JP2014194103A - 炭酸カルシウムスケールの付着抑制方法及び古紙パルプの製造方法 - Google Patents

炭酸カルシウムスケールの付着抑制方法及び古紙パルプの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】古紙パルプ製造工程において炭酸カルシウムスケールの付着を抑制する方法を提供する。
【解決手段】離解工程、除塵工程、脱水工程、及び熟成(漂白)工程を有する古紙パルプ製造工程において、循環する白水に、次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとを添加することにより、古紙パルプ製造工程における炭酸カルシウムスケールの付着を抑制する。次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとを残留塩素量と窒素とのモル比として1:1〜1:2となるように添加することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本開示は、古紙パルプ製造工程における炭酸カルシウムスケールの付着抑制方法及び古紙パルプの製造方法に関する。
製紙工業では、昨今、酸性紙にかわって、中性紙が生産の主流となっている。中性紙には、填料として、酸性紙では配合することのできなかった、湿式重質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムなどの炭酸カルシウムが主に配合されている。このような炭酸カルシウムを填料とする中性紙が古紙として回収される割合が増えるに伴い、古紙パルプ製造工程ではこの炭酸カルシウムの一部が工程水中に溶出し、更に、工程水の循環再利用を積極的に行っていることもあって、工程水中のカルシウム濃度は従来に比べ増加の傾向にある。
一方、古紙の離解工程では、離解助剤として水酸化ナトリウムが使用されている。水酸化ナトリウムは、系内を弱アルカリ性にして、離解を促進する作用と、インキをケン化する作用とを有するためである。また、古紙の漂白工程では、一般に、過酸化水素漂白処理が行われ、アルカリ性環境を必要とするために水酸化ナトリウムが使用されている。更に、過酸化水素の安定化剤として、ケイ酸ナトリウムが配合されているために、該工程水のpHは、通常、アルカリ性、例えば8〜10となり、工程水のカルシウムイオンは炭酸イオンと反応して炭酸カルシウムスケールを形成しやすい。また、前記ケイ酸ナトリウムは、用水に由来するカルシウムイオンやコロイド状シリカと反応し、ケイ酸塩−シリカ複合スケールが析出してくる場合もある。
これらのスケールは、古紙パルプ製造工程内の配管、洗浄・脱水装置、スクリーン等の各所に沈着・付着し、配管の閉塞、洗浄不良および脱水不良等の弊害が生じる。実際に古紙パルプ製造工程の精選スクリーンに付着し目詰まりを起こした物質を分析したところ、その9割以上が無機物であり、炭酸カルシウムを主体とした硬質なスケール状物質であった。
スケールの除去作業は、通常、定期的に操業を一時停止して機械的な剥離・除去により、あるいは配管や装置類を洗浄液に浸して洗浄液を循環することにより行なわれる。古紙パルプ製造工程ではこの作業を、3ヶ月から6ヶ月に一度の頻度で行われ、一回の作業で1日〜2日を要している。このような定期的な剥離・除去を行っていても、突発的にスケールの付着が生じ、配管閉塞、スクリーンの目詰まりによる処理量低下、ワイヤーメッシュを備えた脱水機(エキストラクター等)のワイヤー目詰まりによる脱水不良を起こすなど操業に支障をきたすことがあり、スケール対策は重要な課題となっている。
そこで、操業の安定化とスケール除去作業の低減を目的に工程内でのスケールの付着を抑制するスケール抑制剤の使用が提案されており、例えば、工程循環白水に有機ホスホン酸類を添加する方法〔特許文献1〕、古紙パルプ製造工程に有機オキシカルボン酸類とホスホン酸類を併用する方法〔特許文献2〕、シリカ−珪酸塩スケールのコントロールにマレイン酸類と(メタ)アクリルアミノメチルプロパンスルホン酸等の(メタ)アクリル酸類との共重合体を使用する方法〔特許文献3〕、メチルプロパンスルホン酸とエチレン性不飽和カルボン酸を含む水溶性共重合体を添加する方法〔特許文献4〕がある。
しかし、このような方法でも満足のいくほどにスケール生成を抑制するには至っていない。
