JP2014192089A - 燃料電池用セパレータおよびその製造方法 - Google Patents

燃料電池用セパレータおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金を用いることなく、高い耐食性と低い接触抵抗を有する金属セパレータと金属セパレータの製造方法を提供する。
【解決手段】燃料電池用セパレータ100は、金属基材12sと、金属基材12s上に形成された銀−錫合金めっき層24とを有し、銀−錫合金めっき層24に含まれる銀の含有率は少なくとも77質量%である。さらに、銀−錫合金めっき層の厚さは、少なくとも1μmである。また、燃料電池用セパレータの製造方法であって、前記銀−錫合金めっき層を形成する工程は、ストライク銀めっき工程と、銀−錫合金めっき工程とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池用セパレータに関し、特に、自動車用電源、携帯機器用電源、分散電源などに用いられる固体高分子型燃料電池に好適なセパレータに関する。
発電効率が高く、環境への負荷も低いなどの観点から、次世代のエネルギー源として、燃料電池に関する研究が活発に行われている。
燃料電池は、燃料である水素と、酸素とを電気化学的に反応させて電気エネルギーを取り出す発電装置である。燃料電池は、使用する電解質の種類に応じて、固体酸化物型燃料電池(SOFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)、リン酸型燃料電池(PAFC)、固体高分子型燃料電池(PEFC)に分類される。PEFCは作動温度が約70〜90℃と低く、数百W程度でも高効率の発電が可能であることから、特に、自動車や携帯機器などへの適用が期待されている。また、PEFCの中でも、直接メタノール型燃料電池(DMFC)は小型であるため、携帯機器への適用が精力的に研究されている。
セパレータには、ガス透過性が小さいこと、導電性に優れること、接触抵抗が低いこと、耐食性に優れることなどが要求されている。特に、耐食性および接触抵抗(表面の電気伝導度)に対する要請は、強くなっている。
このような特性を有するセパレータ用材料として、カーボン材料が汎用されている。しかしながら、カーボン材料は、靭性に乏しく脆いため、加工が困難であり、加工コストが高いという問題がある。そこで、近年では、カーボン材料の代わりに、加工が容易で加工コストも安価な金属(例えば、アルミニウムやステンレス)の基材を用いた金属セパレータが検討されている。
金属基材を用いたセパレータは、耐食性が低いという問題がある。耐食性を向上させるために、金属基材の表面に金層を形成したセパレータ(特許文献1)または、金属基材の表面に導電性樹脂層を形成したセパレータ(特許文献2)が検討されている。しかしながら、金は高価であるという問題があり、導電性樹脂は接触抵抗が高い(表面の電気伝導度が低い)という問題がある。
国際公開第2012/053431号(特許第5133466号公報) 特開2010−55831号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、金を用いることなく、高い耐食性と低い接触抵抗を有する金属セパレータおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態による燃料電池用セパレータは、金属基材と、前記金属基材上に形成された銀−錫合金めっき層とを有し、前記銀−錫合金めっき層に含まれる銀の含有率は少なくとも77質量%である。
ある実施形態において、前記銀−錫合金めっき層に含まれる銀の含有率は80質量%以上90質量%以下である。
ある実施形態において、前記銀−錫合金めっき層の厚さは、少なくとも1μmである。前記銀−錫合金めっき層の厚さの上限は、特に制限されないが、例えば、5μmである。
ある実施形態において、前記金属基材と前記銀−錫合金めっき層との間に、ニッケルめっき層をさらに有する。前記ニッケルめっき層の厚さは、例えば、2μm以上5μm以下である。前記金属基材に応じて、前記ニッケルめっき層を省略することができる。
