[第一実施形態]
はじめに、本発明の第一実施形態について説明する。
図1に示されるように、本発明の第一実施形態に係る暖房システム10は、熱源機20と、浴室暖房機30と、補助暖房機としてのファンコンベクタ40と、往路管50と、復路管60とを備えている。
熱源機20は、屋外に設置されており、送風機21と、ガスバーナ22と、調節弁23と、熱交換器24と、循環ポンプ25とを有している。送風機21は、ガスバーナ22に送風し、ガスバーナ22は、ガス配管26を通じて供給されたガス(例えば都市ガス)を燃焼する。調節弁23は、ガス配管26に設けられた電磁弁であり、ガス配管26を通るガスの流量を調節する。ガス配管26を通るガスの流量が調節弁23によって調節されると、ガスバーナ22の火力が調節される。
熱交換器24は、往路管50及び復路管60と接続されている。熱交換器24には、往路管50及び復路管60を循環する温水が流通する。ガスバーナ22が点火されると、熱交換器24を流通する温水が加熱される。また、ガスバーナ22の火力が調節されることにより、熱交換器24を流通する温水の温度が調節される。循環ポンプ25は、熱交換器24の往路管50側に接続されている。循環ポンプ25が作動すると、往路管50及び復路管60を温水が循環する。
浴室暖房機30は、浴槽101が設けられた浴室100の上部(一例として、浴室100の天井部)に設置されている。この浴室暖房機30は、ユニット本体31と、放熱器32と、ファン33とを有している。放熱器32及びファン33は、箱型のユニット本体31に収容されている。
この浴室暖房機30は、熱源機20から供給された温水の熱を利用して浴室100を暖房するものであり、具体的には、以下のような構成となっている。つまり、放熱器32の入口は、往路管50を介して熱交換器24の出口と接続されており、放熱器32には、熱交換器24にて加熱された温水が往路管50を通じて供給される。この放熱器32には、熱交換器24にて加熱された温水が流通する。加熱された温水が放熱器32を流通すると、放熱器32を通過する空気が温水と熱交換して加温される。
ファン33は、放熱器32に隣接して配置されている。ファン33が作動すると、ユニット本体31に設けられた吸込口34から浴室内の空気がユニット本体31内に吸い込まれる。また、ファン33の作動によりユニット本体31内に吸い込まれた空気は、放熱器32を通過して加温され、ユニット本体31に設けられた吹出口35から浴室100に温風として吹出される。
また、この浴室暖房機30には、換気機構70が設けられている。換気機構70は、換気通路72と、ファン73とを有している。ファン73が作動すると、ユニット本体31に設けられた吸込口34から浴室内の空気がユニット本体31内に吸い込まれると共に、このユニット本体31内に吸い込まれた空気が換気通路72を通じて屋外に排出される。
ファンコンベクタ40は、浴室100に隣接して設けられた隣接領域としての脱衣室102に設置されている。このファンコンベクタ40は、筐体41と、放熱器42と、ファン43と、起動スイッチ44とを有している。放熱器42及びファン43は、筐体41に収容されており、起動スイッチ44は、筐体41に設けられている。
このファンコンベクタ40は、浴室暖房機30を経由した温水の熱を利用して脱衣室102を暖房するものであり、具体的には、以下のような構成となっている。つまり、復路管60は、ファンコンベクタ40に対する上流側に位置する上流側復路管61と、ファンコンベクタ40に対する下流側に位置する下流側復路管62に分割されており、放熱器42の入口は、上流側復路管61を介して浴室暖房機30の放熱器32の出口と接続されている。
浴室暖房機30を経由した温水は、上流側復路管61を通じて放熱器42に供給される。この放熱器42には、浴室暖房機30を経由した温水が流通する。温水が放熱器42を流通すると、放熱器42を通過する空気が温水と熱交換して加温される。放熱器42の出口は、下流側復路管62を介して熱交換器24の入口と接続されており、放熱器42を流通した温水は、下流側復路管62を通じて熱交換器24に戻される。
ファン43は、放熱器42に隣接して配置されている。起動スイッチ44をオンにすると、ファン43に電力が供給され、ファン43が作動する。また、起動スイッチ44をオフにすると、ファン43への電力供給が停止され、ファン43が停止する。起動スイッチ44がオンとなってファン43が作動すると、放熱器42によって加温された空気が筐体41に設けられた吹出口45から脱衣室102に温風として吹出される。
