JP2014192437A - パッケージの製造方法、電子デバイスの製造方法、電子デバイス、電子機器、移動体および蓋体集合体 - Google Patents
パッケージの製造方法、電子デバイスの製造方法、電子デバイス、電子機器、移動体および蓋体集合体 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】生産性の良いパッケージの製造方法、電子デバイスの製造方法、電子デバイス、電子機器、移動体および蓋体集合体を提供すること。
【解決手段】本発明のパッケージの製造方法は、複数の蓋体130を有するリッド用基板600に含まれる少なくとも1つの蓋体130を、複数のベース領域120Aを備えるベース用基板200に含まれるベース領域120Aに位置決めする工程と、蓋体130とベース領域120Aとを接合する工程と、蓋体130をリッド用基板600から離脱させる工程と、を含む工程を複数回繰り返す。
【選択図】図11
【解決手段】本発明のパッケージの製造方法は、複数の蓋体130を有するリッド用基板600に含まれる少なくとも1つの蓋体130を、複数のベース領域120Aを備えるベース用基板200に含まれるベース領域120Aに位置決めする工程と、蓋体130とベース領域120Aとを接合する工程と、蓋体130をリッド用基板600から離脱させる工程と、を含む工程を複数回繰り返す。
【選択図】図11
Description
本発明は、パッケージの製造方法、電子デバイスの製造方法、電子デバイス、電子機器、移動体および蓋体集合体に関するものである。
従来から、振動素子等の電子部品をパッケージに収納して構成される電子デバイスが知られている。また、このような電子デバイスは、一般的に、振動素子を搭載したベース基板と蓋体とをメタライズ層を介して溶接により封止することにより製造することができる(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、ベース基板と蓋体とをパラレルシーム溶接して封止する方法が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載の方法では、例えば、パーツフィーダーから蓋体を1枚ずつ運び、ステージに載置されたベース基板に被せなければならないため、生産性が悪いという問題がある。
特許文献1には、ベース基板と蓋体とをパラレルシーム溶接して封止する方法が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載の方法では、例えば、パーツフィーダーから蓋体を1枚ずつ運び、ステージに載置されたベース基板に被せなければならないため、生産性が悪いという問題がある。
本発明の目的は、生産性の良いパッケージの製造方法、電子デバイスの製造方法、電子デバイス、電子機器、移動体および蓋体集合体を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本発明のパッケージの製造方法は、複数の蓋体を有する蓋体集合体の少なくとも1つの前記蓋体を、複数のベース領域を有するベース用基板の前記ベース領域に位置決めする工程と、
前記位置決めした蓋体と前記ベース領域とを接合する工程と、
前記接合した蓋体を前記蓋体集合体から分離させる工程と、を含むこと特徴とする。
これにより、蓋体およびベースをそれぞれ集合体として供給することができるため、パッケージの生産性が向上する。
[適用例1]
本発明のパッケージの製造方法は、複数の蓋体を有する蓋体集合体の少なくとも1つの前記蓋体を、複数のベース領域を有するベース用基板の前記ベース領域に位置決めする工程と、
前記位置決めした蓋体と前記ベース領域とを接合する工程と、
前記接合した蓋体を前記蓋体集合体から分離させる工程と、を含むこと特徴とする。
これにより、蓋体およびベースをそれぞれ集合体として供給することができるため、パッケージの生産性が向上する。
[適用例2]
本発明の電子デバイスの製造方法は、複数の蓋体を有する蓋体集合体の少なくとも1つの前記蓋体を、複数のベース領域を有するベース用基板のうち電子部品が搭載されたベース領域に位置決めする工程と、
前記位置決めした蓋体と前記ベース領域とを接合する工程と、
前記接合した蓋体を前記蓋体集合体から分離させる工程と、を含むことを特徴とする。
これにより、蓋体およびベースをそれぞれ集合体として供給することができるため、電子デバイスの生産性が向上する。
本発明の電子デバイスの製造方法は、複数の蓋体を有する蓋体集合体の少なくとも1つの前記蓋体を、複数のベース領域を有するベース用基板のうち電子部品が搭載されたベース領域に位置決めする工程と、
前記位置決めした蓋体と前記ベース領域とを接合する工程と、
前記接合した蓋体を前記蓋体集合体から分離させる工程と、を含むことを特徴とする。
これにより、蓋体およびベースをそれぞれ集合体として供給することができるため、電子デバイスの生産性が向上する。
[適用例3]
本発明の電子デバイスの製造方法では、前記複数の蓋体は、行列状に配列されており、
前記接合する工程では、同じ行に含まれる全ての前記蓋体を前記ベース領域に接合することが好ましい。
これにより、1行分をまとめて処理することができるため、電子デバイスの生産性が向上する。
[適用例4]
本発明の電子デバイスの製造方法では、前記接合する工程では、加圧治具を用いて前記蓋体を前記ベース領域に押し付けながらエネルギー線溶接することが好ましい。
これにより、蓋体とベース領域との接合が容易となる。
本発明の電子デバイスの製造方法では、前記複数の蓋体は、行列状に配列されており、
前記接合する工程では、同じ行に含まれる全ての前記蓋体を前記ベース領域に接合することが好ましい。
これにより、1行分をまとめて処理することができるため、電子デバイスの生産性が向上する。
[適用例4]
本発明の電子デバイスの製造方法では、前記接合する工程では、加圧治具を用いて前記蓋体を前記ベース領域に押し付けながらエネルギー線溶接することが好ましい。
これにより、蓋体とベース領域との接合が容易となる。
[適用例5]
本発明の電子デバイスの製造方法では、前記蓋体集合体は、前記複数の蓋体を支持する支持部を有し、
前記支持部は、前記加圧治具と係合する係合部を有していることが好ましい。
これにより、物理的に、蓋体集合体と加圧治具との位置決めを行うことができる。
[適用例6]
本発明の電子デバイスの製造方法では、前記蓋体集合体から分離させる工程では、エネルギー線を前記蓋体集合体に照射して分離させることが好ましい。
これにより、簡単に蓋体を蓋体集合体から分離することができる。
本発明の電子デバイスの製造方法では、前記蓋体集合体は、前記複数の蓋体を支持する支持部を有し、
前記支持部は、前記加圧治具と係合する係合部を有していることが好ましい。
これにより、物理的に、蓋体集合体と加圧治具との位置決めを行うことができる。
[適用例6]
本発明の電子デバイスの製造方法では、前記蓋体集合体から分離させる工程では、エネルギー線を前記蓋体集合体に照射して分離させることが好ましい。
これにより、簡単に蓋体を蓋体集合体から分離することができる。
[適用例7]
