JP7158651B2 - 小便器装置 - Google Patents

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Description

本発明は、小便器装置に関し、特に、吐水された洗浄水によりボウル面を洗浄する小便器装置に関する。
従来から、特許文献1に記載されているように、ドップラーセンサにより排水トラップ内の溜水面の揺れを検知して、排水配管の詰まりを検知する小便器装置が知られている。
特開2016-61030号公報
上述のような特許文献1記載の小便器装置においては、ドップラーセンサは、溜水面に対して真上から電波を送信するために、小便器の上部に設置されており、下方に向かい電波を放射している。このとき、ドップラーセンサが、小便器前方の使用者の動きをドップラー信号として検出してしまい、誤って詰まりがあると判定してしまうという課題があった。
また、特に、使用者が多い小便器装置について尿石等による排水配管の詰まりを検知する要請がある。このように使用者が多い小便器装置においては、ドップラーセンサが、小便器前方の使用者の動きをドップラー信号として検出してしまうという問題がより顕著となる。
従って、本発明は、ドップラーセンサが使用者の動きを誤検知することを抑制することができ、制御部が排水流路の排水状態の判断を行う精度を向上させることができる小便器装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、吐水された洗浄水によりボウル面を洗浄する小便器装置であって、排尿を受ける上記ボウル面を形成し、その底部に排水口を形成するボウル部と、上記ボウル部の上記排水口から延びて内部に溜水を形成する排水トラップ部と、を有する小便器本体と、上記ボウル部へ洗浄水を供給する吐水装置と、電波を送信した後、溜水面によって反射された電波を受信することによりドップラー信号を生成するドップラーセンサと、上記溜水面の状態に応じて得られる上記ドップラー信号に基づいて、上記ボウル部より下流側の排水流路の排水状態を判断する制御部と、を備え、上記ドップラーセンサは、上記小便器本体の下方領域において上記小便器本体の待機状態における上記排水トラップ部内の溜水面よりも上方に配置されると共に上記ドップラーセンサからの電波の放射方向が斜め下方に向けられるように配置されることを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、制御部がドップラーセンサの上記ドップラー信号によって検出される上記溜水面の状態に応じて、ボウル部より下流側の排水流路の排水状態の判断をすることができ、例えば、排水トラップ部又は排水流路が詰まり掛かっている等の排水流路の排水状態の不良等の判断をすることができる。このとき、ドップラーセンサは、上記小便器本体の下方領域において上記小便器本体の待機状態における上記排水トラップ部内の溜水面よりも上方に配置されると共に上記ドップラーセンサからの電波の放射方向が斜め下方に向けられるように配置される。これにより、ドップラーセンサから送信される電波の放射方向に小便器本体の近くの使用者が含まれにくくなる。従って、本発明によれば、ドップラーセンサが使用者の動きを誤検知することを抑制することができ、制御部が排水流路の排水状態の判断を行う精度を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、上記ドップラーセンサは、上記ボウル部の上記ボウル面の後方に配置され、上記制御部は、上記吐水装置からの洗浄水の供給の停止から待機時間を経過した後に、上記排水状態を判断する。
このように構成された本発明によれば、ドップラーセンサが上記ボウル部の上記ボウル面の後方に配置される。これにより、ドップラーセンサを小便器本体の前にいる使用者から比較的遠くに配置することができ、ドップラーセンサから送信される電波の有効検知範囲に小便器本体の前の使用者がより含まれにくくできる。さらに、ドップラーセンサがボウル面の後方に配置される場合に、吐水装置からの洗浄水の供給の停止後に洗浄水が吐水装置からボウル面に沿ってドップラーセンサの前方側を流下する可能性がある。制御部は、上記吐水装置からの洗浄水の供給の停止から所定時間を経過した後に、上記排水状態の判断をするので、制御部は洗浄水が吐水装置からボウル面に沿って流れていないと想定されるときに排水状態を判断することができる。よって、制御部が排水流路の排水状態の判断を行う精度をより向上させることができる。
本発明において、好ましくは、上記制御部は、上記吐水装置からの洗浄水の供給の開始又は停止から上記ドップラー信号の振幅が閾値以下になるまでの時間を取得し、この時間が所定時間以上であるとき、排水流路の排水状態が不良であると判断する。
このように構成された本発明によれば、制御部は、上記吐水装置からの洗浄水の供給の開始又は停止から上記ドップラー信号の振幅が閾値以下になるまでの時間を取得し、この時間が所定時間以上であるとき、排水流路の排水状態が不良である、例えば排水トラップ部又は排水配管が詰まり掛かっている等と判断することができる。
本発明において、好ましくは、上記制御部は、上記ドップラーセンサが上記溜水面の水位が上昇水位まで到達したことを検知することにより、排水流路の排水状態が不良であると判断する。
このように構成された本発明によれば、上記制御部は、仮に他の方法により排水流路の排水状態を判断できなかった場合においても、ドップラーセンサが上記溜水面の水位が上昇水位まで到達したことを検知することにより、排水流路の排水状態が不良であると判断することができる。従って、制御部は、排水流路の排水状態が不良である、例えば排水トラップ部又は排水配管が詰まり掛かっている等とより確実に判断することができる。
