JP2014194386A - 人体検知センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】間欠駆動周期が異なる給水装置が複数設置されている場合においても、電波干渉による誤動作を抑制することができる給水装置を提供する。
【解決手段】所定の吐水先に水を供給するための給水装置に組み込まれる人体検知センサであって、測定対象物に向けて電波を送信し、当該送信した電波が反射された反射波を受信してドップラ信号を生成する信号生成手段と、前記信号生成手段を間欠動作させるセンサ駆動手段と、前記信号生成手段が出力するドップラ信号に基づいて前記測定対象物の動きを判定する判定手段と、を備え、前記センサ駆動手段は、前記信号生成手段を一定の周期で間欠駆動させるとともに、特定条件において前記間欠駆動の周期を変更する。
【選択図】図3

Description

本発明は、所定の吐水先に水を供給するための給水装置に組み込まれる人体検知センサに関する。
従来、給水装置の一例として、ドップラセンサを用いて人体や尿流を検出し、小便器のボール部内を洗浄する小便器洗浄装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
給水装置は、同一空間内に複数設置される場合があり、これらの機器の間で電波干渉が起こってしまうという課題が存在する。
特許文献1では、この課題を解決するために、マイクロ波ドップラセンサが、電波にパルス周期が一定である複数のパルスを有する予め定められたブロック信号を含ませ、隣接するブロック信号間の時間間隔を無作為に決定して送信する小便器洗浄装置が開示されている。これにより、パルス周期が一定であることに起因するドップラ信号の生成容易性と、ブロック信号間の時間間隔をランダムにすることに起因する誤動作発生の低減性とを両立することができ、簡単な構成で実用上問題のない程度に誤動作発生を抑制でき、必要十分な節水を図ることができる。
特開2009−035971号公報
しかしながら、例えば特許文献1に開示された技術では、マイクロ波ドップラセンサが送信するパルスの周期が一定である小便器洗浄装置が複数設置されている場合には、上述したような効果が得られるが、マイクロ波ドップラセンサが送信するパルスの周期が異なる給水装置(例えば小便器洗浄装置と洗面器などに設けられる自動給水装置など)が複数設置されている場合には、それらが互いに干渉し、電波干渉による誤動作が生じるという問題があった。
電波干渉を抑制するためには、パルスの周期が異なる給水装置間で、互いの周期の最小公倍数をなるべく大きくなるように設定することが考えられる。例えば、小便器に取り付けられたマイクロ波ドップラセンサのパルスの周期を4msと設定した場合には、洗面器に取り付けられたマイクロ波ドップラセンサのパルスの周期を2.02msと設定することで、電波干渉の頻度を200回に一回とすることができる。
パルスの周期は固有の周波数で発振する発振子の発振周波数にて決定されている。周囲の環境や個体差によってこの発振子の発振周波数に微小な誤差が生じてしまう。つまり、発振子の発振周波数に誤差が生じるとパルスの周期にも誤差が生じることになる。上記のように、パルスの周期の最小公倍数を大きく設定しようとした場合には、この僅かな誤差によって電波干渉頻度が上昇してしまう恐れがある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであって、間欠駆動の周期が異なる人体検知センサが組み込まれた給水装置が複数設置されている場合において、電波干渉による誤動作を抑制することができる人体検知センサを提供することを目的とする。
本発明に係る人体検知センサは、所定の吐水先に水を供給するための給水装置に組み込まれる人体検知センサであって、測定対象物に向けて電波を送信し、当該送信した電波が反射された反射波を受信してドップラ信号を生成する信号生成手段と、前記信号生成手段を間欠動作させるセンサ駆動手段と、前記信号生成手段が出力するドップラ信号に基づいて前記測定対象物の動きを判定する判定手段と、を備え、前記センサ駆動手段は、前記信号生成手段を一定の周期で間欠駆動させるとともに、特定条件において前記間欠駆動の周期を変更することを特徴とする。
これにより、間欠駆動の周期が異なる給水装置が複数設置されている場合においても、電波干渉による誤動作を抑制することができる。
