JP2014190336A - 圧縮機 - Google Patents

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Yorihide Higuchi
順英 樋口
Kazuhiro Kosho
和宏 古庄
Masanori Yanagisawa
雅典 柳沢
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Abstract

【課題】本発明の目的は、圧縮室に注入される冷媒の流量を増加させて、運転効率および信頼性の高い圧縮機を提供することである。
【解決手段】圧縮機101は、ケーシング10と、圧縮機構15と、クランク軸17と、インジェクション管92とを備える。インジェクション管92は、圧縮機構15の第1圧縮室40に注入される冷媒が内部を流れる管である。圧縮機構15は、少なくとも1つのシリンダ24と、第1ヘッド23と、第2ヘッド27と、ローラ21aとを有する。ローラ21aは、クランク軸17の回転により偏心回転する。第1ヘッド23および第2ヘッド27は、それぞれ、インジェクション通路33,37を有する。インジェクション通路33,37は、ローラ21aの偏心回転によって第1圧縮室40に開口する。インジェクション管92は、第1ヘッド23のインジェクション通路33、および、第2ヘッド27のインジェクション通路37と連通する。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮機に関する。
従来、空気調和装置等の冷凍装置の冷媒回路に接続される圧縮機として、ロータリ圧縮機および揺動式圧縮機等、種種のタイプの圧縮機が用いられている。圧縮機は、冷媒回路を循環する冷媒を低圧の状態から高圧の状態まで圧縮する圧縮機構を備える。ロータリ圧縮機の圧縮機構では、ローラおよびブレードからなるピストンがシリンダ内で偏心回転して、ローラの外周面と、シリンダの内周面と、シリンダ両端面を閉塞する一対の端板と、ローラとシリンダとの間の空間を仕切るブレードとから形成される圧縮室の容積が増減することで、冷媒が圧縮される。揺動式圧縮機の圧縮機構では、ローラおよびブレードが一体となっているピストンがシリンダ内で偏心回転して、冷媒が圧縮される。
特許文献1(特開2009−127902号公報)は、ロータリ圧縮機の一例を開示する。このロータリ圧縮機は、低圧と高圧との中間の圧力の冷媒であって、圧縮機構によって圧縮される途中の冷媒の温度より低い温度の冷媒を、圧縮室に注入するインジェクション機構を有する。インジェクション機構は、冷媒回路に接続される気液分離器で分離されたガス冷媒の一部を、圧縮機構外部のインジェクション管と、圧縮機構の端板の内部に形成されるインジェクション通路とを介して、圧縮室に注入する。圧縮室を形成する端板表面には、インジェクション通路が開口している。インジェクション通路の圧縮室への開口は、冷媒の圧縮過程において、偏心回転するピストンによって開閉される。インジェクション機構は、圧縮室に注入される冷媒によって圧縮機構の内部温度を低下させて、圧縮機の冷凍能力を向上させる。
揺動式圧縮機において、インジェクション通路は、ピストンの軸受部と連通せず、かつ、冷媒の圧縮過程の後半で圧縮室にできるだけ連通しないことが求められる。インジェクション通路がピストンの軸受部と連通すると、ピストンの軸受部を潤滑する潤滑油がインジェクション通路に流入して、ピストンの軸受部において潤滑油が不足するおそれがある。また、インジェクション通路が冷媒の圧縮過程の後半で圧縮室に連通すると、インジェクション管を流れる冷媒の圧力より、圧縮室内の冷媒の圧力が高くなる場合がある。これにより、圧縮室からインジェクション管に冷媒が逆流して、冷媒回路を循環する冷媒の量が低減して冷凍能力が低下し、また、不必要な圧縮動力が増加して冷凍効率が低下するおそれがある。さらに、圧縮機構を構成するシリンダおよびピストン等の寸法によって、インジェクション通路の圧縮室への開口を設けることが可能な範囲は変化する。そのため、インジェクション通路の圧縮室への開口は、上記の制約により設置の自由度が低く、圧縮室に注入される冷媒の流量を確保するために充分な大きさの開口面積を有するインジェクション通路を設けることが困難である。
本発明の目的は、圧縮室に注入される冷媒の流量を増加させて、運転効率および信頼性の高い圧縮機を提供することである。
本発明の第1観点に係る圧縮機は、ケーシングと、圧縮機構と、クランク軸と、インジェクション管とを備える。圧縮機構は、ケーシング内に収容される。圧縮機構は、冷媒が圧縮される圧縮室を有する。クランク軸は、ケーシング内に収容される。クランク軸は、圧縮機構を駆動する。インジェクション管は、圧縮室に注入される冷媒が内部を流れる管である。圧縮機構は、少なくとも1つのシリンダと、第1ヘッドと、第2ヘッドと、ローラとを有する。第1ヘッドおよび第2ヘッドは、シリンダの両端面をそれぞれ閉塞する。ローラは、クランク軸の回転により偏心回転する。ローラは、シリンダ、第1ヘッドおよび第2ヘッドと共に圧縮室を形成する。第1ヘッドおよび第2ヘッドは、それぞれ、インジェクション通路を有する。インジェクション通路は、ローラの偏心回転によって圧縮室に開口する。インジェクション管は、第1ヘッドのインジェクション通路、および、第2ヘッドのインジェクション通路と連通する。
第1観点に係る圧縮機では、インジェクション管、第1ヘッドのインジェクション通路、および、第2ヘッドのインジェクション通路を介して、中間圧の冷媒が圧縮機構の圧縮室に注入される。中間圧の冷媒は、圧縮機構に吸入される低圧の冷媒より高い圧力を有し、かつ、圧縮機構から吐出される高圧の冷媒より低い圧力を有する冷媒である。また、中間圧の冷媒は、圧縮室で圧縮される冷媒より低い温度を有する冷媒である。そのため、圧縮室に注入される中間圧の冷媒は、圧縮室で圧縮されている冷媒を冷却して、圧縮機構から吐出される冷媒の温度を低下させる。この圧縮機では、第1ヘッドおよび第2ヘッドに、それぞれ、中間圧の冷媒を圧縮室に注入するためのインジェクション通路が形成されている。すなわち、1つの圧縮室は、2つのインジェクション通路と連通している。そのため、1つの圧縮室が1つのインジェクション通路と連通している圧縮機構と比べて、圧縮室に注入される中間圧の冷媒の流量はより大きい。これにより、この圧縮機は、圧縮機構から吐出される冷媒の温度を効率的に低下させることができる。圧縮機構から吐出される冷媒の温度が高くなると、圧縮機全体の温度も上昇して、圧縮機内部の摺動部を潤滑する冷凍機油の温度が上昇する。その結果、冷凍機油の粘度が低下して、摺動部で潤滑不良が発生すると、部品の摩耗および焼き付きが生じて圧縮機の信頼性が低下し、圧縮機の運転効率も低下してしまう。従って、この圧縮機は、圧縮室に注入される冷媒の流量を増加させることで、運転効率および信頼性を向上させることができる。
また、インジェクション通路の圧縮室への開口は、種種の制約により設置の自由度が低い。そのため、圧縮室に注入される冷媒の流量を増加させるために、インジェクション通路の開口の面積を増加させることは困難である。しかし、この圧縮機では、第1ヘッドおよび第2ヘッドに、それぞれ、インジェクション通路の開口を設けることで、インジェクション通路の一箇所当たりの開口の面積を増加させることなく、圧縮室に注入される冷媒の流量を増加させることができる。