本発明の電子デバイスは、本発明の電子デバイスの製造方法によって製造されたことを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子デバイスが得られる。
[適用例8]
本発明の電子機器は、本発明の電子デバイスを備えていることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
本発明の電子デバイスは、本発明の電子デバイスの製造方法によって製造されたことを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子デバイスが得られる。
[適用例8]
本発明の電子機器は、本発明の電子デバイスを備えていることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
[適用例9]
本発明の移動体は、本発明の電子デバイスを備えていることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い移動体が得られる。
[適用例10]
本発明の蓋体用集合体は、複数の蓋体と、前記複数の蓋体を支持する支持部とを有し、ロール状に巻回されていることを特徴とする。
これにより、ベース用基板に供給し易く、かつ、保管に適した蓋体集合体となる。
本発明の移動体は、本発明の電子デバイスを備えていることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い移動体が得られる。
[適用例10]
本発明の蓋体用集合体は、複数の蓋体と、前記複数の蓋体を支持する支持部とを有し、ロール状に巻回されていることを特徴とする。
これにより、ベース用基板に供給し易く、かつ、保管に適した蓋体集合体となる。
以下、本発明のパッケージの製造方法、電子デバイスの製造方法、電子デバイス、電子機器、移動体および蓋体集合体を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.電子デバイス
図1は、本発明の電子デバイスを示す平面図、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、図1に示す電子デバイスが有する振動素子の平面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図2中の上側を「上」、下側を「下」として説明する。
図1および図2に示すように、電子デバイス100は、パッケージ110と、パッケージ110内に収容された電子部品としての振動素子190とを有している。
1.電子デバイス
図1は、本発明の電子デバイスを示す平面図、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、図1に示す電子デバイスが有する振動素子の平面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図2中の上側を「上」、下側を「下」として説明する。
図1および図2に示すように、電子デバイス100は、パッケージ110と、パッケージ110内に収容された電子部品としての振動素子190とを有している。
1−1.振動素子
図3(a)、(b)に示すように、振動素子190は、平面視形状が長方形(矩形)の板状をなす圧電基板191と、圧電基板191の表面に形成された導電性の1対の導体層193、195とを有している。なお、図3(a)は、振動素子190を上方から見た平面図であり、同図(b)は、振動素子190を上方から見た透過図(平面図)である。
図3(a)、(b)に示すように、振動素子190は、平面視形状が長方形(矩形)の板状をなす圧電基板191と、圧電基板191の表面に形成された導電性の1対の導体層193、195とを有している。なお、図3(a)は、振動素子190を上方から見た平面図であり、同図(b)は、振動素子190を上方から見た透過図(平面図)である。
圧電基板191は、主として厚み滑り振動をする水晶素板である。
本実施形態では、圧電基板191としてATカットと呼ばれるカット角で切り出された水晶素板を用いている。なお、ATカットとは、水晶の結晶軸であるX軸とZ軸とを含む平面(Y面)をX軸回りにZ軸から反時計方向に約35度15分程度回転させて得られる主面(X軸とZ’軸とを含む主面)を有するように切り出すことを言う。
また、圧電基板191は、その長手方向が水晶の結晶軸であるX軸と一致している。
本実施形態では、圧電基板191としてATカットと呼ばれるカット角で切り出された水晶素板を用いている。なお、ATカットとは、水晶の結晶軸であるX軸とZ軸とを含む平面(Y面)をX軸回りにZ軸から反時計方向に約35度15分程度回転させて得られる主面(X軸とZ’軸とを含む主面)を有するように切り出すことを言う。
また、圧電基板191は、その長手方向が水晶の結晶軸であるX軸と一致している。
導体層193は、圧電基板191の上面に形成された励振電極193aと、圧電基板191の下面に形成されたボンディングパッド193bと、励振電極193aとボンディングパッド193bとを電気的に接続する配線193cとを有している。
一方、導体層195は、圧電基板191の下面に形成された励振電極195aと、圧電基板191の下面に形成されたボンディングパッド195bと、励振電極195aおよびボンディングパッド195bを電気的に接続する配線195cとを有している。
一方、導体層195は、圧電基板191の下面に形成された励振電極195aと、圧電基板191の下面に形成されたボンディングパッド195bと、励振電極195aおよびボンディングパッド195bを電気的に接続する配線195cとを有している。
励振電極193aおよび励振電極195aは、圧電基板191を介して互いに対向して設けられ、互いにほぼ同じ形状をなしている。すなわち、圧電基板191を平面視したとき、励振電極193aおよび励振電極195aは、互いに重なるように位置し、かつ、互いの輪郭が一致するように形成されている。
また、ボンディングパッド193b、195bは、圧電基板191の下面の図3中右側の端部に互いに離間して形成されている。
また、ボンディングパッド193b、195bは、圧電基板191の下面の図3中右側の端部に互いに離間して形成されている。
このような導体層193、195は、例えば、圧電基板191上に蒸着やスパッタリング等の気相成膜法によってニッケル(Ni)またはクロム(Cr)の下地層を成膜した後、下地層の上に蒸着やスパッタリングによって金(Au)の電極層を成膜し、その後フォトリソグラフィー技法およびエッチング技法を用いて、所望の形状にパターニングすることにより形成することができる。このように、下地層を形成することにより、圧電基板191と電極層との接着性が向上し、信頼性の高い振動素子190が得られる。
なお、導体層193、195の構成は、上述した構成に限定されない。例えば、下地層を省略してもよいし、導体層193、195の構成材料を上述した金属以外の導電性を有する材料(例えば、銀(Ag)、銅(Cu)、タングステン(W)、モリブテン(Mo)等の各種金属材料)としてもよい。
なお、導体層193、195の構成は、上述した構成に限定されない。例えば、下地層を省略してもよいし、導体層193、195の構成材料を上述した金属以外の導電性を有する材料(例えば、銀(Ag)、銅(Cu)、タングステン(W)、モリブテン(Mo)等の各種金属材料)としてもよい。
