JP2014192215A - ウェーハの分割方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドープ量の高いウェーハであっても薄型のチップに良好に分割すること。
【解決手段】本発明のウェーハの分割方法は、ウェーハ(W)の表面の分割予定ライン(13)に沿って、ウェーハを個々のデバイスチップ(C)に分割するウェーハの分割方法であって、ウェーハの表面(11)側にレーザー光線が透過する透過型保護テープ(T)が貼着されており、この透過型保護テープを通じてウェーハの表面側からレーザー光線を照射してウェーハの内部に改質層(25)を形成する改質層形成工程と、裏面(12)側からウェーハを研削して所定厚みに薄化すると共に、改質層に研削荷重を付与してウェーハを分割予定ラインに沿って分割する研削工程とを有する構成とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体ウェーハや光デバイスウェーハを個々のチップに分割するウェーハの分割方法に関する。
ウェーハの切削加工には、ダイシングソーと呼ばれる切削装置が使用されてきたが、近年になりレーザー加工装置のレーザー加工によりウェーハを分割する技術が注目されている。このレーザー加工として、ウェーハに対して透過性を有するレーザー光線を照射してウェーハ内部に脆弱な層(改質層)を形成し、強度が低下した改質層を分割起点とする分割方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の分割方法では、ウェーハ表面のストリートに沿って直線状の改質層が形成され、改質層に外力が加わることでウェーハが個々のチップに分割される。このレーザー加工方法では、ダイシングソーによる切削加工ように切削屑が発生せず、切り代もほとんどないため分割予定ラインの縮小化に対応可能となっている。
ところで、ウェーハの厚さが数十μm以下に薄くなるとレーザー光線がウェーハを透過し、ウェーハの内部の適切な位置に改質層を形成することが困難となる。そこで、薄化前のウェーハの内部に改質層を形成し、改質層の形成後に仕上げ厚さまで研削する分割方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載の分割方法では、ウェーハの内部の適切な位置に適切な改質層を形成することができると共に、次工程の研削加工によって改質層も除去できるため、光デバイスウェーハの加工時には輝度が向上され、半導体ウェーハの加工時には抗折強度が向上される。
特許第3408805号公報 特開2012−49164号公報
特許文献2に記載のウェーハの分割方法によると、薄化前のウェーハに対して裏面側からレーザー光線を照射して、ウェーハの内部において表面側に改質層を形成する必要がある。この場合、ウェーハのドープ量が高い場合には、裏面側から照射されたレーザー光線が不純物により散乱されるため、厚み方向における深い位置に改質層を形成することができないという問題があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ドープ量の高いウェーハであっても薄型のチップに良好に分割可能なウェーハの分割方法を提供することを目的とする。
本発明のウェーハの分割方法は、表面に分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウェーハにウェーハを透過する波長のレーザー光線を照射してウェーハの内部に改質層を形成して該分割予定ラインに沿って分割するウェーハの分割方法であって、ウェーハの表面側に該レーザー光線が透過する透過型保護テープを貼着する保護テープ貼着工程と、該保護テープ貼着工程の後に、ウェーハに対して透過性を有する波長の該レーザー光線を該透過型保護テープ及びウェーハを透過してウェーハの該表面から集光点をウェーハの内部に位置付けて該分割予定ラインに沿って照射し、ウェーハ該表面側の内部に該分割予定ラインに沿って改質層を形成する改質層形成工程と、該改質層形成工程を実施した後、該透過型保護テープ側を保持して露呈しているウェーハの裏面から研削手段により研削し仕上げ厚さへと薄化するとともに該改質層を起点としてウェーハの該表面及び研削面である該裏面に至るクラックを該分割予定ラインに沿って成長させる研削工程と、を備える。