本発明の第2観点に係る圧縮機は、第1観点に係る圧縮機であって、インジェクション管は、ケーシングの外部で分岐して、第1ヘッドのインジェクション通路、および、第2ヘッドのインジェクション通路と連通する。
第2観点に係る圧縮機では、インジェクション管は、ケーシングの外部において、インジェクション通路の数と同じ数の管に分岐する。圧縮室に注入される中間圧の冷媒は、インジェクション管の内部で分流して、インジェクション管の内径より小さい内径を有するインジェクション通路に供給される。そのため、この圧縮機は、中間圧の冷媒の流路抵抗を抑えることができ、圧縮室に注入される冷媒の流量を効率的に増加させることができる。
本発明の第3観点に係る圧縮機は、第1観点に係る圧縮機であって、第1ヘッドのインジェクション通路、および、第2ヘッドのインジェクション通路は、ケーシングの内部において互いに連通する。
第3観点に係る圧縮機では、ケーシングの外部のインジェクション管の配管を簡素にすることができる。そのため、この圧縮機は、製造コストを抑えることができる。
本発明の第4観点に係る圧縮機は、第1乃至第3観点のいずれか1つに係る圧縮機であって、第1ヘッドおよび第2ヘッドは、それぞれ、インジェクション孔を有する。インジェクション孔は、インジェクション通路の圧縮室への開口である。第1ヘッドのインジェクション孔、および、第2ヘッドのインジェクション孔の位置および大きさは、第2回転角度が第1回転角度より150°〜180°大きくなるように、設定される。第1回転角度は、ローラの偏心回転によって圧縮室の容積が減少し始めるときのクランク軸の回転角度である。第2回転角度は、クランク軸の回転角度が第1回転角度から増加して、インジェクション孔がローラによって完全に閉じられる瞬間におけるクランク軸の回転角度である。クランク軸の回転角度が第1回転角度から増加すると、圧縮室における冷媒の圧縮が始まり、同時に、ローラによって閉じられていたインジェクション孔の開口が開き始める。インジェクション孔の開口が完全に開いた後、クランク軸の回転角度が第2回転角度に到達すると、インジェクション孔の開口がローラによって完全に閉じられる。
第4観点に係る圧縮機では、圧縮室における冷媒圧縮過程の前半において、圧縮機の外部から供給される中間圧の冷媒が圧縮室に注入されるような位置に、インジェクション孔の圧縮室への開口が形成されている。これにより、中間圧の冷媒と圧縮室内の冷媒との間の大きな差圧によって、中間圧の冷媒は、圧力が低い圧縮室に供給されるので、圧縮室で圧縮される冷媒をより効率的に冷却することができる。従って、この圧縮機は、運転効率および信頼性をより効率的に向上させることができる。
本発明の第5観点に係る圧縮機は、第4観点に係る圧縮機であって、第1ヘッドのインジェクション孔、および、第2ヘッドのインジェクション孔の位置および大きさは、第3回転角度と第4回転角度との差の絶対値が5°以内となるように、設定される。第3回転角度は、第1ヘッドにおける第2回転角度である。第4回転角度は、第2ヘッドにおける第2回転角度である。第3回転角度は、クランク軸の回転角度の増加により、第1ヘッドのインジェクション孔がローラによって完全に閉じられる瞬間におけるクランク軸の回転角度である。第4回転角度は、クランク軸の回転角度の増加により、第2ヘッドのインジェクション孔がローラによって完全に閉じられる瞬間におけるクランク軸の回転角度である。
第5観点に係る圧縮機では、クランク軸の中心軸に沿って第1ヘッドおよび第2ヘッドを見た場合において、第1ヘッドに形成されるインジェクション孔の開口と、第2ヘッドに形成されるインジェクション孔の開口とが、同じ場所に位置しているか、互いに近傍に位置している。
本発明の第6観点に係る圧縮機は、第1乃至第5観点のいずれか1つに係る圧縮機であって、圧縮機構は、第1シリンダおよび第2シリンダからなる2つのシリンダと、ミドルプレートとを有する。ミドルプレートは、第1シリンダの第2ヘッドであり、かつ、第2シリンダの第1ヘッドである。ミドルプレートは、ローラの偏心回転によって第1シリンダの圧縮室に開口するインジェクション通路と、ローラの偏心回転によって第2シリンダの圧縮室に開口するインジェクション通路とを有する。
第6観点に係る圧縮機では、圧縮機構は、2つの圧縮室を有する。2つの圧縮室では、それぞれ、圧縮機構に吸入される低圧の冷媒が圧縮される。2つの圧縮室をそれぞれ形成する第1シリンダおよび第2シリンダは、クランク軸の中心軸に沿って配置される。ミドルプレートは、第1シリンダと第2シリンダとによって挟まれるヘッドである。ミドルプレートは、2つの圧縮室のそれぞれに連通している2つのインジェクション通路を有する。
本発明の第7観点に係る圧縮機は、第1乃至第6観点のいずれか1つに係る圧縮機であって、圧縮機構は、R32を圧縮する。
第7観点に係る圧縮機では、圧縮機構によって圧縮される冷媒として、分子式CH22で表されるフッ素系冷媒であるR32が用いられる。R32は、地球温暖化係数が小さい冷媒であるが、圧縮によって高温になり易い冷媒である。しかし、この圧縮機では、中間圧の冷媒を圧縮室に注入することで、圧縮機構から吐出される冷媒の温度を抑えることができる。従って、この圧縮機は、R32を圧縮する圧縮機構を有しているが、圧縮室に注入される冷媒の流量を増加させることで、運転効率および信頼性を向上させることができる。
第1観点および第5乃至第7観点に係る圧縮機は、圧縮室に注入される冷媒の流量を増加させることで、運転効率および信頼性を向上させることができる。
第2観点に係る圧縮機は、インジェクション孔の開口の面積を増やすことができ、圧縮室に注入される冷媒の流量を効率的に増加させることができる。
第3観点に係る圧縮機は、製造コストを抑えることができる。
第4観点に係る圧縮機は、運転効率および信頼性をより効率的に向上させることができる。
実施形態に係る揺動式圧縮機の縦断面図である。 圧縮機構の縦断面図である。 第1シリンダの高さ位置における圧縮機構の横断面図である。 第2シリンダの高さ位置における圧縮機構の横断面図である。 冷媒回路の模式図の一例である。 図3と同様の圧縮機構の横断面図である。 図3と同様の圧縮機構の横断面図である。 図3と同様の圧縮機構の横断面図である。 図3と同様の圧縮機構の横断面図である。 クランク軸の回転角度と、インジェクション孔の開口面積と、第1圧縮室に流入する冷媒の流量の積算値との関係を表すグラフである。 変形例Aに係る揺動式圧縮機の圧縮機構の縦断面図である。
本発明の実施形態に係る圧縮機について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る圧縮機は、揺動式圧縮機である。揺動式圧縮機は、シリンダの内部で偏心回転するピストンを用いて、シリンダの内部の空間の容積を変化させることによって、冷媒回路を循環する冷媒を圧縮する圧縮機である。
(1)圧縮機の構成
図1は、本実施形態に係る揺動式圧縮機101の縦断面図である。揺動式圧縮機101は、主として、ケーシング10と、圧縮機構15と、駆動モータ16と、クランク軸17と、吸入管19と、吐出管20とを備える。揺動式圧縮機101は、ケーシング10の外部に設置される気液分離器103と、インジェクション管92を介して連結されている。揺動式圧縮機101は、2シリンダタイプの圧縮機である。次に、揺動式圧縮機101の各構成要素について説明する。
(1−1)ケーシング
