JP2014195970A - 金属層付積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】架橋樹脂成形体の表裏面の少なくとも一方に金属層が積層されてなる金属層付積層体において前記架橋樹脂成形体の厚みを十分に制御できる、金属層付積層体の製造方法を提供すること。
【解決手段】繊維基材21に、流動化剤を含む架橋性組成物を含浸させて得られるプリプレグ本体23を含むプリプレグ20を形成した後、プリプレグ20の表裏面に銅箔50を積層して積層体を得る。この状態でプリプレグ20中の架橋性組成物を架橋して架橋樹脂成形体40を得る。積層体を形成する際には、プリプレグ形成が終了した時の架橋性組成物中の流動化剤の含有量をA重量部とし、積層体の形成を開始した時の架橋性組成物中の流動化剤の含有量をB重量部とし、流動化剤の残留割合(B/A)が0.75超の条件にて実施する。
【選択図】図1
【解決手段】繊維基材21に、流動化剤を含む架橋性組成物を含浸させて得られるプリプレグ本体23を含むプリプレグ20を形成した後、プリプレグ20の表裏面に銅箔50を積層して積層体を得る。この状態でプリプレグ20中の架橋性組成物を架橋して架橋樹脂成形体40を得る。積層体を形成する際には、プリプレグ形成が終了した時の架橋性組成物中の流動化剤の含有量をA重量部とし、積層体の形成を開始した時の架橋性組成物中の流動化剤の含有量をB重量部とし、流動化剤の残留割合(B/A)が0.75超の条件にて実施する。
【選択図】図1
Description
本発明は、架橋樹脂成形体の表裏面の少なくとも一方に金属層が積層されてなる金属層付積層体の製造方法に関し、特に、架橋樹脂成形体の厚みを十分に制御できる金属層付積層体の製造方法に関する。
近年、情報伝送は高周波化や高密度化などの要求が高まり、高精度化、多層化、微細化された高性能な多層回路基板の開発が進んでいる。高周波領域での情報伝送に用いられる多層回路基板には、伝送損失が小さい材料が求められている。このような材料として、たとえば、特許文献1には、シクロオレフィンモノマー、メタセシス重合触媒、架橋剤、および反応性流動化剤を含む重合性組成物(架橋性組成物)が開示されている。
前記重合性組成物を用いた場合には、たとえば以下の手順により多層回路基板を製造する。すなわち、まず、前記重合性組成物を繊維基材に含浸させて含浸物を得て、この含浸物中のシクロオレフィンモノマーを塊状重合し、シクロオレフィンポリマーおよび繊維基材からなるプリプレグ(架橋性樹脂成形体)を得る。次に、プリプレグ(プリプレグを複数枚積層した積層プリプレグも含む)の両面に銅箔(金属層)を配置した状態で熱プレスしてプリプレグを架橋反応により硬化させ、2枚の銅箔間に架橋樹脂成形体を有する金属層付積層体としての銅張積層板を得る。次いで、この銅張積層板の銅箔をエッチング処理してパターン配線を形成して、回路基板を得ることができる。
ここで、銅張積層板の作成にあたって、プリプレグを架橋したシート状の架橋樹脂成形体の厚みを均一に制御する観点から、プリプレグには安定した流動性が求められている。このため、前記重合性組成物には、前記重合反応時には反応に関与しない可塑剤として機能するとともに、架橋反応時には反応に関与して樹脂に結合する前記反応性流動化剤が配合されている。このように反応性流動化剤が重合反応時に反応に関与しない可塑剤として機能するため、プリプレグには十分な流動性が付与されている。
しかしながら、本発明者によれば、流動化剤は他の配合成分に比べて比較的揮発性が高いことが確認された。このため、前記流動化剤を含むプリプレグを一定期間以上長期に渡って保管・放置する場合等には、当該プリプレグが十分な流動性を有していない場合があった。しかも、本発明者によれば、安定した流動性を有しないプリプレグを用いて、金属層付積層体を形成した場合には、当該積層体中の架橋樹脂成形体の膜厚精度に多大な影響を与えることが分かった。このため、前述のように安定した流動性を有しないプリプレグを用いた場合には、得られた架橋樹脂成形体の厚みが十分に制御されない場合があった。なお、このような課題は、流動化剤を含む場合に限らず、比較的揮発性の高い他の成分を含む場合にも同様に生じていた。
本発明の目的は、架橋樹脂成形体の表裏面の少なくとも一方に金属層が積層されてなる金属層付積層体において前記架橋樹脂成形体の厚みを十分に制御できる、金属層付積層体の製造方法を提供することである。
本発明者は、プリプレグと金属層とを積層する際に、プリプレグ中の流動化剤の含有割合とプリプレグの流動性との間に特定の相関関係があることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明によれば、下記(1)〜(7)の積層体の製造方法が提供される。
(1)シート状の架橋樹脂成形体と、この架橋樹脂成形体の表裏面の少なくとも一方に積層される金属層とを備える金属層付積層体の製造方法であって、繊維基材に架橋性組成物を含浸させて得られるプリプレグ本体を1枚以上含むプリプレグを形成するプリプレグ形成工程と、得られた前記プリプレグの表裏面の少なくとも一方に前記金属層を積層した積層体を得る積層工程と、前記積層体を構成する前記プリプレグ中の前記架橋性組成物を架橋して前記架橋樹脂成形体を得る架橋工程と、を備え、前記架橋性組成物は、流動化剤を含有し、前記積層工程は、前記プリプレグ形成工程終了時における前記架橋性組成物中の前記流動化剤の含有量をA重量部とし、前記積層工程開始時における前記架橋性組成物中の前記流動化剤の含有量をB重量部として、前記流動化剤の残留割合(B/A)が、0.75超を満たす条件にて実施する、金属層付積層体の製造方法。
(2)前記流動化剤は、温度25℃における蒸気圧が7Pa以下である前記金属層付積層体の製造方法。
(3)前記プリプレグは、前記プリプレグ本体を複数枚積層してなる積層物である前記金属層付積層体の製造方法。
(4)前記プリプレグ形成工程は、前記プリプレグと、前記プリプレグの表裏面の少なくとも一方に形成された保護フィルムとを有するプリプレグ複合体を形成するステップと、前記プリプレグ複合体から前記保護フィルムを剥離して前記プリプレグを得るステップと、を備える前記金属層付積層体の製造方法。
(5)前記プリプレグ複合体は、前記プリプレグの両面に前記保護フィルムが形成されている前記金属層付積層体の製造方法。
(6)前記架橋性組成物は、シクロオレフィンモノマー、重合触媒、架橋剤、および前記流動化剤を含有する、架橋性を有する重合性組成物であり、前記プリプレグ本体は、前記繊維基材に前記重合性組成物を含浸させた状態で当該重合性組成物を重合してなる架橋性樹脂成形体である前記金属層付積層体の製造方法。
(7)前記積層工程は、前記プリプレグ形成工程が終了してから2時間以内に行う前記金属層付積層体の製造方法。
(1)シート状の架橋樹脂成形体と、この架橋樹脂成形体の表裏面の少なくとも一方に積層される金属層とを備える金属層付積層体の製造方法であって、繊維基材に架橋性組成物を含浸させて得られるプリプレグ本体を1枚以上含むプリプレグを形成するプリプレグ形成工程と、得られた前記プリプレグの表裏面の少なくとも一方に前記金属層を積層した積層体を得る積層工程と、前記積層体を構成する前記プリプレグ中の前記架橋性組成物を架橋して前記架橋樹脂成形体を得る架橋工程と、を備え、前記架橋性組成物は、流動化剤を含有し、前記積層工程は、前記プリプレグ形成工程終了時における前記架橋性組成物中の前記流動化剤の含有量をA重量部とし、前記積層工程開始時における前記架橋性組成物中の前記流動化剤の含有量をB重量部として、前記流動化剤の残留割合(B/A)が、0.75超を満たす条件にて実施する、金属層付積層体の製造方法。
(2)前記流動化剤は、温度25℃における蒸気圧が7Pa以下である前記金属層付積層体の製造方法。
(3)前記プリプレグは、前記プリプレグ本体を複数枚積層してなる積層物である前記金属層付積層体の製造方法。
