支払機(CD:Cash Dispenser)、両替機、電車の切符や観劇のチケット等を販売する券売機、精算機、自動販売機、パチンコ台やスロット台のような遊戯機に着脱可能に設けられ、又は固設された紙幣収納庫に適用することができる。
また本発明は、紙葉類収納装置を、券売機に着脱可能に設けられ、又は固設され、切符やチケットを収納する券収納装置、有価証券取扱機に着脱可能に設けられ、又は固設され、有価証券を収納する有価証券収納庫、コピー機に着脱可能に設けられ、又は固設され、コピー用紙を収納する用紙収納庫、葉書取扱装置に着脱可能に設けられ、又は固設され、葉書を収納する葉書収納庫、紙幣やチケット等の種々の紙葉類に対する繰出機能は有さずに取込機能のみを有する紙葉類収納装置等のように、この他種々の紙葉類を収納する紙葉類収納装置にも広く適用することができる。
(3−6)他の実施の形態6
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、本発明による紙葉類取扱装置を、図1乃至図21について上述した現金自動預払機1、70に適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、紙幣を取り扱う現金自動支払機、両替機、券売機、精算機、自動販売機及び遊戯機、切符やチケットを取り扱う券売機、有価証券を取り扱う有価証券取扱機、コピー用紙を取り扱うコピー機、葉書を取り扱う葉書取扱装置等のように、この他種々の紙葉類を取り扱う紙葉類取扱装置に広く適用することができる。
(3−7)他の実施の形態7
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、本発明による紙葉類搬送装置を、図1乃至図21について上述した紙幣収納庫18乃至22、72乃至76に設けられた収納庫内搬送部46、79に適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、上述した前側搬送部25や上側搬送部26、中央搬送部27のように紙幣を搬送する搬送部、また切符、チケット、有価証券、コピー用紙及び葉書等の紙葉類を搬送する搬送部等のように、この他種々の紙葉類を搬送する紙葉類搬送装置に広く適用することができる。
(3−8)他の実施の形態8
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、搬送路を介して所定の搬送方向へ搬送する紙葉類として、図1乃至図21について上述した紙幣60を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、有価証券や切符、チケット、コピー用紙、葉書等のように、この他種々の紙葉類を広く適用することができる。
(3−9)他の実施の形態9
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、紙葉類を所定の搬送方向へ搬送するための搬送路を形成する一対の第1搬送ガイド及び第2搬送ガイドとして、図1乃至図21について上述した左上搬送ガイド47A、85A及び右上搬送ガイド47B、85Bからなる上搬送ガイド47、85と、下搬送ガイド48とを適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、1個の第1搬送ガイド、及び2個の搬送ガイドからなる第2搬送ガイドや、何れも1個の第1搬送ガイド及び第2搬送ガイド等のように、この他種々の構成の第1搬送ガイド及び第2搬送ガイドを広く適用することができる。
(3−10)他の実施の形態10
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、搬送路の両横に互いの一面を対向させて配置され、互いの当該一面において搬送方向の上流側に搬送路幅を規制する幅規制部が形成されると共に、幅規制部よりも搬送方向の下流側に当該幅規制部によって規制する搬送路幅を徐々に狭めるように変更する幅変更部が形成される一対の第1サイドガイド及び第2サイドガイドとして、図1乃至図21について上述した左サイドガイド55、80及び右サイドガイド56、81を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、例えば、一面において幅規制部を除き幅変更部から前端部に亘って第1抑えガイド及び第2抑えガイドが設けられた第1サイドガイド及び第2サイドガイド等のように、この他種々の構成の第1サイドガイド及び第2サイドガイドを広く適用することができる。
(3−11)他の実施の形態11
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、一対の第1サイドガイド及び第2サイドガイドから第1搬送ガイド側へ張り出すように設けられ、搬送路を介して搬送方向へ搬送される紙葉類の端部が第1搬送ガイド側へ捲るように変形した際、当該紙葉類の浮き上がりを抑える一対の第1抑えガイド及び第2抑えガイドとして、図1乃至図21について上述した左抑えガイド57、82及び右抑えガイド58、83を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、例えば、第1サイドガイド及び第2サイドガイドの一面において幅規制部を除き幅変更部から前端部に亘って設けられる第1抑えガイド及び第2抑えガイド等のように、この他種々の構成の第1抑えガイド及び第2抑えガイドを広く適用することができる。
(3−12)他の実施の形態12
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、搬送路に取り込まれた紙葉類を挟み込むようにして搬送方向の上流側から下流側へ搬送するように駆動した状態で、当該紙葉類を一対の第1サイドガイド及び第2サイドガイドの幅規制部間及び幅変更部間を順に通過させる搬送駆動部として、図1乃至図21について上述した2個のフィードローラ50、51及び2個の取込ローラ52、53を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、1個のフィードローラ及び1個の取込ローラからなる搬送駆動部や、3個以上のフィードローラ及び3個以上の取込ローラからなる搬送駆動部や外周面に一周に亘る1又は複数の凹部が形成されたフィードローラ、及び外周面に一周に亘る1又は複数の凹部が形成され、当該外周面の凸部及び凹部をフィードローラの外周面の凹部及び凸部に非接触の状態で僅かに嵌合させる取込ローラからなる搬送駆動部、1又は複数組の搬送ベルトからなる搬送駆動部、1又は複数の搬送ベルト、及び1又は複数の搬送ローラからなる搬送駆動部等のように、この他種々の構成の搬送駆動部を広く適用することができる。
(3−13)他の実施の形態13
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、紙葉類を収納する紙葉類収納スペースとして、図1乃至図21について上述したステージ45が昇降可能に設けられた紙幣収納スペース40を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、紙葉類の搬送先となり、固設又は着脱可能に配置されるトレイ内の紙葉類収納スペース等のように、この他種々の構成の紙幣収納スペースを広く適用することができる。