ケーシング10は、略円筒状の胴部ケーシング部11と、胴部ケーシング部11の上端部に気密状に溶接される椀状の上壁部12と、胴部ケーシング部11の下端部に気密状に溶接される椀状の底壁部13とを有する。ケーシング10は、ケーシング10の内部および外部において圧力や温度が変化した場合に、変形および破損が起こりにくい剛性部材で成型されている。ケーシング10は、胴部ケーシング部11の略円筒状の軸方向が鉛直方向に沿うように設置されている。ケーシング10の底部には、潤滑油が貯留される油貯留部10aが設けられている。潤滑油は、揺動式圧縮機101内部の摺動部を潤滑するために用いられる冷凍機油である。
ケーシング10は、主として、圧縮機構15と、圧縮機構15の上方に配置される駆動モータ16と、鉛直方向に延びるように配置されるクランク軸17とを収容している。圧縮機構15と駆動モータ16とは、クランク軸17によって連結されている。ケーシング10の壁部には、吸入管19および吐出管20が気密状に溶接されている。
(1−2)圧縮機構
図2は、圧縮機構15の縦断面図である。圧縮機構15は、主として、フロントヘッド23と、第1シリンダ24と、ミドルプレート27と、第2シリンダ26と、リアヘッド25と、ピストン21と、ブッシュ22とから構成されている。フロントヘッド23、第1シリンダ24、ミドルプレート27、第2シリンダ26およびリアヘッド25は、ボルトによって一体的に締結されている。圧縮機構15の上方の空間は、圧縮機構15によって圧縮された冷媒が吐出される高圧空間S1である。
圧縮機構15は、油貯留部10aに貯留されている潤滑油に浸漬されている。油貯留部10aの潤滑油は、差圧によって、圧縮機構15の摺動部に供給される。次に、圧縮機構15の各構成要素について説明する。
(1−2−1)第1シリンダ
図3は、第1シリンダ24の高さ位置における圧縮機構15の横断面図である。図3は、鉛直方向に沿って圧縮機構15を上方から下方に向かって見た場合の断面図である。第1シリンダ24は、主として、第1シリンダ孔24aと、第1吸入孔24bと、第1吐出路24cと、第1ブッシュ収容孔24dと、第1ブレード収容孔24eと、第1断熱孔24fとを有している。図1に示されるように、第1シリンダ24は、フロントヘッド23およびミドルプレート27と連結されている。フロントヘッド23は、第1シリンダ24の上方の端面に接し、ミドルプレート27は、第1シリンダ24の下方の端面に接している。
第1シリンダ孔24aは、第1シリンダ24の鉛直方向の両端面の中央部に形成され、かつ、鉛直方向に沿って貫通する円柱状の孔である。第1吸入孔24bは、第1シリンダ24の外周面から第1シリンダ孔24aに向かって、第1シリンダ24の径方向に沿って貫通する孔である。第1吐出路24cは、第1シリンダ24の内周面の一部が切り欠かれることによって、鉛直方向に沿って貫通することなく形成される空間である。第1ブッシュ収容孔24dは、鉛直方向に沿って貫通し、かつ、鉛直方向に沿って見た場合において第1吸入孔24bと第1吐出路24cとの間に配置される孔である。第1ブレード収容孔24eは、鉛直方向に沿って貫通し、かつ、第1ブッシュ収容孔24dと連通する孔である。第1断熱孔24fは、第1シリンダ24の外周面と内周面との間において鉛直方向に沿って貫通する孔である。第1シリンダ24は、複数の第1断熱孔24fを有する。
第1シリンダ孔24aは、クランク軸17の偏心軸部17a、および、ピストン21のローラ21aを収容する。第1ブッシュ収容孔24dは、ピストン21のブレード21b、および、ブッシュ22を収容する。第1ブレード収容孔24eにピストン21のブレード部21bが収容された状態において、第1吐出路24cは、フロントヘッド23側に形成されている。
(1−2−2)第2シリンダ
図4は、第2シリンダ26の高さ位置における圧縮機構15の横断面図である。図4は、鉛直方向に沿って圧縮機構15を上方から下方に向かって見た場合の断面図である。第2シリンダ26は、第1シリンダ24と同様の構成を有する。第2シリンダ26は、主として、第2シリンダ孔26aと、第2吸入孔26bと、第2吐出路26cと、第2ブッシュ収容孔26dと、第2ブレード収容孔26eと、第2断熱孔26fとを有している。図1に示されるように、第2シリンダ26は、ミドルプレート27およびリアヘッド25と連結されている。ミドルプレート27は、第2シリンダ26の上方の端面に接し、リアヘッド25は、第2シリンダ26の下方の端面に接している。
第2シリンダ孔26aは、第2シリンダ26の鉛直方向の両端面の中央部に形成され、かつ、鉛直方向に沿って貫通する円柱状の孔である。第2吸入孔26bは、第2シリンダ26の外周面から第2シリンダ孔26aに向かって、第2シリンダ26の径方向に沿って貫通する孔である。第2吐出路26cは、第2シリンダ26の内周面の一部が切り欠かれることによって、鉛直方向に沿って貫通することなく形成される空間である。第2ブッシュ収容孔26dは、鉛直方向に沿って貫通し、かつ、鉛直方向に沿って見た場合において第2吸入孔26bと第2吐出路26cとの間に配置される孔である。第2ブレード収容孔26eは、鉛直方向に沿って貫通し、かつ、第2ブッシュ収容孔26dと連通する孔である。第2断熱孔26fは、第2シリンダ26の外周面と内周面との間において鉛直方向に沿って貫通する孔である。第2シリンダ26は、複数の第2断熱孔26fを有する。
第2シリンダ孔26aは、クランク軸17の偏心軸部17a、および、ピストン21のローラ21aを収容する。第2ブッシュ収容孔26dは、ピストン21のブレード21b、および、ブッシュ22を収容する。第2ブレード収容孔26eにピストン21のブレード部21bが収容された状態において、第2吐出路26cは、リアヘッド225側に形成されている。
(1−2−3)ピストン
圧縮機構15は、第1シリンダ24の第1シリンダ孔24aに挿入されるピストン21と、第2シリンダ26の第2シリンダ孔26aに挿入されるピストン21とからなる2つのピストン21を有する。ピストン21は、略円筒状のローラ21aと、ローラ21aの径方向外側に突出するブレード21bとを有する。ピストン21は、ローラ21aおよびブレード21bが一体となっている部材である。
ローラ21aは、クランク軸17の偏心軸部17aに嵌合された状態で、第1シリンダ24の第1シリンダ孔24a、および、第2シリンダ26の第2シリンダ孔26aに、それぞれ挿入される。これにより、ローラ21aは、クランク軸17の軸回転によって、クランク軸17の回転軸を中心とする公転運動を行う。ローラ21aは、圧縮機構15を上面視した場合に、時計回りに公転する。
ブレード部21bは、第1シリンダ24の第1ブッシュ収容孔24dおよび第1ブレード収容孔24e、および、第2シリンダ26の第2ブッシュ収容孔26dおよび第2ブレード収容孔26eに、それぞれ収容される。これにより、ブレード部21bは、揺動しながら、その長手方向に沿って進退運動を行う。
圧縮機構15は、第1シリンダ24に形成される第1圧縮室40と、第2シリンダ26に形成される第2圧縮室41とを有する。第1圧縮室40は、ピストン21によって、第1吸入孔24bと連通する吸入室と、第1吐出路24cと連通する吐出室とに区画される。第2圧縮室41は、ピストン21によって、第2吸入孔26bと連通する吸入室と、第2吐出路26cと連通する吐出室とに区画される。第1圧縮室40および第2圧縮室41において、吸入室および吐出室の容積は、ピストン21の位置に応じて変化する。
(1−2−4)ブッシュ
ブッシュ22は、一対の略半円柱状の部材である。ブッシュ22は、ピストン21のブレード部21bを挟み込むようにして、第1シリンダ24のブッシュ収容孔24d、および、第2シリンダ26のブッシュ収容孔26dに、それぞれ収容される。
