JP6968922B2 - 盛土構築物の形状特定システム及び盛土構築物の構築方法 - Google Patents

盛土構築物の形状特定システム及び盛土構築物の構築方法 Download PDF

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Description

本発明は、盛土構築物を構築するための技術に関する。
盛土構築物の構築工事において、作業者は構築中の盛土構築物の現状の出来形を設計出来形に近づけるように盛土の撒出し厚等の調整を行う。従って、工事作業者には、構築中の盛土構築物の現状の出来形をできるだけ正確に知りたい、というニーズがある。
上記のニーズを満たすために、構築中の盛土構築物の上面を移動する工事車両(ブルドーザ、振動ローラ等)にGNSS(Global Navigation Satellite System、全球測位衛星システム)の受信用アンテナを設置し、GNSSにより計測した受信用アンテナの3次元座標に基づき構築中の盛土構築物の上面の現状の出来形を特定する技術が提案されている。
上記の技術を提案している特許文献として、例えば特許文献1がある。特許文献1には、盛立工事現場を移動して転圧する振動ローラから送信される3次元座標による位置情報を取り込んで出来形情報を得る現場管理システムが提案されている。
特開2015−168991号公報
盛土構築物の構築工事において、作業者が盛土の撒出し厚を正しく決定するためには、作業者は最後に締固めが行われた時点の盛土構築物の出来形を正しく知る必要がある。
そこで、振動ローラ、タイヤローラ等の締固めを行う車両(以下、「締固車両」という)にGNSSの受信アンテナを設置し、GNSSにより計測した締固車両の地球上の位置に基づき、最後に締固めが行われた時点の盛土構築物の上面の出来形を特定する方法(以下、「GNSSによる出来形特定方法」という)が考えられる。
締固車両の重量は、締固めを行うため、ブルドーザ等の他の種類の工事車両の重量と比較して重く、そのため、締固車両が盛土構築物の上面の外縁付近を走行すると、外縁付近の盛土が締固車両の荷重に耐えきれず崩落する危険がある。そのため、締固車両は盛土構築物の上面の外縁から所定距離内の領域を走行することができない。また、締固車両により締固めができない領域に関しては、ローラ、タンパやランマ等のハンドガイド式の締固機により締固めが行われるが、締固車両による締固めより締固度が不足するため、締固車両以外の工事車両であってもその領域を走行すると盛土が崩壊する恐れがある。
上記のように締固車両をはじめ工事車両は盛土構築物の上面の外縁付近を走行できないので、従来のGNSSによる出来形特定方法によっては、盛土構築物の現状の上面のうち、外縁付近の領域の出来形を特定できない、という問題がある。
上記の事情に鑑み、本発明は、締固車両により締固めが行われた盛土構築物の上面の外縁付近を含む全領域の出来形を特定する手段を提供する。
本発明は、構築中の盛土構築物の上面を走行しながら前記盛土構築物の締固めを行う車両の地球上の位置を示す座標を測定する位置測定手段と、前記盛土構築物の上面のうち前記車両が走行した領域の形状を、前記位置測定手段が測定した複数の座標に基づき特定される前記車両の作業点の複数の座標を近似する所定の特性の面で特定し、当該特定した面を前記盛土構築物の設計出来形まで拡張して、前記盛土構築物の現状の上面のうち前記車両が非走行の領域の形状を特定する形状特定手段とを備える盛土構築物の形状特定システムを第1の態様として提案する。
上記の第1の態様にかかる形状特定システムにおいて、前記形状特定手段は、前記位置測定手段が測定した複数の座標及び前記盛土構築物の設計出来形の少なくとも一方に基づき、前記盛土構築物の上面を異なる面で近似される複数の領域に分割し、当該複数の領域の各々を近似する前記所定の特性の面であって隣接する他の面と隙間無く繋がっている面で、構築中の前記盛土構築物の上面の形状を特定する、という構成が第2の態様として採用されてもよい。
