JP2014189975A - 重機間データ連携機能による盛土品質管理システム - Google Patents

重機間データ連携機能による盛土品質管理システム Download PDF

Info

Publication number
JP2014189975A
JP2014189975A JP2013064432A JP2013064432A JP2014189975A JP 2014189975 A JP2014189975 A JP 2014189975A JP 2013064432 A JP2013064432 A JP 2013064432A JP 2013064432 A JP2013064432 A JP 2013064432A JP 2014189975 A JP2014189975 A JP 2014189975A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
construction
management
heavy
server
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013064432A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6341629B2 (ja
Inventor
Masahiro Kurodai
昌弘 黒台
Kouki Matsumoto
江基 松本
Satoshi Nakajima
聡 中島
Yukio Terada
幸男 寺田
Yukiya Soejima
幸也 副島
Kazuhiro Nii
和展 新居
Yo Kitamura
陽 喜多村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GEOSURF CORP
Hazama Ando Corp
Original Assignee
GEOSURF CORP
Hazama Ando Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GEOSURF CORP, Hazama Ando Corp filed Critical GEOSURF CORP
Priority to JP2013064432A priority Critical patent/JP6341629B2/ja
Publication of JP2014189975A publication Critical patent/JP2014189975A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6341629B2 publication Critical patent/JP6341629B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Position Fixing By Use Of Radio Waves (AREA)

