JP2014190467A - 回転促進装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造が簡単で、製作費の高額化を防止し、被回転体の回転に使用するエネルギーを少なくして、そのエネルギーの消費費用を低減させることができる回転促進装置を提供する。
【解決手段】水平方向に伸びる軸線を中心として回転可能に設けられた板状の回転体24と、回転体24と同一の軸線上に配置され、自転も公転もできないように設けられた中心固定スプロケット22と、回転体24が回転することにより同一の軸線の周りに公転すると共に自転することも可能な複数の外側スプロケット28と、この外側スプロケット28が中心固定スプロケット22に対して相対回転を生じないように、外側スプロケット28の回転を駆動するローラーチェーン32と、回転体24と連動するように設けられた回転体26と、回転体24及び回転体26の回転力が増す方向に偏るように、長さ方向の他端部に質量体38,40が設けられた複数の支持部材34,36とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、被回転体の回転運動を促進することができる回転促進装置に関するものである。
従来において、例えば換気扇装置等においては、モーター等の駆動源により発生した動力を直接その換気扇装置のファン等の被回転体を回転させるために使用しているので、エネルギーを大量に必要として、そのエネルギーの消費にかかる費用の高額化を招くという問題があった。
上記問題の解決を図るために、回転体の偏心回転を利用して回転力の発生、及び回転運動の効率性の向上を目的とする回転駆動装置があった(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の図1に示すように、従来の回転駆動装置1は、枢支軸6を介して、支持部材5・5とは回動可能に、固定支持部材7・7とは完全固定状態に支持されたコアギア2と、該コアギア2の円周方向に等間隔をおいて配置されて外接する、4組の回転体3R・3L・3U・3D(以下、まとめて回転体3とする)により構成されていた。
回転体3は、中空円筒構造体の外周部及び内周部にモジュール歯を加工した外部ギア10と、その内周部より内側に軸心を共有して配設した内部ギア8と、外部ギア10の内周部に、軸心から偏心し、かつ軸を平行に配設した転動体4により構成されていた。
転動体4は、中空円筒構造体の外周部及び内周部にモジュール歯を加工した外部ギア14・14と、それに内接するアイドラー15から構成されていた。外部ギア14・14は、軸心を共有しかつ互いに対向するように配設された2枚のギアで構成され、その外周部では回転体3の外部ギア10の内周部とそれぞれモジュール歯を噛み合わされ、また、内周部ではアイドラー15の構成要素である、ギア17R・17R・17L・17Lの外周部とそれぞれモジュール歯を噛み合わされて配置されていた。
このような従来の回転駆動装置1は、その重心位置が4つの転動体4により、常に回転中心である枢支軸6に対して偏心しており、コアギア2の周囲を回る4組の回転体3の回転力を効率的に、換気扇のファン等の被回転体に伝達することができるため、被回転体の回転(作動機構の作動)に使用するエネルギーを少なくすることができ、エネルギーの消費にかかる費用を低減させることができるようになっていた。
特開2007−107545号公報
しかしながら、上記従来の回転駆動装置1においては、複雑な形状を有する部品が多数組み合わされる構成になっているために、その構造が複雑なものとなり、製作費の高額化を招くと共に、エネルギーの消費にかかる費用を低減させる効果が少ないという問題があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、構造が簡単であり、製作費の高額化を防止することができると共に、被回転体の回転に使用するエネルギーを少なくして、そのエネルギーの消費にかかる費用を低減させることができる回転促進装置を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明による回転促進装置は、
厚さ方向が水平方向となるように配置され、水平方向に伸びる軸線を中心として回転可能に設けられた板状の第1の回転体と、
前記第1の回転体の軸線と同一の軸線上に配置され、自転も公転もできないように設けられた唯一つの回転静止車と、
