JP2014196044A - 二輪車の乗員状態検知システム - Google Patents

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Abstract

【課題】二輪車の運転者等の乗員の様々な姿勢(乗員の状態)を正確に検知する。【解決手段】自動二輪車に適用される乗員状態検知システム10では、超音波センサ92の発信部92aがシートの上方に向けて超音波94を発信する。受信部92bは、シートの周辺にいる運転者78で反射した超音波94を反射波96として受信する。反射時間算出部152は、反射波96に応じた反射信号の波形に基づいて超音波94の反射時間を算出する。乗員位置推定部154は、算出した反射時間に基づいて運転者78の位置を推定する。乗員状態判断部156は、推定した運転者78の位置に基づいて当該運転者78の状態を判断する。【選択図】図4

Description

本発明は、二輪車の乗員の状態を検知するための乗員状態検知システムに関する。
従来より、二輪車及び四輪車では、乗員がシートに着座したことを検知する技術が適用されている。例えば、特許文献1には、反射型赤外線センサを用いて、乗員が二輪車のシートに着座したことを検知する構成が開示されている。
特開2004−74916号公報
しかしながら、二輪車では、四輪車とは異なり、乗員である運転者(ライダー)の位置(姿勢)が様々に変化する。すなわち、乗員の状態は、例えば、乗員がシートに着座した乗車状態、乗員が二輪車から降車した降車状態、降車状態の乗員がハンドルを把持して二輪車を押して歩く状態(以下、押し歩き状態ともいう。)、降車した乗員が二輪車から離れた状態(以下、完全降車状態ともいう。)に変化する。そのため、従来のように、シートへの乗員の着座を単に検知するだけでは、乗員の状態を正しく判断することができない。
また、赤外線センサは、温度の影響を受けやすいので、赤外線センサを用いて乗員の状態を検知するシステムでは、温度の影響により、乗員の状態を誤検知するおそれがある。
一方、赤外線センサに代えて、シートに圧力センサを内蔵させ、該シートへの乗員の着座の有無を検知することも考えられる。しかしながら、圧力センサを用いた場合では、シートへの着座以外の乗員の姿勢については、検知することができない。
そこで、本発明は、二輪車の運転者等の乗員の様々な姿勢(乗員の状態)を正確に検知することができる乗員状態検知システムを提供することを目的とする。
また、本発明は、検知した乗員の状態を示す情報に基づき、二輪車のエンジンの始動許可又は停止許可を的確に行うことが可能となる乗員状態検知システムを提供することを目的とする。
本発明に係る二輪車(12)の乗員状態検知システム(10)は、前記二輪車(12)の乗員(78、170)の状態を検知するためのシステムであって、以下の特徴を有する。
第1の特徴;前記乗員状態検知システム(10)は、少なくとも1つの超音波検知手段(92、106)と、反射時間算出部(152)、乗員位置推定部(154)及び乗員状態判断部(156)を備えた制御手段(120)とを有する。この場合、前記超音波検知手段(92、106)は、前記二輪車(12)のシート(80)の周辺に向けて音波(94、108)を発信する発信部(92a、106a)と、前記シート(80)の周辺にいる前記乗員(78、170)により反射した前記音波(94、108)を反射波(96、110)として受信する受信部(92b、106b)とを備えている。前記反射時間算出部(152)は、前記反射波(96、110)の波形に基づいて前記音波(94、108)の反射時間を算出する。前記乗員位置推定部(154)は、前記反射時間に基づいて前記乗員(78、170)の位置を推定する。前記乗員状態判断部(156)は、推定した前記乗員(78、170)の位置に基づいて当該乗員(78、170)の状態を判断する。
第2の特徴;前記超音波検知手段(92、106)は、少なくとも、前記二輪車(12)の前方に配置された第1の超音波検知手段(92)であり、前記第1の超音波検知手段(92)の発信部(92a)は、前記シート(80)の上方に指向して前記音波(94)を発信する。この場合、前記乗員位置推定部(154)は、前記反射時間に基づいて前記乗員(78、170)の腕(100、172)及び/又は胸(102、174)の位置を推定する。
第3の特徴;前記第1の超音波検知手段(92)は、前記二輪車(12)の前方にあるメータ(36)内で、前記二輪車(12)の前後方向に沿った中心線(93)上に配置されている。
第4の特徴;前記乗員位置推定部(154)は、前記反射時間が予め決められた第1の範囲内にある場合には、前記腕(100、172)の位置を推定したと判定し、一方で、前記第1の範囲よりも長く且つ予め決められた第2の範囲内に前記反射時間がある場合には、前記胸(102、174)の位置を推定したと判定する。
第5の特徴;前記制御手段(120)は、前記乗員(78、170)が前記シート(80)に着座した乗車状態で、前記腕(100、172)からの反射波(96)の波形に基づく正常な反射時間と、前記胸(102、174)からの反射波(96)の波形に基づく正常な反射時間とを、予め学習して設定する正常時間設定部(160)をさらに備える。この場合、前記正常時間設定部(160)は、前記腕(100、172)からの反射波(96)の波形に基づく正常な反射時間を前記第1の範囲として設定すると共に、前記胸(102、174)からの反射波(96)の波形に基づく正常な反射時間を前記第2の範囲として設定する。
第6の特徴;前記腕(100)からの反射波(96)と前記胸(102)からの反射波(96)との双方を前記受信部(92b)が受信し、前記反射時間算出部(152)が前記各反射波(96)の波形から双方の反射時間を算出し、前記乗員位置推定部(154)が前記各反射時間から前記腕(100)及び前記胸(102)の位置を推定した場合に、前記乗員状態判断部(156)は、前記乗員(78)が前記シート(80)に着座した乗車状態にあると判断する。
第7の特徴;前記制御手段(120)は、前記乗員状態判断部(156)が前記乗車状態と判断した場合に、前記二輪車(12)のエンジン(50)の始動を許可する始動許可判断部(158)をさらに備える。
第8の特徴;前記腕(100)からの反射波(96)のみ前記受信部(92b)が受信し、前記反射時間算出部(152)が前記反射波(96)の波形から反射時間を算出し、前記乗員位置推定部(154)が前記反射時間から前記腕(100)の位置を推定した場合に、前記乗員状態判断部(156)は、前記乗員(78)が前記二輪車(12)から降車し、少なくとも前記二輪車(12)のハンドル(34)を把持していると判断する。
第9の特徴;前記制御手段(120)は、前記乗員(78)が前記二輪車(12)から降車し、少なくとも前記ハンドル(34)を把持していると前記乗員状態判断部(156)が判断した場合に、前記二輪車(12)のエンジン(50)の停止を許可する停止許可判断部(158)をさらに備える。
第10の特徴;前記受信部(92b)が前記反射波(96)を受信しないことに起因して、前記乗員位置推定部(154)が前記腕(100)及び前記胸(102)の位置を所定時間推定することができない場合、前記乗員状態判断部(156)は、前記乗員(78)が前記二輪車(12)から降車し、当該二輪車(12)から離れていると判断する。
第11の特徴;前記超音波検知手段(92、106)は、前記二輪車(12)の前方にあるメータ(36)内に配置された前記第1の超音波検知手段(92)と、前記二輪車(12)を挟んでサイドスタンド(76)の反対側の車体に配置された第2の超音波検知手段(106)とである。この場合、前記第2の超音波検知手段(106)の発信部(106a)は、前記二輪車(12)の前方に指向して音波(108)を発信し、前記第2の超音波検知手段(106)の受信部(106b)は、前記乗員(78)により反射した前記音波(108)を反射波(110)として受信する。そのため、前記反射時間算出部(152)は、前記第1の超音波検知手段(92)の受信部(92b)が受信した反射波(96)の波形から第1の反射時間を算出すると共に、前記第2の超音波検知手段(106)の受信部(106b)が受信した反射波(110)の波形から第2の反射時間を算出する。また、前記乗員位置推定部(154)は、前記第1の反射時間から前記腕(100)及び/又は前記胸(102)の位置を推定すると共に、前記第2の反射時間から前記乗員(78)の右足(104)の位置を推定する。
第12の特徴;前記第1の超音波検知手段(92)の発信部(92a)から発信される音波(94)は、前記二輪車(12)のハンドル(34)の幅に応じた水平面指向性を有する。
第13の特徴;前記反射時間は、前記発信部(92a、106a)から発信される音波(94、108)が連続波である場合には、前記受信部(92b、106b)で前記反射波(96、110)を受信する時間幅を含み、前記発信部(92a、106a)から発信される音波(94、108)がパルス波である場合には、前記時間幅と、前記発信部(92a、106a)から前記パルス波を発信した時点より前記受信部(92b、106b)で前記反射波(96、110)を受信する時点までの時間とを含む。
本発明の第1の特徴によれば、少なくとも1つの超音波検知手段を用いて二輪車の乗員(例えば、運転者)を検知し、検知した情報に基づいて乗員の状態(姿勢)を判断する。従って、前記二輪車に前記超音波検知手段が1つだけ配置されている場合でも、前記乗員の様々な姿勢を確実に判断することができる。
すなわち、圧力センサ等の着座センサを用いた場合には、乗員の乗車又は降車を大まかに判断することが可能である。しかしながら、前記着座センサを用いた場合では、押し歩き状態と完全降車状態との違いのように、複雑な乗員の姿勢の違いを判断することは困難である。
これに対して、第1の特徴では、前記超音波検知手段の発信部から音波を発信し、前記乗員からの反射波を受信部で受信し、反射時間算出部が前記反射波の波形から前記音波の反射時間を算出する。そして、乗員位置推定部は、前記反射時間から前記乗員の位置を推定し、乗員状態判断部は、推定した前記乗員の位置に基づいて当該乗員の状態を判断する。
このように、第1の特徴では、前記音波の反射時間を考慮することにより、複雑な乗員の姿勢(例えば、押し歩き状態)を判断することが可能となる。そのため、第1の特徴では、前記シートの形状、前記シートに設けた圧力センサの位置及び面積等を考慮することなく、前記二輪車に前記超音波検知手段を配置することができる。