また、本発明は、車両が、構築中の盛土構築物の上面の上を走行しながら前記盛土構築物の締固めを行う工程と、前記締固めを行う工程中に前記車両の地球上の位置を示す座標を測定する工程と、前記盛土構築物の上面のうち前記車両が走行した領域の形状を、前記測定する工程において測定した複数の座標に基づき特定される前記車両の作業点の複数の座標を近似する所定の特性の面で特定し、当該特定した面を前記盛土構築物の設計出来形まで拡張して、前記盛土構築物の現状の上面のうち前記車両が非走行の領域の形状を特定する工程とを備える盛土構築物の構築方法を第3の態様として提案する。
上記の第3の態様にかかる構築方法において、前記特定する工程は、前記測定する工程において測定した複数の座標及び前記盛土構築物の設計出来形の少なくとも一方に基づき、前記盛土構築物の上面を互いに異なる面で近似される複数の領域に分割する工程と、前記分割する工程において得られる複数の領域の各々を近似する前記所定の特性の面であって隣接する他の面と隙間無く繋がっている面で、構築中の前記盛土構築物の上面の形状を特定する工程とを含む、という構成が第4の態様として採用されてもよい。
上記の第1の態様にかかる形状特定システム、又は、上記の第3の態様にかかる構築方法によれば、締固車両により締固めが行われた盛土構築物の上面の全領域の出来形が特定される。
上記の第2の態様にかかる形状特定システム、又は、上記の第4の態様にかかる構築方法によれば、盛土構築物の上面の形状が複雑であっても、その全領域の出来形が特定される。
本発明によれば、締固車両により締固めが行われた盛土構築物の上面の全領域の出来形が特定される。
一実施形態にかかる形状特定システムの全体構成を示した図 一実施形態にかかる工事車両の外観を模式的に示した図。 一実施形態の説明に例として用いる盛土構築物の形状を示した図。 一実施形態の説明に例として用いる盛土構築物が構築されてゆく様子を示した図。 一実施形態にかかる構築方法のフロー図。 一実施形態にかかる構築方法においてサーバ装置が行う現状出来形の特定の手順を説明するための図。 一変形例の説明に例として用いる盛土構築物の設計出来形を例示した図。 一変形例の説明に例として用いる盛土構築物の現状出来形を特定する手順を説明するための図。
[実施形態]
以下に本発明の一実施形態にかかる形状特定システム1を説明する。形状特定システム1は、道路、堤防等の盛土構築物の構築中にその盛土構築物の現状の形状を特定するシステムである。
図1は、形状特定システム1の全体構成を示した図である。形状特定システム1は、サーバ装置11と、工事車両8Dの所定位置に設置されたGNSSユニット12Dと、工事車両8Rの所定位置に設置されたGNSSユニット12Rと、工事車両8Dを操縦する作業者に使用される端末装置13Dと、工事車両8Rを操縦する作業者に使用される端末装置13Rを備える。
サーバ装置11は、GNSSユニット12D、GNSSユニット12R、端末装置13D、端末装置13Rの各々と通信を行う。これらの装置が通信を行うために用いるネットワークは、例えば移動体通信網と、移動体通信網に接続されたインターネットである。ただし、これらの装置が通信を行うために用いるネットワークの種別はこれらに限られず、例えば、WiFi(登録商標)等の無線通信規格に従った無線通信網であってもよい。
サーバ装置11のハードウェアは一般的なコンピュータであり、プログラムに従い各種データ処理を行うプロセッサ、プログラムを含む各種データを記憶するメモリ、外部の装置と通信を行う通信インタフェースを備える。
サーバ装置11は、プログラムに従うプロセッサの処理により、主に以下の機能を実現する。
(1)盛土構築物の構築開始前に、設計出来形と材料特性等の情報に基づき、盛土構築物を構成する複数の層の各々に関する材料の撒出し量、敷きならし厚、締固め回数等の作業計画の策定を行う計画策定手段。
