JP6968923B2 - 盛土構築物の形状を高精度で特定するシステム及び盛土構築物を高精度で構築する方法 - Google Patents

盛土構築物の形状を高精度で特定するシステム及び盛土構築物を高精度で構築する方法 Download PDF

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Description

本発明は、盛土構築物を構築するための技術に関する。
盛土構築物の構築工事において、作業者は構築中の盛土構築物の現状の出来形を設計出来形に近づけるように盛土の撒出し厚等の調整を行う。従って、工事作業者には、構築中の盛土構築物の現状の出来形をできるだけ正確に知りたい、というニーズがある。
上記のニーズを満たすために、構築中の盛土構築物の上面を移動する工事車両(ブルドーザ、振動ローラ等)にGNSS(Global Navigation Satellite System、全球測位衛星システム)の受信用アンテナを設置し、GNSSにより測定した受信用アンテナの3次元座標に基づき構築中の盛土構築物の上面の現状の出来形を特定する方法(以下、「従来技術にかかるGNSSを用いた盛土構築物の形状特定方法」という)が提案されている。
上記の技術を提案している特許文献として、例えば特許文献1がある。特許文献1には、盛立工事現場を移動して転圧する振動ローラから送信される3次元座標による位置情報を取り込んで出来形情報を得る現場管理システムが提案されている。
特開2015−168991号公報
従来技術にかかるGNSSを用いた盛土構築物の形状特定方法による場合、工事車両が盛土構築物に対し作業を行う点(以下、「作業点」という)にGNSSの受信用アンテナを設置することは難しい。
図14は、工事車両の例であるブルドーザと振動ローラの外観を示した図である。図14(A)に示す工事車両8D(ブルドーザ)の作業点は、アームを下げた状態のバケットの前方下端部である点B1となる。また、図14(B)に示す工事車両8R(振動ローラ)の作業点は、ローラ(この場合、前輪)の下端部である点B2となる。以下、工事車両8Dと工事車両8Rを「工事車両8」と総称する。また、作業点B1と作業点B2を「作業点B」と総称する。
図14に示されるように、作業点Bは工事車両8と盛土構築物が接する位置にあるため、仮にGNSSの受信アンテナを作業点Bに設置すると、受信アンテナは工事車両8の作業に伴い容易に破損してしまう。そのため、受信アンテナは一般的に工事車両8の作業点Bから離れた場所で通信し易い位置に設置される。
例えば、図14(A)に示す工事車両8Dには受信アンテナを含むGNSSユニット12Dが操縦室の天井の上に設置されている。また、図14(B)に示す工事車両8Rには受信アンテナを含むGNSSユニット12Rが操縦室の天井の上に設置されている。以下、GNSSユニット12DとGNSSユニット12Rを「GNSSユニット12」と総称する。
各工事車両8に関し、GNSSユニット12と作業点Bとの位置関係は既知の情報である。図14(A)及び(B)に示した矢印は、GNSSユニット12から作業点Bに向かうベクトルを示している。工事車両8の座標系において、このベクトルは変化しない。従って、工事車両8が図14に示すように水平面(地球の重力の方向に垂直な平面)の上にあれば、GNSSユニット12の地球上の位置を示す3次元座標が分かり、その3次元座標の経時変化から工事車両8の進行方向が分かれば、工事車両8の作業点Bの地球上の位置を示す3次元座標は単純な変換により求められる。
しかしながら、盛土構築物の構築中において、工事車両8は必ずしも水平面上にあるとは限らない。図15は、工事車両8Dが斜面を走行している状態を例示した図である。図15に示す状態において、GNSSユニット12Dの3次元座標と、図14(A)に矢印で示したベクトルとに基づき算出される作業点は、正しい作業点B1ではなく、点b1となる。従来技術にかかるGNSSを用いた盛土構築物の形状特定方法において、図15に示した点b1が作業点として扱われると、特定される盛土構築物の形状は不正確なものとなる。
