JP2024062809A - 建設機械の作業管理システム及び作業管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動運転可能な建設機械が用いられる作業領域における施工効率を向上させる。【解決手段】建設機械の作業管理システム100は、自動運転により建設機械2が作業を行う自動運転作業エリアを作業領域内に設定する作業エリア設定部11Aと、建設機械2が作業を完了した作業完了範囲を記録し、自動運転作業エリアと作業完了範囲とに基づいて作業が完了していない作業未完了範囲を抽出する作業記録部11Fと、作業未完了範囲の作業が完了する完了予定時刻を算出して更新する完了時刻演算部11Gと、を備える。【選択図】図1
Description
特許法第30条第2項適用申請有り プレスリリース配布日:令和3年10月26日、配布場所:国土交通記者会(千代田区霞が関2-1-3国土交通省5F)、 ウェブサイト掲載日:令和3年10月26日、ウェブサイトのアドレス:https://www.kajima.co.jp/news/press/202110/26c1-j.htm、 記者会見日:令和3年10月26日、会見場所:鹿島建設株式会社本社会議室(東京都港区元赤坂一丁目3番1号)、 プレスリリース配布日:令和4年9月8日、配布場所:国土交通記者会(千代田区霞が関2-1-3国土交通省5F)、 ウェブサイト掲載日:令和4年9月8日、ウェブサイトのアドレス:https://www.kajima.co.jp/news/press/202209/8c1-j.htm、 記者会見日:令和4年9月8日、会見場所:鹿島建設株式会社本社会議室(東京都港区元赤坂一丁目3番1号)
本発明は、建設機械の作業管理システム及び作業管理方法に関する。
特許文献1には、オペレータによる操作を必要としない自動運転が可能な建設機械が開示されている。
近年、施工効率を向上させるために、特許文献1に記載されるような自動(自律)運転可能な建設機械の導入が進められている。自動運転される建設機械による作業によってすべての施工を完了させることが望ましいが、例えば、精緻な作業や仕上げ工程では、オペレータが手動操作する建設機械による作業が必要となる。
オペレータによる建設機械の操作は、自動運転される建設機械による作業の進捗に合わせて行われるが、自動運転される建設機械による作業が計画通りに進行するとは限らない。何らかの要因で自動運転される建設機械による作業に遅れが生じると、オペレータの待機時間が長くなるとともに、待機中は他の建設機械を操作することもできないことから、結果として作業領域における施工効率が低下するおそれがある。
本発明は、自動運転可能な建設機械が用いられる作業領域における施工効率を向上させることを目的とする。
本発明は、作業領域に配備された自動運転可能な建設機械による作業を管理する建設機械の作業管理システムであって、自動運転により建設機械が作業を行う自動運転作業エリアを作業領域内に設定する作業エリア設定部と、建設機械が作業を完了した作業完了範囲を記録し、自動運転作業エリアと作業完了範囲とに基づいて作業が完了していない作業未完了範囲を抽出する作業記録部と、作業未完了範囲の作業が完了する完了予定時刻を算出して更新する完了時刻演算部と、を備える。
また、本発明は、複数の作業領域にそれぞれ配備された自動運転可能な建設機械による作業を一括して管理する建設機械の作業管理システムであって、自動運転により建設機械が作業を行う自動運転作業エリアを複数の作業領域内にそれぞれ設定する作業エリア設定部と、建設機械が作業を完了した作業完了範囲を作業領域毎に記録し、自動運転作業エリアと作業完了範囲とに基づいて作業が完了していない作業未完了範囲を作業領域毎に抽出する作業記録部と、作業領域毎に、作業未完了範囲の作業が完了する完了予定時刻を算出して更新する完了時刻演算部と、を備える。
また、本発明は、作業領域に配備された複数の自動運転可能な建設機械による作業を管理する建設機械の作業管理システムであって、自動運転により複数の建設機械が作業を行う自動運転作業エリアを作業領域内に設定する作業エリア設定部と、自動運転作業エリアにおいて作業を行う複数の建設機械を選定する選定部と、選定部により選定された建設機械が作業を行う担当範囲を建設機械毎に設定する作業計画部と、建設機械が作業を完了した作業完了範囲を建設機械毎に記録し、担当範囲と作業完了範囲とに基づいて作業が完了していない作業未完了範囲を建設機械毎に抽出する作業記録部と、を備え、選定部により選定された建設機械に変更があった場合、作業計画部は、自動運転作業エリア内の作業未完了範囲と選定部により選定された変更後の建設機械とに基づいて、建設機械が作業を行う担当範囲を建設機械毎に再設定する。
また、本発明は、作業領域に配備された複数の自動運転可能な建設機械による作業を管理する建設機械の作業管理システムであって、自動運転により複数の建設機械が作業を行う自動運転作業エリアを作業領域内に設定する作業エリア設定部と、自動運転作業エリアにおいて作業を行う複数の建設機械を選定する選定部と、選定部により選定された建設機械が作業を行う担当範囲を建設機械毎に設定し、担当範囲内で行われる作業内容を計画する作業計画部と、を備え、作業計画部は、担当範囲内で行われる作業の進捗に応じて、担当範囲及び作業内容の少なくとも一方を変更する。
また、本発明は、作業領域に配備された自動運転可能な建設機械による作業を管理する作業管理システムによる建設機械の作業管理方法であって、自動運転により建設機械が作業を行う自動運転作業エリアを作業領域内に設定する作業エリア設定工程と、建設機械が作業を完了した作業完了範囲を記録し、自動運転作業エリアと作業完了範囲とに基づいて作業が完了していない作業未完了範囲を抽出する作業記録工程と、作業未完了範囲の作業が完了する完了予定時刻を算出して更新する完了時刻演算工程と、を含む。
また、本発明は、複数の作業領域にそれぞれ配備された自動運転可能な建設機械による作業を一括して管理する作業管理システムによる建設機械の作業管理方法であって、自動運転により建設機械が作業を行う自動運転作業エリアを複数の作業領域内にそれぞれ設定する作業エリア設定工程と、建設機械が作業を完了した作業完了範囲を作業領域毎に記録し、自動運転作業エリアと作業完了範囲とに基づいて作業が完了していない作業未完了範囲を作業領域毎に抽出する作業記録工程と、作業領域毎に、作業未完了範囲の作業が完了する完了予定時刻を算出して更新する完了時刻演算工程と、を含む。
また、本発明は、作業領域に配備された複数の自動運転可能な建設機械による作業を管理する作業管理システムによる建設機械の作業管理方法であって、自動運転により複数の建設機械が作業を行う自動運転作業エリアを作業領域内に設定する作業エリア設定工程と、自動運転作業エリアにおいて作業を行う複数の建設機械を選定する選定工程と、選定工程において選定された建設機械が作業を行う担当範囲を建設機械毎に設定する作業計画工程と、建設機械が作業を完了した作業完了範囲を建設機械毎に記録し、担当範囲と作業完了範囲とに基づいて作業が完了していない作業未完了範囲を建設機械毎に抽出する作業記録工程と、を含み、選定工程において選定された建設機械に変更があった場合、作業計画工程において、自動運転作業エリア内の作業未完了範囲と選定部により選定された変更後の建設機械とに基づいて、建設機械が作業を行う担当範囲を建設機械毎に再設定する。
また、本発明は、作業領域に配備された複数の自動運転可能な建設機械による作業を管理する作業管理システムによる建設機械の作業管理方法であって、自動運転により複数の建設機械が作業を行う自動運転作業エリアを作業領域内に設定する作業エリア設定工程と、自動運転作業エリアにおいて作業を行う複数の建設機械を選定する選定工程と、選定工程において選定された建設機械が作業を行う担当範囲を建設機械毎に設定し、担当範囲内で行われる作業内容を計画する作業計画工程と、を含み、作業計画工程では、担当範囲内行われる作業の進捗に応じて、担当範囲及び作業内容の少なくとも一方が変更される。
本発明によれば、自動運転可能な建設機械が用いられる作業領域における施工効率を向上させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る作業管理システム及び作業管理方法について説明する。
まず、図1~3を参照して、本発明の実施形態に係る作業管理システム100について説明する。
作業管理システム100は、図1に示すように、複数の作業現場1A,1B,1Cに配備された自動運転及び手動運転可能な複数の建設機械2による作業を一括して管理するために構築されたシステムである。作業管理システム100により管理される複数の作業現場1A,1B,1Cは、例えば、互いに数百km以上離れた場所に設定された土木作業領域である。なお、複数の作業現場1A,1B,1Cは、1つの土木工事現場内に設定された複数の作業領域であってもよい。
また、作業現場1A,1B,1Cは、国内の土木作業現場に限らず、海外の土木作業現場であってもよいし、月面といった地球外の土木作業現場であってもよい。また、管理される作業現場1A,1B,1Cの数は、2か所以上であれば、何か所であってもよい。
