JP2014195087A - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイシング工程において剥離が生じにくい半導体発光素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】支持基板と、前記支持基板上に設けられた第1金属層と、前記第1金属層上に設けられ、金及びインジウムを含む接合層と、前記接合層上に設けられた第2金属層と、前記第2金属層上に設けられたLED層と、金を含み、前記接合層よりも軟質な緩衝層と、を備える。前記緩衝層は、前記支持基板と前記第1金属層との間、前記第1金属層と前記接合層との間、前記接合層と前記第2金属層との間、及び、前記第2金属層と前記LED層との間のうち、いずれかに配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、半導体発光素子及びその製造方法に関する。
薄膜(Thin Film)型のLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を製造する際には、支持基板上に金合金等からなる接合層を形成し、一方、結晶成長用の基板上にLED層及び反射層を形成し、その上に金合金等からなる接合層を形成する。そして、接合層同士を接合することにより、LED層を支持基板上に搭載する。その後、ダイシングを行い、素子に切り分ける。
しかしながら、この方法においては、接合後の接合層が硬くなってしまい、ダイシングの際にいずれかの層の界面が剥離してしまう場合がある。これにより、LEDの歩留まりが低下する。
特開2011−129621号公報
本発明の目的は、ダイシング工程において剥離が生じにくい半導体発光素子及びその製造方法を提供することである。
実施形態に係る半導体発光素子は、支持基板と、前記支持基板上に設けられた第1金属層と、前記第1金属層上に設けられ、金及びインジウムを含む接合層と、前記接合層上に設けられた第2金属層と、前記第2金属層上に設けられたLED層と、金を含み、前記接合層よりも軟質な緩衝層と、を備える。前記緩衝層は、前記支持基板と前記第1金属層との間、前記第1金属層と前記接合層との間、前記接合層と前記第2金属層との間、及び、前記第2金属層と前記LED層との間のうち、いずれかに配置されている。
他の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法は、支持基板上に第1金属層を形成する工程と、前記第1金属層上に第1成分を含む第1接合層を形成する工程と、結晶成長用基板上にLED層を形成する工程と、前記LED層上に第2金属層を形成する工程と、前記第2金属層上に前記第1成分を含む第2接合層を形成する工程と、前記支持基板と前記第1金属層との間、前記第1金属層と前記第1接合層との間、前記LED層と前記第2金属層との間、及び、前記第2金属層と前記第2接合層との間のいずれかに、緩衝層を形成する工程と、前記第1接合層と前記第2接合層とを、第2成分を含む第2成分層を介して当接させる工程と、前記第1接合層及び前記第2接合層に含まれる前記第1成分と前記第2成分層に含まれる前記第2成分とを反応させることにより、前記第1接合層と前記第2接合層とを接合させる工程と、前記結晶成長用基板を除去する工程と、前記支持基板、前記第1金属層、前記第1接合層、前記第2接合層、前記第2金属層、前記LED層及び前記緩衝層を含む積層体をダイシングする工程と、を備える。前記緩衝層は、接合後の前記第1接合層及び前記第2接合層よりも軟質である。
第1の実施形態に係る半導体発光素子を例示する断面図である。 (a)〜(c)は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法を例示する工程断面図である。 (a)及び(b)は、第1の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法を例示する工程断面図である。 第1の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法を例示する工程断面図である。 第2の実施形態に係る半導体発光素子を例示する断面図である。 (a)〜(c)は、第2の実施形態に係る半導体発光素子の製造方法を例示する工程断面図である。 第3の実施形態に係る半導体発光素子を例示する断面図である。 第4の実施形態に係る半導体発光素子を例示する断面図である。 第5の実施形態に係る半導体発光素子を例示する断面図である。 比較例に係る半導体発光素子を例示する断面図である。 比較例に係る半導体発光素子の製造方法を例示する図である。