また、本発明に係る人体検知センサにおいては、好ましくは、前記センサ駆動手段は、電波干渉が発生した場合に、前記間欠駆動の周期を変更することを特徴とする。これにより、センサ駆動手段の発振子のばらつきにより電波干渉が生じた場合にも、間欠駆動の周期を変更することで電波干渉による誤動作を抑制することができる。
また、本発明に係る人体検知センサにおいては、好ましくは、前記センサ駆動手段は、所定の期間が経過した場合に、前記間欠駆動の周期を変更することを特徴とする。これにより、周囲の環境変化によってセンサ駆動手段の発振子にばらつきが生じる場合であっても、電波干渉の発生の有無に関わらず所定期間経過後に間欠駆動の周期を変更するため、電波干渉の発生を未然に防止することができる。
また、本発明に係る人体検知センサにおいては、好ましくは、前記センサ駆動手段は、前記間欠駆動の周期のテーブルを保持しており、前記テーブルの初期値を設定可能であることを特徴とする。これにより、本発明に係る人体検知センサが組み込まれた給水装置ごとに異なる初期値を設定することができる。そのため、本発明に係る人体検知センサが組み込まれた給水装置間においても、給水装置の起動時に電波干渉が発生することを抑制することができる。よって、誤動作を抑制することができる。
本発明によれば、間欠駆動周期が異なる人体検知センサが組み込まれた給水装置が複数設置されている場合において、電波干渉による誤動作を抑制することができる
本実施形態に係る人体検知センサが組み込まれた小便器洗浄装置および本実施形態に係る人体検知センサとは間欠駆動周期が異なる人体検知センサが組み込まれた衛生洗浄装置が設置されたトイレルームを示す図である。 本実施形態に係る人体検知センサが組み込まれた小便器洗浄装置の概略構成図である。 図2に示す小便器洗浄装置に組み込まれた本実施形態に係る人体検知センサの概略構成図である。 本実施形態に係る人体検知センサとは間欠駆動周期が異なる人体検知センサが組み込まれた衛生洗浄装置の概略構成図である。 図4に示す衛生洗浄装置に組み込まれた人体検知センサの概略構成図である。 本実施形態に係るセンサ駆動手段のフローチャートである。 図6に示す電波干渉判定のフローチャートである。 トイレルーム内に図2に示す小便器洗浄装置と、図4に示す衛生洗浄装置とが設置されたときの各信号生成手段の間欠動作の例である。 本実施形態に係るセンサ駆動手段の他の例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る信号生成手段から送信されるマイクロ波の形態を説明する図である。
以下、本実施形態にかかる人体検知センサについて図面に基づいて説明する。本実施形態では電波については、マイクロ波を使用した人体検知センサについて記載しているが、マイクロ波とは電波の周波数による分類の一つである。一般的には波長100マイクロメートル〜1メートル、周波数300メガヘルツ〜3テラヘルツの電波(電磁波)を指し、この範囲には、デシメートル波(UHF)、センチメートル波(SHF)、ミリメートル波(EHF)、サブミリ波が含まれる。
図1は、本実施形態に係る人体検知センサが組み込まれた小便器洗浄装置および本実施形態に係る人体検知センサとは間欠駆動周期が異なる人体検知センサが組み込まれた衛生洗浄装置が連接されたトイレルームを示す図である。
本実施形態においては、図1に示すように、間欠駆動周期が異なる人体検知センサが組み込まれた給水装置を複数設置したトイレルーム(化粧室)に関して説明する。具体的には、人体検知センサが組み込まれた給水装置のうち、人体検知センサAを用いて人体検出や尿流検出を行う小便器洗浄装置100(給水装置)と、小便器洗浄装置100に組み込まれた人体検知センサAとは間欠駆動周期が異なる人体検知センサBを用いて人体検出を行う衛生洗浄装置200(給水装置)と、をそれぞれ複数設置した場合に関して説明する。
本実施形態に係る人体検知センサAが組み込まれた小便器洗浄装置について説明する。図2は、本実施形態に係る人体検知センサAが組み込まれた小便器洗浄装置の概略構成図である。
