JP2014189700A - 樹脂発泡シート及び成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリスチレン系樹脂と、ポリフェニレンエーテル系樹脂とを含有する樹脂を発泡してなり、前記樹脂100質量部に対して、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂10〜50質量部を含有し、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対して、ゴム分1.0〜10.0質量部を含有することよりなる。厚みが500μm以上であり、[表面から200μmの厚みにおける密度]/[全体の密度]で表される密度比は、1.5〜2.5であるのが好ましい。
【選択図】なし
Description
汎用のポリスチレン系樹脂を用いた樹脂発泡シートから成形された容器は、耐熱性が十分に高いものではないため、電子レンジ等によって加熱されると変形しやすいという問題を有する。このため、電子レンジによる加熱調理等に耐え得るポリスチレン系の樹脂発泡シートとして、耐熱ポリスチレン系樹脂を用いたものが開発されている。
しかし、従来の耐熱ポリスチレン系樹脂を用いた発泡シートは、汎用のポリスチレン系樹脂を用いた発泡シートに比べて脆性が強い。このため、耐熱ポリスチレン系樹脂を用いた発泡シートは、押出発泡法等による製造中に破断したり、発泡シートから加熱成形法により容器を成形する際に破断したりすることがあり、生産性が悪かった。
あるいは、例えば、ポリスチレン系樹脂を含むポリスチレン系樹脂発泡層と、ポリスチレン系樹脂及びポリフェニレンエーテル系樹脂を含む耐熱ポリスチレン系樹脂発泡層との積層構造を有する耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡積層シートが提案されている(特許文献2)。
そこで、本発明は、耐熱性に優れ、かつ耐衝撃性に優れる樹脂発泡シートを目的とする。
厚みが500μm以上であり、[表面から200μmの厚みにおける密度]/[全体の密度]で表される密度比は、1.5〜2.5であることが好ましく、前記の全体の密度は、0.05〜0.25g/cm3であることがより好ましい。
本発明の樹脂発泡シート(以下、単に発泡シートということがある)は、ポリスチレン系樹脂(以下、(A)成分ということがある)と、ポリフェニレンエーテル系樹脂(以下、(B)成分ということがある)とを含む樹脂を発泡してなり、ゴム分を含有する。
(A)成分はポリスチレン系樹脂である。(A)成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系モノマーの単独重合体又はこれらの共重合体;スチレン系モノマーを主成分(50質量%以上)とし、スチレン系モノマーとこれに重合可能なビニルモノマーとの共重合体:スチレン系モノマーとブタジエン等のゴム分との共重合体や、スチレン系モノマーの単独重合体もしくはこれらの共重合体もしくはスチレン系モノマーとビニルモノマーとの共重合体とジエン系のゴム状重合体との混合物又は重合体である、いわゆるハイインパクトポリスチレン;等が挙げられる。
スチレン系モノマーと重合可能なビニルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレート、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート等の二官能性モノマー等が挙げられる。これらのビニルモノマーは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
ジエン系のゴム状重合体としては、例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三次元共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられる。
これらの(A)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