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る半導体発光素子を例示する断面図である。
本実施形態に係る半導体発光素子は、薄膜型LEDである。
図1に示すように、本実施形態に係る半導体発光素子1においては、例えば、単結晶のシリコン(Si)からなる支持基板10が設けられている。支持基板10上には、バリア層11が設けられている。バリア層11は、例えば、チタン(Ti)層21、白金(Pt)層22及びチタン(Ti)層23がこの順に積層された(Ti/Pt/Ti)3層膜である。
バリア層11上には、接合層12が設けられている。接合層12は金インジウム(Au−In)合金により形成されている。接合層12の厚さは、例えば1〜5μm程度である。接合層12上には、バリア層13が設けられている。バリア層13は、バリア層11と同様な(Ti/Pt/Ti)3層膜である。
バリア層13上には、緩衝層14が設けられている。緩衝層14は接合層12よりも軟質である。例えば、緩衝層14を形成する材料のヤング率は、接合層12の形成する材料のヤング率よりも低い。緩衝層14は金(Au)を含む材料、例えば、純金により形成されている。緩衝層14の厚さは例えば0.1〜1μmであり、例えば0.4μmである。
緩衝層14上には、バリア層15が設けられている。バリア層15の構成は、バリア層11と同様である。バリア層15上には、反射層16が設けられている。反射層16は、銀(Ag)を含む材料からなり、例えば、純銀からなる。なお、反射層16は、アルミニウム(Al)により形成されていてもよい。
反射層16上には、LED層17が設けられている。LED層17は、電力が供給されることにより発光する層である。LED層17においては、支持基板10側から順に、p形層25、発光層26及びn形層27が積層されている。LED層17の構造は、例えば、インジウム−アルミニウム−ガリウム−リン(InAlGaP)の4元系成分からなるMQW(Multiple Quantum Well:多重量子井戸)構造である。
LED層17上の一部には、上部電極層18が設けられている。また、支持基板10の下面上の全面には、下部電極層19が設けられている。
バリア層11は、支持基板10と接合層12との間の反応を抑制する層である。バリア層13は、接合層12と緩衝層14との間の反応を抑制する層である。バリア層15は、緩衝層14と反射層16との間の反応を抑制する層である。なお、各バリア層は、ニッケル(Ni)を含む層により形成されていてもよい。反射層16は、LED層17から下方に向けて出射された光を、上方に向けて反射する層である。
次に、本実施形態に係る半導体発光素子の製造方法について説明する。
図2(a)〜(c)、図3(a)及び(b)、図4は、本実施形態に係る半導体発光素子の製造方法を例示する工程断面図である。
先ず、図2(a)に示すように、支持基板10を用意する。支持基板10には、例えば、シリコンウェーハを用いる。そして、支持基板10上にチタン層21(図1参照)、白金層22(図1参照)及びチタン層23(図1参照)をこの順に堆積させることにより、バリア層11を形成する。次に、金を含む材料、例えば、純金を堆積させて、バリア層11上に接合層31を形成する。接合層31の厚さは、完成後の半導体発光素子1における接合層12(図1参照)の厚さの半分程度とする。このようにして、支持基板10上にバリア層11及び接合層31が積層された支持部材41が作製される。
一方、図2(b)に示すように、結晶成長用基板30を用意する。結晶成長用基板30には、例えば、単結晶のガリウムヒ素(GaAs)基板を用いる。そして、結晶成長用基板30上に、n形層27(図1参照)、発光層26(図1参照)及びp形層25(図1参照)をこの順にエピタキシャル成長させることにより、LED層17を形成する。