(1−2−5)フロントヘッド
フロントヘッド23は、第1シリンダ24の第1吐出路24d側の端面を覆う部材である。フロントヘッド23は、ボルト等によって、ケーシング10に締結されている。フロントヘッド23は、クランク軸17が挿入される上部軸受部23aを有する。フロントヘッド23は、第1シリンダ24の第1吐出路24cを通過する冷媒を吐出管20に導くための開口(図示せず)を有する。フロントヘッド23のこの開口は、冷媒の逆流を防止するための吐出弁(図示せず)により開閉される。
フロントヘッド23は、上部インジェクション通路33を有している。上部インジェクション通路33は、フロントヘッド23の内部において、水平方向に延びるように形成される管状の空間である。上部インジェクション通路33の一端は、フロントヘッド23の外周面に開口し、上部インジェクション通路33の他端は、フロントヘッド23の下側の表面に開口する。上部インジェクション通路33は、ピストン21の位置に応じて、第1圧縮室40と連通する。以下、第1圧縮室40における上部インジェクション通路33の開口を、第1上部インジェクション孔33aと呼ぶ。
(1−2−6)リアヘッド
リアヘッド25は、第2シリンダ26の第2吐出路26c側の端面を覆う部材である。リアヘッド25は、クランク軸17が挿入される下部軸受部25aを有する。リアヘッド25は、第2シリンダ26の第2吐出路26cを通過する冷媒を吐出管20に導くための開口(図示せず)を有する。リアヘッド25のこの開口は、冷媒の逆流を防止するための吐出弁(図示せず)により開閉される。
リアヘッド25は、下部インジェクション通路35を有している。下部インジェクション通路35は、リアヘッド25の内部において、水平方向に延びるように形成される管状の空間である。下部インジェクション通路35の一端は、リアヘッド25の外周面に開口し、下部インジェクション通路35の他端は、リアヘッド25の上側の表面に開口する。下部インジェクション通路35は、ピストン21の位置に応じて、第2圧縮室41と連通する。以下、第2圧縮室41における下部インジェクション通路35の開口を、第2下部インジェクション孔35aと呼ぶ。
(1−2−7)ミドルプレート
ミドルプレート27は、第1シリンダ24と第2シリンダ26との間に配置される。ミドルプレート27は、第1シリンダ24の第1吐出路24d側の反対側の端面を覆う部材である。ミドルプレート27は、第2シリンダ26の第2吐出路26d側の反対側の端面を覆う部材である。第1シリンダ24の第1シリンダ孔24aは、フロントヘッド23およびミドルプレート27によって閉塞される。第2シリンダ26の第2シリンダ孔26aは、ミドルプレート27およびリアヘッド25によって閉塞される。
ミドルプレート27は、中央インジェクション通路37を有している。中央インジェクション通路37は、ミドルプレート27の内部において、水平方向に延びるように形成される管状の空間である。中央インジェクション通路37の一端は、ミドルプレート27の外周面に開口し、中央インジェクション通路37の他端は、ミドルプレート27の上側および下側の表面に開口する。中央インジェクション通路37は、ピストン21の位置に応じて、第1圧縮室40および第2圧縮室41と連通する。以下、第1圧縮室40における中央インジェクション通路37の開口を、第1下部インジェクション孔37aと呼び、第2圧縮室41における中央インジェクション通路37の開口を、第2上部インジェクション孔37bと呼ぶ。
(1−3)駆動モータ
駆動モータ16は、ケーシング10の内部に収容され、圧縮機構15の上方に設置されるブラシレスDCモータである。駆動モータ16は、主として、ケーシング10の内壁面に固定されるステータ51と、ステータ51の内側にエアギャップを設けて回転自在に収容されるロータ52とから構成される。
ステータ51は、導線が巻き付けられているコイル部と、コイル部の上方および下方に形成されるコイルエンド53とを有する。ステータ51の外側面には、ステータ51の上端面から下端面に亘り、かつ、周方向に所定間隔をおいて、切欠形成されている複数のコアカット部(図示せず)が設けられている。コアカット部は、胴部ケーシング部11とステータ51との間を鉛直方向に延びるモータ冷却通路(図示せず)を形成する。
ロータ52は、鉛直方向に積層された複数の金属板から構成される。ロータ52は、その回転中心を鉛直方向に貫通するクランク軸17に連結されている。ロータ52は、クランク軸17を介して、圧縮機構15と接続されている。ロータ52の鉛直方向の端面には、バランスウェイト18が取り付けられている。
(1−4)クランク軸
クランク軸17は、ケーシング10の内部に収容され、その軸方向が鉛直方向に沿うように配置されている。クランク軸17は、駆動モータ16のロータ52、および、圧縮機構15の2つのピストン21に連結されている。クランク軸17は、圧縮機構15側の端部に形成される2つの偏心軸部17aを有している。2つの偏心軸部17aは、それぞれ、第1シリンダ24の第1シリンダ孔24aに挿入されるピストン21のローラ21a、および、第2シリンダ26の第2シリンダ孔26aに挿入されるピストン21のローラ21aと連結している。2つの偏心軸部17aは、互いの偏心軸がクランク軸17の回転軸を挟んで対向する位置に形成されている。クランク軸17は、偏心軸部17aが形成されていない端部において、駆動モータ16のロータ52と連結している。クランク軸17は、フロントヘッド23の上部軸受部23a、および、リアヘッド25の下部軸受部25aによって支持されている。
(1−5)吸入管
吸入管19は、ケーシング10の胴部ケーシング部11を貫通する管である。ケーシング10の内部にある吸入管19の端部は、第1シリンダ24の第1吸入孔24b、および、第2シリンダ26の第2吸入孔26bに嵌め込まれている。ケーシング10の外部にある吸入管19の端部は、冷媒回路に接続されている。吸入管19は、冷媒回路から圧縮機構15に冷媒を供給するための管である。
(1−6)吐出管
吐出管20は、ケーシング10の上壁部12を貫通する管である。ケーシング10の内部にある吐出管20の端部は、駆動モータ16の上方の空間に位置している。ケーシング10の外部にある吐出管20の端部は、冷媒回路に接続されている。吐出管20は、圧縮機構15によって圧縮された冷媒を冷媒回路に供給するための管である。
(1−7)インジェクション管
図5は、揺動式圧縮機101を備える冷媒回路90の模式図の一例である。図5に示される点線の矢印は、冷媒が流れる方向を表す。冷媒回路90は、主として、揺動式圧縮機101と、凝縮器102と、気液分離器103と、2個の膨張弁104a,104bと、蒸発器105とから構成される。揺動式圧縮機101で断熱圧縮された高圧の冷媒は、凝縮器102において冷却される。冷却された高圧の冷媒は、膨張弁104aを通過して中間圧の冷媒になり、気液分離器103において、液体冷媒と気体冷媒とに分離される。分離された液体冷媒は、膨張弁104bにおいて断熱膨張して、気体状態と液体状態とが共存した低圧の冷媒となる。その後、低圧の冷媒は、蒸発器105において蒸発して、過熱蒸気として揺動式圧縮機101に吸入される。冷媒回路90を循環する冷媒は、例えば、R134a、R410A、R407CおよびR32等のフッ素系冷媒、および、二酸化炭素である。