また、前記反射波の波形に基づいて前記乗員の姿勢を判断するため、特許文献1のような反射型赤外線センサを用いて乗員の状態を検知する場合と比較して、乗員の状態を誤検知するおそれを低減することができる。
従って、第1の特徴によれば、前記二輪車の運転者等の乗員の様々な姿勢(前記乗員の状態)を正確且つ確実に判断(検知)することができる。
また、前記乗員の姿勢を確実に判断することができることで、前記乗員の姿勢に基づく前記二輪車のエンジンの始動許可又は停止許可を的確に行うことが可能となる。
本発明の第2の特徴によれば、二輪車の前方に第1の超音波検知手段を配置することにより、前記第1の超音波検知手段の発信部からシートの上方に指向して音波を発信することが可能となる。これにより、乗員位置推定部は、反射時間算出部が算出した反射時間に基づいて乗員の腕及び/又は胸の位置を確実に推定することができる。
本発明の第3の特徴によれば、シートの形状や圧力センサの位置及び面積等を考慮せずに、第1の超音波検知手段を一義的にメータ内で且つ二輪車の前後方向に沿った中心線上に配置することにより、前記第1の超音波検知手段の耐環境性が良くなり、設置状態の簡素化や、設置にかかるコストの低減を図ることができる。
本発明の第4の特徴によれば、反射時間が第1の範囲内にあれば腕の位置を推定したと判定し、第2の範囲内にあれば胸の位置を推定したと判定する。このように、前記反射時間が許容範囲内にあれば前記腕又は前記胸の位置を推定したと判定するので、乗員の姿勢の誤検知やノイズの影響を低減することができる。この結果、乗員状態検知システムの信頼性を向上させることができる。
本発明の第5の特徴によれば、乗員の乗車姿勢に応じた正常な反射時間を予め学習し、第1の範囲及び第2の範囲として設定することで、前記第1の範囲及び前記第2の範囲は、前記乗員の体型及び乗車姿勢に応じた適切な範囲となる。これにより、前記乗員の実際の状態(例えば、乗車姿勢)を的確に判断することが可能となる。
本発明の第6の特徴によれば、腕からの反射波と胸からの反射波とを受信した場合、前記腕からの反射波の反射時間に基づいて当該腕の位置を推定すると共に、前記胸からの反射波の反射時間に基づいて当該胸の位置を推定することができる。これにより、乗員が乗車状態にあることを的確に判断することができる。
本発明の第7の特徴によれば、乗員が乗車状態にあると判断した場合に、二輪車のエンジンの始動許可を行う。これにより、前記乗員が確実に前記二輪車に乗車している姿勢であれば、前記エンジンを始動させ、一方で、不安定な姿勢では、前記エンジンを始動させないようにすることができる。また、前記乗員の状態に応じて、前記エンジンの始動やアイドルストップ状態からの再始動を行わせることも可能となる。さらに、前記乗車状態と判断されるまでは前記エンジンの始動又は再始動が許可されないので、上記の判断処理を利用して、前記二輪車の盗難防止を図ることも可能となる。
本発明の第8の特徴によれば、腕からの反射波のみ受信した場合、前記腕からの反射波の反射時間に基づき当該腕の位置のみ推定する。これにより、乗員がハンドルを把持して押し歩き状態にあることを的確に判断することができる。
本発明の第9の特徴によれば、乗員が降車状態でハンドルを把持していると判断した場合、二輪車のエンジンの停止を許可する。これにより、押し歩き状態において、乗員がアクセル操作を行っても、前記エンジンが停止しているため、前記乗員は、前記二輪車の挙動を気にすることなく、当該二輪車を取り扱うことができる。
本発明の第10の特徴によれば、反射波を受信できなければ、腕及び胸の位置が所定時間推定されないため、完全降車状態にあると判断することができる。
本発明の第11の特徴によれば、複数の超音波検知手段を用いて乗員の腕、胸及び右足を検知するので、前記乗員の状態を正確に判断することが可能となる。また、シートの形状や圧力センサの位置及び面積等を考慮せずに、第1の超音波検知手段を一義的にメータ内に配置することで、前記第1の超音波検知手段の耐環境性が良くなり、設置状態の簡素化や、設置にかかるコストの低減を図ることができる。
一方、押し歩き状態において、前記乗員はサイドスタンド側にいる。従って、前記サイドスタンドの反対側の車体に第2の超音波検知手段を配置することにより、前記第2の超音波検知手段が前記押し歩き状態の乗員を誤検知することを回避することができる。この場合、前記サイドスタンドが二輪車の左側部に設けられていれば、前記第2の超音波検知手段は、前記二輪車の右側部に配置されることになる。これにより、乗車状態の乗員の右足を確実に検知することができると共に、前記第2の超音波検知手段を容易に設置することができる。
従って、第11の特徴によれば、超音波検知手段を2つに増やして乗員の姿勢の誤検知を防止すると共に、設置位置の簡素化及び設置状態の容易化によって、超音波検知手段の設置にかかるコストを低減することができる。
本発明の第12の特徴によれば、発信部から発信される音波がハンドルの幅に応じた水平面指向性を有するので、乗員が前記ハンドルを握った状態(例えば、乗車状態、押し歩き状態)を確実に検知することができる。
本発明の第13の特徴によれば、音波がパルス波である場合に、受信部で反射波を受信する時間幅と、前記パルス波を発信した時点より前記受信部で前記反射波を受信する時点までの時間とを検知することで、乗員の状態の誤検知を低減することができる。また、第13の特徴によれば、発信部から発信される音波(発信波)として、パルス波又は連続波の両方を用いることが可能である。
本実施の形態に係る乗員状態検知システムが適用される自動二輪車に、運転者が乗車した状態(乗車状態)を示す側面図である。 図1の乗車状態を示す平面図である。 図1の乗車状態を示す側面図である。 乗員状態検知システムが適用される自動二輪車のブロック図である。 運転者のみが自動二輪車に乗車している状態(乗車状態)を図示した説明図である。 完全降車状態を図示した説明図である。 押し歩き状態を図示した説明図である。 運転者及び同乗者の乗車状態を図示した説明図である。 運転者が押し歩き状態で、且つ、同乗者が乗車状態である場合を図示した説明図である。 他の押し歩き状態を図示した説明図である。 図10の押し歩き状態を図示した正面図である。 転倒した自動二輪車を運転者が引き起こす状態を図示した平面図である。 乗員状態検知システムの動作を説明するためのタイミングチャートである。
本発明に係る二輪車の乗員状態検知システムについて、自動二輪車に適用した好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
[本実施の形態の構成]
図1は、本実施の形態に係る乗員状態検知システム10が適用される自動二輪車12の側面図である。
なお、特に指示のない限り、図1の矢印方向に従って、前後及び上下の方向を説明すると共に、図2の矢印方向に従って、車体に着座した乗員である運転者(ライダー)から見た方向に従って、前後及び左右の方向を説明する。
自動二輪車12は、ダブルクレードル型の車体フレーム14を有する。
車体フレーム14は、ヘッドパイプ16と、左右一対のメインフレーム18と、左右一対のダウンフレーム20とを有する。メインフレーム18は、ヘッドパイプ16から左右に分岐して緩やかに後ろ下がりで後方に延びた後、湾曲部18aを介して下方に延びる。ダウンフレーム20は、ヘッドパイプ16から左右に分岐してメインフレーム18の下方を、後ろ斜め下方に延びた後、湾曲部20aを介して略水平に後方に延び、メインフレーム18の後端部に接続される。
また、車体フレーム14は、左右一対のシートフレーム22と、左右一対のピボットプレート24と、左右一対の補強ステー26とをさらに有する。シートフレーム22は、左右一対のメインフレーム18の湾曲部18a近傍から後方やや後ろ上がりに延びる。ピボットプレート24は、メインフレーム18の前記後端部付近に配置される。補強ステー26は、メインフレーム18のピボットプレート24が設けられている付近から斜め後ろ上がりに延びてシートフレーム22に接続される。なお、左右一対のピボットプレート24には、ピボット28が設けられている。
左右一対のフロントフォーク30は、ヘッドパイプ16によって回転自在に軸支されている。この場合、左右一対のフロントフォーク30の上端には、トップブリッジ32aを介して、操舵用のハンドル34が取り付けられている。また、トップブリッジ32aには、スピードメータ等を有するメータ部36が取り付けられている。
トップブリッジ32aとボトムブリッジ32bとを結ぶパイプ38には、左右一対のステー40が取り付けられている。ステー40には、自動二輪車12の前方を照射するヘッドライト42が取り付けられている。また、パイプ38には、左右一対のフロントウインカ44も取り付けられている。前輪WFは、左右一対のフロントフォーク30によって回転自在に軸支され、前輪WFの上部には、フロントフェンダ46が設けられている。なお、ボトムブリッジ32bには、警告音を出力する左右一対のホーン48が取り付けられている。
メインフレーム18とダウンフレーム20との間には、エンジン50及び変速機52が設けられている。エンジン50の上方であって、メインフレーム18の前側上方には、燃料タンク53が取り付けられている。エンジン50には、排気管54が取り付けられ、排気管54にはマフラー56が接続されている。エンジン50の前方であってダウンフレーム20の前側には、オイルクーラ58が設けられている。なお、スロットルボディ60及びエアクリーナ62は、エンジン50の後方に設けられている。
ピボットプレート24には、ピボット28を介してスイングアーム64が略上下方向に揺動自在に軸支されている。また、スイングアーム64の後端部上側とシートフレーム22との間には、リアクッション66が介装されている。スイングアーム64の後端には、後輪WRが回転可能に軸支されている。エンジン50の動力は、チェーン68を介して後輪WRに伝達される。
さらに、ピボットプレート24には、後方に延びるステップホルダ70が固定されている。ステップホルダ70の前部には、運転者用のステップ72が装着されている。ステップホルダ70の後部には、同乗者用のステップ74が装着されている。なお、自動二輪車12には、駐輪時に起立させておくためのサイドスタンド76も設けられている。