次に、例えば銀を堆積させて、LED層17上に反射層16を形成する。次に、チタン、白金及びチタンをこの順に堆積させて、バリア層15を形成する。次に、金を含む材料、例えば純金を堆積させて、バリア層15上に緩衝層14を形成する。次に、緩衝層14上にバリア層13を形成する。次に、金を含む材料、例えば、純金を堆積させて、バリア層13上に接合層32を形成する。接合層32の厚さは、完成後の半導体発光素子1における接合層12(図1参照)の厚さの半分程度とする。このようにして、結晶成長用基板30上にLED層17、反射層16、バリア層15、緩衝層14、バリア層13及び接合層32がこの順に積層されたLED部材42が作製される。
次に、図2(c)に示すように、接合層31上又は接合層32上の少なくとも一方に、インジウム層33を形成する。そして、支持部材41の接合層31と、LED部材42の接合層32とを、インジウム層33を介して当接させることにより、支持部材41とLED部材42とを重ね合わせる。この段階では、接合層31と接合層32との間には、多数のボイド(図示せず)が存在する。
次に、図3(a)に示すように、熱処理を施し、インジウム層33を溶融させる。これにより、インジウム層33が液相となり、ボイドを埋める。また、インジウム層33を構成するインジウム原子は、接合層31及び接合層32の内部に拡散し、接合層31及び32を構成する金原子と反応して、金インジウム合金を形成する。これにより、接合層31及び接合層32は、インジウム層33を介して接合されて、金インジウム(Au−In)合金からなる1枚の接合層12となる。この過程において、純金からなる接合層31及び32は、金インジウム合金からなる接合層12に変化するため、硬質になり、粘性が低下する。
但し、このとき、接合層32内に拡散したインジウム原子は、バリア層13によって拡散を阻止されるため、緩衝層14内に侵入して緩衝層14を構成する金と反応することはない。このため、緩衝層14の組成は純金のままである。従って、緩衝層14は、接合後の接合層31及び32、すなわち、金インジウム合金からなる接合層12よりも軟質である。
次に、図3(b)に示すように、結晶成長用基板30(図3(a)参照)を除去する。次に、LED層17における結晶成長用基板30に接していた面上の一部に、上部電極層18を形成する。また、支持基板10の下面上の全面に下部電極層19を形成する。次に、シンター処理を行う。すなわち、熱処理を施すことにより、上部電極層18をLED層17にオーミック接続させると共に、下部電極層19を支持基板10にオーミック接続させる。
次に、図4に示すように、上述のようにして作製された積層体、すなわち、下部電極層19、支持基板10、バリア層11、接合層12、バリア層13、緩衝層14、バリア層15、反射層16、LED層17及び上部電極層18からなる積層体43を、ブレード50によってダイシングする。ブレード50は、例えば円板状であり、回転することによって積層体43を局所的に除去する。この結果、積層体43が複数個の半導体発光素子1に切り分けられる。このようして、半導体発光素子1が製造される。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
図2(c)に示す工程において、支持部材41上にLED部材42を搭載する際に、接合層31と接合層32との間には、多数のボイドが発生する。このとき、仮に、インジウム層33を設けずに、金からなる接合層31と接合層32とを直接当接させると、金は流動性が低いため、図3(a)に示す熱処理を行っても、これらのボイドが消滅せずに接合層12内に残留し、接合強度が低くなってしまう。
そこで、本実施形態においては、接合層31及び接合層32を、インジウム層33を挟んで当接させた上で加熱している。これにより、インジウム層33が液体化して流動し、ボイドを埋める。すなわち、接合層31と接合層32とを液相拡散接合によって強固に接合させることができる。但し、これにより、接合層12は金インジウム合金となり、硬くなってしまう。
本実施形態においては、接合層12と反射層16との間に、接合層12よりも軟質で粘性が高い緩衝層14を配置している。これにより、図4に示すダイシング工程において、積層体43に印加される機械的な応力及び衝撃を、緩衝層14が緩和することができる。この結果、ダイシング工程において、積層体43における各層の界面で剥離が生じることを抑制できる。これにより、半導体発光素子1を高い歩留まりで製造することができ、コストを低く抑えることができる。特に、緩衝層14を金によって形成することにより、特に軟質で、導電性が高く、腐食しにくい緩衝層を実現することができる。