また、暖房システム10は、バイパス管81と、流路切替弁82と、温度センサ91と、リモートコントローラ92(以下、略してリモコン92と称する)と、制御ユニット93とを備えている。
バイパス管81は、浴室暖房機30を跨いで配索されており、往路管50と上流側復路管61とを連結している。つまり、バイパス管81の一端は、往路管50に接続され、バイパス管81の他端は、上流側復路管61に接続されている。
流路切替弁82は、往路管50とバイパス管81との接続部に設けられている。この流路切替弁82は、一例として、電磁弁により構成されている。この流路切替弁82は、バイパス管81を封止して往路管50を全長に亘って連通させる状態と、往路管50におけるバイパス管81との接続部よりも下流側を封止して往路管50とバイパス管81とを連通させる状態とに切り替わる。流路切替弁82は、通常、バイパス管81を封止して往路管50を全長に亘って連通させる状態になっている。
温度センサ91は、一例としてユニット本体31の吸込口34に設けられている。この温度センサ91は、吸込口34に吸い込まれる浴室内の空気の温度に応じた温度検出信号を出力する。
リモコン92は、一例として浴室100の側壁に設置されている。このリモコン92には、運転スイッチ、温度調節スイッチ、暖房運転選択スイッチ、及び、換気運転スイッチなどが設けられている。
制御ユニット93は、一例として熱源機20の内部に設けられている。この制御ユニット93は、各運転を行うためのプログラムなどを記憶したROM(読み出し専用メモリ)、温度センサ91やリモコン92から出力された信号に基づくデータを一時的に記憶するRAM(書き換え可能メモリ)、及び、各プログラムを実行するCPU(中央演算素子)等を有している。
この制御ユニット93には、温度センサ91及びリモコン92の他に、熱源機20の送風機21、ガスバーナ22、調節弁23、循環ポンプ25、浴室暖房機30のファン33、換気機構70のファン73、及び、流路切替弁82等が電気的に接続されている。
続いて、本発明の第一実施形態に係る暖房システム10の主な運転動作について説明する。
<浴室・脱衣室暖房運転>
リモコン92の暖房運転選択スイッチが操作されて浴室・脱衣室暖房運転が選択されると、リモコン92から制御ユニット93に浴室・脱衣室暖房運転モード選択信号が出力される。制御ユニット93は、浴室・脱衣室暖房運転モード選択信号を検出すると、浴室・脱衣室暖房運転モードになり、ガスバーナ22を点火させると共に、熱源機20の送風機21、循環ポンプ25、及び、浴室暖房機30のファン33を作動させる。
ガスバーナ22が点火されると共に、熱源機20の送風機21及び循環ポンプ25が作動されると、熱源機20にて加熱された温水が往路管50を通じて浴室暖房機30の放熱器32に供給される。加熱された温水が放熱器32に供給されて放熱器32を流通すると、ファン33の作動によりユニット本体31内に吸い込まれて放熱器32を通過する空気が温水と熱交換して加温され、ユニット本体31の吹出口35から浴室100に温風が吹出される。これにより、浴室暖房機30によって浴室100が暖房される。
また、放熱器32を流通した温水は、上流側復路管61を通じてファンコンベクタ40の放熱器42に供給され、この放熱器42に供給された温水は、放熱器42を流通する。ここで、ファンコンベクタ40の起動スイッチ44がオンとされると、ファンコンベクタ40のファン43が作動する。ファン43が作動すると、放熱器42を通過する空気が温水と熱交換して加温され、ファンコンベクタ40の吹出口45から脱衣室102に温風が吹出される。これにより、ファンコンベクタ40によって脱衣室102が暖房される。
なお、浴室・脱衣室暖房運転中であっても、ファンコンベクタ40の起動スイッチ44がオフとされると、ファンコンベクタ40のファン43が停止し、ファンコンベクタ40からの温風の吹出が停止される。
また、上述の浴室・脱衣室暖房運転中に、温度センサ91からは、浴室暖房機30の吸込口34に吸い込まれる浴室内の空気の温度に応じた温度検出信号が出力される。さらに、リモコン92にて温度調節スイッチが操作されると、この操作に応じた温度調節信号がリモコン92から出力される。これら温度検出信号及び温度調節信号は、制御ユニット93に入力される。