(4)前記プリプレグ形成工程は、前記プリプレグと、前記プリプレグの表裏面の少なくとも一方に形成された保護フィルムとを有するプリプレグ複合体を形成するステップと、前記プリプレグ複合体から前記保護フィルムを剥離して前記プリプレグを得るステップと、を備える前記金属層付積層体の製造方法。
(5)前記プリプレグ複合体は、前記プリプレグの両面に前記保護フィルムが形成されている前記金属層付積層体の製造方法。
(6)前記架橋性組成物は、シクロオレフィンモノマー、重合触媒、架橋剤、および前記流動化剤を含有する、架橋性を有する重合性組成物であり、前記プリプレグ本体は、前記繊維基材に前記重合性組成物を含浸させた状態で当該重合性組成物を重合してなる架橋性樹脂成形体である前記金属層付積層体の製造方法。
(7)前記積層工程は、前記プリプレグ形成工程が終了してから2時間以内に行う前記金属層付積層体の製造方法。
本発明の金属層付積層体の製造方法によれば、流動化剤を含有する架橋性組成物からなるプリプレグと金属層とを積層するにあたって、流動化剤の残留割合(B/A)が0.75超の条件にて積層工程を実施することにより、架橋性組成物を架橋した架橋樹脂成形体の厚みをより一層十分に制御できるという効果がある。
以下、本発明の一実施形態に係る金属層付積層体の製造方法について、図1を参照して詳細に説明する。図1は、金属層付積層体としての銅張積層板1を模式的に示す断面図である。図1に示すように、銅張積層板1は、シート状の架橋樹脂成形体40と、架橋樹脂成形体40の表裏面にそれぞれ積層される金属層としての銅箔50とを備える。
架橋樹脂成形体40は、架橋性樹脂成形体であるプリプレグ20を架橋反応により硬化させた硬化物である。プリプレグ20は、シート状の繊維基材21に架橋性組成物22を含浸させて得られるシート状のプリプレグ本体23を複数枚積層した積層体として構成されている。プリプレグ本体23の積層数は1〜20枚とすることができる。プリプレグ本体23の形状は、シート状であれば特に限定されず、角が面取りされたものでもよい。
繊維基材21は、プリプレグ本体23を補強するための基材であり、強化繊維の編物、織布、および不織布等のシート状に形成された部材である。繊維基材21は、長尺状のもの(たとえば0.1〜3000m)を適宜裁断して製造できる。繊維基材21の長さ寸法は、10〜2000mmとすることができる。また、繊維基材21の幅寸法は、450〜1300mm、好ましくは530〜1280mmとすることができる。繊維基材21の厚みは、特に限定されないが、5〜100μm、好ましくは15〜80μmとすることができる。
前記強化繊維としては、無機系および/または有機系の繊維を挙げることができる。これらの強化繊維の具体例としては、たとえば、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維、アラミド繊維、超高分子ポリエチレン繊維、ポリアミド(ナイロン)繊維、および液晶ポリエステル繊維などの有機繊維;ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、タングステン繊維、モリブデン繊維、チタン繊維、スチール繊維、ボロン繊維、シリコンカーバイド繊維、およびシリカ繊維などの無機繊維;などを挙げることができる。これらの中でも、有機繊維やガラス繊維が好ましく、特にアラミド繊維、液晶ポリエステル繊維、およびガラス繊維が好ましい。また、ガラス繊維としては、Eガラス、NEガラス、Sガラス、Dガラス、Hガラス、QガラスおよびTガラス等の繊維を好適に用いることができる。強化繊維を構成する繊維束の粗密から生じるプリプレグの誘電率の局所的な差異を防ぐ観点から、架橋性組成物22を架橋した架橋樹脂成形体40における架橋樹脂部分の誘電率と強化繊維を構成する材料の誘電率との差は小さい方が好ましい。強化繊維を構成する材料は、1種単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。繊維基材21の形状は、特に限定されず、例えば、マット、クロス、および不織布などが挙げられる。また、強化繊維は、繊維束を開繊して用いてもよい。強化繊維の開繊度は特に限定はないが、通常、JIS規格 R 3420に定める通気度において20cm3/cm2/s以下、好ましくは15cm3/cm2/s以下である。開繊の具体的な方法としては、例えば、高圧ウォータージェットによる方法、バイブロウォッシャーによる方法、超音波振動による方法、など様々な方法を用いることができる。
プリプレグ本体23における前記強化繊維の含有割合は、15体積%以下であることが好ましく、より好ましくは2〜10体積%であり、さらに好ましくは5〜10体積%である。プリプレグ本体23における強化繊維の含有率が前記数値範囲であることにより、当該プリプレグ本体23を用いて回路基板を製造した際に、回路基板における伝送特性(SKEWが小さい)を十分に高めることができるとともに、機械的強度を十分に確保できる。
架橋性組成物22は、流動化剤を含む液状の組成物である。この架橋性組成物22には、架橋性樹脂組成物と、後架橋可能な重合性組成物との両方が含まれる。
前記架橋性樹脂組成物としては、硬化性樹脂(架橋性樹脂)を含む液状の樹脂組成物を挙げることができる。硬化性樹脂としては、たとえば熱硬化性樹脂および光硬化性樹脂等を挙げることができるが、工程が簡便であることから熱硬化性樹脂が好適である。熱硬化性樹脂としては、たとえばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、およびシクロオレフィン樹脂等を挙げることができる。前記架橋性樹脂組成物は、溶剤を含んでいてもよい。
前記後架橋可能な重合性組成物(以下、適宜「重合性組成物」と称する)とは、モノマーを含有する重合性組成物であって、その重合後に架橋性を発揮する組成物のことである。前記重合性組成物としては、たとえばモノマーを含む後架橋可能な組成物や、モノマーおよび重合触媒を含む後架橋可能な組成物を用いることができる。この中でも、前記重合性組成物としては、シクロオレフィンモノマー、重合触媒、架橋剤、および流動化剤を含有する組成物が好適であり、シクロオレフィンモノマー、重合触媒、架橋剤、架橋助剤、および流動化剤を含有する組成物がより好適である。前記重合性組成物は、溶剤を含んでいてもよい。
前記重合性組成物を構成するモノマーとしては、各種のモノマーを用いることができるが、シクロオレフィンモノマーを好適に用いることができる。シクロオレフィンモノマーとは、炭素原子で形成される脂環構造を有し、かつ該脂環構造中に重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物である。ここで、「重合性の炭素−炭素二重結合」とは、重合(メタセシス開環重合、付加重合等)に主として関与する炭素−炭素二重結合をいう。
シクロオレフィンモノマーの脂環構造としては、単環、多環、縮合多環、橋かけ環及びこれらの組み合わせ多環などを挙げることができる。シクロオレフィンモノマーとしては、得られるプリプレグ本体23を用いて架橋樹脂成形体40を成形した際に、この架橋樹脂成形体40の機械的強度を向上させる観点から、多環のシクロオレフィンモノマーが好ましい。各環構造を構成する炭素原子数に特に限定はないが、通常、4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個である。シクロオレフィンモノマーは、アルキル基、アルケニル基、アルキリデン基、及びアリール基などの炭素数1〜30の炭化水素基や、カルボキシル基や酸無水物基などの極性基を置換基として有していてもよい。
前記シクロオレフィンモノマーには、架橋樹脂成形体40の機械的強度を向上させる観点から、架橋性炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有するものが好適に用いられる。本明細書において「架橋性炭素−炭素不飽和結合」とは、前記重合にはほとんど関与せず、主として架橋反応に関与する炭素−炭素不飽和結合をいう。「架橋反応」とは、橋架け構造を形成する反応をいう。また、「架橋反応」とは、通常、ラジカル架橋反応又はメタセシス架橋反応、特にラジカル架橋反応をいう。