作業管理システム100は、各作業現場1A,1B,1C(作業領域)にそれぞれ設置される現場管理部30と、各作業現場1A,1B,1Cに配備された複数の建設機械2の作業状況を、現場管理部30を介して管理する作業管理部10と、を備える。作業管理部10と各現場管理部30とは、公衆回線等の通信ネットワーク50を介して互いに接続される。なお、以下では、作業管理システム100が、CSG(Cemented Sand and Gravel)等の盛土材を盛って台形ダム等の堤体を構築する土木作業に携わる建設機械2の作業を管理する場合について説明する。
作業管理部10は、制御部11としてのCPU(Central Processing Unit)や、記憶部15としてのROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)、入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータと、通信ネットワーク50を介して各現場管理部30とデータのやり取りを行う通信部12と、制御部11で演算された結果や各作業現場1A,1B,1Cの作業状況をリアルタイムで表示可能な表示部13と、作業を管理するオペレータの入力操作を受け付ける入力部14と、で主に構成される。記憶部15には、制御部11で実行されるプログラムやプログラムの実行に必要なデータが予め記憶されるとともに、制御部11において演算された結果が順次記憶される。なお、制御部11により行われる具体的な制御については、後述する。
作業管理部10は、各作業現場1A,1B,1Cに配備された複数の建設機械2の作業を一括して管理するために、各作業現場1A,1B,1Cからは離れた場所に設置される。なお、作業管理部10は、何れかの作業現場1A,1B,1Cに設置されてもよい。
次に、図2を参酌し、各作業現場1A,1B,1Cに設置される現場管理部30及び各作業現場1A,1B,1Cに配備される建設機械2について説明する。なお、図2には、複数の作業現場1A,1B,1Cのうちの1つの作業現場1Aにおける概略構成が示されている。
現場管理部30は、作業管理部10と同様に、制御部31としてのCPU(Central Processing Unit)や、記憶部35としてのROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)、入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータと、通信ネットワーク50を介して作業管理部10とデータのやり取りを行う通信部32と、作業管理部10の制御部11で演算された結果や作業現場1A内の状況、各建設機械2の状態をリアルタイムで表示可能な表示部33と、作業を管理するオペレータの入力操作を受け付ける入力部34と、で主に構成される。
また、現場管理部30は、各建設機械2とデータのやり取りを行う送受信部36と、作業現場1A内を撮像する撮像部37と、をさらに備える。送受信部36は、LTE(Long Term Evolution)や5G、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信手段であり、撮像部37は、作業現場1A内の複数個所に設置されたカメラである。なお、他の作業現場1B,1Cに設置された現場管理部30も同様の構成となっている。
作業現場1Aに配備された建設機械2は、全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を構成するGPS衛星等からの信号を受信可能な位置取得部42と、加速度、角速度及び地磁気を検知可能な状態検知部43と、周囲の障害物等を検知可能な周囲検知部44と、現場管理部30とデータのやり取りを行う送受信部45と、これら各部で取得された情報に基づいて建設機械2の作動を制御する制御部41と、を汎用の建設機械に搭載することによって、自動(自律)運転することが可能な構成となっている。
位置取得部42は、複数の測位衛星からの信号に基づいて建設機械2の位置(緯度,経度,高度)を検出可能な測位センサであり、状態検知部43は、建設機械2の状態を検知可能な加速度センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ及び地磁気センサがユニット化された、いわゆる、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)であり、また、状態検知部43は、建設機械2の状態である稼働状況を検知するエンジン稼動検知センサ、建設機械2のバッテリや電装品の電圧・電流を検知する電圧計・電流計等である。周囲検知部44は、光を照射し物体で反射された反射光を計測することで周囲の空間を認識可能なレーザスキャナ等の三次元測域センサ、いわゆる、3D-LiDAR(light detection and ranging)センサや電波を使って計測対象物までの距離を計測可能なレーダセンサ(RADAR:Radio Detection and Ranging)であり、送受信部45は、現場管理部30の送受信部36と同様の無線通信手段である。
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)を主体として構成され、建設機械2に予め設置されている既存制御部48に接続されることにより、周囲検知部44により検知された結果から盛土材等の被作業物の状態や形状を検出するとともに周囲の安全性を確認する一方、位置取得部42や状態検知部43により検知された結果から自己位置や姿勢を確認することによって、指示された作業を自律して行うように建設機械2の操舵等を制御する。なお、建設機械2の自動(自律)運転は、予め定められた順番や判断に基づいて制御するシーケンス制御によって行われてもよいし、周囲検知部44によって計測された盛土材等の被作業物の形状や量に基づいて制御するフィードバック制御によって行われてもよいし、これらの制御を組み合わせることで行われてもよい。
ここで、既存制御部48は、操舵等を手動で行うために建設機械2に予め設置されたハンドルやレバー等の既存操作部49がオペレータによって操作されることに応じて建設機械2の操舵やエンジン出力等を制御するものである。つまり、既存操作部49を操作した際に生じる信号と同等の信号を制御部41において生成し、生成された擬似信号を既存制御部48へと送信することにより、あたかもオペレータが操作しているかのうように建設機械2を動かすことが可能である。
なお、建設機械2には、既存操作部49が設置されたままとなっているため、オペレータが搭乗することにより建設機械2を手動で操作することが可能である。
また、建設機械2には、離れた場所からオペレータが建設機械2を操縦できるようにするために、運転室から見える作業現場1Aの状況を撮像可能な撮像部46や建設機械2の作業音等を拾う図示しない集音装置がさらに設けられる。撮像部46は、例えば、建設機械2の全周囲の状況を撮像可能なステレオカメラであり、後述の遠隔操縦部20で操作を行うオペレータの頭の向きや動きに応じて撮像方向が変化するものであることが好ましい。
このように建設機械2は、自動(自律)運転可能であるとともに、オペレータが搭乗した状態での手動運転や、遠隔地でオペレータが操作することによる手動運転が可能な構成となっている。つまり、以下で説明される建設機械2の手動運転には、オペレータが建設機械2に搭乗して建設機械2の操縦を行う場合と、建設機械2には搭乗せず後述の遠隔操縦部20から遠隔操作によってオペレータが建設機械2の操縦を行う場合とが含まれる。
自動運転及び手動運転可能に構成された建設機械2としては、例えば、ブルドーザやダンプトラック、振動ローラ、バックホウであり、作業現場1Aに配備されたこれら異なる種類の建設機械2による作業は、現場管理部30によって管理されるとともに、現場管理部30を介して作業管理部10により管理される。なお、建設機械2の種類によって既存操作部49の構成は異なるが、自動運転や遠隔操作を可能とするために必要な構成はほぼ同じである。
作業管理システム100は、各作業現場1A,1B,1Cに配備された建設機械2を各作業現場1A,1B,1Cから離れた場所から遠隔で操縦するための遠隔操縦部20をさらに備える。
遠隔操縦部20は、図1に示されるように、遠隔制御部21としてのCPU(Central Processing Unit)を備えたマイクロコンピュータと、遠隔制御部21に接続される複数の遠隔操縦装置24と、遠隔操縦が行われるスケジュールや遠隔操縦される建設機械2の作業状況をリアルタイムで表示可能な表示部22と、で主に構成される。遠隔操縦部20は、作業管理部10の制御部11に直接接続されていてもよいし、通信ネットワーク50を介して作業管理部10と接続されていてもよい。また、遠隔操縦部20は、作業管理部10と同じ場所に設置されてもよいし、作業管理部10から離れた場所や何れかの作業現場1A,1B,1Cに設置されてもよい。