制御ユニット93は、温度調節信号を検出すると、この温度調節信号に基づくデータをRAMに一時的に記憶する。また、制御ユニット93は、RAMに一時的に記憶した温度調節信号に基づくデータと温度検出信号に基づくデータとが一致するように(すなわち、浴室の温度が設定温度になるように)、温度検出信号に基づいて調節弁23を駆動させてガスバーナ22の火力を制御する。
なお、温度センサ91は、浴室暖房機30に設けられており、ファンコンベクタ40には特に温度センサが設けられていないが(脱衣室側の温度制御をしていないが)、ファンコンベクタ40には、浴室暖房機30を経由することで浴室暖房機30よりも温度の低い温水が供給されるので、脱衣室102が浴室100よりも温度が高くなることが抑制される。
<脱衣室暖房運転>
一方、リモコン92の暖房運転選択スイッチが操作されて脱衣室暖房運転が選択されると、リモコン92から制御ユニット93に脱衣室暖房運転モード選択信号が出力される。制御ユニット93は、脱衣室暖房運転モード選択信号を検出すると、脱衣室暖房運転モードになり、ガスバーナ22を点火させると共に、熱源機20の送風機21、及び、循環ポンプ25を作動させるが、浴室暖房機30のファン33については停止状態とする。これにより、浴室暖房機30からの温風の吹出が停止された状態となる。
また、制御ユニット93は、脱衣室暖房運転モードになると、流路切替弁82を切替駆動させる。流路切替弁82が切替駆動されると、往路管50におけるバイパス管81との接続部よりも下流側が封止され、往路管50とバイパス管81とが連通される。また、熱源機20にて加熱された温水は、往路管50から浴室暖房機30の放熱器32を通らずにバイパス管81及び上流側復路管61を通じてファンコンベクタ40の放熱器42に供給される。
そして、ファンコンベクタ40の起動スイッチ44がオンとされると、ファン43が作動すると共に、放熱器42を通過する空気が温水と熱交換して加温されて、ファンコンベクタ40から脱衣室102に温風が吹出される。
なお、脱衣室暖房運転モードでは、ファンコンベクタ40による温風の吹出のみが行われるので、好ましくは、制御ユニット93により調節弁23が駆動されてガスバーナ22が弱火に制御される。
続いて、本発明の第一実施形態の作用及び効果について説明する。
以上詳述したように、本発明の第一実施形態に係る暖房システム10によれば、往路管50及び復路管60を介して熱源機20と浴室暖房機30とが接続されており、この熱源機20と浴室暖房機30との間で温水が循環される。そして、浴室暖房機30は、熱源機20から供給された温水の熱を利用して浴室100を暖房する。また、浴室暖房機30と熱源機20とを接続する復路管60には、ファンコンベクタ40が接続されており、ファンコンベクタ40は、浴室暖房機30を経由した温水の熱を利用して脱衣室102を暖房する。従って、浴室暖房機30により浴室100が暖房されることに加え、ファンコンベクタ40により脱衣室102が暖房されるので、入浴時の快適性を向上させることができる。
しかも、ファンコンベクタ40は、浴室暖房機30と熱源機20とを接続する復路管60に接続されており、浴室暖房機30を経由した温水の熱を利用して脱衣室102を暖房する。つまり、この暖房システム10では、一つの熱源機20に対して浴室暖房機30及びファンコンベクタ40が直列に接続されており、一つの温水循環回路において浴室暖房機30及びファンコンベクタ40の両方で放熱が行われる。このため、浴室暖房機30及びファンコンベクタ40を通過し放熱した温水が温度の低い状態で熱源機20に戻される。従って、熱源機20からの往きの温水の温度と、熱源機20への戻りの温水の温度との差を大きくすることができるので、熱源機20(ガスバーナ22)の燃焼効率を向上させることができる。
このように、本発明の第一実施形態に係る暖房システム10によれば、入浴時の快適性の向上と、熱源機20の燃焼効率の向上とを両立させることができる。
また、この暖房システム10によれば、浴室暖房機30による浴室100の暖房と、ファンコンベクタ40による脱衣室102の暖房とが行われているときには、浴室暖房機30に設けられた温度センサ91から出力された信号に基づいてガスバーナ22の火力が制御ユニット93により制御される。これにより、浴室100の温度が設定温度を超えることを抑制することができるので、入浴時の快適性を確保することができる。
また、温度センサ91は、浴室暖房機30及びファンコンベクタ40のうち浴室暖房機30に設けられており、ファンコンベクタ40では温度の検出を行わないので、ファンコンベクタ40の構造を簡素化することができる。