燃料タンク53の後方且つシートフレーム22の上部には、乗員である運転者78及び同乗者が着座可能なシート80が取り付けられている。シートフレーム22の後部には、同乗者が把持するグラブバー82、及び、リアウインカ84が取り付けられている。また、シートフレーム22の後方には、リアフェンダ86が設けられ、リアフェンダ86には、テールランプ88及びライセンスプレート90が取り付けられている。なお、シート80のうち、燃料タンク53側の前方部分は、運転者78が着座する運転者用シートとして機能し、リアフェンダ86側の後方部分は、同乗者が着座する同乗者用シートとして機能する。
[本実施の形態の特徴的な構成]
そして、本実施の形態に係る乗員状態検知システム10では、乗員である運転者78及び/又は同乗者を検知するため、図1及び図2に示すように、少なくとも1つの超音波センサ92(第1の超音波検知手段)を自動二輪車12に搭載させている。
超音波センサ92は、メータ部36に内蔵された反射型の超音波検知手段であり、メータ部36内で自動二輪車12の前後方向に沿った中心線93上に配置されている。すなわち、超音波センサ92は、メータ部36よりも後方のシート80の上方に向けて超音波94を発信し、乗員(運転者78、同乗者)で反射した超音波94を反射波96として受信可能である。
この場合、発信される超音波94の放射範囲は、超音波センサ92から後方且つシート80の上方に向けて扇状に拡開する範囲であると共に、運転者78等から超音波センサ92への反射波96の到来範囲でもある。すなわち、超音波94の放射範囲は、図1の側面視では、超音波センサ92から後方に向かって上下方向に扇状に拡開する放射範囲となる。また、超音波94の放射範囲は、図2の平面視では、ハンドル34の左右一対のグリップ98に沿い、且つ、ハンドル34の幅(左右のグリップ98の先端部間の幅)に応じて、超音波センサ92から扇状に拡開した水平面指向性を有する放射範囲(角度φの範囲)となる。
そのため、運転者78がシート80に着座した乗車状態にあり、該運転者78が両手で左右一対のグリップ98を把持していれば、超音波センサ92から発信された超音波94は、運転者78の左右の腕100及び/又は胸102で反射し、反射した超音波94が反射波96として超音波センサ92で受信される。
また、本実施の形態に係る乗員状態検知システム10では、上記の超音波センサ92に加え、図3に示すように、乗車状態にある運転者78の右足104を検知するための他の超音波センサ106(第2の超音波検知手段)を自動二輪車12に搭載させることも可能である。
超音波センサ106は、自動二輪車12において、サイドスタンド76が設けられる左側部とは反対側の右側部の所定箇所(例えば、シート80と補強ステー26との間の車体部分)に配置された反射型の超音波検知手段である。すなわち、超音波センサ106は、前方に向けて斜め上方(シート80の右側)に超音波108を発信し、運転者78で反射した超音波108を反射波110として受信可能である。
この場合、超音波センサ106から前方且つ斜め上方に向けて扇状に拡開する範囲は、発信される超音波108の放射範囲であると共に、運転者78の右足104から超音波センサ106への反射波110の到来範囲でもある。
従って、本実施の形態に係る乗員状態検知システム10において、超音波センサ92、106は、それぞれ、シート80の周辺(上方、右側)に向けて超音波94、108を発信し、運転者78が乗車状態であれば、反射波96、110を受信することができる。なお、前述のように、乗員状態検知システム10において、自動二輪車12の右側部に配置される超音波センサ106は必須ではなく、少なくとも、1つの超音波センサ92が、車体前方の例えばメータ部36に内蔵されていればよい。つまり、本実施の形態では、広義には、少なくとも1つの超音波センサ92が、自動二輪車12前方における中心線93上に配置されていればよい。
図4は、乗員状態検知システム10が適用される自動二輪車12のブロック図を示す。
自動二輪車12の制御手段としてのECU(Electronic Control Unit)120は、スタータリレー122を介してバッテリ124から電力供給を受ける。また、ECU120、インジェクタ126、燃料ポンプ128及びイグニッションコイル130には、バッテリ124からメインヒューズ132及びメインスイッチ134を介して、駆動電流が供給される。さらに、メインスイッチ134によりメインリレー136が付勢されると、バッテリ124からメインヒューズ132及びメインリレー136を介して、エンジン50を始動させるスタータスイッチ138に駆動電流が供給される。
ECU120には、前述した超音波センサ92、106に加え、スタータスイッチ138、アイドルスイッチ140、シートスイッチ142、車速センサ144、スロットルセンサ146、水温センサ148等の各種スイッチやセンサが接続されている。これらのスイッチやセンサも、バッテリ124から電力が供給されて駆動される。
超音波センサ92は、超音波94を発信する発信部92aと、反射波96を受信する受信部92bとを備える。超音波センサ106は、超音波108を発信する発信部106aと、反射波110を受信する受信部106bとを備える。発信部92a、106aは、ECU120からの制御に従って超音波94、108をそれぞれ発信する。受信部92b、106bは、受信した反射波96、110に応じた出力信号(以下、反射信号ともいう。)S1、S2をECU120にそれぞれ出力する。
アイドルスイッチ140は、エンジン50のアイドリングを運転者78が手動で許可又は制限するためのスイッチである。シートスイッチ142は、運転者78がシート80に着座しているか否かを検知する。車速センサ144は、自動二輪車12の走行速度(車速)Vを検知する。スロットルセンサ146は、スロットル開度(スロットル角)θを検知する。水温センサ148は、冷却水の温度(水温)Twを検知する。
ECU120は、制御部150、反射時間算出部152、乗員位置推定部154、乗員状態判断部156、許可判断部158(始動許可判断部、停止許可判断部)、正常時間設定部160及びメモリ162を有する。すなわち、ECU120は、マイクロコンピュータを含む計算機であり、メモリ162に記録されているプログラムを読み出して実行することにより、上記の各部の機能を実現する。
制御部150は、ECU120内の各部を制御すると共に、ECU120に接続された各種のスイッチやセンサを制御する。
反射時間算出部152は、超音波センサ92、106の受信部92b、106bから反射信号S1、S2が入力された場合に、反射信号S1、S2の波形に基づいて、反射波96、110の反射時間を算出する。
ここで、反射時間とは、(1)発信部92a、106aから超音波94、108を発信した時点より、受信部92b、106bで反射波96、110を受信する時点までの経過時間、(2)受信部92b、106bで反射波96、110を実際に受信する時間の幅(受信時間幅)、を包含する概念である。
この場合、発信部92a、106aから発信される超音波94、108が連続波である場合、反射波96、110の反射時間は、上記(2)の受信時間幅のみとなる。一方、発信部92a、106aから発信される超音波94、108がパルス波である場合、反射波96、110の反射時間は、上記(1)の経過時間と(2)の受信時間幅とである。
従って、反射時間算出部152は、超音波94、108が連続波である場合、反射信号S1、S2の波形から、受信部92b、106bにおける反射波96、110の受信時間幅を反射時間として算出する。また、反射時間算出部152は、超音波94、108がパルス波である場合、反射信号S1、S2の波形より、超音波94、108の発信開始から反射波96、110の受信開始までの経過時間と、反射波96、110の受信時間幅とを、それぞれ、反射時間として算出する。
乗員位置推定部154は、反射時間算出部152で算出された反射時間に基づいて、運転者78等の乗員の位置を推定し、推定結果を乗員状態判断部156に出力する。具体的に、乗員位置推定部154は、反射時間の長さが所定の範囲に収まっているか否かを判定することにより、例えば、運転者78の腕100、胸102又は右足104の位置を推定したと判定する。
ここで、上記の所定の範囲について具体的に説明する。
例えば、腕100の位置の推定における所定の範囲とは、運転者78が左右の手でグリップ98を把持している場合に、発信部92aが運転者78に向けて超音波94を発信し、受信部92bが腕100からの反射波96を受信した際の、許容可能な最長の反射時間(第1の範囲)をいう。また、胸102の位置の推定における所定の範囲とは、発信部92aが乗車状態の運転者78に向けて超音波94を発信し、受信部92bが胸102からの反射波96を受信した際の、許容可能な最長の反射時間(第2の範囲)をいう。
図1〜図3に示すように、運転者78が乗車状態にある場合、腕100は、超音波センサ92から相対的に近い位置にあると共に、胸102は、超音波センサ92から相対的に遠い位置にある。そのため、腕100からの反射波96は、胸102からの反射波96よりも先に受信部92bで受信される。
また、発信部92aから超音波94を発信した場合、胸102での超音波94の反射面積は、左右の腕100での超音波94の反射面積よりも広い。そのため、受信部92bにおいて、胸102からの反射波96の受信時間幅は、腕100からの反射波96の受信時間幅よりも長くなる。
そのため、胸102の位置を推定するための判定処理に用いられる第2の範囲は、腕100の位置を推定するための判定処理に用いられる第1の範囲よりも、長い時間に設定される。
また、腕100及び胸102の位置を推定するために発信部92aから発信される超音波94(発信波)が、連続波であるか、又は、パルス波であるかによって、第1の範囲及び第2の範囲は、下記のように異なる。
第1の範囲は、(1)超音波94が連続波であれば、腕100で反射した反射波96を受信した際の許容可能な最長の受信時間幅となり、(2)超音波94がパルス波であれば、パルス波を発信してより腕100からの反射波96を受信するまでの許容可能な最長の経過時間と、許容可能な最長の受信時間幅とになる。
また、第2の範囲は、(1)超音波94が連続波であれば、胸102で反射した反射波96を受信した際の許容可能な最長の受信時間幅となり、(2)超音波94がパルス波であれば、パルス波を発信してより胸102からの反射波96を受信するまでの許容可能な最長の経過時間と、許容可能な最長の受信時間幅とになる。