図2に示すように、本実施形態における小便器洗浄装置100は、小便器110と、ボール部120と、給水路130の中途部に設けられ、小便器110のボール部120内へ洗浄水を供給する給水バルブ140と、ボール部120の底部に配置され、小便器110のボール部120内の汚水を排水する排水路150と、この排水路150に連通するトラップ管路160と、人体検知センサA(信号生成手段170、センサ駆動手段180、判定手段190)と、人体検知センサAの人体検出や尿流検出の結果に応じて給水バルブ140を制御し、ボール部2内に洗浄水を供給する給水制御手段141と、を有している。なお、給水バルブ140は、電磁弁などから構成される。
信号生成手段170は、小便器110の上部背面側に配置され、ボール部120を含む斜め下前方に向けて電波を放射して送信し、この電波の反射波を受信してドップラ信号を生成するものである。なお、信号生成手段170は、図2に示す位置に限られず、例えば図10に示す位置に設けられていることも好ましい。図10に示す位置に信号生成手段170を設け、図中射線を付した領域に電波を放射することで、尿流や人体近接や人体離反をより的確に検知することができる。
信号生成手段170は、小便器110のボール部120に尿が流れたこと(尿流)のほか、小便器110に人体が近づいてきたこと(人体近接)や小便器110から人体が遠ざかったこと(人体離反)を検出するために用いられるものである。
また、センサ駆動手段180は、この信号生成手段170を間欠動作させるものであり、判定手段190は、信号生成手段170から出力されるドップラ信号に基づいて人体検出や尿流検出を行うものである。
本実施形態に係る人体検知センサAの構成について、図3を用いて説明する。図3は、図2に示す人体検知センサAの概略構成図である。
人体検知センサAは、大きく分けて、小便器110のボール部120に向けて電波を送信し、その反射波を受信してドップラ信号を生成する信号生成手段170と、この信号生成手段170を間欠動作させるセンサ駆動手段180と、信号生成手段170から出力されるドップラ信号に基づいて人体検出や尿流検出を行う判定手段190の3つにより構成されている。
信号生成手段170は、小便器110の上部背面側のから正面側のボール部120に向けて電波を送信するために24GHzの電気信号である送信信号S1を生成する発振回路171と、発振回路171から出力される送信信号S1を空間へ送信する送信手段172と、送信手段172から送信されたマイクロ波が検出対象物によって反射され、その反射波である受信信号S2を受信する受信手段173と、送信信号S1の周波数と受信信号S2の周波数との差分信号であるドップラ信号S3を出力する差分検出手段174から構成される。
この信号生成手段170は、ドップラ効果を利用して以下の式(1)に基づいて検出対象物の動きを検出するために用いられるものである。
基本式:ΔF=FS―Fb=2×FS×ν/c ・・・(1)
ΔF:ドップラ 周波数(ドップラ信号S3の周波数)
FS:送信周波数(送信信号S1の周波数)
Fb:反射周波数(受信信号S2の周波数)
ν:検出対象物の移動速度
c:光速(300×106 m/s)
すなわち、送信手段172から送信された周波数FSのマイクロ波は、速度νで移動している測定対象物(人体または尿)に反射する。この反射波は、相対運動によるドップラ周波数シフトを受けているためその周波数はFbとなり、受信手段173によって受信される。そして、差分検出手段174によって、送信波と反射波の周波数差ΔFであるドップラ信号S3が検出信号として取り出され、このドップラ信号S3に基づいて、人体検出(人体接近検出や人体離反検出)及び尿流検出が行われる。
判定手段190は、入力されたドップラ信号S3に基づいて、人体検出や尿流検出の有無を判定する。判定手段190により、人体検出や尿流検出が判定されると、給水制御手段141は所定の条件に従い給水バルブ140を制御して、ボール部120内に洗浄水を供給する。
ここで、本実施形態においては、人体として検出するためのドップラ信号を40〜100(Hz)とし、尿流として検出するためのドップラ信号を180〜400(Hz)としている。なお、40〜100(Hz)のドップラ信号は、検出対象物の速度νが約0.2〜0.6(m/s)の速度であるときに信号生成手段170から出力され、180〜400(Hz)のドップラ信号は、検出対象物の速度νが約1.1〜2.5(m/s)の速度のときに信号生成手段170から出力されるものである。