なお、上述のように、温度センサ91を浴室暖房機30に設けることで浴室側の温度制御をする場合でも、ファンコンベクタ40には、浴室暖房機30を経由することで浴室暖房機30よりも温度の低い温水が供給されるので、脱衣室102が浴室100よりも温度が高くなることを抑制することができる。
また、復路管60を通じて浴室暖房機30から熱源機20に戻る温水をファンコンベクタ40の熱源として有効に活用するので、暖房システム10の構成を簡易化することができる。
また、ファンコンベクタ40によって脱衣室102を暖房することにより、浴室100と脱衣室102との温度差を小さくすることができる。これにより、入浴者が脱衣室102から浴室100に移動する際に、入浴者の体に掛かる負担を軽減することができる。
また、起動スイッチ44を操作することにより、ファンコンベクタ40からの温風の吹出と停止とを切り替えることができる。これにより、ファンコンベクタ40の利便性を確保することができる。
また、リモコン92の切替操作に応じて、浴室暖房機30から浴室100に温風が吹出されると共にファンコンベクタ40から脱衣室102に温風が吹出される状態と、浴室暖房機30から浴室100に温風が吹出されないがファンコンベクタ40から脱衣室102に温風が吹出される状態とに切り替えることができる。これにより、暖房システム10の使い勝手を向上させることができる。
なお、通常、熱源機20から浴室暖房機30に供給される往きの温水の温度は、約80℃であり、浴室暖房機30からの戻り温水の温度は、約50℃〜60℃程度である。従って、浴室暖房機30を経由した温水でも、脱衣室102を暖房するのに必要な熱量を有しているので、この浴室暖房機30を経由した温水の熱を暖房用に利用可能である。
続いて、本発明の第一実施形態の変形例について説明する。
本発明の第一実施形態において、流路切替弁82は、往路管50とバイパス管81との接続部に設けられていたが、バイパス管81と上流側復路管61との接続部に設けられていても良い。そして、この流路切替弁82は、バイパス管81を封止して上流側復路管61を全長に亘って連通させる状態と、上流側復路管61におけるバイパス管81との接続部よりも上流側を封止してバイパス管81と上流側復路管61とを連通させる状態とに切り替わっても良い。
このように構成されていても、流路切替弁82の切替に応じて、温水が往路管50から浴室暖房機30を通じて上流側復路管61に流れる状態と、温水が往路管50から浴室暖房機30を経由せずにバイパス管81を通じて上流側復路管61に流れる状態とに切り替えることができる。
また、本発明の第一実施形態において、バイパス管81及び流路切替弁82は、次のように設けられていても良い。すなわち、図2に示される変形例において、バイパス管81は、ファンコンベクタ40を跨いで配索されている。そして、バイパス管81の一端が上流側復路管61に接続されると共にバイパス管81の他端が下流側復路管62に接続されることにより、上流側復路管61と下流側復路管62とがバイパス管81によって連結されている。
また、流路切替弁82は、上流側復路管61とバイパス管81との接続部に設けられている。この流路切替弁82は、バイパス管81を封止して上流側復路管61を全長に亘って連通させる状態と、上流側復路管61におけるバイパス管81との接続部よりも下流側を封止して上流側復路管61とバイパス管81とを連通させる状態とに切り替わる。流路切替弁82は、通常、バイパス管81を封止して上流側復路管61を全長に亘って連通させる状態になっている。
そして、この図2に示される変形例において、暖房システム10は、次のように動作する。
<浴室・脱衣室暖房運転>
リモコン92の暖房運転選択スイッチが操作されて浴室・脱衣室暖房運転が選択されると、制御ユニット93が浴室・脱衣室暖房運転モードになる。制御ユニット93が浴室・脱衣室暖房運転モードになると、上述の本発明の第一実施形態における浴室・脱衣室暖房運転(図1参照)と同様に、熱源機20にて加熱された温水が往路管50を通じて浴室暖房機30の放熱器32に供給されると共に、放熱器32を経由した温水が上流側復路管61を通じてファンコンベクタ40の放熱器42に供給される。そして、浴室暖房機30のファン33及びファンコンベクタ40のファン43が作動されることにより、浴室暖房機30から浴室100に温風が吹出されると共にファンコンベクタ40から脱衣室102に温風が吹出される。