一方、右足104の位置を推定する場合、所定の範囲(第3の範囲)とは、乗車状態において、発信部106aから運転者78に向けて超音波108を発信し、受信部106bで右足104からの反射波110を受信した際の、許容可能な最長の反射時間をいう。そのため、右足104の位置を推定する場合での第3の範囲は、(1)超音波108が連続波であれば、右足104で反射した反射波110を受信した際の許容可能な最長の受信時間幅となり、(2)超音波108がパルス波であれば、パルス波を発信してより右足104からの反射波110を受信するまでの許容可能な最長の経過時間と、許容可能な最長の受信時間幅とになる。
なお、超音波センサ92、106の受信部92b、106bからECU120に反射信号S1、S2が入力されない場合、反射時間算出部152では、反射信号S1、S2の波形に基づく反射時間の算出を行うことができない。この結果、乗員位置推定部154は、所定時間経過しても、反射時間に基づく運転者78等の乗員(の腕100、胸102、右足104)の推定を行うことができない。この場合、乗員位置推定部154は、所定時間経過しても乗員の位置を推定することができない旨を乗員状態判断部156に通知する。
乗員状態判断部156は、乗員位置推定部154が推定した乗員の位置(例えば、運転者78の腕100、胸102及び/又は右足104の位置)に基づいて、当該乗員の状態を判断する。
例えば、乗員位置推定部154が腕100及び胸102の位置(並びに右足104の位置)を推定した場合、乗員状態判断部156は、運転者78がシート80に着座した乗車状態にあると判断する。また、乗員位置推定部154が腕100の位置のみ推定した場合に、乗員状態判断部156は、運転者78が自動二輪車12から降車し、左右の手でグリップ98を把持しながら、自動二輪車12を押している押し歩き状態にあると判断する。さらに、乗員位置推定部154から腕100、胸102及び右足104の位置を所定時間推定することができない旨の通知があった場合、乗員状態判断部156は、運転者78が自動二輪車12から降車し、当該自動二輪車12から離れた完全降車状態にあると判断する。
許可判断部158は、乗員状態判断部156が乗車状態と判断した場合、自動二輪車12のエンジン50の始動を許可する。これにより、運転者78によるスタータスイッチ138又はアイドルスイッチ140の操作等に起因して、エンジン50を始動又は再始動させることが可能となる。
従って、許可判断部158は、乗員状態判断部156が押し歩き状態又は完全降車状態と判断した場合、エンジン50の始動を許可しない。この場合には、運転者78又は第三者がスタータスイッチ138又はアイドルスイッチ140を操作しても、エンジン50は始動しない。
また、許可判断部158は、乗員状態判断部156が押し歩き状態と判断した場合、エンジン50の停止を許可する。これにより、制御部150は、燃料ポンプ128による燃料タンク53からインジェクタ126への燃料の供給を停止させ、インジェクタ126による燃料の噴射を停止させ、且つ、イグニッションコイル130の駆動を停止させて、エンジン50を停止させる。この結果、自動二輪車12は、停止状態又はアイドストップ状態に至る。
このように、許可判断部158は、乗員状態判断部156が判断した乗員の姿勢に応じて、エンジン50の始動の許可又は不許可の判断や、エンジン50の停止の許可又は不許可の判断を行う。
正常時間設定部160は、運転者78がシート80に着座して左右の手でグリップ98を把持した正常な乗車状態において、制御部150を介して超音波センサ92、106を駆動させることで、正常な乗車状態に応じた反射時間(正常な反射時間)を予め学習し、正常な反射時間に基づく所定時間を上述した所定の範囲(第1〜第3の範囲)として設定する。
具体的に、正常時間設定部160は、正常な反射時間を予め学習する場合、先ず、超音波センサ92、106の駆動を制御部150に要求する。制御部150は、正常時間設定部160からの要求に応じて、超音波センサ92、106の制御を開始し、発信部92a、106aからパルス波の超音波94、108を発信させる。これにより、受信部92bは、腕100及び胸102からの反射波96を受信し、受信した反射波96に応じた反射信号S1をECU120に出力する。また、受信部106bは、右足104からの反射波110を受信し、受信した反射波110に応じた反射信号S2をECU120に出力する。反射時間算出部152は、受信部92b、106bからの反射信号S1、S2の波形に基づいて、反射波96、110の反射時間を算出し、算出した反射時間を正常時間設定部160に出力する。
正常時間設定部160は、入力された各反射時間を、正常な乗車状態における通常の(正常な)反射時間とみなし、これらの反射時間に所定の時間を加えたものを、乗員位置推定部154での判定処理で用いる所定の範囲(第1〜第3の範囲)として設定する。設定された第1〜第3の範囲は、メモリ162に記憶される。
このように、正常時間設定部160において、正常な反射時間を予め学習し、第1〜第3の範囲としてメモリ162に設定することにより、乗員位置推定部154は、メモリ162に記憶された第1〜第3の範囲を参照しながら、乗員の位置を推定することができる。
なお、正常時間設定部160による反射時間の学習は、例えば、運転者78が正常な乗車状態で自動二輪車12を走行させているときに行えばよい。ここで、運転者78が正常な乗車状態でない場合、正常時間設定部160は、制御部150を介して、LED(Light Emitting Diode)等からなるインジケータ164を点滅表示させ、正しい乗車状態(乗車姿勢)となるように、運転者78を促せばよい。
また、自動二輪車12の走行時に、正常でない乗車状態が継続している場合、車速センサ144が検知した車速Vや、スロットルセンサ146が検知したスロットル開度θより、自動二輪車12が停止状態にあることが判明しても、制御部150は、エンジン50に対する停止制御を行わない。これにより、運転者78が正常な乗車状態に戻れば、正常時間設定部160による反射時間の学習が可能となる。
[本実施の形態の動作]
本実施の形態に係る乗員状態検知システム10は、以上のように構成されるものである。次に、乗員状態検知システム10の動作について、図5〜図13を参照しながら説明する。ここでは、乗員の状態(乗車状態、完全降車状態、押し歩き状態)に応じた各種の検知動作について説明する。なお、この動作説明では、必要に応じて、図1〜図4も参照して説明する。
[運転者の乗車状態の検知]
図5は、自動二輪車12のシート80に運転者78が着座した乗車状態を図示した説明図である。
図5では、乗車状態を示す側面図と、超音波センサ92の受信部92b(図4参照)で受信される反射波96に応じた反射信号S1の波形のタイミングチャートとを併せて図示している。また、図5では、説明の便宜上、超音波センサ92、腕100及び胸102の各位置と、反射信号S1の波形とを対応付けて図示している。なお、後述する図6〜図10及び図12でも、図5と同様に、超音波センサ92及び乗員の位置と、反射信号S1の波形とを対応付けて図示する。
図5に示す乗車状態で運転者78が自動二輪車12を運転する場合、正常時間設定部160(図4参照)は、前述した反射時間の学習を予め行うことにより、第1〜第3の範囲を設定し、メモリ162に記憶する。
すなわち、図5のタイミングチャートにおいて、時点t0で超音波センサ92の発信部92aからパルス波の超音波94をシート80の上方に向けて発信し、腕100及び胸102からの反射波96を受信部92bで受信する。正常時間設定部160は、受信した反射波96に応じた反射信号S1の波形に基づいて反射時間を学習し、学習した反射時間に基づいて、時点t1、t2間を第1の範囲ΔT1に設定すると共に、時点t3、t4間を第2の範囲ΔT2に設定する。
この場合、時点t0より時間T1だけ経過した時点t5から時点t6までの時間ΔT3は、腕100からの反射波96を受信部92bが受信する受信時間幅である。また、時点t0より時間T2だけ経過した時点t7から時点t8までの時間ΔT4は、胸102からの反射波96を受信部92bが受信する受信時間幅である。
すなわち、正常時間設定部160は、受信時間幅ΔT3に所定時間だけ加えた時間を第1の範囲ΔT1として設定すると共に、受信時間幅ΔT4に所定時間だけ加えた時間を第2の範囲ΔT2として設定する。なお、前述のように、腕100からの反射波96に応じた受信時間幅ΔT3よりも、胸102からの反射波96に応じた受信時間幅ΔT4が長いため(ΔT3<ΔT4)、正常時間設定部160は、第2の範囲ΔT2を第1の範囲ΔT1よりも長く設定する(ΔT1<ΔT2)。
なお、反射時間を学習する時間帯において、運転者78が正常な乗車姿勢でないことに起因して、第1の範囲ΔT1及び第2の範囲ΔT2を設定することができない場合、正常時間設定部160は、制御部150を介して、インジケータ164を点滅表示させ、正しい乗車姿勢となるように、運転者78を促せばよい。
また、このような正常ではない乗車姿勢が継続している場合、制御部150は、運転者78が正常な乗車姿勢に戻れば、反射時間の学習が可能になることから、車速センサ144で検知された車速Vや、スロットルセンサ146で検知されたスロットル開度θより、自動二輪車12が停止状態にあると判明しても、エンジン50の停止制御を行わない。
このように、正常時間設定部160が予め反射時間を学習し、第1の範囲ΔT1及び第2の範囲ΔT2を設定した後に、乗員状態検知システム10は、運転者78の状態を検知する動作を実行する。この検知動作において、発信部92aから発信される超音波94は、連続波又はパルス波のどちらでもよい。
受信部92bが2つの反射波96を受信した場合、最初に受信した反射波96に応じた受信時間幅が第1の範囲ΔT1よりも短ければ(当該受信時間幅<ΔT1)、乗員位置推定部154は、運転者78の腕100の位置を推定したと判定する。また、続けて受信した反射波96に応じた受信時間幅が第2の範囲ΔT2よりも短ければ(当該受信時間幅<ΔT2)、乗員位置推定部154は、運転者78の胸102の位置を推定したと判定する。
この結果、乗員状態判断部156は、乗員位置推定部154での判定結果(推定結果)より、腕100及び胸102の双方の位置が推定されているので、運転者78の状態は、シート80に運転者78が正常に乗車している乗車状態であると判断する。