上記の事情に鑑み、本発明は、GNSSを用いて従来技術と比較し高い精度で盛土構築物の形状を特定する手段を提供する。
本発明は、盛土材料の表面を走行しながら当該盛土材料による盛土構築物の成形を行う車両が当該盛土構築物に対し作業を行う点を作業点とするとき、前記車両において前記作業点と所定の位置関係を保つ設置位置に取り付けられ、当該設置位置の地球上の位置を示す第1の座標を測定する位置測定手段と、前記位置測定手段が測定した複数の第1の座標の各々に対し前記位置関係を示すベクトルの数値を加算して前記作業点の仮の位置を示す複数の第2の座標を算出し、前記複数の第2の座標を近似する所定の特性の第1の面を特定し、前記複数の第1の座標の各々に対し前記第1の面の傾斜に応じて前記ベクトルを回転して得られるベクトルの数値を加算して前記作業点の位置を示す複数の第3の座標を算出し、前記複数の第3の座標を近似する所定の特性の第2の面を、前記盛土構築物の表面の形状を表す面として特定する形状特定手段とを備える盛土構築物の形状特定システムを第1の態様として提案する。
また本発明は、盛土材料の表面を走行しながら当該盛土材料による盛土構築物の成形を行う車両が当該盛土構築物に対し作業を行う点を作業点とするとき、前記車両が盛土構築物の成形を行う成形工程と、前記成形工程中に、前記車両において前記作業点と所定の位置関係を保つ設置位置に取り付けられた位置測定手段により当該設置位置の地球上の位置を示す第1の座標を測定する位置測定工程と、前記位置測定工程において測定した複数の第1の座標の各々に対し前記位置関係を示すベクトルの数値を加算して前記作業点の仮の位置を示す複数の第2の座標を算出し、前記複数の第2の座標を近似する所定の特性の第1の面を特定する第1面特定工程と、前記複数の第1の座標の各々に対し前記第1の面の傾斜に応じて前記ベクトルを回転して得られるベクトルの数値を加算して前記作業点の位置を示す複数の第3の座標を算出し、前記複数の第3の座標を近似する所定の特性の第2の面を、前記盛土構築物の表面の形状を表す面として特定する第2面特定工程とを備える盛土構築物の構築方法を第の態様として提案する。
上記の第1の態様にかかる形状特定システム、もしくは、上記の第2の態様にかかる構築方法によれば、盛土構築物を構築する工事車両に設置したGNSSの受信アンテナの3次元座標を用いて、従来技術と比較し高い精度で盛土構築物の形状を特定することができる。
本発明によれば、GNSSを用いて従来技術と比較し高い精度で盛土構築物の形状が特定される。
第1実施形態にかかる形状特定システムの全体構成を示した図。 第1実施形態の説明に例として用いる盛土構築物の形状を示した図。 第1実施形態の説明に例として用いる盛土構築物が構築されてゆく様子を示した図。 第1実施形態にかかる盛土構築物の構築方法のフロー図。 第1実施形態にかかる構築方法においてサーバ装置が行う現状出来形の特定の手順を説明するための図。 第1実施形態にかかるサーバ装置が第1の座標を第2の座標に変換する手順を説明するための図。 第1実施形態にかかる構築方法においてサーバ装置が行う現状出来形の特定の手順を説明するための図。 第1実施形態にかかるサーバ装置が第1の座標を第3の座標に変換する手順を説明するための図。 第1実施形態にかかる構築方法においてサーバ装置が行う現状出来形の特定の手順を説明するための図。 第1実施形態にかかる構築方法においてサーバ装置が行う現状出来形の特定の手順を説明するための図。 第1実施形態にかかる端末装置が表示する画像を模式的に示した図。 第2実施形態にかかる形状特定システムの全体構成を示した図。 第2実施形態にかかる盛土構築物の構築方法のフロー図。 工事車両の外観を示した図。 工事車両が斜面を走行している状態を例示した図。
[第1実施形態]
以下に本発明の第1実施形態にかかる形状特定システム1を説明する。形状特定システム1は、道路、堤防等の盛土構築物の構築中にその盛土構築物の現状の形状を特定するシステムである。
図1は、形状特定システム1の全体構成を示した図である。形状特定システム1は、サーバ装置11と、工事車両8Dの所定位置に設置されたGNSSユニット12Dと、工事車両8Rの所定位置に設置されたGNSSユニット12Rと、工事車両8Dを操縦する作業者に使用される端末装置13Dと、工事車両8Rを操縦する作業者に使用される端末装置13Rを備える。