架橋性炭素−炭素不飽和結合としては、芳香族炭素−炭素不飽和結合を除く炭素−炭素不飽和結合、すなわち、脂肪族炭素−炭素二重結合又は三重結合が挙げられ、通常、脂肪族炭素−炭素二重結合をいう。架橋性炭素−炭素不飽和結合を有するシクロオレフィンモノマー中、該不飽和結合の位置は特に限定されるものではなく、炭素原子で形成される脂環構造内の他、該脂環構造以外の任意の位置、例えば、側鎖の末端や内部に存在していてもよい。例えば、前記脂肪族炭素−炭素二重結合は、ビニル基(CH2=CH−)、ビニリデン基(CH2=C<)、又はビニレン基(−CH=CH−)として存在し得、良好にラジカル架橋性を発揮することから、ビニル基及び/又はビニリデン基として存在するのが好ましく、ビニリデン基として存在するのがより好ましい。
架橋性炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有するシクロオレフィンモノマーとしては、特に、架橋性炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有するノルボルネン系モノマーが好ましい。「ノルボルネン系モノマー」とは、ノルボルネン環構造を分子内に有するシクロオレフィンモノマーをいう。例えば、ノルボルネン類、ジシクロペンタジエン類、及びテトラシクロドデセン類などが挙げられる。
架橋性炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有するシクロオレフィンモノマーとしては、例えば、3−ビニルシクロヘキセン、4−ビニルシクロヘキセン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロへキサジエン、1,4−シクロへキサジエン、5−エチル−1,3−シクロへキサジエン、1,3−シクロへプタジエン、1,3−シクロオクタジエンなどの単環シクロオレフィンモノマー;5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−アリルノルボルネン、5,6−ジエチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、2,5−ノルボルナジエンなどのノルボルネン系モノマー;を挙げることができる。これらの中では、架橋性炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有するノルボルネン系モノマーが好ましい。
前記シクロオレフィンモノマーとしては、前記架橋性炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有するシクロオレフィンモノマーの他、架橋性炭素−炭素不飽和結合を持たないシクロオレフィンモノマーが用いられる。
架橋性炭素−炭素不飽和結合を持たないシクロオレフィンモノマーとしては、例えば、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチルシクロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、シクロへプテンなどの単環シクロオレフィンモノマー;ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、テトラシクロドデセン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロノルボルネン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチルノルボルネン、5−クロロメチルノルボルネン、5−メトキシノルボルネン、5,6−ジカルボキシルノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シアノノルボルネンなどのノルボルネン系モノマー;を挙げることができる。これらの中でも、架橋性炭素−炭素不飽和結合を持たないノルボルネン系モノマーが好ましい。
以上のシクロオレフィンモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。シクロオレフィンモノマーとしては、たとえば、架橋性炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有するシクロオレフィンモノマーと架橋性炭素−炭素不飽和結合を持たないシクロオレフィンモノマーとの混合物を用いることができる。
ここで、前記重合触媒は、前記モノマーを重合可能な触媒であれば特に限定されず、たとえば、モノマーが前記シクロオレフィンモノマーである場合には、付加重合触媒や開環重合触媒を用いることができる。
シクロオレフィンモノマーを前記重合触媒にて重合して重合体を製造するにあたり、シクロオレフィンモノマーと、このシクロオレフィンモノマーと共重合可能な他のモノマーとの存在下で重合して、シクロオレフィンモノマーを含む共重合体を得るようにしてもよい。
シクロオレフィンモノマーと共重合可能な他のモノマーとの存在下で付加重合して、シクロオレフィンモノマーを含む付加共重合体を得る場合において、前記シクロオレフィンモノマーと共重合可能なその他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン、及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン、及びこれらの誘導体;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが挙げられる。これらの中でも、α−オレフィンが好ましく、エチレンが特に好ましい。
付加重合触媒としては、例えば、チタン、ジルコニウム又はバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒など公知の触媒を用いることができる。
開環重合触媒としては、シクロオレフィンモノマーを開環重合させ得るものであればよく、たとえばメタセシス重合触媒を用いることができる。メタセシス重合触媒としては、遷移金属原子を中心原子として、複数のイオン、原子、多原子イオン及び/又は化合物が結合してなる金属錯体が挙げられる。遷移金属原子としては、5族、6族及び8族(長周期型周期表、以下同じ。)の原子が使用される。それぞれの族の原子は特に限定されないが、5族の原子としては、例えばタンタルが挙げられ、6族の原子としては、例えばモリブデン及びタングステンが挙げられ、8族の原子としては、例えばルテニウム及びオスミウムが挙げられる。
これらの中でも、メタセシス触媒としては、8族のルテニウムやオスミウムを中心原子とする錯体が好ましく、ルテニウムカルベン錯体が特に好ましい。ルテニウムカルベン錯体は、ルテニウム原子にカルベン炭素が二重結合した構造(Ru=C)を有する錯体であり、重合時の触媒活性が優れる。このため、メタセシス重合触媒としてルテニウムカルベン錯体を含む重合性組成物を重合して架橋性樹脂成形体40を製造する場合、得られる架橋性樹脂成形体40には未反応のモノマーに由来する臭気が少ない。したがって、生産性良く良質な架橋樹脂成形体40が得られる。また、ルテニウムカルベン錯体は、酸素や空気中の水分に対して比較的安定であって、失活しにくいので、大気下でも使用可能である。これらのメタセシス重合触媒は、それぞれ単独で、或いは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、メタセシス重合触媒の配合量等は、例えば特開2009−242568号公報に記載の内容とすることができる。