本発明において、好ましくは、上記ドップラーセンサは、上記ボウル部の上記ボウル面と上記ボウル部の後方側の壁面との間に形成されるボウル面裏側空間内に配置される。
このように構成された本発明によれば、ドップラーセンサがボウル面裏側空間内に配置される。これにより、ドップラーセンサを湾曲しているボウル面の裏側に形成されるボウル面裏側空間内に効率的に配置することができる。また、小便器本体の下方領域においては、ボウル面が下方に向かうにつれて前方側に湾曲して形成されているため、ボウル面裏側空間が比較的大きく形成され、ドップラーセンサを施工しやすくすることができる。
本発明において、好ましくは、上記ドップラーセンサは、上記小便器本体の下方領域において上記ボウル部の前端部よりも下方に配置される。
このように構成された本発明によれば、ドップラーセンサは、上記小便器本体の下方領域において上記ボウル部の前端よりも下方に配置されると共に待機状態における溜水の溜水面よりも上方に配置される。制御部がドップラーセンサの上記ドップラー信号によって検出される上記溜水面の状態に応じて、排水流路の排水状態の判断をすることができ、例えば、排水トラップ部又は排水配管の排水状態の不良等の判断をすることができる。このとき、ドップラーセンサは、ボウル部の前端よりも下方に配置される。これにより、ドップラーセンサから送信される電波の放射方向に小便器本体を使用する使用者がより含まれにくくなる。従って、本発明によれば、ドップラーセンサが使用者の動きを誤検知することをより抑制することができ、制御部が排水流路の排水状態の判断を行う精度をより向上させることができる。
本発明において、好ましくは、上記ドップラーセンサは、上記ドップラーセンサから送信される電波の最大放射方向が、上記小便器本体の待機状態における上記排水トラップ部内の溜水面の位置に向けられるように配置される。
このように構成された本発明によれば、ドップラーセンサは、ドップラーセンサからの電波の最大放射方向が、待機状態における上記排水トラップ部内の溜水面の位置に向けられるように配置される。これにより、上昇された溜水面が待機状態における溜水面に戻るまでドップラー信号によって溜水面の状態を検出する精度を向上させることができる。また、ドップラーセンサからの電波の最大放射方向が、待機状態における溜水面の位置に向けられるので、ドップラーセンサから送信される電波の放射方向に小便器本体を使用する使用者が含まれにくくなる。従って、本発明によれば、ドップラーセンサが使用者の動きを誤検知することをより抑制することができ、制御部が排水流路の排水状態の判断を行う精度をより向上させることができる。
本発明の小便器装置によれば、ドップラーセンサが使用者の動きを誤検知することを抑制することができ、制御部が排水流路の排水状態の判断を行う精度を向上させることができる。
本発明の一実施形態による小便器全体を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による小便器装置の断面図である。 本発明の一実施形態による小便器装置のドップラーセンサから送信される電波の放射方向を説明する図である。 本発明の一実施形態による小便器装置のドップラーセンサから送信される電波の最大放射方向を説明する図である。 本発明の一実施形態による小便器装置の変形例において、ドップラーセンサから送信される電波の放射方向を説明する図である。 本発明の一実施形態による小便器装置において、溜水面が上昇水位まで到達した場合にドップラーセンサにより生成されるドップラー信号が特徴的な波形を形成する様子を説明する図である。 本発明の一実施形態による小便器装置において、排水トラップ部又は排水流路の排水状態判断処理モードにおける制御部の制御動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による小便器装置において、溜水面の状態に応じてドップラーセンサにより生成されるドップラー信号の波形と、排水状態の判断とを説明する図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の一実施形態による小便器装置を説明する。
まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態による小便器装置を説明する。図1は本発明の一実施形態による小便器装置全体を示す斜視図であり、図2は本発明の一実施形態による小便器装置の断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態の小便器装置1は、駅、店舗等の公共の施設や家庭等の壁面Wに取り付けて使用する壁掛け形の小便器装置である。小便器装置1は、壁面Wに沿って複数個が並べて配置されている。小便器装置1は、陶器製の小便器本体である便器本体2を備えている。便器本体2は、前方側に形成されたボウル部3を備えている。ボウル部3は、使用者の排尿を受けるボウル面4を形成し、ボウル面4の底部に排水口である排水口部6を形成する。
なお、小便器装置の「後方」は、小便器装置の壁面に当接する背面側の方向とし、小便器装置の「前方」は、小便器装置を使用する使用者側から見て手前側の方向(「後方」の反対方向)とし、小便器装置を前方から見て右側の方向を右方向とし、前方から見て左側の方向を左方向とし、右方向及び左方向を小便器装置の側方として説明する。
図2に示すように、便器本体2は、さらに、ボウル部3の排水口部6から延びて内部に溜水を形成する排水トラップ部である排水トラップ管路8を備えている。排水トラップ管路8は、排水口部6から下方に延び、その内部の溜水が便器本体2の待機状態において封水を形成する。排水トラップ管路8は排水トラップ管路8の下流側に設けられている排水流路である排水配管9に接続されている。排水配管9は、壁面Wを通って壁面Wの裏側まで延び、さらに下流側の排水設備(図示せず)まで延びている。排水配管9には、排水配管9の排水不良が便器本体2からの排水状態に影響を与えるような、排水トラップ管路8の下流側に設けられている排水配管が含まれる。排水トラップ管路8及び排水配管9は、ボウル部3より下流側の排水流路を構成している。排水口部6には、排水口部6を覆うように、概ね円盤状の目皿12が配置されている。