他方、製紙工程では、原料となる木材に由来するセルロースや糖類等を栄養源として、製紙工程水やパルプスラリーに細菌や微生物が繁殖してスライムが発生することが知られている。このスライムが、製紙原料に混入して紙切れによる生産効率の低下を引き起こしたり、紙製品の品質を低下させたりすることが従来からよく知られている。このため、スライムの発生を防止するために、例えば、次亜塩素酸ナトリウム水溶液と硫酸アンモニウム水溶液とを用いて製紙工程水を殺菌する方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
特許文献6には、中性抄紙系等に付着した微量スライムが系内に混入することによって炭酸カルシウムが凝集し、その結果、紙に斑点が発生すること、酸化剤とアンモニウム塩との反応物を用いることによって系内におけるスライムの付着を完全に防止し、これに伴い微量スライムによる炭酸カルシウムの凝集を防止できることが開示されている。
特許第2526924号公報 特開平3−161585号公報 特開平4−356580号公報 特許第4373591号公報 特許第4914146号公報 特開2008−121167号公報
近年、製紙工業において古紙の再利用が増加している。このため、古紙パルプ製造工程では、安定的な操業により、古紙パルプを安定して供給することが求められている。一方、古紙パルプの製造工程では、原料となる古紙の種類等によって水質が激しく変動することから、炭酸カルシウムを主体とするカルシウム系スケールの制御が難しく、例えば、突発的なスケール付着によって、配管閉塞、スクリーン目詰まり、ワイヤー目詰まりが生じる。このような問題が生じると、洗浄効率や脱水効率が低下するばかりか、付着したスケールの洗浄のために運転停止が必要となることから、安定的な操業ができなくなってしまう。
本開示は、古紙パルプ製造工程において炭酸カルシウムスケールの付着を抑制する方法及び古紙パルプの製造方法を提供する。
本開示は、一態様において、古紙パルプ製造工程を循環する白水に、次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとを添加することを含む、古紙パルプ製造工程における炭酸カルシウムスケールの付着抑制方法に関する。
本開示は、一態様において、離解工程、除塵工程、脱水工程、及び熟成(漂白)工程を有する古紙パルプ製造工程を循環する白水に、次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとを添加することを含む、古紙パルプの製造方法に関する。
本開示によれば、古紙パルプ製造工程において、炭酸カルシウムスケールの付着を抑制することができる。
図1は、古紙パルプ製造工程の一例の構成概略図である。
上述した通り、特許文献6には、中性抄紙系等に付着した微量スライムが系内に混入することによって炭酸カルシウムが凝集し、その結果、紙に斑点が発生すること、酸化剤とアンモニウム塩との反応物を用いることによって系内におけるスライムの付着を完全に防止し、これに伴い微量スライムによる炭酸カルシウムの凝集を防止できることが開示されている。つまり、特許文献6には、微生物が繁殖しうる条件下で、スライムの発生に伴う炭酸カルシウムの凝集防止が開示されているに過ぎない。これに対し、本開示は、中性抄紙系、原料系及び回収系等の製紙工程と比較してpHが高く、通常、微生物が繁殖しうる条件ではない古紙パルプ製造工程において、古紙パルプ製造工程を循環する白水に次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとを添加することで、炭酸カルシウムスケールの付着を効果的に抑制することができる、との本願発明者らによって見出された知見に基づく。また、本開示は、次亜塩素酸ナトリウムと臭化アンモニウムとを併用する場合と比較して、次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとを併用する場合のほうが、炭酸カルシウムスケールの付着を効果的に抑制することができる、との本願発明者らによって見出された知見に基づく。
本開示において「古紙パルプ製造工程」とは、古紙から紙の原料となるパルプ(古紙パルプ、脱墨パルプやDIPとも呼ぶ。)を製造する工程のことをいい、一又は複数の実施形態において、原料となる古紙を水と混合しながら機械力でパルプスラリーとする離解工程、古紙に含まれる異物を除去する粗選工程、脱墨剤を加えてインキ成分を除去する脱墨工程、古紙に含まれる異物とパルプ分をスクリーンで分離する精選工程、脱墨されたパルプスラリーを水洗する洗浄工程、パルプの脱水を行う脱水工程、及びパルプを漂白する漂白工程等を含む。