既述のように、工事車両8Dと工事車両8Rは「工事車両8」、GNSSユニット12DとGNSSユニット12Rは「GNSSユニット12」と総称する。また、端末装置13Dと端末装置13Rは「端末装置13」と総称する。
サーバ装置11は、GNSSユニット12D、GNSSユニット12R、端末装置13D、端末装置13Rの各々と通信を行う。これらの装置が通信を行うために用いるネットワークは、例えば移動体通信網と、移動体通信網に接続されたインターネットである。ただし、これらの装置が通信を行うために用いるネットワークの種別はこれらに限られず、例えば、WiFi(登録商標)等の無線通信規格に従った無線通信網であってもよい。
サーバ装置11のハードウェアは一般的なコンピュータであり、プログラムに従い各種データ処理を行うプロセッサ、プログラムを含む各種データを記憶するメモリ、外部の装置と通信を行う通信インタフェースを備える。
サーバ装置11は、プログラムに従うプロセッサの処理により、主に以下の機能を実現する。
(1)盛土構築物の構築開始前に、設計出来形と材料特性等の情報に基づき、盛土構築物を構成する複数の層の各々に関する材料の撒出し量、敷きならし厚、締固め回数等の作業計画の策定を行う計画策定手段。
(2)構築中の盛土構築物の現状の形状(以下、「現状出来形」という)を特定する形状特定手段。
(3)特定した盛土構築物の現状出来形に設計出来形をオーバーレイした画像を生成する画像生成手段。
(4)画像生成手段が生成した画像を表すデータを端末装置13に送信する送信手段。
GNSSユニット12D及びGNSSユニット12Rは受信アンテナを有し、GNSS衛星9から送信されてくる測位用信号を受信アンテナによって受信し、受信した測位用信号に基づき受信アンテナの地球上の位置を測定し、測定結果を示す3次元座標を生成する装置(位置測定手段の一例)である。
また、GNSSユニット12D及びGNSSユニット12Rは、外部の装置と無線通信を行う通信インタフェースを有し、例えば移動体通信網を介してサーバ装置11に対し、生成した3次元座標を順次送信する。
端末装置13D及び端末装置13Rのハードウェアは一般的なコンピュータであり、プログラムに従い各種データ処理を行うプロセッサ、プログラムを含む各種データを記憶するメモリ、外部の装置と無線通信を行う通信インタフェースを備える。また、端末装置13D及び端末装置13Rのハードウェアは、ユーザに対し各種情報を表示するディスプレイと、自装置に対するユーザの各種操作を受け付けるための操作デバイスを備える。
本実施形態において、端末装置13D及び端末装置13Rはタブレット型PC(Personal Computer)であるものとする。すなわち、端末装置13D及び端末装置13Rのハードウェアは、ディスプレイとタッチパネル(操作デバイスの一例)が積層され一体に構成されたタッチスクリーンを備える。
端末装置13D及び端末装置13Rは、プログラムに従うプロセッサの処理により、サーバ装置11から送信される作業者向けのガイダンスを表示する表示手段として機能する。
既述のように、GNSSユニット12は工事車両8の所定位置に設置されており、工事車両8の座標系において作業点BとGNSSユニット12の位置関係は概ね変化しない。従って、GNSSユニット12の地球上の位置を示す3次元座標が分かり、その3次元座標の経時変化から工事車両8の進行方向が分かれば、工事車両8の作業点Bの地球上の位置を示す3次元座標は単純な変換により求められる。
以下に、形状特定システム1の動作を説明する。図2は、以下の説明に例として用いる盛土構築物Cの形状を示した図である。盛土構築物Cは4層、すなわち、積層された層c1〜c4で構成されるものとする。
図3は、盛土構築物Cが構築されてゆく様子を示した図である。まず、図3(A)に示されるように、層c1が構築される。層c1の構築においては、まず、工事車両8Dにより、盛土構築物Cの構築されるべき領域の既存面の上に、予め計画された量の材料の撒出しが行われる。続いて、工事車両8Dにより、予め計画された厚さとなるように撒出された材料の敷きならしが行われる。