ある実施形態において、前記金属基材は、アルミニウム基材である。この他、前記金属基材として、例えば、ステンレス基材を用いることができる。
本発明による実施形態の燃料電池用セパレータの製造方法は、上記のいずれかに記載の燃料電池用セパレータの製造方法であって、前記銀−錫合金めっき層を形成する工程は、ストライク銀めっき工程と、銀−錫合金めっき工程とを含む。
本発明の実施形態によると、金を用いることなく、高い耐食性と低い接触抵抗を有する金属セパレータおよびその製造方法が提供される。
本発明の実施形態による燃料電池用セパレータ100の模式的な断面図である。 (a)から(e)は、燃料電池用セパレータ100の製造方法の例を説明するための図である。 (a)〜(e)は、銀−錫合金めっき層の銀含有率が90質量%、85質量%、80質量%、70質量%および60質量%のセパレータ試料の断面SEM像をそれぞれ示す図である。 (a)〜(e)は、銀−錫合金めっき層の銀含有率が90質量%、85質量%、80質量%、70質量%および60質量%のセパレータ試料のSEM−EDXによる元素分析結果を示す図である。 銀−錫合金めっき層の銀含有率が60質量%のセパレータ試料(参考例)の断面における元素の定量分析結果を示す図である。 セパレータ試料の耐食性試験後の接触抵抗の銀含有率依存性を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態による燃料電池用セパレータおよびその製造方法を説明する。以下の説明は、本発明を限定するものではない。
図1に本発明の実施形態による燃料電池用セパレータ100の模式的な断面図を示す。燃料電池用セパレータ100は、金属基材12sと、金属基材12s上に形成された銀(Ag)−錫(Sn)合金めっき層24とを有し、銀−錫合金めっき層24に含まれる銀の含有率は少なくとも77質量%である。銀に錫を添加すると、銀の硫化を抑制できることが知られているが、錫の含有率が23質量%を超えると、耐食性が低下するということを本発明者が初めて見出した。銀−錫合金めっき層24に含まれる銀の含有率は、80質量%以上90質量%以下であることが好ましい。銀の含有率に特に上限はないが、コストの観点から、銀の含有率を90質量%超とすることは好ましくない。このような組成の銀−錫合金めっき層24は、後に実験例を示すように、高い耐食性と低い接触抵抗を有する。なお、銀−錫合金めっき層24の組成は、例えば、EDX(エネルギー分散型X線分光法)によって求めることができる。銀−錫合金めっき層の厚さは、例えば少なくとも1μmである。銀−錫合金めっき層24の厚さの上限は、特に制限されないが、例えば、5μmである。
セパレータ100は、金属基材12sと銀−錫合金めっき層24との間に、オプショナルに設けられるニッケルめっき層22をさらに有している。ニッケル(Ni)めっき層22を設けることによって、金属基材12sと銀−錫合金めっき層24との接着性を向上させることができる。ニッケルめっき層22の厚さは、例えば、2μm以上5μm以下である。ニッケルめっき層22は、省略することができる。
金属基材12sを形成する金属材料は、例えば、アルミニウム(Al)を含む合金または純アルミニウム、あるいはステンレス鋼である。アルミニウムを含む合金または純アルミニウムで形成された金属基材12sをアルミニウム基材12sということがある。アルミニウム基材12sは、例えば、アルミニウムを70質量%以上含むことが好ましく、また、ダイカスト法で作製されたものであることが好ましい。アルミニウム基材12sをダイカスト法で作製すると、例えば、溝や貫通孔を有するアルミニウム基材12sを高い量産性で製造することができる。
本発明の実施形態による燃料電池用セパレータの製造方法は、上記のいずれかに記載の燃料電池用セパレータの製造方法であって、銀−錫合金めっき層を形成する工程は、ストライク銀めっき工程と、銀−錫合金めっき工程とを含む。以下、図2を参照して、燃料電池用セパレータ100の製造方法の例を説明する。ここでは、金属基材12sとして、アルミニウム基材を用いる例を説明する。
まず、図2(a)に示すように、アルミニウムを70質量%以上含む生のアルミニウム基材12を用意する。