許可判断部158は、乗員状態判断部156での乗車状態との判断結果に基づいて、エンジン50の始動を許可する。これにより、制御部150は、許可判断部158での始動許可の判断結果に基づいて、運転者78によりスタータスイッチ138又はアイドルスイッチ140が操作されたときに、エンジン50を始動又は再始動させる。
また、車速センサ144で検知された車速Vやスロットルセンサ146で検知されたスロットル開度θより、例えば、交差点での一時的な停車のように、自動二輪車12が停止状態にあると判明した場合、許可判断部158は、乗車状態の判断結果に基づいて、エンジン50の停止を許可してもよい。これにより、制御部150は、許可判断部158での停止許可の判断結果に基づいて、燃料ポンプ128による燃料タンク53からインジェクタ126への燃料の供給と、インジェクタ126による燃料の噴射と、イグニッションコイル130の駆動とを停止させて、エンジン50を停止(アイドルストップ)させることができる。
一方、最初に受信した反射波96に応じた受信時間幅が第1の範囲ΔT1以上である場合(当該受信時間幅≧ΔT1)、乗員位置推定部154は、推定結果が異常であると判定する。また、続けて受信した反射波96に応じた受信時間幅が第2の範囲ΔT2以上である場合(当該受信時間幅≧ΔT2)、乗員位置推定部154は、推定結果が異常であると判定する。この結果、乗員状態判断部156は、乗員位置推定部154での判定結果より、運転者78の状態を検知することができない異常状態であると判断する。
上記の説明では、腕100及び胸102からの反射波96に応じた受信時間幅がそれぞれ第1の範囲ΔT1及び第2の範囲ΔT2以上である場合を説明したが、乗員状態判断部156は、いずれか一方の受信時間幅が所定の範囲以上であれば、異常状態と判断してもよい。
このような異常状態が継続している場合、許可判断部158は、車速センサ144で検知された車速Vや、スロットルセンサ146で検知されたスロットル開度θより、自動二輪車12が停止状態にあると判明しても、エンジン50の停止を許可しない。すなわち、このような異常状態は、シート80に着座している運転者78の姿勢に起因したものであり、運転者78が正常な乗車状態に戻れば、反射波96の受信時間幅が第1の範囲ΔT1及び第2の範囲ΔT2内に収まる可能性があるためである。この場合、例えば、制御部150は、インジケータ164を点滅表示させ、正しい乗車姿勢となるように、運転者78を促せばよい。
なお、図5では、ΔT3及びΔT4より、受信時間幅に応じた第1の範囲及び第2の範囲を予め設定した場合を図示しているが、この設定方法に代えて、又は、この設定方法に加えて、T1及びT2より、経過時間に応じた第1の範囲及び第2の範囲を予め設定することも可能である。
[完全降車状態の検知]
図6は、完全降車状態を図示した説明図である。
この場合、運転者78は、自動二輪車12から降車して離れた状態にあるので、超音波センサ92の発信部92aから超音波94を発信しても、反射波96が受信部92bで受信されることはない。そのため、図6のタイミングチャートに示すように、受信部92bから出力される反射信号S1の信号レベルは、略0レベルとなる。
この結果、反射時間算出部152では、反射時間を算出することができず、乗員位置推定部154は、所定時間経過しても運転者78を推定することができない旨の判定結果を乗員状態判断部156に通知する。乗員状態判断部156は、通知された判定結果より、反射波96を受信することができないため、運転者78の状態が完全降車状態であると判断する。
完全降車状態の判断結果に基づいて、許可判断部158は、車速センサ144で検知された車速Vやスロットルセンサ146で検知されたスロットル開度θより、自動二輪車12が停止状態にあると判明した場合には、エンジン50の停止を許可する。これにより、制御部150は、許可判断部158の判断結果に基づいて、燃料ポンプ128による燃料タンク53からインジェクタ126への燃料の供給と、インジェクタ126による燃料の噴射と、イグニッションコイル130の駆動とを停止させて、エンジン50を停止させる。
[押し歩き状態の検知]
図7は、押し歩き状態を図示した説明図である。
この場合、運転者78は、自動二輪車12から降車し、左右の手でハンドル34のグリップ98を把持した状態で、自動二輪車12を押して歩いている。従って、運転者78は、サイドスタンド76が設けられた自動二輪車12の左側(図7では自動二輪車12の手前側)にいる状態で、自動二輪車12を押して歩く。
そのため、超音波センサ92の発信部92aから超音波94を発信した場合、受信部92bは、腕100で反射した超音波94のみ反射波96として受信する。従って、図7のタイミングチャートに示すように、受信部92bから出力される反射信号S1は、腕100からの反射波96に応じた信号のみ出力される波形となる。
この結果、反射時間算出部152は、腕100からの反射波96に応じた受信時間幅を反射時間として算出する。また、乗員位置推定部154は、当該受信時間幅と第1の範囲ΔT1とを比較して、運転者78の腕100の位置のみ推定し、推定結果を乗員状態判断部156に通知する。乗員状態判断部156は、通知された推定結果より、腕100の位置のみが検知されたため、運転者78の状態が押し歩き状態であると判断する。
押し歩き状態の判断結果に基づいて、許可判断部158は、エンジン50の停止を許可する。これにより、制御部150は、許可判断部158の判断結果に基づいて、燃料ポンプ128による燃料タンク53からインジェクタ126への燃料の供給と、インジェクタ126による燃料の噴射と、イグニッションコイル130の駆動とを停止させて、エンジン50を停止させる。
[運転者及び同乗者の乗車状態の検知]
図8は、シート80に運転者78と同乗者170とが着座した二人乗りの状態を図示した説明図である。
この場合、超音波センサ92の発信部92aから超音波94を発信しても、超音波94は、シート80の前側に着座した運転者78の腕100及び胸102で反射され、反射波96として受信部92bで受信される。そのため、超音波94がシート80の後側に着座した同乗者170に到達し、該同乗者170の腕172や胸174で超音波94が反射することはない。
そのため、受信部92bから出力される反射信号S1の波形は、図8のタイミングチャートに示すように、腕100からの反射波96による信号と、胸102からの反射波96による信号とが出力されたものとなり、時点t9から時点t10までの同乗者170に応じた信号が出力されることはない。
この結果、図8の例での乗員(運転者78、同乗者170)の状態の検知動作は、同乗者170の存在に関わりなく、図5の例での運転者78の状態の検知動作と同様となる。従って、ここでは、乗員の検知動作や、該検知動作に伴うエンジン50の始動、再始動又は停止の制御についての詳細な説明は、省略する。
[運転者の押し歩き状態及び同乗者の乗車状態の検知]
図9は、運転者78が図7と同様の押し歩き状態であると共に、同乗者170が乗車状態である場合を図示した説明図である。
この場合、超音波センサ92の発信部92aから超音波94を発信すると、超音波94は、運転者78の腕100と同乗者170の胸174(及び腕172)とで反射され、反射波96として受信部92bで受信される。そのため、受信部92bから出力される反射信号S1の波形は、図9のタイミングチャートに示すように、腕100からの反射波96による信号と、胸174からの反射波96による時点t9から時点t10までの信号とが出力されたものとなる。
この結果、図9の例での乗員(運転者78、同乗者170)の状態の検知動作は、図7と同様の検知動作と、同乗者170の状態の検知動作とを組み合わせたものとなる。そのため、ここでは、運転者78の押し歩き状態の検知動作に対する詳細な説明を省略し、同乗者170の状態の検知動作のみについて説明する。
同乗者170からの反射波96に応じた受信時間幅ΔT5を反射時間算出部152が算出した場合、乗員位置推定部154は、受信時間幅ΔT5が所定の範囲よりも短い場合(ΔT5<所定の範囲)、同乗者170の胸174(及び腕172)の位置を推定したと判定する。この結果、乗員状態判断部156は、乗員位置推定部154の推定結果より、同乗者170の状態は、シート80に同乗者170が乗車している乗車状態であると判断する。
なお、図7の場合と同様に、乗員状態判断部156は、運転者78については押し歩き状態であると判断するため、許可判断部158は、この判断結果に基づいて、エンジン50の停止を許可する。これにより、制御部150は、許可判断部158の判断結果に基づいて、燃料ポンプ128による燃料タンク53からインジェクタ126への燃料の供給と、インジェクタ126による燃料の噴射と、イグニッションコイル130の駆動とを停止させて、エンジン50を停止させる。
なお、受信時間幅ΔT5を判定するための所定の範囲については、第2の範囲についての設定動作と同様に、例えば、同乗者170が正常な乗車姿勢のときに、同乗者170からの反射波96に応じた反射時間の学習を予め行うことにより、正常な受信時間幅ΔT5に応じた所定の範囲を設定すればよい。
[運転者の他の押し歩き状態の検知]
図10及び図11は、運転者78が右側の腕100にバッグ176をかけた状態で自動二輪車12を押し歩く状態を図示したものである。
この場合、図7の例とは異なり、超音波センサ92の発信部92aが超音波94を発信すると、超音波94は、運転者78の左右の腕100とバッグ176とで反射され、反射波96として受信部92bで受信される。従って、受信部92bは、左右の腕100からの反射波96と、バッグ176からの反射波96とを受信することになる。
そのため、受信部92bから出力される反射信号S1の波形は、図10のタイミングチャートに示すように、左右の腕100からの反射波96に応じた信号(時点t5、t6間の受信時間幅ΔT3の信号)に続いて、バッグ176からの反射波96に応じた信号(時点t11、t12間の受信時間幅ΔT6の信号)が出力される波形となる。なお、図10では、説明の便宜上、自動二輪車12、運転者78及びバッグ176の位置と反射信号S1の波形とを対応させている。そのため、図10において、タイミングチャートの時間軸は、紙面上、右側から左側の方向に取っている。
