JP2007284133A - ポリプロピレン系樹脂発泡容器 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂発泡容器 Download PDF

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Abstract

【課題】 複数の収容部を有し、各収容部を容易に分割して使用することができ、電子レンジを用いた加熱においても安全に使用できるポリプロピレン系樹脂発泡容器を提供する。
【解決手段】 密度90〜180kg/m3および坪量0.15〜0.4kg/m2であるポリプロピレン系樹脂発泡シートを熱成形してなる複数の収容部を有し、かつ該収容部が連結部によって連結されている容器であって、該連結部の厚さが0.7〜2.5mmであり、該連結部に収容部を分割するための切断部および非切断部を交互に配したミシン目が形成されており、かつ、該ミシン目における非切断部と切断部の長さの比が1:1〜1:4であり、かつ、非切断部の長さが0.3〜2mmであり、かつ、ミシン目の収容部分割位置両端が切断部となるように形成することにより、上記特性を有するポリプロピレン系樹脂発泡容器を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の収容部を有し、各収容部を容易に分割して使用することができる、電子レンジ適性に優れたポリプロピレン系樹脂発泡容器に関する。
弁当や惣菜、レトルト食品などの調理済み食品や冷凍食品等を収納する容器として、従来から合成樹脂製シートを熱成形して得られる容器が使用されている。
このような容器において、消費者が食品を食する量を選択しやすいよう食品を小分けして収納したり、数種類の食品を分別して収納したりするために、複数の収納部が連結されている容器が用いられることが多く、さらに消費者が食する量または種類に合わせて容器を分割できるようにするために、非発泡の合成樹脂製シート成形容器に複数の収納部を有する容器の連結部に切断部と非切断部を交互に配したミシン目を形成することによって、複数の収納部を容易に分割することができる容器が提案されている(例えば、特許文献1〜2)。
一方で、調理済み食品や冷凍食品は、電子レンジを用いて好みの温度まで加熱された後に食されることが多いが、非発泡合成樹脂製シート熱成形容器は断熱性がほとんどなく電子レンジで加熱された食品の温度とほぼ同一であり、加熱後の容器の取扱い時には火傷などの危険があり、安全性に劣る。
安全性を確保するために断熱性が高いという観点から、発泡合成樹脂シートの使用が挙げられるが、容器の複数の収容部を分割する際に分割する部分の厚さが高いため、複数の収容部を容易に分割しにくい傾向がある。
また、発泡シートとして汎用性の高いポリスチレン系樹脂発泡シートを熱成形して得られる容器を用いた場合、耐熱性や耐油性に劣るため、特に油分の多い食品などを加熱すると、容器の変形が発生したり、容器の穴開きなどの損傷を生じたりするため、加熱後の容器の取扱い時には火傷などの危険があり、安全性に劣る。
このように、容易に分割可能な複数の収容部を有し、かつ、電子レンジを用いた加熱においても安全に使用できる容器が望まれていた。
実開平5−618号 特開2002−114265号
本発明の目的は、複数の収容部を有し、各収容部を容易に分割して使用することができ、電子レンジを用いた加熱においても安全に使用できるポリプロピレン系樹脂発泡容器を提供することにある。
本発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、密度90〜180kg/m3および坪量0.15〜0.4kg/m2であるポリプロピレン系樹脂発泡シートを熱成形してなる複数の収容部を有し、かつ該収容部が連結部により連結されている容器であって、該連結部の厚さが0.7〜2.5mmであり、該連結部に収容部を分割するための切断部および非切断部を交互に配したミシン目が形成されており、かつ、該ミシン目における非切断部と切断部の長さの比が1:1〜1:4であり、かつ、非切断部の長さが0.3〜2mmであり、かつ、ミシン目の収容部分割位置両端が切断部となるように形成されていることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡容器である。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡容器は、食品容器として好適に使用しうる。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡容器は、容器を得るための熱成形用熱可塑性樹脂発泡シートとして基材樹脂がポリプロピレン系樹脂であるポリプロピレン系樹脂発泡シートを用いているので、耐熱性や耐油性、断熱性に優れるため安全である。しかも、複数の収容部を有し、かつ収容部の連結部に形成される分割用のミシン目等の構造を規定することによって、それぞれの収容部を容易に分割できるため、消費者の使い勝手の良い容器が得られた。