遠隔操縦装置24は、建設機械2の操縦を行うためのハンドルやレバー等の操作部27や、建設機械2に設けられた撮像部46が撮像した映像や作業内容が表示される表示部26、建設機械2の周囲の音を出すための図示しないスピーカ等が設けられ、これらの作動はCPU(Central Processing Unit)を主体として構成された制御部25によって制御される。表示部26は、例えば、オペレータが装着するヘッドマウントディスプレイであってもよい。
続いて、このように構成された作業管理システム100において、作業管理部10の制御部11が実行する制御について、図3を参酌して説明する。
制御部11は、図3に示すように、各作業現場1A,1B,1C(作業領域)のCIM(Construction Information Modeling)データ等の3次元データに基づいて、自動運転により建設機械2が作業を行う自動運転作業エリアを各作業現場1A,1B,1C内に設定する作業エリア設定部11Aと、自動運転作業エリアにおいて作業を行う複数の建設機械2を選定する選定部11Bと、作業エリア設定部11Aにより設定された自動運転作業エリア内において選定部11Bにより選定された各建設機械2が作業を行う担当範囲を設定するとともに、担当範囲内で行われる作業内容を各建設機械2の諸元等に基づいて計画する作業計画部11Cと、作業計画部11Cにより計画された作業を行う順序や時刻をガントチャート等の工程表として生成するスケジュール生成部11Dと、スケジュール生成部11Dで生成された工程表を表示部13や各現場管理部30の表示部33、遠隔操縦部20の表示部22に表示する告知部11Eと、各建設機械2が作業を完了した作業完了範囲を記録し、各建設機械2に割り当てられた担当範囲と作業完了範囲とに基づいて作業が完了していない作業未完了範囲を抽出する作業記録部11Fと、作業未完了範囲の作業が完了する完了予定時刻を算出して更新する完了時刻演算部11Gと、を有する。
作業エリア設定部11Aにおいて用いられるCIMデータ等の3次元データは、予め記憶部15や各現場管理部30の記憶部35に保存されている。なお、作業エリア設定部11Aにおいて用いられるデータは、入力部14を介してオペレータにより入力されてもよい。
作業エリア設定部11Aは、各作業現場1A,1B,1C内の作業エリアのうち、作業を行うことが比較的容易な場所を自動運転作業エリアとして設定する一方、障害物などが多く作業を円滑に行うことが比較的困難な場所については手動運転により建設機械2が作業を行う手動運転作業エリアとして設定する。なお、手動運転作業エリアは設定されなくともよい。
選定部11Bは、各作業現場1A,1B,1Cに配備された建設機械2の中から作業可能な状態にある建設機械2を、自動運転作業エリアにおいて行われる予定の作業に応じて選定する。建設機械2が作業可能な状態にあるか否か、すなわち、建設機械2が点検中や修理中であるか否かについては、現場管理部30の入力部34を介してオペレータにより随時入力される。このように点検中や修理中の建設機械2については選定対象から除外され、作業を行うことが可能な状態にある建設機械2のみが選定対象とされる。
なお、各建設機械2は、元々、図示しない作動油圧力センサや作動油温度センサに基づいて作業機械を作動させるアクチュエータ等の異常を検知する異常検知機能を有していることから、各建設機械2から送信される異常の有無に基づいて建設機械2が作業可能な状態にあるか否かを随時判定し、異常が検知された建設機械2を作業から除外するようにしてもよい。
選定部11Bによる建設機械2の選定は、作業現場1A,1B,1C(作業領域)毎に行われる。
作業計画部11Cにおいて用いられる各建設機械2の諸元は、予め現場管理部30の入力部34を介してオペレータにより入力される。例えば、建設機械2がブルドーザである場合にはブレード幅等が、ダンプトラックである場合には最大積載量や走行速度が、振動ローラである場合にはローラ幅等が諸元として入力される。
作業計画部11Cは、例えば、作業エリア設定部11Aにより設定された自動運転作業エリアを、選定部11Bにより選定された複数の建設機械2に自動運転作業エリア内での作業量を所定の割合で分担(例えば、等分)することにより各建設機械2が作業を行う担当範囲を設定する。なお、担当範囲の大きさは、建設機械2の諸元に応じて設定するようにしてもよく、例えば、建設機械2がブルドーザである場合にはブレード幅の大きさに応じて、建設機械2が振動ローラである場合にはローラ幅の大きさに応じて、担当範囲の大きさを変えてもよい。
また、作業計画部11Cは、担当範囲内において建設機械2が自動運転により作業を行う自動運転作業内容、具体的には、作業を開始する位置や作業を終了する位置、開始位置から終了位置に至るまでの経路等が含まれる作業内容を建設機械2毎に計画する。これら作業内容はデータ化されて、現場管理部30を介して作業を担当する建設機械2へと送信される。自動運転作業内容は、例えば、盛土材等の被作業物に対する作業の内容であって、作業が行われる作業範囲と作業範囲内における目標値(目標形状、目標仕様)であり、後述のように各建設機械2が行う作業に応じてそれぞれ設定される。作業範囲と作業範囲内における目標値が設定されることにより、建設機械2は目標値を達成するように作業範囲内において自動運転により作業を行う。
また、作業計画部11Cにおいて計画される作業内容には、作業エリア内において建設機械2が手動運転により作業を行う手動運転作業内容も含まれる。作業計画部11Cにおいて計画された作業内容は、オペレータが建設機械2に搭乗する場合、現場管理部30を介して建設機械2に装備された端末やオペレータが所持するタブレット端末等に送信され、オペレータが遠隔操縦部20において建設機械2を遠隔操作する場合、遠隔操縦装置24に送信される。
スケジュール生成部11Dは、後述のように、各作業現場1A,1B,1Cの各作業エリア内において各建設機械2が作業を行う順序や時刻を工程表として生成する。また、スケジュール生成部11Dは、手動運転で作業を行う建設機械2の作業時間(時刻)が各作業現場1A,1B,1C間において出来るだけ重なり合わないように工程表を生成する。これにより、遠隔操縦部20において建設機械2を遠隔操作するオペレータは、複数の作業現場1A,1B,1Cに配備された建設機械2を順次操作することが可能となり、結果として、必要なオペレータの人数を減らすことができる。
作業記録部11Fは、建設機械2の位置取得部42で取得された位置情報から求められる建設機械2の移動軌跡や建設機械2の諸元、例えば、建設機械2がブルドーザである場合にはブレードの幅の大きさ、建設機械2の作業部の作動状態、例えば、建設機械2がブルドーザである場合にはブレードの高さが所定の敷き均し高さとなっている状態、に基づいて、作業が行われた範囲である作業完了範囲を推定し、記録する。
また、作業記録部11Fは、建設機械2が担当する担当範囲の面積から記録された作業完了範囲の面積を差し引くことにより、作業未完了範囲の大きさを抽出し、記録する。
作業記録部11Fによる作業完了範囲の記録や作業未完了範囲の抽出は、各作業現場1A,1B,1Cにおいて選定部11Bによって選定された建設機械2毎に行われる。なお、選定部11Bによって選定された建設機械2が1台である場合、建設機械2が担当する担当範囲は、自動運転作業エリア全体となることから、この場合の作業未完了範囲の大きさは、自動運転作業エリアの面積から作業完了範囲の面積を差し引くことによって求められる。
このように作業記録部11Fで記録された作業完了範囲や作業未完了範囲は、作業計画部11Cに送られ、作業計画部11Cでは、作業完了範囲や作業未完了範囲に基づいて建設機械2の作業の進捗状況が判定され、必要に応じて作業計画の変更が行われる。
具体的には、作業未完了範囲が他の建設機械2よりも大きい建設機械2に対しては、担当範囲を小さくする一方、他の建設機械2の担当範囲を大きくするといった変更が行われる。これにより、作業進捗の不均衡が改善され、結果として全体の施工効率を向上させることができる。
また、作業記録部11Fで記録された作業完了範囲や作業未完了範囲は、完了時刻演算部11Gに送られ、建設機械2の作業が完了する時刻の予測に用いられる。完了時刻演算部11Gでは、作業完了範囲を作業した際の作業速度と同じ作業速度で作業未完了範囲の作業を建設機械2が行った場合に要する時間を算出し、作業が完了する時刻を予測する。
完了時刻演算部11Gによる作業完了時刻の予測は、各作業現場1A,1B,1Cにおいて選定部11Bによって選定された建設機械2毎、建設機械2に割り当てられた担当範囲毎に行われる。すなわち、作業完了時刻の予測は、作業エリア設定部11Aにより設定された自動運転作業エリアに対して行われる。
なお、完了時刻演算部11Gで演算された完了予定時刻や作業完了までに要する時間は、作業記録部11Fで記録された作業完了範囲や作業未完了範囲と同様に、作業計画部11Cに送られ、作業計画部11Cにおいて各建設機械2の作業の進捗状況を把握及び判定するために用いられる。