<浴室暖房運転>
一方、リモコン92の暖房運転選択スイッチが操作されて浴室暖房運転が選択されると、制御ユニット93が浴室暖房運転モードになる。制御ユニット93は、浴室暖房運転モードになると、ガスバーナ22を点火させると共に、熱源機20の送風機21、循環ポンプ25、及び、浴室暖房機30のファン33を作動させる。これにより、浴室暖房機30から浴室100に温風が吹出される。
また、制御ユニット93は、浴室暖房運転モードになると、流路切替弁82を切替駆動させる。流路切替弁82が切替駆動されると、上流側復路管61におけるバイパス管81との接続部よりも下流側が封止されて上流側復路管61とバイパス管81とが連通される。熱源機20にて加熱された温水は、往路管50及び浴室暖房機30の放熱器32を通過するが、この放熱器32を経由した温水は、上流側復路管61からファンコンベクタ40の放熱器42を通らずにバイパス管81及び下流側復路管62を通じて熱源機20の熱交換器24に戻る。これにより、ファンコンベクタ40からの脱衣室102への温風の吹出が停止された状態となる。
このように構成されていると、浴室暖房機30から浴室100に温風が吹出されると共にファンコンベクタ40から脱衣室102に温風が吹出される状態と、浴室暖房機30から浴室100に温風が吹出されるがファンコンベクタ40から脱衣室102に温風が吹出されない状態とに切り替えることができる。これにより、暖房システム10の使い勝手を向上させることができる。
なお、図2に示される変形例において、流路切替弁82は、バイパス管81と下流側復路管62との接続部に設けられていても良い。そして、この流路切替弁82は、バイパス管81を封止して下流側復路管62を全長に亘って連通させる状態と、下流側復路管62におけるバイパス管81との接続部よりも上流側を封止してバイパス管81と下流側復路管62とを連通させる状態とに切り替わっても良い。
このように構成されていても、温水が上流側復路管61からファンコンベクタ40を通じて下流側復路管62に流れる状態と、温水が上流側復路管61からファンコンベクタ40を経由せずにバイパス管81を通じて下流側復路管62に流れる状態とに切り替えることができる。
また、図2に示される変形例は、図1に示される本発明の第一実施形態と組み合わされて実施されても良い。そして、暖房システム10は、浴室暖房機30及びファンコンベクタ40から温風が吹出される状態と、浴室暖房機30のみから温風が吹出される状態と、ファンコンベクタ40のみから温風が吹出される状態とに切り替えられても良い。
また、本発明の第一実施形態において、浴室暖房機30は、浴室100に温風を吹出する構成とされていたが、熱源機20から供給された温水の熱を利用して浴室100を暖房する構成であれば、その他でも良い。
また、暖房システム10は、補助暖房機の一例として、ファンコンベクタ40を備えていたが、浴室暖房機30を経由した温水の熱を利用して脱衣室102を暖房するその他の補助暖房機をファンコンベクタ40の代わりに備えていても良い。
また、ファンコンベクタ40は、浴室の隣接領域の一例として、脱衣室102を暖房していたが、脱衣室102以外の浴室の隣接領域を暖房しても良い。
また、復路管60には、一つのファンコンベクタ40が接続されていたが、復路管60には、複数のファンコンベクタ40が直列又は並列に接続されていても良い。
また、浴室100の設定温度は、リモコン92の温度調節スイッチにより変更可能とされていたが、例えば、制御ユニット93に予め記憶されたプログラムにより浴室100の周辺温度等から自動的に設定されても良い。
また、温度センサ91は、浴室暖房機30に設けられていたが、浴室100内のその他の場所に設けられていても良い。
また、上記複数の変形例のうち組み合わせ可能な変形例は、適宜組み合わされて実施されても良い。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
図3に示される本発明の第二実施形態に係る暖房システム110は、上述の本発明の第一実施形態に係る暖房システム10の変形例(図2参照)に対し、次のように構成が変更されている。
つまり、本発明の第二実施形態に係る暖房システム110は、上述のファンコンベクタ40(図2参照)の代わりに、補助暖房機としての浴室床暖房機140を備えている。