更に、本実施形態においては、接合層12と緩衝層14との間にバリア層13を設けている。これにより、図3(a)に示す接合に際しても、図3(b)に示すシンター処理に際しても、接合層12内を拡散するインジウム原子が緩衝層14内に進入することを抑制でき、緩衝層14を軟質な純金の状態に保つことができる。また、支持基板10と接合層12との間にバリア層11を設け、緩衝層14と反射層16との間にバリア層15を設けているため、これらの基板及び層の間の反応も抑制することができる。
次に、第2の実施形態について説明する。
図5は、本実施形態に係る半導体発光素子を例示する断面図である。
図5に示すように、本実施形態に係る半導体発光素子2は、前述の第1の実施形態に係る半導体発光素子1(図1参照)と比較して、接合層12と緩衝層14とが逆に配置されている点が異なっている。すなわち、支持基板10上に、バリア層11、緩衝層14、バリア層13、接合層12、バリア層15、反射層16及びLED層17が、この順に積層されている。
図6(a)〜図6(c)は、本実施形態に係る半導体発光素子の製造方法を例示する工程断面図である。
先ず、図6(a)に示すように、支持基板10上に、チタン、白金及びチタンをこの順に堆積させて、バリア層11を形成する。次に、金を含む材料、例えば純金を堆積させて、バリア層11上に緩衝層14を形成する。次に、緩衝層14上にバリア層13を形成する。次に、金を含む材料、例えば、純金を堆積させて、バリア層13上に接合層31を形成する。このようにして、支持基板10上にバリア層11、緩衝層14、バリア層13及び接合層31が積層された支持部材46が作製される。
一方、図6(b)に示すように、結晶成長用基板30上にLED層17を形成する。次に、例えば銀を堆積させて、LED層17上に反射層16を形成する。次に、反射層16上にバリア層15を形成する。次に、金を含む材料、例えば、純金を堆積させて、バリア層15上に接合層32を形成する。このようにして、結晶成長用基板30上にLED層17、反射層16、バリア層15及び接合層32がこの順に積層されたLED部材47が作製される。
以後の製造方法は、前述の第1の実施形態と同様である。すなわち、図6(c)に示すように、接合層31と接合層32とを、インジウム層33を介して当接させる。次に、接合層31及び接合層32に含まれる金とインジウム層33に含まれるインジウムとを反応させることにより、接合層31と接合層32とを接合させる。これにより、金インジウム合金からなる接合層12が形成される。次に、結晶成長用基板30を除去する。次に、図5に示すように、LED層17上に上部電極雄18を形成すると共に、支持基板10の下面上に下部電極層19を形成する。次に、熱処理を施すことにより、上部電極層18をLED層17にオーミック接続させると共に、下部電極層19を支持基板10にオーミック接続させる。そして、支持基板10、バリア層11、緩衝層14、バリア層13、接合層12、バリア層15、反射層16及びLED層17からなる積層体をダイシングして切り分ける。これにより、本実施形態に係る半導体発光素子2が製造される。
本実施形態によっても、前述の第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、第3の実施形態について説明する。
図7は、本実施形態に係る半導体発光素子を例示する断面図である。
図7に示すように、本実施形態に係る半導体発光素子3においては、緩衝層14が2層設けられており、支持基板10と接合層12との間、及び、接合層12と反射層16との間にそれぞれ配置されている。また、バリア層13も2層設けられており、各緩衝層14と接合層12との間にそれぞれ配置されている。すなわち、支持基板10上に、バリア層11、緩衝層14、バリア層13、接合層12、バリア層13、緩衝層14、バリア層15、反射層16及びLED層17が、この順に積層されている。
このような半導体発光素子3は、図6(a)に示す支持部材46、及び図2(b)に示すLED部材42をそれぞれ作製して、インジウム層33を介して接合し、その後、上部電極層18及び下部電極層19を形成し、ダイシングすることによって製造することができる。
本実施形態によれば、緩衝層14が接合層12を挟んで2層設けられているため、ダイシングの際の層間の剥離をより確実に防止することができる。
本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、第4の実施形態について説明する。