アルミニウムは、容易に酸化されるので、生のアルミニウム基材12は、表面に自然酸化膜12aを有している。生のアルミニウム基材12の内、自然酸化膜12aを除く部分をアルミニウム基材12sということにする。
次に、図2(b)に示すように、生のアルミニウム基材12の表面の自然酸化膜12aを除去し、アルミニウム基材12sの表面を露出させる。例えば、生のアルミニウム基材12の表面を脱脂した後、アルカリ性のエッチング液に浸漬することによって、自然酸化膜12aを除去する。
続いて、図2(c)に示すように、ニッケルめっき層22を形成する。ニッケルめっき層22は、例えばワット浴(硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ酸を主成分とするニッケルめっき浴)を用いる方法など、公知の種々の方法で形成することができる。
ニッケルめっきに先立ってジンケート処理を行ってもよい。ジンケート処理を行うと、ジンケート処理液中で最初に自然酸化膜が除去され、その後に亜鉛層(不図示)が形成される。従って、アルミニウム基材12sと亜鉛層との間に酸化膜は存在せず、密着性が高い。ジンケート処理によって形成された亜鉛層は、例えばめっきによって形成された亜鉛層と異なり、鉄(Fe)を含む合金層である。亜鉛および鉄を含む亜鉛層は、亜鉛のみから形成された層よりも表面電位が高いので、ニッケルめっきを行う際に、置換反応を抑制するように作用する。さらに、亜鉛層は、ニッケルめっきを行っている間に、基材12の表面が酸化されるのを防止する。亜鉛層を形成する亜鉛粒子の粒径は、例えば0.1μm以下であり、0.01μm以上0.03μm以下であることが密着性の観点から好ましい。特に、粒径が0.03μm以下の亜鉛粒子を含む亜鉛層を形成するためには、最初のジンケート処理によって形成された亜鉛層を一旦除去した後に、再度ジンケート処理を行うことが好ましい。
次に、ニッケルめっき層22上に、銀−錫合金めっき層24を形成する。銀−錫合金めっき層24を形成する前に、ニッケルめっき層22の表面に形成された表面酸化層を例えば酸処理によって除去することが好ましい。酸処理は、例えば、塩酸水溶液に浸漬することによって行われる。銀−錫合金めっき層を形成する工程は、ストライク銀めっきを施す工程と、銀−錫合金めっきを施す工程とを含むことが好ましい。ストライク銀めっきを施すことによって、ニッケルめっき層22に対する銀−錫合金めっき層24の密着性を向上させることができる。ストライク銀めっきは酸性のめっき液を用いることが好ましい。
図2(d)に示すように、ストライク銀めっきを行うことによって、ニッケルめっき層22上に、ストライク銀めっき層24aが形成される。また、酸性のストライク銀めっき液を用いてストライク銀めっき層24aを形成すると、ニッケルめっき層22の表面に形成された酸化層を少なくとも部分的に除去することができるので、ニッケルめっき層22とストライク銀めっき層24a(結果的に、銀−錫合金めっき層24)との密着性を向上させることができる。ストライク銀めっきは、例えば、めっき液として、ダインシルバーGPE−ST(大和化成株式会社製)を用いて行うことができるが、他の公知の酸性のストライク銀めっき液を用いてもよい。ストライク銀めっき層24aの厚さは、例えば0.005μm以上0.05μm以下であることが好ましい。
続いて、図2(e)に示すように、ストライク銀めっき層24a上に銀−錫合金めっき層24bを形成する。銀−錫合金めっきは、例えば、めっき液として、ダインシスター(大和化成株式会社製)を用いて行うことができる。めっき液の組成および/または電流印加条件を制御することによって、銀−錫合金めっき層24bの組成を調整することができる。
ストライク銀めっき層24aと銀−錫合金めっき層24bとを併せた銀−錫合金めっき層24の厚さは、例えば少なくとも1μmである。銀−錫合金めっき層24の厚さの上限は、特に制限されないが、例えば、5μmである。なお、ストライク銀めっき層24aは銀−錫合金めっき層24bに比べて薄いので、断面SEMで観察するのは難しい。
次に、実験例を示して、銀−錫合金めっき層24に含まれる銀の含有率が少なくとも77質量%であるとき、特に、銀−錫合金めっき層24に含まれる銀の含有率が80質量%以上90質量%以下であるときに、高い耐食性と低い接触抵抗が得られることを説明する。