図1は、本発明に係るポリプロピレン系樹脂発泡容器1の一例を示す斜視図であり、図2は、図1のI方向から見た容器上面図であり、図3は、図1のII方向から見た容器側面図である。ポリプロピレン系樹脂発泡容器1は、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを熱成形して得られる成形容器であって、食品を収容するための複数の収容部2を有し、各収容部は連結部3で連結されており、連結部3には各収容部を分割するための切断部4および非切断部5を交互に配したミシン目6が形成されている。
なお、図4は、図1におけるミシン目6を形成させた連結部の両端部Aを、容器上部(I方向)より見た拡大図である。本発明のポリプロピレン系樹脂発泡容器においては、図4(a)のように、ミシン目の連結部での端部7(以降、「容器分割開始位置」と称する場合がある)は、切断部となるように形成されている。ミシン目の容器分割開始位置を切断部とすることにより、容器収容部を分割する際に分割開始が容易となり、かつ、ミシン目に沿って誤らずに分割しやすくなる。
本発明において、容器分割開始位置での切断部の形状は、特に限定されず、図4(b)または図4(c)に示すように、連結部縁部の内側方向へ凸となるV字型のノッチ形状であっても良い。容器分割開始位置の切断部の形状を前述のノッチ形状とすることにより、本発明の効果を更に得やすい。
また、図5に示すように、複数の収納部が配列され、連結部でのミシン目が交差する形状の容器においては、図6(図5のBの拡大図)に示すように、切断部が交差するようにミシン目を形成することにより、ミシン目交差部分でも分割を容易とすることができ、また、続いて収容部を分割する際にも分割開始位置が切断部となるので、分割しやすくすることができる。
本発明において、前記ミシン目が形成されている連結部の厚さ(非切断部の厚さ)は、0.7〜2.5mmであることが好ましく、0.8〜2.3mmがより好ましい。該連結部の厚さが0.7mmより小さくなると、該連結部の強度が劣り、食品を収納する際や実際に消費者が使用する際に取り扱いにくい傾向がある。該連結部の厚さが2.5mmより大きくなると、容器収容部を分割しにくい傾向がある。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡容器における、連結部に形成されたミシン目の非切断部と切断部の長さに関しては、複数の収納部を分割しやすく、連結部の強度を確保しやすいという点から、非切断部と切断部の長さの比は1:1〜1:4であり、かつ、非切断部の長さが0.3〜2mmであることが好ましく、非切断部と切断部の長さの比は1:1〜1:3であり、かつ、非切断部の長さが0.5〜1.5mmであることがより好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡容器における連結部に形成されたミシン目の切断部の幅は、容器連結部を分割しやすいという点から、0.2〜1.5mmが好ましく、0.3〜1.2がより好ましい。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂発泡容器は、ポリプロピレン系樹脂発泡シートを用いて、一般的な方法の熱成形を行うことによって得ることが可能である。熱成形方法の例としては、例えば、プラグ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、プラグアシスト成形、プラグアシスト・リバースドロー成形などの方法があげられる。これらの成形方法のなかでも、金型形状転写性に優れ、本発明の容器における収納部の連結部の厚さ範囲を制御しやすい点から、雌雄嵌合金型を用いるマッチド・モールド成形が好ましい。
さらに、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡容器における複数の収納部の連結部にミシン目を形成する方法としては、例えば、上記のような成形方法により複数の収納部を有する容器を成形した後、該容器を切断用刃が所望の間隔にて配列されているミシン目形成用刃体(以降、「トムソン刃」と称する場合がある)と刃体受け板との間へ搬送し、該容器の連結部をミシン目形成用刃体と刃体受け板により挟み込むことにより形成する方法があげられる。