古紙パルプ製造工程の限定されない一又は複数の実施形態を、図1を用いて説明する。図1は、古紙パルプ製造工程の一例の構成概略図である。図1に示す古紙パルプ製造工程は、パルパー11を用いた離解工程、粗選スクリーン12を用いた粗選工程、精選スクリーン(1次、2次及び3次)13を用いた精選工程、プレフローテータ14を用いた前段脱墨工程、前段エキストラクター15を用いた洗浄工程、前段シックナー16を用いた脱水工程、漂白タワー17を用いた漂白工程、ポストフローテータ18を用いた後段脱墨工程、1次、2次及び3次精選スクリーン19を用いた精選工程、後段エキストラクター20を用いた洗浄工程、及び後段シックナー21を用いた脱水工程を含む。
本開示において「古紙パルプ製造工程を循環する白水」とは、古紙パルプ製造工程に用いられる全ての水のことをいい、一又は複数の実施形態において、粗選工程及び精選工程等にて用いられるシャワー水及び白水等を含む。本開示において古紙パルプ製造工程を循環する白水は、循環利用又は再利用されるものを含みうる。
[炭酸カルシウムスケールの付着抑制方法]
本開示は、一態様において、古紙パルプ製造工程を循環する白水に、次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとを添加することを含む、古紙パルプ製造工程における炭酸カルシウムスケールの付着抑制方法に関する。
本開示において「炭酸カルシウムスケールの付着を抑制する」とは、一又は複数の実施形態において、古紙パルプ製造工程の粗選工程及び/又は精選工程におけるスリット又はスクリーン、脱水工程におけるワイヤー、若しくは配管内等に炭酸カルシウムを含むスケールが付着することを抑制、低減、又は防止することを含む。
本開示において次亜塩素酸塩としては、一又は複数の実施形態において、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、及び次亜塩素酸カルシウム等が挙げられる。
本開示の炭酸カルシウムスケールの付着抑制方法及び古紙パルプの製造方法は、一又は複数の実施形態において、次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウムとを添加すること、次亜塩素酸塩と塩化アンモニウムとを添加すること、及び次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウムと塩化アンモニウムとを添加することからなる群から選択される少なくとも一つを含む。
本開示の炭酸カルシウムスケールの付着抑制方法及び古紙パルプの製造方法において、次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとは、予め反応させてから添加してもよいし、別々に添加してもよい。次亜塩素酸塩及び硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムは、一又は複数の実施形態において、粗選工程、精選工程、洗浄工程、及び/又は脱水工程等のシャワー水に添加することが好ましい。
次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとの添加は、一又は複数の実施形態において、次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとを、残留塩素量と窒素とのモル比として1:1〜1:2となるように添加することにより行ってもよい。また、次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとのモル比(残留塩素量と窒素とのモル比)は、一又は複数の実施形態において、1:1.1〜1:2、1:1.2〜1:2、又は1:1.2〜1:1.6である。本開示において「残留塩素量」は、結合塩素及び遊離塩素を含む。残留塩素量は、使用する次亜塩素酸塩水溶液の有効塩素濃度から算出してもよく、従来知られ又は今後開発される方法によって測定してもよい。
本開示において、次亜塩素酸塩は、一又は複数の実施形態において、有効塩素濃度として、3〜20mg/Lとなるように古紙パルプ製造工程を循環する白水に添加する。硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムは、一又は複数の実施形態において、有効塩素に対してモル比1:1〜1:2となるように古紙パルプ製造工程を循環する白水に添加する。
次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとの添加は、一又は複数の実施形態において、次亜塩素酸塩水溶液、硫酸アンモニウム水溶液及び塩化アンモニウム水溶液を用いて行うことができる。
本開示において、古紙パルプ製造工程を循環する白水のpHは、一又は複数の実施形態において、9〜12、又は10〜11である。
[炭酸カルシウムの凝集抑制方法]