また、完了時刻演算部11Gで演算された完了予定時刻や作業完了までに要する時間は、告知部11Eを介して、スケジュール生成部11Dで生成された工程表と同様に、表示部13や各現場管理部30の表示部33、遠隔操縦部20の表示部22に表示される。これにより、作業を管理するオペレータは、各作業現場1A,1B,1Cにおける作業の進捗状況を容易に把握することができる。また、遠隔操縦部20の表示部22を見ることによって、建設機械2を遠隔操縦するオペレータは、次に遠隔操作を開始するまでの時間や次に遠隔操作を行う建設機械2を容易に把握することができる。
なお、これら作業エリア設定部11A等は、制御部11の各機能を、仮想的なユニットとして示したものであり、物理的に存在することを意味するものではない。また、上記機能は、制御部11が実行する制御の一部であり、制御部11では、これら以外の機能に関連する制御も随時実行される。
次に、図4~10を参酌し、上記構成の作業管理システム100により行われる建設機械2の作業管理方法について、具体的に説明する。以下では、図4Aに示すように、自動運転のダンプトラック2B(運搬機械)によって運搬された盛土材を自動運転のブルドーザ2A(敷均し機械)によって敷き均した後、図4Bに示すように、手動運転のブルドーザ2C(敷均し機械)によってさらに敷き均した後、図4Cに示すように、自動運転または手動運転のバックホウ2D(端部整形機械)によって法面の端部整形を行った後、図4Dに示すように、自動運転の振動ローラ2E(転圧機械)による表面の転圧と手動運転の振動ローラ2F(転圧機械)による表面の転圧とにより締め固め、これらの工程を繰り返すことで複数の層を形成し、堤体を構築する土木工事を例にして説明する。
本実施形態において、被作業物は土砂やセメント混合物といったいわゆる盛土材である。ダンプトラック2Bによって運搬され荷卸しされた盛土材はブルドーザ2Aによって、予め設定された目標厚さ(目標形状)、例えば、25cmとなるように、すなわち、高さが25cm高くなるように敷き均しされる。その後、バックホウ2Dによって、目標形状である所定の形状に端部整形される。その後、振動ローラ2Eによって、目標仕様である所定の回数(例えば6回)にわたって転圧される。
したがって、作業計画部11Cにおいて計画される作業内容としては、ブルドーザ2Aの場合は、所定の範囲内において盛土材を目標形状(敷き均し厚さ25cm)に敷き均すことであり、バックホウ2Dの場合は、盛土材が敷き均しされた所定の範囲の端部を目標形状(所定の角度(例えば45度))で整形することであり、振動ローラ2Eの場合は、所定の範囲に敷き均しされて端部が整形された盛土材の表面を往復移動することによって目標仕様(所定の回数(例えば6回))転圧することである。
図5には、各建設機械2(ブルドーザ2A,ダンプトラック2B,ブルドーザ2C,バックホウ2D,振動ローラ2E,振動ローラ2F)によって所定の土木作業が順次行われる3つの作業エリアA,B,Cが示されている。各作業エリアA,B,C内において、各建設機械2(ブルドーザ2A,ダンプトラック2B,ブルドーザ2C,バックホウ2D,振動ローラ2E,振動ローラ2F)が行う作業の順序や時間(時刻)は、図6の工程表に示される。なお、工程表は、上述のスケジュール生成部11Dによって予め生成される。
図5及び図6に示されるように、第1作業エリアAにおいてダンプトラック2Bから荷卸しされた盛土材を敷き均す作業が完了すると、自動運転のブルドーザ2Aは、第2作業エリアBへと移動し、第2作業エリアBにおいて敷き均し作業を開始する。ブルドーザ2Aによる敷き均し作業が完了した第1作業エリアAには、手動運転のブルドーザ2Cが進入し、自動運転のブルドーザ2Aにより十分に敷き均されなかった箇所等の敷き均し作業を開始する。
第2作業エリアBにおける敷き均し作業が完了すると、自動運転のブルドーザ2Aは、第3作業エリアCへと移動し、第3作業エリアCにおいて敷き均し作業を開始する。ブルドーザ2Aによる敷き均し作業が完了した第2作業エリアBには、第1作業エリアAでの作業が完了した手動運転のブルドーザ2Cが進入し、十分に敷き均されなかった箇所等の敷き均し作業を開始する。また、手動運転のブルドーザ2Cによる敷き均しが完了した第1作業エリアAには、自動運転または手動運転のバックホウ2Dが進入し、法面の端部整形を開始する。
第3作業エリアCにおける敷き均し作業が完了すると、自動運転のブルドーザ2Aは、次の作業エリアまたは駐機場へと移動する。ブルドーザ2Aによる敷き均し作業が完了した第3作業エリアCには、第2作業エリアBでの作業が完了した手動運転のブルドーザ2Cが進入し、十分に敷き均されなかった箇所等の敷き均し作業を開始する。また、手動運転のブルドーザ2Cによる敷き均しが完了した第2作業エリアBには、第1作業エリアAでの作業が完了した自動運転または手動運転のバックホウ2Dが進入して法面の端部整形を開始し、自動運転または手動運転のバックホウ2Dによる端部整形が完了した第1作業エリアAには、自動運転の振動ローラ2Eが進入し転圧を開始する。
第3作業エリアCにおける敷き均し作業が完了すると、手動運転のブルドーザ2Cは、次の作業エリアまたは駐機場へと移動する。ブルドーザ2Cによる敷き均し作業が完了した第3作業エリアCには、第2作業エリアBでの作業が完了した自動運転または手動運転のバックホウ2Dが進入し、法面の端部整形を開始する。また、自動運転または手動運転のバックホウ2Dによる端部整形が完了した第2作業エリアBには、第1作業エリアAでの作業が完了した自動運転の振動ローラ2Eが進入して転圧を開始し、自動運転の振動ローラ2Eによる転圧が完了した第1作業エリアAには、手動運転の振動ローラ2Fが進入し自動運転の振動ローラ2Eにより十分に転圧されなかった箇所等の転圧を開始する。
このように各建設機械2A,2B,2C,2D,2E,2Fが順次作業を行うことによって、3つの作業エリアA,B,Cは、第1作業エリアA,第2作業エリアB,第3作業エリアCの順で堤体の高さが高くなっていく。
なお、図6に示される工程表は、作業現場1A,1B,1C毎に生成されるが、スケジュール生成部11Dは、例えば、図7に示されるように、手動運転で作業を行うブルドーザ2Cの作業予定時間が2つの作業現場1A,1Bにおいて重なり合わないように設定する。これにより、異なる作業現場1A,1Bに配備されたブルドーザ2Cを、一人のオペレータが遠隔操縦部20において、遠隔操縦することが可能となる。なお、図7に示される工程表には、2つの作業現場1A,1Bにおいて行われる全作業予定のうち、自動運転のブルドーザ2Aの作業予定と手動運転のブルドーザ2Cの作業予定とが抜粋して示されている。
ここで、各作業エリアA,B,Cにおける作業の全てを自動運転の建設機械2により行わせることが効率性及び安全性の観点からは好ましいが、例えば、図5に示すように、複数の自動運転のブルドーザ2Aによって敷き均しが行われる場合、各担当範囲A1,A2,A3間の境界付近において作業精度が低下しやすいことから、これらの部分は、上述のように、オペレータが操作する手動運転のブルドーザ2Cによって作業精度を確保する必要がある。
オペレータによる建設機械2の操作は、安全性の観点から、図6や図7に示されるように、自動運転の建設機械2による作業が完了したことが確認されてから行われることになるが、自動運転される建設機械2による作業が計画された工程表通り、すなわち、時間通りに進行するとは限らない。そして、何らかの要因で自動運転される建設機械2による作業に遅れが生じると、オペレータの待機時間が長くなるとともに、待機中は他の建設機械2、例えば、他の作業現場に配備された建設機械2を操作することもできないことから、結果として作業現場1A,1B,1Cにおける施工効率が低下してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、上述のように、自動運転の建設機械2による作業の進捗状況を把握するために、作業記録部11F及び完了時刻演算部11Gを作業管理部10に設け、さらに、自動運転の建設機械2による作業に遅れが生じた場合には、作業管理部10に設けられた作業計画部11Cにより作業計画の変更が行われるようにしている。
続いて、図8に示されるフロー図を参酌して、作業管理部10において実行される制御の流れについて具体的に説明する。以下では、図5に示されるように、作業現場1A内に設定された自動運転作業エリア(第1作業エリアA,第2作業エリアB,第3作業エリアC)を自動運転により3台のブルドーザ2A1,2A2,2A3が敷き均し作業を行う場合を例に説明する。
まず、ステップS10において、作業管理部10は、上述のように制御部11の作業エリア設定部11Aにより、作業現場1A内に自動運転作業エリアとして3つの作業エリアA,B,Cを設定する(作業エリア設定工程)。なお、作業エリアの数は、3つに限定されるものではなく、1つまたは2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