気液分離器103は、インジェクション管92を介して、揺動式圧縮機101と連結されている。インジェクション管92は、気液分離器103において分離された気体冷媒が流れる管である。インジェクション管92を流れる冷媒の圧力は、揺動式圧縮機101の圧縮機構15に吸入される低圧の冷媒より高く、かつ、圧縮機構15から吐出される高圧の冷媒より低い。以下、インジェクション管92を流れる冷媒を、中間圧の冷媒と呼ぶ。
本実施形態において、インジェクション管92は、揺動式圧縮機101の外部において、3つの分岐管に分岐している。インジェクション管92の3つの分岐管は、それぞれ、フロントヘッド23の上部インジェクション通路33、リアヘッド25の下部インジェクション通路35、および、ミドルプレート27の中央インジェクション通路37に接続されている。これにより、インジェクション管92を流れる中間圧の冷媒は、揺動式圧縮機101の外部で3つに分流して、上部インジェクション通路33、下部インジェクション通路35、および、中央インジェクション通路37を経由して、第1圧縮室40および第2圧縮室41にそれぞれ供給される。なお、インジェクション管92の内径は、上部インジェクション通路33、下部インジェクション通路35および中央インジェクション通路37の径より大きい。
(2)圧縮機構の詳細な構成
フロントヘッド23の第1上部インジェクション孔33a、ミドルプレート27の第1下部インジェクション孔37a、ミドルプレート27の第2上部インジェクション孔37b、および、リアヘッド25の第2下部インジェクション孔35aについて詳細に説明する。図6〜9は、図3と同様の、第1シリンダ24の高さ位置における圧縮機構15の横断面図である。
最初に、クランク軸17の回転角度を定義する。第1シリンダ24の第1シリンダ孔24aにおけるピストン21のローラ21aの偏心回転によって、第1圧縮室40の容積が減少し始めるときのクランク軸17の回転角度を0°と規定する。図6は、クランク軸17の回転角度が0°の場合の図である。図6において、ピストン21のブレード21b全体は、第1ブッシュ収容孔24dおよび第1ブレード収容孔24eに収容されている。このとき、クランク軸17の回転によって、ローラ21aが時計回りに偏心回転すると、クランク軸17の回転角度が増加して、第1圧縮室40の容積が減少する。ローラ21aの偏心回転によってクランク軸17の回転角度が360°になると、ローラ21aは、図6に示される位置に戻る。
次に、クランク軸17の回転角度が0°〜360°の場合における、4つのインジェクション孔33a,37a,37b,35aの位置について説明する。図6に示されるように、第1圧縮室40の容積が最大となり、かつ、クランク軸17の回転角度が0°であるときの回転角度を「第1回転角度」と呼ぶ。図7に示されるように、クランク軸17の回転角度が第1回転角度から増加して、インジェクション孔33a,37a,37b,35aの開口がローラ21aによって完全に閉じられる瞬間におけるクランク軸17の回転角度を「第2回転角度」と呼ぶ。図6および図7には、便宜的に、第1上部インジェクション孔33aのみが示されている。インジェクション孔33a,37a,37b,35aの位置は、それぞれの第2回転角度が、第1回転角度より150°〜180°大きくなるように、設定される。すなわち、図7において、第1回転角度と第2回転角度との差の絶対値である角度θ1は、150°〜180°である。図6に示されるように、クランク軸17の回転角度が第1回転角度である0°から増加すると、第1圧縮室40における冷媒の圧縮が始まり、同時に、ローラ21aによって閉じられていた第1上部インジェクション孔33aの開口が開き始める。ローラ21aが偏心回転して、クランク軸17の回転角度が第2回転角度であるθ1に到達すると、図7に示されるように、第1上部インジェクション孔33aの開口がローラ21aによって完全に閉じられる。
次に、クランク軸17の回転角度が0°〜360°の場合における、4つのインジェクション孔33a,37a,37b,35aの位置関係について説明する。第1シリンダ24の第1圧縮室40に開口する第1上部インジェクション孔33aおよび第1下部インジェクション孔37aに関して、クランク軸17の回転角度が増加して、第1上部インジェクション孔33aの開口がローラ21aによって完全に閉じられる瞬間におけるクランク軸17の回転角度を「第3回転角度」と呼び、クランク軸17の回転角度が増加して、第1下部インジェクション孔37aの開口がローラ21aによって完全に閉じられる瞬間におけるクランク軸17の回転角度を「第4回転角度」と呼ぶ。すなわち、第3回転角度は、フロントヘッド23の第1上部インジェクション孔33aに関する第2回転角度であり、第4回転角度は、ミドルプレート27の第1下部インジェクション孔37aに関する第2回転角度である。第1上部インジェクション孔33aおよび第1下部インジェクション孔37aの位置は、第3回転角度と第4回転角度との差の絶対値が5°以内、好ましくは0°となるように、設定される。すなわち、圧縮機構15を上面視した場合において、第1上部インジェクション孔33aおよび第1下部インジェクション孔37aは、同じ場所に位置しているか、互いに近傍に位置している。図8は、便宜的に、第1上部インジェクション孔33aおよび第1下部インジェクション孔37aのみが示されている図である。図8において、第3回転角度と第4回転角度との差の絶対値である角度θ2は、5°以内、好ましくは0°である。
同様に、第2シリンダ26の第2圧縮室41に開口する第2上部インジェクション孔37bおよび第2下部インジェクション孔35aに関して、クランク軸17の回転角度が増加して、第2上部インジェクション孔37bの開口がローラ21aによって完全に閉じられる瞬間におけるクランク軸17の回転角度を「第5回転角度」と呼び、クランク軸17の回転角度が増加して、第2下部インジェクション孔35aの開口がローラ21aによって完全に閉じられる瞬間におけるクランク軸17の回転角度を「第6回転角度」と呼ぶ。すなわち、第5回転角度は、ミドルプレート27の第2上部インジェクション孔37bに関する第2回転角度であり、第6回転角度は、リアヘッド25の第2下部インジェクション孔35aに関する第2回転角度である。第2上部インジェクション孔37bおよび第2下部インジェクション孔35aの位置は、第5回転角度と第6回転角度との差の絶対値が5°以内、好ましくは0°となるように、設定される。すなわち、圧縮機構15を上面視した場合において、第2上部インジェクション孔37bおよび第2下部インジェクション孔35aは、同じ場所に位置しているか、互いに近傍に位置している。
なお、4つのインジェクション孔33a,37a,37b,35aは、圧縮機構15を上面視した場合において、同じ場所に位置しているか、互いに近傍に位置していることが好ましい。具体的には、第3回転角度、第4回転角度、第5回転角度および第6回転角度の最大値と最小値との差の絶対値が5°以内、好ましくは0°となるように、インジェクション孔33a,37b,37a,35aの位置が設定されることが好ましい。以下、本実施形態では、第3回転角度、第4回転角度、第5回転角度および第6回転角度は、全て等しいとする。