上述した製造方法で、図1に示した構造を有する燃料電池用セパレータ試料を試作し、接触抵抗および耐食性を評価した。セパレータの銀−錫合金めっき層の銀の含有率が異なる5種類のセパレータ試料を作製した。銀−錫合金めっき層の銀含有率は、90質量%、85質量%、80質量%、70質量%および60質量%とした。銀含有率は、めっき液の組成を制御することによって調整した。
セパレータ試料は、以下の方法に従って、作製した。
生のアルミニウム基材12として、例えば、アルミニウムダイカスト(ADC−12)で作製された生のアルミニウム基材(50mm×70mm×1mm)を用意する。
生のアルミニウム基材12の表面を、例えば、アルカリ性の脱脂液(例えば、キザイ株式会社製BG−20)に70℃で約60秒間浸漬することによって脱脂する。その後、生のアルミニウム基材12の表面に形成されている自然酸化膜12aを除去する。例えば、約60℃のアルカリ性のエッチング液(例えば、キザイ株式会社製SZエッチング)に、生のアルミニウム基材12を約30秒間浸漬する。
次に、水洗後、ジンケート処理を行う。アルミニウム基材12sをアルカリ性ジンケート液(例えば、キザイ株式会社製SZ−II)に室温で約60秒間浸漬する。その後、この第1回ジンケート処理によって形成された亜鉛層を除去する。例えば、50%HNO3水溶液に室温で約30秒間浸漬する。続いて、再び、ジンケート処理を行う。例えば、第1回ジンケート処理と同じアルカリ性ジンケート液に室温で約30秒間浸漬する。形成される亜鉛層の厚さは、例えば、約0.001μmで、亜鉛の粒子の大きさは例えば0.001μmである。
次に、水洗後、ニッケルめっき層22を形成する。例えば、ワット浴(硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ酸を主成分とするニッケルめっき浴)を用いて、50℃で、20分間、電流密度2A/dm2の条件でめっきする。ニッケルめっき層22の厚さは、例えば約5μmである。
次に、水洗後、ストライク銀めっき層24aを形成する。ストライク銀めっきは、例えば、めっき液として、ダインシルバーGPE−ST(大和化成株式会社製)を用い、めっき液の温度を約25℃とし、電流密度を例えば約2.5A/dm2とすることによって行うことができる。ストライク銀めっき層24aの厚さは、例えば0.001μmである。
水洗後、続いて、銀−錫合金めっき層24bを形成する。銀−錫合金めっきは、例えば、めっき液として、ダインシスター(大和化成株式会社製)を用い、めっき液の温度を約25℃、電流密度を例えば約0.5A/dm2とすることによって行う。ストライク銀めっき層24aを含む銀−錫合金めっき層24の厚さは、例えば約5μmである。
水洗後、乾燥することによって、燃料電池用セパレータ試料を得る。
各セパレータ試料について、断面SEM観察(図3)、断面元素分析(図4)、銀含有率が60質量%の試料について、断面元素定量分析(図5)を行った。また、各セパレータ試料の接触抵抗および耐食性を以下のようにして評価した。
接触抵抗は、各セパレータ試料を、カーボンペーパーを間に介して、金めっきを施した銅板(集電板)で10kgf/cm2(=980665Pa)の面圧で挟持した状態で、ミリオームメータを用いて1Aの電流を流したときの抵抗値で評価した。なお、1W程度のPEFCに用いる場合、セパレータ表面の接触抵抗は10mΩ・cm2以下であることが好ましく、5mΩ・cm2以下であることがさらに好ましい。
耐食性は、各セパレータ試料をpH1の硫酸水溶液(80℃)に1000時間浸漬した後、表面を目視で観察するとともに、接触抵抗を測定することによって、評価した。耐食性試験前後の接触抵抗をまとめて表1に示す。また、耐食性試験後の接触抵抗の銀含有率依存性を示すグラフを図6に示す。