1−2.パッケージ
図1および図2に示すように、パッケージ110は、上面に開放する凹部121を有するベース120と、凹部121の開口を塞ぐリッド130(蓋体)とを有している。このようなパッケージ110では、リッド130により塞がれた凹部121の内側が前述した振動素子190を収納する収納空間Sとして機能する。
図1および図2に示すように、パッケージ110は、上面に開放する凹部121を有するベース120と、凹部121の開口を塞ぐリッド130(蓋体)とを有している。このようなパッケージ110では、リッド130により塞がれた凹部121の内側が前述した振動素子190を収納する収納空間Sとして機能する。
ベース120は、板状の基部123と、基部123の上面に設けられた枠状の側壁124とを有し、これによりベース120の上面の中央部に開放する凹部121が形成されている。
ベース120の構成材料としては、絶縁性を有していれば、特に限定されず、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の酸化物系セラミックス、窒化珪素、窒化アルミ、窒化チタン等の窒化物系セラミックス、炭化珪素等の炭化物系セラミックス等の各種セラミックスなどを用いることができる。
ベース120の構成材料としては、絶縁性を有していれば、特に限定されず、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の酸化物系セラミックス、窒化珪素、窒化アルミ、窒化チタン等の窒化物系セラミックス、炭化珪素等の炭化物系セラミックス等の各種セラミックスなどを用いることができる。
基部123の上面には、1対の接続電極141、151が形成されている。一方、基部123の下面には、1対の外部実装電極142、152が形成されている。そして、基部123には、その厚さ方向に貫通する貫通電極143、153が形成されており、貫通電極143を介して接続電極141と外部実装電極142とが電気的に接続され、貫通電極153を介して接続電極151と外部実装電極152とが電気的に接続されている。
接続電極141、151、外部実装電極142、152および貫通電極143、153の構成材料としては、特に限定されず、例えば、金(Au)、金合金、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金、クロム(Cr)、クロム合金、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)等の金属材料を用いることができる。
また、側壁124の上面には、枠状のメタライズ層170が設けられている。このメタライズ層170は、後述するろう材131との密着性を高めるものである。これにより、ろう材131によるベース120とリッド130との接合強度を高めることができる。
メタライズ層170の構成材料としては、ろう材131との密着性を高めることができるものであれば、特に限定されないが、例えば、前述した接続電極141、151等の構成材料で挙げたような金属材料を用いることができる。
メタライズ層170の構成材料としては、ろう材131との密着性を高めることができるものであれば、特に限定されないが、例えば、前述した接続電極141、151等の構成材料で挙げたような金属材料を用いることができる。
リッド130は、平板状をなしている。そして、リッド130の下面には、その縁部に沿って枠状のろう材131が設けられている。
このようなリッド130は、ろう材131とメタライズ層170との溶着によりベース120に接合されている。なお、ろう材131は、リッド130の下面全域に形成されていてもよい。
このようなリッド130は、ろう材131とメタライズ層170との溶着によりベース120に接合されている。なお、ろう材131は、リッド130の下面全域に形成されていてもよい。
ろう材131としては、特に限定されず、例えば、金ろう、銀ろうなどを用いることができるが、銀ろうを用いるのが好ましい。また、ろう材131の融点としては、特に限定されないが、例えば、800℃以上1000℃以下程度であるのが好ましい。
また、リッド130の構成材料としては、特に限定されないが、金属材料が好適に用いられ、その中でも、ベース120の構成材料と線膨張係数が近似する金属材料を用いることが好ましい。したがって、例えば、ベース120をセラミックス基板とした場合には、リッド130の構成材料としてはコバール等の合金を用いることが好ましい。
また、リッド130の構成材料としては、特に限定されないが、金属材料が好適に用いられ、その中でも、ベース120の構成材料と線膨張係数が近似する金属材料を用いることが好ましい。したがって、例えば、ベース120をセラミックス基板とした場合には、リッド130の構成材料としてはコバール等の合金を用いることが好ましい。
このようなパッケージ110の収納空間Sには、前述した振動素子190が収納されている。収納空間Sに収納された振動素子190は、1対の導電性接着剤161、162を介してベース120に片持ち支持されている。
導電性接着剤161は、接続電極141とボンディングパッド193bとに接触して設けられており、これにより、接続電極141とボンディングパッド193bとを電気的に接続している。同様に、導電性接着剤162は、接続電極151とボンディングパッド195bとに接触して設けられており、これにより、接続電極151とボンディングパッド195bとを電気的に接続している。
導電性接着剤161は、接続電極141とボンディングパッド193bとに接触して設けられており、これにより、接続電極141とボンディングパッド193bとを電気的に接続している。同様に、導電性接着剤162は、接続電極151とボンディングパッド195bとに接触して設けられており、これにより、接続電極151とボンディングパッド195bとを電気的に接続している。
2.電子デバイスの製造方法
次に、本発明の電子デバイスの製造方法(本発明のパッケージの製造方法)を前述した電子デバイス100の製造方法に適用した場合を一例として説明する。なお、以下に記載の製造方法は、一例であって、電子デバイス100の製造方法は、以下に記載の方法に限定されない。
次に、本発明の電子デバイスの製造方法(本発明のパッケージの製造方法)を前述した電子デバイス100の製造方法に適用した場合を一例として説明する。なお、以下に記載の製造方法は、一例であって、電子デバイス100の製造方法は、以下に記載の方法に限定されない。
図4は、ベース用基板の平面図、図5は、リッド用基板の平面図、図6は、図5に示すリッド用基板の拡大図、図7は、図5に示すリッド用基板の全体図、図8は、ベース用基板に振動素子を搭載した状態を示す平面図、図9は、加圧治具の断面図、図10は、図9に示す加圧治具の平面図、図11ないし図16は、図1に示す電子デバイスの製造方法(本発明の電子デバイスの製造方法)を説明するための平面図である。
電子デバイス100の製造方法は、ベース用基板200とリッド用基板600とを用意する第1工程と、ベース用基板200に振動素子190を実装する第2工程と、ベース用基板200とリッド130とを接合する第3工程と、ベース用基板200を個片化する第4工程とを有している。以下、各工程を順次詳細に説明する。