メタセシス重合触媒は、所望により、少量の不活性溶剤に溶解又は懸濁して使用することができる。かかる溶剤としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、流動パラフィン、ミネラルスピリットなどの鎖状脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ジシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;インデン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどの含酸素炭化水素;などが挙げられる。これらの中では、工業的に汎用な芳香族炭化水素や脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素の使用が好ましい。また、メタセシス重合触媒としての活性を低下させないものであれば、液状の老化防止剤、液状の可塑剤、液状のエラストマーを溶剤として用いてもよい。
メタセシス重合触媒は、重合活性を制御し、重合反応率を向上させる目的で活性剤(共触媒)と併用することもできる。活性剤としては、アルミニウム、スカンジウム、スズの、アルキル化物、ハロゲン化物、アルコキシ化物及びアリールオキシ化物などを用いることができる。その具体例としては、トリアルコキシアルミニウム、トリフェノキシアルミニウム、ジアルコキシアルキルアルミニウム、アルコキシジアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウム、ジアルコキシアルミニウムクロリド、アルコキシアルキルアルミニウムクロリド、ジアルキルアルミニウムクロリド、トリアルコキシスカンジウム、テトラアルコキシチタン、テトラアルコキシスズ、テトラアルコキシジルコニウムなどが挙げられる。活性剤の使用量は、(触媒中の金属原子:活性剤)のモル比で、通常、1:0.05〜1:100、好ましくは1:0.2〜1:20、より好ましくは1:0.5〜1:10の範囲である。
また、メタセシス重合触媒として、5族及び6族の遷移金属原子の錯体を用いる場合には、メタセシス重合触媒及び活性剤は、いずれもモノマーに溶解して用いるのが好ましいが、生成物の性質を本質的に損なわない範囲であれば、溶剤に懸濁又は溶解させて用いることができる。
架橋性組成物に必須成分として含まれる流動化剤とは、重合性組成物の流動性を高める材料であり、この中でも、反応性を有する流動化剤である反応性流動化剤を好適に用いることができる。反応性流動化剤は、前記シクロオレフィンモノマーの重合反応の条件では、当該重合反応にほとんど関与せず、シクロオレフィンモノマーを重合したシクロオレフィン樹脂において、後述する架橋剤により誘起された架橋反応の条件では、当該架橋反応に主として関与して前記樹脂に結合する反応性を有する化合物である。流動化剤は、温度25℃における蒸気圧が7Pa以下のものを用いることが好ましい。
たとえば、前記反応性流動化剤を含有する重合性組成物を用いてプリプレグ本体23を形成した場合には、重合反応条件ではほとんど反応に関与しないことにより、プリプレグ本体23およびプリプレグ20の流動性を十分に確保できる。また、シクロオレフィンモノマーを含む重合性組成物を重合反応して得られたシクロオレフィン樹脂の架橋反応条件(架橋剤が機能する温度条件等)では、この架橋反応に主として関与して前記シクロオレフィン樹脂に結合し、架橋樹脂成形体40中には、前記反応性流動化剤が実質的には遊離状態でほとんど残存しない。このため、いわゆる可塑剤のように、得られる架橋樹脂成形体40の耐熱性を低下させる等の不具合が生じず、むしろ、架橋樹脂成形体40の耐熱性や耐クラック性を高める効果を奏することができる。このため、架橋樹脂成形体40の品質を向上できる。
前記反応性流動化剤は、前記重合反応に関与し得る重合性の脂肪族炭素−炭素不飽和結合を持たず、かつ架橋剤により誘起される架橋反応に関与して重合体に結合し得る架橋性の官能基を1つ有する単官能化合物を好適に用いることができる。前記重合反応に関与し得る重合性の脂肪族炭素−炭素不飽和結合としては、たとえば、シクロオレフィン構造中の重合性の脂肪族炭素−炭素二重結合やビニル基などを挙げることができる。また、前記架橋剤により誘起される架橋反応に関与して重合体に結合し得る架橋性の官能基としては、架橋性の脂肪族炭素−炭素不飽和結合や、架橋性の有機基などを挙げることができる。前記架橋性の脂肪族炭素−炭素不飽和結合は、当該反応性流動化剤を構成する化合物中に、たとえば、末端ビニリデン基として存在することが好ましく、イソプロペニル基、または(メタ)アクリロイル基として存在するのがより好ましく、(メタ)アクリロイル基として存在するのがさらに好ましい。また、前記架橋性の有機基としては、エポキシ基、イソシアネート基、スルホ基などを挙げることができる。
架橋性の官能基である末端ビニリデン基としての(メタ)アクリロイル基を1つ有する単官能化合物としては、たとえば、ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、およびメトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。なお、本発明において、「(メタ)アクリロイル基」には、メタクリロイル基およびアクリロイル基の両者が含まれる。また、「(メタ)アクリレート」には、メタクリレートおよびアクリレートの両者が含まれる。また、架橋性の官能基である末端ビニリデン基としてのイソプロペニル基を1つ有する単官能化合物としては、イソプロペニルベンゼンなどを挙げることができる。
これらの反応性流動化剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。反応性流動化剤の配合量は、所望により適宜選択すればよいが、配合するシクロオレフィンモノマー100重量部に対し、0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜50重量部、より好ましくは1〜30重量部である。
また、前記重合性組成物には、前記モノマー、重合触媒、および流動化剤に加えて、所望により、充填剤、連鎖移動剤、架橋剤、架橋助剤、難燃剤、重合調整剤、重合反応遅延剤、酸化防止剤、及び着色料等のその他の配合剤を配合してもよい。これらの配合剤としては、たとえば、特開2009−242568号公報に記載の化合物や、特開2010−100683号公報に記載の化合物などを用いることができる。
充填剤は、特に限定されず、たとえば、有機物や無機物を用いることができるが、より高弾性率の前記成形体を得る観点から、無機物であることが好ましい。充填剤の形状は、特に限定されず、たとえば、球状、粒状、不定形状、樹枝状、針状、棒状、及び扁平状等の任意の形状を採用できる。また、充填剤の平均粒子径は、特に限定されず、レーザー散乱回折式粒度分布計で測定した全粒子の50体積%が含まれるメディアン径で、通常、0.001〜70μm、好ましくは0.01〜50μm、より好ましくは0.05〜15μm、特に好ましくは、0.1〜5μmである。
充填剤の具体例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、水和アルミナ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、クレーなどが挙げることができる。
充填剤の含有量は、たとえば前記シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、50〜600重量部、好ましくは100〜550重量部、より好ましくは200〜500重量部である。充填剤の含有量がかかる範囲にあれば、前記重合性組成物中における充填剤の分散性が優れ、繊維基材21への含浸性が良好となる。