浴室床暖房機140は、浴室100の床部103に設置されている。この浴室床暖房機140は、浴室暖房機30を経由した温水の熱を利用して床部103を暖房するものである。具体的に説明すると、浴室床暖房機140は、温水が流通される放熱器142を有している。この放熱器142の入口は、上流側復路管61を介して浴室暖房機30の放熱器32の出口と接続されている。
浴室暖房機30を経由した温水は、上流側復路管61を通じて放熱器142に供給される。温水が放熱器142を流通すると、この温水が床部103と熱交換して床部103が加温される。放熱器142の出口は、下流側復路管62を介して熱交換器24の入口と接続されており、放熱器142を流通した温水は、下流側復路管62を通じて熱交換器24に戻される。また、バイパス管81は、浴室床暖房機140を跨いで配索されている。
続いて、本発明の第二実施形態に係る暖房システム110の主な運転動作について説明する。
<浴室温風・床暖房運転>
リモコン92の暖房運転選択スイッチが操作されて浴室温風・床暖房運転が選択されると、制御ユニット93は、浴室温風・床暖房運転モードになり、ガスバーナ22を点火させると共に、熱源機20の送風機21、循環ポンプ25、及び、浴室暖房機30のファン33を作動させる。これにより、浴室暖房機30から浴室100に温風が吹出される。
また、浴室暖房機30の放熱器32を流通した温水は、上流側復路管61を通じて浴室床暖房機140の放熱器142に供給され放熱器142を流通する。温水が放熱器142を流通すると、この温水が床部103と熱交換して床部103が加温される。
また、浴室温風・床暖房運転中に、温度センサ91からは、吸込口34に吸い込まれる浴室内の空気の温度に応じた温度検出信号が出力される。制御ユニット93は、温度調節信号を検出すると、浴室の温度が設定温度になるように温度検出信号に基づいて調節弁23を駆動させてガスバーナ22の火力を制御する。
なお、温度センサ91は、浴室暖房機30に設けられており、浴室床暖房機140には特に温度センサが設けられていないが(浴室の床側の温度制御をしていないが)、浴室床暖房機140には、浴室暖房機30を経由することで浴室暖房機30よりも温度の低い温水が供給されるので、浴室100の床部103が浴室100よりも温度が高くなることが抑制される。
<浴室温風運転>
一方、リモコン92の暖房運転選択スイッチが操作されて浴室温風運転が選択されると、制御ユニット93が浴室温風運転モードとなる。制御ユニット93は、浴室温風運転モードになると、ガスバーナ22を点火させると共に、熱源機20の送風機21、循環ポンプ25、及び、浴室暖房機30のファン33を作動させる。これにより、浴室暖房機30から浴室100に温風が吹出される。
また、制御ユニット93は、浴室温風運転モードになると、流路切替弁82を切替駆動させる。流路切替弁82が切替駆動されると、上流側復路管61におけるバイパス管81との接続部よりも下流側が封止されて上流側復路管61とバイパス管81とが連通される。熱源機20にて加熱された温水は、往路管50及び浴室暖房機30の放熱器32を通過するが、この放熱器32を経由した温水は、上流側復路管61から浴室床暖房機140の放熱器142を通らずにバイパス管81及び下流側復路管62を通じて熱源機20の熱交換器24に戻る。これにより、浴室床暖房機140による床部103の加温が停止された状態となる。
続いて、本発明の第二実施形態の作用及び効果について説明する。
以上詳述したように、本発明の第二実施形態に係る暖房システム110によれば、浴室暖房機30は、熱源機20から供給された温水の熱を利用して温風を生成すると共に、この温風を浴室100に吹出する。また、浴室暖房機30と熱源機20とを接続する復路管60には、浴室床暖房機140が接続されており、浴室床暖房機140は、浴室暖房機30を経由した温水の熱を利用して浴室100の床部103を加温する。従って、浴室暖房機30により浴室100に温風が吹出されることに加え、浴室床暖房機140により浴室100の床部103が加温されるので、入浴時の快適性を向上させることができる。
しかも、浴室床暖房機140は、浴室暖房機30と熱源機20とを接続する復路管60に接続されており、浴室暖房機30を経由した温水の熱を利用して浴室100の床部103を暖房する。つまり、この暖房システム110では、一つの熱源機20に対して浴室暖房機30及び浴室床暖房機140が直列に接続されており、浴室暖房運転では、一つの温水循環回路において浴室暖房機30及び浴室床暖房機140の両方で放熱が行われる。このため、浴室暖房機30及び浴室床暖房機140を通過し放熱した温水が温度の低い状態で熱源機20に戻される。従って、熱源機20からの往きの温水の温度と、熱源機20への戻りの温水の温度との差を大きくすることができるので、熱源機20の燃焼効率を向上させることができる。