ボウル面4は、壁面Wと概ね平行に延びる正面部4aと、この正面部4aの両側から、前方に向けて延びる側面部4bと、便器本体2の前端の頂部を形成する前端部4cとを備えている。正面部4aは、ボウル面4の正面向きの縦壁を形成している。正面部4aは、便器本体2の上方領域において概ね鉛直方向に延びる平面部4dと、便器本体2の下方領域Bにおいて湾曲する湾曲部4eとを備えている。便器本体2の下方領域Bとは、便器本体2の上端と下端の間の中間線Cより下方側の領域をいう。正面部4a及び側面部4bの上方は開放されており、ボウル面4には「天井面」に相当する部分がない。湾曲部4eは、平面部4dの下端から前方側に向けて湾曲する。前端部4cは、斜め上方に延びる縦壁を形成する。前端部4cは、使用者が立つ前方側にせり出すように形成されている。前端部4cは、ボウル面4の側壁の中で最も低い側壁(縦壁)を形成している。なお、便器本体2の下方領域Bにおいて、平面部4dと湾曲部4eとが形成されていてもよい。便器本体2の下方領域Bにおいて、少なくとも湾曲部4eが形成される。
小便器装置1は、さらに、便器本体2のボウル面4の左右方向中央の上部に吐水装置であるスプレッダー10と、スプレッダー10に設けられて便器本体2の正面側(手前側)に立って便器本体2を使用する使用者の有無を検知する人体検知センサ11と、電波を送信した後、溜水面によって反射された電波を受信することによりドップラー信号を生成するドップラーセンサ22と、溜水面の状態に応じて得られるドップラー信号に基づいて、ボウル部より下流側の排水トラップ管路8又は排水配管9の排水状態を判断する制御部24と、使用者又は小便器装置1の管理者等に排水状態の不良を報知する報知手段36(図2参照)とを備えている。
スプレッダー10は、ボウル部3へ洗浄水を供給する。スプレッダー10は、ボウル面4に取り付けられ、供給された洗浄水を吐水口部14から吐出することにより、ボウル面4に洗浄水を供給し、ボウル面4を洗浄するようになっている。吐水口部14には、吐水口部14からボウル面4の正面部4aの裏側へ延びる導水路16が接続され、導水路16には、給水源である水道18から電磁弁20を介して洗浄水が供給される。図1の矢印Fに示すように、スプレッダー10から吐出される洗浄水は、ボウル面4の正面部4aに沿って下方に広がるように流れる。
人体検知センサ11は、赤外線式の人体検知センサである。人体検知センサ11は、便器本体2の前に立って便器本体2を使用する使用者の有無を検知する。人体検知センサ11は、便器本体2の前に立って便器本体2を使用する使用者を検知する電波センサであってもよい。人体検知センサ11は、制御部24と電気的に接続されている。
制御部24は、マイクロプロセッサ、メモリ、インターフェイス回路、及びこれらを作動させるプログラム等(図示せず)により、小便器装置1の電磁弁20の開閉動作を制御して便器本体2を洗浄する洗浄モードを実行する機能、及び人体検知センサ11、ドップラーセンサ22及び報知手段36の動作を制御する機能を少なくとも有する。制御部24は、人体検知センサ11、電磁弁20、ドップラーセンサ22及び報知手段36のそれぞれと有線又は無線により電気的に接続されている。制御部24は、壁面Wの裏側に配置されている。制御部24は、便器本体2内に取付けられていてもよい。また、制御部24は、機能ごと、対応する機器ごと又は任意の機器のグループごとに制御部が分かれていてもよい。さらに、制御部24は、例えば便器本体2とは離れた場所に配置され、インターネット等の通信ネットワークを介して人体検知センサ11、電磁弁20、ドップラーセンサ22及び報知手段36のそれぞれと電気的に接続されていてもよい。本実施形態の小便器装置1は、制御部24がインターネット等の通信ネットワークを介して人体検知センサ11、電磁弁20、ドップラーセンサ22及び報知手段36のそれぞれと電気的に接続されることにより、構成されることができる。
制御部24は、さらに、スプレッダー10からの洗浄水の供給の停止から所定の待機時間T0を経過した後に、排水状態の判断をさせる待機モードを有する。この待機モードによれば、制御部24は、スプレッダー10からの洗浄水の供給の停止後に洗浄水がスプレッダー10から垂れるようにボウル面4に沿ってドップラーセンサ22の前方側を流下する可能性があることを想定し、洗浄水の流下が想定される待機時間T0にわたって待機する。制御部24は、待機時間T0が経過し、洗浄水がスプレッダー10からボウル面4に沿って流れていないと想定されるときに排水状態を判断する。
また、制御部24は、さらに、排水トラップ管路8又は排水配管9の排水状態が不良であると判断する排水状態判断処理モードを備える。排水状態判断処理モードにおいて、制御部24は、スプレッダー10からの洗浄水の供給の開始又は停止からドップラー信号の電圧の振幅値Hが閾値H1以下になるまでの時間Tを取得し、この時間Tが所定時間以上であるとき、排水トラップ管路8又は排水配管9の排水状態が不良であると判断する。
報知手段36は、LEDランプ及び/又は小型スピーカー等を備え、制御部24から受信した情報を使用者等に視覚及び/又は音声で報知することができる。例えば、報知手段36は、使用者又は管理者等にLED表示を点灯させる又は文字を表示させる等の手段により排水状態の不良を報知することができる。報知手段36は、モニタ上に情報を表示させることにより報知する手段であってもよい。報知手段36は、例えば便器本体2とは離れた場所に配置され、インターネット等の通信ネットワークを介して制御部24と電気的に接続されていてもよい。