連鎖移動剤としては、例えば、置換基を有していてもよい鎖状のオレフィン類を挙げることができる。連鎖移動剤の具体例としては、1−ヘキセン、2−ヘキセン、スチレン、ビニルシクロヘキサン、アリルアミン、アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルビニルエーテル、メチルビニルケトン、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、及び4−ビニルアニリンなどの、脂肪族炭素−炭素二重結合基を持たない連鎖移動剤;ジビニルベンゼン、メタクリル酸ビニル、メタクリル酸ヘキセニル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸スチリル、アクリル酸アリル、メタクリル酸ウンデセニル、アクリル酸スチリル、及びエチレングリコールジアクリレートなどの、脂肪族炭素−炭素二重結合基を1つ有する連鎖移動剤;アリルトリビニルシランやアリルメチルジビニルシランなどの、脂肪族炭素−炭素二重結合基を2以上有する連鎖移動剤などが挙げられる。連鎖移動剤の使用量としては、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。
架橋剤としては、通常、ラジカル発生剤が好適に用いられる。ラジカル発生剤としては、有機過酸化物、ジアゾ化合物、及び非極性ラジカル発生剤などが挙げられる。これらのラジカル発生剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上のラジカル発生剤を併用し、その量比を調整することで、プリプレグ本体を構成する樹脂成分のガラス転移温度や溶融状態を任意に制御することが可能である。ラジカル発生剤の1分間半減期温度としては、特に限定はないが、通常、150〜300℃、好ましくは180〜250℃の範囲である。ここで1分間半減期温度とは、ラジカル発生剤の半量が1分間で分解する温度である。ラジカル発生剤の1分間半減期温度は、例えば、各ラジカル発生剤メーカ(例えば、日本油脂株式会社)のカタログやホームページを参照すればよい。架橋剤の量は、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。架橋剤の量が上記範囲にあれば、架橋樹脂成形体40が充分な架橋密度を有し、所望の物性を有する回路基板等が効率的に得られるので好適である。
架橋助剤としては、前記重合には関与せず、架橋剤により誘起される架橋反応に関与可能な架橋性炭素−炭素不飽和結合を2以上有する多官能化合物が好ましい。このような架橋性炭素−炭素不飽和結合は、架橋助剤を構成する化合物中、例えば、末端ビニリデン基として、特に、イソプロペニル基や(メタ)アクリロイル基として存在するのが好ましく、(メタ)アクリロイル基として存在するのがより好ましい。なお、(メタ)アクリロイル基とは、メタクリロイル基およびアクリロイル基の両者を含む意味である。
イソプロペニル基を2以上有する多官能化合物としては、p−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼン、o−ジイソプロペニルベンゼンなどを挙げることができる。
また、(メタ)アクリロイル基を2以上有する多官能化合物としては、エチレンジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレンジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、および、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。架橋助剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。架橋助剤の配合量としては、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜50重量部、より好ましくは1〜30重量部である。
また、(メタ)アクリロイル基を2以上有する多官能化合物としては、エチレンジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレンジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2,2’−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、および、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。架橋助剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。架橋助剤の配合量としては、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜50重量部、より好ましくは1〜30重量部である。
難燃剤としては、特に限定されるものではなく、公知の難燃剤、例えば、ハロゲン系難燃剤、リン−窒素系難燃剤、リン酸エステル難燃剤、窒素系難燃剤、及び無機系難燃剤から、適宜選択して用いることができる。その配合量も、所望の効果が得られるよう適宜調整すればよい。
前記架橋性組成物は、所望により配合された前記の各成分を適宜混合して用いることができる。前記架橋性組成物として重合性組成物を用いる場合には、重合性組成物は、モノマー(たとえばシクロオレフィンモノマー)と重合触媒とを混合して調製できる。重合性組成物の調製方法は、特に限定されず、たとえば、前記モノマーを含有するモノマー液と、重合触媒を含有する触媒液を別々に調製し、これらを混合して調製する方法が挙げられる。ここで、流動化剤および前記配合剤は、前記モノマー液に添加してもよいし、前記触媒液に添加してもよいし、モノマー液と触媒液の混合液に添加してもよい。
プリプレグ本体23は、以下のようにして得ることができる。すなわち、プリプレグ本体23は、たとえば、前記架橋性組成物として後架橋可能な重合性組成物を用いた場合には、まず、前記重合性組成物を繊維基材21に含浸させて含浸物を得て、含浸物中の重合性組成物を重合して架橋性樹脂成形体としてのプリプレグ本体23を得ることができる。
前記重合性組成物の重合方法としては、プリプレグ本体23の製造方法に応じて適宜選択すればよいが、塊状重合や溶液重合を用いることができ、これらの中でも、揮発成分による成形不良が少ないことから塊状重合が好ましい。繊維基材21に前記重合性組成物を含浸させる方法としては、たとえば、繊維基材21に対して、所定量の重合性組成物を、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法およびスリットコート法等の公知の方法により塗布し、次いで、所望により、この含浸物の少なくとも一方の面に保護フィルムを積層した状態で、その上からローラーなどで押圧して含浸物を得ることができる。
ここで、前記含浸物中の重合性組成物の重合は、所定温度に加熱することにより行うことができる。重合性組成物を重合するための加熱温度は、30〜250℃、好ましくは50〜200℃、より好ましくは90〜150℃の範囲内である。また、前記加熱温度は、架橋剤としてのラジカル発生剤の1分間半減期温度以下、好ましくは1分間半減期温度よりも10℃以上低い温度、より好ましくは1分間半減期温度よりも20℃以上低い温度である。重合時間は適宜選択すればよい。含浸物の加熱方法としては、たとえば、含浸物を支持体上に配置してから加熱する方法や、予め成形型内に繊維基材を配置しておき、該成形型内で重合性組成物を繊維基材に含浸させて含浸物を得た後に加熱する方法等を挙げることができる。
得られた架橋性樹脂成形体は、実質的に架橋構造を有さず、例えば、トルエンに可溶なものが好適である。ここで、当該重合体の分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(溶離液:テトラヒドロフラン)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常1,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜100,000の範囲内である。ここで、前記重合体の重量平均分子量は、前述した架橋助剤や連鎖移動剤等の各種配合剤の配合量や、重合反応条件等を適宜変更して調整できる。