前記第1の回転体の軸線方向において前記回転静止車と同じ位置に、かつ前記第1の回転体の軸線方向と垂直な方向において前記回転静止車からこの半径外側方向に離れた位置に配置され、前記第1の回転体が回転することにより前記第1の回転体の軸線と同一の軸線の周りに公転すると共に自転することも可能な複数の外側回転車と、
前記回転静止車と前記外側回転車に掛け渡されて、前記外側回転車が公転することにより前記外側回転車を自転させて、この外側回転車が前記回転静止車に対して相対回転を生じないように、前記外側回転車の回転を駆動する無端状の回転駆動手段と、
前記第1の回転体の軸線と同一の軸線上に配置されて前記第1の回転体と連動するように設けられた第2の回転体と、
長さ方向の一端部が前記外側回転車と一体的に設けられて、長さ方向が略水平方向の状態に維持され、質量体の重心位置が前記第1及び第2の回転体の重心位置に対して前記第1及び第2の回転体の回転力が増す方向に偏るように、長さ方向の他端部に前記質量体が設けられた複数の支持部材とを備え、
前記第1又は第2の回転体の回転力が被回転体に伝達されることにより前記被回転体の回転力を促進するようにしたことを特徴とするものである。
このような本発明の回転促進装置によれば、
厚さ方向が水平方向となるように配置され、水平方向に伸びる軸線を中心として回転可能に設けられた板状の第1の回転体と、
前記第1の回転体の軸線と同一の軸線上に配置され、自転も公転もできないように設けられた唯一つの回転静止車と、
前記第1の回転体の軸線方向において前記回転静止車と同じ位置に、かつ前記第1の回転体の軸線方向と垂直な方向において前記回転静止車からこの半径外側方向に離れた位置に配置され、前記第1の回転体が回転することにより前記第1の回転体の軸線と同一の軸線の周りに公転すると共に自転することも可能な複数の外側回転車と、
前記回転静止車と前記外側回転車に掛け渡されて、前記外側回転車が公転することにより前記外側回転車を自転させて、この外側回転車が前記回転静止車に対して相対回転を生じないように、前記外側回転車の回転を駆動する無端状の回転駆動手段と、
前記第1の回転体の軸線と同一の軸線上に配置されて前記第1の回転体と連動するように設けられた第2の回転体と、
長さ方向の一端部が前記外側回転車と一体的に設けられて、長さ方向が略水平方向の状態に維持され、質量体の重心位置が前記第1及び第2の回転体の重心位置に対して前記第1及び第2の回転体の回転力が増す方向に偏るように、長さ方向の他端部に前記質量体が設けられた複数の支持部材とを備え、
前記第1又は第2の回転体の回転力が被回転体に伝達されることにより前記被回転体の回転力を促進するようにしたことにより、
構造が簡単であり、製作費の高額化を防止することができると共に、被回転体の回転に使用するエネルギーを少なくして、そのエネルギーの消費にかかる費用を低減させることができる。
本発明の一実施の形態に係る回転促進装置20の正面図である。 図1における回転促進装置20の右側面図である。 図1における回転促進装置20の上面図である。 図1における回転促進装置20のA−A線矢視断面図である。 図4における回転促進装置20の左半分を示す部分拡大断面図である。 図2における回転促進装置20のB−B線矢視断面図である。 回転促進装置20と、回転体24の回転を駆動する駆動装置50から構成される回転促進構造70の概略図である。 図1における回転促進装置20の各部材の回転方向を示した図である。 回転促進装置20の動作を説明するための、回転動作中の回転体24,26と、外側スプロケット28と、支持部材34,36及び質量体38,40との位置関係を示した図1における回転促進装置20の部分拡大図である。 回転促進装置20の回転体26から回転力を伝達するサイクロイド歯車60と、駆動モーター69を有する、換気扇装置65の概略上面図である。
以下、本発明に係る回転促進装置を実施するための形態について、図面に基づいて具体的に説明する。図1から図10は、本発明の一実施の形態に係る回転促進装置20について説明するために参照する図である。
本発明の一実施の形態に係る回転促進装置20は、図1から図3に示すように、厚さ方向に、同軸上に並べて配置された回転体24(第1の回転体),回転体26(第2の回転体)と、これらの回転体24,26の互いに対向するそれぞれの面の間に挟まれるように配置された中心固定スプロケット22(回転静止車)と、内側スプロケット27(内側回転車)と、外側スプロケット28(外側回転車)等を備えて構成されている。
ここで、中心固定スプロケット22は、図1に示すように、ローラーチェーン32(回転駆動手段)と、内側スプロケット27と、外側スプロケット28の内側(支持軸42側)に配置されているため、図2,3中においては、ローラーチェーン32、内側スプロケット27、及び外側スプロケット28に遮られるので図示されない。