続いて、ステップS11において、作業管理部10は、上述のように制御部11の選定部11Bにより、各作業エリアA,B,Cにおいて敷き均し作業を行うブルドーザ2A1,2A2,2A3と、各作業エリアA,B,Cに盛り土材を運搬するダンプトラック2Bを選定する(選定工程)。なお、選定されるブルドーザ2Aやダンプトラック2Bの台数は、3台に限定されるものではなく、1台または2台であってもよいし、4台以上であってもよい。
このように作業エリアA,B,Cが設定され、建設機械2が選定されると、作業管理部10は、続くステップS12において、制御部11の作業計画部11Cにより、作業エリアA,B,C内において各ブルドーザ2A1,2A2,2A3が自動運転で作業を行う担当範囲を設定するとともに、担当範囲内で行われる作業内容を各ブルドーザ2A1,2A2,2A3の諸元や各ダンプトラック2Bの諸元等に基づいて計画する(作業計画工程)。
各ブルドーザ2A1,2A2,2A3が担当する担当範囲の大きさは、図5に示されるように、選定されたブルドーザ2Aの台数に応じて等分してもよいが、例えば、敷き均し作業の速度に関連するブレードの幅の大きさに応じて担当範囲の大きさを変えることで、各担当範囲A1,A2,A3での作業の完了時刻がほぼ同じ時刻となるようにすることが好ましい。これにより、例えば、第1作業エリアAでの作業がほぼ同時に完了した各ブルドーザ2A1,2A2,2A3は、次の作業エリアである第2作業エリアBにほぼ同時に移動することになるため、次の工程の作業を行う手動運転のブルドーザ2Cに対して、第1作業エリアA全体を明け渡すことが可能となり、結果として、全体の施工効率を向上させることができる。
また、各ダンプトラック2Bが、何れのブルドーザ2A1,2A2,2A3が担当する担当範囲に盛り土材を運搬し、担当範囲内の何れの場所に荷卸しするかについても、各ダンプトラック2Bの積載量等に基づいて作業計画部11Cにより計画される。
このように作業計画部11Cにより計画された内容は、自動運転での作業の開始を指令する開始指令とともに、各ブルドーザ2A1,2A2,2A3及び各ダンプトラック2Bへと送信される。
開始指令信号を受信した各ブルドーザ2A1,2A2,2A3は自動運転による作業を開始し、作業計画部11Cにより計画された内容に従って作業を実行する。具体的には、ダンプトラック2Bの位置やダンプトラック2Bから荷卸しされた盛土材(被作業物)の形状等を周囲検知部44により検知して、盛土材の形状等に応じて自動(自律)運転による敷き均し作業を開始する。
各ブルドーザ2A1,2A2,2A3は、それぞれの担当範囲A1,A2,A3内において、盛土材(被作業物)の敷き均し厚さが設定された目標値(例えば、25cm)となるように、周囲検知部44によって検知された盛土材を予め指示された方向及び範囲へと敷き均す。盛土材の敷き均し厚さは、敷均し前のブルドーザ2Aの高さ(高度)と敷均し後のブルドーザ2Aの高さ(高度)との差分にほぼ等しく、位置取得部42や状態検知部43の検出値に基づいて公知の手法で算出される。
このように作業計画部11Cにより計画された内容にしたがって、各ブルドーザ2A1,2A2,2A3及び各ダンプトラック2Bが自動運転で作業を開始すると、作業管理部10は、続くステップS13において、制御部11の作業記録部11Fにより、各ブルドーザ2A1,2A2,2A3が敷き均し作業を完了した作業完了範囲を記録するとともに、各ブルドーザ2A1,2A2,2A3に割り当てられた担当範囲と作業完了範囲とに基づいて作業が完了していない作業未完了範囲を抽出する(作業記録工程)。
具体的には、図9に示されるように、自動運転のブルドーザ2A1が第1担当範囲A1内において敷き均し作業を完了した作業完了範囲が記録されるとともに、第1担当範囲A1の面積から作業完了範囲の面積を差し引くことによって作業未完了範囲の面積が算出される。ブルドーザ2A1が敷き均し作業を完了した作業完了範囲は、ブレードの高さが所定の敷き均し高さとなっている状態においてブルドーザ2A1が移動した軌跡やブルドーザ2A1のブレードの幅の大きさに基づいて演算される。
各ブルドーザ2A1,2A2,2A3の作業完了範囲の記録と作業未完了範囲の抽出が行われると、続くステップS14において、作業管理部10は、制御部11の完了時刻演算部11Gにより、作業未完了範囲の作業が完了する作業完了予定時刻を算出して更新する(完了時刻演算工程)。
ステップS14において更新されたブルドーザ2A1,2A2,2A3毎の作業完了予定時刻は、続くステップS15において、制御部11の告知部11Eにより、表示部13や各現場管理部30の表示部33、遠隔操縦部20の表示部22に表示される(表示工程)。
各表示部13,22,33には、図10に示されるように、ブルドーザ2A1,2A2,2A3毎の作業完了予定時刻が表示される。なお、図10には、1つの作業現場1Aの第1作業エリアAにおける作業完了予定時刻の表示例が示されているが、各表示部13,22,33には、他の作業エリアB,Cにおける作業完了予定時刻や他の作業現場1B,1Cにおける作業完了予定時刻もこれと同様に表示される。
また、各表示部13,22,33には、図10に示されるように、作業が完了するまでの時間や作業の進捗度合が表示されてもよい。作業の進捗度合は、例えば、作業完了範囲の面積を担当範囲A1,A2,A3の面積で除することによって求められる担当範囲A1,A2,A3の面積に占める作業完了範囲の面積の割合であり、作業記録部11Fまたは完了時刻演算部11Gにおいて算出される。
このように、各表示部13,22,33に作業完了予定時刻や作業の進捗度合が表示されることによって、例えば、遠隔操縦部20の表示部22を見ることにより、オペレータは、次に遠隔操作を開始するまでの時間や次に遠隔操作を行う建設機械2を容易に把握することができる。また、複数の作業現場1A,1B,1Cの進捗状況が表示されることで、オペレータは、特定の作業現場に配備された建設機械2だけではなく、何れかの作業現場1A,1B,1Cに配備された建設機械2の中から遠隔操作可能な状態となった建設機械2を任意に選択して操縦し作業を進めることができる。
続くステップS16において、作業管理部10は、選定部11Bにより選定されたブルドーザ2A1,2A2,2A3に変更が有るか否かを判定する。
例えば、3台のブルドーザ2A1,2A2,2A3のうち1台に何らかの異常が生じ、作業を継続することが困難となった場合、選定部11Bは、異常が生じたブルドーザ2Aを選定から除外するとともに、待機中のブルドーザ2Aがあるときには、その中から代わりのブルドーザ2Aを選定し、待機中のブルドーザ2Aが無いときには、残りの2台を各作業エリアA,B,Cにおいて敷き均し作業を行うブルドーザ2Aとして選定し直すことになる。
特に、各作業エリアA,B,Cにおいて敷き均し作業を行うブルドーザ2Aの台数が減少した場合、ステップS12において設定された一部の担当範囲は、作業が行われないままとなってしまう。また、台数が変わらない場合であっても、作業不能となったブルドーザ2Aの代わりに選定されたブルドーザ2Aのブレード幅が比較的小さい場合には、代わりに選定されたブルドーザ2Aが敷き均し作業を行う担当範囲の作業が他よりも遅れてしまうおそれがある。
このため、ステップS16において、選定部11Bにより選定されたブルドーザ2Aに変更が有ると判定された場合には、ステップS12に戻り、新たに選定された各ブルドーザ2Aが作業エリアA,B,C内において作業を行う担当範囲を再設定する。なお、担当範囲の再設定を行う際、ステップS13において作業完了範囲として記録された部分は、作業範囲から除外される。
このように、選定されたブルドーザ2Aの変更に応じて随時担当範囲を再設定することにより、ブルドーザ2Aの台数が減少した場合であっても、作業が行われない場所が生じないようにすることができるとともに、ブルドーザ2Aが異なる諸元のブルドーザ2Aに交代した場合であっても、作業の進捗に差が生じないようにすることが可能である。
なお、選定部11Bにより選定されるブルドーザ2Aの変更には、ブルドーザ2Aを別のブルドーザ2Aに交代させる場合やブルドーザ2Aの台数を減少させる場合だけではなく、ブルドーザ2Aの台数を増加させる場合も含まれる。
ステップS16において、選定部11Bにより選定されたブルドーザ2Aに変更が無いと判定された場合には、ステップS17に進み、作業管理部10は、制御部11の作業計画部11Cにより、各担当範囲A1,A2,A3の作業の進捗の比較を行う。
上述のように、作業計画部11Cは、各担当範囲A1,A2,A3での作業の完了時刻がほぼ同じ時刻となるように担当範囲の大きさやダンプトラック2Bによって各担当範囲A1,A2,A3へ運搬される盛り土材の量などを計画しているが、ダンプトラック2Bによって実際に運搬される盛り土材の量と計画量との差や各ブルドーザ2A1,2A2,2A3の敷き均し性能の差などが積み重なることによって、作業の進捗には徐々に差が生じる。