信号生成手段170から40〜100(Hz)の所定閾値以上のドップラ信号S3が所定期間連続して出力されると、判定手段190は人体接近を検出したと判定する。このように人体が接近したことが検出されると、給水制御手段141は給水バルブ140を制御して、ボール部120内に所定量の洗浄水を供給する。その後、信号生成手段170から180〜400(Hz)の所定閾値以上のドップラ信号S3が所定期間連続して出力されると、判定手段190は尿流を検出したと判定する。その後更に、信号生成手段170から40〜100(Hz)のドップラ信号S3が所定期間連続して出力されると、判定手段190は人体離反を検出したと判定する。このように尿流検出後、人体離反検出が行われると給水制御手段141は、給水バルブ140を制御して、ボール部120内に所定量の洗浄水を供給して、小便器110の洗浄を行う。
センサ駆動手段180は、信号生成手段170を等間隔の間欠駆動周期Ta(サンプリング周期)で間欠駆動させるためのものであり、時間を計測するための時計手段181と、センサ駆動手段180および時計手段181を駆動させるための発信源である発振子182と、間欠駆動周期Taが複数記憶されたテーブル182を有している。センサ駆動手段180によって信号生成手段170がオンされることで、送信手段172へ送信信号S1が供給され、センサ駆動手段180によって信号生成手段170がオフされることで、送信手段172への送信信号S1の供給が停止する。
センサ駆動手段180は、間欠駆動周期Taが複数記憶されたテーブル182を保持しているため、人体検知センサAが組み込まれた小便器洗浄装置100が複数連接された場合において、各小便器洗浄装置100ごとに異なる初期値を設定することができる。そのため、人体検知センサAが組み込まれた小便器洗浄装置100間においても、小便器洗浄装置100の起動時に電波干渉が発生することを抑制することができる。よって、誤動作を抑制することができる。ここで、起動時とは、複数の小便器洗浄装置100を連接して施工後、それらに組み込まれた人体検知センサAが同時に通電を開始されたときのことを指している。
次に、本実施形態に係る人体検知センサAとは間欠駆動周期が異なる人体検知センサBが組み込まれた衛生洗浄装置について説明する。図4は、本実施形態に係る人体検知センサAとは間欠駆動周期が異なる人体検知センサBが組み込まれた大便器洗浄装置の概略構成図である。
図4に示すように、トイレ装置1は、衛生洗浄装置200と、大便器210を備えている。衛生洗浄装置200は、大便器210の上面に設置されており、ケーシング220と、便座230と、便蓋240と、を有している。便座230および便蓋240は、ケーシング220に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。また、ケーシング220には、人体検知センサB(信号生成手段270、センサ駆動手段280、判定手段290)が組み込まれている。
衛生洗浄装置200に組み込まれた人体検知センサBについて、図5を用いて説明する。図5は、図4に示す人体検知センサBの概略構成図である。
人体検知センサBは、大きく分けて、大便器210の前方に向けて電波を送信し、その反射波を受信してドップラ信号を生成する信号生成手段270と、この信号生成手段270を間欠動作させるセンサ駆動手段280と、信号生成手段270から出力されるドップラ信号に基づいて大便器210に人体が近づいてきたこと(人体近接)や大便器210から人体が遠ざかったこと(人体離反)の検出を行う判定手段290の3つにより構成されている。
信号生成手段270は、ケーシング220の上部前方側から大便器210の前方に向けて電波を送信するために24GHzの電気信号である送信信号S11を生成する発振回路271と、発振回路271から出力される送信信号S11を空間へ送信する送信手段272と、送信手段272から送信されたマイクロ波が検出対象物によって反射され、その反射波である受信信号S12を受信する受信手段273と、送信信号S11の周波数と受信信号S12の周波数との差分信号であるドップラ信号S13を出力する差分検出手段274から構成される。
この信号生成手段270は、ドップラ効果を利用して上述した式(1)に基づいて測定対象物(人体)の動きを検出するために用いられるものである。
すなわち、送信手段272から送信された周波数FSのマイクロ波は、速度νで移動している測定対象物(人体)に反射する。この反射波は、相対運動によるドップラ周波数シフトを受けているためその周波数はFbとなり、受信手段273によって受信される。そして、差分検出手段274によって、送信波と反射波の周波数差ΔFであるドップラ信号S13が検出信号として取り出され、このドップラ信号S13に基づいて、人体検出(人体接近検出や人体離反検出)が行われる。
