JP2014189648A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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【課題】良好な加工性、ゴム強度、初期グリップ、グリップ性能及び耐摩耗性を付与でき、環境負荷が低い軟化剤を用いたタイヤ用ゴム組成物、並びに該ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分及びα−ピネン誘導体を含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物及び該ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
従来、ゴム成分などの軟化剤としては、配合物性に優れる芳香族系オイルが一般的に用いられているが、芳香族系オイルは多環芳香族成分を多く含むため、環境への負荷が高いという問題がある。解決策として、多環芳香族の含有量を3%未満に低減したT−DAE等の環境対応芳香族オイルを使用することも提案されているが、従来の芳香族系オイルに比べ、得られるゴム組成物の破断強度が低下するなどの問題がある。
また、トール油(トール油脂肪酸又はその誘導体やトール油ロジン)を使用することも提案されているが、クラフトパルプ製造時の副産物として回収されるもので、複数成分の混合物であるため、品質が一定でないという本質的な問題があり、所望の性能を常時付与することが難しい。
本発明は、前記課題を解決し、良好な加工性、ゴム強度、初期グリップ、グリップ性能及び耐摩耗性を付与でき、環境負荷が低い軟化剤を用いたタイヤ用ゴム組成物、並びに該ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分及びα−ピネン誘導体を含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
前記α−ピネン誘導体の沸点が200℃以上であることが好ましい。
前記α−ピネン誘導体の20℃における粘度が100,000mPa・s以下であることが好ましい。
前記α−ピネン誘導体は、α−ピネンの水酸化物、α−ピネンのエステル化物、α−ピネンのエーテル体、α−ピネンとアルコールとの結合体、及びそれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記α−ピネン誘導体は、ターピネオール及び/又はその誘導体であることが好ましい。
前記α−ピネン誘導体は、ターピネオール、ターピニルメチルエーテル、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピニルアセテート、4−(1′−アセトキシ−1′−メチルエチル)シクロヘキサノールアセテート、2−(1−メチルー1−(4−メチル−3−シクロヘキセニル)エトキシ)エタノール、イソボルニルシクロヘキサノール、ジヒドロターピニルオキシエタノール、及びジヒドロターピニルメチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明はまた、前記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、α−ピネン誘導体を用いたタイヤ用ゴム組成物であるので、環境負荷が低い軟化剤を用いているにもかかわらず、良好な加工性、ゴム強度、初期グリップ、グリップ性能及び耐摩耗性も付与でき、これらの性能に優れた空気入りタイヤを提供できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分及びα−ピネン誘導体を含む。
すなわち、本発明は、松の樹液由来のガムテレビン油を蒸留精製して得られるテレビン油の主成分で一般に香料原料や樹脂原料に使用されているα−ピネンをそのまま用いるのではなく、それに修飾を施したα−ピネン誘導体を軟化剤として使用したものである。主にタイヤの製造工程は150℃前後で実施されるため、沸点155℃のα−ピネンを重合し、沸点を上昇させたテルペン樹脂を軟化剤として使用されているが、本発明は、α−ピネンを修飾することで沸点を上昇させた誘導体を軟化剤として配合するものである。
従って、単一化合物のα−ピネンを原料とし、一定品質の誘導体が得られるため、これを軟化剤として配合することで、良好な加工性が得られるとともに、所望の架橋密度(加硫度)を持つ加硫ゴムが安定して作製できる。よって、良好な加工性、ゴム強度、初期グリップ、グリップ性能及び耐摩耗性が安定して付与された加硫ゴムが得られ、また、環境負荷も低くできる。
α−ピネン誘導体の沸点(標準沸点)は、200℃以上が好ましく、210℃以上がより好ましく、220℃以上が更に好ましい。200℃未満であると、タイヤの製造時に揮発し、軟化剤としての機能が充分に発揮されないおそれがある。上限は特に限定されないが、好ましくは400℃以下、より好ましくは350℃以下である。