前記重合性組成物を重合して得られた架橋性樹脂成形体40を、任意に他の部材であるたとえば金属層としての銅箔50と積層した状態で架橋させることにより、架橋樹脂成形体40、または、架橋樹脂成形体40および銅箔50の積層体である銅張積層板1を得ることができる。前記架橋樹脂成形体40における架橋樹脂部分は、ガラス転移温度が、好ましくは160℃超、より好ましくは170℃超であり、耐熱性に優れる。また、前記重合性組成物中にシクロオレフィンモノマーを含有する場合には、当該シクロオレフィンモノマーを重合して得られるシクロオレフィン樹脂を含むため、誘電正接が小さく、かつ回路基板用の絶縁材料として好適である。
なお、得られたプリプレグ20(プリプレグ本体23)は、シクロオレフィンモノマーを含む前記重合性組成物を用いて形成することにより、低誘電率および低誘電正接を実現できる。具体的には、前記プリプレグは、周波数1GHzにおける誘電率が、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.5以下に低減されたものである。また、周波数1GHzにおける誘電正接が、好ましくは0.005以下、より好ましくは0.001以下に低減されたものである。
ここで、プリプレグ20は、プリプレグ20の表裏面にそれぞれ形成される保護フィルム30を備えるプリプレグ複合体10を準備し、このプリプレグ複合体10から保護フィルム30を剥離して得ることができる。
保護フィルム30は、プリプレグ20の表裏面を保護するシート状の部材である。プリプレグ20上に保護フィルム30を形成してプリプレグ複合体10を得る方法としては、たとえば、(1)プリプレグ20の最上面および最下面にそれぞれ保護フィルム30をラミネーション法等により積層して得る方法、(2)保護フィルム30を支持体として利用し、この支持体としての保護フィルム30上にプリプレグ本体23を形成して、1枚のプリプレグ本体23と保護フィルムとを有するプリプレグ複合体10を得る。次いで、プリプレグ複合体10から必要に応じて保護フィルム30を剥離し、保護フィルム30、複数枚のプリプレグ本体23を積層したプリプレグ20、および保護フィルム30の順に積層したプリプレグ複合体10を得る方法、等を挙げることができる。
保護フィルム30の厚みは、5〜300μmとすることができる。また、保護フィルム30の表裏面の各面積は、当接するプリプレグ本体23の表裏面の各面積に対して、0.95〜1.05倍とすることができる。このような面積とすることにより、プリプレグ本体23から揮発成分が必要以上に揮発することを防止できる。
保護フィルム30としては、たとえば、樹脂フィルムや、銅箔等の金属箔などを挙げることができる。樹脂フィルムに用いる材料としては、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリシクロオレフィン(シクロオレフィン樹脂)、トリアセチルセルロース、ポリエーテルサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリイミドなどを挙げることができる。これらの中でも、前記材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、剥離性等の観点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
保護フィルム30は、単層であってもよいし、多層であってもよい。また、保護フィルム30の表面には、離形層、帯電防止層、および/または着色層を形成してもよい。前記離形層を構成する材料としては、公知のものを採用でき、たとえば、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、およびアクリル樹脂などの熱硬化性樹脂、ならびにセルロース系樹脂を挙げることができる。
銅箔50は、平滑であるものが好ましく、両面ともに平滑であることがより好ましく、通常、JIS B 0601で規定される10点平均粗さ(Rz)で5000nm未満、好ましくは3000nm未満、より好ましくは2000nm未満、さらに好ましくは1500nm 以下である。銅箔のRzが上記範囲にあれば、例えば、得られる高周波回路基板において、高周波伝送におけるノイズ、遅延、及び伝送ロス等の発生が抑えることができる。また、銅箔の表面は、シランカップリング剤、チオールカップリング剤、及びチタネートカップリング剤などの公知のカップリング剤や接着剤などで処理するのが好ましい。なお、金属層として銅箔50を用いたが、他の金属箔でもよく、たとえば、アルミ箔、ニッケル箔、クロム箔、金箔、および銀箔などが挙げることができる。
次に、銅張積層板1の製造方法について説明する。
まず、プリプレグ20を製造する(プリプレグ形成工程)。具体的には、たとえば、架橋性組成物22として前記重合性組成物を用いる場合を例に挙げて説明する。まず、繊維基材21上に重合性組成物を塗布し、繊維基材21に重合性組成物を含浸させた含浸物を得る。次いで、この含浸物を所定温度まで加熱して重合性組成物中のモノマーを重合し、架橋性樹脂組成物としてのプリプレグ本体23を形成する。同様にしてプリプレグ本体23を複数枚形成し、これらのプリプレグ本体23をたとえば10枚積層して、積層体としてのプリプレグ20を得る。次いで、プリプレグ20の両面に保護フィルム30をそれぞれ積層してプリプレグ複合体10を形成する(プリプレグ複合体形成形ステップ)。次に、得られたプリプレグ複合体10から保護フィルム30を剥がしてプリプレグ20を得る(プリプレグ形成ステップ)。
まず、プリプレグ20を製造する(プリプレグ形成工程)。具体的には、たとえば、架橋性組成物22として前記重合性組成物を用いる場合を例に挙げて説明する。まず、繊維基材21上に重合性組成物を塗布し、繊維基材21に重合性組成物を含浸させた含浸物を得る。次いで、この含浸物を所定温度まで加熱して重合性組成物中のモノマーを重合し、架橋性樹脂組成物としてのプリプレグ本体23を形成する。同様にしてプリプレグ本体23を複数枚形成し、これらのプリプレグ本体23をたとえば10枚積層して、積層体としてのプリプレグ20を得る。次いで、プリプレグ20の両面に保護フィルム30をそれぞれ積層してプリプレグ複合体10を形成する(プリプレグ複合体形成形ステップ)。次に、得られたプリプレグ複合体10から保護フィルム30を剥がしてプリプレグ20を得る(プリプレグ形成ステップ)。
次に、プリプレグ20表裏面に銅箔50をそれぞれ積層した積層体を形成する(積層工程)。この積層工程は、プリプレグ20と銅箔50とを加熱圧着して積層することができる。加熱圧着の方法としては、加圧ラミネータ、プレス、真空ラミネータ、真空プレス、およびロールラミネータなどの加圧機を使用して加熱圧着(ラミネーション)する方法を挙げることができる。加熱加圧することにより、銅箔50とプリプレグ20との界面に空隙が実質的に存在しないように接着できる。
加熱圧着操作の温度は、30〜300℃、好ましくは70〜250℃である。また、加熱圧着操作時に加える圧力は、10kPa〜20MPa、好ましくは100kPa〜10MPaである。加熱圧着操作の所要時間は、30秒〜5時間、好ましくは1分〜3時間である。また、加熱圧着を減圧下で行う際の圧力は、100kPa〜1Pa、好ましくは40kPa〜10Paである。
また、前記積層工程は、前記プリプレグ形成ステップの終了時における架橋性組成物中の流動化剤の含有量をA重量部とし、前記積層工程開始時における架橋性組成物中の流動化剤の含有量をB重量部とした際に、流動化剤の残留割合(B/A)が0.75超、好ましくは0.95以上の条件にて行う。このような条件にて積層工程を行うことにより、プリプレグ20に安定した流動性を付与できる。また、上記条件を満たすために、前述したように、温度25℃における蒸気圧が7Pa以下の流動化剤を好適に用いる。また、上記条件を満たすために、プリプレグ20を形成してから2時間以内にプリプレグ20の両面に銅箔50を形成することが好ましく、1時間以内がより好ましい。