リサイクル原料としては、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体、例えば、魚箱、家電緩衝材、食品包装用トレー等を回収し、リモネン溶解方式や加熱減容方式によって再生したものが挙げられる。また、使用することができるリサイクル原料は、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたもの以外にも、家電製品(例えば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン等)や事務用機器(例えば、複写機、ファクシミリ、プリンター等)から分別回収された非発泡のポリスチレン系樹脂成形体を粉砕し、溶融混練してリペレット化したものが挙げられる。
(B)成分は、ポリフェニレンエーテル系樹脂である。発泡シートは、(B)成分を含有することで、優れた耐熱性を発揮する。
(I)式中、nは重合度を表す正の整数である。nは、例えば、通常10〜5000である。
発泡シートはゴム分を含有する。ゴム分を含有することで、耐衝撃性に優れる。加えて、発泡シートの製造時や成形体の製造時に破断するのを防止できる。
(A)成分とは別に配合されるジエン系のゴム状重合体としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三次元共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられる。
発泡シートは、発泡核剤、造核剤、消臭剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤等の添加剤、上述した(A)〜(B)成分以外の樹脂(任意樹脂)等の任意成分を含有できる。
任意樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
全体密度よりも大きい密度の表層部は、発泡シートの一方の面に形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよく、発泡シートの耐衝撃性のさらなる向上を図る観点から、発泡シートの両面に形成されているのが好ましい。
なお、表層密度は、後述する製造方法における冷却用のエアーの温度や風量を調節したり、サーキュラーダイの温度やマンドレルでの冷却温度を調節したりする等、押し出されて発泡した発泡シートの冷却速度を調節することで、任意の範囲に調節される。
発泡シートは、従来公知の製造方法により製造される。
発泡シートの製造方法の一例について、以下に図面を参照して説明する。
図1の発泡シートの製造装置1は、押出成形により発泡シートを得る装置であり、押出機10と、発泡剤供給源18と、サーキュラーダイ20と、マンドレル30と、2つの巻取機40とを備える。
押出機10は、いわゆるタンデム型押出機であり、第一の押出部11と第二の押出部12とが配管16で接続された構成とされている。第一の押出部11はホッパー14を備え、第一の押出部11には、発泡剤供給源18が接続されている。
第二の押出部12には、サーキュラーダイ20が接続され、サーキュラーダイ20の下流には、カッター32を備えるマンドレル30が設けられている。サーキュラーダイ20とマンドレル30との間には、冷却用送風機(不図示)が設けられている。
発泡核剤としては、例えば、タルク、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カルシウム、クレー、クエン酸等が挙げられ、これらの中でもタルクがより好ましい。発泡核剤の配合量は、特に限定されないが、発泡シートを構成する樹脂100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましい。
消臭剤としては、シリカ系、ゼオライト系、リン酸ジルコニウム系等の無機粒子やハイドロタルサイト焼成物等が挙げられる。消臭剤は、ポリフェニレンエーテルに特有の臭気を低減する効果を有する。
消臭剤の配合量は、発泡シートを構成する樹脂100質量部に対して0.05〜20質量部が好ましい。
加熱温度は、樹脂の種類等を勘案して、樹脂が溶融しかつ発泡層任意成分が変性しない範囲で適宜決定される。
発泡剤の配合量は、発泡剤の種類や、発泡シートに求める見掛け密度等を勘案して決定され、例えば、樹脂100質量部に対して1.0〜7.0質量部が好ましい。
樹脂流路に導かれた混合物は、サーキュラーダイ20から押し出され、発泡剤が発泡して円筒状の発泡シート2aとなる。