続いて、工事車両8Rにより、予め計画された回数だけ、敷きならされた材料の締固めが行われる。ただし、層c1のうち、工事車両8Rにより締固めが行われる領域は、層c1の上面の中央領域D1Cのみである。すなわち、層c1の法面D1Dと、層c1の上面の外縁から所定距離内の領域である外縁領域D1Eに関しては、工事車両8Rによる締固めは行われない。重量の大きい工事車両8Rが盛土構築物Cの上面の外縁付近を走行すると、外縁付近の盛土が工事車両8Rの荷重に耐えきれず崩落する危険があるためである。従って、工事車両8Rによる中央領域D1Cの締固めが完了すると、続いて、作業者により、ローラ、タンパやランマ等のハンドガイド式の締固め機を用いた法面D1D及び外縁領域D1Eに対する締固めが行われる。これにより、層c1の構築が完了する。なお、法面D1D及び外縁領域D1Eは締固車両による締固めより締固度が不足するため、締固車両以外の工事車両であってもその領域を走行すると盛土が崩壊する恐れがある。
層c1の構築が完了すると、層c1の上に、層c2〜c4が順次構築される。層c2〜c4の構築の手順は、層c1の構築の手順と同様である。
盛土構築物Cの構築の大まかな手順は上記のとおりであるが、形状特定システム1を用いた本実施形態にかかる方法においては、工事車両8により材料の撒出し、敷きならし、及び、締固めが行われる間、実質的にリアルタイムに、サーバ装置11において盛土構築物Cの現状出来形が特定され、サーバ装置11において特定された現状出来形に設計出来形をオーバーレイした画像が端末装置13に表示される。従って、端末装置13を操縦する作業者は、端末装置13に表示される画像を見て直感的に盛土構築物Cの現状出来形が設計出来形からどれだけ乖離しているかを知ることができ、効率的に作業を行うことができる。以下に、形状特定システム1を用いて行われる盛土構築物Cの構築方法(以下、「構築方法M1」という)を説明する。
図4は、構築方法M1のフロー図である。まず、サーバ装置11は、盛土構築物Cの最終設計出来形と材料の特性等に基づき、層c1〜c4の各々に関し、材料の撒出し量、敷きならし厚、及び締固め回数の計画を策定する(ステップS01)。材料の撒出し量の計画とは、どの位置にどれだけの量の材料を撒出すか、という計画である。材料の敷きならし厚の計画とは、どの位置の材料をどれだけの厚さに敷きならすか、という計画である。材料の締固め回数の計画とは、どの位置の材料を何回締固めるか、という計画である。
続いて、サーバ装置11は、今から構築する層が層c1〜c4のいずれかを示す数字を変数nに代入する(ステップS02)。ステップS02が最初に実行される場合、nには層c1を示す「1」が代入される。以下、層c1〜c4のうちn番目の層を「層cn」と記載する。
続いて、作業者が工事車両8Dを操縦して層cnに関する材料の撒出しを行う(ステップS03)。層cnに関する材料の撒出しが完了すると、続いて作業者は、工事車両8Dを操縦して層cnに関する材料の敷きならしを行う(ステップS04)。層cnに関する材料の敷きならしが完了すると、続いて作業者は、工事車両8Rを操縦して層cnに関する材料の締固めを行う(ステップS05)。ステップS05において締固めが行われる領域は、層cnの中央領域(例えば、層c1であれば中央領域D1C)である。層cnに関する工事車両8Rを用いた材料の締固めが完了すると、続いて作業者は、ローラ、タンパやランマ等のハンドガイド式の締固め機を用いて、層cnの工事車両8Rが非走行の領域である法面及び外縁領域(例えば、層c1であれば法面D1D及び外縁領域D1E)の締固めを行う(ステップS06)。
上記のステップS03〜S06が行われる間、サーバ装置11は並行して、構築中の盛土構築物Cの現状出来形の特定と特定した現状出来形の端末装置13に対する通知を継続的に行う。そのための処理として、まず、サーバ装置11は作業に用いられている工事車両8に設置されているGNSSユニット12から順次送信されてくる3次元座標(以下、「第1の座標」という)に基づき、工事車両8の作業点Bの仮の位置を示す3次元座標(以下、「第2の座標」という)を算出する(ステップS07)。具体的には、サーバ装置11は、第1の座標の座標値に、図15において矢印で示されるベクトルの数値を加算して、第2の座標を算出する。