つぎに、図2乃至図4を参照して、本発明の一実施形態による小便器装置のドップラーセンサ22について説明する。
図3は本発明の一実施形態による小便器装置のドップラーセンサから送信される電波の放射方向を説明する図であり、図4は本発明の一実施形態による小便器装置のドップラーセンサから送信される電波の最大放射方向を説明する図である。
ドップラーセンサ22は、ボウル部3及び排水トラップ管路8内において形成される溜水の溜水面の状態を検知する電波センサユニットを形成している。ドップラーセンサ22は、ドップラーセンサのうちいわゆる2出力式センサを構成するユニットである。ドップラーセンサ22は、電波(マイクロ波)を送信アンテナから送信した後、溜水面によって反射された電波を受信アンテナにより受信することによりドップラー信号を生成する機能を有している。ドップラーセンサ22は、送信アンテナと受信アンテナとが一体となって構成されている。ドップラーセンサ22は、制御部24と電気的に接続され、ドップラー信号を制御部24に送信する。ドップラーセンサ22は、例えば制御部24が後述するような排水流路の排水状態の判断処理を実行できるような態様のドップラー信号を制御部24に送信する。また、ドップラーセンサ22による検出の開始及び停止等は、制御部24によって制御される。
ドップラーセンサ22は、便器本体2の下方領域Bにおいて待機状態における溜水の溜水面W0よりも上方に配置されると共にドップラーセンサ22からの電波の放射方向が斜め下方に向けられるように配置される。待機状態とは、制御部24が便器本体2を洗浄する洗浄モードを実行していない状態且つ便器本体2を使用している使用者がいない状態である。具体的には、便器本体2を使用している使用者が立ち去った後、便器本体2を洗浄する洗浄モードが実行され、洗浄モードが終了した後は、便器本体2は待機状態となっており、制御部24も待機状態となっている。待機状態は、便器本体2の次回の使用前に待機している状態でもある。
ドップラーセンサ22は、ボウル部3のボウル面4とボウル部3の後方側の壁面Wとの間に形成されるボウル面裏側空間26内に配置される。下方領域Bにおいては、湾曲部4eが下方に向かうにつれて前方側に湾曲して形成されているため、ボウル面裏側空間26が比較的大きく形成され、ドップラーセンサ22を施工しやすくすることができる。ドップラーセンサ22から送信される電波は、陶器を透過することができ、水に反射される特性を有する。よって、ドップラーセンサ22は、ボウル面4の表側の面に取付けられること又はボウル面4に電波を通すための開口を形成することなく、ボウル面4の裏側のボウル面裏側空間26内に配置されることができる。
ドップラーセンサ22は、便器本体2の下方領域Bにおいてボウル部3の前端部4cよりも下方に配置される。ドップラーセンサ22は、ドップラーセンサ22から送信される電波の最大放射方向Dが、好ましくは、前端部4cよりも下方の向き、より好ましくは便器本体2の待機状態における排水トラップ管路8内の排水口部6の真下の溜水面W0を通るような向きに配置される。例えば最大放射方向Dと溜水面W0(又は溜水面W0の仮想延長線上の部分)とが成す角度は、30度~60度の範囲に規定される。
ドップラーセンサ22から送信される電波の最大放射方向Dは、ドップラーセンサ22の設計により決定される。図4においては、ドップラーセンサ22から送信される電波の放射パターンEが例示されている。最大放射方向Dは、ドップラーセンサ22から送信される電波の放射パターンEのうち最も強い方向(ドップラーセンサ22の指向性を有する方向)である。最大放射方向Dにおいては、最も感度よく対象物である溜水面の状態を検知することができる。ドップラーセンサ22から送信される電波の放射方向は、主に放射パターンEのように示され、最大放射方向Dを中心に広がっている。最大放射方向Dは、例えば、ドップラーセンサ22の正面の方向、より具体的には送信アンテナのパターン面に対して垂直な方向である。最大放射方向Dは、前記パターン面に対して曲げられて規定されていてもよい。図4に示すように、ドップラーセンサ22の正面の最大放射方向Dを0度とすれば、時計回りに90度の方向においては放射される電波が弱くなっており、また時計回りに270度の方向においても放射される電波が弱くなっている。
図3に示すように、ドップラーセンサ22は、最大放射方向Dを中心とした同心円状に有効検知領域Gを有している。有効検知領域Gは、ドップラーセンサ22から離れるにつれて徐々に同心円状の領域の径が広がるような形状に形成されている。有効検知領域Gは、ドップラーセンサ22がドップラー信号によって溜水面の状態を有効に検知できる領域である。ドップラーセンサ22の有効検知領域Gは前端部4cより下方のボウル面4側に向けられるようになっている。有効検知領域Gの全体がボウル面4に向けられることが好ましいが、有効検知領域Gの一部が前端部4cを超えてボウル面4外に形成されていてもよい。最大放射方向Dも前端部4cより下方に向けられる。ドップラーセンサ22の有効検知領域Gは、主にボウル面4に当たるため、前端部4cより下のボウル面4を透過してさらに便器本体2の前の使用者A側に延びにくくなっている。例えば、ドップラーセンサ22をボウル面4に対して垂直偏波となるように配置し、1回目に透過する陶器のボウル面4とドップラーセンサ22の最大放射方向Dとのなす角を90度よりも小さくし、2回目に透過する陶器の面と、最大放射方向Dとのなす角を90度付近とすることで、有効検知領域Gを使用者A側に延びにくくすることができる。よって、有効検知領域Gがボウル面4の前端部4cの上方を超えて便器本体2の前の使用者Aまで及びにくくすることができる。なお、使用者Aには、便器本体2の前を通過するトイレ施設の使用者や次に便器本体2を使用しようとして接近する使用者も含まれる。