Abstract

【課題】 重機稼働データを活用することにより効率的な盛土の敷均し施工を実現可能にすること。
【解決手段】 管理場所に設置されたGNSS受信装置、管理側管理側コンピュータ及びサーバと、作業重機に備え付けられた移動体側GNSS受信装置および移動体側コンピュータにより盛土品質管理システムを構築する。この盛土品質管理システムは、建設工事エリア内において、管理側管理側コンピュータ及びサーバと移動体側コンピュータとの間で無線通信がおこなわれるように構成され、重機間におけるデータの送受は、管理側コンピュータを仲介として行われることを特徴とする。これにより、全重機の施工管理を管理側コンピュータ及び施工管理サーバで集中管理する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、盛土品質管理システム、特に重機間データ連携機能による盛土品質管理システムに関するものである。
従来における盛土品質管理システムとしては、重機であるブルドーザによる敷均し(しきならし)管理システムや、同じく重機としての振動ローラによる締固め管理システムが存在する。ブルドーザによる敷均し管理システムは、事前に設定した計画層序に基づく施工を実施することを前提に管理を行っている。また、振動ローラによる締固め管理システムは、ブルドーザによる敷均し後に運用可能となるが、ブルドーザによる施工が完了したかの合図があるまで待機し、合図があってから振動ローラによる締固め作業を開始するようになっている。また、施工対象であるヤードを仮想的に区分し、重機による施工の進捗状況に応じて最適な管理を行うようにした先行技術も提案されている。このような先行技術の一例としては例えば特許文献1に開示されたものがある。
特許文献1に開示された技術は、施工対象情報及び施工機械情報を収集する情報収集手段と、施工対象を仮想的に区分した3次元ブロックの位置座標を基準に施工対象情報を対応づけて複数の情報ユニットとし、施工対象情報の管理を行う情報管理手段と、情報ユニットに基づいて3次元地形情報を作成し、この3次元地形情報と施工機械情報とを合成・分析してモニタ画面に表示する情報提供手段とを備えている。そして、情報管理手段は、情報ユニットを施工の進捗状況に基づいて日単位及び/又は時分単位で更新し、情報提供手段は、日常の施工に関する情報を現場技術者に提供するとともに、長期計画策定のための意思決定支援情報を提示する、というものである。
特開2003−253661号公報
しかしながら、従来における盛土品質管理システムにおいて、ブルドーザによる敷均し管理システムは、事前に設定した計画層序に基づく施工を実施することを前提にしており、勾配を取ったり薄層となったりして計画通りには施工できないという施工現場の実情とは合わないものである。また、振動ローラによる締固め管理システムは、ブルドーザによる敷均し後に運用可能となるが、ブルドーザによる施工が完了したかの合図があるまで待機する必要があった。
また、上述したように、重機稼働データ(施工データ)を通信手段によって施工管理事務所において集中管理する仕組みは存在するが、データ蓄積や管理帳票作成が利用目的であり、施工効率化や安全管理を目的とした重機稼働監視は十分にできていない。また、重機単体の情報化施工は、その重機が担当する作業のみの効率化を図るもので、盛土工事全体としてのサイクルタイムや土量、層厚の管理が実行できていない。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、重機稼働データを活用することにより効率的な盛土の敷均し施工を実現可能にすることである。
本発明は上記目的を達成するために、管理場所に設置された、GNSS(Global Navigation Satellite System:全地球航法衛星システム)信号を受信するGNSS受信装置および管理側データ通信装置と、前記管理側データ通信装置に接続された管理側コンピュータと、前記管理側コンピュータに接続された施工管理サーバと、建設工事用移動作業重機に備え付けられた移動体側GNSS受信装置および移動体側データ通信装置と、前記移動体側データ通信装置に接続された移動体側コンピュータとにより盛土品質管理システムを構築する。この盛土品質管理システムは、建設工事エリア内において、前記管理場所に設置された管理側データ通信装置と前記重機に備え付けられた移動体側データ通信装置との間で無線通信がおこなわれるように構成され、前記重機間においてデータを送受信する場合は、送信側の重機の移動体側データ通信装置から管理側データ通信装置を介して管理側コンピュータへデータ送信し、管理側コンピュータからのデータを管理側データ通信装置から受信側の重機の移動体側データ通信装置を介して移動体側コンピュータへデータ送信することを特徴とする。これにより、通信ルートとしては、第1の重機と第2の重機との間の直接の通信は機能せず、第1の重機と第2の重機との間でデータの送受信を行う場合には、必ず管理側コンピュータないしは施工管理サーバを介して行われ、全重機の施工管理を管理側コンピュータ及び施工管理サーバで集中管理することができる。
また、重機がブルドーザである場合、当該ブルドーザに備え付けられた移動体側コンピュータは敷均し厚さ計算を実行して自機ブルドーザによる施工状況データを生成する一方、重機が振動ローラである場合、当該振動ローラに備え付けられた移動体側コンピュータは転圧回数カウントを実行して自機振動ローラによる施工状況データを生成することを特徴とする。これらの施工状況データが施工管理サーバに格納されることにより、重機間でデータ連携による施工が可能となる。
また、勾配や凸凹があるローラ施工面に次層の新たな土砂を撒き出して敷均しを行う場合、管理側コンピュータは、振動ローラによる施工状況データに対して平滑化処理を施すことによりなめらかな基準データを生成して、次層の敷均しを行うブルドーザの移動体側コンピュータへ送信することを特徴とする。この平滑化処理により、勾配があり、多くの凸凹があるローラ施工面に次層の新たな土砂を撒き出して敷均しを行う場合でも、なめらかな基準データが得られ、不効率な動作のない敷均し作業が実施できる。
本発明では、全重機にGNSSや加速度計を搭載し、無線LAN等の通信装置を介して施工管理事務所に設置した施工管理サーバに全施工データを集約する。x、y、zの3次元座標に加えてt(時刻)管理を行うことで、重機間の平面的および立体的、時間的な稼働状況を把握する。また、最小土量で施工するためには適切な層厚管理が必要不可欠であり、振動ローラによる転圧完了データを基準にして規定層厚を加算して次層の敷均しのための基準データを生成する。これを平滑化処理と称し、規定層厚の単純加算による方法と、振動ローラによる転圧完了データの標高値のばらつきを考慮した処理方法を提供する。データのばらつきは、「データの有効期限/高さ方向の閾値/閾値から外れる割合」で判断する。盛土施工のサイクルタイムを最小化するためには、ブルドーザによる敷均し作業の終了と同時に振動ローラによる転圧作業、または振動ローラによる転圧作業の終了と同時に運土を経てブルドーザによる敷均し作業が実行できることが望ましい。そこで、敷均し終了エリア及び転圧終了エリアの確定情報をサーバにアップし、振動ローラは敷均し完了情報をサーバから取得する一方、ブルドーザは転圧完了情報をサーバから適宜取得する方法を提案する。リアルタイムで把握できる重機位置データを処理して、接触等の事故防止のために重機間の離隔を常に計測して施工管理事務所のPCに表示するとともに、各重機にも連絡する。
本発明によれば、複数の重機(例えばブルドーザと振動ローラ)と管理側コンピュータ間の双方向通信によるデータ集中管理技術は、これによる安全管理の高度化と施工の効率化を実現することができる。
また、勾配があり、多くの凸凹があるローラ施工面に次層の新たな土砂を撒き出して敷均しを行う場合、下層の凸凹が上層の整形(ブルドーザの敷均し作業)のための基準データに悪影響を及ぼすことがあるが、本発明のように平滑化処理を施すことによりなめらかな基準データとなり、不効率な動作のない敷均し作業が実施できる。