判定手段290は、入力されたドップラ信号S13に基づいて、人体検出の有無を判定する。判定手段290により、人体検出が判定されると、開閉制御手段250は所定の条件に従い開閉駆動部(図示なし)を制御して、便蓋240の開閉動作を行う。
ここで、本実施形態においては、人体として検出するためのドップラ信号を40〜100(Hz)としている。なお、40〜100(Hz)のドップラ信号は、検出対象物の速度νが約0.2〜0.6(m/s)の速度であるときに信号生成手段270から出力されるものである。
信号生成手段270から40〜100(Hz)の所定閾値以上のドップラ信号S13が所定期間連続して出力されると、判定手段290は人体接近を検出したと判定する。このように人体が接近したことが検出されると、開閉制御手段250は開閉駆動部を制御して、便蓋240を開く(図3参照)。その後更に、信号生成手段270から40〜100(Hz)のドップラ信号S13が所定期間連続して出力されると、判定手段290は人体離反を検出したと判定する。人体離反検出が行われると開閉制御手段250は開閉駆動部を制御して、便蓋240を閉じる。
センサ駆動手段280は、信号生成手段270を等間隔の間欠駆動周期(サンプリング周期)Tbで間欠駆動させるためのものであり、時間を計測するための時計手段281と、センサ駆動手段280および時計手段281を駆動させるための発信源である発振子282と、を有する。ここで、人体検知センサBのセンサ駆動手段280での間欠駆動周期Tbは、人体検知センサAのセンサ駆動手段180での間欠駆動周期Taとは異なるものである。
センサ駆動手段280によって信号生成手段270がオンされることで、送信手段272へ送信信号S11が供給され、センサ駆動手段280によって信号生成手段270がオフされることで、送信手段272への送信信号S11の供給が停止する。本実施形態においては、対象物検出のために100Hzまでのドップラ信号を得ることができればよいため、サンプリング周波数は、200Hzよりも高い周波数であればよい。そこで、本実施形態に係る人体検知センサBにおいては、図8に示すように、等間隔間欠駆動周期Taを1ms(サンプリング周波数1000Hz)とする。
ところで、図1のように、間欠駆動周期の異なる人体検知センサが組み込まれた給水装置(本実施形態では、小便器洗浄装置100および衛生洗浄装置200)が複数設置されている場合には、それらが互いに影響しあい、人体や尿流の誤検知を発生する恐れがある。
そこで、本実施形態における人体検知センサAのセンサ駆動手段180は、特定条件において、間欠駆動周期Taを変更するようにしている。
図6および図7を用いて、信号生成手段170を間欠駆動周期Taで間欠駆動させるとともに、特定条件において、間欠駆動周期Taを変更するように駆動させるセンサ駆動手段180の仕組みを具体的に説明する。
図6は、本実施形態に係るセンサ駆動手段180のフローチャートである。図7は、図6に示す電波干渉判定のフローチャートである。
図6に示すセンサ駆動手段180のフローチャートでは、特定条件として電波干渉が発生した場合に間欠駆動周期を変更している。以下、具体的に説明する。
図6に示すように、まず、センサ駆動手段180は、電波干渉が有るか否かを判定する(S001)。電波干渉なしと判定すると(S001:No)、S001に戻る。すなわち、電波干渉が有ると判定されるまでS001を繰り返す。一方、電波干渉有りと判定すると(S001:Yes)、時計手段181によりタイマをスタートする(S002)。そしてもう一度、電波干渉が有るか否かを判定する(S003)。電波干渉なしと判定すると(S003:No)、S003に戻る。一方、電波干渉有りと判定すると(S003:Yes)、時計手段181によりタイマを停止する(S004)。このように、タイマースタート後は、もう一度電波干渉有りと判定されるまでS003を繰り返し、電波干渉有りと判定されるとタイマを停止することで、電波干渉間隔を計測している。次に、電波干渉間隔、すなわちタイマをスタートしてからタイマを停止するまでの時間が、規定時間よりも長いか否かを判定する。電波干渉間隔が規定時間よりも長い場合には(S005:Yes)、電波干渉の発生確率は低いため、間欠駆動周期Taを変更せずにS001に戻る。一方、電波干渉間隔が規定時間よりも短い場合には(S005:No)、電波干渉の発生確率は高いため、間欠駆動周期Taを変更し、S001に戻る(S006)。