ここで、反射信号S1の波形のみに基づいて運転者78の状態を検知する場合、ECU120内では、バッグ176からの反射波96に応じた受信時間幅ΔT6の信号を、シート80に着座した運転者78の胸102からの反射波96に応じた信号(図5及び図8参照)と誤認識し、左右の腕100からの反射波96に応じた受信時間幅ΔT3の信号と併せ鑑みて、運転者78が乗車状態にあると誤検知する可能性がある。
また、図10及び図11の例に限らず、運転者78が不安定な乗車姿勢にある場合や、運転者78がバッグ176以外の荷物を担いでいる場合にも、上記と同様の誤検知が惹起される可能性がある。
そこで、本実施の形態に係る乗員状態検知システム10では、メータ部36に内蔵された超音波センサ92からの反射信号S1に加え、自動二輪車12の右側部に配置された他の超音波センサ106からの反射信号S2も考慮して、運転者78の状態を判断する。
具体的に、図10及び図11の例において、運転者78は、自動二輪車12の左側(サイドスタンド76側)にいて、左右の手でグリップ98を把持しながら自動二輪車12を押し歩いている。そのため、超音波センサ106の発信部106aが自動二輪車12の右側で超音波108を前方に向けて発信しても、受信部106bで反射波110を受信することはない。
従って、反射時間算出部152は、反射信号S1の波形に基づいて、受信時間幅ΔT3、ΔT6を算出する。前述のように、受信部106bから反射信号S2が入力されないので、反射時間算出部152は、反射信号S2の反射時間を算出することはない。
乗員位置推定部154は、反射時間算出部152が反射信号S2の反射時間を算出しない結果から、運転者78がシート80に着座していない降車状態であり、従って、右足104からの反射波110を受信部106bで受信することができなかったものと判定する。また、乗員位置推定部154は、受信時間幅ΔT3から腕100の位置を推定したと判定する。さらに、乗員位置推定部154は、受信時間幅ΔT6と、上述した反射信号S2に対する判定結果とから、受信時間幅ΔT6の信号が、胸102からの反射波96に応じた信号ではなく、バッグ176等の荷物からの反射波96に応じた信号であると判定する。
この結果、乗員状態判断部156は、乗員位置推定部154での判定結果(推定結果)より、腕100の位置が推定されている一方で、右足104の位置が推定されていないことから、運転者78の状態は、シート80から降車して自動二輪車12を押し歩いている押し歩き状態と判断する。また、乗員状態判断部156は、受信時間幅ΔT6の信号に対する判定結果より、シート80の上方にバッグ176等の荷物が存在し、該荷物による反射波96が受信部92bで受信されたものと判断する。
なお、運転者78がシート80に着座した乗車状態の場合(図5及び図8参照)、超音波センサ106の発信部106aから前方に超音波108を発信すると、右足104で超音波108が反射され、反射波110として受信部106bで受信される。この場合、反射時間算出部152は、受信部92bからの反射信号S1の波形と、受信部106bからの反射信号S2の波形とに基づいて、反射時間を算出する。乗員位置推定部154は、算出された反射時間と第1〜第3の範囲とに基づいて、運転者78の腕100、胸102及び右足104の位置を推定する。乗員状態判断部156は、推定された腕100、胸102及び右足104の位置に基づいて、運転者78が乗車状態にあると判断する。
このように、図10及び図11の例では、2つの超音波センサ92、106を用いることにより、運転者78の腕100、胸102及び右足104の誤検知と、運転者78の状態の誤検知とを防止することができる。また、超音波センサ92がメータ部36に設置されると共に、自動二輪車12の右側部に超音波センサ106が設置されているので、自動二輪車12に超音波センサ92、106を容易に設置することができ、設置にかかるコストを低減することができる。
[運転者による自動二輪車の引き起こしの状態の検知]
図12は、転倒した自動二輪車12を運転者78が引き起こす状態を図示したものである。図12では、運転者78が右手でグリップ98を把持した状態で自動二輪車12を引き起こす場合を図示している。
この場合、図10及び図11の例と同様に、超音波センサ92の発信部92aが超音波94を発信すると、超音波94は、運転者78の右側の腕100と胸102とで反射され、反射波96として受信部92bで受信される。従って、受信部92bから出力される反射信号S1の波形は、図12のタイミングチャートに示すように、図5及び図8のタイミングチャートでの反射信号S1と略同じ波形となる。
そのため、反射信号S1の波形のみに基づいて運転者78の状態を検知しようとすれば、ECU120内では、受信時間幅ΔT3の信号が腕100からの反射波96に応じた信号であり、時点t13、t14間の受信時間幅ΔT7の信号が胸102からの反射波96に応じた信号であるため、運転者78が乗車状態にあると誤検知する可能性がある。
そこで、図12の例においても、超音波センサ92からの反射信号S1に加え、他の超音波センサ106からの反射信号S2も考慮して、運転者78の状態を判断することで、図10及び図11の例と同様に、運転者78の状態の誤検知を回避することができる。
すなわち、超音波センサ106の発信部106aが超音波108を前方に向けて発信しても、受信部106bで反射波110が受信されることはない。そのため、反射時間算出部152は、反射信号S1の波形に基づき、受信時間幅ΔT3、ΔT7を算出する一方で、受信部106bからの反射信号S2の入力がないため、反射信号S2の反射時間を算出しない。
これにより、乗員位置推定部154は、反射時間算出部152が反射信号S2の反射時間を算出しないことから、運転者78がシート80に着座していない降車状態であり、従って、右足104からの反射波110を受信部106bで受信することができなかったものと判定する。また、乗員位置推定部154は、受信時間幅ΔT3から腕100の位置を推定したと判定すると共に、受信時間幅ΔT7から胸102の位置を推定したと判定する。
この結果、乗員状態判断部156は、乗員位置推定部154での判定結果(推定結果)より、腕100及び胸102の位置が推定されている一方で、右足104の位置が推定されていないことから、運転者78の状態は、シート80から降車し、自動二輪車12を引き起こしている状態にあると判断する。
このように、図12の例でも、2つの超音波センサ92、106を用いることで、運転者78の状態の誤検知を防止することができる。
[正常な乗車状態(乗車姿勢)での動作]
図13は、運転者78がシート80に着座した正常な乗車状態での乗員状態検知システム10及び自動二輪車12の動作を図示したタイミングチャートである。
時点t20で運転者78がメインスイッチ134をオンにすると、ECU120、インジェクタ126、燃料ポンプ128及びイグニッションコイル130に駆動電流が供給される。また、メインスイッチ134のオンによりメインリレー136が付勢され、スタータスイッチ138に駆動電流が供給される。さらに、メインスイッチ134によりスタータリレー122が付勢されると、バッテリ124からECU120への電源供給が行われる。さらにまた、メインスイッチ134のオンにより、バッテリ124から超音波センサ92、106やアイドルスイッチ140等のECU120に接続された各種のスイッチやセンサへの電力供給が開始される。
時点t21で運転者78がスタータスイッチ138をオンにすると、時点t22で、制御部150は、燃料ポンプ128による燃料タンク53からインジェクタ126への燃料の供給と、インジェクタ126による燃料の噴射と、イグニッションコイル130の駆動とを開始させて、エンジン50を始動させる。これにより、自動二輪車12は、アイドリング状態に移行する。
この結果、時点t23でスロットル開度θが所定の閾値θthに到達すると、自動二輪車12は走行を開始する。これにより、時間経過に伴って、車速V及び冷却水の水温Twが上昇する。
時点t24で車速VがV1を超えたV2に到達すると、乗員状態検知システム10では、時点t24と時点t25との間の時間T10で、正常な乗車状態(乗車姿勢)での反射時間の学習(第1〜第3の範囲の設定)を行う。
具体的に、時間T10中、車速VをV2に維持した状態で、超音波センサ92、106の発信部92a、106aからパルス波の超音波94、108を間欠的に発信する。受信部92b、106bは、腕100、胸102及び右足104からの反射波96、110を受信し、反射信号S1、S2としてECU120に出力する。
反射時間算出部152は、反射信号S1、S2の波形から反射時間(受信時間幅)を算出する。正常時間設定部160は、算出した各受信時間幅を、正常な乗車状態における正常な反射時間とみなし、当該反射時間に所定の時間を加えて第1〜第3の範囲を設定する。設定した第1〜第3の範囲は、メモリ162に記憶される。
なお、反射時間の学習中、正常時間設定部160は、制御部150を介してインジケータ164を駆動させ、反射時間の学習中であることを運転者78に報知する。これにより、運転者78が正常ではない乗車姿勢を取ることに起因して、意図しない時間帯で反射時間の学習を行わざるを得ない状態が発生することを回避することができる。
反射時間の学習が終了し、冷却水の水温Twが所定の閾値Twthに到達した時点t25において、自動二輪車12の走行モードは、時点t25までの通常の自動二輪車12の走行状態(ノーマル走行モード)から、所定の条件下で自動二輪車12が走行状態とアイドルストップ状態とに切り替わるアイドルストップ走行モードに変更される。
前述のように、時点t24、t25間の時間T10で、反射時間の学習を行うことにより、第1〜第3の範囲が予め設定される。そのため、乗員状態検知システム10は、時点t25から時点t34までのアイドルストップ走行モードにおいて、図5及び図8の例を適用し、超音波センサ92、106の発信部92a、106aから連続波又は間欠的なパルス波の超音波94、108を発信して、受信部92b、106bで反射波96、110を受信し、ECU120内で第1〜第3の範囲を用いて運転者78の状態(乗車状態)を検知する。
すなわち、アイドルストップ走行モードにおいて、乗員状態検知システム10は、時点t25から運転者78の状態の検知動作を開始する。
時点t26から時点t27にかけて、スロットル開度θがθth以下となって全閉状態に移行すると、車速Vは、V2からV1まで低下する。この結果、時点t27から所定の時間T11だけ経過した時点t28で車速Vが0となり、エンジン50が停止するに至る。