(2)構築中の盛土構築物の現状の形状(以下、「現状出来形」という)を特定する形状特定手段。
(3)盛土構築物を構成する複数の層の各々に関し、締固め作業の完了時に形状特定手段が特定した盛土構築物の現状出来形と、設計出来形との比較結果に基づき、計画策定手段が策定した作業計画を修正する計画修正手段。
(4)計画策定手段により策定された作業計画、又は、計画修正手段により修正された作業計画に基づき、端末装置13D又は端末装置13Rに対し、工事車両を操縦する作業者に向けた作業のガイダンスを送信する送信手段。
GNSSユニット12D及びGNSSユニット12R(位置測定手段の一例)は受信アンテナを有し、GNSS衛星9から送信されてくる測位用信号を受信アンテナによって受信し、受信した測位用信号に基づき受信アンテナの地球上の位置を測定し、測定結果を示す3次元座標を生成する装置である。
また、GNSSユニット12D及びGNSSユニット12Rは、外部の装置と無線通信を行う通信インタフェースを有し、例えば移動体通信網を介してサーバ装置11に対し、生成した3次元座標を順次送信する。
端末装置13D及び端末装置13Rのハードウェアは一般的なコンピュータであり、プログラムに従い各種データ処理を行うプロセッサ、プログラムを含む各種データを記憶するメモリ、外部の装置と無線通信を行う通信インタフェースを備える。また、端末装置13D及び端末装置13Rのハードウェアは、ユーザに対し各種情報を表示するディスプレイと、自装置に対するユーザの各種操作を受け付けるための操作デバイスを備える。
本実施形態において、端末装置13D及び端末装置13Rはタブレット型PC(Personal Computer)であるものとする。すなわち、端末装置13D及び端末装置13Rのハードウェアは、ディスプレイとタッチパネル(操作デバイスの一例)が積層され一体に構成されたタッチスクリーンを備える。
端末装置13D及び端末装置13Rは、プログラムに従うプロセッサの処理により、サーバ装置11から送信される作業者向けのガイダンスを表示する表示手段として機能する。
図2は、工事車両8D(図2(A))及び工事車両8R(図2(B))の外観を模式的に示した図である。工事車両8Dは材料の撒出しと敷きならしを行うブルドーザである。工事車両8Rは材料の締固めを行う振動ローラである。なお、本実施形態においては、例として、盛土構築物の構築はブルドーザと振動ローラにより行われるものとするが、盛土構築物の構築に用いられる工事車両の種類の組み合わせはこれに限られない。例えば、ブルドーザに代えて材料の撒出しを行うダンプトラックが用いられてもよいし、ブルドーザにダンプトラックを加えてもよい。また、振動ローラに代えて材料の締固めを行うタイヤローラが用いられてもよい。
図2(A)に示すように、GNSSユニット12Dは工事車両8Dの所定位置に設置されている。工事車両8Dの作業点B1とGNSSユニット12Dの位置関係は概ね変化しない。従って、GNSSユニット12Dの地球上の位置を示す3次元座標が分かり、その3次元座標の経時変化から工事車両8Dの進行方向が分かれば、工事車両8Dの作業点B1の地球上の位置を示す3次元座標は単純な変換により求められる。なお、作業点B1は、材料の撒出し及び敷きならしの作業が行われる位置を意味する。
また、図2(B)に示すように、GNSSユニット12Rは工事車両8Rの所定位置に設置されている。工事車両8Rの作業点B2とGNSSユニット12Rの位置関係は概ね変化しない。従って、GNSSユニット12Rの地球上の位置を示す3次元座標が分かり、その3次元座標の経時変化から工事車両8Rの進行方向が分かれば、工事車両8Rの作業点B2の地球上の位置を示す3次元座標は単純な変換により求められる。なお、作業点B2は、材料の締固めの作業が行われる位置を意味する。