本開示は、一態様において、古紙パルプ製造工程を循環する白水に、次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとを添加することを含む、古紙パルプ製造工程における炭酸カルシウムの凝集抑制方法に関する。本開示の炭酸カルシウムの凝集抑制方法において、次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとの添加、モル比、及び濃度等は、本開示の炭酸カルシウムの付着抑制方法と同様である。
[古紙パルプの製造方法]
本開示は、一態様において、古紙パルプ製造工程を循環する白水に、次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとを添加することを含む、古紙から古紙パルプを製造する方法に関する。本開示の古紙パルプの製造方法によれば、古紙パルプ製造工程を循環する白水に、次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとを添加して古紙パルプを製造することから、古紙パルプ製造工程における炭酸カルシウムスケールの付着を防止でき及び/又は炭酸カルシウムの凝集を抑制できることから、一又は複数の実施形態において、付着したスケールの洗浄に伴う運転停止を軽減し、古紙パルプを安定して製造できる。本開示の古紙パルプの製造方法は、一又は複数の実施形態において、本開示の炭酸カルシウムの付着抑制方法又は本開示の炭酸カルシウムの凝集抑制方法を行うことを含む古紙パルプの製造方法である。
[紙の製造方法]
本開示は、一態様において、古紙パルプを含む原料を用いた紙の製造方法であって、次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとを添加した白水を循環利用する古紙パルプ製造工程を含む、製造方法に関する。本開示の紙の製造方法によれば、次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとを添加した白水を循環利用する古紙パルプ製造工程を含むことから、古紙パルプ製造工程における炭酸カルシウムスケールの付着を防止でき及び/又は炭酸カルシウムの凝集を抑制できることから、古紙パルプ製造工程を安定して行うことができる。本開示の紙の製造方法は、一又は複数の実施形態において、本開示の炭酸カルシウムの付着抑制方法又は本開示の炭酸カルシウムの凝集抑制方法を行うことを含む紙の製造方法である。
以下の実施例及び比較例に基いて本開示を説明するが、本開示はこれに限定されるものではない。
(調製例A)次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウムとの混合液の調製
次亜塩素酸ナトリウム溶液(残留塩素量:140g/L)を脱イオン水で残留塩素量が5g/Lになるように希釈した後、30%硫酸アンモニウム水溶液(硫酸アンモニウム(キシダ化学株式会社製))30gを脱イオン水で溶解し、全量を100gとしたもの)と残留塩素量と窒素とのモル比が1:1.2となるように調製した。
(調製例B)次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウムとの混合液の調製
残留塩素量と窒素とのモル比を1:1.6とした以外は、調製例Aと同様に調製した。
(調製例C)次亜塩素酸ナトリウムと臭化アンモニウムとの混合液の調製
次亜塩素酸ナトリウム溶液(残留塩素量:140g/L)を脱イオン水で残留塩素量が5g/Lになるように希釈した後、1%水酸化ナトリウム水溶液を30ml/L加え、30%臭化アンモニウム水溶液(臭化アンモニウム(キシダ化学株式会社製))30gを脱イオン水で溶解し、全量を100gとしたもの)と残留塩素量と窒素とのモル比が1:1.2となるように調製した。
(調製例D)次亜塩素酸ナトリウム水溶液の調製
次亜塩素酸ナトリウム溶液(残留塩素量:140g/L)を脱イオン水で残留塩素量が5g/Lになるように希釈して調製した。
(調製例E)次亜塩素酸ナトリウムと塩化アンモニウムとの混合液の調製
次亜塩素酸ナトリウム溶液(残留塩素量140g/リットル)を脱イオン水で残留塩素量が5g/リットルになるよう希釈した後、20%塩化アンモニウム溶液(塩化アンモニウム(キシダ化学株式会社製)20gを脱イオン水で溶解し、全量を100gとしたもの)を残留塩素量と窒素のモル比が1:1.2になるよう混合した。
(調製例F)次亜塩素酸ナトリウムと塩化アンモニウムとの混合液の調製
残留塩素量と窒素のモル比が1:1.6になるよう混合したほかは調製例Eと同様に次亜塩素酸ナトリウムと塩化アンモニウムとの混合液を調製した。