この場合、乗員状態検知システム10では、時間T11でも運転者78の状態を検知しているため、車速Vが0となった時点でエンジン50の停止を許可し、エンジン50を停止(アイドルストップ)させる。
その後、運転者78の操作に起因してスロットル開度θが全閉状態からθthに到達した時点t29で、許可判断部158は、運転者78が正常な乗車状態にあるため、エンジン50の再始動を許可する。これにより、制御部150は、時点t30でエンジン50を再始動させる。この結果、車速Vは、時間結果に伴ってV2まで上昇し、運転者78は、一定の車速V2で自動二輪車12を走行させることができる。
その後、時点t31から時点t32にかけて、スロットル開度θがθth以下となって全閉状態に移行し、車速VがV2からV1まで低下すると、時点t32から所定の時間T12だけ経過した時点t33で車速Vが0となり、エンジン50が停止に至る。
この場合、乗員状態検知システム10では、時間T12でも運転者78の状態を検知しているため、車速Vが0となった時点でエンジン50の停止を許可し、エンジン50を停止させる。
その後、時点t34でメインスイッチ134がオフになると、バッテリ124から乗員状態検知システム10及び自動二輪車12の各部への電力供給が停止するため、超音波センサ92、106も動作を停止し、冷却水の水温Twも低下する。この結果、自動二輪車12は、アイドルストップ走行モードからノーマル走行モードに移行する。
[本実施の形態の効果]
本実施の形態に係る自動二輪車12の乗員状態検知システム10によれば、少なくとも1つの超音波センサ92、106を用いて自動二輪車12の運転者78を検知し、検知した情報に基づいて運転者78の状態(姿勢)を判断する。従って、自動二輪車12に超音波センサ92、106が1つだけ配置されている場合でも、運転者78の様々な姿勢を確実に判断することができる。
すなわち、圧力センサ等の着座センサを用いた場合には、運転者78の乗車又は降車を大まかに判断することが可能である。しかしながら、着座センサを用いた場合では、押し歩き状態と完全降車状態との違いのように、複雑な運転者78の姿勢の違いを判断することは困難である。
これに対して、本実施の形態では、超音波センサ92、106の発信部92a、106aから超音波94、108を発信し、運転者78からの反射波96、110を受信部92b、106bで受信する。これにより、反射時間算出部152は、反射波96、110に応じた反射信号S1、S2の波形から超音波94、108の反射時間を算出する。乗員位置推定部154は、反射時間から運転者78の位置を推定し、乗員状態判断部156は、推定した運転者78の位置に基づいて当該運転者78の状態を判断する。
このように、本実施の形態では、超音波94、108の反射時間を考慮することにより、複雑な運転者78の姿勢(例えば、押し歩き状態)を判断することが可能となる。そのため、本実施の形態では、シート80の形状、シート80に設けた圧力センサの位置及び面積等を考慮することなく、自動二輪車12に超音波センサ92、106を配置することができる。従って、運転者78の嗜好でシート80を交換した場合でも、乗員状態検知システム10を有効に動作させることができる。
また、反射波96、110に応じた反射信号S1、S2の波形に基づいて運転者78の姿勢を判断するため、特許文献1のような反射型赤外線センサを用いて運転者の状態を検知する場合と比較して、運転者78の状態を誤検知するおそれを低減することができる。
従って、本実施の形態によれば、自動二輪車12の運転者78の様々な姿勢(運転者78の状態)を正確且つ確実に判断(検知)することができる。
また、運転者78の姿勢を確実に判断することができることで、運転者78の姿勢に基づく自動二輪車12のエンジン50の始動許可又は停止許可を的確に行うことが可能となる。
また、自動二輪車12の前方に超音波センサ92を配置することにより、発信部92aからシート80の上方に指向して超音波94を発信することが可能となる。これにより、乗員位置推定部154は、反射時間算出部152が算出した反射時間に基づいて運転者78の腕100及び/又は胸102の位置を確実に推定することができる。
また、シート80の形状や圧力センサの位置及び面積等を考慮せずに、超音波センサ92を一義的にメータ部36内で且つ自動二輪車12の前後方向に沿った中心線93上に配置することにより、超音波センサ92の耐環境性が良くなり、設置状態の簡素化や、設置にかかるコストの低減を図ることができる。
さらに、乗員位置推定部154は、反射時間が第1の範囲内にあれば腕100の位置を推定したと判定し、第2の範囲内にあれば胸102の位置を推定したと判定する。このように、反射時間が許容範囲内にあれば腕100又は胸102の位置を推定したと判定するので、運転者78の姿勢の誤検知やノイズの影響を低減することができる。この結果、乗員状態検知システム10の信頼性を向上させることができる。
また、運転者78の乗車姿勢に応じた正常な反射時間を予め学習し、第1〜第3の範囲として設定することで、第1〜第3の範囲は、運転者78の体型及び乗車姿勢に応じた適切な範囲となる。これにより、運転者78の実際の状態(例えば、乗車姿勢)を的確に判断することが可能となる。
また、腕100からの反射波96と胸102からの反射波96とを受信した場合、乗員位置推定部154は、腕100からの反射波96の反射時間に基づいて当該腕100の位置を推定すると共に、胸102からの反射波96の反射時間に基づいて当該胸102の位置を推定することができる。これにより、運転者78が乗車状態にあることを的確に判断することができる。
また、運転者78が乗車状態にあると判断した場合に、許可判断部158は、自動二輪車12のエンジン50の始動許可を行う。これにより、運転者78が確実に自動二輪車12に乗車している姿勢であれば、エンジン50を始動させ、一方で、不安定な姿勢では、エンジン50を始動させないようにすることができる。また、運転者78の状態に応じて、エンジン50の始動やアイドルストップ状態からの再始動を行わせることも可能となる。
さらに、乗車状態と判断されるまではエンジン50の始動又は再始動が許可されないので、上記の判断処理を利用して、自動二輪車12の盗難防止を図ることも可能となる。すなわち、メインスイッチ134をオンにして、正常な乗車姿勢であると判断されなければ、エンジン50の始動が許可されず、それ以外の姿勢ではエンジン50が始動しないので、第三者による自動二輪車12の盗難を有効に防止することができる。
また、腕100からの反射波96のみ受信した場合、乗員位置推定部154は、当該反射波96の反射時間に基づき腕100の位置のみ推定する。これにより、運転者78がハンドル34のグリップ98を把持して押し歩き状態にあることを的確に判断することができる。
そして、押し歩き状態と判断した場合に、許可判断部158は、エンジン50の停止許可を行うので、当該押し歩き状態では、運転者78がアクセル操作を行っても、エンジン50が停止している。そのため、運転者78は、自動二輪車12の挙動を気にすることなく、当該自動二輪車12を取り扱うことができる。
また、反射波96を受信できなければ、腕100及び胸102の位置が所定時間推定されないため、乗員状態判断部156は、完全降車状態にあると判断することができる。
また、本実施の形態では、自動二輪車12に2つの超音波センサ92、106を配置し、これらの超音波センサ92、106を用いて、運転者78の腕100、胸102及び右足104を検知してもよい。これにより、運転者78の状態を正確に判断することが可能となる。また、シート80の形状や圧力センサの位置及び面積等を考慮せずに、超音波センサ92を一義的にメータ部36内に配置することで、超音波センサ92の耐環境性が良くなり、設置状態の簡素化や、設置にかかるコストの低減を図ることができる。
一方、押し歩き状態において、運転者78はサイドスタンド76側にいる。従って、サイドスタンド76の反対側の車体部分に超音波センサ106を配置することにより、超音波センサ106が押し歩き状態の運転者78を誤検知することを回避することができる。また、サイドスタンド76が自動二輪車12の左側部に設けられていれば、超音波センサ106は、自動二輪車12の右側部に配置されることになる。これにより、乗車状態の運転者78の右足104を確実に検知することができると共に、超音波センサ106を容易に設置することができる。
従って、本実施の形態では、超音波センサ92、106を2つに増やして運転者78の姿勢の誤検知を防止すると共に、設置位置の簡素化及び設置状態の容易化によって、超音波センサ92、106の設置にかかるコストを低減することができる。
また、発信部92aから発信される超音波94がハンドル34の左右のグリップ98の幅に応じた水平面指向性を有するので、運転者78がグリップ98を握った状態(例えば、乗車状態、押し歩き状態)を確実に検知することができる。
さらに、超音波がパルス波である場合に、受信部92b、106bで反射波96、110を実際に受信する受信時間幅と、パルス波を発信した時点より受信部92b、106bで反射波96、110を受信する時点までの経過時間とを検知することで、運転者78の状態の誤検知を低減することができる。また、本実施の形態では、発信部92a、106aから発信される超音波94、108(発信波)として、パルス波又は連続波の両方を用いることが可能である。
なお、本実施の形態では、図8及び図9に示すように、超音波センサ92を用いて同乗者170の状態も検知することが可能である。従って、運転者78が一人で乗車する場合でも、あるいは、運転者78及び同乗者170の二人乗りであっても、運転者78及び同乗者170の状態を的確に検知することができる。
なお、本実施の形態では、一例として、図1等に図示した自動二輪車12に乗員状態検知システム10を適用した場合について説明したが、他の形態の二輪車でも同様に適用することが可能であることは勿論である。
また、本実施の形態では、自動二輪車12の走行中に反射時間の学習を行い、第1〜第3の範囲を設定する場合について説明したが、自動二輪車12の購入時に運転者78が着座することに起因して、正常時間設定部160が動作し、反射時間の学習動作を開始させてもよい。