以下に、形状特定システム1の動作を説明する。図3は、以下の説明に例として用いる盛土構築物Cの形状を示した図である。盛土構築物Cは4層、すなわち、積層された層c1〜c4で構成されるものとする。
図4は、盛土構築物Cが構築されてゆく様子を示した図である。まず、図4(A)に示されるように、層c1が構築される。層c1の構築においては、まず、工事車両8Dにより、盛土構築物Cの構築されるべき領域の既存面の上に、予め計画された量の材料の撒出しが行われる。続いて、工事車両8Dにより、予め計画された厚さとなるように撒出された材料の敷きならしが行われる。
続いて、工事車両8Rにより、予め計画された回数だけ、敷きならされた材料の締固めが行われる。ただし、層c1のうち、工事車両8Rにより締固めが行われる領域は、層c1の上面の点線で囲まれた中央領域D1Cのみである。すなわち、層c1の法面D1Dと、層c1の上面の外縁から所定距離内の領域である外縁領域D1Eに関しては、工事車両8Rによる締固めは行われない。従って、工事車両8Rによる中央領域D1Cの締固めが完了すると、続いて、作業者により、タンパ等のハンドガイド式の締固機を用いた法面D1D及び外縁領域D1Eに対する締固めが行われる。これにより、層c1の構築が完了する。
層c1の構築が完了すると、層c1の上に、層c2〜c4が順次構築される。層c2〜c4の構築の手順は、層c1の構築の手順と同様である。
盛土構築物Cの構築の大まかな手順は上記のとおりであるが、形状特定システム1を用いた本実施形態にかかる方法においては、層c1〜c3の各々の締固めが完了した時点で、盛土構築物Cの現状出来形と設計出来形との比較が行われ、比較結果に基づき次の層の構築における材料の撒出し量の計画の修正が行われる。また、層c4の締固めが完了した時点で、盛土構築物Cの現状出来形と設計出来形との比較が行われ、比較結果に基づき層c4の修正の要否判定等が行われる。以下に、形状特定システム1を用いて行われる盛土構築物Cの構築方法(以下、「構築方法M」という)を説明する。
図5は、構築方法Mのフロー図である。まず、サーバ装置11は、盛土構築物Cの最終設計出来形と材料の特性等に基づき、層c1〜c4の各々に関し、材料の撒出し量、敷きならし厚、及び締固め回数の計画を策定する(ステップS01)。材料の撒出し量の計画とは、どの位置にどれだけの量の材料を撒出すか、という計画である。材料の敷きならし厚の計画とは、どの位置にどの材料をどれだけの厚さに敷きならすか、という計画である。材料の締固め回数の計画とは、どの位置を何回締固めるか、という計画である。
続いて、サーバ装置11は、今から構築する層が層c1〜c4のいずれかを示す数字(層数)を変数nに代入する(ステップS02)。ステップS02が最初に実行される場合、nには層c1を示す「1」が代入される。以下、層c1〜c4のうちn番目の層を「層cn」と記載する。
続いて、作業者が工事車両8Dを操縦して層cnに関する材料の撒出しを行う(ステップS03)。ステップS03が行われる間、サーバ装置11はGNSSユニット12Dから順次送信されてくる3次元座標に基づき、工事車両8Dの作業点B1の3次元座標を算出し、算出した3次元座標が示す作業点B1の2次元位置に応じた、ステップS01に策定した計画に従う撒出し量を端末装置13Dに送信する。端末装置13Dは、サーバ装置11から送信されてくる撒出し量をガイダンスとしてディスプレイに表示する。工事車両8Dを操縦する作業者は、盛土構築物Cが構築されるべき領域を工事車両8Dで走行しながら、端末装置13Dに表示される撒出し量の材料を撒出する。