図3に示すように、ドップラーセンサ22は、ボウル部3のボウル面4の後方且つボウル部3の左右方向のほぼ中央に配置されている。なお、ドップラーセンサ22は、ボウル部3のボウル面4の側方に配置されていてもよく、前端部4cに配置されていてもよい。ドップラーセンサ22がボウル面4の側方に配置される場合には、ドップラーセンサ22は溜水面W0に向けて斜め側方向きに配置される。ドップラーセンサ22がボウル面4の前端部4cに配置される場合には、ドップラーセンサ22は溜水面W0に向けて斜め後方向きに配置される。ボウル面4の後方に配置されるドップラーセンサ22と使用者Aとの距離は、ボウル面4の側方又は前端部4cに配置されるドップラーセンサ22と使用者Aとの距離よりも大きい。ドップラーセンサ22をボウル面4の後方に配置することにより、ドップラーセンサ22を便器本体2の前にいる使用者Aから比較的遠くに配置することができ、ドップラーセンサ22から送信される電波の有効検知領域Gに便器本体2の前の使用者Aがより入りにくくすることができる。
変形例として、図5に示すように、小便器装置1は、便器本体2の下方領域Bにおいてボウル部3の前端部4cよりも上方に配置したドップラーセンサ122を備えていてもよい。ドップラーセンサ122は、ドップラーセンサ122からの電波の放射方向が斜め下方に向けられるように配置される。ドップラーセンサ122は、ボウル面裏側空間26内において平面部4dの下端近傍に配置される。ドップラーセンサ122は、ドップラーセンサ122から送信される電波の最大放射方向Dが、好ましくは、前端部4cよりも下方の向き、より好ましくは排水トラップ管路8内の排水口部6の真下の溜水面W0を通るような向きに配置される。例えば最大放射方向Dと溜水面W0(又は溜水面W0の仮想延長線上の部分)とが成す角度は、40度~70度の範囲に規定される。ドップラーセンサ122は、前端部4cよりも上方に配置されるので、最大放射方向Dと溜水面W0とが成す角度がより大きくなり、この成す角度が小さい場合と比べて、溜水面の上下方向の変動をより精度よく検知することができ、排水トラップ管路8又は排水配管9の排水状態の不良の判断精度をより向上させることができる。
ドップラーセンサ122の有効検知領域Gが前端部4cより下方のボウル面4に向けられるようになっている。有効検知領域Gの全体がボウル面4に向けられることが好ましいが、有効検知領域Gの一部が前端部4cを超えてボウル面4外に形成されていてもよい。最大放射方向Dも前端部4cより下方に向けられる。ドップラーセンサ122の有効検知領域Gは、主にボウル面4に当たるため、前端部4cより下のボウル面4を透過してさらに便器本体2の前の使用者A側に延びにくくなっている。よって、有効検知領域Gがボウル面4の前端部4cの上方を超えて便器本体2の前の使用者Aまで及びにくくすることができる。
次に、図1乃至図3、図6乃至図8を参照して、本発明の一実施形態による小便器装置の動作(作用)について説明する。
図6は、本発明の一実施形態による小便器装置において、溜水面が上昇水位まで到達した場合にドップラーセンサにより生成されるドップラー信号が特徴的な波形を形成する様子を説明する図であり、図7は本発明の一実施形態による小便器装置において、排水トラップ部又は排水流路の排水状態判断処理モードにおける制御部の制御動作を示すフローチャートであり、図8は本発明の一実施形態による小便器装置において、溜水面の状態に応じてドップラーセンサにより生成されるドップラー信号の波形と、排水状態の判断とを説明する図である。
使用者が小便器装置1の便器本体2のボウル部3の前側に立つと、人体検知センサ11が使用者の使用を検知している検知状態となり、その検知信号が制御部24に送信され、制御部24が使用者の存在を認識する。この時点では電磁弁20は閉弁された状態であり、スプレッダー10からの吐水は行われていない状態となっている。使用者が排尿を終えて、便器本体2の前から立ち去ると、人体検知センサ11が非検知状態となる。図8に示すように、制御部24が人体検知センサ11が非検知状態となったことを判断すると、制御部24は、時刻t0において、電磁弁20を開弁させ、吐水口部14からの吐水を開始させる。図1に示すように、吐水口部14から吐水された洗浄水Fは、ボウル面4に沿って左右方向に広がるように吐水され、ボウル面4を広範囲に洗浄する。
ボウル面4を流下した洗浄水Fは、排水口部6から排水トラップ管路8内に流入する。洗浄水Fは、排水トラップ管路8から排水トラップ管路8の下流側の排水配管9に向かって流れることにより、排水トラップ管路8や排水配管9内の尿を下流側に排出させる。
排水トラップ管路8及び排水配管9の排水状態が良好である場合には、例えば排水トラップ管路8又は排水配管9の内部に尿石の付着、尿石以外の物体の付着又は存在等がなく又は比較的少なく、排水トラップ管路8及び排水配管9の排水状態が良好である場合が含まれる。このような場合には、排水トラップ管路8及び排水配管9から排水が比較的良好に行われるので、排水トラップ管路8内の溜水の溜水面W0がボウル面4側まで比較的大きく上昇することが抑制される。
これに対し、排水トラップ管路8又は排水配管9の排水状態が不良となる場合がある。排水状態が不良となる場合には、例えば、便器本体2が繰り返し使用されることにより、排水トラップ管路8又は排水配管9内に徐々に尿石が付着し、排水トラップ管路8又は排水配管9の通水可能な流路の内径が徐々に小さくなる、いわゆる流路の詰まりかけの状態が含まれる。また、排水状態が不良となる場合には、尿石の付着により排水トラップ管路8又は排水配管9が詰まる場合も含まれる。また、排水状態が不良となる場合には、排水トラップ管路8又は排水配管9内に尿石以外の物体が付着、引っ掛かる、入り込む等して、排水トラップ管路8又は排水配管9が詰まりかけとなる、又は詰まる場合も含まれる。