円筒状の発泡シート2aは、冷却用送風機から送風された冷却用のエアーが吹き付けられつつ、マンドレル30に案内される。円筒状の発泡シート2aは、マンドレル30の外面を通過し、任意の温度に冷却され、カッター32によって2枚に切り裂かれて発泡シート2となる。発泡シート2は、各々ガイドロール42とガイドロール44とに掛け回され、巻取機40に巻き取られて発泡シートロール4となる。
非発泡層を形成する方法としては、例えば、上述の製造方法によって発泡シートと同様の発泡層を得、この表面にTダイ法によって非発泡層を形成する方法が挙げられる。
非発泡層を構成する樹脂としては、例えば、ハイインパクトポリスチレン等の(A)成分、又は(A)成分と(B)成分とを含有する樹脂等が挙げられ、中でも(A)成分が好ましい。(A)成分で構成された非発泡層を形成することで、(B)成分に由来する臭気を低減できる。
非発泡層を形成する樹脂は、非発泡層を形成する樹脂と同じでもよいし、異なってもよい。
本発明の成形体は、上述した本発明の発泡シートを成形してなるものである。
成形体としては、例えば、平面視形状が真円形、楕円形、半円形、多角形、扇形等のトレー、丼形状の容器、有底円筒状又は有底角筒状等の容器、納豆用容器等の蓋付容器等の種々の容器、又は容器本体に装着される蓋体等が挙げられる。
これらの容器の用途としては、例えば、食品用途が好ましい。
成形体の全体密度は、用途等を勘案して決定され、発泡シートの全体密度と同様である。
成形体の表層密度は、用途等を勘案して決定され、発泡シートの全体密度と同様である。
成形体における表層密度比は、発泡シートにおける表層密度比と同様である。
成形体は、従来公知の製造方法により製造され、例えば、発泡シートを任意の温度を加熱しつつ、雌型と雄型とで挟み込んで成形する加熱成形法等が挙げられる。
加えて、ゴム分を(B)成分に対して特定量含有するため、耐熱性を維持したまま、耐衝撃性を高められる。
さらに、本発明の成形体は、本発明の発泡シートを成形して成るため、耐熱性を維持したまま、耐衝撃性を高められる。
図1の発泡シートの製造装置と同様の製造装置を用い、下記のようにして発泡シートを得た。
表1の組成に従い、ポリスチレン樹脂(PS)(商品名:HP−555、ゴム分:0質量%、DIC社製)、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)とPSとの混合物(商品名:ノリルEFN4230、PPE/PS=70/30(質量比)、ゴム分:0質量%、サビック社製)、及び、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(商品名:E640N、ゴム分:6質量%、東洋スチレン社製)を混合した樹脂と、発泡核剤(商品名:DSM1401A、東洋スチレン社製)とを混合した。
前記した原料の混合物をホッパーから第一の混合部(スクリュー径:115mm)に供給し、最高到達温度300℃で加熱し溶融混練して樹脂溶融物とした。
第一の押出部に発泡剤(イソブタン:ノルマルブタン=70:30(質量比)の混合物)を供給し、樹脂溶融物と発泡剤を混合して混合物とした。発泡剤の配合量は、樹脂100質量部対して、表1に示す質量部であった。
混合物を第一の混合部から第二の混合部(スクリュー径:180mm)に供給し、175℃に冷却し、サーキュラーダイ(口径160mm)で押し出し、発泡させて円筒状の発泡シートを得た。この際、サーキュラーダイから押し出された直後に、円筒状の発泡シートの内面及び外面に冷却用のエアー(30℃)を吹き付けて冷却した。冷却用のエアーの吹き付け量(風量)は表1に示す通りであった。
冷却後の円筒状の発泡シートを押出方向に沿って切り裂いて、発泡シートを得た。
得られた発泡シートについて、厚み、坪量、全体密度、円筒状における内面(表中、第一面と記載)の表層密度、円筒状における外面(表中、第二面と記載)の表層密度、耐衝撃性、中間点ガラス転移温度(Tmg)、成形性、容器座屈強度及び容器脆性を評価しその結果を表1に示す。
なお、表中に配合量が記載されていない原料は、配合されていない。
ノリルEFN4230(商品名、サビック社製)の配合量を80質量部とし、HP−555(商品名、DIC社製)の配合量を10質量部とした以外は、実施例1と同様にして発泡シートの製造を試みた。
しかしながら、本例においては、押出機の圧力が上昇し負荷が高くなりすぎて、発泡シートが得られなかった。
<樹脂中のゴム分の測定方法>
原料中のゴム分を下記測定方法により求めた。