また、ローラ締固めデータを平滑化処理して次層のブルドーザ敷均し基準データを生成する方法により、適正な層厚管理ができ最適土量での施工が可能となる。
さらに本発明によれば、ブルドーザ施工データから次の振動ローラによる作業の施工範囲を確定する方法(またはローラ施工データから次のブルドーザによる作業の施工範囲を確定する方法)により、適正な稼働範囲と作業開始時間が指示でき、待機時間を最小化するとともに、無駄な重機稼働を防止することができる。その結果、サイクルタイムの短縮化や排出する二酸化炭素の削減に寄与することができる。
本発明の一実施の形態に係る盛土品質管理システムの構成を示すブロック図である。 上記実施の形態における施工管理事務所内における管理側コンピュータシステムの構成を示すブロック図である。 上記実施の形態における管理側コンピュータ、サーバ、重機間におけるデータの流れを示す図である。 上記実施の形態におけるブルドーザ及び振動ローラ側の装置からサーバに問い合わせを行う動作を説明するフローチャートである。 上記実施の形態における作業前の現況把握動作が完了した後の、ブルドーザによる施工作業開始の動作を説明するフローチャートである。 上記実施の形態におけるブルドーザによる敷均し作業における作業完了範囲確定処理の動作を説明するフローチャートである。 上記実施の形態における振動ローラによる施工作業開始の動作を説明するフローチャートである。 上記実施の形態における振動ローラによる締固め作業における作業完了範囲確定処理の動作を説明するフローチャートである。 上記実施の形態における振動ローラによる締固め作業完了後における平滑化処理の概要を説明するフローチャートである。 上記実施の形態における平滑化処理をする場合と、しない場合の事例をグラフ図であり、(a)は平滑化処理をする場合のグラフ図であり、(b)は平滑化処理をしない場合のグラフ図である。 (a)は上記実施の形態におけるローラ締固め作業において実際に取得した振動ローラの転圧データ(締固めデータ)を表す図である。(b)は図11(a)の転圧データに本発明の平滑化処理を施した結果を表す図である。 (a)は上記実施の形態におけるローラ締固め作業において実際に取得した振動ローラの転圧データ(締固めデータ)を表す図である。(b)は図12(a)の転圧データに本発明の平滑化処理を施した結果を表す図である。 (a)は12(a)に示された転圧データと12(b)に示された平滑化処理データとの差分をとった結果を表す図である。(b)は平滑化処理を実施したデータに、規定層厚を加算した結果を示す図である。 上記実施の形態における管理側コンピュータ画面における複数の重機の管理画面の表示例を示す図である。
次に、本発明の実施の形態および動作を添付の図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の盛土品質管理システムを実現するためのシステム構成を示す。図1において、1は施工管理事務所、2は施工ヤード内を動き回る重機の1つの例としての振動ローラ、3は重機の他の例としてのブルドーザ、4は施工管理事務所1の近くに設置され当該施工管理事務所1と重機2,3との間の通信を中継する基地局としてのアクセスポイント、5は施工ヤードに設置され基地局アクセスポイント4からの電波を重機2,3へ中継して通信を確立する固定式のアクセスポイント、6は同じく施工ヤードに設置され基地局アクセスポイント4からの電波を重機2,3へ中継して通信を確立する移動式のアクセスポイントである。重機としては、上記振動ローラ2やブルドーザ3以外にも例えばパワーショベルやバックホウなどの土木機械も使用可能である。施工管理事務所1には作業の施工管理を行うための管理側コンピュータ7が設置され、ブルドーザ3にはPC7との間でデータの送受信を行うための移動体側コンピュータ8が搭載されている。移動体側コンピュータ8は、ブルドーザ3自身の位置情報及び施工状況データを格納するためのメモリを有している。また、振動ローラ2には管理側コンピュータ7との間でデータの送受信を行うための移動体側コンピュータ9が搭載されている。移動体側コンピュータ9は、振動ローラ2自身の位置情報及び施工状況データを格納するためのメモリを有している。施工管理事務所1にはまた、LAN(Local Area Network)通信を行うためのLAN装置10と、ルーター11とが設置されている。
基地局アクセスポイント4は、施工管理事務所1のルーター11と通信接続されるルーター12と、無線LAN中継アクセス装置13と、無線によるLAN通信を行うための無線LAN装置14と、GNSS衛星からのGNSSデータを受信するGNSS受信機16と、重機2,3に対して小エリア無線通信用の無線電波を発信及び受信する機能を有しGNSS補正データを送信する小エリア無線装置17とを備えている。固定式アクセスポイント5は施工ヤード内に設置された無線LANアクセス装置18と、無線によるLAN通信を行うための無線LAN装置19とを備えている。移動式アクセスポイント6は施工ヤード内を移動可能な車両等に搭載され、無線LANアクセス装置20と、無線によるLAN通信を行うための無線LAN装置21とを備えている。重機である振動ローラ2は、無線によるLAN通信を行うための無線LAN装置22と、GNSS衛星からのGNSSデータを受信するGNSS受信機23と、小エリア無線通信用の無線電波を発信及び受信する機能を有し基地局アクセスポイント4の小エリア無線装置17から送信されてきたGNSS補正データを受信する小エリア無線装置24とを備えている。また、ブルドーザ3は、無線によるLAN通信を行うための無線LAN装置25と、GNSS衛星からのGNSSデータを受信するGNSS受信機26と、小エリア無線通信用の無線電波を発信及び受信する機能を有し基地局アクセスポイント4の小エリア無線装置17から送信されてきたGNSS補正データを受信する小エリア無線装置27とを備えている。
以上から、重機(振動ローラ2及びブルドーザ3等)と管理側コンピュータ7との間では、基地局アクセスポイント4を仲介手段として無線LANによってデータ送受信が行えるようにされ、さらに無線LANによるデータ送受信をサポートするために施工ヤード内に基地局アクセスポイント4の子機として作動する固定式アクセスポイント5及び移動式アクセスポイント6が設置されたデータ通信システムが構築されている。また、基地局アクセスポイント4と重機2,3との間では小エリア無線通信によるGNSS送受信システムが構築されている。なお、振動ローラ2及びブルドーザ3(重機全般)は、相互のデータ送受信は行わず、それぞれが別個に基地局アクセスポイント4と、固定式アクセスポイント5又は移動式アクセスポイント6とを介して管理側コンピュータ7との間でデータ送受信を行う構成を採る。
図2は施工管理事務所1内における管理側コンピュータシステムの構成を示すブロック図である。この管理側コンピュータシステムは、CPU7(上記管理側コンピュータに相当する)と、このCPU7にバス30を介して接続された施工管理サーバ(以下、単にサーバという)31と、各種データを記録媒体として出力するプリンタ32と、各種データを画像表示するディスプレイ33と、CPU7の通信動作をコントロールする通信制御部34とから構成される。サーバ31には振動ローラ2及びブルドーザ3などの重機から送られてきた位置情報や重機の施工状況データが格納され、施工完了/未完了範囲の情報が時系列で管理される。位置情報には施工ヤード内における平面方向位置と標高位置が管理される。また、本発明では、全重機2,3にGNSSや加速度計を搭載し作業中における施工状況に関するデータを重機に搭載した移動体側コンピュータ8、9に取り込む。この状況データは無線LAN等の通信装置を介して施工管理事務所1に設置した管理側コンピュータ7及びサーバ31に伝送され集約管理される。x、y、zの3次元座標に加えてt(時刻)管理を行うことで、重機間の平面的および立体的、時間的な稼働状況を把握する。