(試験例1)炭酸カルシウムの付着抑制効果の確認
29.4g/L塩化カルシウム水溶液(塩化カルシウム2水和物(キシダ化学株式会社製)を脱イオン水に溶解したもの)、16.8g/L炭酸水素ナトリウム水溶液(炭酸水素ナトリウム(キシダ化学株式会社製)を脱イオン水に溶解したもの)、及び56.8g/Lメタケイ酸ナトリウム水溶液(メタケイ酸ナトリウム9水和物(キシダ化学株式会社製)を脱イオン水に溶解したもの)を準備した。
10mlガラス製スクリュー管に、脱イオン水を40ml、29.4g/L塩化カルシウム水溶液を5mL、及び16.8g/L炭酸水素ナトリウム水溶液を5mL加えた後、この混合液(pH10.0)に即座に調製例A〜Dの各薬剤を下記表1に示す濃度となるように添加し、ついで56.8g/Lメタケイ酸ナトリウム水溶液を3ml添加した。
これを40℃で3時間攪拌した後、静置して1時間室温で放冷した。スクリュー管内を水洗して付着していないスケールを除き、70℃で乾燥した。スクリュー管壁面の付着状態を目視で観察した後、付着物を希塩酸で溶解して水酸化ナトリウム水溶液で中和し、その全量を100mlメスフラスコに入れて脱イオン水で100mlとした。この水溶液のカルシウム量を、共立理化学研究所製のラムダ−9000を用い、測定原理としてフタレイコンプレクソン法を用いて測定した。その結果を下記表1及び2に示す。
表1は目視による評価結果を示す。目視による評価は薬剤無添加のスクリュー管の付着量を基準として以下の4段階で評価を行った。
+++ :薬剤無添加のスクリュー管の付着量
++ :薬剤無添加のスクリュー管の付着量よりも付着量が少ない
+ :付着量がさらに少ない
− :付着なし
表2はスクリュー管に付着した炭酸カルシウムの付着率を示す。炭酸カルシウムスケールの付着率(%)は下記式を用いて算出した。なお、薬剤無添加のカルシウム量は3960mg/Lであった。
炭酸カルシウムスケールの付着率(%)=(各薬剤を添加した試料のカルシウム量(mg/L)/薬剤無添加のカルシウム量(mg/L))×100
Figure 2014194103
Figure 2014194103
表1及び2に示すように、次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウムを添加した試験例1−1及び1−2は、いずれの濃度においても、スクリュー管壁面に付着したスケール量が少なく、また、次亜塩素酸ナトリウムと臭化アンモニウムを添加した試験例1−3、及び次亜塩素酸ナトリウムのみを添加した試験例1−4と比較して炭酸カルシウムスケールの付着量が少なかった。次亜塩素酸ナトリウムと塩化アンモニウムを試験例1−5及び1−6は、いずれの濃度においても、スクリュー管壁面に付着したスケール量が少なく、また、次亜塩素酸ナトリウムと臭化アンモニウムを添加した試験例1−3、及び次亜塩素酸ナトリウムのみを添加した試験例1−4と比較して炭酸カルシウムスケールの付着量が少なかった。
(試験例2)現場試料を用いた炭酸カルシウムの付着抑制効果の確認
古紙パルプ製造工程で循環しているシャワー水(pH10.7)をNo.2ろ紙(アドバンテック東洋株式会社製)でろ過した。100mlガラス製スクリュー管にこのろ液を40ml、29.4g/L塩化カルシウム溶液を5ml、及び16.8g/L炭酸水素ナトリウム溶液を5ml加えた後、この混合液(pH10.4)に即座に調製例A、C、D及びEの各薬剤を下記表3に示す濃度となるように添加した。これを40℃で3時間攪拌した後、静置して1時間室温で放冷した。スクリュー管内を水洗して付着していないスケールを除き、70℃で乾燥した。スクリュー管壁面の付着物を希塩酸で溶解して水酸化ナトリウム水溶液で中和し、その全量を100mlメスフラスコに入れて脱イオン水で100mlとした。この水溶液のカルシウム量を、共立理化学研究所製のラムダ−9000を用いて測定した。得られたカルシウム量を用いて、上記試験例1の式を用いて炭酸カルシウムスケールの付着率(%)を求めた。その結果を下記表3に示す。なお、薬剤無添加のカルシウム量は185mg/Lであった。
Figure 2014194103
表3に示すように、次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウムを添加した実施例1は、いずれの濃度においても、比較例1及び2と比較して炭酸カルシウムスケールの付着量が少なかった。また、次亜塩素酸ナトリウムと塩化アンモニウムを添加した実施例2は、いずれの濃度においても、比較例1及び2と比較して炭酸カルシウムスケールの付着量が少なかった。
(試験例3)現場試料における微粒子のサイズ変化