本発明の容器を得るための熱成形に使用されるポリプロピレン系樹脂発泡シートの密度は、90〜180kg/m3であることが好ましく、100〜150kg/m3であることがより好ましい。ポリプロピレン系樹脂発泡シートの密度が90kg/m3より小さいと、容器の厚さが大きくなりすぎて、連結した収容部をミシン目に沿って分割しづらい傾向にあり、180kg/m3より大きいと、電子レンジ加熱などの使用時における断熱性が十分でない傾向がある。
本発明の容器を得るための熱成形に使用されるポリプロピレン系樹脂発泡シートの坪量は、0.15〜0.4kg/m2であることが好ましく、0.18〜0.38kg/m2であることがより好ましい。発泡シートの坪量が0.15kg/m2より小さいと、十分な断熱性を確保しづらいとともに、得られる容器の強度が十分でない傾向にあり、坪量が0.4kg/m2より大きいと、複数の収納部を分割しづらくなり、軽量性に劣り、またコストが上昇する傾向がある。
本発明の熱成形に使用されるポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造に用いられる基材樹脂のポリプロピレン系樹脂としては、その溶融粘度が高く、発泡性に優れるという点から、直鎖線状のポリプロピレン系樹脂(以下、「原料ポリプロピレン系樹脂」ということもある)に対して電子線を照射して長鎖分岐を導入したもの(例えば、サンアロマー社製HMS−PP、等)、または、原料ポリプロピレン系樹脂に対してイソプレン単量体およびラジカル重合開始剤を溶融混練して得られる改質ポリプロピレン樹脂が好ましい。特に、原料ポリプロピレン系樹脂、イソプレン単量体およびラジカル重合開始剤とを溶融混練して得られる改質ポリプロピレン樹脂が、製造が容易であり、安価に製造し得る点、かつ発泡シートの製造に適する溶融粘度の調整が容易である点から、好ましい。
さらには、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造に使用されるポリプロピレン系樹脂は、発泡積層シートの加熱成形時の成形容器側壁部などでの局所的な延伸を起こしにくいため強度に優れ、容器側壁部での断熱性にも優れた成形容器を得やすいことから、210℃で測定した平衡コンプライアンスJeoが1.2×10‐3Pa‐1未満であることが好ましく、1.0×10‐3Pa‐1未満であることがより好ましい。
なお、本明細書中の平衡コンプライアンスJeoの測定には、レオメトリック・サイエンティフィック社製レオメータSR−2000を用い、以下の方法により測定する。3mm厚としたポリプロピレン系樹脂の成形体を二枚の平行円板にはさみ、温度を210±1℃に保って充分に溶融させた後、前記平行円板の間隔を1.4mmに調整し、円板からはみ出した樹脂を取り除く。次いで、時間t=0において、サンプルに与えられる応力σcが100N/m2の一定の値に保たれるように片方の円板を他方に対して回転させ、300秒間にわたりそのときの歪み量γ(t)を経時的に測定する。さらに、前記応力σcを与え始めてからの時間tに対して、以下に示す式で定義されるクリープコンプライアンスJ(t)をプロットする。

充分な時間が経過した後、クリープコンプライアンスJ(t)は時間tに対して直線関係を与えるようになり、平衡コンプライアンスJeoは、前記クリープコンプライアンスJ(t)と時間tとのプロットにおいて、両者が直線関係を与える部分を時間t=0に補外した際の切片として与えられる。
前記原料ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンと共重合しうる他の単量体を共重合したものを用いてもよい。プロピレンと共重合しうる他の単量体としては、例えば、エチレン、ブテン−1、α−オレフィン、環状オレフィン、ジエン系単量体、ビニル単量体などがあげられる。これらの単量体のうち、エチレンまたはブテン−1が、安価である等の点から好ましい。
また、前記原料ポリプロピレン系樹脂の分子量(重量平均分子量)は、工業的に入手しやすいという点から、5万〜200万の範囲内にあることが好ましく、安価であるという点から、10万〜100万の範囲内にあることがさらに好ましい。
本発明の容器を得るための熱成形に使用されるポリプロピレン系樹脂発泡シートの基材樹脂としてのポリプロピレン系樹脂には、必要に応じて、他の樹脂またはゴム成分を本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。基材樹脂としてのポリプロピレン系樹脂に対する、他の樹脂またはゴム成分の添加量は、この樹脂の種類またはゴム成分の種類により異なり、前述のように本発明の効果を損なわない範囲内にあれば良いものであるが、通常、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、25重量部以下であることが好ましい。