以上のような構成を有する盛土品質管理システムにおける動作について以下説明する。振動ローラ2及びブルドーザ3といった重機と管理側コンピュータ7及びサーバ31とは、基地局アクセスポイント4及び固定式アクセスポイント4や移動式アクセスポイント5を介して、無線LANによる双方向通信を行う。通信ルートとしては、ブルドーザ3と振動ローラ2との間の直接の通信は機能せず、ブルドーザ3と振動ローラ2との間でデータの送受信を行う場合には、必ず管理側コンピュータ7ないしはサーバ31を介して行うようになっている。図3は上述のような規則の下での管理側コンピュータ7、サーバ31、ブルドーザ3、振動ローラ2、基地局アクセスポイント4、固定式アクセスポイント5、移動式アクセスポイント6の間における基本的なデータの流れを示す図である。ブルドーザ3と振動ローラ2の位置決めには、一例としては、GNSS測位のうちRTK方式(cmオーダーの位置計測)を適用する。
動作1:作業前の現況把握動作(各重機からのデータ要求の流れ)
ブルドーザ3と振動ローラ2の各オペレータは、目の前に広がる敷地が施工済みか、これから自己の重機を使って施工するのかが不明瞭な場面に遭遇することがある。そこで、その判断をサーバ31に問い合わせる操作を実施する。図4は上記振動ローラ2及びブルドーザ3側の装置からサーバ31に問い合わせを行う動作を説明するフローチャートである。図4において、重機Aはこれから施工を開始しようとする重機であり振動ローラ2及びブルドーザ3のうちのいずれであってもよいし、或いは上記振動ローラ2及びブルドーザ3以外の重機であってもよい。図4に示されるように、重機Aにおいては、これから施工を行うに当たってサーバ31に対してデータ要求(コマンド送信)動作を開始する(ステップS1)一方で、現在の自己機の位置を通知するためにその座標値をサーバ31へ送信する(ステップS2)。この位置を表す座標値は、作業現場における予め決められた地点を原点としたX,Y,Z直交座標系における平面内の位置(x、y)および高さ方向の位置(z)の3次元データで表される。座標値として3次元データを用いるのは、ブルドーザによる敷均し作業により作業区画の標高値も変化し得るからである。重機Aの座標値を受け取ったサーバ31は、重機Aから200m四方以内に居る他の重機の全てを判定し、該当する重機へ要求コマンドを転送する(ステップS3)。200m四方以内に居るという条件に該当する重機B(1台または複数台)は要求コマンドをサーバ31から受信し(ステップS4)、重機Bの現時点の施工データ(現況データ)を自動的にサーバ31へ返信する(ステップS5)。サーバ31は全重機Bから受け取った施工データをマージ処理して、最新の施工データ(施工完了範囲と未施工範囲)を生成したのちに、要求元である重機Aへ上記最新の施工データを送信する(ステップS6)。重機Aでは、サーバ31から送信されてきた施工データを受信し、ディスプレイに表示する(ステップS7)。
このようにして、重機Aでは、自身から200m四方内にいる他の重機の現在の施工状況を把握することができる。この機能は、ブルドーザ→ブルドーザ間、振動ローラ→振動ローラ間、ブルドーザ→振動ローラ間、或いはその他の重機間で実行動作される。なお、重機Aが施工開始する直前にデータ要求をする時点で、重機Bは施工中(施工完了していない)場合がある。このような状態でも、重機Aからのデータ要求があれば、重機Bはその時点で最新の施工データをサーバ31に送信する。サーバ31は、上述のように、重機Aの位置を中心とした、200m範囲内の重機Bの施工データを自己の記憶部から抽出し、上記重機Aに重機Bの施工データを送信する。この場合において、サーバ31は、重機Aから要求があった際に、最新の施工データを重機Aに送るための生成時間を縮減するために、各重機の日々の最新の施工状態をファイル化している。これにより、施工データの探索時間や通信データ量の軽減を実現している。
動作2:ブルドーザによる敷均し作業
図5は上述の作業前の現況把握動作が完了した後の、ブルドーザによる施工作業開始の動作を説明するフローチャートである。図5においても重機Aに該当するブルドーザ3(データ要求側)と重機B(データ提供側)の関係は図4を参照して説明した場合と同じである。図5に示されるように、重機Aにおいては、これから施工を始めるべく施工開始指示処理が行われ(ステップS11)、さらに重機Aにおいて盛土材料の選択処理が行われる(ステップS12)。次に重機Aにおいては、現在の自己機の位置を通知するためにその座標値(3次元データ)をサーバ31へ送信する(ステップS13)。重機Aの座標値を受け取ったサーバ31は、重機Aからサーバ31に対してデータ要求(コマンド送信)があったか否かをチェックし(ステップS14)、データ要求がなかった場合は自己の記憶部に格納されている施工データファイルから重機A送信用の施工データ(現況データ)を生成する(ステップS15)。そして、上記施工データと材料情報より平滑化処理にて計画高を求め、これらのデータを重機Aへ送信する(ステップS16)。このデータを受信した重機Aは施工動作を開始する(ステップS17)。
サーバ31が、上記ステップS14の処理において、重機Aからデータ要求があったと判断した場合は重機Aから200m四方以内に居る他の重機の全てを判定し、該当する重機へ要求コマンドを転送する(ステップS18)。200m四方以内に居るという条件に該当する重機Bは要求コマンドをサーバ31から受信し、重機Bの現時点の施工データ(現況データ)を自動的にサーバ31へ返信する(ステップS19)。サーバ31は全重機Bから受け取った施工データと材料情報より平滑化処理を実行して計画高を求め、その結果を要求元である重機Aへ送信する(ステップS16)。ここで、上記計画高とは、重機Aでは、サーバ31から送信されてきた施工データを受信し、施工動作を開始する(ステップS17)。以上の手順で行われるブルドーザ3による敷均し作業において、敷均しのための基準データは、前作業である振動ローラによる締め固め完了データが基になる。締め固め完了データに1層分の厚さを加算したものが、次層の基準データとなる。この基準データは平滑化処理を経て確定される。マシンコントロールによって敷均しが完了すると、ブルドーザ3は、図6に示される「作業完了範囲確定処理フロー」により、施工した範囲を確定するとともに、敷均しデータをサーバに送信する。送信後、作業を継続するには、上述で図4を参照して説明されたデータ要求を行って現況を把握し、作業を開始する。
ここで、上記ブルドーザ3による敷均し作業における作業完了範囲確定処理について説明する。図6はこの作業完了範囲確定処理の動作を説明するフローチャートである。図6においても重機Aに該当するブルドーザ3(データ要求側)と重機B(データ提供側)の関係は図4及び図5を参照して説明した場合と同じである。図6に示されるように、重機Aにおいては、施工完了にともない施工完了箇所をクリックしてポリゴン化が行われる(ステップS21)。次に重機Aでは、ブルドーザ3による施工を継続するか否かをチェックし(ステップS22)、施工を継続する場合は施工完了範囲確定フラグをセットし(ステップS23)、そのデータファイルを無線LAN経由でサーバ31へ転送する(ステップS24)。他方、ステップS22においてブルドーザ3による施工を継続しないと判定された場合は施工終了フラグをセットし(ステップS25)、そのデータファイルを無線LAN経由でサーバ31へ転送する(ステップS24)。重機Aからのデータファイルを受け取ったサーバ31は、このデータファイルを記憶部に登録、保存する(ステップS26)。他方、重機Aにおいては、上記データファイルを転送した後、施工終了フラグはオンか否かをチェックし(ステップS27)、オンであれば施工終了処理を行う(ステップS28)。また、施工終了フラグがオンでないと判断された場合は、盛土材料を選び直すか否かをチェックし(ステップS29)、盛土材料を選び直さない場合はサーバ31に対してデータ要求するか否かをチェックする(ステップS30)。