このような場合には、排水トラップ管路8又は排水配管9からの排水能力が低下し、排水が良好に行われなくなるので、排水トラップ管路8内の溜水の溜水面はボウル面4側まで比較的大きく上昇すると共に、上昇した溜水面が低下し溜水面W0まで到達するまでに時間を要することとなる。
このようにスプレッダー10からの吐水が継続する間、排水トラップ管路8内の溜水の溜水面が、待機状態の溜水面W0から徐々に上昇し、排水口部6より上方まで上昇する場合がある。さらに、吐水が継続する間、溜水面(例えば溜水面W1により示す)は、排水配管9の頂部よりもさらに上昇する場合もある。
図2及び図6に示すように、仮に溜水面が例えば溜水面W2により示すような上昇水位まで到達した場合、制御部24は、ドップラーセンサ22が溜水面の水位が上昇水位まで到達したことを検知することにより、排水トラップ管路8又は排水配管9の排水状態が不良であると判断する。図6に示すように、溜水面が例えば溜水面W2により示すような上昇水位まで到達した時刻t1において、ドップラーセンサ22により生成されるドップラー信号が、その電圧が急激に増大又は減少し、その電圧が増大又は減少した状態で振幅が小さくなるような特徴的な波形を形成する。ドップラーセンサ22がドップラー信号の特徴的な波形を検出することにより、制御部24は、溜水面の水位が上昇水位まで到達したことを判断することができる。上昇水位は、ボウル部3の前端部4cより約1cm乃至約5cm下方の範囲に規定されている。上昇水位は、前端部4cの高さであってもよい。
制御部24は、溜水面の水位が上昇水位まで到達し、排水トラップ管路8又は排水配管9の排水状態が不良であると判断した場合には、排水トラップ管路8又は排水配管9の排水状態がほぼ詰まり状態に近い又は詰まっている状態であり、溜水面の水位が異常に上昇している場合であると判断できるので、溜水が前端部4cから溢れることを抑制するように、電磁弁20を閉弁する。よって、スプレッダー10による吐水動作を停止させ、ボウル部3への洗浄水の供給を停止させる。
溜水面が例えば溜水面W2により示すような上昇水位まで到達しない場合には、あるピークの水位を境に溜水面の上昇が下降に転じ、溜水面は、再び下降する。下降中の溜水面の状態に応じて得られるドップラー信号に基づいて、制御部24は、後述するように排水トラップ管路8又は排水配管9の排水状態が不良であると判断することができる。
次に、図3に示すように、制御部24が、排水トラップ管路8又は排水配管9の排水状態が不良であると判断する排水状態判断処理モード及びこの排水状態判断処理モードの処理開始まで待機する待機モードについて説明する。
図7は本発明の一実施形態による小便器装置において、排水トラップ部又は排水流路の排水状態判断処理モードにおける制御部の制御動作を示すフローチャートであり、図8は本発明の一実施形態による小便器装置において、溜水面の状態に応じてドップラーセンサにより生成されるドップラー信号の波形と、排水状態の判断とを説明する図である。図7において、Sは各ステップを示している。なお、図8においては縦軸においてドップラー信号の電圧を示し、横軸において時刻を示し、実線により排水状態が不良である場合のドップラー信号の電圧の時間変化を示し、比較例として一点鎖線により排水状態が良好である場合のドップラー信号の電圧の時間変化を示している。図8に示すドップラー信号は、ドップラーセンサ22により検出された第1受信信号及び第1受信信号の波長λに対しλ/4(π/2)分だけ位相がずれた第2受信信号のうち第2受信信号により例示されている。ドップラー信号は第1受信信号であってもよく、これらの受信信号のいずれかに対し移動平均化処理、ローパスフィルタ処理等を適用した信号であってもよい。
先ず、図8に示すように、制御部24は、スプレッダー10からの洗浄水の供給の停止、すなわち電磁弁20の閉弁の時刻t2から待機時間T0を経過するまで、排水状態判断処理モードを開始せずに待機する待機モードを実行する。この待機モードによれば、制御部24は、スプレッダー10からの洗浄水の供給の停止後に洗浄水がスプレッダー10から垂れるようにボウル面4に沿ってドップラーセンサ22の前方側を流下する可能性がある待機時間T0にわたって待機する。よって、ドップラーセンサ22がドップラーセンサ22の前方を通過する洗浄水を誤検知することが抑制される。制御部24は、待機時間T0が経過し、洗浄水がスプレッダー10からボウル面4に沿って流れていないと想定される状態となってから排水状態判断処理モードを実行することにより、排水状態判断処理モードによる排水状態の判断の精度を向上させることができる。
図8に示すように、待機モード中において、ドップラーセンサ22は、ドップラー信号の検出を継続しているが、制御部24は、排水状態判断処理モードを開始せずに待機している。なお、待機モード中において、制御部24は、ドップラーセンサ22の作動を停止させ、排水状態判断処理モード開始時に再びドップラーセンサ22の作動を開始させてもよい。
制御部24は、待機モードによる待機時間T0経過後、時刻t3から排水状態判断処理モードを開始させる。待機モードにおける待機時間T0は、数秒程度、例えば1秒乃至5秒の範囲内の時間である。
次に、図7に示すように、S0において、制御部24は、排水トラップ管路8又は排水配管9の排水状態を判断する排水状態判断処理モードを開始する。
S1において、制御部24は、ドップラーセンサ22が生成したドップラー信号の電圧を解析することにより、予め設定した所定時間毎のドップラー信号の電圧の振幅値Hを取得し、S2に進む。振幅値Hは、予め設定した所定時間毎のドップラー信号の電圧の振幅値の平均値であってもよい。