図5は、サーバ装置11が工事車両8の走行中に順次算出した第2の座標(ただし、工事車両8が同じ領域を走行した場合はその領域を最後に工事車両8が走行した時にGNSSユニット12により測定された第1の座標に基づき算出された第2の座標)をドットで示した図である。図5(A)はそれらのドットを斜め上から見た図であり、図5(B)はそれらのドットを図5(A)の矢印の方向に見た図である。なお、図5及び後述の図9においては、第2の座標の位置を分かり易く示すために、ドットから基準面Gに鉛直方向に降ろした線分が付加されている。これらの線分の長さは、各ドットが示す位置の基準面Gからの高さを示す。
図6は、第1の座標と第2の座標の関係を示した図である。図6(A)は工事車両8が水平面を走行している場合を示し、図6(B)は工事車両8が斜面を走行している場合を示している。図6に示すベクトルV1は、水平な姿勢の工事車両8の座標系におけるGNSSユニット12から作業点Bに向かうベクトルを示す。第2の座標は、工事車両8の傾斜方向を考慮せずに、第1の座標を単純にベクトルV1だけ移動した位置を示す座標である。従って、第2の座標は、工事車両8の姿勢が水平である場合には正しく作業点Bを示すが、工事車両8の姿勢が傾いている場合には作業点Bからずれた点(図6(B)の点b1)を示す。
サーバ装置11は、ステップS07(図4)に続き、図5に多数のドットで示される第2の座標を近似する平面F1(第1の面の一例)を特定する(ステップS08)。なお、複数の3次元座標を近似する平面を特定する方法としては、最小二乗法を用いる方法等、既知のいずれの方法が用いられてもよい。図7はサーバ装置11がステップS08において特定した平面F1を示した図である。図7(A)は平面F1を斜め上から見た図であり、図7(B)は平面F1を図7(A)の矢印の方向に見た図である。図7(B)に示されるように、平面F1は必ずしも水平面ではない。
サーバ装置11は、ステップS08(図4)に続き、第1の座標の各々に対し、ステップS08で特定した平面F1の傾斜に応じてベクトルV1を回転して得られるベクトルV2の数値を加算して、複数の第3の座標を算出する(ステップS09)。
図8は、サーバ装置11が第1の座標から第3の座標を算出する手順を説明するための図である。サーバ装置11は、まず、平面F1の傾斜方向から、工事車両8の進行方向における傾斜角度αを特定する。続いて、サーバ装置11は、ベクトルV1(工事車両8の姿勢が水平な状態におけるGNSSユニット12から作業点Bに向かうベクトル)を傾斜角度αだけ回転させたベクトルV2を特定する。続いて、サーバ装置11は、第1の座標の座標値に、ベクトルV2の数値を加算することで、第3の座標を算出する。このように算出される第3の座標は、作業点Bの位置を正しく示す。
図9は、第3の座標をドットで示した図である。図9(A)はそれらのドットを斜め上から見た図であり、図9(B)はそれらのドットを図9(A)の矢印の方向に見た図である。
サーバ装置11は、ステップS09(図4)に続き、図9に多数のドットで示される第3の座標を近似する平面F2(第2の面の一例)を特定する(ステップS10)。図10はサーバ装置11がステップS10において特定した平面F2を示した図である。なお、図10においては、平面F2との比較のため平面F1も示されている。図10(A)は平面F2を斜め上から見た図であり、図10(B)は平面F2を図10(A)の矢印の方向に見た図である。このように特定される平面F2は、盛土構築物Cの現状出来形(表面の形状)を正しく表す面である。
サーバ装置11は、ステップS10で特定した平面F2に、盛土構築物Cの第n層の設計出来形をオーバーレイした画像を生成し、生成した画像を表すデータを端末装置13に送信する。端末装置13はサーバ装置11から送信されてくるデータが表す画像を表示する(ステップS11)。図11は、ステップS11において端末装置13が表示する画像を模式的に示した図である。図11において破線で示される形状が設計出来形である。工事車両8を操縦する作業者は、端末装置13が表示する画像を見て、盛土構築物Cの現状出来形が設計出来形からどれだけ乖離しているかを直感的に知ることができる。