ステップS29において盛土材料を選び直すと判断された場合は材料選択画面を表示し、盛土材料を選択した後、ステップS30の判定動作に移行する。そして、ステップS30においてサーバ31に対してデータ要求しないと判断された場合は盛土材料を変更したか否かをチェックし(ステップS31)、盛土材料を変更していない場合は未完了箇所を施工する処理に移行する(ステップS32)。ステップS30においてデータ要求すると判断された場合は、重機Aからサーバ31に対してデータ要求処理が行われる(ステップS33)。重機Aからのデータ要求を受け取ったサーバ31は、重機Aから200m四方以内に居る他の重機の全てを判定し、該当する重機へ上記データ要求コマンドを転送する(ステップS34)。200m四方以内に居るという条件に該当する重機B(1台または複数台)は要求コマンドをサーバ31から受信すると、重機Bの現時点の施工データ(現況データ)をサーバ31へ送信する(ステップS35)。サーバ31は全重機Bから受け取った施工データをマージ処理して現況データを抽出し(ステップS36)、抽出した現況データをデータ要求元である重機Aへ送信する(ステップS6)。現況データを受け取った重機Aは材料を変更したか否かをチェックする(ステップS31)。このチェック動作において材料を変更したと判定された場合は、この材料変更事実がサーバ31に通知され、サーバ31においては振動ローラの標高データから平滑化処理が行われて計画高データが生成され(ステップS37)、次に生成された計画高データを重機Aへ送信する。そして、重機Aはこの生成された計画高データに基づいて未完了箇所を施工する処理に移行する(ステップS32)。以上のようにしてブルドーザ3により施工した範囲が確定される。
動作3:振動ローラによる締固め作業
図7は振動ローラ2による施工作業開始の動作を説明するフローチャートである。この場合においても、自機(振動ローラ)周辺の施工状況を把握する必要があれば、図4に示されたフローチャートにしたがって作業前の現況把握動作が行われ、その後図7の処理に入る。図7においても重機Aに該当する振動ローラ2(データ要求側)と重機B(データ提供側)の関係は図4乃至図6を参照して説明した場合と同じである。図7に示されるように、重機Aにおいては、これから施工を始めるべく施工開始指示処理が行われ(ステップS41)、次に重機Aにおいては、現在の自己機の位置を通知するためにその座標値(3次元データ)をサーバ31へ送信する(ステップS42)。重機Aの座標値を受け取ったサーバ31は、重機Aからサーバ31に対してデータ要求(コマンド送信)があったか否かをチェックし(ステップS43)、データ要求がなかった場合は自己の記憶部に格納されている施工データファイルから重機A送信用の施工データ(現況データ)を生成し、このデータを重機Aへ送信する(ステップS44)。このデータを受信した重機Aは施工動作を開始する(ステップS45)。
サーバ31が、上記ステップS43の処理において、重機Aからデータ要求があったと判断した場合は重機Aから200m四方以内に居る他の重機の全てを判定し、該当する重機へ要求コマンドを転送する(ステップS46)。200m四方以内に居るという条件に該当する重機Bは要求コマンドをサーバ31から受信し、重機Bの現時点の現況データを自動的にサーバ31へ返信する(ステップS47)。サーバ31は、対象重機から受信したデータと照らし合わせて最新の現況データを生成し、作業完了範囲確定していれば未施工状態にして重機Aへ送信する(ステップS48)。このデータを受信した重機Aは施工動作を開始する(ステップS45)。
以上の手順で行われる振動ローラ2による締固め作業において、マシンコントロールによって所定の回数の締固めが完了すると、振動ローラ2は、図8に示される「作業完了範囲確定処理フロー」により、施工した範囲を確定するとともに、締固めデータをサーバに送信する。この締固めデータの送信後、振動ローラ2が作業を継続するには、上述で図4を参照して説明されたデータ要求を行って現況を把握し、作業を開始する。
ここで、上記振動ローラ2による締固め作業における作業完了範囲確定処理について説明する。図8はこの作業完了範囲確定処理の動作を説明するフローチャートである。図8においても重機Aに該当する振動ローラ2(データ要求側)と重機B(データ提供側)の関係は図4乃至図7を参照して説明した場合と同じである。図8に示されるように、重機Aにおいては、施工完了にともない施工完了箇所をクリックしてポリゴン化が行われる(ステップS51)。次に重機Aでは、振動ローラ2による施工を継続するか否かをチェックし(ステップS52)、施工を継続する場合は施工完了範囲確定フラグをセットし(ステップS53)、そのデータファイルを無線LAN経由でサーバ31へ転送する(ステップS54)。他方、ステップS52において振動ローラ2による施工を継続しないと判定された場合は施工終了フラグをセットし(ステップS55)、そのデータファイルを無線LAN経由でサーバ31へ転送する(ステップS54)。重機Aからのデータファイルを受け取ったサーバ31は、このデータファイルを記憶部に登録、保存する(ステップS56)。他方、重機Aにおいては、上記データファイルを転送した後、施工終了フラグはオンか否かをチェックし(ステップS57)、オンであれば施工終了処理を行う(ステップS58)。また、施工終了フラグがオンでないと判断された場合は、サーバ31に対してデータ要求するか否かをチェックする(ステップS59)。
ステップS59においてサーバ31に対してデータ要求しないと判断された場合は未完了箇所を施工する処理に移行する(ステップS60)。また、ステップS59においてデータ要求すると判断された場合は、重機Aからサーバ31に対してデータ要求処理が行われる(ステップS61)。重機Aからのデータ要求を受け取ったサーバ31は、重機Aから200m四方以内に居る他の重機の全てを判定し、該当する重機へ上記データ要求コマンドを転送する(ステップS62)。200m四方以内に居るという条件に該当する重機B(1台または複数台)は要求コマンドをサーバ31から受信すると、重機Bの現時点の施工データ(現況データ)をサーバ31へ送信する(ステップS63)。サーバ31は、対象重機から受信したデータと照らし合わせて最新の現況データを生成し、作業完了範囲確定していれば未施工状態にして重機Aへ送信する(ステップS64)。このデータを受信した重機Aは受け取った現状データに基づいて未完了箇所を施工する処理に移行する(ステップS60)。以上のようにして振動ローラ2により施工した範囲が確定され、締固めデータが重機Aである振動ローラ2からサーバ31へ送信される。
盛土施工のサイクルタイムを最小化するためには、上述の各作業及び処理動作において、ブルドーザ3による敷均し作業の終了と同時に振動ローラ2による転圧作業、または振動ローラ2による転圧作業の終了と同時に運土を経てブルドーザ3による敷均し作業が直ちに実行できることが望ましい。そこで、本発明では、敷均し終了エリア及び転圧終了エリアの確定情報をサーバ31にアップし、振動ローラ2は敷均し完了情報をサーバ31から取得する一方、ブルドーザ3は転圧完了情報をサーバ31から適宜取得するようにしている。また、リアルタイムで把握できる重機2,3の位置データを処理して、接触等の事故防止のために重機2,3間の離隔を常に計測して施工管理事務所1の管理側コンピュータ7に表示するとともに、各重機にも連絡する。
また、重機間データ連携により、転圧回数のデータの保持のし方について、複数の振動ローラの実績加算による回数カウントをできるようにしている。すなわち、例えば昨日1号機の振動ローラ2により4回転圧し、本日1号機の振動ローラ2により3回転圧し、本日2号機の振動ローラ2により2回転圧していた場合には、サーバ31に蓄積されたデータから当該位置の転圧回数は、
4+3+2=9
回と計算することができる。これは、これまで見逃されていた過転圧対策になる。この場合、昨日1号機の振動ローラ2により4回転圧したことが、本日の1号機の振動ローラ2に伝達されることで、本日の1号機の振動ローラ2による転圧作業をセーブするなどの対策が採られる。このような対策を行うために、振動ローラ2側のシステムでは、施工開始時における転圧すべき回数を重機内のメモリに記憶しておき、施工を終了した際に差し引く処理を行う。例えば本日の1号機の振動ローラ2による転圧回数が8回、施工開始時における転圧回数カウントが5であったとすると、