α−ピネン誘導体の20℃における粘度は、好ましくは1,000,000mPa・s以下、より好ましくは100,000mPa・s以下、更に好ましくは10,000mPa・s以下である。1,000,000mPa・sを超えると、軟化剤としての機能を果たせないおそれがある。下限は特に限定されないが、該20℃における粘度は、好ましくは0.01mPa・s以上、より好ましくは0.1mPa・s以上、更に好ましくは1.0mPa・s以上である。なお、本発明において、20℃における粘度は、当該温度条件下でB型粘度計を用いて測定できる。
α−ピネン誘導体としては、α−ピネンに官能基の導入などの様々な修飾を施すことで沸点や粘度を軟化剤として使用可能なもの調整した化合物であれば特に限定されず、α−ピネンの水酸化物(加水分解物)などのα−ピネン由来の水酸化物(加水分解物)、α−ピネンのエステル化物などのα−ピネン由来のエステル化物、α−ピネンのエーテル体などのα−ピネン由来のエーテル化物、α−ピネンとアルコールとの結合体、これらの各種誘導体などが挙げられる。
好適なα−ピネン誘導体としては、例えば、ターピネオール(α−ピネンを水酸化して得られるα−ターピネオール、β−ターピネオール、γ−ターピネオールなどの異性体の混合物)が挙げられる。異性体の物理的、化学的性質がほぼ同一であるとともに、ターピネオールは水酸基を持つことに起因して200℃以上という高沸点を有するため、50〜150℃程度で実施される通常のゴム成分との混練り工程で軟化剤として好適に利用できる。
好適なα−ピネン誘導体としては、ターピネオールを水素添加して得られる化合物、ターピネオールを水素添加し、更にエステル化して得られる化合物、ターピネオールを水酸化し、更にエステル化して得られる化合物、ターピネオールをエーテル化して得られる化合物などのターピネオール誘導体などが挙げられる。
ターピネオールを水素添加して得られる化合物の好適例としては、ジヒドロターピネオール(ターピネオールを水素添加して得られるp−メンタン−1−オール、p−メンタン−8−オールなどの異性体の混合物)などが挙げられる。ターピネオールを水素添加し、更にエステル化して得られる化合物の好適例としては、ジヒドロターピネオールとカルボン酸化合物との縮合によって得られる化合物が挙げられ、具体的には、ジヒドロターピニルアセテート(ジヒドロターピネオールと酢酸との縮合によって得られるp−メンタン−1−イルアセテート、p−メンタン−8−イルアセテートなどの異性体の混合物)などが挙げられる。ターピネオールを水酸化し、更にエステル化して得られる化合物の好適例としては、4−(1′−アセトキシ−1′−メチルエチル)シクロヘキサノールアセテートなどが挙げられる。ターピネオールをエーテル化して得られる化合物の好適例としては、ターピニルメチルエーテル、2−(1−メチルー1−(4−メチル−3−シクロヘキセニル)エトキシ)エタノール、ジヒドロターピニルオキシエタノール、ジヒドロターピニルメチルエーテルなどが挙げられる。
また、α−ピネンとアルコールとの結合体の好適例としては、α−ピネンとシクロヘキサノールの結合体であるイソボルニルシクロヘキサノールなどが挙げられる。
なお、ジヒドロターピネオールの異性体の物理的、化学的性質はほぼ同一であり、またターピネオールと同様の利点があることに加え、更に二重結合が存在しないため、硫黄との架橋反応に影響がなく、優れた加工性が得られる。ジヒドロターピニルアセテートの異性体の物理的、化学的性質もほぼ同一であり、またジヒドロターピネオールと同様の利点があることに加え、更にエステル化されて酸性プロトンが発生しにくく、混練り時の副反応も起こり難いため、非常に優れた加工性が得られる。4−(1′−アセトキシ−1′−メチルエチル)シクロヘキサノールアセテートは高い沸点を有し、臭気もほとんどないため、軟化剤として好適に利用できる。また、ターピネオールをエーテル化して得られる化合物、α−ピネンとアルコールとの結合体にも前記と同様の利点がある。
α−ピネン誘導体の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、100質量部以上が好ましく、120質量部以上がより好ましい。該含有量は250質量部以下が好ましく、200質量部以下がより好ましい。100質量部未満であると、グリップ性能が低下するおそれがある。250質量部を超えると、耐摩耗性及びゴム強度が低下するおそれがある。
本発明のゴム組成物には、効果を阻害しない範囲でα−ピネン誘導体以外の軟化剤を配合しても良いが、軟化剤100質量%中のα−ピネン誘導体の含有量は、環境負荷という点から、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、特に好ましくは100質量%である。
本発明のゴム組成物で使用するゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、グリップ性能及び耐摩耗性がバランスよく得られるという理由からNR、BR、SBRが好ましく、SBRがより好ましい。なお、油展オイルを含むゴム成分も使用可能であるが、その場合、本発明の効果が充分に得られるという点から、油展オイルをあらかじめ除去し、α−ピネン誘導体を充分量配合できるようにすることが好ましい。
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる
SBRのスチレン含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上である。20質量%未満であると、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、上記スチレン含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。60質量%を超えると、耐摩耗性が低下するだけでなく、温度依存性が増大し、温度変化に対する性能変化が大きくなってしまう傾向がある。なお、本発明において、SBRのスチレン含有量は、H−NMR測定により算出される。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。10質量%未満であると、十分な耐熱性、グリップ性能、耐摩耗性が得られない傾向がある。また、SBRの含有量の上限は特に限定されず、100質量%でもよい。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、タイヤ工業において一般的に用いられている配合剤、例えば、充填剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤等の材料を適宜配合してもよい。
充填剤としては、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルクなどが挙げられ、なかでも低燃費性及び耐摩耗性の点で、カーボンブラックであることが好ましい。カーボンブラックとしては、例えば、オイルファーネス法により製造されたカーボンブラックなどが挙げられ、2種類以上のコロイダル特性の異なるものを併用してもよい。具体的にはGPF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、なかでも、SAFが好適である。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、100m/g以上が好ましく、110m/g以上がより好ましい。100m/g未満では、グリップ性能が低下する傾向がある。該NSAは、300m/g以下が好ましく、180m/g以下がより好ましい。300m/gを超えると、良好な分散が得られにくく、耐摩耗性が低下する傾向がある。なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2:2001に準拠して求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは100質量部以上、より好ましくは150質量部以上である。100質量部未満では充分な耐摩耗性、グリップ性能が得られないおそれがある。該含有量は、好ましくは300質量部以下、より好ましくは250質量部以下である。300質量部を超えると、グリップ性能が低下するおそれがある。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤのトレッドに好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、様々なタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧して、本発明の空気入りタイヤを製造できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
<調製例1>
S−SBR(日本ゼオン(株)製のNipol NS522)1kgをトルエン(関東化学(株)製、特級)10Lに溶解させた後、溶解液をメタノール(関東化学(株)製、特級)20Lに添加し、沈殿物を得た。沈殿物は減圧乾燥(内圧10Pa、温度50℃)を24時間行い、脱オイル化SBRを730g得た。
以下に、実施例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
SBR:調製例1で作製したSBR
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックA N110(SAF、NSA:142m/g)
軟化剤(1):H&R社製のVivaTec500(T−DAE)
軟化剤(2):日本テルペン化学(株)製のテレビン油(α−ピネン、沸点:150℃、粘度:0.32mPa・s(20℃))
軟化剤(3):日本テルペン化学(株)製のターピネオールC(ターピネオール、沸点:217℃、粘度:34mPa・s(20℃))
軟化剤(4):日本テルペン化学(株)製のジヒドロターピネオール(沸点:208℃、粘度:80mPa・s(20℃))
軟化剤(5):日本テルペン化学(株)製のジヒドロターピニルアセテート(沸点:223℃、粘度:7mPa・s(20℃))
軟化剤(6):日本テルペン化学(株)製のテルソルブTHA−70(エステル体1、4−(1′−アセトキシ−1′−メチルエチル)−シクトヘキサノールアセテート、沸点:223℃、粘度:144mPa・s(20℃))
軟化剤(7):日本テルペン化学(株)製のテルソルブTHA−90(エステル体2、4−(1′−アセトキシ−1′−メチルエチル)−シクトヘキサノールアセテート、沸点:223℃、粘度:198mPa・s(20℃))
軟化剤(8):日本テルペン化学(株)製のテルソルブTOE−100(沸点:270℃、粘度:62mPa・s(20℃))