電子デバイス100の製造方法は、ベース用基板200とリッド用基板600とを用意する第1工程と、ベース用基板200に振動素子190を実装する第2工程と、ベース用基板200とリッド130とを接合する第3工程と、ベース用基板200を個片化する第4工程とを有している。以下、各工程を順次詳細に説明する。
[第1工程]
まず、ベース用基板200と、リッド用基板(蓋体集合体)600とを用意する。
ベース用基板200は、図4に示すように、一方の面にマトリクス状(行列状)に配置された複数のベース領域120Aを有し、各ベース領域120Aには凹部121が形成されている。このベース用基板200は、第3工程において各ベース領域120Aで個片化されることにより、複数のベース120となるベース基板である。なお、本実施形態では、4行×4列、計16個のベース領域120Aを有するベース用基板200について代表して説明するが、ベース領域120Aの数は、これに限定されない。
まず、ベース用基板200と、リッド用基板(蓋体集合体)600とを用意する。
ベース用基板200は、図4に示すように、一方の面にマトリクス状(行列状)に配置された複数のベース領域120Aを有し、各ベース領域120Aには凹部121が形成されている。このベース用基板200は、第3工程において各ベース領域120Aで個片化されることにより、複数のベース120となるベース基板である。なお、本実施形態では、4行×4列、計16個のベース領域120Aを有するベース用基板200について代表して説明するが、ベース領域120Aの数は、これに限定されない。
このようなベース用基板200は、例えば、セラミックス粉末(セラミックス材料)と、ガラス粉末(ガラス材料)とを用意し、これら粉末原料とバインダーとを混合した材料を成形してグリーンシートを得、このグリーンシートを焼結処理することによりセラミックス基板を得、このセラミックス基板に気相成膜法を用いてメタライズ層170を形成することにより得ることができる。また、図示しないが、外部実装電極142、152および貫通電極143、153も、それぞれ、メタライズ層170と同様にして形成することができる。
リッド用基板600は、図5に示すように、長尺状(帯状)をなしている。また、リッド用基板600は、幅方向両側に位置し、長手方向に延在する一対のリードフレーム(支持部)610、620と、一対のリードフレーム610、620の間に位置し、リードフレーム610、620に連結支持されている複数のリッド(蓋体)130とを有している。複数のリッド130は、リッド用基板600の長手方向および幅方向に並んでマトリクス状に配置されている。リッド用基板600は、リッド130の配設ピッチがベース用基板200が有するベース領域120Aの配設ピッチ(行ピッチおよび列ピッチ)と等しくなるように製造される。なお、本実施形態では、4列のリッド130を有するリッド用基板600について代表して説明するが、リッド130の列数としては、4列に限定されず、1〜3列であってもよいし、5列以上であってもよい。
隣り合うリッド130同士は、連結梁630によって互いに連結されている。また、最もリードフレーム610側の列に含まれる各リッド130は、サイド連結梁640によってリードフレーム610に連結されている。また、最もリードフレーム620側の列に含まれる各リッド130は、サイド連結梁650によってリードフレーム620に連結されている。
連結梁630は、図6に示すように、2列×2行に並び合う4つのリッド130(130a〜130d)の中央に位置し、斜め方向に隣り合う1組のリッド130a、130dの角部同士を連結する棒状の梁631と、残りの1組のリッド130b、130cの角部同士を連結する棒状の梁632とを有し、これら梁631、632が交差した略十字状をなしている。また、梁631、632の交差部には円形の貫通孔633が形成されている。
このような構成とすることで、連結梁630の平面的な広がりが抑えられ、かつ、連結梁630の質量を小さくすることができる。そのため、後の第3工程にて、連結梁630を簡単に切断(除去)することができる。また、その配置上、連結梁630を除去する際に発生する熱が周囲の4つのリッド130a〜130dに伝わり難く、リッド130a〜130dが受ける熱ダメージを低減することができる。また、連結梁630の質量が小さいので、その溶融物、気化物の周囲のリッド130への付着量を減らすことができる。特に貫通孔633によって肉抜きされているため、この効果を顕著に発揮することができる。
なお、連結梁630の構成としては、リッド130a〜130dを連結することができれば、上記の構成に限定されず、例えば、貫通孔633を省略してもよい。また、リッド130a、130bを繋ぐ梁と、リッド130c、130dを繋ぐ梁と、リッド130a、130cを繋ぐ梁と、リッド130b、130dを繋ぐ梁とを有する構成であってもよい。
また、サイド連結梁640は、最もリードフレーム610側に位置する列内で隣り合う2つのリッド130、130と、リードフレーム610との間に位置し、2つのリッド130、130の角部同士とリードフレーム610の内縁部とを連結している。サイド連結梁640は、三股に分かれた略Y字状をなし、3つの脚部が一方のリッド130、他方の130およびリードフレーム610に接続されている。
サイド連結梁650は、サイド連結梁640と同様の構成である。すなわち、サイド連結梁650は、最もリードフレーム620側に位置する列内で隣り合う2つのリッド130、130と、リードフレーム620との間に位置し、2つのリッド130、130の角部同士とリードフレーム620の内縁部とを連結している。サイド連結梁650は、三股に分かれた略Y字状をなし、3つの脚部が一方のリッド130、他方の130およびリードフレーム620に接続されている。
このような構成とすることで、サイド連結梁640、650の数を抑えることができる。また、各サイド連結梁640、650の平面的な広がりが抑えられ、かつ、サイド連結梁640、650の質量を小さくすることができる。そのため、後の第3工程にて、サイド連結梁640、650を簡単に切断することができる。また、その配置上、サイド連結梁640、650を除去する際に発生する熱が周囲のリッド130に伝わり難く、リッド130が受ける熱ダメージを低減することができる。また、サイド連結梁640、650の質量が小さいので、その溶融物、気化物の周囲のリッド130への付着量を減らすことができる。なお、サイド連結梁640、650の構成としては、同様の効果を発揮することができれば、上記の構成に限定されず、例えば、連結梁630のように中央部に貫通孔が形成されていてもよい。
図5に示すように、各リードフレーム610、620は、長手方向に沿って等間隔に形成された複数の貫通孔(係合部)611、621を有している。また、複数の貫通孔611、621は、2行のリッド130に対して1つの間隔で形成されている。これら貫通孔611、621は、後述する加圧治具400とリッド用基板600との位置決めを行うのに用いられるパイロットホールである。そのため、加圧治具400とリッド用基板600との位置決めを物理的に行うことができ、当該位置決めを簡単かつ正確に行うことができる。なお、貫通孔611、621の形成間隔としては、特に限定されず、1行に1つの間隔で形成されていてもよいし、3行に1つの間隔で形成されていてもよい。また、押圧部42との位置決めを行うことができれば、貫通孔611、621に替えて有底の凹部を用いてもよい。