層cnに関する材料の撒出しが完了すると、続いて作業者は、工事車両8Dを操縦して層cnに関する材料の敷きならしを行う(ステップS04)。ステップS04が行われる間、サーバ装置11はGNSSユニット12Dから順次送信されてくる3次元座標に基づき、工事車両8Dの作業点B1の3次元座標を算出し、算出した3次元座標が示す作業点B1の2次元位置に応じた、ステップS01に策定した計画に従う敷きならし厚を端末装置13Dに送信する。端末装置13Dは、サーバ装置11から送信されてくる敷きならし厚をガイダンスとしてディスプレイに表示する。工事車両8Dを操縦する作業者は、盛土構築物Cが構築されるべき領域を工事車両8Dで走行しながら、端末装置13Dに表示される敷きならし厚となるように、材料を敷きならす。
層cnに関する材料の敷きならしが完了すると、続いて作業者は、工事車両8Rを操縦して層cnに関する材料の締固めを行う(ステップS05)。ステップS05において締固めが行われる領域は、層cnの中央領域(例えば、層c1であれば中央領域D1C)である。ステップS05が行われる間、サーバ装置11はGNSSユニット12Rから順次送信されてくる3次元座標に基づき、工事車両8Rの作業点B2の3次元座標を算出し、算出した3次元座標が示す作業点B2の2次元位置に応じた、ステップS01で策定した計画に従う締固め回数を端末装置13Rに送信する。端末装置13Rは、サーバ装置11から送信されてくる締固め回数をガイダンスとしてディスプレイに表示する。工事車両8Rを操縦する作業者は、端末装置13Rに表示される締固め回数だけ繰り返し中央領域(例えば、層c1であれば中央領域D1C)内を工事車両8Rで走行しながら材料の締固めを行う。
層cnに関する工事車両8Rを用いた材料の締固めが完了すると、続いて作業者は、タンパ等のハンドガイド式の締固機を用いて、層cnの工事車両8Rが非走行の領域である法面及び外縁領域(例えば、層c1であれば法面D1D及び外縁領域D1E)の締固めを行う(ステップS06)。
ステップS06の締固め作業が完了し、例えば作業者が端末装置13D又は端末装置13Rに所定の操作を行うと、サーバ装置11は端末装置13D又は端末装置13RからステップS06の完了の通知を受けて、層cnの現状出来形の特定を行う(ステップS07)。
図6は、サーバ装置11がステップS07において行う、層cnの現状出来形の特定の手順を説明するための図である。図6(A)は最終設計出来形Eを斜め上から見た図であり、図6(B)は最終設計出来形Eを図6(A)の矢印方向に見た図である。なお、図6において、Gは基準面を示す。
図6(C)は工事車両8Rが最後の締固めのために層cnの材料の上を走行した際にGNSSユニット12Rにより測定された3次元座標に基づき特定された工事車両8Rの作業点B2の3次元位置をドットで示した状態の俯瞰図であり、図6(D)はそれらのドットを図6(C)の矢印方向に見た図である。なお、図6(C)及び図6(D)においては、作業点B2の3次元位置を分かり易く示すために、作業点B2の3次元位置と基準面GとのZ座標差がドットから基準面Gに鉛直方向に降ろした線分として付加されている。これらの線分の長さは、各ドットが示す位置の基準面Gからの高さを示す。
サーバ装置11は、図6(C)及び図6(D)にドットで示される複数の3次元座標を近似する平面F(外縁のある有限な平面)を特定する。なお、複数の3次元座標を近似する平面を特定する方法としては、最小二乗法を用いる方法等、既知のいずれの方法が用いられてもよい。図6(E)はサーバ装置11が特定した平面Fの俯瞰図であり、図6(F)は平面Fを図6(E)の矢印方向に見た図である。
続いて、サーバ装置11は、平面Fを外側に、すなわち工事車両8Rの非走行部分に向けて、盛土構築物Cの最終設計出来形Eの法面に達するまで拡張する。図6(G)は最終設計出来形Eの法面に達するまで拡張された平面Fを俯瞰した図である。図6(G)において、平面Fのうち破線で囲まれた領域が拡張前の領域、すなわち中央領域である。また、破線と実線の間の領域が拡張により補完された領域、すなわち外縁領域である。図6(H)は最終設計出来形Eの法面に達するまで拡張された平面Fを図6(G)の矢印方向に見た図である。図6(H)において、平面Fのうち破線で示される領域が拡張前の領域(中央領域)であり、実線で示される領域が拡張により補完された領域(外縁領域)である。