古紙パルプ製造工程のエキストラクターより採取した白水(pH11.7)をNo.2ろ紙(アドバンテック東洋株式会社製)でろ過した。100mlガラス製スクリュー管にこのろ液40mlを加え、調製例A、D及びEの各薬剤を下記表4に示す濃度となるように添加し、これを40℃で3時間攪拌した。スクリュー管内の試料を300μl採取し、脱イオン水100mlに加えて希釈した後、即座に日本電色工業株式会社製卓上型微粒子カウンター・高感度濁度計NP500Tを用いて微粒子サイズを測定した。サイズが0.5μm以下及び1〜3μmの微粒子の個数をそれぞれ計測し、下記式を用いて薬剤添加前後の比率を求めた。その結果を下記表4に示す。なお、ろ液を乾固して蛍光X線分析とIR分析を実施した結果、炭酸カルシウム主体のスケールであることは確認した。
微粒子比率(%)=[添加1時間後の微粒子数(個)/添加前の微粒子数(個)]×100
Figure 2014194103
表4に示すように、次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウムを添加した実施例3は、比較例3と比較して、サイズが0.5μm以下の微粒子の比率が添加前よりも増加するとともに、1〜3μmの微粒子の比率が減少した。次亜塩素酸ナトリウムと塩化アンモニウムを添加した実施例4は、比較例3と比較して、サイズが0.5μm以下の微粒子の比率が添加前よりも増加するとともに、1〜3μmの微粒子の比率が減少した。古紙パルプ製造工程において次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウムを添加することにより、形成される粒子のサイズが細かいまま水系にとどまることができるため、脱水効率の低下を抑制し、安定な操業が可能となると推測される。
(試験例4)実機の実例
実施例5として、図1に示す古紙パルプ製造工程における前段および後段エキストラクターシャワー水に繋がる配管ライン(pH10.0)に、次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウムとの混合物(残留塩素と窒素とのモル比が1:1.2)を残留塩素として9〜12mg/Lになるよう15分間、1日に24回添加し、古紙パルプの製造を行った。連続操業日数と、前段および後段精選スクリーンの交換回数とをカウントした。また、比較例4として次亜塩素酸ナトリウム及び硫酸アンモニウムに変えてホスホン酸系のスケール防止剤とした以外は実施例5と同様に古紙パルプの製造を行い、比較例5として次亜塩素酸ナトリウム及び硫酸アンモニウムを添加しない以外は実施例5と同様に古紙パルプの製造を行った。その結果を下記表5および表6に示す。
Figure 2014194103
Figure 2014194103
表5および表6に示すとおり、次亜塩素酸ナトリウム及び硫酸アンモニウムを添加した実施例5は、無添加及びホスホン酸系のスケール防止剤を添加した場合と比較して、連続操業日数が長く、スクリーンの交換回数も少なかった。また、ホスホン酸系のスケール防止剤を添加した場合と比較しても連続操業日数が長かった。したがって、次亜塩素酸ナトリウム及び硫酸アンモニウムを添加することによって、安定な操業が可能となることが確認できた。

Claims (5)

  1. 離解工程、除塵工程、脱水工程、及び熟成(漂白)工程を有する古紙パルプ製造工程を循環する白水に、次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとを添加することを含む、古紙パルプ製造工程における炭酸カルシウムスケールの付着抑制方法。
  2. 次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとを残留塩素量と窒素とのモル比として1:1〜1:2となるように添加する、請求項1記載の付着抑制方法。
  3. 前記古紙パルプ製造工程を循環する白水のpHが9〜12である、請求項1又は2に記載の付着抑制方法。
  4. 次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとの混合物を、前記古紙パルプ製造工程を循環する白水に、有効塩素濃度として3〜20mg/Lとなるように添加することを含む、請求項1から3のいずれかに記載の付着抑制方法。
  5. 離解工程、除塵工程、脱水工程、及び熟成(漂白)工程を有する古紙パルプ製造工程を循環する白水に、次亜塩素酸塩と硫酸アンモニウム及び/又は塩化アンモニウムとを添加することを含む、古紙パルプの製造方法。
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