試料0.1〜0.5mgを精秤し、これをキューリー点が590℃の強磁性金属体(パイロホイル:日本分析工業(株)製)で圧着するように包んだ。パイロホイルで包まれた試料をキューリーポイントパイロライザーJPS−700型(日本分析工業(株)製)装置にて分解した。分解された試料から生成したブタジエンモノマーと4−ビニルシクロヘキサンとをガスクロマトグラフ GC7820(アジレント・テクノロジー(株)製、検出器:FID)で測定した。得られた合計ピーク面積と、予め準備した絶対検量線から、全ブタジエン量を算出し、これをゴム分とした。
測定条件は、下記の通りである。
・加熱(590℃−5sec)
・オーブン温度(300℃)
・ニードル温度(300℃)
・カラム(Inter Cap5(φ0.25mm×30m(膜厚0.25μm):ジーエルサイエンス(株))
・温度条件(50℃で0.5分保持後、200℃まで10℃/分で昇温し、次いで320℃まで20℃/分で昇温し、320℃にて0.5分保持)
・キャリアーガス(He)
・He流量(25ml/分)
・注入口圧力(100KPa)
・注入口温度(300℃)
・検出器温度(300℃)
・スプリット比(1/30)
検量線作成用の標準試料は、POLYSCIENCES.INC製のSt/BD=85/15(CAT#07073)樹脂を使用した。
発泡シートの幅方向(製造時の進行方向に直交する方向)における任意の21箇所の位置を測定点とした。この測定点を厚み測定器(株式会社テクロック社製、型式:SM−125)で、0.01mm単位で測定した。この測定値の相加平均を各例の発泡シートの厚みとした。
発泡シートの幅方向の両端20mmを除き、幅方向に等間隔に、10cm×10cmの切片10個を切り出し、各切片の質量(g)を0.001g単位まで測定した。各切片の質量(g)の平均値を1m2当たりの質量に換算した値を、坪量(g/m2)とした。
気泡構造を変えないように、50cm3の発泡シートを切り出して試験片とし、この試験片の質量及び体積を測定し、下記(1)式により全体密度を算出した。ただし、試験片は、製造後72時間以上経過(最大90日間)した発泡シートから切り出され、23℃±2℃、50RH%±5RH%の雰囲気条件に24時間放置されたものである。
スライサー(フォーチュナ社(ドイツ)製スプリッティングマシン、型式AB−320−D)にて、発泡シートを表面から200μmの厚みにスライスし、これを幅25mm、長さ150mmにカットして、表層を得た。得られた表層の質量及び体積を測定し、下記(2)式より表層密度を算出した。ただし、表層は、製造後72時間以上経過(最大90日間)した発泡シートから切り出され、23℃±2℃、50RH%±5RH%の雰囲気条件に24時間放置されたものである。
発泡シートから長さ150mm、幅50mmの試験片を切り出した。試験片として、発泡シートの長さ方向(製造時の進行方向)が試験片の長さ方向であるもの(第一の試験片)と、発泡シートの幅方向が試験片の長さ方向であるもの(第二の試験片)とを切り出した。第一の試験片は、発泡シートの長さ方向の少なくとも3点から切り出され、第二の試験片は、発泡シートの幅方向の少なくとも3点から切り出されたものである。
試験片を床面から50mm高さに位置させ、試験片の一方の面を鉛直方向上方に向け、試験片の長さ方向の両端から25mmの位置を2MPaの圧力でクランプした。クランプ間距離は100mmであった。
球形重錘(鋼製、直径27mm、質量80g)を試験片の中央に落下させた。1回目に球形重錘を落下させる高さ(落下高さ)を、試験片の上方5cmとした(落下操作)。第一の試験片5枚と第二の試験片5枚とについて落下操作を行い、第一及び第二の試験片において、破損された試験片の数がいずれも2枚以下であった場合、球形重錘の落下高さを5cm高くし、2回目の落下操作を行った。この落下操作を、落下高さ100cmまで行い、第一及び第二の試験片において、破損された試験片の数がいずれも2枚以下である落下高さの最高値を耐衝撃性の指標とした。
ただし、試験片は、成形後72時間以上経過(最大90日間)した発泡シートから切り出され、23℃±2℃、50RH%±5RH%の雰囲気条件に24時間放置されたものである。
発泡シートから6.5±0.5mgのサンプルを採取し、JIS K7121に基づいて、示差走査熱量測定をした(使用装置:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、示差走査熱量計装置、型名:DSC6220)。本試験においては、JIS K7121 9.3(1)に記載の「中間点ガラス転移温度(Tmg)」を観察した。