また、前記基材樹脂としてのポリプロピレン系樹脂には、さらに、必要に応じて、酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸、制酸吸着剤などの安定剤、または架橋剤、連鎖移動剤、造核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。
本発明の容器を得るために熱成形されるポリプロピレン系樹脂発泡シートは、例えば、下記のような押出発泡法により容易に製造される。本発明におけるポリプロピレン系樹脂発泡シートは、例えば、押出機内にてポリプロピレン系樹脂および発泡剤を溶融混練後、押出機内において樹脂温度を発泡温度に調節した後、環状のリップを有するサーキュラーダイスを用い、そのダイスのリップから大気圧中に押出して円筒状の発泡体を得、次いで、その円筒状発泡体を引き取りながら、冷却筒(マンドレル)による成形加工により延伸・冷却後、切り開いて、シート状にする方法によって容易に製造される。また、改質ポリプロピレン系樹脂組成物の製造と連続して押出発泡を行っても良い。
また、前記発泡剤としては、脂肪族炭化水素類、脂環式炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、無機ガス、水などがあげられ、それらの1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。発泡剤の添加量(混練量)は、発泡剤の種類および目標とする発泡シートの密度により異なるが、ポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、1.0〜10重量部が好ましく、1.5〜8重量部がより好ましい。
さらに、ポリプロピレン系樹脂発泡シートの気泡径を適宜の大きさにコントロールするために、必要に応じて、重炭酸ソーダ−クエン酸混合物またはタルクなどの造核剤を併用しても良い。必要に応じて用いられる該造核剤の添加量は、特に制限はないが、通常、ポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、0.01〜3重量部であることが好ましい。
さらに、本発明の容器を得るための熱成形に使用されるポリプロピレン系樹脂発泡シートにおいては、意匠性を付与することやさらに高い強度を達成することを目的に、少なくとも片面にポリプロピレン系樹脂非発泡層が積層されていてもよい。ポリプロピレン系樹脂非発泡層をポリプロピレン系樹脂発泡シートへ積層する方法は特に限定されるものでなく、熱ラミネート法や押出ラミネート法等の公知の方法によって積層することができる。
上記のような本発明のポリプロピレン系樹脂発泡容器は、食品の量を小分けしたり複数の種類の食品を分類して収納したりすることができ、それぞれの収容部を容易に分割できるため、消費者が所望する量や種類に合わせて収容部を分割して使用できるので使い勝手が良い。また、ポリプロピレン系樹脂を基材樹脂としたポリプロピレン系樹脂発泡シートを基材としているので耐熱性や耐油性に優れているため、食品を加熱する電子レンジの使用においても、容器の変形や損傷を生じることがなく、また加熱後の取扱いにおいても断熱性にも優れるため安全に使用することができる。
次に本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例における、ポリプロピレン系発泡シートおよび該積層発泡シートの製造方法および評価用成形体の作製方法は、以下のとおりである。
[ポリプロピレン系発泡シートの基材樹脂の製造方法]
発泡シートの基材樹脂として、ポリプロピレンホモポリマー(三井化学社製、F102W)100重量部、ラジカル重合開始剤(t−ブチルパーオキシベンゾエート)0.25重量部およびイソプレン0.5重量部を、二軸押出機を用いて樹脂温度240℃にて溶融混練することにより得られた改質ポリプロピレン系樹脂を用いた。なお、本基材樹脂の平衡コンプライアンスJeoは0.8×10-3Pa-1であった。
[熱成形用発泡シートの製造方法]
前記発泡シート基材樹脂100重量部、ブレンドオイル0.05重量部および気泡核形成剤(永和化成工業社製、セルボンSC/K)0.5重量部をリボンブレンダーにて撹拌混合した配合物を、90−125mmφタンデム型押出機に供給し、樹脂温度210℃に設定した第1段押出機中にて溶融させた後、発泡剤としてイソブタンを前記発泡シート基材樹脂100重量部に対し0.9〜3.2重量部圧入混合した後、樹脂温度160℃(ダイスの樹脂流入部に設置した温度センサーによって測定)に設定した第2段押出機中で冷却し、口径127mmφサーキュラーダイより大気圧下に押出吐出量80kg/時間で吐出し、外径335mmφおよび本体長さ800mmの冷却筒にて成形しながら、引取速度を2.9〜6.4m/分として発泡シートの坪量が0.20〜0.45kg/m2となるよう引き取りつつ、延伸・冷却し円筒型発泡体を得、これをカッターで切り開くことにより1035mm巾の熱成形用発泡シートを得た。