このような各担当範囲A1,A2,A3間の作業の進捗の差が大きくなると、何れかの担当範囲A1,A2,A3の作業が先に終わっても全ての担当範囲A1,A2,A3での作業が完了しない限り、次の工程の作業を行う手動運転のブルドーザ2Cに対して、第1作業エリアA全体を明け渡すことができないため、結果として、全体の施工効率が低下してしまうおそれがある。
そこでステップS17において、各担当範囲A1,A2,A3間の作業の進捗の差を示す各担当範囲A1,A2,A3の面積に占める各作業完了範囲の面積の割合の差、または、各担当範囲A1,A2,A3の面積が同じである場合には各担当範囲A1,A2,A3間での作業完了範囲の面積の差が所定値を超えた場合、ステップS12に戻り、作業の進捗の差が小さくなるように、各担当範囲A1,A2,A3の大きさ及び各担当範囲A1,A2,A3内で行われる作業内容の少なくとも一方が作業計画部11Cによって変更される。
具体的には、作業の進捗が遅いブルドーザ2A1,2A2,2A3が担当する担当範囲A1,A2,A3を小さくし、その分、作業の進捗が早いブルドーザ2A1,2A2,2A3が担当する担当範囲A1,A2,A3が大きくなるように各担当範囲A1,A2,A3の大きさが変更される。
また、作業の進捗が遅いブルドーザ2A1,2A2,2A3が担当する担当範囲A1,A2,A3へのダンプトラック2Bによる盛り土材の運搬を増やし、その分、作業の進捗が早いブルドーザ2A1,2A2,2A3が担当する担当範囲A1,A2,A3へのダンプトラック2Bによる盛り土材の運搬が減るように作業内容が変更される。
このように各担当範囲A1,A2,A3の大きさ及び各担当範囲A1,A2,A3内で行われる作業内容の何れか一方または両方を変更することによって、各担当範囲A1,A2,A3間の作業の進捗の差が小さくなり、例えば、第1作業エリアAでの作業をほぼ同時に完了させることが可能となる。これにより、次の工程の作業を行う手動運転のブルドーザ2Cに対して、第1作業エリアA全体を明け渡すことが可能となり、結果として、全体の施工効率を向上させることができる。
なお、ステップS17において判定に用いられる作業の進捗の差を示す指標としては、上述の各担当範囲A1,A2,A3の面積に占める各作業完了範囲の面積の割合の差や各担当範囲A1,A2,A3間での作業完了範囲の面積の差に代えて、ステップS14において算出される作業完了予定時刻の差が用いられてもよい。この場合、作業完了予定時刻の差が所定の時間を超えたとき、ステップS12に戻り、作業完了予定時刻の差が小さくなるように、各担当範囲A1,A2,A3の大きさ及び各担当範囲A1,A2,A3内で行われる作業内容の少なくとも一方が作業計画部11Cによって変更される。つまり、判定に用いられる作業の進捗の差を示す指標は、各建設機械2が行う被作業物に対する作業量の差と言える。
ステップS17において、各担当範囲A1,A2,A3間の作業の進捗の差が小さいと判定された場合には、ステップS18に進み、作業管理部10は、作業エリア設定部11Aにより設定されたすべての作業エリアA,B,Cでの作業が完了したか否かを判定する。
ここで、自動運転のブルドーザ2A1,2A2,2A3が、各作業エリアA,B,Cの各担当範囲A1,A2,A3での敷き均し作業を完了させると、ステップS13において作業未完了範囲が抽出されなくなる。
このため、ステップS17では、作業未完了範囲が抽出されなくなったとき、自動運転のブルドーザ2A1,2A2,2A3によるすべての作業エリアA,B,Cでの作業が完了したとして、作業管理部10による自動運転のブルドーザ2A1,2A2,2A3の作業の管理を終了する。
一方、まだ作業未完了範囲が抽出されている場合には、自動運転のブルドーザ2A1,2A2,2A3によるすべての作業エリアA,B,Cでの作業がまだ完了していないとして、ステップS13に戻り、ステップS13以降の工程が繰り返され、作業完了予定時刻等が随時更新される。
なお、ステップS18では、作業未完了範囲が抽出されているか否かに基づいてすべての作業エリアA,B,Cでの作業が完了したか否かが判定されているが、作業が完了したか否かは、例えば、自動運転のブルドーザ2A1,2A2,2A3が、最後の作業エリアである第3作業エリアCにおいて作業終了位置に指定された位置へと移動したことが確認されたか否かにより判定されてもよいし、各作業エリアA,B,Cの盛土材(被作業物)の敷き均し厚さが設定された目標値(例えば、25cm)に達したか否か、例えば、位置取得部42や状態検知部43の検出値から求められる各ブルドーザ2A1,2A2,2A3の高さ(高度)が、作業エリアA,B,C内において目標とされる敷き均し厚さ分だけ高くなったか否かにより判定されてもよい。
以上のような工程を経て、自動運転作業エリア(第1作業エリアA,第2作業エリアB,第3作業エリアC)において自動運転のブルドーザ2A1,2A2,2A3によって行われる敷き均し作業の進捗状況は、作業管理部10により管理される。
また、これと同様な工程を経て、作業現場1Aに配備された他の建設機械2(手動運転のブルドーザ2C、自動運転または手動運転のバックホウ2D、自動運転の振動ローラ2E、手動運転の振動ローラ2F)による作業の進捗や他の作業現場1B,1Cに配備された建設機械2(自動運転のブルドーザ2A、自動運転のダンプトラック2B、手動運転のブルドーザ2C、自動運転または手動運転のバックホウ2D、自動運転の振動ローラ2E、手動運転の振動ローラ2F)による作業の進捗も作業管理部10によって管理される。なお、各作業エリアA,B,Cでの作業が完了したか否かについては、盛土材(被作業物)に対する各建設機械2による作業が目標値に達したか否かで判定されてもよく、バックホウ2Dの場合には、例えば、締固めアタッチメントの角度が目標角度(例えば45度)となっているか否かで判定され、振動ローラ2Eの場合は、例えば、位置取得部42の検出値に基づいて求められる盛土材の表面を振動ローラ2Eが移動した軌跡が目標軌跡(例えば転圧6回)となっているか否かで判定されてもよい。
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
本実施形態に係る作業管理システム100及び作業管理方法によれば、複数の作業現場1A,1B,1C(作業領域)の自動運転作業エリアで作業を行う自動運転の建設機械2による作業が完了する時刻が随時更新され表示される。
このように自動運転の建設機械2による作業が完了する時刻、すなわち、手動運転の建設機械2による作業の開始が可能となる時刻を随時更新し表示することによって、遠隔操作を行うオペレータに対して、次に建設機械2の遠隔操作を開始することが可能となるまでの時間や次に遠隔操作を行うべき建設機械2を容易に認識させることが可能となる。これにより、自動運転の建設機械2による作業が完了した後に、手動運転の建設機械2による作業がオペレータによってタイミングよく開始されることとなり、結果として、オペレータの待機時間を短くすることができるとともに、自動運転可能な建設機械2が配備された複数の作業現場1A,1B,1Cにおける施工効率を向上させることができる。
また、複数の作業現場1A,1B,1Cの進捗状況を表示することによって、遠隔操作を行うオペレータに対して、特定の作業現場に配備された建設機械2だけではなく、他の作業現場1A,1B,1Cに配備された建設機械2が遠隔操作可能となるまでの時間を容易に認識させることが可能となる。これにより、例えば、オペレータが遠隔操作を行う予定の建設機械2が遠隔操作可能な状態となるまでにまだ時間がある場合、他の作業現場1A,1B,1Cに配備された建設機械2を遠隔操作し作業を進めることができる。これにより、自動運転可能な建設機械2が配備された複数の作業現場1A,1B,1Cにおける施工効率を向上させることができる。
また、本実施形態に係る作業管理システム100及び作業管理方法によれば、選定部11Bで選定される建設機械2に変更があった場合、作業計画部11Cによって各建設機械2が作業を担当する担当範囲が再設定される。
このように、選定された建設機械2の変更に応じて担当範囲を再設定することにより、建設機械2の台数が減少した場合であっても、作業が行われない部分が生じないようにすることができるとともに、建設機械2が異なる諸元の建設機械2に交代した場合であっても、作業の進捗に差が生じないようにすることが可能である。これにより、自動運転可能な建設機械2が配備された複数の作業現場1A,1B,1Cにおける施工効率を向上させることができる。
また、本実施形態に係る作業管理システム100及び作業管理方法によれば、各担当範囲内で行われる作業の進捗に応じて、担当範囲及び作業内容の少なくとも一方が作業計画部11Cにより変更される。
このように各担当範囲内で行われる作業の進捗に応じて、各担当範囲の大きさ及び各担当範囲内で行われる作業内容の何れか一方または両方を変更することによって、各担当範囲間の作業の進捗の差を小さくすることが可能となる。これにより、複数の自動運転の建設機械2によって行われる作業エリア内での作業をほぼ同時に完了させることが可能となるため、次の工程の作業を行う建設機械2に対して、作業エリア全体を明け渡すことが可能となり、結果として、全体の施工効率を向上させることができる。