S2において、制御部24は、振幅値Hが閾値H1以下になっているか否かを判定する。図8に示すように、閾値H1は、待機状態においてドップラーセンサ22が生成したドップラー信号の振幅値H2(ノイズの振幅値)と同じレベルの範囲、好ましくは振幅値H2の3倍乃至5倍の範囲内の値に設定される。よって、ノイズが判定に与える影響を抑制することができると共に、溜水面の溜水面W0の位置までの下降も比較的精度よく判定することができる。
制御部24は、振幅値Hが閾値H1以下になっていない場合には、溜水面が依然として溜水面W0よりも上昇している状態であり、溜水面が微小に揺動しながら下方に移動しており、溜水面W0の位置まで下降しきっていないと判断できるので、再びS2に戻って判定を行う。
制御部24は、時刻t5に示すように、振幅値Hが閾値H1以下となった場合には、溜水面の下方への移動が概ね終了し、溜水面の表面の揺動も低下しており、溜水面が待機状態の溜水面W0の位置まで既に下降していると判断できるので、S3に進む。
S3において、制御部24は、スプレッダー10の電磁弁20の閉弁した時刻t2から振幅値Hが閾値H1以下となった時刻t5までの時間Tを取得し、S4に進む。なお、時間Tは、スプレッダー10の電磁弁20の開弁した時刻t0から振幅値Hが閾値H1以下となった時刻t5までの時間によって規定されてもよい。
S4において、制御部24は、時間Tが所定時間T1以上であるか否かを判定する。所定時間T1は、所定時間T1が経過するまでに溜水面が一旦上昇した後、溜水面W0の位置まで下降しているのであれば、排水流路の排水状態が不良であるとまでは言えない時間として設定されている。所定時間T1は、スプレッダー10の電磁弁20の閉弁した時刻t1から一定時間を経過した時刻t4までの時間として規定されている。なお、時間Tが上述のように時刻t0から時刻t5までの時間によって規定される場合には、所定時間T1は、時刻t0から一定時間を経過した時刻t4までの時間として規定される。
制御部24は、図8において実線により示すように、時間Tが所定時間T1以上となっている場合には、排水流路の排水状態が不良であるため、溜水面が比較的高い位置まで上昇し、溜水面W0の位置まで下降するまでに比較的長い時間を要したと判断できるので、S6に進む。
制御部24は、時間Tが所定時間T1以上となっていない場合には、排水流路の排水状態は比較的良好であり、溜水面が比較的低い位置まで上昇するにとどまった又は溜水面がほとんど上昇せず、溜水面が溜水面W0の位置まで下降するまでに比較的長い時間を要しなかったと判断できるので、S5に進む。
なお、図8において一点鎖線により示す比較例においては、時間T’(比較例において時間Tに対応する)が所定時間T1以上となっておらず、排水流路の排水状態が比較的良好であることが示されている。
S5において、制御部24は、排水トラップ管路8又は排水配管9からの排水が比較的良好に行われており、溜水面W0からの溜水面の上昇がほぼない又は比較的小さい範囲の上昇にとどまると判断できるので、排水トラップ管路8又は排水配管9の排水状態が比較的良好であると判断し、S7に進む。
S6において、制御部24は、排水トラップ管路8又は排水配管9が詰まりかかっている等してこれらの排水性能が低下しており、溜水面W0からの溜水面の上昇が比較的大きい範囲の上昇となっており、また排水に時間がかかっていると判断できるので、排水トラップ管路8又は排水配管9の排水状態が不良であると判断し、S7に進む。
S7において、制御部24は、排水状態判断処理モードを終了する。
制御部24は、排水状態判断処理モードの制御処理とは別に、電磁弁20の開弁から一定時間が経過した後、電磁弁20を閉弁し、スプレッダー10による吐水動作を停止させ、洗浄動作も終了させる。
なお、制御部24が排水トラップ管路8又は排水配管9の排水状態が不良であると判断した場合には、制御部24は、排水状態判断処理モード等の実行処理とは別に、報知手段36により、使用者又は小便器装置1の管理者等に排水状態の不良を報知する制御を実行する。
本発明の一実施形態の小便器装置1によれば、制御部24がドップラーセンサ22のドップラー信号によって検出される溜水面の状態に応じて、ボウル部3より下流側の排水流路の排水状態の判断をすることができ、例えば、排水トラップ管路8又は排水配管9が詰まり掛かっている等の排水流路の排水状態の不良等の判断をすることができる。このとき、ドップラーセンサ22は、便器本体2の下方領域において便器本体2の待機状態における排水トラップ管路8内の溜水面よりも上方に配置されると共にドップラーセンサ22からの電波の放射方向が斜め下方に向けられるように配置される。これにより、ドップラーセンサ22から送信される電波の放射方向に便器本体2の近くの使用者が含まれにくくなる。従って、本発明によれば、ドップラーセンサ22が使用者の動きを誤検知することを抑制することができ、制御部24が排水流路の排水状態の判断を行う精度を向上させることができる。
また、本発明の一実施形態の小便器装置1によれば、ドップラーセンサ22がボウル部3のボウル面4の後方に配置される。これにより、ドップラーセンサ22を便器本体2の前にいる使用者から比較的遠くに配置することができ、ドップラーセンサ22から送信される電波の有効検知範囲に便器本体2の前の使用者がより含まれにくくできる。さらに、ドップラーセンサ22がボウル面4の後方に配置される場合に、スプレッダー10からの洗浄水の供給の停止後に洗浄水がスプレッダー10からボウル面4に沿ってドップラーセンサ22の前方側を流下する可能性がある。制御部24は、スプレッダー10からの洗浄水の供給の停止から所定時間を経過した後に、排水状態の判断をするので、制御部24は洗浄水がスプレッダー10からボウル面に沿って流れていないと想定されるときに排水状態を判断することができる。よって、制御部24が排水流路の排水状態の判断を行う精度をより向上させることができる。