また、図1から図3に示すように、支持台46は、長方形板状の底板部46a(図3参照)と、図1中の底板部46aから上方に立設された、その鉛直方向の面形状が略三角形状(図1参照)の立設部46bとを有して構成されている。
そして、支持台46の立設部46bに、回転促進装置20の図2中左右両方向に伸びる支持軸42の両端部のそれぞれが、回転不能に設けられている。
そして、図1に示す立設部46bの上端部には、図4に示すように、貫通孔46cが形成され、この貫通孔46cには、丸棒状の支持軸42がその軸線方向に挿通されて、不図示のキー等により、回転不能に固定されている。
図1に示すように、回転体24,26は円形板状に形成され、その円形面が、その厚さ方向(図2中左右方向)において互いに対向するように配置されている。
また、図5,6に示すように、回転体24,26は、その軸線部に開口された軸孔24a,26aに、支持軸42が、支持ブッシュ54,56を介して回転自在に挿通されている。図2に示すように支持軸42は、その両端部に配置された支持台46の立設部46bの上端部分に、水平になるよう支持されている。
また、図1,5に示すように円筒歯車状の中心固定スプロケット22は、その軸線に対して垂直な両側の面が、回転体24,26のその軸線に対して垂直な内側(中心固定スプロケット22側)の面に対向するように、回転体24,26と同一軸線上に配置されている。
そして、中心固定スプロケット22の、その軸線部に開口された軸孔22aに支持軸42が、不図示のキー等により、中心固定スプロケット22に対して回転しないように挿通されている。
このため、中心固定スプロケット22は、回転不能の支持軸42に対して回転しないように固定されているため、中心固定スプロケット22はいかなる状況でも回転することはなく、常に静止している。
また、図6に示すように、回転体24,26の厚さ方向と垂直な円形面の中心寄りの円周上に、円周方向に略90度ごとに間隔を置いて離れた位置を中心とする4つの内側貫通孔24b,26bがそれぞれ設けられている。
そして、回転体24,26の内側貫通孔24b,26bには、図2に示すように、支持軸42よりも長さが短く、径が小さい丸棒状の連結ピン47が、支持軸42と平行方向に挿通されている。
また、連結ピン47は、回転体24,26の内側貫通孔24b,26bに嵌め込まれた支持ブッシュ57,58(図6参照)を介して、回転体24,26に対して回転自在に設けられている。
図1から3に示すように、円筒歯車状の内側スプロケット27は、その軸線に対して垂直な両側の面が、回転体24,26の厚さ方向の片側の面、すなわち図2中左右方向に対して垂直な内側の面に対向するように、回転体24,26の軸線と平行の軸線上に配置されている。
そして、内側スプロケット27の軸線部に開口された軸孔27a(図1参照)に連結ピン47が、不図示のキー等などにより、内側スプロケット27に対して回転しないように挿通されている。
したがって、内側スプロケット27は連結ピン47と共に、回転体24,26に対して回転自在となっている。
また、内側スプロケット27は、図2,3に示すように、回転体24,26間に挟まれた間隔内に配置されて、回転体24,26それぞれの面と対向するように設けられているので、内側スプロケット27が連結ピン47の軸線を中心として回転した際に、内側スプロケット27が回転体24,26と接触することはなく、内側スプロケット27に円滑な回転運動をさせることができるようになっている。
図6に示すように、回転体24,26の厚さ方向と垂直な円形面の外周寄りの円周上には、円周方向に略90度ごとに間隔を置いて離れた位置を中心とする、4つの外側貫通孔24c,26cがそれぞれ設けられている。
また、外側貫通孔24c,26cは、内側貫通孔24b,26bが配置された位置に対して、回転体24,26の円周方向に位相が略45度変位した位置関係で、互い違いに配置されている。
そして、図4,6に示すように、外側貫通孔24c,26cには、支持軸42よりも長さが短く、径が小さい丸棒状の連結ピン48が、支持軸42と平行方向に挿通されている。
また、図5,6に示すように、連結ピン48は、回転体24,26の外側貫通孔24c,26cに嵌め込まれた支持ブッシュ57,58を介して、回転体24,26に対して回転自在に設けられている。
図1から3に示すように、円筒歯車状の外側スプロケット28は、その軸線に対して垂直な両側の面が、回転体24,26の厚さ方向の片側の面、すなわち図2中左右方向に対して垂直な内側の面に対向するように、回転体24,26の軸線と平行の軸線上に配置されている。