この構成によれば、透過型保護テープを透過してウェーハの表面側からレーザー光線がウェーハ内部に照射され、ウェーハの内部の表面側に分割予定ラインに沿って改質層が形成される。このため、ウェーハの裏面側からレーザー光線を照射する構成のように、レーザー光線をウェーハ内部の深い位置まで照射する必要がなく、ドープ量の高いウェーハであってもウェーハ内部に改質層を適切に形成することができる。また、レーザー光線の集光点が浅くなった分だけ、ウェーハの表面のレーザースポット径を小さくすることができる。よって、レーザースポット径を分割予定ラインのライン幅内に収めることで、レーザー加工時のウェーハの表面側のデバイスに悪影響を与えることがない。このように、改質層形成後に薄化されるウェーハにおいて適切な位置に改質層を形成できる。さらに、研削面となるウェーハの裏面には透過型保護テープが貼着されないため、改質層形成工程から研削工程にスムーズに移行することができる。
本発明によれば、透過型保護テープを透過してウェーハの表面側からウェーハの内部にレーザー光線を照射することで、ドープ量の高いウェーハであっても薄型のチップに良好に分割することができる。
本実施の形態に係る保護テープ貼着工程の一例を示す図である。 本実施の形態に係る改質層形成工程の一例を示す図である。 本実施の形態に係る集光点の深さとレーザースポット径との関係を示す図である。 本実施の形態に係る研削工程の一例を示す図である。
以下、本実施の形態に係るウェーハの分割方法について説明する。本実施の形態に係るウェーハの分割方法は、ドープ量の高いウェーハに対して、保護テープ貼着工程、レーザー加工装置による改質層形成工程、研削装置による研削工程が実施される。保護テープ貼着工程では、レーザー光線を透過する透過型保護テープTがウェーハWの表面11側に貼着される(図1参照)。この保護テープ貼着工程では、ウェーハWの表面11にデバイスDを保護する透過型保護テープTが貼着され、この透過型保護テープTの外周側には環状フレームFが貼着される。
改質層形成工程では、レーザー加工によってウェーハWの表面11側からウェーハWの内部に分割予定ラインに沿った改質層25が形成される(図2参照)。このレーザー加工ではウェーハWに対して透過性を有する波長のレーザー光線の集光点が透過型保護テープTを介してウェーハWの表面11側の内部に位置づけられ、分割予定ラインに沿ってレーザー光線が照射される。ウェーハWの表面11側からレーザー光線を照射して、ウェーハWの表面11側の浅い位置に改質層25が形成される。研削工程では、ウェーハWが裏面12側から仕上げ厚さLまで薄化されるとともに、改質層25が起点となってウェーハWが分割予定ラインに沿って分割される(図4参照)。
以下、本実施の形態に係るウェーハの分割方法の詳細について説明する。図1を参照して、保護テープ貼着工程について説明する。図1は、本実施の形態に係る保護テープ貼着工程の一例を示す図である。なお、図1Aはウェーハに透過型保護テープが貼着される前の分解斜視図であり、図1Bはウェーハに透過型保護テープが貼着された後の斜視図である。また、図1においては、ウェーハWの表面を下向きにした図を示している。
図1A及び図1Bに示すように、保護テープ貼着工程では、略円板状のウェーハWの表面11側に環状フレームFに張られた透過型保護テープTが貼着される。透過型保護テープTの貼着により、次工程のレーザー加工時に被照射面となるウェーハWの表面11が透過型保護テープTに被覆され、被保持面となるウェーハWの裏面12が露出される。透過型保護テープTはレーザー光線を透過する性質を有しており、この透過型保護テープTを通じてウェーハWの表面11側からのレーザー光線の照射を可能にしている。なお、透過型保護テープTとしては、レーザー光線を透過させるものであればよく、例えばリンテック社製のD821−HSが用いられる。
透過型保護テープTに被覆されたウェーハWの表面11は、格子状の分割予定ライン13によって複数の領域に区画されている。この分割予定ライン13に区画された各領域には、IC、LSI等のデバイスDが形成されている。ウェーハWの外周縁には、結晶方位を示すノッチ14が形成されている。なお、ウェーハWは、シリコン、ガリウム砒素等の半導体基板にIC、LSI等のデバイスが形成された半導体ウェーハでもよいし、セラミック、ガラス、サファイア系の無機材料基板にLED等の光デバイスが形成された光デバイスウェーハでもよい。
ところで、本実施の形態に係るウェーハWは、ドーパントと呼ばれる不純物(添加物)が比較的多めに混入された高ドープウェーハであり、ウェーハWの内部の不純物によってレーザー光線が散乱し易くなっている。このため、ウェーハWのレーザー光線を照射する側の面から内部の深い位置をレーザー加工することはできず、ウェーハWの内部の浅い位置をレーザー加工することしかできない。すなわち、ドープ量の高いウェーハWに対しては、ウェーハWの裏面12側からレーザー光線を照射しても、ウェーハWの表面11側の適切な深さをレーザー加工することができない。