次に、クランク軸17の回転角度が0°〜360°の場合における、4つのインジェクション孔33a,37a,37b,35aの大きさについて説明する。図9は、互いに異なる回転角度を有する3つのクランク軸17のそれぞれに連結される3つのピストン121a,121b,121cが示された、図3と同様の圧縮機構15の横断面図である。図9において、点線で示されるピストン121aは、ピストン121aが第1上部インジェクション孔33aを開き始める瞬間における回転角度を有している。図9において、鎖線で示されるピストン121bは、第1上部インジェクション孔33aが完全に開いた後、ピストン121bが第1上部インジェクション孔33aを塞ぎ終わった瞬間における回転角度を有している。図9において、実線で示されるピストン121cは、クランク軸17の回転軸から第1上部インジェクション孔33aに向かって、ピストン121cが最大限に変位している瞬間の回転角度を有している。クランク軸17の回転に伴い、ピストン21の位置は、ピストン121a、ピストン121b、ピストン121cの順で変化する。
第1上部インジェクション孔33aは、図9に示される設置可能領域Rの内部に設置される。設置可能領域Rは、点線で示されるピストン121aの外周と、鎖線で示されるピストン121bの外周と、実線で示されるピストン121cの内周とによって囲まれた領域である。ピストン121aの外周は、ピストン121aが第1シリンダ孔24aにおいて偏心回転する際に、第1シリンダ24の内周面と接する部分であり、ピストン121aの内周は、クランク軸17の偏心軸部17aの外周面と接する部分である。ピストン121b,121cに関しても同様である。
第1上部インジェクション孔33aは、第1圧縮室40に注入される中間圧の冷媒の流量をできるだけ大きくするために、設置可能領域Rにおいて最大の断面積を有することが好ましい。ここで、ピストン121cの内周の内側にある偏心軸部17aには、潤滑油が供給されている。そして、第1上部インジェクション孔33aは、実線で示されるピストン121cの内周の外側に位置している。そのため、偏心軸部17aを潤滑する潤滑油が第1上部インジェクション孔33aに流入して、偏心軸部17aを潤滑する潤滑油が不足することが抑制される。第1下部インジェクション孔37a、第2上部インジェクション孔37bおよび第2下部インジェクション孔35aも、同様に、それぞれの設置可能領域Rの内部に設置される。
(3)圧縮機の動作
揺動式圧縮機101の動作について説明する。駆動モータ16が始動すると、クランク軸17の2つの偏心軸部17aは、クランク軸17の回転軸を中心に偏心回転する。これにより、第1シリンダ24の第1シリンダ孔24aにおいて、偏心軸部17aに連結されているピストン21のローラ21aは、その外周面が第1シリンダ24の内周面と接している状態で、第1シリンダ孔24a内で公転する。ローラ21aが第1シリンダ孔24a内で公転することで、ピストン21のブレード21bは、その両側面をブッシュ22に挟まれながら進退する。第1圧縮室40では、ローラ21aの公転に伴い、第1吸入孔24bと連通する吸入室は、徐々に容積を増加させる。このとき、ケーシング10の外部から吸入管19を経由して、吸入室に低圧の冷媒が流入する。ローラ21aの公転に伴い、吸入室は、第1吐出路24cと連通する吐出室となり、吐出室は、徐々に容積を減少させて、再び吸入室となる。これにより、吸入管19から第1吸入孔24bを経由して第1圧縮室40の吸入室に吸入された低圧の冷媒は、吐出室で圧縮されて、吐出室から第1吐出路24cを経由して高圧空間S1に吐出される。高圧空間S1に吐出された冷媒は、駆動モータ16のモータ冷却通路を通過して上方に向かって流れた後、吐出管20からケーシング10の外部に吐出される。
また、第2シリンダ26の第2シリンダ孔26aにおいても、偏心軸部17aに連結されているピストン21のローラ21aは、その外周面が第2シリンダ26の内周面と接している状態で、第2シリンダ孔26a内で公転する。これにより、吸入管19から第2吸入孔26bを経由して第2圧縮室41の吸入室に吸入された低圧の冷媒は、吐出室で圧縮されて、吐出室から第2吐出路26cを経由して高圧空間S1に吐出される。
フロントヘッド23の上部インジェクション通路33を流れる中間圧の冷媒は、第1上部インジェクション孔33aから、第1シリンダ24の第1圧縮室40に流入する。ミドルプレート27の中央インジェクション通路37を流れる中間圧の冷媒は、第1下部インジェクション孔37aから、第1シリンダ24の第1圧縮室40に流入する。第1圧縮室40に流入した中間圧の冷媒は、吐出室において圧縮されている冷媒と混合する。これにより、第1圧縮室40の吐出室の冷媒の温度が低下する。
ミドルプレート27の中央インジェクション通路37を流れる中間圧の冷媒は、第2上部インジェクション孔37bから、第2シリンダ26の第2圧縮室41に流入する。リアヘッド25の下部インジェクション通路35を流れる中間圧の冷媒は、第2下部インジェクション孔35aから、第2シリンダ26の第2圧縮室41に流入する。第2圧縮室41に流入した中間圧の冷媒は、吐出室において圧縮されている冷媒と混合する。これにより、第2圧縮室41の吐出室の冷媒の温度が低下する。
図10は、クランク軸17の回転角度と、第1上部インジェクション孔33aの開口面積と、第1上部インジェクション孔33aから第1圧縮室40に流入する冷媒の流量の積算値との関係を表すグラフである。グラフの横軸は、クランク軸17の回転角度を表す。クランク軸17の回転角度の範囲は、0°〜360°である。グラフの縦軸は、第1上部インジェクション孔33aの開口面積、および、第1上部インジェクション孔33aから第1圧縮室40に流入する冷媒の流量の積算値を表す。図10において、実線L1は、第1上部インジェクション孔33aの開口面積の変化を表し、点線L2は、第1上部インジェクション孔33aから第1圧縮室40に流入する冷媒の流量の積算値の変化を表す。
図10において、ローラ21aの偏心回転によって第1上部インジェクション孔33aが開き始めてから閉じ終わるまでの間において、クランク軸17の回転角度は約180度増加する。上述したように、クランク軸17の2つの偏心軸部17aは、互いの偏心軸がクランク軸17の回転軸を挟んで対向する位置に形成されている。そのため、第1シリンダ24の第1シリンダ孔24aにおいて偏心回転するローラ21aと、第2シリンダ26の第2シリンダ孔26aにおいて偏心回転するローラ21aとは、常に位相が180°異なっている。
本実施形態において、第1圧縮室40および第2圧縮室41に開口する4つのインジェクション孔33a,37a,37b,35aは、圧縮機構15を上面視した場合において、同じ場所に位置している。そのため、第1圧縮室40において第1上部インジェクション孔33aおよび第1下部インジェクション孔37aが閉じている間、第2圧縮室41において第2上部インジェクション孔37bおよび第2下部インジェクション孔35aは開いており、その逆もまた同様である。すなわち、クランク軸17の回転角度の増加に伴い、中間圧の冷媒は、第1圧縮室40および第2圧縮室41に交互に流入する。そのため、インジェクション管92から圧縮機構15内部に注入される冷媒の単位時間当たりの流量は、ほぼ一定になる。
また、インジェクション管92を流れる中間圧の冷媒の圧力は常に一定である。そのため、図10に示されるように、第1上部インジェクション孔33aから第1圧縮室40に流入する冷媒の流量の積算値は、クランク軸17の回転角度の増加に伴い、第1上部インジェクション孔33aが開き始めた瞬間から徐々に増加する。なお、図10では、クランク軸17の回転角度が約135°に到達してから、第1上部インジェクション孔33aが閉じ終わるまで、冷媒の流量の積算値が僅かに減少している。このとき、第1圧縮室40で圧縮されている冷媒の圧力が、インジェクション管92を流れる中間圧の冷媒の圧力を上回っているために、第1圧縮室40からインジェクション管92に向かって冷媒が逆流している。