8−5=3
の3回を本日の1号機の振動ローラ2による施工分としてサーバ31へ登録する。
動作4:平滑化処理
次に、上述した平滑化処理について説明する。ブルドーザ3による敷均し作業、及び振動ローラ2による締固め作業を最小土量で施工するためには適切な層厚管理が必要不可欠であり、振動ローラによる転圧完了データを基準にして規定層厚を加算して次層の敷均しのための基準データを生成する。これを平滑化処理と称する。図9は振動ローラ2による締固め作業完了後における平滑化処理の概要を説明するフローチャートである。平滑化処理は管理側コンピュータ7が振動ローラ2から締固め作業データを受け取って行う。図9において、管理側コンピュータ7は、10m×10mの範囲で、規定回数に達したメッシュを識別し(ステップS71)、次に有効期限を判定しその後平滑化処理を行う(ステップS72)。この平滑化処理において閾値判定を行い(ステップS73)、それによって計画高を生成する(ステップS74)。次層敷均し厚さをブルドーザ3に指示するための敷均し基準データを生成するに際して、締固め完了して盛土表面のデータに規定の層厚を単純加算する方法に代えて締固め完了した盛土表面のデータを平滑化(均一化)した上で、規定の層厚を加算する方法である。実験結果に基づき、平滑化する場合の条件設定を示す。
a)平滑化する範囲は、例えば2.5m、5.0m、10.0m、15.0m、20.0m、50.0mの中から選択する。
b)標高値のないメッシュを除き、範囲内の規定転圧回数に達しているメッシュの実測(現況)標高値で一旦平滑化処理を実行し、平滑化面を生成する。
c)平滑化するか、しないかの閾値を設定する、閾値はデータの有効期限と、高さ閾値、ばらつき度合い度の3種類である。
d)過去何日分まで遡って平滑化処理に含めるかの指標を「有効期限」として設定する。
e)各メッシュ標高値とその位置に該当する平滑化処理後標高値を差分し、そのバラツキが±5cmを超える割合を検出する。この割合を「ばらつき度」、±5cmのことを「高さ閾値」とする。なお、上記高さ閾値の±5cmは一例であり、±3cmでも、或いは±8cmや±10cmであってもよい。高さ閾値も、ばらつき度も、作業現場における現地形や岩塊土や砂質などの盛土の条件によって変わるため、実測データに応じて設定する。
f)ばらつき度が所定の設定値(例:50%)未満の場合には平滑化処理後標高値を採用し、これに規定層厚を単純加算して得られる標高データ群を、次層のブルドーザ3の敷均しのための基準データとする。
g)ばらつき度が上記設定値以上の場合には各メッシュ標高値(平滑化の基になったデータ)を採用し、これに規定層厚を単純加算して得られる標高データ群を、次層のブルドーザ3の敷均しのための基準データとする。
h)例外処置として、施工効率が著しく低下する場合には、規定転圧回数に達しなくてもデータ処理範囲確定することができる。これにより、締め固め完了した盛土表面の出来映え(凸凹)によらず、より平均的になめらかな形状の盛土を形成することができる。
平滑化処理は、範囲確定に該当するメッシュ群のうち、有効期限内のメッシュ標高値(以下、Hとする)とメッシュ中心点(X,Y)を用いて
H=a+bX+cY
の回帰平面方程式を解く処理となる。
層上に積み重ねる盛土施工の特徴から生じる薄厚などでは、平滑化機能を無効とし、調整層と称する任意寸法(縦、横、厚さ)の盛土をデータ上で加算する。これにより、適正な層厚管理ができ最適最小量での施工が可能となる。
平滑化処理は、範囲確定に該当するメッシュ群のうち、有効期限内のメッシュ標高値Hとメッシュ中心点(X,Y)を用いて
H=a+bX+cY
の回帰平面方程式を解く。ここで、aは切片、b、cは偏回帰係数である。
上記回帰平面方程式の解動作において、
(X,Y,H)の分散(Sx2、Sy2,Sh2)・共分散(Sxy、Shy,Sxh)を求める。
また、b、cを求めるには、
Sx2b+Sxhc=Sxy
Sxyb+Sh2c=Shy
の連立方程式を解く。
上で求めたb、cを回帰平面方程式に代入してaを求める。
各係数が決まったら、管理メッシュサイズ毎にこの方程式メッシュ中心(X,Y)を代入すると平滑面の高さが求まる。以上のようにして、平滑する範囲毎に方程式を求めてメッシュ毎の基準高さを算定する。
以上のように、平滑化処理を、規定層厚の単純加算により実行する方法と、振動ローラによる転圧完了データの標高値のばらつきを考慮した処理により実行する方法を提供する。データのばらつきは、「データの有効期限/高さ方向の閾値/閾値から外れる割合」で判断する。
図10は平滑化処理をする場合と、しない場合の事例をグラフ図で示す。図10(a)は平滑化処理をする場合のグラフ図であり、図10(b)は平滑化処理をしない場合のグラフ図である。図10(a)及び図10(b)において、グラフ線cは振動ローラによる締固め標高を表し、グラフ線dはローラ締固め標高を平滑化処理した値を表す。また、グラフ線eはブルドーザ計画高を表す。図10(a)においては、平滑化処理した値(グラフ線d)に撒き出し厚を加算する処理が行われる。他方、図10(b)においては、平滑化処理は行われず生の標高値(グラフ線c)に撒き出し厚を加算する処理が行われる。
図11乃至図13は平滑化処理結果の例を示す図である。図11(a)はローラ締固め作業において実際に取得した振動ローラ2の転圧データ(締固めデータ)を表す図である。図11(b)は図11(a)の転圧データに本発明の平滑化処理を施した結果を表す図である。図12(a)はローラ締固め作業において実際に取得した振動ローラ2の転圧データ(締固めデータ)を表す図である。図12(b)は図12(a)の転圧データに本発明の平滑化処理を施した結果を表す図である。図13(a)は上記転圧データと平滑化処理データとの差分をとった結果を表す図である。
上述のように、閾値としてばらつき度を±0.05mとした場合、作業エリアのほぼ全面が平滑化処理結果を用いることになるが、図11(a)、図12(a)及び図13(a)の左下部分の領域では上記閾値を超える数値が出現していて、この部分は平滑化処理を行わない。実際の施工においては、この平滑化処理を実施したデータに、規定層厚を加算する。この規定層厚を加算した結果が図13(b)に示されている。以上の図に示されているように、平滑化処理をすることで、凸凹の多い転圧面がなめらかな表面データとして生成されて次層敷均し基準データに継承され、ブルドーザ3はこのなめらかな面データに基づいて施工ができる。
動作5:重機監視、近接警報
リアルタイムに稼働中の全重機から送られてきた座標とともに閾値を各重機へ返送し、重機側では現在位置と他の重機との距離を計算して、その閾値よりも最も接近した重機の位置や方向を、管理側コンピュータ(サーバ)画面及び重機に搭載されたPC画面に警告表示する。図14は管理側コンピュータ画面における複数の施工ヤードおよびその作業敷地内で稼働する重機の管理画面の表示例を示す図である。
本発明による土木作業の盛土品質管理支援システムによれば、複数の重機の双方向通信によるデータ集中管理により安全管理の高度化と施工の効率化を実現する。また、勾配があり、多くの凸凹があるローラ施工面に次層の新たな土砂を撒き出して敷均しを行う場合、下層の凸凹が上層の整形のための基準データに悪影響を及ぼさないよう平滑化処理を施すことによりなめらかな基準データを生成し、効率の良い敷均し作業が実施でき有用である。
1 施工管理事務所
2 振動ローラ
3 ブルドーザ
4 基地局アクセスポイント
5 固定式アクセスポイント
6 移動式アクセスポイント
7 管理側コンピュータ
8、9 移動体側コンピュータ
10 LAN装置
11、12 ルーター
13 LAN中継アクセス装置
14、19、21、22、25 無線LAN装置
16、23、26 GNSS受信機
17、24、27 小エリア無線装置
18、20 無線LANアクセス装置
30 バス
31 施工管理サーバ
32 プリンタ
33 ディスプレイ
34 通信制御部