このように、本発明の第二実施形態に係る暖房システム110によっても、入浴時の快適性の向上と、熱源機20の燃焼効率の向上とを両立させることができる。
また、この暖房システム110によれば、浴室暖房機30による浴室100の暖房と、浴室床暖房機140による浴室100の床部103の暖房とが行われているときには、浴室暖房機30に設けられた温度センサ91から出力された信号に基づいてガスバーナ22の火力が制御ユニット93により制御される。これにより、浴室100の温度が設定温度を超えることを抑制することができるので、入浴時の快適性を確保することができる。
また、温度センサ91は、浴室暖房機30及び浴室床暖房機140のうち浴室暖房機30に設けられており、浴室床暖房機140では温度の検出を行わないので、浴室床暖房機140の構造を簡素化することができる。
なお、上述のように、温度センサ91を浴室暖房機30に設けることで浴室側の温度制御をする場合でも、浴室床暖房機140には、浴室暖房機30を経由することで浴室暖房機30よりも温度の低い温水が供給されるので、浴室100の床部103が浴室100よりも温度が高くなることを抑制することができる。
また、復路管60を通じて浴室暖房機30から熱源機20に戻る温水を浴室床暖房機140の熱源として有効に活用するので、暖房システム110の構成を簡易化することができる。
また、浴室暖房運転では、浴室100の上部に設置された浴室暖房機30によって浴室100に温風が吹出されると共に、浴室100の床部103に設置された浴室床暖房機140によって床部103が加温される。従って、浴室100を素早く暖房することができるので、浴室100の利便性を向上させることができる。
また、リモコン92の切替操作に応じて、浴室暖房機30から浴室100に温風が吹出されると共に浴室床暖房機140によって床部103が加温される状態と、浴室暖房機30から浴室100に温風が吹出されるが浴室床暖房機140によって床部103が加温されない状態とに切り替えることができる。これにより、暖房システム110の使い勝手を向上させることができる。
続いて、本発明の第二実施形態の変形例について説明する。
本発明の第二実施形態において、流路切替弁82は、上流側復路管61とバイパス管81との接続部に設けられていたが、バイパス管81と下流側復路管62との接続部に設けられていても良い。そして、流路切替弁82の切替に応じて、温水が上流側復路管61から浴室床暖房機140を通じて下流側復路管62に流れる状態と、温水が上流側復路管61から浴室床暖房機140を経由せずにバイパス管81を通じて下流側復路管62に流れる状態とに切り替えられても良い。
また、バイパス管81及び流路切替弁82は、次のように設けられていても良い。すなわち、図4に示される変形例において、バイパス管81は、上述の本発明の第一実施形態(図1参照)と同様に、浴室暖房機30を跨いで配索されている。また、流路切替弁82は、往路管50とバイパス管81との接続部に設けられている。この流路切替弁82の切替動作も、上述の本発明の第一実施形態(図1参照)と同様である。
そして、この図4に示される変形例において、暖房システム110は、次のように動作する。
<浴室温風・床暖房運転>
リモコン92の暖房運転選択スイッチが操作されて浴室温風・床暖房運転が選択されると、制御ユニット93が浴室温風・床暖房運転モードになる。制御ユニット93が浴室温風・床暖房運転モードになると、上述の本発明の第二実施形態における浴室・脱衣室暖房運転(図3参照)と同様に、熱源機20にて加熱された温水が往路管50を通じて浴室暖房機30の放熱器32に供給されると共に、放熱器32を経由した温水が上流側復路管61を通じて浴室床暖房機140の放熱器142に供給される。そして、浴室暖房機30のファン33が作動されることにより、浴室暖房機30から浴室100に温風が吹出されると共に、放熱器142を流通する温水が床部103と熱交換して床部103が加温される。
<床暖房運転>