(4)圧縮機の特徴
本実施形態に係る揺動式圧縮機101では、インジェクション管92、フロントヘッド23の上部インジェクション通路33、ミドルプレート27の中央インジェクション通路37およびリアヘッド25の下部インジェクション通路35を経由して、気液分離器103において分離された中間圧の冷媒が、圧縮機構15の第1圧縮室40および第2圧縮室41に注入される。中間圧の冷媒は、圧縮機構15に吸入される低圧の冷媒より高い圧力を有し、かつ、圧縮機構15から吐出される高圧の冷媒より低い圧力を有する冷媒である。また、中間圧の冷媒は、第1圧縮室40および第2圧縮室41で圧縮される冷媒より低い温度を有する冷媒である。そのため、第1圧縮室40および第2圧縮室41に注入された中間圧の冷媒は、第1圧縮室40および第2圧縮室41で圧縮されている冷媒を冷却して、圧縮機構15から吐出される冷媒の温度を低下させる。
揺動式圧縮機101では、第1圧縮室40は、上部インジェクション通路33および中央インジェクション通路37と連通し、第2圧縮室41は、中央インジェクション通路37および下部インジェクション通路35と連通する。すなわち、第1圧縮室40および第2圧縮室41は、それぞれ、2つのインジェクション通路と連通している。そのため、揺動式圧縮機101では、1つの圧縮室が1つのインジェクション通路のみと連通している圧縮機構を備える圧縮機と比べて、第1圧縮室40および第2圧縮室41に注入される中間圧の冷媒の流量がより大きい。これにより、揺動式圧縮機101は、圧縮機構15から吐出される冷媒の温度を効率的に低下させることができる。
圧縮機構から吐出される冷媒の温度が高くなると、圧縮機全体の温度も上昇して、圧縮機内部の摺動部を潤滑する冷凍機油の温度が上昇する。その結果、冷凍機油の粘度が低下して、摺動部で潤滑不良が発生すると、部品の摩耗および焼き付きが生じて圧縮機の信頼性が低下し、圧縮機の運転効率も低下してしまう。従って、本実施形態に係る揺動式圧縮機101は、第1圧縮室40および第2圧縮室41に注入される中間圧の冷媒の流量を増加させて、圧縮機構15から吐出される冷媒の温度を効率的に低下させることで、運転効率および信頼性を向上させることができる。
また、第1圧縮室40および第2圧縮室41に開口する4つのインジェクション孔33a,37a,37b,35aは、種種の制約により設置の自由度が低い。しかし、揺動式圧縮機101では、第1圧縮室40を形成するフロントヘッド23およびミドルプレート27のそれぞれにインジェクション孔33a,37aが形成され、第2圧縮室41を形成するミドルプレート27およびリアヘッド25のそれぞれにインジェクション孔37b,35aが形成されている。そのため、インジェクション孔33a,37a,37b,35aの面積を増加させることなく、第1圧縮室40および第2圧縮室41に注入される中間圧の冷媒の流量を増加させることができる。
また、第1圧縮室40および第2圧縮室41が、それぞれ、1つのインジェクション通路と連通している圧縮機、例えば、フロントヘッド23およびリアヘッド25にインジェクション通路が形成されていない仮想上の圧縮機を考える。この場合、ミドルプレート27に形成されているインジェクション孔の位置および大きさや、第1シリンダ24および第2シリンダ26の大きさ等を変更することなく、仮想上の圧縮機のフロントヘッド23およびリアヘッド25にインジェクション通路を形成することで、第1圧縮室40および第2圧縮室41に注入される中間圧の冷媒の流量を増加させることができる。
また、本実施形態に係る揺動式圧縮機101では、インジェクション管92は、ケーシング10の外部において、インジェクション通路33,35,37の数と同じ数の3つの管に分岐している。気液分離器103からインジェクション管92に供給される中間圧の冷媒は、インジェクション管92内で分流して、インジェクション管92の内径より小さい内径を有するインジェクション通路33,35,37に供給される。そのため、揺動式圧縮機101は、第1圧縮室40および第2圧縮室41に注入される中間圧の冷媒の流路抵抗を抑えることができ、第1圧縮室40および第2圧縮室41に注入される中間圧の冷媒の流量を効率的に増加させることができる。
また、本実施形態に係る揺動式圧縮機101では、第1圧縮室40および第2圧縮室41における冷媒圧縮過程の後半において、第1圧縮室40および第2圧縮室41に中間圧の冷媒が注入されるような位置に、インジェクション孔33a,37a,37b,35aが形成されている。これにより、中間圧の冷媒は、ある程度まで圧縮された高温の冷媒を有している第1圧縮室40および第2圧縮室41に供給されるので、第1圧縮室40および第2圧縮室41で圧縮されている冷媒をより効率的に冷却することができる。従って、揺動式圧縮機101は、運転効率および信頼性をより効率的に向上させることができる。
また、本実施形態に係る揺動式圧縮機101は、圧縮機構15によって圧縮される冷媒として、分子式CH22で表されるフッ素系冷媒であるR32を使用することができる。R32は、地球温暖化係数が小さい冷媒であるが、圧縮によって高温になり易い冷媒である。しかし、揺動式圧縮機101では、第1圧縮室40および第2圧縮室41に中間圧の冷媒を注入することで、圧縮機構15から吐出される冷媒の温度を抑えることができる。従って、揺動式圧縮機101は、R32を圧縮する場合において、第1圧縮室40および第2圧縮室41に注入される中間圧の冷媒の流量を増加させることで、運転効率および信頼性を向上させることができる。
(5)変形例
本発明の実施形態の具体的構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で変更可能である。以下、本発明の実施形態に適用可能な変形例について説明する。
(5−1)変形例A
本実施形態に係る揺動式圧縮機101では、インジェクション管92は、ケーシング10の外部で3つに分岐して、フロントヘッド23の上部インジェクション通路33と、ミドルプレート27の中央インジェクション通路37と、リアヘッド25の下部インジェクション通路35とそれぞれ連通している。しかし、インジェクション管92は、ケーシング10の内部で3つに分岐して、インジェクション通路33,35,37のそれぞれと連通してもよい。また、インジェクション管92は、分岐することなくインジェクション通路33,35,37の一つと連通し、かつ、インジェクション通路33,35,37は、ケーシング10の内部で互いに連通してもよい。
図11は、本変形例に係る揺動式圧縮機201の圧縮機構115の縦断面図である。図11では、図1に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号で示され、図1に示される構成要素と異なる構成要素は、別の参照符号で示されている。揺動式圧縮機201では、インジェクション管192は、ケーシング10の外部で分岐することなく、ケーシング10を貫通して圧縮機構115と接続されている。インジェクション管192は、圧縮機構115のフロントヘッド123の上部インジェクション通路133と連通している。フロントヘッド123の上部インジェクション通路133と、ミドルプレート127の中央インジェクション通路137と、リアヘッド125の下部インジェクション通路135とは、圧縮機構115の内部の内部通路129を介して、互いに連通している。内部通路129は、第1シリンダ124および第2シリンダ126を鉛直方向に貫通する孔である。中央インジェクション通路137および下部インジェクション通路135は、圧縮機構115の外部の空間と連通しないように閉塞されている。揺動式圧縮機201では、インジェクション管192の配管を簡素にすることができる。従って、本変形例に係る揺動式圧縮機201は、製造コストを抑えることができる。