[評価用成形容器の作製]
評価用の成形容器を得るために、得られた熱成形用発泡シートに対して、小型真空圧空成形機(脇坂エンジニアリング社製、FVS−500P)を用いて、成形用雌雄金型を使用して、マッチモールド真空成形を実施して、図1〜3に示す二つの収容部を有する成形容器(収容部:開口部縦L1=100mm×横L2=60mm、高さH=20mm、連結部の幅=8mm、周縁部の幅=4mm)を得た。さらに、得られた成形容器の収容部連結部中央に、以下のミシン目形成用トムソン刃A〜Cを用いて、連結部分割用のミシン目を形成した。
(ミシン目形成用トムソン刃A)
ミシン目形成用トムソン刃Aとして、幅0.6mmのトムソン刃であって、トムソン刃における非切断部のミシン目形成方向長さが0.5mm、切断部のミシン目形成方向の長さが1.0mmであり、かつ、形成されるミシン目の分割開始位置が切断部となるトムソン刃を用いた。
(ミシン目形成用トムソン刃B)
ミシン目形成用トムソン刃Bとして、幅0.6mmのトムソン刃であって、トムソン刃における非切断部のミシン目形成方向長さが0.5mm、切断部のミシン目形成方向の長さが1.0mmであり、かつ、形成されるミシン目の分割開始位置が非切断部となるトムソン刃を用いた。
(ミシン目形成用トムソン刃C)
ミシン目形成用トムソン刃Aとして、幅0.6mmのトムソン刃であって、トムソン刃における非切断部のミシン目形成方向長さが1.0mm、切断部のミシン目形成方向の長さが0.5mmであり、かつ形成されるミシン目の分割開始位置が非切断部となるトムソン刃を用いた。
実施例および比較例における、評価方法は以下のとおりである。
(発泡シートの密度測定方法)
JIS−K6767に準拠し得られた熱成形用発泡シートの密度を測定した。
(収容部連結部の厚さの測定方法)
得られた成形容器の連結した収容部を分割して連結部の厚さを、ノギスを用いて10点測定し、10点の平均値を収容部連結部の厚さとした。
(容器連結部の強度評価)
得られた評価用容器を図7に示すように、収容部の片側をミシン目位置より10mmの位置で容器固定用治具により固定し、もう一方の収容部の周縁部中央を、幅10mmの周縁部圧縮用治具を備えたオートグラフ(島津製作所製、AG2000)を用い、周縁部圧縮用治具を介して20mm下方へ100mm/分の速度で圧縮したときの荷重を測定した。測定された荷重により、以下の評価を行った。
○:測定荷重が0.5N以上であり、実用的強度に問題がない。
×:測定荷重が0.5N未満であり、実用的強度に劣る。
(収容部の分割性評価)
得られた評価用容器10個を用いて、図8に示すように、オートグラフ(島津製作所製、AG2000)に備えられた幅10mmのチャック用治具を用いて、容器周縁部をそれぞれミシン目より10mmの位置でチャックし、100mm/分の速度で引っ張ることで連結容器をミシン目に沿って分割し、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
○:10個ともミシン目に沿って分割することが可能であった。
×:10個のうち1個以上のミシン目に沿って分割できなかった容器があった。
(容器の断熱性評価)
評価用の成形容器に、90℃の熱湯100gを注いだ際の容器外側底部の温度を、光ファイバー温度計(安立計器社製、FL−2000)を用いて測定し、熱湯を注ぎ終わってから3分間での最高到達温度により、以下の評価を行った。
○:容器底部での最高到達温度が60℃未満であり、熱く感じるほどではなく実用上取扱いしやすい。
×:容器底部および容器側部での最高到達温度が60℃以上であり、実用上取扱いしづらい。
(食用油適性評価)
評価用の成形容器に、市販の食用サラダ油を100g注ぎ、家庭用電子レンジ(出力500W)で3分間加熱し、加熱後の容器の状態を観察した。評価の結果、実施例および比較例に用いたポリプロピレン系樹脂発泡容器は、加熱前と形状に変化が無いことを確認した。また、市販のポリスチレン系樹脂発泡容器(開口部200mm×100mm、高さ35mm)を用いて同様の評価を行ったが、加熱途中で容器に穴が発生して、実用に耐えないことが確認された。
(実施例1)