また、外側スプロケット28は、中心固定スプロケット22と同じ11個の歯数(図1参照)で形成されている。図1において、内側スプロケット27も外側スプロケット28と同じ11個の歯数(図1参照)で形成されているが、内側スプロケット27は必ずしも中心固定スプロケット22と同じ、11個の歯数でなくてもよい。
そして、図5に示すように、外側スプロケット28(図1参照)の軸線部に開口された軸孔28aに連結ピン48が、不図示のキー等により、外側スプロケット28に対して回転しないように挿通されている。
したがって、外側スプロケット28は連結ピン48と共に、回転体24,26に対して回転自在となっている。
また、図1に示す外側スプロケット28は、図2,3に示すように、回転体24,26と図2,3中左右方向に所定の間隔を空けて対向するように連結ピン48に支持されているので、外側スプロケット28が連結ピン48の軸線を中心として回転した際に、外側スプロケット28が回転体24,26と接触することはなく、外側スプロケット28に円滑な回転運動をさせることができるようになっている。
また、図1から図4に示すように、連結ピン48の長さ方向の両端部(図4中上下方向の両端部)には、支持部材34,36が設けられている。この支持部材34,36は、図3中左右方向に対して垂直な内側の面のそれぞれが、回転体24,26の軸線に対して垂直な外側の面のそれぞれに対向して、回転体24,26のそれぞれとは間隔を置いて離れて配置されている。
支持部材34,36は、図1中左右方向に長さを有し、その両端部が半円形状に形成され、それらの長さ方向の一端部(図1中右端部)には貫通孔34a,36aがそれぞれ開口しており、それらの他端部(図1中左端部)には嵌合孔34b,36bが形成されている。
また、図1,8,9に示すように、支持部材34,36の長さ方向が水平になるようにして、図4に示すように、それぞれの貫通孔34a,36aに連結ピン48が挿通され、このとき連結ピン48は不図示のキー等により、支持部材34,36に対して回転しないように挿通されている。
したがって、支持部材34,36は、外側スプロケット28に連結ピン48を介して固定されているため、外側スプロケット28が連結ピン48の軸線を中心として回転した際には、それに連動して回転するようになっている。
図4,5に示すように、支持部材34,36の嵌合孔34b,36bのそれぞれには、円柱状に形成された質量体38,40それぞれの一端部側が嵌合されている。質量体38,40の他端部側は、支持部材34,36の回転体24,26に対向する面とは反対側の面から垂直方向外側に突出して設けられている。
このため、質量体38,40は、外側スプロケット28に対して連結ピン48、及び支持部材34,36を介して固定されているため、外側スプロケット28が連結ピン48の軸線を中心として回転した際には、外側スプロケット28と一体となって回転する。
また、図1から3に示すように、1つの中心固定スプロケット22と、4つの内側スプロケット27の間、及び4つの外側スプロケット28の外側に渡って、1本の無端状のローラーチェーン32が掛け渡されている。
図1に示すように、中心固定スプロケット22には、その周囲に配置された4つの内側スプロケット27と隣合ったその円周上の4ヶ所の部分に、ローラーチェーン32の内側が巻き掛けられると共に、内側スプロケット27には、中心固定スプロケット22と隣合ったその円周上の1ヶ所の部分に、ローラーチェーン32の外側が巻き掛けられている。
ところで、内側スプロケット27は、ローラーチェーン32が中心固定スプロケット22から脱輪しないように、ローラーチェーン32のローラーを中心固定スプロケット22側に押し付けるために設けられている。
図1に示すように、4つの外側スプロケット28それぞれの、回転体24,26の外周寄りの略半分の周部には、その半周の長さ部分より少し大きな円周長さ部分に、ローラーチェーン32の長さ途中の一部が巻き掛けられている。
また、図1の中心固定スプロケット22、内側スプロケット27及び外側スプロケット28は、図2,4に示すように、回転体24,26に対して、図中左右方向に所定の間隔をあけてそれぞれの支持軸42、連結ピン47,48に設けられているため、それらに巻き掛けられたローラーチェーン32が回転体24,26と接触することはない。
このようにローラーチェーン32が、中心固定スプロケット22、内側スプロケット27及び外側スプロケット28に掛け渡されて、回転体24と内側スプロケット27が回転することにより、外側スプロケット28が回転すると共に、ローラーチェーン32が移動(走行)するようになっている。