ステップS06(図4)の締固め作業が完了し、例えば作業者が端末装置13に所定の操作を行うと、サーバ装置11は端末装置13からステップS06の完了の通知を受けて、現在のnの値が4であるか否か、すなわち、構築された層が最終の層c4であるか否か判定する(ステップS12)。
現在のnの値が4でない場合(ステップS12;No)、サーバ装置11はnに1を加算した後(ステップS13)、処理をステップS07に移す。また、作業者は新たな層cnに関し、ステップS03以降の作業を行う。
ステップS12において、現在のnの値が4である場合(ステップS12;Yes)、盛土構築物Cが完成したことになる。以上が構築方法M1の説明である。
上述した形状特定システム1及び構築方法M1によれば、盛土構築物の現状出来形が正しく特定される。その結果、最終設計出来形に照らし精度の高い盛土構築物が構築される。
[第2実施形態]
以下に本発明の第2実施形態にかかる形状特定システム2を説明する。形状特定システム2は、第1実施形態にかかる形状特定システム1と多くの点で共通している。従って、以下に、形状特定システム2が形状特定システム1と異なる点を説明し、共通している点の説明は省略する。また、以下の説明において、形状特定システム2が形状特定システム1と共通して備える構成部には、第1実施形態の説明において用いた符号と同じ符号を用いる。
図12は形状特定システム2の全体構成を示した図である。形状特定システム2は、形状特定システム1が備えるサーバ装置11、GNSSユニット12、及び、端末装置13に加え、工事車両8Dに設置されている傾斜計24D(傾斜測定手段の一例)と、工事車両8Rに設置されている傾斜計24R(傾斜測定手段の一例)を備える。以下、傾斜計24Dと傾斜計24Rを「傾斜計24」と総称する。傾斜計24は工事車両8の水平面(又は鉛直方向)に対する傾斜方向を測定する装置である。傾斜計24は外部の装置と無線通信を行う通信インタフェースを有し、例えば移動体通信網を介してサーバ装置11に対し、測定した傾斜方向を示すデータを順次送信する。
図13は形状特定システム2を用いて行われる盛土構築物Cの構築方法(以下、「構築方法M2」という)のフロー図である。構築方法M2は、第1実施形態にかかる構築方法M1と比較し、第1の座標に基づき盛土構築物Cの現状出来形を特定する処理が異なる。すなわち、構築方法M2においては、構築方法M1のステップS07〜S10に代えて、ステップS21及びS22が行われる。以下にステップS21及びS22を説明する。
サーバ装置11は、GNSSユニット12から送信されてきた3次元座標(以下、「第1の座標」という)の各々に対し、実質的に同じタイミングで傾斜計24から送信されてきたデータが示す傾斜(GNSSユニット12が位置を測定したタイミングと実質的にタイミングに傾斜計24が測定した傾斜)に応じてベクトルV1を回転して得られるベクトルV2の数値を加算して、複数の第2の座標(第1実施形態における第3の座標に相当する座標)を算出する(ステップS21)。
ステップS21においてサーバ装置11が行う処理は、第1実施形態におけるステップS09の処理と比較し、用いる傾斜方向が傾斜計24により測定されたものである点を除き同じである(図8参照)。
続いて、サーバ装置11はステップS21において過去に算出した多数の第2の座標を近似する平面を特定する(ステップS22)。ステップS22で特定される平面は、盛土構築物Cの現状出来形を正しく表す。その後、第1実施形態と同様に、ステップS11の処理が行われる。
上述した形状特定システム2及び構築方法M2によっても、第1実施形態にかかる形状特定システム1及び構築方法M1と同様に、盛土構築物の現状出来形が正しく特定される。その結果、最終設計出来形に照らし精度の高い盛土構築物が構築される。
[変形例]
上述の実施形態は本発明の一具体例であって、本発明の技術的思想の範囲内において様々に変形可能である。以下にそれらの変形の例を示す。なお、以下に示す2以上の変形例が適宜組み合わされてもよい。