サーバ装置11は、上記のように拡張した平面Fを、層cnの現状出来形の上面の形状として特定する。また、サーバ装置11は、最終設計出来形Eのうち、拡張後の平面Fより下の部分の形状を現状出来形の法面の形状として特定する。以上が、サーバ装置11がステップS07(図5参照)において行う処理の内容である。以下、ステップS07において特定される層cnの現状出来形を「現状出来形Hn」(ただし、nは1〜4のいずれかの自然数)と記載する。
ステップS07における現状出来形Hnの特定が完了すると、サーバ装置11は現状出来形Hnと層cnの設計出来形とを比較する(ステップS08)。
続いて、サーバ装置11は、現在のnの値が4であるか否か、すなわち、構築された層が最終の層c4であるか否か判定する(ステップS09)。
現在のnの値が4でない場合(ステップS09;No)、サーバ装置11はnに1を加算した後(ステップS10)、ステップS08における比較の結果に基づき、新たな層cnに関しステップS01において策定されている材料の撒出し量、敷きならし厚、及び、締固め回数の計画を必要に応じて修正する(ステップS11)。その後、処理をステップS03に移す。そして、新たな層cnに関し、ステップS03以降の処理が実行される。
ステップS09において、現在のnの値が4である場合(ステップS09;Yes)、サーバ装置11はステップS08の比較結果が良好であるか否か、すなわち、層c4の設計出来形に照らした層c4の現状出来形H4のZ方向乖離数値がどの位置においても許容範囲内であるか否か、を判定する(ステップS12)。
ステップS12において、比較結果が良好でないと判定した場合(ステップS12;No)、サーバ装置11は層c4の設計出来形に照らした層c4の現状出来形H4のZ方向乖離数値が許容範囲を超えている部分に関し、修正作業の計画を策定し、策定した計画に従う作業の指示を端末装置13D又は端末装置13Rに送信する(ステップS13)。
作業者は、端末装置13D又は端末装置13Rのディスプレイに、サーバ装置11から送信されてくる修正作業の指示が表示されると、その指示に従い修正作業を行う(ステップS14)。例えば、作業者は、端末装置13Dに表示される指示に従い、工事車両8Dを操縦して、層c4のうち層厚が厚すぎる部分を削ったり、層厚が薄すぎる部分に追加の材料を撒出し、その材料を敷きならしたりする。また、作業者は、端末装置13Rに表示される指示に従い、工事車両8Rを操縦して、例えば、修正のために追加で撒出され敷きならされた材料や、上側部分の削り取りが行われた材料を締固める。
作業者がステップS14の作業を完了し、端末装置13D又は端末装置13Rに所定の操作を行うと、サーバ装置11は端末装置13D又は端末装置13RからステップS14の完了の通知を受けて、処理をステップS07に移す。そして、修正された層c4に関し、ステップS07以降の処理が実行される。
ステップS12において、比較結果が良好であるとサーバ装置11が判定した場合(ステップS12;Yes)、盛土構築物Cが完成したことになる。以上が構築方法Mの説明である。
上述した形状特定システム1及び構築方法Mによれば、盛土構築物を構成する複数の層の各々に関し、締固めが完了した時点における現状出来形が特定され、その層の設計出来形との比較結果に基づき、次の層の構築における材料の撒出し量等の計画が修正される。また、締固めが完了した層が最終の層であれば、その時点における現状出来形と設計出来形の比較結果に基づき、現状の盛土構築物を修正するための作業が計画され、作業者に通知される。