Claims (11)

  1. 管理場所に設置された、GNSS信号を受信するGNSS受信装置および管理側データ通信装置と、
    前記管理側データ通信装置に接続された管理側コンピュータと、
    前記管理側コンピュータに接続された施工管理サーバと、
    建設工事用移動作業重機に備え付けられた移動体側GNSS受信装置および移動体側データ通信装置と、
    前記移動体側データ通信装置に接続された移動体側コンピュータと、からなり、
    建設工事エリア内において、前記管理場所に設置された管理側データ通信装置と前記重機に備え付けられた移動体側データ通信装置との間で無線通信がおこなわれるように構成され、
    前記重機間においてデータを送受信する場合は、送信側の重機の移動体側データ通信装置から管理側データ通信装置を介して管理側コンピュータへデータ送信し、管理側コンピュータからのデータを管理側データ通信装置から受信側の重機の移動体側データ通信装置を介して移動体側コンピュータへデータ送信する、
    ことを特徴とする盛土品質管理システム。
  2. 前記管理側コンピュータは、前記移動体側GNSS受信装置から得られた前記重機の位置データ及び該重機による施工状況データを各重機から受け取って前記施工管理サーバに蓄積し、データ集中管理することを特徴とする請求項1記載の盛土品質管理システム。
  3. 重機がブルドーザである場合、当該ブルドーザに備え付けられた移動体側コンピュータは敷均し厚さ計算を実行して自機ブルドーザによる施工状況データを生成する一方、重機が振動ローラである場合、当該振動ローラに備え付けられた移動体側コンピュータは転圧回数カウントを実行して自機振動ローラによる施工状況データを生成することを特徴とする請求項1記載の盛土品質管理システム。
  4. 勾配や凸凹があるローラ施工面に次層の新たな土砂を撒き出して敷均しを行う場合、管理側コンピュータは、振動ローラによる施工状況データに対して平滑化処理を施すことによりなめらかな基準データを生成して、次層の敷均しを行うブルドーザの移動体側コンピュータへ送信することを特徴とする請求項3記載の盛土品質管理システム。
  5. 平滑化処理においては、施工範囲を所定の寸法で格子状(メッシュ状)に管理し、
    データの有効期限と、高さ閾値と、ばらつき度との3種を基に、平滑化するかしないかの閾値を設定し、この閾値の設定に関して、
    前記「有効期限」は、過去何日分まで遡って平滑化処理に含めるのかの指標であり、前記「高さ閾値」は、各メッシュについて標高値と平滑化後標高値とを差分して得られた値のうち所定の値であり、「ばらつき度」は、全メッシュについて前記高さ閾値を超える差分値が出現する割合を検出したものであり、
    標高値のないメッシュを除き、施工範囲内の規定転圧回数に達しているメッシュの実測(現況)標高値で平滑化処理を実行し、平滑化面を生成することを特徴とする請求項3記載の盛土品質管理システム。
  6. ばらつき度が所定の設定値未満の場合には平滑化後標高値を採用し、これに規定層厚を単純加算して得られる標高データ群を、次層のブルドーザ敷均しのための基準データとする一方、
    ばらつき度が前記設定値以上の場合には各メッシュの標高値を採用し、これに規定層厚を単純加算して得られる標高データ群を、次層のブルドーザ敷均しのための基準データとすることを特徴とする請求項5記載の盛土品質管理システム。
  7. 平滑化処理は、範囲確定に該当するメッシュ群のうち、有効期限内のメッシュ標高値(H)とメッシュ中心点(X,Y)を用いて、
    H=a+bX+cY
    ここで、aは切片、b、cは偏回帰係数、
    の回帰平面方程式を解くことで行われ、
    前記回帰平面方程式の解動作に当たって、
    (X,Y,H)の分散(Sx2、Sy2,Sh2)・共分散(Sxy、Shy,Sxh)を求め、また、
    Sx2b+Sxhc=Sxy
    Sxyb+Sh2c=Shy
    の連立方程式を解いてb、cを求め、
    前記求めたb、cを回帰平面方程式に代入してaを求め、
    係数が決まったら、管理メッシュサイズ毎に前記回帰平面方程式にメッシュ中心(X,Y)を代入して平滑面の高さを求める、
    ことによって実行されることを特徴とする請求項5記載の盛土品質管理システム。
  8. 重機による作業完了により施工完了範囲が確定すると、当該重機に備え付けられた移動体側コンピュータは、自機の現在位置から一定距離四方の範囲のうち、当日施工完了したデータをサーバに自動的に送信することを特徴とする請求項1記載の盛土品質管理システム。
  9. 重機が作業を開始するに当たっては、当該重機の位置を中心とした一定距離範囲内のデータを管理場所に設置された施工管理サーバからデータを受信し、また、当該重機が施工を開始するとき、当該重機から一定距離四方にいる他の重機へ現在の位置と施工状況を確認するために「データ要求」を管理側コンピュータへ送信し、管理側コンピュータ及び施工管理サーバにより当該重機から一定距離以内にいる全重機を判定し、該当する重機にデータ要求コマンドを送信することを特徴とする請求項1記載の盛土品質管理システム。
  10. データ要求を受けた重機は現時点の位置と施工状況データをサーバへ送信し、サーバでは全重機から受け取ったデータをマージ処理して、最新の施工データ(施工完了範囲と未施工範囲)を生成したのちに、データ要求元の重機へ送信することを特徴とする請求項5記載の盛土品質管理システム。
  11. 各重機に備えられた移動体側コンピュータは、日々の最新の施工状態をファイル化して記憶部に保存することを特徴とする請求項1記載の盛土品質管理システム。
JP2013064432A 2013-03-26 2013-03-26 重機間データ連携機能による盛土品質管理システム Active JP6341629B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013064432A JP6341629B2 (ja) 2013-03-26 2013-03-26 重機間データ連携機能による盛土品質管理システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013064432A JP6341629B2 (ja) 2013-03-26 2013-03-26 重機間データ連携機能による盛土品質管理システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014189975A true JP2014189975A (ja) 2014-10-06
JP6341629B2 JP6341629B2 (ja) 2018-06-13