すなわち、乗員状態検知システム10は、自動二輪車12に実際に乗車する運転者78の体格(体型)や着座位置に応じた反射時間を学習し、学習した反射時間に基づいて、第1〜第3の範囲を設定できればよい。従って、乗員状態検知システム10は、自動二輪車12の走行中、購入時又はシート80への着座時等、反射時間を適宜学習することが可能である。
以上、本発明について好適な実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態の記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることは、当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も、本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。また、特許請求の範囲に記載された括弧書きの符号は、本発明の理解の容易化のために添付図面中の符号に倣って付したものであり、本発明がその符号をつけた要素に限定されて解釈されるものではない。
10…乗員状態検知システム 12…自動二輪車
34…ハンドル 36…メータ部
50…エンジン 76…サイドスタンド
78…運転者 80…シート
92、106…超音波センサ 92a、106a…発信部
92b、106b…受信部 93…中心線
94、108…超音波 96、110…反射波
98…グリップ 100、172…腕
102、174…胸 104…右足
120…ECU 126…インジェクタ
128…燃料ポンプ 130…イグニッションコイル
134…メインスイッチ 138…スタータスイッチ
140…アイドルスイッチ 150…制御部
152…反射時間算出部 154…乗員位置推定部
156…乗員状態判断部 158…許可判断部
160…正常時間設定部 162…メモリ
164…インジケータ 170…同乗者
176…バッグ

Claims (13)

  1. 二輪車(12)の乗員(78、170)の状態を検知するための乗員状態検知システム(10)において、
    前記二輪車(12)のシート(80)の周辺に向けて音波(94、108)を発信する発信部(92a、106a)、及び、前記シート(80)の周辺にいる前記乗員(78、170)により反射した前記音波(94、108)を反射波(96、110)として受信する受信部(92b、106b)を備えた少なくとも1つの超音波検知手段(92、106)と、
    前記反射波(96、110)の波形に基づいて前記音波(94、108)の反射時間を算出する反射時間算出部(152)、前記反射時間に基づいて前記乗員(78、170)の位置を推定する乗員位置推定部(154)、及び、推定した前記乗員(78、170)の位置に基づいて当該乗員(78、170)の状態を判断する乗員状態判断部(156)を備えた制御手段(120)と、
    を有する
    ことを特徴とする二輪車(12)の乗員状態検知システム(10)。
  2. 請求項1記載の乗員状態検知システム(10)において、
    前記超音波検知手段(92、106)は、少なくとも、前記二輪車(12)の前方に配置された第1の超音波検知手段(92)であり、
    前記第1の超音波検知手段(92)の発信部(92a)は、前記シート(80)の上方に指向して前記音波(94)を発信し、
    前記乗員位置推定部(154)は、前記反射時間に基づいて前記乗員(78、170)の腕(100、172)及び/又は胸(102、174)の位置を推定する
    ことを特徴とする二輪車(12)の乗員状態検知システム(10)。
  3. 請求項2記載の乗員状態検知システム(10)において、
    前記第1の超音波検知手段(92)は、前記二輪車(12)の前方にあるメータ(36)内で、前記二輪車(12)の前後方向に沿った中心線(93)上に配置されている
    ことを特徴とする二輪車(12)の乗員状態検知システム(10)。
  4. 請求項2又は3記載の乗員状態検知システム(10)において、
    前記乗員位置推定部(154)は、前記反射時間が予め決められた第1の範囲内にある場合には、前記腕(100、172)の位置を推定したと判定し、一方で、前記第1の範囲よりも長く且つ予め決められた第2の範囲内に前記反射時間がある場合には、前記胸(102、174)の位置を推定したと判定する
    ことを特徴とする二輪車(12)の乗員状態検知システム(10)。
  5. 請求項4記載の乗員状態検知システム(10)において、
    前記制御手段(120)は、前記乗員(78、170)が前記シート(80)に着座した乗車状態で、前記腕(100、172)からの反射波(96)の波形に基づく正常な反射時間と、前記胸(102、174)からの反射波(96)の波形に基づく正常な反射時間とを、予め学習して設定する正常時間設定部(160)をさらに備え、
    前記正常時間設定部(160)は、前記腕(100、172)からの反射波(96)の波形に基づく正常な反射時間を前記第1の範囲として設定すると共に、前記胸(102、174)からの反射波(96)の波形に基づく正常な反射時間を前記第2の範囲として設定する
    ことを特徴とする二輪車(12)の乗員状態検知システム(10)。
  6. 請求項2〜5のいずれか1項に記載の乗員状態検知システム(10)において、
    前記腕(100)からの反射波(96)と前記胸(102)からの反射波(96)との双方を前記受信部(92b)が受信し、前記反射時間算出部(152)が前記各反射波(96)の波形から双方の反射時間を算出し、前記乗員位置推定部(154)が前記各反射時間から前記腕(100)及び前記胸(102)の位置を推定した場合に、前記乗員状態判断部(156)は、前記乗員(78)が前記シート(80)に着座した乗車状態にあると判断する
    ことを特徴とする二輪車(12)の乗員状態検知システム(10)。
  7. 請求項6記載の乗員状態検知システム(10)において、
    前記制御手段(120)は、前記乗員状態判断部(156)が前記乗車状態と判断した場合に、前記二輪車(12)のエンジン(50)の始動を許可する始動許可判断部(158)をさらに備える
    ことを特徴とする二輪車(12)の乗員状態検知システム(10)。
  8. 請求項2〜5のいずれか1項に記載の乗員状態検知システム(10)において、
    前記腕(100)からの反射波(96)のみ前記受信部(92b)が受信し、前記反射時間算出部(152)が前記反射波(96)の波形から反射時間を算出し、前記乗員位置推定部(154)が前記反射時間から前記腕(100)の位置を推定した場合に、前記乗員状態判断部(156)は、前記乗員(78)が前記二輪車(12)から降車し、少なくとも前記二輪車(12)のハンドル(34)を把持していると判断する
    ことを特徴とする二輪車(12)の乗員状態検知システム(10)。
  9. 請求項8記載の乗員状態検知システム(10)において、
    前記制御手段(120)は、前記乗員(78)が前記二輪車(12)から降車し、少なくとも前記ハンドル(34)を把持していると前記乗員状態判断部(156)が判断した場合に、前記二輪車(12)のエンジン(50)の停止を許可する停止許可判断部(158)をさらに備える
    ことを特徴とする二輪車(12)の乗員状態検知システム(10)。
  10. 請求項2〜5のいずれか1項に記載の乗員状態検知システム(10)において、
    前記受信部(92b)が前記反射波(96)を受信しないことに起因して、前記乗員位置推定部(154)が前記腕(100)及び前記胸(102)の位置を所定時間推定することができない場合、前記乗員状態判断部(156)は、前記乗員(78)が前記二輪車(12)から降車し、当該二輪車(12)から離れていると判断する
    ことを特徴とする二輪車(12)の乗員状態検知システム(10)。
  11. 請求項2〜10のいずれか1項に記載の乗員状態検知システム(10)において、
    前記超音波検知手段(92、106)は、前記二輪車(12)の前方にあるメータ(36)内に配置された前記第1の超音波検知手段(92)と、前記二輪車(12)を挟んでサイドスタンド(76)の反対側の車体に配置された第2の超音波検知手段(106)とであり、
    前記第2の超音波検知手段(106)の発信部(106a)は、前記二輪車(12)の前方に指向して音波(108)を発信し、
    前記第2の超音波検知手段(106)の受信部(106b)は、前記乗員(78)により反射した前記音波(108)を反射波(110)として受信し、
    前記反射時間算出部(152)は、前記第1の超音波検知手段(92)の受信部(92b)が受信した反射波(96)の波形から第1の反射時間を算出すると共に、前記第2の超音波検知手段(106)の受信部(106b)が受信した反射波(110)の波形から第2の反射時間を算出し、
    前記乗員位置推定部(154)は、前記第1の反射時間から前記腕(100)及び/又は前記胸(102)の位置を推定すると共に、前記第2の反射時間から前記乗員(78)の右足(104)の位置を推定する
    ことを特徴とする二輪車(12)の乗員状態検知システム(10)。
  12. 請求項2〜11のいずれか1項に記載の乗員状態検知システム(10)において、
    前記第1の超音波検知手段(92)の発信部(92a)から発信される音波(94)は、前記二輪車(12)のハンドル(34)の幅に応じた水平面指向性を有する
    ことを特徴とする二輪車(12)の乗員状態検知システム(10)。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の乗員状態検知システム(10)において、
    前記反射時間は、
    前記発信部(92a、106a)から発信される音波(94、108)が連続波である場合には、前記受信部(92b、106b)で前記反射波(96、110)を受信する時間幅を含み、
    前記発信部(92a、106a)から発信される音波(94、108)がパルス波である場合には、前記時間幅と、前記発信部(92a、106a)から前記パルス波を発信した時点より、前記受信部(92b、106b)で前記反射波(96、110)を受信する時点までの時間とを含む
    ことを特徴とする二輪車(12)の乗員状態検知システム(10)。
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