また、上記条件を満たすために、プリプレグ複合体10から保護フィルム30を剥離するステップと、プリプレグ20と銅箔50を積層するステップは、温度30℃以下の条件で行うことが好ましく、温度23℃以下の条件で行うことがより好ましく、また、温度20℃以下の条件で行うことがより好ましい。
次いで、前記積層体を構成するプリプレグ20中の架橋性樹脂組成物を架橋して、銅箔50、架橋樹脂成形体40、および銅箔50をこの順に有する銅張積層板1を得る(架橋工程)。
また、この銅張積層板1の銅箔50を既知の方法でマスキングおよびエッチングしてパターン配線を形成した回路基板を製造できる。このパターン配線は、一対の伝送線(差動配線)を備えていてもよい。
本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
プリプレグ20中の流動化剤の残留割合が所定範囲にある条件にてプリプレグ20と銅箔50とを積層する構成としたので、プリプレグ20(プリプレグ本体23)が十分な流動性を有することとなり、銅張積層板1における架橋樹脂成形体40の厚み精度をより一層向上できる。
プリプレグ20中の流動化剤の残留割合が所定範囲にある条件にてプリプレグ20と銅箔50とを積層する構成としたので、プリプレグ20(プリプレグ本体23)が十分な流動性を有することとなり、銅張積層板1における架橋樹脂成形体40の厚み精度をより一層向上できる。
なお、本発明は、前記実施形態には限定されない。
たとえば、前記実施形態では、プリプレグ20の両面に保護フィルム30を形成したが、これに限らず、プリプレグ20の一方の面のみに保護フィルム30を形成してもよい。また、前記実施形態では、プリプレグ20を複数枚のプリプレグ本体23からなる積層体24として構成したが、これに限らず、プリプレグ20を1枚のプリプレグ本体23で構成してもよい。
たとえば、前記実施形態では、プリプレグ20の両面に保護フィルム30を形成したが、これに限らず、プリプレグ20の一方の面のみに保護フィルム30を形成してもよい。また、前記実施形態では、プリプレグ20を複数枚のプリプレグ本体23からなる積層体24として構成したが、これに限らず、プリプレグ20を1枚のプリプレグ本体23で構成してもよい。
また、プリプレグ複合体10は以下のように製造してもよい。すなわち、保護フィルム30上に繊維基材21を配置、次いで繊維基材21に重合性組成物を含浸させた含浸物を得る。次いで、この含浸物を所定温度まで加熱して重合性組成物中のモノマーを重合し、架橋性樹脂成形体としてのプリプレグ本体23を形成すると同時に、プリプレグ本体23の一方の面に保護フィルム30が形成されたプリプレグ複合体10を形成する。このような工程によれば、プリプレグ20から揮発しやすい成分が揮発することを確実に防止できる。
また、長尺状の繊維基材21に架橋性組成物22を含浸させた含浸物を得て、この含浸物の少なくとも一方の面に長尺状の保護フィルム30を配置し、この状態で一対の金属ロール等を通すことによりラミネートして、前記含浸物の少なくとも一方の面に保護フィルム30を有する長尺状のプリプレグ複合体を得る。次いで、この長尺状のプリプレグ複合体を適宜の大きさに裁断してプリプレグ複合体10を製造してもよい。このような工程によれば、プリプレグ複合体10を効率的に製造できる。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。各例中の「部」は、特に断りのない限り、重量基準である。なお、各特性の評価方法は、以下のとおりである。
<流動性>
繊維基材の繊維束の軸方向に対して45°で100mm×100mmに裁断したプリプレグ本体を用い、JIS C6521−1996に従いプレス前後における重量変化を以下の基準で判定した。なお、使用するプリプレグの枚数は15枚でプレス条件については温度170℃、圧力1.4MPa、10分とし、プレス後のプリプレグ本体を一辺70.7mmの正方形に切り出し試料片とした。
A:10%以上
B:10%未満
繊維基材の繊維束の軸方向に対して45°で100mm×100mmに裁断したプリプレグ本体を用い、JIS C6521−1996に従いプレス前後における重量変化を以下の基準で判定した。なお、使用するプリプレグの枚数は15枚でプレス条件については温度170℃、圧力1.4MPa、10分とし、プレス後のプリプレグ本体を一辺70.7mmの正方形に切り出し試料片とした。
A:10%以上
B:10%未満
<成型厚み>
成型後の厚みTpは流動性のデータを用い、試験後のプリプレグに含有されている樹脂量から以下の計算式により算出した。
Tp=Wgc/ρgc+Wp/ρp
Wp=(100-α)(Wt−Wgc)/100
Wgc:繊維基材の重量、ρgc:繊維基材の密度、ρp:試験後のプリプレグから繊維基材を除いた部分の密度、α:流動性の値、Wt:プリプレグ総重量、Wp:試験後のプリプレグ総重量から繊維基材の重量を除いた重量。
成型後の厚みTpは流動性のデータを用い、試験後のプリプレグに含有されている樹脂量から以下の計算式により算出した。
Tp=Wgc/ρgc+Wp/ρp
Wp=(100-α)(Wt−Wgc)/100
Wgc:繊維基材の重量、ρgc:繊維基材の密度、ρp:試験後のプリプレグから繊維基材を除いた部分の密度、α:流動性の値、Wt:プリプレグ総重量、Wp:試験後のプリプレグ総重量から繊維基材の重量を除いた重量。
<実施例1>
(樹脂成分としての重合性組成物の調製)
メタセシス重合触媒としてのベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド0.05部と、トリフェニルホスフィン0.01部とを、インデン1.51部に溶解させて触媒液を調製した。また、これとは別に、シクロオレフィンモノマーとしてのテトラシクロドデセン(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン/TCD)100部と、架橋剤であるラジカル発生剤としての3,3,5,7,7−ペンタメチル−1,2,4−トリオキセパン(1分間半減期温度205℃)2部と、架橋助剤としてのベンジルジアクリレート20部と、充填剤としての酸化ケイ素粒子(平均粒子径0.5μm)100部と、連鎖移動剤としてのスチレン0.74部と、反応性流動化剤(25℃における蒸気圧が7Pa)としてのベンジルメタクリレート10部とを混合してモノマー液を調製した。次いで、得られたモノマー液に前記触媒液を混合することで重合性組成物を得た。
(樹脂成分としての重合性組成物の調製)
メタセシス重合触媒としてのベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド0.05部と、トリフェニルホスフィン0.01部とを、インデン1.51部に溶解させて触媒液を調製した。また、これとは別に、シクロオレフィンモノマーとしてのテトラシクロドデセン(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン/TCD)100部と、架橋剤であるラジカル発生剤としての3,3,5,7,7−ペンタメチル−1,2,4−トリオキセパン(1分間半減期温度205℃)2部と、架橋助剤としてのベンジルジアクリレート20部と、充填剤としての酸化ケイ素粒子(平均粒子径0.5μm)100部と、連鎖移動剤としてのスチレン0.74部と、反応性流動化剤(25℃における蒸気圧が7Pa)としてのベンジルメタクリレート10部とを混合してモノマー液を調製した。次いで、得られたモノマー液に前記触媒液を混合することで重合性組成物を得た。
(プリプレグの製造)