図8は、本実施形態に係る半導体発光素子を例示する断面図である。
図8に示すように、本実施形態に係る半導体発光素子4においては、前述の第1の実施形態に係る半導体発光素子1(図1参照)の構成に加えて、反射層16とLED層17との間に、導電性合金化抑制層48が設けられている。導電性合金化抑制層48は、反射層16及びLED層17との間で合金化反応せず、且つ、電気的な導通を確保できる構造を持つ層であり、光を透過させる層であることが好ましい。導電性合金化抑制層48としては、例えば、ITO(Indium-Tin-Oxide:スズドープ酸化インジウム)層を用いることができる。
本実施形態においては、導電性合金化抑制層48を設けることにより、反応層16とLED層17との間に合金化反応層が形成されることを防止し、この合金化反応層が光の吸収層となって反射効率が低下することを防止できる。
本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、第5の実施形態について説明する。
図9は、本実施形態に係る半導体発光素子を例示する断面図である。
図9に示すように、本実施形態に係る半導体発光素子5においては、前述の第1の実施形態に係る半導体発光素子1(図1参照)の構成に加えて、反射層16とLED層17との間に、電流狭窄層49が設けられている。電流狭窄層49は、LED層17に供給される電流の電流経路上に任意のパターンで選択的に配置された絶縁性の層であり、例えば、シリコン酸化層又はシリコン窒化層等の電気的な絶縁層を用いることができる。
本実施形態においては、電流狭窄層49を設けることにより、LED層17に供給される電流の電流密度を調整することができる。
本実施形態における上記以外の構成、製造方法及び作用効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
なお、電流狭窄層49の配設位置は反射層16とLED層17との間には限定されず、LED層17に供給される電流の電流経路に介在できる位置であればよい。また、前述の第4の実施形態における導電性合金化抑制層48(図8参照)及び本実施形態における電流狭窄層49は、双方設けてもよい。
なお、前述の各実施形態においては、接合層31及び32を金により形成し、インジウム層33を介して接合することにより、接合層12を金インジウム合金により形成し、一方、緩衝層14を金により形成する例を示したが、これには限定されない。緩衝層14は接合後の接合層12よりも軟質であれば、ダイシングに伴うストレスを緩和する効果が得られる。
次に、比較例について説明する。
図10は、本比較例に係る半導体発光素子を例示する断面図であり、
図11は、本比較例に係る半導体発光素子の製造方法を例示する図である。
図10に示すように、本比較例に係る半導体発光素子101においては、緩衝層14(図1参照)が設けられていない。また、接合層12と緩衝層14との間に配置されるバリア層13(図1参照)も設けられていない。
図11に示すように、このような半導体発光素子101を製造しようとすると、ダイシング工程において、いずれかの界面で剥離が発生することが多い。特に、密着性が低い界面、例えば、半導体と金属の界面である支持基板10とバリア層11との界面、及び、バリア層15と反射層16との界面で、剥離が頻発する。これは、緩衝層14が設けられていないため、ダイシングに伴う機械的なストレスが緩和されず、積層体における最も弱い部分に集中するためと考えられる。この結果、半導体発光素子101は、歩留まりが低く、製造コストが高くなる。
以上説明した実施形態によれば、ダイシング工程において剥離が生じにくい半導体発光素子及びその製造方法を実現することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明及びその等価物の範囲に含まれる。
1、2、3、4、5:半導体発光素子、10:支持基板、11:バリア層、12:接合層、13:バリア層、14:緩衝層、15:バリア層、16:反射層、17:LED層、18:上部電極層、19:下部電極層、21:チタン層、22:白金層、23:チタン層、25:p形層、26:発光層、27:n形層、30:結晶成長用基板、31:接合層、32:接合層、33:インジウム層、41:支持部材、42:LED部材、43:積層体、46:支持部材、47:LED部材、48:導電性合金化抑制層、49:電流狭窄層、50:ブレード、101:半導体発光素子