なお、次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
上記実施形態では、作業管理システム100は、堤体を構築する土木作業に携わる建設機械2の作業を管理している。これに代えて、作業管理システム100は、図11A,図11B及び図11Cに示されるような、掘削工事に携わる建設機械2G,2H,2Jの作業を管理するものであってもよく、また、作業管理システム100で管理される各作業現場1A,1B,1Cで行われる土木工事は、盛土工事と掘削工事とのように異なる形態の工事であってもよい。
図11A,図11B及び図11Cに示される例は、図11Aに示すように、自動運転のブルドーザ2G(掘削機械)によって地山を掘削し掘削床を形成した後、図11Bに示すように、手動運転のブルドーザ2H(掘削機械)によって法尻近傍をさらに掘削した後、図11Cに示すように、自動運転または手動運転のバックホウ2J(法面整形機械)によって法面を締固め、これらの工程を繰り返すことによって所定の幅の施工基面を形成するものである。図11A,図11B及び図11Cに示される例において、被作業物は地山であり、地山は、掘削床の高さが所定の高さ(目標形状)となるように、ブルドーザ2G,2Hによって徐々に掘削され、その後、法面がバックホウ2Jによって目標形状である所定の形状に締め固められる。なお、掘削によって生じた掘削土砂は図示しないダンプトラックにより随時搬出される。
この例において、作業計画部11Cにおいて計画される作業内容としては、ブルドーザ2Gの場合は、所定の範囲内において掘削床の高さが所定の高さだけを低くなるように掘削することであり、バックホウ2Jの場合は、所定の範囲内において法面を目標形状(所定の角度(例えば45度))で締め固めることである。
図12には、各建設機械2(ブルドーザ2G,ブルドーザ2H,バックホウ2J)によって掘削工事が順次行われる3つの作業エリアA,B,Cが示されている。なお、各作業エリアA,B,C内において、各建設機械2(ブルドーザ2G,ブルドーザ2H,バックホウ2J)が行う作業の順序や時間(時刻)が示された工程表(不図示)は、上記実施形態と同様に、スケジュール生成部11Dによって予め生成される。
図12に示されるように、第1作業エリアAにおける掘削作業が完了すると、自動運転のブルドーザ2Gは、第2作業エリアBへと移動し、第2作業エリアBにおいて掘削作業を開始する。自動運転のブルドーザ2Gによる掘削作業が完了した第1作業エリアAには、手動運転のブルドーザ2Hが進入し、自動運転のブルドーザ2Gにより十分に掘削されなかった法尻近傍の箇所等の掘削作業を開始する。
第2作業エリアBにおける掘削作業が完了すると、自動運転のブルドーザ2Gは、第3作業エリアCへと移動し、第3作業エリアCにおいて掘削作業を開始する。ブルドーザ2Gによる掘削作業が完了した第2作業エリアBには、第1作業エリアAでの作業が完了した手動運転のブルドーザ2Hが進入し、十分に掘削されなかった箇所等の掘削作業を開始する。また、手動運転のブルドーザ2Hによる掘削が完了した第1作業エリアAには、自動運転または手動運転のバックホウ2Jが進入し、法面の締固めを開始する。
第3作業エリアCにおける掘削作業が完了すると、自動運転のブルドーザ2Gは、次の作業エリアまたは駐機場へと移動する。ブルドーザ2Gによる掘削作業が完了した第3作業エリアCには、第2作業エリアBでの作業が完了した手動運転のブルドーザ2Hが進入し、十分に掘削されなかった箇所等の掘削作業を開始する。また、手動運転のブルドーザ2Hによる掘削が完了した第2作業エリアBには、第1作業エリアAでの作業が完了した自動運転または手動運転のバックホウ2Jが進入して法面の締固めを開始する。
このように各建設機械2G,2H,2Jが順次作業を行うことによって、3つの作業エリアA,B,Cは、第1作業エリアA,第2作業エリアB,第3作業エリアCの順で掘削床の高さが低くなっていき、これらの作業は、掘削床の高さが施工基面に達するまで繰り返される。
このような掘削工事においても、各作業エリアA,B,Cにおける作業の全てを自動運転の建設機械2により行わせることが効率性及び安全性の観点からは好ましいが、例えば、図12に示すように、複数の自動運転のブルドーザ2G1,2G2,2G3によって各担当範囲A1,A2,A3の掘削が行われる場合、各担当範囲A1,A2,A3間の境界付近や法尻近傍において作業精度が低下しやすいことから、これらの部分は、上述のように、オペレータが操作する手動運転のブルドーザ2Hによって作業精度を確保する必要がある。
オペレータによる建設機械2の操作は、安全性の観点から、自動運転の建設機械2による作業が完了したことが確認されてから行われることになるが、自動運転される建設機械2による作業が計画された工程表通り、すなわち、時間通りに進行するとは限らない。そして、何らかの要因で自動運転される建設機械2による作業に遅れが生じると、オペレータの待機時間が長くなるとともに、待機中は他の建設機械2、例えば、他の作業現場に配備された建設機械2を操作することもできないことから、結果として作業現場1A,1B,1Cにおける施工効率が低下してしまうおそれがある。
したがって、図11A,図11B及び図11Cに示されるような掘削工事に携わる各建設機械2の作業についても、上記実施形態に係る作業管理システム100及び作業管理方法によって、それらの作業の進捗を管理するとともに、作業の進捗に応じて担当範囲や作業内容を適宜変更することによって、上記実施形態と同様に、自動運転可能な建設機械2が配備された複数の作業現場1A,1B,1Cにおける施工効率を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
100・・・作業管理システム
1A,1B,1C・・・作業現場(作業領域)
2・・・建設機械
2A・・・ブルドーザ(建設機械)
2B・・・ダンプトラック(建設機械)
2C・・・ブルドーザ(建設機械)
2D・・・バックホウ(建設機械)
2E・・・振動ローラ(建設機械)
2F・・・振動ローラ(建設機械)
2G・・・ブルドーザ(建設機械)
2H・・・ブルドーザ(建設機械)
2J・・・バックホウ(建設機械)
10・・・作業管理部
11・・・制御部
11A・・・作業エリア設定部
11B・・・選定部
11C・・・作業計画部
11D・・・スケジュール生成部
11E・・・告知部
11F・・・作業記録部
11G・・・完了時刻演算部
13・・・表示部
20・・・遠隔操縦部
22・・・表示部
26・・・表示部
30・・・現場管理部
33・・・表示部
A,B,C・・・作業エリア(自動運転作業エリア)
A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3・・・担当範囲
1A,1B,1C・・・作業現場(作業領域)
2・・・建設機械
2A・・・ブルドーザ(建設機械)
2B・・・ダンプトラック(建設機械)
2C・・・ブルドーザ(建設機械)
2D・・・バックホウ(建設機械)
2E・・・振動ローラ(建設機械)
2F・・・振動ローラ(建設機械)
2G・・・ブルドーザ(建設機械)
2H・・・ブルドーザ(建設機械)
2J・・・バックホウ(建設機械)
10・・・作業管理部
11・・・制御部
11A・・・作業エリア設定部
11B・・・選定部
11C・・・作業計画部
11D・・・スケジュール生成部
11E・・・告知部
11F・・・作業記録部
11G・・・完了時刻演算部
13・・・表示部
20・・・遠隔操縦部
22・・・表示部
26・・・表示部
30・・・現場管理部
33・・・表示部
A,B,C・・・作業エリア(自動運転作業エリア)
A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3・・・担当範囲
Claims (16)
- 作業領域に配備された自動運転可能な建設機械による作業を管理する建設機械の作業管理システムであって、
自動運転により前記建設機械が作業を行う自動運転作業エリアを前記作業領域内に設定する作業エリア設定部と、
前記建設機械が作業を完了した作業完了範囲を記録し、前記自動運転作業エリアと前記作業完了範囲とに基づいて作業が完了していない作業未完了範囲を抽出する作業記録部と、
前記作業未完了範囲の作業が完了する完了予定時刻を算出して更新する完了時刻演算部と、
を備える建設機械の作業管理システム。 - 複数の作業領域にそれぞれ配備された自動運転可能な建設機械による作業を一括して管理する建設機械の作業管理システムであって、
自動運転により前記建設機械が作業を行う自動運転作業エリアを複数の前記作業領域内にそれぞれ設定する作業エリア設定部と、
前記建設機械が作業を完了した作業完了範囲を前記作業領域毎に記録し、前記自動運転作業エリアと前記作業完了範囲とに基づいて作業が完了していない作業未完了範囲を前記作業領域毎に抽出する作業記録部と、
前記作業領域毎に、前記作業未完了範囲の作業が完了する完了予定時刻を算出して更新する完了時刻演算部と、