そこで、本実施の形態では、ウェーハWの表面11側からレーザー光線を照射することでドープ量の高いウェーハWであっても分割に必要な適切な改質層25(図2参照)が形成可能である。更に表面11側に透過型保護テープTを貼着することで、透過型保護テープTを貼着した状態で改質層25を形成でき、形成後にウェーハWをBGテープに転写することなくそのまま研削工程を行うことができる。なお、保護テープ貼着工程は、オペレータによる手作業で行われてもよいし、不図示の貼着装置によって行われてもよい。
図2を参照して、改質層形成工程について説明する。図2は、本実施の形態に係る改質層形成工程の一例を示す図である。図3は、本実施の形態に係る集光点の深さとレーザースポット径との関係を示す図である。
図2に示すように、保護テープ貼着工程の後には改質層形成工程が実施される。改質層形成工程では、透過型保護テープTが貼着されたウェーハWの表面11側を上に向けた状態で、レーザー加工装置(不図示)のチャックテーブル21上にウェーハWが保持される。この場合、ウェーハWの裏面12側がチャックテーブル21の保持面22に直に吸着されるが、次工程の研削工程で除去される部分であるため、ウェーハWの裏面12側を特に保護する必要がない。次に、加工ヘッド23の出射口がウェーハWの分割予定ライン13(図3参照)に位置付けられ、加工ヘッド23によってウェーハWの表面11側から透過型保護テープTを透過してウェーハWの内部にレーザー光線が照射される。
レーザー光線は、ウェーハWに対して透過性を有する波長であり、ウェーハWの表面11側の内部に集光するように調整されている。そして、ウェーハWに対して加工ヘッド23が分割予定ライン13(図3参照)に沿って移動されることで、ウェーハWの表面11側に分割予定ライン13に沿った改質層25が形成される。この場合、ウェーハWの表面11から浅い位置にレーザー光線が照射されるため、ドープ量の高いウェーハWであっても不純物の影響を受けることなく、ウェーハWの内部に適切な改質層25が形成される。
また、透過型保護テープTを透過してウェーハWの表面11から浅い位置に改質層25が形成されるため、レーザー光線がデバイスDに悪影響を与えることがない。すなわち、ウェーハWの表面11におけるレーザースポット径Sは、(開口数(NA)により変化するが)、例えば表面11から集光点までの深さをt(μm)とすると、スポット径S=t×0.4(μm)程度である。このため、本実施の形態では、ウェーハWの表面11からの集光点位置(改質層25の形成位置)を浅くすることでレーザースポット径Sを小さくしている。
例えば図3に示すように、仕上げ厚さLが50[μm]の場合には、ウェーハWの表面11から深さ50[μm]の位置にレーザー光線が照射される。このときのウェーハWの表面11のレーザースポット径は20[μm]になる。ウェーハWの分割予定ラインのライン幅は通常30[μm]から40[μm]であるので、分割予定ライン13のライン幅内にレーザースポット径が収まってデバイスDが影響を受けることがない。このようにして、デバイスDに影響を与えることなく、ウェーハWの内部に分割予定ライン13に沿った分割起点が形成される。
なお、改質層25は、レーザー光線の照射によってウェーハWの内部の密度、屈折率、機械的強度やその他の物理的特性が周囲と異なる状態となり、周囲よりも強度が低下する領域のことをいう。改質層25は、例えば、溶融処理領域、クラック領域、絶縁破壊領域、屈折率変化領域であり、これらが混在した領域でもよい。
また、改質層形成工程では、研削加工時の被保持面となる表面11に透過型保護テープTが貼着されたままレーザー加工が実施されており、研削加工時の研削面となる裏面12には透過型保護テープTが貼着されていない。したがって、改質層形成工程から研削工程への移行時に、テープの貼り替え作業が不要となり、改質層形成工程から研削工程にスムーズに移行することができる。
図4を参照して、研削工程について説明する。図4は、本実施の形態に係る研削工程の一例を示す図である。なお、本実施の形態では、一度の研削加工によってウェーハWを分割する構成としたが、この構成に限定されない。例えば、ウェーハWの材質等に応じて、粗研削加工、仕上げ研削加工、研磨加工を行うことで、ウェーハWを分割予定ラインに沿って分割してもよい。
図4A及び図4Bに示すように、改質層形成工程の後には研削工程が実施される。図4Aに示すように、研削工程では研削装置(不図示)のチャックテーブル31上の保持面34に透過型保護テープTを介してウェーハWが保持される。また、チャックテーブル31に保持されたウェーハWの上方に研削手段32が位置付けられる。そして、研削手段32の研削ホイール33がZ軸回りに回転しながらチャックテーブル31に近付けられ、研削ホイール33とウェーハWの裏面12とが回転接触することでウェーハWが研削される。研削加工中は、ハイトゲージ(不図示)によってウェーハWの厚さがリアルタイムに測定される。そして、ハイトゲージの測定結果が仕上げ厚みLに近付くように研削手段32の送り量が制御される。