評価容器として、密度が130kg/m3、坪量が0.28kg/m2である熱成形用発泡シートを熱成形して得られた成形容器の連結部中央にトムソン刃Aを用いてミシン目を形成し、収容部分割開始位置が切断部とした容器を用いた。収容部連結部の厚さは1.5mmであった。
(実施例2)
評価容器として、密度が130kg/m3、坪量が0.20kg/m2である熱成形用発泡シートを熱成形して得られた成形容器の連結部中央にトムソン刃Aを用いてミシン目を形成し、収容部分割開始位置が切断部とした容器を用いた。収容部連結部の厚さは1.1mmであった。
(実施例3)
評価容器として、密度が130kg/m3、坪量が0.35kg/m2である熱成形用発泡シートを熱成形して得られた成形容器の連結部中央にトムソン刃Aを用いてミシン目を形成し、収容部分割開始位置が切断部とした容器を用いた。収容部連結部の厚さは1.9mmであった。
(実施例4)
評価容器として、密度が110kg/m3、坪量が0.35kg/m2である熱成形用発泡シートを熱成形して得られた成形容器の連結部中央にトムソン刃Aを用いてミシン目を形成し、収容部分割開始位置が切断部とした容器を用いた。収容部連結部の厚さは2.1mmであった。
(実施例5)
評価容器として、密度が160kg/m3、坪量が0.20kg/m2である熱成形用発泡シートを熱成形して得られた成形容器の連結部中央にトムソン刃Aを用いてミシン目を形成し、収容部分割開始位置が切断部とした容器を用いた。収容部連結部の厚さは1.0mmであった。
(比較例1)
評価容器として、密度が130kg/m3、坪量が0.28kg/m2である熱成形用発泡シートを熱成形して得られた成形容器の連結部中央にトムソン刃Bを用いてミシン目を形成し、収容部分割開始位置が非切断部とした容器を用いた。収容部連結部の厚さは1.5mmであった。
(比較例2)
評価容器として、密度が75kg/m3、坪量が0.45kg/m2である熱成形用発泡シートを熱成形して得られた成形容器の連結部中央にトムソン刃Aを用いてミシン目を形成し、収容部分割開始位置が切断部とした容器を用いた。収容部連結部の厚さは3.8mmであった。
(比較例3)
評価容器として、密度が130kg/m3、坪量が0.28kg/m2である熱成形用発泡シートを熱成形して得られた成形容器の連結部中央にトムソン刃Cを用いてミシン目を形成し、収容部分割開始位置が切断部とした容器を用いた。収容部連結部の厚さは1.5mmであった。
(比較例4)
評価容器として、密度が280kg/m3、坪量が0.28kg/m2である熱成形用発泡シートを熱成形して得られた成形容器の連結部中央にトムソン刃Aを用いてミシン目を形成し、収容部分割開始位置が切断部とした容器を用いた。収容部連結部の厚さは0.5mmであった。
以上のように、実施例1〜5の成形容器を製造することにより、複数の収納部を有し、かつ、収容部が容易に分割可能であり、さらに実用上の断熱性を満足し、食用油の適性にも優れ、安全に使用可能な成形容器を得ることができた。一方、比較例1〜4では、実施例のような良好な成形容器を得ることができなかった。
本発明に係るポリプロピレン系発泡容器の一例を示す斜視図。 図1のI方向から見た容器上面図。 図1のII方向から見た容器側面図。 図1における部分割開始位置Aの拡大図。 収納部を分割するミシン目が交差する容器形状の一例を示す容器上面図。 図5のミシン目の交差する部分の拡大図。 容器連結部の強度評価の概略を示す図。 収容部の分割性評価の概略を示す図。
符号の説明
1 ポリプロピレン系樹脂発泡容器
2 収容部
3 連結部
4 切断部
5 非切断部
6 ミシン目
7 容器縁部端部
8 ミシン目の交差する部分
9 容器固定用治具
10 周縁部圧縮用治具
11 チャック用治具

Claims (1)

  1. 密度90〜180kg/m3および坪量0.15〜0.4kg/m2であるポリプロピレン系樹脂発泡シートを熱成形してなる複数の収容部を有し、かつ、該収容部が連結部により連結されている容器であって、該連結部の厚さが0.7〜2.5mmであり、該連結部に収容部を分割するための切断部および非切断部を交互に配したミシン目が形成されており、かつ、該ミシン目における非切断部と切断部の長さの比が1:1〜1:4であり、かつ、非切断部の長さが0.3〜2mmであり、かつ、ミシン目の収容部分割位置両端が切断部となるように形成されていることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡容器。
JP2006115760A 2006-04-19 2006-04-19 ポリプロピレン系樹脂発泡容器 Pending JP2007284133A (ja)

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