また、図7に示す回転促進構造70のように、回転促進装置20の回転体24は、駆動装置50により駆動されて、例えば図8中反時計回り方向に回転させられる。駆動装置50としては例えばモーターを用いて、この出力軸に設けた歯車と回転体24の外周に設けた歯車を噛み合わせることにより、駆動装置50は回転体24を回転させることができる。
次に、本発明の一実施の形態に係る回転促進装置20の動作について説明する。
図7に示す駆動装置50が、回転促進装置20の回転体24を回転させて、図8に示すように、回転体24を反時計回り方向に回転駆動すると、回転体24に支持ブッシュ57,58(図6参照)と連結ピン48を介して回転自在に支持されている、内側スプロケット27と外側スプロケット28は、回転体24の軸心を中心として、図8において反時計回り方向に円運動(公転)する。
そして、中心固定スプロケット22は回転(自転)せず、内側スプロケット27と外側スプロケット28は、それに巻き掛けられているローラーチェーン32と共に、図8において、回転体24の軸心を中心として反時計回り方向に円運動(公転)する。
このとき、中心固定スプロケット22は回転(自転)することなく静止していて、内側スプロケット27が、図8中反時計回り方向に公転をすることにより、ローラーチェーン32の、それまで中心固定スプロケット22の歯溝に嵌合していた位置のローラの隣のローラーが、内側スプロケット27により加圧されて、それまで中心固定スプロケット22の歯溝に嵌合していた位置の、隣の位置の歯溝に嵌合する。
すなわち、ローラーチェーン32の、それまで中心固定スプロケット22の歯溝に嵌合していた位置のローラの隣のローラが、公転をする内側スプロケット27により加圧されることにより、静止している中心固定スプロケット22の歯溝中では、ローラーチェーン32のローラが外れる歯溝と、新たにローラーが嵌合する歯溝ができることになる。
このことにより、内側スプロケット27により加圧された、ローラーチェーン32の前方側のチェーンは、外側スプロケット28から回転体24の半径方向内側に引き込まれ、内側スプロケット27に対して上記前方側と反対側の、後方側のチェーンは、中心固定スプロケット22から回転体24の半径方向外側に引き出されることにより、ローラーチェーン32が走行移動するようになっている。
そして、ローラーチェーン32のローラーが、中心固定スプロケット22の歯溝に次々とその位置を変えて嵌合していくと、ローラーがその位置を変えて嵌合した歯溝の数だけローラーチェーン32全体が図8に示す方向に移動することになる。
そして、ローラーチェーン32が、図8に矢印で示す方向に移動すると、図6の支持ブッシュ57,58と連結ピン48を介して回転体24に回転自在に支持されている外側スプロケット28は、連結ピン48と一体となって、ローラーチェーン32の移動と連動して、図8において時計回り方向に回転(自転)する。
そして、外側スプロケット28に連結ピン48を介して固定されている支持部材34,36及びこれらに固定されている質量体38,40は、外側スプロケット28と一体となって、図8において反時計回り方向に円運動(公転)する。
したがって、外側スプロケット28は、図8において連結ピン48の周りに時計回り方向に回転(自転)しながら、同時に回転体24の軸心を中心として反時計回り方向に円運動(公転)する。
そして、中心固定スプロケット22と、外側スプロケット28は同じ歯数と大きさに形成されているため、外側スプロケット28の、反時計回り方向の円運動(公転)の周期と、時計回り方向の回転(自転)の周期は同じとなっている。
すなわち、図9に示すように、所定の時間間隔において、外側スプロケット28が回転体24の軸心を中心として反時計回り方向に円運動(公転)する角度αと、外側スプロケット28が連結ピン48の軸心を中心として時計回り方向に回転(自転)する角度βは、同図中において共に略45度となり、互いに略同じ角度となる。
したがって、連結ピン48を介して外側スプロケット28に固定された支持部材34,36は、その長さ方向が常に水平方向を維持した状態で、回転体24の軸心を中心に円運動(公転)する。
このため、支持部材34,36の図8中左端部に接合されている質量体38,40は、回転体24,26の軸心から同図中左側に変位した位置(回転中心38C,40C)を中心とした、一点鎖線により示された円周上を反時計回り方向に円運動(公転)する。