Family

ID=51836525

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013064432A Active JP6341629B2 (ja) 2013-03-26 2013-03-26 重機間データ連携機能による盛土品質管理システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6341629B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016170757A (ja) * 2015-03-16 2016-09-23 古野電気株式会社 観測データ送信装置、観測システム、および、観測データ送信方法
JP2019131995A (ja) * 2018-01-30 2019-08-08 株式会社小松製作所 作業車両の制御システム、方法、及び作業車両

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002363963A (ja) * 2001-06-08 2002-12-18 Taisei Corp 地盤の締固め管理システム
JP2003261928A (ja) * 2002-03-08 2003-09-19 Ohbayashi Corp 土工事における施工データ管理システム
JP2008011343A (ja) * 2006-06-30 2008-01-17 Oki Electric Ind Co Ltd 車々間通信システム及び車々間通信方法
JP2008014018A (ja) * 2006-07-06 2008-01-24 Shimizu Corp Gps盛土施工管理システム及びgps盛土施工管理方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002363963A (ja) * 2001-06-08 2002-12-18 Taisei Corp 地盤の締固め管理システム
JP2003261928A (ja) * 2002-03-08 2003-09-19 Ohbayashi Corp 土工事における施工データ管理システム
JP2008011343A (ja) * 2006-06-30 2008-01-17 Oki Electric Ind Co Ltd 車々間通信システム及び車々間通信方法
JP2008014018A (ja) * 2006-07-06 2008-01-24 Shimizu Corp Gps盛土施工管理システム及びgps盛土施工管理方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016170757A (ja) * 2015-03-16 2016-09-23 古野電気株式会社 観測データ送信装置、観測システム、および、観測データ送信方法
JP2019131995A (ja) * 2018-01-30 2019-08-08 株式会社小松製作所 作業車両の制御システム、方法、及び作業車両
WO2019150974A1 (ja) * 2018-01-30 2019-08-08 株式会社小松製作所 作業車両の制御システム、方法、及び作業車両
AU2019213867B2 (en) * 2018-01-30 2021-06-24 Komatsu Ltd. Control system for work vehicle, method, and work vehicle
JP7009236B2 (ja) 2018-01-30 2022-01-25 株式会社小松製作所 作業車両の制御システム、方法、及び作業車両
US11459734B2 (en) 2018-01-30 2022-10-04 Komatsu Ltd. Control system for work vehicle, method, and work vehicle

Also Published As

Publication number Publication date
JP6341629B2 (ja) 2018-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7040304B2 (ja) 施工管理システム
CN106958460A (zh) 一种适用于隧道与地下工程监控量测信息的智慧感知系统及方法
CN109958034A (zh) 用于压实工地表面的系统和方法
US20210148086A1 (en) Filling earth into a vehicle using a cooperative fleet of vehicles
US11385646B2 (en) Loading earth into a vehicle using a cooperative fleet of vehicles
JP2003239287A (ja) 造成工事における重機の施工ナビゲーションシステム
KR20090015354A (ko) 굴삭기용 굴삭시스템 및 이에 의한 굴삭기의 굴삭방법
JP6341629B2 (ja) 重機間データ連携機能による盛土品質管理システム
JP7168974B2 (ja) 施工支援システム
JP4048799B2 (ja) 土工事における施工データ管理システム
CN205353747U (zh) 用于多台压路机协同作业的系统
JP5878664B1 (ja) 地盤測量装置、地盤測量システム、地盤測量プログラムおよび地盤測量方法
JP4340978B2 (ja) Gps盛土施工管理方法
DE102021109863A1 (de) Verfahren und system zur steuerung des einbaubetriebs
JP2005030073A (ja) 締固め品質管理方法
JP3927458B2 (ja) 締め固め領域の管理方法
JP6309715B2 (ja) 盛立工事における土量自動算定システム
JP7164142B2 (ja) 演算装置、施工方法、およびコンピュータプログラム
KR101243885B1 (ko) 모바일 단말기를 이용한 실시간 터널 굴착 관리시스템
EP4317587A1 (en) Asphalt finisher and road surface paving system
CN112648974B (zh) 一种基于航摄三维影像数据的工程量测算方法
JP2002364024A (ja) 土工事における施工管理支援システム
JP3956104B2 (ja) 土工事における締固め管理システム
JP2022068018A (ja) 転圧管理システム
JP6968923B2 (ja) 盛土構築物の形状を高精度で特定するシステム及び盛土構築物を高精度で構築する方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160229

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170123

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170307

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170501

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171031

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180424

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180515

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6341629

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250