まず、図3(a)〜(e)に、銀−錫合金めっき層24の銀含有率が90質量%、85質量%、80質量%、70質量%および60質量%のセパレータ試料(試料No.1〜5)の断面SEM像を示す。それぞれ5000倍(左)と10000倍(右)の断面SEM像を示す。図3(a)〜(e)からわかるように、いずれのセパレータ試料においても、アルミニウム基材12sにニッケルめっき層22が良好に密着しており、また、ニッケルめっき層22に銀−錫合金めっき層24が良好に密着している。また、いずれのセパレータ試料においても、ニッケルめっき層22および銀−錫合金めっき層24が緻密に形成されていることがわかる。なお、断面に見られる傷は、SEM用の試料を作製するための研磨処理で形成された傷である。
図4(a)〜(e)に、銀−錫合金めっき層24の銀含有率が90質量%、85質量%、80質量%、70質量%および60質量%のセパレータ試料(試料No.1〜5)のSEM−EDX(エネルギー分散型X線分光法)による元素分析結果(ラインプロファイル)を示す。図4(a)〜(e)からわかるように、銀−錫合金めっき層24の組成は、深さ方向においてほぼ一定している(濃度勾配がない)。なお、銀含有率が60質量%の試料No.5については、ニッケルめっき層22と銀−錫合金めっき層24との間に、ニッケル、錫および銀を含む中間層が形成されている。
図5に示すように、ニッケルめっき層22と銀−錫合金めっき層24との間に形成された中間層は、錫の含有率が50質量%を超える、錫がリッチな層となっている。
次に、表1および図6を参照して、セパレータ試料の接触抵抗および耐食性を説明する。
表1に示すように、耐食性試験前は、全てのセパレータ試料の接触抵抗は10mΩ・cm2以下であり、小型のPEFCのセパレータとして好適に用いられる低い接触抵抗を有していることがわかる。一方、耐食性試験後は、銀−錫合金めっき層24の銀含有率が80質量%以上90質量%以下のセパレータ試料については、接触抵抗の低下はほぼ認められず、良好な耐食性を有していることがわかる。また、これらのセパレータ試料の表面に変色等の異常は認められなかった。一方、銀−錫合金めっき層24の銀含有率が70質量%および60質量%のセパレータ試料については、接触抵抗の増大が著しく、また変色や膨れなどの外観異常が認められ、耐食性に劣ることがわかる。
図6の耐食性試験後の接触抵抗の銀含有率依存性を示すグラフから、銀−錫合金めっき層24の銀含有率が少なくとも77質量%、言い換えると、錫の含有率が多くとも23質量%であると、十分な耐食性を有すると考えられる。
ここでは、アルミニウム基材を用いた例を示したが、ステンレス鋼基材を用いてもよい。アルミニウム基材を用いた場合よりも耐食性に優れた燃料電池用セパレータを得ることができる。また、ステンレス鋼基材をニッケルめっきする技術は確立されている。
本発明の実施形態は、燃料電池用セパレータおよびその製造方法に広く用いられる。特に、固体高分子型燃料電池に好適なセパレータにおよびその製造方法に用いられる。
12 生の金属基材(自然酸化膜を有する)
12a 自然酸化膜
12s 金属基材
22 ニッケルめっき層
24 銀−錫合金めっき層
24a ストライク銀めっき層
24b 銀−錫合金めっき層
100 燃料電池用セパレータ

Claims (6)

  1. 金属基材と、
    前記金属基材上に形成された銀−錫合金めっき層と
    を有し、
    前記銀−錫合金めっき層に含まれる銀の含有率は少なくとも77質量%である、燃料電池用セパレータ。
  2. 前記銀−錫合金めっき層に含まれる銀の含有率は80質量%以上90質量%以下である、請求項1に記載の燃料電池用セパレータ。
  3. 前記銀−錫合金めっき層の厚さは、少なくとも1μmである、請求項1または2に記載の燃料電池用セパレータ。
  4. 前記金属基材と前記銀−錫合金めっき層との間に、ニッケルめっき層をさらに有する、請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
  5. 前記金属基材は、アルミニウム基材である、請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の燃料電池用セパレータの製造方法であって、
    前記銀−錫合金めっき層を形成する工程は、ストライク銀めっき工程と、銀−錫合金めっき工程とを含む、燃料電池用セパレータの製造方法。
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