このようなリッド用基板600は、42アロイ、コバール等の合金(金属材料)で構成された基板の一方の面に、銀ろう等のろう材を層状に形成し、その後、パンチング、エッチング等によってパターニング(不要部分を除去)することによって得られる。特に、パンチングを用いることによって、他の方法と比較して安価に、かつ精度よく、リッド用基板600を得ることができる。
以上、リッド用基板600について説明した。このリッド用基板600は、図7に示すように、ロール状に巻回されたロール体となっており、一端側から巻き出されてベース用基板200に供給される。このように、ロール状にしておくことで、リッド130の破損を抑制することができるし、保管にも便利である。また、リッド用基板600の装置へのセットも容易に行うことができる。なお、リッド用基板600は、リッド130の裏面(ろう材が設けられている側の面)が内側となるように巻き取られてもよしい、外側になるように巻き取られていてもよい。
また、リッド用基板600によれば、リッド130の洗浄が容易となる。個片化されている複数のリッド130を洗浄する場合には、リッド130が細かいため取り扱いが面倒であったり、洗浄中に複数のリッド130が貼り付くおそれがあったりするが、リッド用基板600であれば、このような問題が生じず、よって、リッド130の洗浄を容易に行うことができる。
[第2工程]
次に、図8に示すように、各ベース領域120Aに振動素子190を実装する。すなわち、ベース用基板200の各凹部121内に導電性接着剤161、162により振動素子190を固定・設置する。
次に、図8に示すように、各ベース領域120Aに振動素子190を実装する。すなわち、ベース用基板200の各凹部121内に導電性接着剤161、162により振動素子190を固定・設置する。
[第3工程]
次に、ベース用基板200とリッド130とを接合する。本工程を説明するのに先立って、本工程で用いられる加圧治具400について説明する。
図9に示すように、加圧治具400は、本体410と、本体410の下端部に設けられた押圧部420とを有している。押圧部420は、板状をなしており、その厚さ方向に貫通する5つの開口部422と、隣り合う2つの開口部422同士の間に位置し、平面部421から突出している4つの押え部423とを有している。そして、本工程では、押え部423によってリッド130をベース用基板200へ押え付け、その状態で、開口部422を介してレーザー光LLをリッド130に照射することにより、リッド130をベース用基板200に接合する。
次に、ベース用基板200とリッド130とを接合する。本工程を説明するのに先立って、本工程で用いられる加圧治具400について説明する。
図9に示すように、加圧治具400は、本体410と、本体410の下端部に設けられた押圧部420とを有している。押圧部420は、板状をなしており、その厚さ方向に貫通する5つの開口部422と、隣り合う2つの開口部422同士の間に位置し、平面部421から突出している4つの押え部423とを有している。そして、本工程では、押え部423によってリッド130をベース用基板200へ押え付け、その状態で、開口部422を介してレーザー光LLをリッド130に照射することにより、リッド130をベース用基板200に接合する。
4つの押え部423は、リッド用基板600の行方向(幅方向)に並ぶ4つのリッド130と同ピッチで配置されている。また、4つの押え部423は、それぞれ、リッド用基板600の列方向に並ぶ2つのリッド130を同時にベース用基板200に押し当てることのできる長さに設定されている。また、押え部423の幅は、凹部121の幅よりも小さく設定されている。
一方、5つの開口部422は、それぞれ、一方向に延びるスリット状をなしている。また、5つの開口部422は、それぞれ、リッド用基板600の列方向に並ぶ3つの連結梁630を同時に内包することができる長さに設定されている。
つまり、押圧部420によれば、図10に示すように、リッド用基板600に含まれる2行×4列のリッド130を同時にベース用基板200に押し当てることができる。さらに、押し当てた状態では、押し当てられた各リッド130の各角部(四隅)と、押し当てられた各リッド130に連結している全ての連結梁630および全てのサイド連結梁640、650が、開口部422から露出している。そのため、開口部422を介してこれら各領域にレーザー光LLを照射することができる。
つまり、押圧部420によれば、図10に示すように、リッド用基板600に含まれる2行×4列のリッド130を同時にベース用基板200に押し当てることができる。さらに、押し当てた状態では、押し当てられた各リッド130の各角部(四隅)と、押し当てられた各リッド130に連結している全ての連結梁630および全てのサイド連結梁640、650が、開口部422から露出している。そのため、開口部422を介してこれら各領域にレーザー光LLを照射することができる。
また、押圧部420は、押え部423および開口部422が形成されている領域の両側に位置する1対のピン425、426を有している。ピン425は、リッド用基板600の一方のリードフレーム610に形成された貫通孔611に挿入されるピンであり、ピン426は、他方のリードフレームに620に形成された貫通孔621に挿入されるピンである。これらピン425、426は、押圧部420とリッド用基板600との位置決めを行うためのピンであり、ピン425、426が貫通孔611、621に挿入されることにより、挿入された貫通孔611、621に対応する2行×4列のリッド130と押圧部420との位置決めを図10に示したように精度よく行うことができる。
以上、加圧治具400の構成について説明した。このような加圧治具400を用いた本工程は、以下の通りである。
まず、図示しないステージ上にベース用基板200を配置する。次に、図11に示すように、図示しない搬送装置(巻出装置)によってロール状のリッド用基板600を巻出し、ベース用基板200上に配置する。前述したように、リッド用基板600は、リッド130の配設ピッチがベース領域120Aの配設ピッチと等しくなるように製造されているため、各ベース領域120Aの上方に、それに対応するリッド130が正確に位置する状態となるはずである。
まず、図示しないステージ上にベース用基板200を配置する。次に、図11に示すように、図示しない搬送装置(巻出装置)によってロール状のリッド用基板600を巻出し、ベース用基板200上に配置する。前述したように、リッド用基板600は、リッド130の配設ピッチがベース領域120Aの配設ピッチと等しくなるように製造されているため、各ベース領域120Aの上方に、それに対応するリッド130が正確に位置する状態となるはずである。