図4Bに示すように、研削動作によって各改質層25に対して研削ホイール33から研削負荷が強く作用する。これにより、ウェーハWに改質層25を起点としてウェーハWの研削面である裏面12から表面11に至るクラックが生じる。ウェーハWの内部に生じたクラックが分割予定ライン13に沿って成長することで、ウェーハWが個々のデバイスチップCに分割される。そして、ウェーハWが仕上げ厚さLまで薄化されると、研削動作が停止される。このようにして、ウェーハWが所望の仕上げ厚さLまで薄化されながら、分割予定ライン13に沿って個々のデバイスチップCに分割される。
以上のように、本実施の形態に係るウェーハの分割方法によれば、透過型保護テープTを透過してウェーハWの表面11側からレーザー光線がウェーハW内部に照射され、ウェーハWの内部の表面11側に分割予定ライン13に沿って改質層25が形成される。このため、ウェーハWの裏面12側からレーザー光線を照射する構成のように、レーザー光線を照射する側の面からウェーハW内部の深い位置まで照射する必要がなく、ドープ量の高いウェーハWであってもウェーハW内部の表面11側に改質層25を適切に形成することができる。
また、レーザー光線の集光点を浅い位置に形成するため、ウェーハWの表面11のレーザースポット径を小さくすることができる。よって、レーザースポット径を分割予定ライン13のライン幅内に収めることで、レーザー加工時のウェーハWの表面11側のデバイスDに悪影響を与えることがない。このように、改質層形成後に薄化されるウェーハWにおいて適切な位置に改質層25を形成することができる。さらに、研削面となるウェーハWの裏面12には透過型保護テープTが貼着されないため、改質層形成工程から研削工程にスムーズに移行することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、本実施の形態の分割方法を、ドープ量の高いウェーハWに適用する構成について説明したが、この構成に限定されない。本実施の形態に係る分割方法を、ドープ量の低いウェーハWに適用することも可能である。
また、本実施の形態では、改質層形成工程において改質層25が分割予定ライン13に沿って連続的に形成される構成としたが、この構成に限定されない。ウェーハWが分割予定ライン13に沿って分割可能であれば、改質層25は分割予定ライン13に沿って断続的に形成されてもよい。
また、粗研削加工、仕上げ研削加工、研磨加工によってウェーハWを薄化する場合には、粗研削加工、仕上げ研削加工、研磨加工のいずれの段階でウェーハWを分割してもよい。
また、本実施の形態においては、保護テープ貼着工程、改質層形成工程、研削工程の一部の工程又は全ての工程が1つの装置で行われてもよい。
以上説明したように、本発明は、薄型のチップに良好に分割することができるという効果を有し、特に、ドープ量の高いウェーハの分割方法に有用である。
11 ウェーハの表面
12 ウェーハの裏面
13 分割予定ライン
25 改質層
32 研削手段
D デバイス
T 透過型保護テープ
W ウェーハ

Claims (1)

  1. 表面に分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウェーハにウェーハを透過する波長のレーザー光線を照射してウェーハの内部に改質層を形成して該分割予定ラインに沿って分割するウェーハの分割方法であって、
    ウェーハの表面側に該レーザー光線が透過する透過型保護テープを貼着する保護テープ貼着工程と、
    該保護テープ貼着工程の後に、ウェーハに対して透過性を有する波長の該レーザー光線を該透過型保護テープ及びウェーハを透過してウェーハの該表面から集光点をウェーハの内部に位置付けて該分割予定ラインに沿って照射し、ウェーハ該表面側の内部に該分割予定ラインに沿って改質層を形成する改質層形成工程と、
    該改質層形成工程を実施した後、該透過型保護テープ側を保持して露呈しているウェーハの裏面から研削手段により研削し仕上げ厚さへと薄化するとともに該改質層を起点としてウェーハの該表面及び研削面である該裏面に至るクラックを該分割予定ラインに沿って成長させる研削工程と、を備えるウェーハの分割方法。
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