Claims (12)

  1. 支持基板と、
    前記支持基板上に設けられた第1金属層と、
    前記第1金属層上に設けられ、金及びインジウムを含む接合層と、
    前記接合層上に設けられた第2金属層と、
    前記第2金属層上に設けられたLED層と、
    金を含み、前記接合層よりも軟質な緩衝層と、
    を備え、
    前記緩衝層は、前記支持基板と前記第1金属層との間、前記第1金属層と前記接合層との間、前記接合層と前記第2金属層との間、及び、前記第2金属層と前記LED層との間のうち、いずれかに配置されている半導体発光素子。
  2. 前記支持基板と前記第1金属層との間、前記第1金属層と前記接合層との間、前記接合層と前記第2金属層との間、及び、前記第2金属層と前記LED層との間のうち、前記緩衝層が配置されていない位置に配置され、前記接合層よりも軟質な他の緩衝層をさらに備えた請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 前記第1金属層は、チタンを含む層を有する請求項1または2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記第2金属層は、チタンを含む層を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  5. 前記緩衝層及び前記接合層のうちより上方に配置された層と、前記LED層との間に設けられた反射層をさらに備えた請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  6. 前記反射層は銀を含む請求項5記載の半導体発光素子。
  7. 前記反射層と前記LED層との間に設けられ、前記反射層及び前記LED層との間で合金化反応せず、且つ、導電性である導電性合金化抑制層をさらに備えた請求項5または6に記載の半導体発光素子。
  8. 前記LED層に供給される電流の電流経路上に選択的に配置された絶縁層をさらに備えた請求項1〜7のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  9. 支持基板上に第1金属層を形成する工程と、
    前記第1金属層上に第1成分を含む第1接合層を形成する工程と、
    結晶成長用基板上にLED層を形成する工程と、
    前記LED層上に第2金属層を形成する工程と、
    前記第2金属層上に前記第1成分を含む第2接合層を形成する工程と、
    前記支持基板と前記第1金属層との間、前記第1金属層と前記第1接合層との間、前記LED層と前記第2金属層との間、及び、前記第2金属層と前記第2接合層との間のいずれかに、緩衝層を形成する工程と、
    前記第1接合層と前記第2接合層とを、第2成分を含む第2成分層を介して当接させる工程と、
    前記第1接合層及び前記第2接合層に含まれる前記第1成分と前記第2成分層に含まれる前記第2成分とを反応させることにより、前記第1接合層と前記第2接合層とを接合させる工程と、
    前記結晶成長用基板を除去する工程と、
    前記支持基板、前記第1金属層、前記第1接合層、前記第2接合層、前記第2金属層、前記LED層及び前記緩衝層を含む積層体をダイシングする工程と、
    を備え、
    前記緩衝層は、接合後の前記第1接合層及び前記第2接合層よりも軟質である半導体発光素子の製造方法。
  10. 前記第1成分は金であり、
    前記第2成分はインジウムであり、
    前記緩衝層は金を含む請求項9記載の半導体発光素子の製造方法。
  11. 前記LED層上に反射層を形成する工程をさらに備え、
    前記第2金属層は前記反射層上に形成する請求項9または10に記載の半導体発光素子の製造方法。
  12. 前記結晶成長用基板を除去する工程の後、前記LED層における前記結晶成長用基板に接していた面上に電極層を形成する工程と、
    熱処理を施すことにより、前記電極層を前記LED層にオーミック接続させる工程と、
    をさらに備えた請求項9〜11のいずれか1つに記載の半導体発光素子の製造方法。
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