しかしながら、セラミックスで構成されたベース用基板200は、製造(焼成)時の収縮を制御することが非常に困難であり、ベース領域120Aの配設ピッチが設定値からずれる場合が殆どである。そのため、ベース領域120Aの配設ピッチとリッド130の配設ピッチとにずれが生じ、位置合わせの基準位置から遠ざかる程、ベース領域120Aとリッド130との位置ずれが大きくなる。具体的には、例えば、図11中の左上に位置するベース領域120Aを基準位置としてリッド用基板600との位置合わせを行った場合、このベース領域120Aから遠ざかる程、リッド130の位置ずれが大きくなり、図中右下に位置するベース領域120Aでリッド130の位置ずれが最大となる。ベース領域120Aに対するリッド130の位置ずれが大きくなると、リッド130によって凹部121を封止することができず、パッケージ110としての機能を発揮することができなくなる。
そこで、本工程は、リッド用基板600を、比較的少ない数のリッド130を含む複数の領域R1に分け、領域R1毎にリッド130とベース用基板200との位置決め、リッド130とベース用基板200との接合、リッド130のリッド用基板600からの離脱を行う。これにより、上述したような位置ずれの問題が解消される。
領域R1に含まれるリッド130の数は、位置ずれを低減するという観点からすると少ない程好ましいが、少なくするほど生産性が低下する。したがって、領域R1には、位置ずれの最大値が許容範囲内に収まる限り、多くのリッド130が含まれているのが好ましい。本実施形態では、2行×4列、計8個のリッド130が1つの領域R1に含まれている場合について代表して説明する。製造する電子デバイス100のサイズにもよるが、ベース120の外形が2.0mm×1.6mm程度、リッド130の外形が1.9mm×1.5mm程度の場合には、位置ずれの許容範囲は、±30μmとされ、この場合には、本実施形態のように、2行×4列、計8個のリッド130を領域1に含めることにより、位置ずれの低減と生産性の確保の両立を図ることができる。
領域R1に含まれるリッド130の数は、位置ずれを低減するという観点からすると少ない程好ましいが、少なくするほど生産性が低下する。したがって、領域R1には、位置ずれの最大値が許容範囲内に収まる限り、多くのリッド130が含まれているのが好ましい。本実施形態では、2行×4列、計8個のリッド130が1つの領域R1に含まれている場合について代表して説明する。製造する電子デバイス100のサイズにもよるが、ベース120の外形が2.0mm×1.6mm程度、リッド130の外形が1.9mm×1.5mm程度の場合には、位置ずれの許容範囲は、±30μmとされ、この場合には、本実施形態のように、2行×4列、計8個のリッド130を領域1に含めることにより、位置ずれの低減と生産性の確保の両立を図ることができる。
また、本実施形態のように、1つの領域R1には、同じ行に含まれる全てのリッド130が含まれているのが好ましい。すなわち、1つの領域R1は、行単位で設定することが好ましい。これにより、同じ行に含まれる全てのリッド130を一度にベース用基板200に接合することができる。そのため、各リッド130の位置決めを精度よく行うことができる。仮に、同じ行に含まれるリッド130が別々の領域R1に含まれている場合、先にベース用基板200に接合されたリッド130がリッド用基板600から切り離されると、後にベース用基板200に接合されるリッド130が、リードフレーム610、620の一方に片持ち支持された状態となってしまい、ベース用基板200への位置決めを精度よく行えないおそれが生じる。
以下、本工程を具体的に説明する。
(1)
まず、1つの領域R1(R11)に含まれる8つのリッド130を、ベース用基板200の1行目の1列目〜4列目および2行目の1列目〜4列目の各ベース領域120Aに接合する。
(1)
まず、1つの領域R1(R11)に含まれる8つのリッド130を、ベース用基板200の1行目の1列目〜4列目および2行目の1列目〜4列目の各ベース領域120Aに接合する。
具体的には、まず、加圧治具400によって、領域R11内の各リッド130を対応するベース領域120Aに押し当てる。この時、ピン425、426が領域R11の両側に位置する貫通孔611、621に挿入されることにより、リッド用基板600と押圧部420との位置決めが行われ、また、カメラ(図示せず)等を用いた位置制御により、押圧部420とベース用基板200との位置決めが行われる。これにより、図12に示すように、領域R11内の各リッド130と、それに対応するベース領域120Aとの位置決めが精度よく行われるとともに、領域R11内の各リッド130が押え部423によってベース用基板200に押し付けられた状態となる。
次に、領域R11内の各リッド130の各角部に向けて、開口部422を介してレーザー光LLを順に照射し、領域R11内の各リッド130を対応するベース領域120Aに接合する。これにより、各リッド130が対応するベース領域120Aに仮止めされた状態となる。レーザー溶接の際、加圧治具400で各リッド130をベース用基板200に押し付けることにより、ろう材とメタライズ層が密着し、レーザー光LLの熱が伝わり易くなるため、リッド130とベース領域120Aとの接合をより確実に行うことができる。なお、説明の便宜上、図13にて、リッド130とベース領域120Aとの溶接個所を黒丸で図示している。
そして、各リッド130の仮止めを終えたら、領域R11内の各リッド130に連結している全ての連結梁630およびサイド連結梁640、650に向けて、開口部422を介してレーザー光LLを順に照射し、連結梁630およびサイド連結梁640、650を切断(除去)する。これにより、図13に示すように、領域R11内の各リッド130がリッド用基板600から切り離され、分離する。
以上により、ベース用基板200の1行目の1列目〜4列目および2行目の1列目〜4列目の計8つのベース領域120Aにリッド130が仮止めされた状態となる。
以上により、ベース用基板200の1行目の1列目〜4列目および2行目の1列目〜4列目の計8つのベース領域120Aにリッド130が仮止めされた状態となる。
(2)
次に、前記ステージを動かすなどして、ベース用基板200とリッド用基板600との位置関係を変更し、前記(1)と同様にして、リッド用基板600の1つの領域R1(R12)に含まれるリッド130を、ベース用基板200の3行目の1列目〜4列目および4行目の1列目〜4列目の各ベース領域120Aに接合する。
次に、前記ステージを動かすなどして、ベース用基板200とリッド用基板600との位置関係を変更し、前記(1)と同様にして、リッド用基板600の1つの領域R1(R12)に含まれるリッド130を、ベース用基板200の3行目の1列目〜4列目および4行目の1列目〜4列目の各ベース領域120Aに接合する。
具体的には、まず、加圧治具400によって、領域R12内の各リッド130を対応するベース領域120Aに押し当てる。この時、ピン425、426が領域R12の両側に位置する貫通孔611、621に挿入されることにより、リッド用基板600と押圧部420との位置決めが行われ、また、カメラ(図示せず)等を用いた位置制御により、押圧部420とベース用基板200との位置決めが行われる。これにより、図14に示すように、領域R12内の各リッド130と、それに対応するベース領域120Aとの位置決めが精度よく行われるとともに、領域R12内の各リッド130が押え部423によってベース用基板200に押し付けられた状態となる。