一方、リモコン92の暖房運転選択スイッチが操作されて床暖房運転が選択されると、制御ユニット93が床暖房運転モードになる。制御ユニット93は、床暖房運転モードになると、ガスバーナ22を点火させると共に、熱源機20の送風機21、及び、循環ポンプ25を作動させるが、浴室暖房機30のファン33については停止状態とする。これにより、浴室暖房機30からの温風の吹出が停止された状態となる。
また、制御ユニット93は、床暖房運転モードになると、流路切替弁82を切替駆動させる。流路切替弁82が切替駆動されると、往路管50におけるバイパス管81との接続部よりも下流側が封止され、往路管50とバイパス管81とが連通される。また、熱源機20にて加熱された温水は、往路管50から浴室暖房機30の放熱器32を通らずにバイパス管81及び上流側復路管61を通じて浴室床暖房機140の放熱器142に供給される。これにより、浴室床暖房機140によって床部103が加温される。
このように構成されていると、浴室暖房機30によって浴室100に温風が吹出されると共に浴室床暖房機140によって床部103が加温される状態と、浴室暖房機30によって浴室100に温風が吹出されないが浴室床暖房機140によって床部103が加温される状態とに切り替えることができる。これにより、暖房システム110の使い勝手を向上させることができる。
なお、床暖房運転モードでは、浴室床暖房機140による床部103の加温のみが行われるので、好ましくは、制御ユニット93により調節弁23が駆動されてガスバーナ22が弱火に制御される。
また、図4に示される変形例では、浴室暖房停止時に、リモコン92の温度調節スイッチの操作に応じてガスバーナ22の火力が制御されて温水の温度が調節され、これにより、床部103の温度が調節されても良い。
また、図4に示される変形例において、流路切替弁82は、バイパス管81と上流側復路管61との接続部に設けられていても良い。そして、この流路切替弁82の切替に応じて、温水が往路管50から浴室暖房機30を通じて上流側復路管61に流れる状態と、温水が往路管50から浴室暖房機30を経由せずにバイパス管81を通じて上流側復路管61に流れる状態とに切り替えられても良い。
また、図4に示される変形例は、図3に示される本発明の第二実施形態と組み合わされて実施されても良い。そして、暖房システム110は、浴室暖房機30及び浴室床暖房機140によって浴室100が暖房される状態と、浴室暖房機30のみによって浴室100が暖房される状態と、浴室床暖房機140のみによって浴室100が暖房される状態とに切り替えられても良い。
また、本発明の第二実施形態において、浴室暖房機30は、浴室100に温風を吹出する構成とされていたが、熱源機20から供給された温水の熱を利用して浴室100を暖房する構成であれば、その他でも良い。
また、暖房システム110は、補助暖房機の一例として、浴室床暖房機140を備えていたが、浴室暖房機30を経由した温水の熱を利用して浴室100を暖房するその他の補助暖房機(例えば、浴室側壁暖房機など)を浴室床暖房機140の代わりに備えていても良い。
また、復路管60には、一つの浴室床暖房機140が接続されていたが、復路管60には、複数の浴室床暖房機140が直列又は並列に接続されていても良い。
また、浴室100の設定温度は、リモコン92の温度調節スイッチにより変更可能とされていたが、例えば、制御ユニット93に予め記憶されたプログラムにより浴室100の周辺温度等から自動的に設定されても良い。
また、温度センサ91は、浴室暖房機30に設けられていたが、浴室100内のその他の場所に設けられていても良い。
また、上記複数の変形例のうち組み合わせ可能な変形例は、適宜組み合わされて実施されても良い。
また、上記第一実施形態に係る暖房システム10と第二実施形態に係る暖房システム110とは、組み合わされて実施されても良い。
また、上記第一実施形態及び第二実施形態において、熱源機20は、熱交換器24をガスバーナ22で直接的に加熱することにより、復路管60を通じて戻される温水を加熱する構成とされていた。しかしながら、熱源機20は、熱交換器24と熱交換可能な追い焚き回路と、この追い焚き回路に温水を循環させるふろ回路ポンプと、追い焚き回路を流れる温水を加熱するガスバーナとを有し、熱交換器24をガスバーナで間接的に加熱する構成とされていても良い。つまり、熱源機20は、復路管60を通じて戻される温水をガスバーナの熱を利用して加熱する構成であれば、どのよう方式でも良い。
以上、本発明の一例について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。