ところで、内側スプロケット27は、図8に矢印で示すように反時計回り方向に回転し(自転)、外側スプロケット28と同様に、反時計回り方向の円運動(公転)を行うようになっている。
すなわち、内側スプロケット27は、ローラーチェーン32の移動と連動して連結ピン47の軸心を中心として反時計回り方向に回転(自転)しながら、同時に回転体24の軸心を中心として反時計回り方向に円運動(公転)する。
また、中心固定スプロケット22との間にローラーチェーン32を挟んで設けられた内側スプロケット27は、動作途中でローラーチェーン32の走行移動が妨げられたり、ローラーチェーン32のチェーン同士が互いに絡み合う等の障害が生じることがないようにして、上記の回転(自転)及び円運動(公転)を円滑に行なうようにするためにも設けられている。
さらに、図8に示すように、質量体38,40は、鉛直方向下方に作用する押し付け力Fを付加する重量を有している。また、質量体38,40の回転中心38C,40Cの位置は、同図中左右方向において、回転体24,26の軸心位置から図中左側に変位した位置に配置されている。
このため、各質量体38,40の重量により付加される、押し付け力Fにより回転体24に働く回転モーメントの総和は、回転体24に対して図8中反時計回り方向に働く回転モーメントを生じる。
したがって、支持部材34,36の端部に固定された質量体38,40の重量により付加される押し付け力Fにより、回転体24にはその軸心位置から変位した位置(回転中心38C,40C)に働くトルクが発生することにより、回転体24の回転動作が促進される。
そして、回転体24の回転力は、図3に示すように、連結ピン47,48を介して回転体24に連結された回転体26に伝達され、回転体26は回転体24と連動して回転する。
回転体26が回転すると、図10に示すように、回転体26の表裏両面に設けたピンPと噛み合っている歯60aを介してサイクロイド歯車60を回転させることができる。そして、サイクロイド歯車60が回転することにより、換気扇装置65のファン61(被回転体)を駆動する回転伝達軸67に回転力を伝達させることができる。
このため、駆動モーター69が回転させている換気扇装置65は、回転促進装置20が発生する回転力が回転体26を介して回転伝達軸67に伝達されることにより、回転伝達軸67の回転力が促進される。
したがって、回転促進装置20は、換気扇装置65の回転動作に使用する駆動モーター69のエネルギーを少なくすることができ、そのエネルギーの消費にかかる費用を低減させることができる。
本実施の形態に係る回転促進装置20は、上記のように構成されているため、前記従来の回転駆動装置に比べて、これを構成するために用いられる部品点数が少なくすることができ、各々の部品の形状を簡単なものにしているため、その構造を簡単なものにすることができる。
したがって、以上に説明したように、本実施の形態に係る回転促進装置20によれば、構造が簡単であり、製作費の高額化を防止することができると共に、被回転体の回転に使用するエネルギーを少なくして、そのエネルギーの消費にかかる費用を低減させることができる。
なお、上記実施の形態に係る回転促進装置20においては、回転体24,26に内側スプロケット27及び外側スプロケット28がそれぞれ4つずつ支持されていたが、4つに限定される必要はなく、回転体24,26の円周方向に等角度間隔にそれぞれ配置されていれば、例えば3つでもよいし、5つ以上であってもよい。
また、上記実施の形態に係る回転促進装置20においては、1つの無端状のローラーチェーン32と、4つの内側スプロケット27を用いる構成を示したが、このような構成に限定される必要はない。
例えば、ローラーチェーン32の長さ寸法より短い長さ寸法(略4分の1)の4つの無端状のローラーチェーンを用いて、中心固定スプロケット22と、1つの外側スプロケット28の間に1つのローラーチェーンが他の3つのローラーチェーンと接触しないようにそれぞれ巻き掛けられていてもよい。
この場合、4つのローラーチェーンが中心固定スプロケット22から脱輪しないようにそれぞれ巻き掛けられていれば内側スプロケット27を用いなくてもよい。
また、上記実施の形態に係る回転促進装置20においては、中心固定スプロケット22、及び外側スプロケット28は同じ11個の歯数で形成されていたが、同じ歯数であれば11個でなくてもよい。
さらに、上記実施の形態に係る回転促進装置20においては、回転体26がピンPを介して回転伝達軸67の回転を促進するようになっていたが、回転体24がピンPを介して回転伝達軸67の回転を促進するようになっていてもよい。
20 回転促進装置
22 中心固定スプロケット