開繊処理がされた厚さ25μm、幅630mmの繊維基材(Eガラス繊維)を準備し、前記重合性組成物を前記繊維基材に含浸させてプリプレグ本体を製造した。得られたプリプレグ本体を500mm×500mmの大きさに切り出し、切り出したプリプレグ本体を50枚重ねて積層体からなるプリプレグを得た。次に、得られたプリプレグの両面に、500mm×500mmの大きさのポリエチレンテレフタレートフィルムをそれぞれ貼り合せてプリプレグ複合体を得た。プリプレグの成形終了から保護フィルムを貼り終えるまでに要した時間は2時間以内であった。
開繊処理がされた厚さ25μm、幅630mmの繊維基材(Eガラス繊維)を準備し、前記重合性組成物を前記繊維基材に含浸させてプリプレグ本体を製造した。得られたプリプレグ本体を500mm×500mmの大きさに切り出し、切り出したプリプレグ本体を50枚重ねて積層体からなるプリプレグを得た。次に、得られたプリプレグの両面に、500mm×500mmの大きさのポリエチレンテレフタレートフィルムをそれぞれ貼り合せてプリプレグ複合体を得た。プリプレグの成形終了から保護フィルムを貼り終えるまでに要した時間は2時間以内であった。
繊維基材の繊維束の軸方向に対して45°で100mm×100mmに裁断したプリプレグをトルエンに溶かしこんだ。その後、固形成分と溶液とを分離して、溶液中に残留する流動化剤の量をGC(ガスクロマトグラフィー)にて測定した。
そして、プリプレグ形成工程終了時における前記架橋性組成物中の流動化剤の測定値をAとし、積層工程開始時における架橋性組成物中の流動化剤の測定値をBとして、流動化剤の残留割合(B/A)を算出した。
そして、プリプレグ形成工程終了時における前記架橋性組成物中の流動化剤の測定値をAとし、積層工程開始時における架橋性組成物中の流動化剤の測定値をBとして、流動化剤の残留割合(B/A)を算出した。
次いで、得られたプリプレグ複合体を大気下で24時間放置した後、繊維基材の繊維束の軸方向に対して45度の角度になるように10cm角のシート状に切り出し、切り出したプリプレグ複合体から保護フィルムを剥離し、プリプレグを15枚重ねて基板本体および流動性試験用の試料片を得た。次いで、温度23℃、に調節した環境下において、前記基板本体の両面に、厚み35μm のF2銅箔(古河サーキットフォイル社製、シランカップリング剤処理電解銅箔、粗度Rz=1600nm)2枚を、銅箔の表面処理面がプリプレグシートと接触するように配置し、205℃で20分間、3MPaにて熱プレスを行い、銅張積層板を得た。
<実施例2>
前記積層工程の作業温度を23℃から30℃に変更した以外は、実施例1と同様にして銅張積層板を得た。
前記積層工程の作業温度を23℃から30℃に変更した以外は、実施例1と同様にして銅張積層板を得た。
<実施例3>
プリプレグ複合体から保護フィルムを剥離してプリプレグを得た後、このプリプレグを大気下にて2時間放置してから積層工程を行った以外は、実施例1と同様にして銅張積層板を得た。
プリプレグ複合体から保護フィルムを剥離してプリプレグを得た後、このプリプレグを大気下にて2時間放置してから積層工程を行った以外は、実施例1と同様にして銅張積層板を得た。
<比較例1>
プリプレグ複合体から保護フィルムを剥離してプリプレグを得た後、このプリプレグを大気下にて24時間放置してから積層工程を行った以外は、実施例1と同様にして銅張積層板を得た。この際、流動化剤の含有割合が0.75であった。
プリプレグ複合体から保護フィルムを剥離してプリプレグを得た後、このプリプレグを大気下にて24時間放置してから積層工程を行った以外は、実施例1と同様にして銅張積層板を得た。この際、流動化剤の含有割合が0.75であった。
前記残留割合が0.75超の条件にて積層工程を行う構成(実施例1,2)とした場合には、プリプレグに安定した流動性があり、架橋後の架橋樹脂成形体の厚み精度が高いことが分かった。他方、前記残留割合が0.75以下の条件にて積層工程を行う構成(比較例1)とした場合には、プリプレグの流動性が不十分であるとともに、架橋樹脂成形体の厚み精度が不十分であった。
1…銅張積層板(金属層付積層体)
10…プリプレグ複合体
20…プリプレグ(架橋性樹脂成形体)
21…繊維基材
22…架橋性組成物
23…プリプレグ本体
30…保護フィルム
40…架橋樹脂成形体
50…銅箔(金属層)
10…プリプレグ複合体
20…プリプレグ(架橋性樹脂成形体)
21…繊維基材
22…架橋性組成物
23…プリプレグ本体
30…保護フィルム
40…架橋樹脂成形体
50…銅箔(金属層)
Claims (7)
- シート状の架橋樹脂成形体と、この架橋樹脂成形体の表裏面の少なくとも一方に積層される金属層とを備える金属層付積層体の製造方法であって、
繊維基材に架橋性組成物を含浸させて得られるプリプレグ本体を1枚以上含むプリプレグを形成するプリプレグ形成工程と、
得られた前記プリプレグの表裏面の少なくとも一方に前記金属層を積層した積層体を得る積層工程と、
前記積層体を構成する前記プリプレグ中の前記架橋性組成物を架橋して前記架橋樹脂成形体を得る架橋工程と、を備え、
前記架橋性組成物は、流動化剤を含有し、
前記積層工程は、前記プリプレグ形成工程終了時における前記架橋性組成物中の前記流動化剤の含有量をA重量部とし、前記積層工程開始時における前記架橋性組成物中の前記流動化剤の含有量をB重量部として、前記流動化剤の残留割合(B/A)が、0.75超を満たす条件にて実施する、金属層付積層体の製造方法。 - 前記流動化剤は、温度25℃における蒸気圧が7Pa以下である、請求項1に記載の金属層付積層体の製造方法。
- 前記プリプレグは、前記プリプレグ本体を複数枚積層してなる積層物である、請求項1また2に記載の金属層付積層体の製造方法。
- 前記プリプレグ形成工程は、
前記プリプレグと、前記プリプレグの表裏面の少なくとも一方に形成された保護フィルムとを有するプリプレグ複合体を形成するステップと、
前記プリプレグ複合体から前記保護フィルムを剥離して前記プリプレグを得るステップと、
を備える、請求項1〜3のいずれかに記載の金属層付積層体の製造方法。 - 前記プリプレグ複合体は、前記プリプレグの両面に前記保護フィルムが形成されている、請求項4に記載の金属層付積層体の製造方法。
- 前記架橋性組成物は、シクロオレフィンモノマー、重合触媒、架橋剤、および前記流動化剤を含有する、架橋性を有する重合性組成物であり、
前記プリプレグ本体は、前記繊維基材に前記重合性組成物を含浸させた状態で当該重合性組成物を重合してなる架橋性樹脂成形体である、請求項1〜5のいずれかに記載の金属層付積層体の製造方法。 - 前記積層工程は、前記プリプレグ形成工程が終了してから2時間以内に行う、請求項1〜6のいずれかに記載の金属層付積層体の製造方法。
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JP2013073177A JP2014195970A (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | 金属層付積層体の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20190021978A (ko) * | 2017-08-24 | 2019-03-06 | 주식회사 엘지화학 | 금속 박 적층판의 제조 방법 |
-
2013
- 2013-03-29 JP JP2013073177A patent/JP2014195970A/ja active Pending
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KR20190021978A (ko) * | 2017-08-24 | 2019-03-06 | 주식회사 엘지화학 | 금속 박 적층판의 제조 방법 |
KR102173113B1 (ko) | 2017-08-24 | 2020-11-02 | 주식회사 엘지화학 | 금속 박 적층판의 제조 방법 |
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