(1)上述した実施形態において、構築される盛土構築物の上面は平面であるものとした。構築される盛土構築物の上面の形状は平面に限られない。構築される盛土構築物の設計出来形の上面が曲面である場合、設計出来形の上面の曲面と同一又は類似の特性を持つ曲面(例えば、球面)によって、現状出来形の上面の形状が近似されてもよい。
(2)上述した実施形態において、構築される盛土構築物の上面は1つの面により構成されるものとした。ここで「1つの面」とは、法線ベクトルが面内のいずれの点においても一意に定まる外縁のある面を意味する。本発明にかかる形状特定システム又は構築方法の対象となる盛土構築物の上面は、1つの面により構成されるものに限られず、互いに連続する複数の面により構成されていてもよい。
その場合、複数の面は盛土構築物の表面を、例えば所定形状(矩形や三角形等)及び所定サイズの多数の領域に分割し、分割により得られた多数の領域の各々に関し、作業点Bの3次元座標を近似する平面又は曲面を特定するように構成されてもよい。
(3)上述した実施形態において、サーバ装置11が行う処理の少なくとも一部が、端末装置13により行われてもよい。また、端末装置13Dと端末装置13Rが区別されない1つの装置として構成されてもよい。その場合、作業者は1つの端末装置を工事車両8Dの操縦時と工事車両8Rの操縦時の両方において用いることになる。
(4)上述した実施形態又は変形例において示した盛土構築物の形状や、それらの盛土構築物を構成する層の数及び各層の形状は例示であって、本発明にかかる形状特定システム及び構築方法の対象となる盛土構築物の形状等には何ら制限が課されることはない。
1…形状特定システム、2…形状特定システム、8D…工事車両、8R…工事車両、11…サーバ装置、12D…GNSSユニット、12R…GNSSユニット、13D…端末装置、13R…端末装置、24D…傾斜計、24R…傾斜計。

Claims (2)

  1. 盛土材料の表面を走行しながら当該盛土材料による盛土構築物の成形を行う車両が当該盛土構築物に対し作業を行う点を作業点とするとき、
    前記車両において前記作業点と所定の位置関係を保つ設置位置に取り付けられ、当該設置位置の地球上の位置を示す第1の座標を測定する位置測定手段と、
    前記位置測定手段が測定した複数の第1の座標の各々に対し前記位置関係を示すベクトルの数値を加算して前記作業点の仮の位置を示す複数の第2の座標を算出し、前記複数の第2の座標を近似する所定の特性の第1の面を特定し、前記複数の第1の座標の各々に対し前記第1の面の傾斜に応じて前記ベクトルを回転して得られるベクトルの数値を加算して前記作業点の位置を示す複数の第3の座標を算出し、前記複数の第3の座標を近似する所定の特性の第2の面を、前記盛土構築物の表面の形状を表す面として特定する形状特定手段と
    を備える盛土構築物の形状特定システム。
  2. 盛土材料の表面を走行しながら当該盛土材料による盛土構築物の成形を行う車両が当該盛土構築物に対し作業を行う点を作業点とするとき、
    前記車両が盛土構築物の成形を行う成形工程と、
    前記成形工程中に、前記車両において前記作業点と所定の位置関係を保つ設置位置に取り付けられた位置測定手段により当該設置位置の地球上の位置を示す第1の座標を測定する位置測定工程と、
    前記位置測定工程において測定した複数の第1の座標の各々に対し前記位置関係を示すベクトルの数値を加算して前記作業点の仮の位置を示す複数の第2の座標を算出し、前記複数の第2の座標を近似する所定の特性の第1の面を特定する第1面特定工程と、
    前記複数の第1の座標の各々に対し前記第1の面の傾斜に応じて前記ベクトルを回転して得られるベクトルの数値を加算して前記作業点の位置を示す複数の第3の座標を算出し、前記複数の第3の座標を近似する所定の特性の第2の面を、前記盛土構築物の表面の形状を表す面として特定する第2面特定工程と
    を備える盛土構築物の構築方法。
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