22a 軸孔
24,26 回転体
24a,26a 軸孔
24b,26b 内側貫通孔
24c,26c 外側貫通孔
27 内側スプロケット
27a 軸孔
28 外側スプロケット
28a 軸孔
32 ローラーチェーン
34,36 支持部材
34a,36a 貫通孔
34b,36b 嵌合孔
38,40 質量体
38C,40C 回転中心
42 支持軸
46 支持台
46a 底板部
46b 立設部
46c 貫通孔
47,48 連結ピン
50 駆動装置
54,56,57,58 支持ブッシュ
60 サイクロイド歯車
60a 歯
61 ファン
62,63 支持ブッシュ
65 換気扇装置
67 回転伝達軸
69 駆動モーター
70 回転促進構造
F 押付け力
P ピン
α,β 角度
上記課題を解決するために、本発明による回転促進装置は、
厚さ方向が水平方向となるように配置され、自身の軸孔に支持軸が回転可能に挿通されて水平方向に伸びる軸線を中心として回転可能に設けられると共に、当該軸孔に対して平行に形成された外側貫通孔に連結ピンが回転可能に挿通された板状の第1の回転体と、
前記第1の回転体を回転させる駆動装置と、
前記第1の回転体の軸線と同一の軸線上に配置されて、自身の軸孔に前記支持軸が回転可能に挿通されると共に、当該軸孔に対して平行に形成された外側貫通孔に前記連結ピンが回転可能に挿通されて、前記第1の回転体と連動すると共に他の回転装置の被回転体に回転を伝達するように設けられた第2の回転体と、
前記第1の回転体の軸線と同一の軸線上に配置されると共に、前記第1の回転体と前記第2の回転体の間に配置され、自身の軸孔に前記支持軸が挿通され固定されて自転も公転もできないように設けられた唯一つの回転静止車と、
前記第1の回転体の軸線方向において前記回転静止車と同じ位置に、かつ前記第1の回転体の軸線方向と垂直な方向において前記回転静止車からこの半径外側方向に離れた位置に配置され、自身の軸孔に前記連結ピンが挿通され固定されて、前記第1の回転体が回転することにより前記第1の回転体の軸線と同一の軸線の周りに公転すると共に自転することも可能な複数の外側回転車と、
前記自転も公転もしない回転静止車と前記外側回転車に掛け渡されて、前記外側回転車が公転することにより前記外側回転車を自転させて、前記外側回転車の自転により前記外側回転車が前記回転静止車に対して相対回転を生じないように、前記外側回転車の回転を駆動する無端状の回転駆動手段と、
さ方向の一端部が前記連結ピンを介して前記外側回転車と一体的に設けられて、長さ方向が略水平方向の状態に維持され、質量体の重心位置が前記第1及び第2の回転体の重心位置に対して前記第1及び第2の回転体の回転力が増す方向に偏るように、長さ方向の他端部に前記質量体が設けられた複数の支持部材とを備え、
前記第1又は第2の回転体の回転力が前記被回転体に伝達されることにより前記被回転体の回転力を促進するようにしたことを特徴とするものである。

Claims (1)

  1. 厚さ方向が水平方向となるように配置され、水平方向に伸びる軸線を中心として回転可能に設けられた板状の第1の回転体と、
    前記第1の回転体の軸線と同一の軸線上に配置され、自転も公転もできないように設けられた唯一つの回転静止車と、
    前記第1の回転体の軸線方向において前記回転静止車と同じ位置に、かつ前記第1の回転体の軸線方向と垂直な方向において前記回転静止車からこの半径外側方向に離れた位置に配置され、前記第1の回転体が回転することにより前記第1の回転体の軸線と同一の軸線の周りに公転すると共に自転することも可能な複数の外側回転車と、
    前記回転静止車と前記外側回転車に掛け渡されて、前記外側回転車が公転することにより前記外側回転車を自転させて、この外側回転車が前記回転静止車に対して相対回転を生じないように、前記外側回転車の回転を駆動する無端状の回転駆動手段と、
    前記第1の回転体の軸線と同一の軸線上に配置されて前記第1の回転体と連動するように設けられた第2の回転体と、
    長さ方向の一端部が前記外側回転車と一体的に設けられて、長さ方向が略水平方向の状態に維持され、質量体の重心位置が前記第1及び第2の回転体の重心位置に対して前記第1及び第2の回転体の回転力が増す方向に偏るように、長さ方向の他端部に前記質量体が設けられた複数の支持部材とを備え、
    前記第1又は第2の回転体の回転力が被回転体に伝達されることにより前記被回転体の回転力を促進するようにしたことを特徴とする回転促進装置。
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