特筆すべき点は、形状特定システム1において特定される盛土構築物の現状出来形は、GNSSにより測定された締固車両の移動の軌跡を示す3次元座標群に基づき特定されるにもかかわらず、締固車両が走行できない盛土構築物の外縁付近の領域に関する情報の欠落がない、という点である。従って、作業者は、盛土構築物の構築において、各層の外縁付近の領域においても形状特定システム1により策定され、必要に応じて修正された計画に従い、適切な量の材料を撒出し、適切な厚さで材料の敷きならしを行い、適切な回数だけ締固めの作業を行うことができる。その結果、最終設計出来形に照らし精度の高い盛土構築物が構築される。
[変形例]
上述の実施形態は本発明の一具体例であって、本発明の技術的思想の範囲内において様々に変形可能である。以下にそれらの変形の例を示す。なお、以下に示す2以上の変形例が適宜組み合わされてもよい。
(1)上述した実施形態において、構築される盛土構築物の上面は平面であるものとした。構築される盛土構築物の上面の形状は平面に限られない。仮に、構築される盛土構築物の設計出来形の上面を曲面とした場合であっても、設計出来形の上面の曲面と同一又は類似の特性を持つ曲面(例えば、球面)によって、現状出来形の上面の形状を近似すればよい。
(2)上述した実施形態において、構築される盛土構築物の上面は1つの面により構成されるものとした。ここで「1つの面」とは、1つの平面が連続した領域、又は、所定の特性を持つ1つの曲面が連続した領域を意味する。本発明にかかる形状特定システム又は構築方法の対象となる盛土構築物の上面は、1つの面により構成されるものに限られず、互いに連続する複数の面により構成されていてもよい。
図7は、上面が複数の面で構成される盛土構築物Jの設計出来形を例示した図である。図7に例示の盛土構築物Jの上面は平面K1と平面K2で構成されている。盛土構築物Jは層j1、層j2、層j3で構成され、層j3の構築において平面K1及び平面K2に応じた勾配が付けられるものとする。
図8は、盛土構築物Jの層j3に関する締固めが完了した時点で、サーバ装置11が層j3の現状出来形を特定する手順を説明するための図である。図8(A)は、基準面Lの上方に、層j3に対する最後の締固めが行われた際に測定された、中央領域における工事車両8Rの作業点B2の3次元位置を示す複数のドットを配置した図である。
サーバ装置11は、基準面Lを、設計出来形の平面K1に応じた領域N1と、設計出来形の平面K2に応じた領域N2に分割する。例えば、領域N1は設計出来形を平面視した場合に平面K1と重なる領域であり、領域N2は設計出来形を平面視した場合に平面K2と重なる領域である。
サーバ装置11は、領域N1の上方に位置するドットに応じた3次元座標を近似する平面P1と、領域N2の上方に位置するドットに応じた3次元座標を近似する平面P2を特定する。その際、平面P1と平面P2を全く個別に特定すると、図8(B)に示すように、特定される平面P1と平面P2は必ずしも連続しない。すなわち、各々が外縁を有する平面P1と平面P2の間には隙間が生じてしまう。
上記の不都合を解消するために、サーバ装置11は、設計出来形を平面視した場合に、平面K1と平面K2の間に形成される稜線Qと一致するいずれかの直線を平面P1及び平面P2の両方が含む、という制約条件を課して、図8(A)に示したドットに応じた3次元座標を近似する平面P1及び平面P2を特定する。これにより、図8(C)に示すように、稜線Qの付近において互いに隙間無く繋がる平面P1と平面P2が特定される。
サーバ装置11は、上記のように特定した平面P1及び平面P2を、盛土構築物Jの最終設計出来形に達するまで外側に拡張して、現状出来形の上面の形状のうち欠落している外縁領域の形状を補完する。