軟化剤(9):日本テルペン化学(株)製のジヒドロターピニルオキシエタノール(エーテル体1、2−(1−メチル−1−(4−メチル−3−シクロヘキセニル)エトキシ)エタノール、沸点:250℃、粘度:51mPa・s(20℃))
軟化剤(10):日本テルペン化学(株)製のテルソルブMTPH(アルコール体、イソボルニルシクロヘキサノール、沸点:310℃、粘度:89,000mPa・s(20℃))
軟化剤(11):日本テルペン化学(株)製のターピニルメチルエーテル(沸点:216℃、粘度:4.9mPa・s(20℃))
軟化剤(12):日本テルペン化学(株)製のジヒドロターピニルメチルエーテル(沸点:201℃、粘度:4.9mPa・s(20℃))
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
<実施例及び比較例>
表1の配合内容に従い、BP型バンバリーミキサーにて、硫黄及び加硫促進剤を除く成分を150℃の条件下で3分間混練し、更に硫黄及び加硫促進剤を配合し、オープンロールで50℃の条件下で5分間混練りし、未加硫ゴムシートを作製した。更に、未加硫ゴムシートを170℃の条件下で12分間プレス加硫し、加硫ゴムシートを作製した。
また、得られた未加硫ゴムシートをトレッド形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃で12分間加硫し、11×1.10−5サイズのカート用タイヤを製造した。
得られた未加硫ゴムシート、加硫ゴムシート、カート用タイヤについて、下記試験方法により評価を行った。結果は表1に示す。
(加工性)
未加硫ゴムシートから所定のサイズの試験片を作製し、JIS K6300「未加硫ゴムの試験方法」に準じて、ムーニー粘度試験機を用いて、1分間の予熱によって熱せられた130℃の温度条件にて、大ローターを回転させ、10分間経過した時点でのムーニー粘度ML1+10(130℃)を測定し、比較例1を100として指数化した。値が小さいほど、加工性が優れていることを示す。
(加硫度)
加硫ゴムシートをトルエンに25℃で24時間浸漬し、浸漬前後の体積変化率(SWELL)を測定し、比較例1を100として加硫度を指数化した。値が小さいほど、架橋のばらつきが小さく、好ましいことを示す。
(ゴム強度)
加硫ゴムシートからなる3号ダンベル型試験片を用いて、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて引張試験を実施し、破断時の引張強さTB(MPa)及び伸びEB(%)を測定し、比較例1を100として指数化した。値が大きいほど、ゴム強度が優れていることを示す。
(グリップ性能)
作製したタイヤをカートに装着し、1周2kmのテストコースを8周走行し、比較例1のタイヤグリップ性能を100点とし、200点満点でテストドライバーが官能評価した。なお、初期グリップ性能は、1〜4周目のグリップ性能、後期グリップ性能は、5〜8周目のグリップ性能を示す。値が大きいほど、グリップ性能が優れていることを示す。
(耐摩耗性)
上記グリップ性能評価で使用したタイヤの摩耗を目視により観察し、比較例1のタイヤの外観を100点とし、200点満点で相対評価した。値が大きいほど、耐摩耗性が優れていることを示す。
Figure 2014189648
表1より、α−ピネンの誘導体を用いた実施例は、環境負荷が低い軟化剤を用いているにもかかわらず、加工性、ゴム強度、グリップ性能、耐摩耗性などの性能に優れていた。更に、α−ピネン由来の軟化剤であるため、安定して優れた性能を得ることも可能であった。

Claims (7)

  1. ゴム成分及びα−ピネン誘導体を含むタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記α−ピネン誘導体の沸点が200℃以上である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記α−ピネン誘導体の20℃における粘度が100,000mPa・s以下である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記α−ピネン誘導体は、α−ピネンの水酸化物、α−ピネンのエステル化物、α−ピネンのエーテル体、α−ピネンとアルコールとの結合体、及びそれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記α−ピネン誘導体は、ターピネオール及び/又はその誘導体である請求項1〜4のいずれか記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記α−ピネン誘導体は、ターピネオール、ターピニルメチルエーテル、ジヒドロターピネオール、ジヒドロターピニルアセテート、4−(1′−アセトキシ−1′−メチルエチル)シクロヘキサノールアセテート、2−(1−メチルー1−(4−メチル−3−シクロヘキセニル)エトキシ)エタノール、イソボルニルシクロヘキサノール、ジヒドロターピニルオキシエタノール、及びジヒドロターピニルメチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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