を備える建設機械の作業管理システム。 - 前記完了時刻演算部によって更新される前記作業領域毎の前記完了予定時刻を表示する表示部をさらに備える
請求項2に記載の建設機械の作業管理システム。 - 作業領域に配備された複数の自動運転可能な建設機械による作業を管理する建設機械の作業管理システムであって、
自動運転により複数の前記建設機械が作業を行う自動運転作業エリアを前記作業領域内に設定する作業エリア設定部と、
前記自動運転作業エリアにおいて作業を行う複数の前記建設機械を選定する選定部と、
前記選定部により選定された前記建設機械が作業を行う担当範囲を前記建設機械毎に設定する作業計画部と、
前記建設機械が作業を完了した作業完了範囲を前記建設機械毎に記録し、前記担当範囲と前記作業完了範囲とに基づいて作業が完了していない作業未完了範囲を前記建設機械毎に抽出する作業記録部と、を備え、
前記選定部により選定された前記建設機械に変更があった場合、前記作業計画部は、前記自動運転作業エリア内の前記作業未完了範囲と前記選定部により選定された変更後の前記建設機械とに基づいて、前記建設機械が作業を行う担当範囲を前記建設機械毎に再設定する、
建設機械の作業管理システム。 - 作業領域に配備された複数の自動運転可能な建設機械による作業を管理する建設機械の作業管理システムであって、
自動運転により複数の前記建設機械が作業を行う自動運転作業エリアを前記作業領域内に設定する作業エリア設定部と、
前記自動運転作業エリアにおいて作業を行う複数の前記建設機械を選定する選定部と、
前記選定部により選定された前記建設機械が作業を行う担当範囲を前記建設機械毎に設定し、前記担当範囲内で行われる作業内容を計画する作業計画部と、を備え、
前記作業計画部は、前記担当範囲内で行われる作業の進捗に応じて、前記担当範囲及び前記作業内容の少なくとも一方を変更する、
建設機械の作業管理システム。 - 前記建設機械が作業を完了した作業完了範囲を前記建設機械毎に記録し、前記担当範囲と前記作業完了範囲とに基づいて作業が完了していない作業未完了範囲を前記建設機械毎に抽出する作業記録部をさらに備え、
前記作業計画部は、前記建設機械毎の前記担当範囲に対する前記作業未完了範囲の割合を比較し、前記割合の差が所定値を超えた場合、前記担当範囲及び前記作業内容の少なくとも一方を変更する、
請求項5に記載の建設機械の作業管理システム。 - 前記建設機械が作業を完了した作業完了範囲を前記建設機械毎に記録し、前記担当範囲と前記作業完了範囲とに基づいて作業が完了していない作業未完了範囲を前記建設機械毎に抽出する作業記録部と、
前記作業未完了範囲の作業が完了する完了予定時刻を算出して更新する完了時刻演算部と、をさらに備え、
前記作業計画部は、前記完了時刻演算部により更新された前記建設機械毎の前記完了予定時刻を比較し、前記完了予定時刻の差が所定値を超えた場合、前記担当範囲及び前記作業内容の少なくとも一方を変更する、
請求項5に記載の建設機械の作業管理システム。 - 前記作業領域に配備された手動運転可能な建設機械の操縦を遠隔で行うことが可能な遠隔操縦部をさらに備える
請求項1から7の何れか1つに記載の建設機械の作業管理システム。 - 作業領域に配備された自動運転可能な建設機械による作業を管理する作業管理システムによる建設機械の作業管理方法であって、
自動運転により前記建設機械が作業を行う自動運転作業エリアを前記作業領域内に設定する作業エリア設定工程と、
前記建設機械が作業を完了した作業完了範囲を記録し、前記自動運転作業エリアと前記作業完了範囲とに基づいて作業が完了していない作業未完了範囲を抽出する作業記録工程と、
前記作業未完了範囲の作業が完了する完了予定時刻を算出して更新する完了時刻演算工程と、
を含む建設機械の作業管理方法。 - 複数の作業領域にそれぞれ配備された自動運転可能な建設機械による作業を一括して管理する作業管理システムによる建設機械の作業管理方法であって、
自動運転により前記建設機械が作業を行う自動運転作業エリアを複数の前記作業領域内にそれぞれ設定する作業エリア設定工程と、
前記建設機械が作業を完了した作業完了範囲を前記作業領域毎に記録し、前記自動運転作業エリアと前記作業完了範囲とに基づいて作業が完了していない作業未完了範囲を前記作業領域毎に抽出する作業記録工程と、
前記作業領域毎に、前記作業未完了範囲の作業が完了する完了予定時刻を算出して更新する完了時刻演算工程と、
を含む建設機械の作業管理方法。 - 前記完了時刻演算工程において更新される前記作業領域毎の前記完了予定時刻を表示する表示工程をさらに含む
請求項10に記載の建設機械の作業管理方法。 - 作業領域に配備された複数の自動運転可能な建設機械による作業を管理する作業管理システムによる建設機械の作業管理方法であって、
自動運転により複数の前記建設機械が作業を行う自動運転作業エリアを前記作業領域内に設定する作業エリア設定工程と、
前記自動運転作業エリアにおいて作業を行う複数の前記建設機械を選定する選定工程と、
前記選定工程において選定された前記建設機械が作業を行う担当範囲を前記建設機械毎に設定する作業計画工程と、
前記建設機械が作業を完了した作業完了範囲を前記建設機械毎に記録し、前記担当範囲と前記作業完了範囲とに基づいて作業が完了していない作業未完了範囲を前記建設機械毎に抽出する作業記録工程と、を含み、
前記選定工程において選定された前記建設機械に変更があった場合、前記作業計画工程において、前記自動運転作業エリア内の前記作業未完了範囲と前記選定工程において選定された変更後の前記建設機械とに基づいて、前記建設機械が作業を行う担当範囲を前記建設機械毎に再設定する、
建設機械の作業管理方法。 - 作業領域に配備された複数の自動運転可能な建設機械による作業を管理する作業管理システムによる建設機械の作業管理方法であって、
自動運転により複数の前記建設機械が作業を行う自動運転作業エリアを前記作業領域内に設定する作業エリア設定工程と、
前記自動運転作業エリアにおいて作業を行う複数の前記建設機械を選定する選定工程と、
前記選定工程において選定された前記建設機械が作業を行う担当範囲を前記建設機械毎に設定し、前記担当範囲内で行われる作業内容を計画する作業計画工程と、を含み、
前記作業計画工程では、前記担当範囲内で行われる作業の進捗に応じて、前記担当範囲及び前記作業内容の少なくとも一方が変更される、
建設機械の作業管理方法。 - 前記建設機械が作業を完了した作業完了範囲を前記建設機械毎に記録し、前記担当範囲と前記作業完了範囲とに基づいて作業が完了していない作業未完了範囲を前記建設機械毎に抽出する作業記録工程をさらに含み、
前記作業計画工程では、前記建設機械毎の前記担当範囲に対する前記作業未完了範囲の割合を比較し、前記割合の差が所定値を超えた場合、前記担当範囲及び前記作業内容の少なくとも一方を変更する、
請求項13に記載の建設機械の作業管理方法。 - 前記建設機械が作業を完了した作業完了範囲を前記建設機械毎に記録し、前記担当範囲と前記作業完了範囲とに基づいて作業が完了していない作業未完了範囲を前記建設機械毎に抽出する作業記録工程と、
前記作業未完了範囲の作業が完了する完了予定時刻を算出して更新する完了時刻演算工程と、をさらに含み、
前記作業計画工程では、前記完了時刻演算工程において更新された前記建設機械毎の前記完了予定時刻を比較し、前記完了予定時刻の差が所定値を超えた場合、前記担当範囲及び前記作業内容の少なくとも一方を変更する、
請求項13に記載の建設機械の作業管理方法。 - 前記作業領域に配備された手動運転可能な建設機械の操縦は、前記作業領域に配備された前記建設機械の操縦を遠隔で行うことが可能な遠隔操縦部を介して遠隔で行われる
請求項9から15の何れか1つに記載の建設機械の作業管理方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022170905A JP2024062809A (ja) | 2022-10-25 | 2022-10-25 | 建設機械の作業管理システム及び作業管理方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022170905A JP2024062809A (ja) | 2022-10-25 | 2022-10-25 | 建設機械の作業管理システム及び作業管理方法 |
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JP2022170905A Pending JP2024062809A (ja) | 2022-10-25 | 2022-10-25 | 建設機械の作業管理システム及び作業管理方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A80 | Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention |
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