(5−2)変形例B
本実施形態に係る揺動式圧縮機101では、圧縮機構15は、第1圧縮室40および第2圧縮室41からなる2つの圧縮室を有する。第1圧縮室40および第2圧縮室41のそれぞれにおいて、低圧の冷媒が吸引されて圧縮される。すなわち、揺動式圧縮機101は、冷媒を圧縮するための独立した2つのユニットを備える。しかし、揺動式圧縮機101の構成は、1つの圧縮室を有する圧縮機構を備える揺動式圧縮機にも適用することができる。
(5−3)変形例C
本実施形態に係る揺動式圧縮機101では、気液分離器103において分離された気体冷媒が、中間圧の冷媒として、インジェクション管92を経由して第1圧縮室40および第2圧縮室41に供給される。しかし、気液分離器103において分離された液体冷媒が、中間圧の冷媒として、インジェクション管92を経由して第1圧縮室40および第2圧縮室41に供給されてもよい。
(5−4)変形例D
本実施形態に係る揺動式圧縮機101では、圧縮機構15は、ローラ21aおよびブレード21bが一体となっているピストン21を有している。しかし、揺動式圧縮機101の代わりに、ロータリ圧縮機が用いられても、本実施形態と同様の効果が得られる。ロータリ圧縮機では、圧縮機構は、ローラおよびブレードが互いに別の部材であるピストンを有している。
(5−5)変形例E
本実施形態に係る揺動式圧縮機101では、インジェクション管92を経由して第1圧縮室40および第2圧縮室41に供給される中間圧の冷媒は、ガス冷媒である。しかし、第1圧縮室40および第2圧縮室41に供給される中間圧の冷媒が、気液混合状態の冷媒であっても、本実施形態と同様の効果が得られる。
本発明に係る圧縮機は、圧縮室に注入される冷媒の流量を増加させることで、運転効率および信頼性を向上させることができる。
10 ケーシング
15 圧縮機構
17 クランク軸
21a ローラ
24 シリンダ(第1シリンダ)
26 シリンダ(第2シリンダ)
23 フロントヘッド(第1ヘッド)
27 ミドルプレート(第2ヘッド)
27 ミドルプレート(第1ヘッド)
25 リアヘッド(第2ヘッド)
33 上部インジェクション通路(インジェクション通路)
35 中央インジェクション通路(インジェクション通路)
37 下部インジェクション通路(インジェクション通路)
33a 第1上部インジェクション孔(インジェクション孔)
37a 第1下部インジェクション孔(インジェクション孔)
37b 第2上部インジェクション孔(インジェクション孔)
35a 第2下部インジェクション孔(インジェクション孔)
40 第1圧縮室(圧縮室)
41 第2圧縮室(圧縮室)
92 インジェクション管
101 揺動式圧縮機(圧縮機)
特開2009−127902号公報

Claims (7)

  1. ケーシング(10)と、
    前記ケーシング内に収容され、かつ、冷媒が圧縮される圧縮室(40,41)を有する圧縮機構(15)と、
    前記ケーシング内に収容され、かつ、前記圧縮機構を駆動するクランク軸(17)と、
    前記圧縮室に注入される冷媒が内部を流れるインジェクション管(92)と、
    を備え、
    前記圧縮機構は、
    少なくとも1つのシリンダ(24,26)と、
    前記シリンダの両端面をそれぞれ閉塞する第1ヘッド(23,27)および第2ヘッド(27,25)と、
    前記クランク軸の回転により偏心回転し、かつ、前記シリンダ、前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドと共に前記圧縮室を形成するローラ(21a)と、
    を有し、
    前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドは、それぞれ、前記ローラの偏心回転によって前記圧縮室に開口するインジェクション通路(33,35,37)を有し、
    前記インジェクション管は、前記第1ヘッドの前記インジェクション通路、および、前記第2ヘッドの前記インジェクション通路と連通する、
    圧縮機(101)。
  2. 前記インジェクション管は、前記ケーシングの外部で分岐して、前記第1ヘッドの前記インジェクション通路、および、前記第2ヘッドの前記インジェクション通路と連通する、
    請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記第1ヘッドの前記インジェクション通路、および、前記第2ヘッドの前記インジェクション通路は、前記ケーシングの内部において互いに連通する、
    請求項1に記載の圧縮機。
  4. 前記第1ヘッドおよび前記第2ヘッドは、それぞれ、前記インジェクション通路の前記圧縮室への開口であるインジェクション孔(33a,35a,37a,37b)を有し、
    前記ローラの偏心回転によって前記圧縮室の容積が減少し始めるときの前記クランク軸の回転角度である第1回転角度、および、前記クランク軸の回転角度が前記第1回転角度から増加して、前記インジェクション孔が前記ローラによって完全に閉じられる瞬間における前記クランク軸の回転角度である第2回転角度に関して、前記第2回転角度が前記第1回転角度より150°〜180°大きくなるように、前記第1ヘッドの前記インジェクション孔、および、前記第2ヘッドの前記インジェクション孔の位置および大きさが設定される、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の圧縮機。
  5. 前記第1ヘッドにおける前記第2回転角度である第3回転角度、および、前記第2ヘッドにおける前記第2回転角度である第4回転角度に関して、前記第3回転角度と前記第4回転角度との差の絶対値が5°以内となるように、前記第1ヘッドの前記インジェクション孔、および、前記第2ヘッドの前記インジェクション孔の位置および大きさが設定される、
    請求項4に記載の圧縮機。
  6. 前記圧縮機構は、
    第1シリンダ(24)および第2シリンダ(26)からなる2つの前記シリンダと、
    前記第1シリンダの前記第2ヘッドであり、かつ、前記第2シリンダの前記第1ヘッドであるミドルプレート(27)と、
    を有し、
    前記ミドルプレートは、前記ローラの偏心回転によって前記第1シリンダの前記圧縮室に開口する前記インジェクション通路と、前記ローラの偏心回転によって前記第2シリンダの前記圧縮室に開口する前記インジェクション通路とを有する、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の圧縮機。
  7. 前記圧縮機構は、R32を圧縮する、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の圧縮機。
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