次に、領域R12内の各リッド130の各角部に向けて、開口部422を介してレーザー光LLを順に照射し、各リッド130を対応するベース領域120Aに接合する。これにより、各リッド130が対応するベース領域120Aに仮止めされた状態となる。レーザー溶接の際、加圧治具400で各リッド130をベース用基板200に押し付けることにより、ろう材とメタライズ層が密着し、レーザー光LLの熱が伝わり易くなるため、リッド130とベース領域120Aとの接合をより確実に行うことができる。なお、説明の便宜上、図15にて、リッド130とベース領域120Aの溶接個所を黒丸で図示している。
各リッド130の仮止めを終えたら、領域R12内の各リッド130に連結している全ての連結梁630およびサイド連結梁640、650に向けて、開口部422を介してレーザー光LLを順に照射し、連結梁630およびサイド連結梁640、650を切断(除去)する。これにより、図15に示すように、領域R12内の各リッド130がリッド用基板600から切り離される。
以上によって、ベース用基板200の全てのベース領域120Aにリッド130が仮止めされた状態となる。
以上によって、ベース用基板200の全てのベース領域120Aにリッド130が仮止めされた状態となる。
全てのベース領域120Aにリッド130が仮止めされたベース用基板200は、別のレーザー溶接装置に運ばれ、例えば、減圧環境下で、各リッド130の外周縁の全域をベース用基板200に溶接する。これにより、各リッド130と各ベース領域120Aとがメタライズ層の全周(全域)で溶接され、気密的に封止される。
ここで、前述したように、梁630、640、650が工夫された形状、配置であるため、これら梁630、640、650の溶融物、気化物が周囲のリッド130へ付着し難い。そのため、リッド130上に金属付着物によるバリが形成され難く、各リッド130と各ベース領域120Aとの溶接をより確実に行うことができる。仮に、リッド130上にバリが発生してしまうと、レーザー光LLの熱が前記バリで拡散し、その直下にあるろう材に充分に伝わらず、リッド130とベース領域120Aの溶接が不十分となるおそれがある。仮に、溶融物、気化物がリッド130に付着したとしても、その量は少量であるため、レーザー溶接を阻害するまでには至らない。また、溶融物、気化物がリッド130に付着したとしても、その場所は、各梁630、640、650の近位に位置する角部である。角部は、既に溶接されている箇所であるため、後の溶接工程には実質的に影響がない。
ここで、前述したように、梁630、640、650が工夫された形状、配置であるため、これら梁630、640、650の溶融物、気化物が周囲のリッド130へ付着し難い。そのため、リッド130上に金属付着物によるバリが形成され難く、各リッド130と各ベース領域120Aとの溶接をより確実に行うことができる。仮に、リッド130上にバリが発生してしまうと、レーザー光LLの熱が前記バリで拡散し、その直下にあるろう材に充分に伝わらず、リッド130とベース領域120Aの溶接が不十分となるおそれがある。仮に、溶融物、気化物がリッド130に付着したとしても、その量は少量であるため、レーザー溶接を阻害するまでには至らない。また、溶融物、気化物がリッド130に付着したとしても、その場所は、各梁630、640、650の近位に位置する角部である。角部は、既に溶接されている箇所であるため、後の溶接工程には実質的に影響がない。
以上、第3工程について説明した。なお、本実施形態では、ベース用基板200へのリッド130の仮止めと、リッド130の最終的な溶接とを別々の装置で行う場合について説明したが、これに限定されず、加圧治具400を用いた溶接時に、最終的な溶接まで行ってもよい。また、レーザー光LLとしては、上記の溶接を実現することができれば、特に限定されず炭酸ガスレーザー、エキシマーレーザー、YAGレーザー等を用いることができる。また、レーザー光LLの他、例えば、放射線、電子線、レーザー、イオンビーム等の各種エネルギー線を用いてもよい。
[第4工程]
次に、図16に示すように、ベース用基板200を個片化する。これにより、16個の電子デバイス100が得られる。かかる個片化の方法は、特に限定されず、例えば、ダイシングソーやレーザーを用いて行うことができる。
以上、電子デバイス100の製造方法について説明した。このような電子デバイス100の製造方法によれば、優れた位置精度で全てのリッド130をベース用基板200に接合することができるため、優れた信頼性を有する電子デバイス100を高い歩留まりで製造することができる。
次に、図16に示すように、ベース用基板200を個片化する。これにより、16個の電子デバイス100が得られる。かかる個片化の方法は、特に限定されず、例えば、ダイシングソーやレーザーを用いて行うことができる。
以上、電子デバイス100の製造方法について説明した。このような電子デバイス100の製造方法によれば、優れた位置精度で全てのリッド130をベース用基板200に接合することができるため、優れた信頼性を有する電子デバイス100を高い歩留まりで製造することができる。
3.電子機器
次いで、本発明の電子デバイスを適用した電子機器について、図17〜図20に基づき、詳細に説明する。
図17は、本発明の電子デバイスを備える電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1000を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、フィルター、共振器、基準クロック等として機能する電子デバイス100が内蔵されている。
次いで、本発明の電子デバイスを適用した電子機器について、図17〜図20に基づき、詳細に説明する。
図17は、本発明の電子デバイスを備える電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1000を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、フィルター、共振器、基準クロック等として機能する電子デバイス100が内蔵されている。
図18は、本発明の電子デバイスを適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1000が配置されている。このような携帯電話機1200には、フィルター、共振器等として機能する電子デバイス100が内蔵されている。
図19は、本発明の電子デバイスを備える電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなディジタルスチルカメラ1300には、フィルター、共振器等として機能する電子デバイス100が内蔵されている。