なお、規定時間は、本実施形態では、50msとしているが、回路の構成に合わせ適宜設定してよい。
ここで、図6に示すS001およびS003では、電波干渉があるか否かを判定している。判定の方法としては、まず、信号生成手段170の信号を、ある一定期間(ブロック)毎に、閾値Vを越えていないかどうか確認し、その情報をメモリにセット(格納)しておく。その後、過去数回分のメモリ情報を確認し、閾値Vを超えた回数Nが閾値A以上、且つ閾値B未満であれば、電波干渉であると判断する、という方法がある。この具体的なフローについて以下に説明する。
図6に示すS001およびS003では、図7に示すように、電波干渉判定フローに移る。まず、一定時間経過したか否かを判定する(S101)。一定時間経過していない場合は(S101:No)、S101に戻る。すなわち、一定時間経過したと判定されるまでS101を繰り返す。一方、一定時間経過した場合は(S101:Yes)、一定時間内で閾値Vを超えた信号があるか否かの判定に進む(S102)。一定時間内で閾値Vを超えた信号がある場合は(S102:Yes)、「有り」という情報を図示しないメモリにセットし、S105へ進む(S103)。一定時間内で閾値Vを超えた信号がない場合は(S102:No)、「無し」という情報を図示しないメモリにセットし、S105へ進む(S104)。なお、S103およびS104においては、過去一定回数分の情報もメモリにセットされているものとする。
次に、S105では、メモリ内の過去一定回数分の情報を参照し、「有り」情報数が閾値A以上であるか否かを判定する。「有り」情報数が閾値A以上であれば(S105:Yes)、「有り」情報数が閾値B未満であるか否かを判定する(S106)。「有り」情報数が閾値B未満であれば(S106:Yes)、電波干渉有りと判定し、電波干渉判定フローを終了する。
一方、「有り」情報数が閾値A以上でなければ(S105:No)、電波干渉無しと判定し、電波干渉判定フローを終了する。また、「有り」情報数が閾値B未満でなければ(S106:No)、電波干渉無しと判定し、電波干渉判定フローを終了する。
なお、閾値Vを超えた回数Nが閾値A未満である場合は、電波干渉していない、或いは電波干渉しても問題のないレベルである。また、閾値Vを超えた回数Nが閾値B以上の場合は、継続して信号が出ているので、電波干渉ではなく測定対象物が存在している。よって、これら以外を指す、閾値Vを超えた回数Nが閾値A以上、且つ閾値B未満の場合は、電波干渉であると判断することができる。
なお、S101の一定時間、S102の閾値V、並びに、S105およびS106の閾値A、Bは、回路の構成に合わせ適宜設定してよい。
図8は、トイレルーム内に小便器洗浄装置100と、衛生洗浄装置200とが設置されたときの各信号生成手段の間欠動作の例を示している。
本実施形態では、人体検知センサBの信号生成手段270は、センサ駆動手段280によって間欠駆動周期Tb=1.0msで間欠駆動している。また、人体検知センサAの信号生成手段170は、センサ駆動手段180によって間欠駆動周期Ta=2.0msで間欠駆動している。
この例では、原点(時刻t0)から動作開始までの間隔期間aが等しくなっており、信号生成手段170と、振動生成手段270とで間欠動作タイミングが一致している(時刻t1)。信号生成手段270の間欠駆動周期Tbは、1.0msであり、信号生成手段170の間欠駆動周期Taは、2.0msであるため、時刻t1以降は、2回に1回の確率で、信号生成手段170及び振動生成手段270同士で影響しあうこととなる。しかしながら、上述したように、人体検知センサAのセンサ駆動手段180は、特定条件として電波干渉が発生した場合に、間欠駆動周期Taを変更している。そのため、時刻t2に、信号生成手段170と、振動生成手段270とで間欠動作タイミングは一致し、信号生成手段170及び振動生成手段270同士で影響しあうが、間欠駆動周期Taが2.1msへと変更されているため、時刻t3では、信号生成手段170と、振動生成手段270とで間欠動作タイミングが一致しない。したがって、信号生成手段170と、振動生成手段270同士の電波干渉による誤動作を抑制することができる。また、電波干渉が発生した場合に間欠駆動周期Taを変更していることにより、センサ駆動手段180の発振子182のばらつきにより電波干渉が生じた場合にも、電波干渉による誤動作を抑制することができる。