本測定の結果、Tmgが110℃以上のものを「耐熱性良好」と評価し、Tmgが110℃未満のものを「耐熱性不良」と判断した。
発泡シートを単発成形機(FM−6AS:東成産業社製)で成形した。成形型の形状は、開口部の径が14.4cm、底部の径が11.8cm、高さ6.0cmである。成形型の形状の再現性がよい場合は、開口部の内径が14.0cm(外径は14.4cm、フランジ部を含めた外径は約15.5cm)、底部内径が11.4cm(外径が11.8cm)、高さ6.2cmである、平面視円形の丼形状の容器を得た。成形条件は、炉内雰囲気温度を160℃とし、加熱時間を13〜15秒間とした。
得られた容器の状態から、以下の評価基準に従って評価した。
○(良好):成形型の形状の再現性がよく、良好な成形品が得られる。
△(やや良好):欠損は生じないが、成形型の形状の再現性がやや悪い。
×(不良):成形品に穴あきや亀裂が生じ、良好な成形品を得られない。
成形性の評価と同様にして得られた容器について、テンシロン万能試験機(型番:UCT−10T、オリエンテック社製)を用いて座屈強度を測定した。座屈強度を測定するに際しては、テンシロン万能試験機に、長方形状の溝が設けられている上側の取付治具と、円弧状の溝が設けられている下側の取付治具とを装着した。
容器の周縁に形成されたフランジ部の上方部分を上側取付治具の長方形状の溝に挿入し、該フランジ部の下方部分を下側取付治具の円弧状の溝に挿入して、容器を上下の取付治具間に支持した。支持された容器を速度100mm/minで圧縮することにより、降伏点までの最大荷重を測定した。最大50mmまで圧縮し、各容器の最大荷重を測定した。各例の容器30個について、最大荷重を測定し、その平均値を容器座屈強度とした。
成形性の評価と同様にして得られた容器30個について、テンシロン万能試験機(型番: UCT−10T、オリエンテック社製)を用いて、容器のフランジ部に圧縮荷重を掛けた。容器脆性を評価するに際しては、テンシロン万能試験機に圧縮冶具を装着した。この圧縮治具は、幅10mm×長さ300mm×高さ50mmの板状で、先端面において、幅方向中央に向かい膨出する曲面(R:10mm)が形成されたものである。容器のフランジ部に圧縮治具を当接させ、この圧縮治具で圧縮距離が10mmになるまで圧縮した。圧縮距離が10mmとなった時点での状態を目視で観察し、その結果を下記評価基準に分類して評価した。
○(良好):亀裂が生じたものが10個以下。
△(やや良好):亀裂を生じたものが10個を超え、20個未満。
×(不良):亀裂を生じたものが20個以上。
さらに、実施例1〜8は、成形性が「△」〜「○」、容器座屈強度が3.5N以上、容器脆性の評価で亀裂を生じたものが12個以下であった。
一方、ゴム分を含有しない比較例1、及びPPE100質量に対するゴム分量が0.6質量部である比較例2は、発泡シートの耐衝撃性の評価が50cmで、容器脆性の評価で亀裂を生じたものが20個以上(評価「×」)であった。
PPE100質量に対するゴム分量が10.0質量部超である比較例3及び4は、Tmgが110℃未満であった。
これらの結果から、本発明を適用することで、耐熱性と耐衝撃性との両立を図れることが判った。
Claims (4)
- ポリスチレン系樹脂と、ポリフェニレンエーテル系樹脂とを含有する樹脂を発泡してなり、
前記樹脂100質量部に対して、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂10〜50質量部を含有し、
前記ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対して、ゴム分1.0〜10.0質量部を含有する樹脂発泡シート。 - 厚みが500μm以上であり、
[表面から200μmの厚みにおける密度]/[全体の密度]で表される密度比は、1.5〜2.5である樹脂発泡シート。 - 前記の全体の密度は、0.05〜0.25g/cm3である請求項1又は2に記載の樹脂発泡シート。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂発泡シートを成形してなる成形体。
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