また、本発明の一実施形態の小便器装置1によれば、制御部24は、スプレッダー10からの洗浄水の供給の開始又は停止からドップラー信号の振幅値Hが閾値H1以下になるまでの時間Tを取得し、この時間Tが所定時間T1以上であるとき、排水流路の排水状態が不良である、例えば排水トラップ管路8又は排水配管9が詰まり掛かっている等と判断することができる。
また、本発明の一実施形態の小便器装置1によれば、制御部24は、仮に他の方法により排水流路の排水状態を判断できなかった場合においても、ドップラーセンサ22が溜水面の水位が上昇水位まで到達したことを検知することにより、排水流路の排水状態が不良であると判断することができる。従って、制御部24は、排水流路の排水状態が不良である、例えば排水トラップ管路8又は排水配管9が詰まり掛かっている等とより確実に判断することができる。
また、本発明の一実施形態の小便器装置1によれば、ドップラーセンサ22がボウル面裏側空間26内に配置される。これにより、ドップラーセンサ22を湾曲しているボウル面4の裏側に形成されるボウル面裏側空間26内に効率的に配置することができる。また、便器本体2の下方領域Bにおいては、ボウル面4が下方に向かうにつれて前方側に湾曲して形成されているため、ボウル面裏側空間26が比較的大きく形成され、ドップラーセンサ22を施工しやすくすることができる。
また、本発明の一実施形態の小便器装置1によれば、ドップラーセンサ22は、便器本体2の下方領域Bにおいてボウル部3の前端部4cよりも下方に配置されると共に待機状態における溜水の溜水面よりも上方に配置される。制御部24がドップラーセンサ22のドップラー信号によって検出される溜水面の状態に応じて、排水流路の排水状態の判断をすることができ、例えば、排水トラップ管路8又は排水配管9の排水状態の不良等の判断をすることができる。このとき、ドップラーセンサ22は、ボウル部3の前端部4cよりも下方に配置される。これにより、ドップラーセンサ22から送信される電波の放射方向に便器本体2を使用する使用者がより含まれにくくなる。従って、本発明によれば、ドップラーセンサ22が使用者の動きを誤検知することをより抑制することができ、制御部24が排水流路の排水状態の判断を行う精度をより向上させることができる。
また、本発明の一実施形態の小便器装置1によれば、ドップラーセンサ22は、ドップラーセンサ22からの電波の最大放射方向が、待機状態における排水トラップ管路8内の溜水面の位置に向けられるように配置される。これにより、上昇された溜水面が待機状態における溜水面に戻るまでドップラー信号によって溜水面の状態を検出する精度を向上させることができる。また、ドップラーセンサ22からの電波の最大放射方向が、待機状態における溜水面W0の位置に向けられるので、ドップラーセンサ22から送信される電波の放射方向に便器本体2を使用する使用者が含まれにくくなる。従って、本発明によれば、ドップラーセンサ22が使用者の動きを誤検知することをより抑制することができ、制御部24が排水流路の排水状態の判断を行う精度をより向上させることができる。
1 :小便器装置
2 :便器本体
3 :ボウル部
4 :ボウル面
4c :前端部
20 :電磁弁
22 :ドップラーセンサ
24 :制御部
26 :ボウル面裏側空間
122 :ドップラーセンサ
A :使用者
B :下方領域
D :最大放射方向
F :洗浄水
H :振幅値
H1 :閾値
T :時間
T1 :所定時間
W :壁面
W0 :溜水面

Claims (6)

  1. 吐水された洗浄水によりボウル面を洗浄する小便器装置であって、
    排尿を受ける上記ボウル面を形成し、その底部に排水口を形成するボウル部と、上記ボウル部の上記排水口から延びて内部に溜水を形成する排水トラップ部と、を有する小便器本体と、
    上記ボウル部へ洗浄水を供給する吐水装置と、
    電波を送信した後、溜水面によって反射された電波を受信することによりドップラー信号を生成するドップラーセンサと、
    上記溜水面の状態に応じて得られる上記ドップラー信号に基づいて、上記ボウル部より下流側の排水流路の排水状態を判断する制御部と、を備え、
    上記ドップラーセンサは、上記小便器本体の下方領域において上記小便器本体の待機状態における上記排水トラップ部内の溜水面よりも上方に配置されると共に上記ドップラーセンサからの電波の放射方向が斜め下方に向けられるように配置され、上記ドップラーセンサは、上記ドップラーセンサから送信される電波の最大放射方向が、上記小便器本体の待機状態における上記排水トラップ部内の溜水面の位置に向けられるように配置されることを特徴とする小便器装置。
  2. 上記ドップラーセンサは、上記ボウル部の上記ボウル面の後方に配置され、
    上記制御部は、上記吐水装置からの洗浄水の供給の停止から待機時間を経過した後に、上記排水状態を判断する請求項1に記載の小便器装置。
  3. 上記制御部は、上記吐水装置からの洗浄水の供給の開始又は停止から上記ドップラー信号の振幅が閾値以下になるまでの時間を取得し、この時間が所定時間以上であるとき、排水流路の排水状態が不良であると判断する請求項1又は2に記載の小便器装置。
  4. 上記制御部は、上記ドップラーセンサが上記溜水面の水位が上昇水位まで到達したことを検知することにより、排水流路の排水状態が不良であると判断する請求項1乃至3の何れか1項に記載の小便器装置。
  5. 上記ドップラーセンサは、上記ボウル部の上記ボウル面と上記ボウル部の後方側の壁面との間に形成されるボウル面裏側空間内に配置される請求項1乃至4の何れか1項に記載の小便器装置。
  6. 上記ドップラーセンサは、上記小便器本体の下方領域において上記ボウル部の前端部よりも下方に配置される請求項1乃至5の何れか1項に記載の小便器装置。
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