図9は、本実施形態に係るセンサ駆動手段180の他の例を示すフローチャートである。図9に示すセンサ駆動手段180のフローチャートでは、特定条件として所定の期間が経過した場合に間欠駆動周期を変更している。以下、具体的に説明する。
図9に示すように、まずセンサ駆動手段180は、所定時間が経過したか否かを判定する(S201)。所定時間経過したと判定された場合は(S201:Yes)、間欠駆動周期Taを変更し、S201に戻る。一方、所定時間経過していないと判定された場合は(S201:No)、間欠駆動周期Taを変更せずにS201に戻る。すなわち、電波干渉が発生していても、発生していなくても、所定時間経過後に間欠駆動周期Taを変更する。そのため、電波干渉の発生を未然に防止することができる。
なお、図6では、センサ駆動手段180は、電波干渉間隔が規定時間よりも短い場合に間欠駆動周期Taを変更する例を示したが、これに限らない。例えば、センサ駆動手段180は、一定期間内に電波干渉が発生した回数が所定回数を超えると、間欠駆動周期Taを変更するように構成されてもよい。また、図6で示す例では、センサ駆動手段180は、電波干渉が発生する確率をみて間欠駆動周期Taを変更するため、無駄に間欠駆動周期Taを変更することを防止しているが、電波干渉が発生してすぐに間欠駆動周期Taを変更してもよい。
さらに、図9では、センサ駆動手段180は、所定時間経過すると間欠駆動周期Taを変更する例を示したが、これに限らない。例えば、センサ駆動手段180は、所定時間経過後ではなく、間欠駆動回数が所定回数をすぎると間欠駆動周期Taを変更するように構成されていてもよい。
以上のように、間欠駆動の周期が異なる給水装置が複数設置されている場合においても、電波干渉による誤動作を抑制することができる。センサ駆動手段の発振子のばらつきにより電波干渉が生じた場合にも、間欠駆動の周期を変更することで電波干渉による誤動作を抑制することができる。
100 小便器洗浄装置
110 小便器
120 ボール部
130 給水路
140 給水バルブ
141 給水制御手段
150 排水路
160 トラップ管路
170 信号生成手段
171 発信回路
172 送信手段
173 受信手段
174 差分検出手段
180 センサ駆動手段
181 時計手段
182 発振子
183 テーブル
190 判定手段
1 トイレ装置
200 衛生洗浄装置
210 大便器
220 ケーシング
230 便座
240 便蓋
270 信号生成手段
271 発信回路
272 送信手段
273 受信手段
274 差分検出手段
280 センサ駆動手段
281 時計手段
282 発振子
290 判定手段
250 開閉制御手段
A 人体検知センサ
B 人体検知センサ

Claims (4)

  1. 所定の吐水先に水を供給するための給水装置に組み込まれる人体検知センサであって、
    測定対象物に向けて電波を送信し、当該送信した電波が反射された反射波を受信してドップラ信号を生成する信号生成手段と、
    前記信号生成手段を間欠動作させるセンサ駆動手段と、
    前記信号生成手段が出力するドップラ信号に基づいて前記測定対象物の動きを判定する判定手段と、
    を備え、
    前記センサ駆動手段は、前記信号生成手段を一定の周期で間欠駆動させるとともに、特定条件において前記間欠駆動の周期を変更することを特徴とする人体検知センサ。
  2. 前記センサ駆動手段は、電波干渉が発生した場合に、前記間欠駆動の周期を変更することを特徴とする請求項1に記載の人体検知センサ。
  3. 前記センサ駆動手段は、所定の期間が経過した場合に、前記間欠駆動の周期を変更することを特徴とする請求項1に記載の人体検知センサ。
  4. 前記センサ駆動手段は、前記間欠駆動の周期のテーブルを保持しており、前記テーブルの初期値を設定可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の人体検知センサ。
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