上記の例では、盛土構築物Jの現状出来形の上面は、盛土構築物Jの設計出来形の平面K1及び平面K2に基づき分割される。これに代えて、図8(A)に示したドットに応じた3次元座標に基づき、盛土構築物Jの現状出来形の上面が2つの領域に分割されてもよい。例えば、サーバ装置11は、あるドットから近隣のドットへ向かうベクトルがいずれも1つの平面に概ね沿っている場合、そのドットは現状出来形の上面を構成する2つの平面のいずれかの内側に位置するドットであり、それ以外のドットは2つの平面の境界線上に位置する点であると判定する。そして、サーバ装置11は、2つの平面の境界線上に位置する点を近似する直線を、2つの面の境界線として特定し、特定した境界線により、現状出来形の上面を2つの領域に分割する。
また、サーバ装置11が、盛土構築物Jの上面を、例えば所定形状及び所定サイズの矩形や三角形等の基準形状の多数の領域に分割し、分割により得られた多数の領域の各々に関し、工事車両8Rの作業点B2の3次元座標を近似する平面又は曲面を特定するように構成されてもよい。
(3)上述した実施形態において、サーバ装置11が行う処理の少なくとも一部が、端末装置13D又は端末装置13Rにより行われてもよい。また、端末装置13Dと端末装置13Rが区別されない1つの装置として構成されてもよい。その場合、作業者は1つの端末装置を工事車両Dの操縦時と工事車両Rの操縦時の両方において用いることになる。
(4)上述した実施形態又は変形例において示した盛土構築物の形状や、それらの盛土構築物を構成する層の数及び各層の形状は例示であって、本発明にかかる形状特定システム及び構築方法の対象となる盛土構築物の形状等には何ら制限が課されることはない。
1…形状特定システム、11…サーバ装置、12D…GNSSユニット、12R…GNSSユニット、13D…端末装置、13R…端末装置、8D…工事車両、8R…工事車両、9…GNSS衛星。

Claims (4)

  1. 構築中の盛土構築物の上面を走行しながら前記盛土構築物の締固めを行う車両の地球上の位置を示す座標を測定する位置測定手段と、
    前記盛土構築物の上面のうち前記車両が走行した領域の形状を、前記位置測定手段が測定した複数の座標に基づき特定される前記車両の作業点の複数の座標を近似する所定の特性の面で特定し、当該特定した面を前記盛土構築物の設計出来形まで拡張して、前記盛土構築物の現状の上面のうち前記車両が非走行の領域の形状を特定する形状特定手段と
    を備える盛土構築物の形状特定システム。
  2. 前記形状特定手段は、前記位置測定手段が測定した複数の座標及び前記盛土構築物の設計出来形の少なくとも一方に基づき、前記盛土構築物の上面を異なる面で近似される複数の領域に分割し、当該複数の領域の各々を近似する前記所定の特性の面であって隣接する他の面と隙間無く繋がっている面で、構築中の前記盛土構築物の上面の形状を特定する
    請求項1に記載の形状特定システム。
  3. 車両が、構築中の盛土構築物の上面の上を走行しながら前記盛土構築物の締固めを行う工程と、
    前記締固めを行う工程中に前記車両の地球上の位置を示す座標を測定する工程と、
    前記盛土構築物の上面のうち前記車両が走行した領域の形状を、前記測定する工程において測定した複数の座標に基づき特定される前記車両の作業点の複数の座標を近似する所定の特性の面で特定し、当該特定した面を前記盛土構築物の設計出来形まで拡張して、前記盛土構築物の現状の上面のうち前記車両が非走行の領域の形状を特定する工程と
    を備える盛土構築物の構築方法。
  4. 前記特定する工程は、
    前記測定する工程において測定した複数の座標及び前記盛土構築物の設計出来形の少なくとも一方に基づき、前記盛土構築物の上面を互いに異なる面で近似される複数の領域に分割する工程と、
    前記分割する工程において得られる複数の領域の各々を近似する前記所定の特性の面であって隣接する他の面と隙間無く繋がっている面で、構築中の前記盛土構築物の上面の形状を特定する工程と
    を含む
    請求項3に記載の盛土構築物の構築方法。
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