図20は、本発明の電子デバイスを備える電子機器を適用した移動体(自動車)の構成を示す斜視図である。自動車1500には、例えば、ジャイロセンサーとして本発明の電子デバイスが組み込まれる。この場合は、電子部品として、振動素子190に換えて角速度検出素子を用いた電子デバイス100’を用いることができる。このような電子デバイス100’によれば、車体1501の姿勢を検出することができる。電子デバイス100’の検出信号は、車体姿勢制御装置1502に供給され、車体姿勢制御装置1502は、その信号に基づいて車体1501の姿勢を検出し、検出結果に応じてサスペンションの硬軟を制御したり、個々の車輪1503のブレーキを制御したりすることができる。その他、このような姿勢制御は、二足歩行ロボットやラジコンヘリコプターで利用することができる。以上のように、各種移動体の姿勢制御の実現にあたって、電子デバイス100’が組み込まれる。
以上説明したような電子機器または移動体は、電子デバイス100または電子デバイス100’を備えるので、優れた信頼性を有する。
以上説明したような電子機器または移動体は、電子デバイス100または電子デバイス100’を備えるので、優れた信頼性を有する。
なお、本発明の電子デバイスを備える電子機器は、図17のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図18の携帯電話機、図19のディジタルスチルカメラ、図20の移動体の他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等に適用することができる。
以上、本発明のパッケージの製造方法、電子デバイスの製造方法、電子デバイス、電子機器、移動体および蓋体集合体について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、前述した実施形態では、電子デバイスが有するパッケージをキャビティ型のベース用基板と、板状のリッドとを接合してなる構成としたが、パッケージの構成は、これに限定されない。例えば、板状のベース用基板と、キャビティ型のリッドとを接合した構成としてもよい。
また、電子デバイスが有する電子部品としては、前述した振動素子に限定されない。かかる電子部品としては、例えば、音叉型の水晶振動子、SAW共振器、角速度検出素子、加速度検出素子等であってもよい。また、電子デバイスが有するパッケージの収納空間内には、複数の電子部品が収納されていてもよい。この場合、複数の電子部品は、互いに異なっていてもよいし、互いに同じであってもよい。
また、電子デバイスが有するパッケージ内には、電子部品の駆動を制御したり、電子部品からの信号を受信したりするICチップ等が収納されていてもよい。ICチップを収納する場合には、ICチップを電子部品の隣に並設してもよいし、ICチップをケーシングの厚さ方向に電子部品と重なるように配置してもよい。
また、電子デバイスが有する電子部品としては、前述した振動素子に限定されない。かかる電子部品としては、例えば、音叉型の水晶振動子、SAW共振器、角速度検出素子、加速度検出素子等であってもよい。また、電子デバイスが有するパッケージの収納空間内には、複数の電子部品が収納されていてもよい。この場合、複数の電子部品は、互いに異なっていてもよいし、互いに同じであってもよい。
また、電子デバイスが有するパッケージ内には、電子部品の駆動を制御したり、電子部品からの信号を受信したりするICチップ等が収納されていてもよい。ICチップを収納する場合には、ICチップを電子部品の隣に並設してもよいし、ICチップをケーシングの厚さ方向に電子部品と重なるように配置してもよい。
100、100’‥‥電子デバイス 110‥‥パッケージ 120‥‥ベース 120A‥‥ベース領域 121‥‥凹部 123‥‥基部 124‥‥側壁 130‥‥リッド(蓋体) 131‥‥ろう材 141‥‥接続電極 142‥‥外部実装電極 143‥‥貫通電極 151‥‥接続電極 152‥‥外部実装電極 153‥‥貫通電極 161‥‥導電性接着剤 162‥‥導電性接着剤 170‥‥メタライズ層 190‥‥振動素子(電子部品) 191‥‥圧電基板 193‥‥導体層 193a‥‥励振電極 193b‥‥ボンディングパッド 193c‥‥配線 195‥‥導体層 195a‥‥励振電極 195b‥‥ボンディングパッド 195c‥‥配線 200‥‥ベース用基板(ベース基板) 400‥‥加圧治具 410‥‥本体 420‥‥押圧部 422‥‥開口部 423‥‥押え部 425、426‥‥ピン 600‥‥リッド用基板 610、620‥‥リードフレーム 630‥‥連結梁 631、632‥‥梁 633‥‥貫通孔 640、650‥‥サイド連結梁 1000‥‥表示部 1100‥‥パーソナルコンピューター 1102‥‥キーボード 1104‥‥本体部 1106‥‥表示ユニット 1200‥‥携帯電話機 1202‥‥操作ボタン 1204‥‥受話口 1206‥‥送話口 1300‥‥ディジタルスチルカメラ 1302‥‥ケース 1304‥‥受光ユニット 1306‥‥シャッタボタン 1308‥‥メモリー 1312‥‥ビデオ信号出力端子 1314‥‥入出力端子 1430‥‥テレビモニター 1440‥‥パーソナルコンピューター 1500‥‥自動車 1501‥‥車体 1502‥‥車体姿勢制御装置 1503‥‥車輪 S‥‥収納空間 R1、R11、R12‥‥領域
Claims (10)
- 複数の蓋体を有する蓋体集合体の少なくとも1つの前記蓋体を、複数のベース領域を有するベース用基板の前記ベース領域に位置決めする工程と、
前記位置決めした蓋体と前記ベース領域とを接合する工程と、
前記接合した蓋体を前記蓋体集合体から分離させる工程と、を含むこと特徴とするパッケージの製造方法。 - 複数の蓋体を有する蓋体集合体の少なくとも1つの前記蓋体を、複数のベース領域を有するベース用基板のうち電子部品が搭載されたベース領域に位置決めする工程と、
前記位置決めした蓋体と前記ベース領域とを接合する工程と、
前記接合した蓋体を前記蓋体集合体から分離させる工程と、を含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法。 - 前記複数の蓋体は、行列状に配列されており、
前記接合する工程では、同じ行に含まれる全ての前記蓋体を前記ベース領域に接合する請求項2に記載の電子デバイスの製造方法。 - 前記接合する工程では、加圧治具を用いて前記蓋体を前記ベース領域に押し付けながらエネルギー線溶接する請求項2または3に記載の電子デバイスの製造方法。
- 前記蓋体集合体は、前記複数の蓋体を支持する支持部を有し、
前記支持部は、前記加圧治具と係合する係合部を有している請求項4に記載の電子デバイスの製造方法。 - 前記蓋体集合体から分離させる工程では、エネルギー線を前記蓋体集合体に照射して分離させる請求項2ないし5のいずれか1項に記載の電子デバイスの製造方法。
- 請求項2ないし6のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法によって製造されたことを特徴とする電子デバイス。
- 請求項7に記載の電子デバイスを備えていることを特徴とする電子機器。
- 請求項7に記載の電子デバイスを備えていることを特徴とする移動体。
- 複数の蓋体と、前記複数の蓋体を支持する支持部とを有し、ロール状に巻回されていることを特徴とする蓋体用集合体。
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