JP2014189192A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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英範 柄澤
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Abstract

【課題】車輪を取り付けるハブボルトのスリップトルクを確保しつつ、ハブボルトの圧入により発生する摩耗粉やバリかす等の金属粉の飛散を防止した車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】車輪取付フランジの周方向等配位置にボルト挿通孔が穿設されると共に、車輪を締結するハブボルト7の軸部にナール17が形成され、ハブボルト7がボルト挿通孔に圧入固定された車輪用軸受装置において、ナール17が仕様の異なる第1のナール17aと第2のナール17bで構成され、ナール17の歯の長さと厚さが同じで、第1のナール17aが第2のナール17bより歯の高さが高く設定され、それぞれ周方向等配に交互に配設されているので、ハブボルト7のスリップトルクを確保しつつ、素材が留まる空間を確保することができ、ハブボルト7を圧入する際に発生する金属粉が外部に飛散するのを防止することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受装置、詳しくは、車輪を取り付けるハブボルトの圧入により発生する摩耗粉やバリかす等の金属粉の飛散を防止した車輪用軸受装置に関するものである。
近年、省資源あるいは公害等の面から燃費向上に対する要求は厳しいものがある。自動車部品、中でも車輪用軸受装置における軽量化はこうした要求に応える要因として注目され、強く望まれて久しい。特に、自動車等の車両の中でも軽四輪あるいはスモールカーをはじめとした軽車両において、低コスト化は言うまでもなく軽量化に対する要求は益々増大してきている。こうした状況において、従来から軽量化を図った車輪用軸受装置に関する提案は種々のものがある。
一般に、ハブボルトを車輪取付フランジに固定するために、ハブボルトの外周にナール(セレーション)が形成され、このナールの外径をボルト挿通孔の内径より大径に形成し、ナールがボルト挿通孔に食い込むように圧入されている。そして、このハブボルトのスリップトルクを増大させるために圧入代が大きく設定されている。また、車輪取付フランジのボルト挿通孔の圧入出口側の開口部周縁に圧入によるバリが発生することを防止するために、車輪取付フランジのボルト挿通孔に圧入出口側の開口部に座グリを形成し、その座グリ内においてバリを収めるように構成したものが知られている。
然しながら、ハブボルトの軸部を車輪取付フランジのボルト挿通孔に圧入する際に、ハブボルトの軸部やボルト挿通孔の内周面の摩耗粉やバリかす等の金属粉がボルト挿通孔の圧入出口側の開口部から飛散することがある。なお、この金属粉が発生するメカニズムは、ハブボルトがボルト挿通孔に圧入される際に、ハブボルトに形成された凸部がボルト挿通孔の内周面に接触することによって、すなわち、ボルト挿通孔の内周面がハブボルトの凸部によって削り取られて凸部間の溝に溜まるが、収まり切れなかった素材が金属粉として外部に飛散する。こうした問題を解決したものとして、図9に示すような車輪用軸受装置が知られている。
この車輪用軸受装置は、ハブ輪50の一端部に形成された車輪取付フランジ51の円周等配にハブボルト52が圧入されるボルト挿通孔53が穿設されている。一方、ハブボルト52は、頭部54と軸部55とを一体に備え、軸部55には、頭部54から先端側に向けてナール軸部56、中間軸部57および雄ねじ部58が順に形成されている。
そして、ボルト挿通孔53の内周面と、これに対向するハブボルト52の中間軸部57の外周面との両周面のうち、少なくとも一方の周面には、他方の周面に接することで圧入の際に発生する摩耗粉やバリかす等をボルト挿通孔53内においてせき止める環状部材59が設けられている。この環状部材59は、車輪取付フランジ51の表面硬さよりも硬度が小さい合成樹脂、ゴム等によって形成されている。これにより、ハブボルト52の軸部55が車輪取付フランジ51のボルト挿通孔53に圧入される際に発生する摩耗粉やバリかす等の金属粉の飛散を防止することができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2008−56098号公報
然しながら、このような従来の車輪用軸受装置では、ハブボルト52の軸部55が車輪取付フランジ51のボルト挿通孔53に圧入される際に発生する摩耗粉やバリかす等の飛散を防止することができるが、例えば、ハブボルト52に環状部材59を装着しなければならないため、加工工数と共に組立工数が嵩みコスト高になるだけでなく、ハブボルト52の強度が低下する恐れがある。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、車輪を取り付けるハブボルトのスリップトルクを確保しつつ、ハブボルトの圧入により発生する摩耗粉やバリかす等の金属粉の飛散を防止した車輪用軸受装置を提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材および前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記内方部材または外方部材のいずれか一方に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを有し、この車輪取付フランジの周方向等配位置にボルト挿通孔が穿設されると共に、前記車輪を締結するハブボルトの軸部に軸方向に延びるナールが周方向等配に複数形成され、当該ハブボルトが前記ボルト挿通孔に圧入固定された車輪用軸受装置において、前記複数のナールのうち少なくとも1つのナールの仕様が異なる。
このように、内方部材または外方部材のいずれか一方に車輪を取り付けるための車輪取付フランジが一体に設けられ、この車輪取付フランジの周方向等配位置にボルト挿通孔が穿設されると共に、車輪を締結するハブボルトの軸部にナールが形成され、当該ハブボルトがボルト挿通孔に圧入固定された車輪用軸受装置において、複数のナールのうち少なくとも1つのナールの仕様が異なるので、ハブボルトのスリップトルクを確保しつつ、ナール同士間の空間が広くなり、素材が留まる空間を確保することができ、ハブボルトをボルト挿通孔に圧入する際に発生する金属粉が外部に飛散するのを防止した車輪用軸受装置を提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記ナールが仕様の異なる第1のナールと第2のナールで構成され、これらのナールが周方向等配に交互に配設されていれば、ナール同士間の空間が広くなり、素材が留まる空間を確保することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記ナールの歯の長さと厚さが同じで、前記第1のナールが前記第2のナールより歯の高さが高く設定されていても良い。
また、請求項4に記載の発明のように、前記ナールの歯の高さと厚さが同じで、前記第1のナールが前記第2のナールより歯の長さが長く設定されていても良い。
また、請求項5に記載の発明のように、前記ナールの歯の厚さが同じで、前記第1のナールが前記第2のナールより歯の長さが長く、歯の高さが高く設定されていても良い。
また、請求項6に記載の発明のように、前記ナールの歯の厚さが同じで、前記第1のナールが前記第2のナールより歯の長さが長く、歯の高さが低く設定されていても良い。
また、請求項7に記載の発明のように、前記ナールの歯の長さと高さが同じで、前記第1のナールが前記第2のナールより歯の厚さが厚く設定されていても良い。
また、請求項8に記載の発明のように、前記ナールの歯の長さと高さが同じで、前記第2のナールの歯の厚さが前記ハブボルトの先端側に向って漸次薄くなるように設定されていれば、ハブボルトのスリップトルクを確保しつつ、ハブボルトの圧入力を軽減することができ、組立作業性を向上させることができる。
また、請求項9に記載の発明のように、前記ナールの歯の先端部に軸方向に延びる溝が形成されていても良い。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材および前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記内方部材または外方部材のいずれか一方に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを有し、この車輪取付フランジの周方向等配位置にボルト挿通孔が穿設されると共に、前記車輪を締結するハブボルトの軸部に軸方向に延びるナールが周方向等配に複数形成され、当該ハブボルトが前記ボルト挿通孔に圧入固定された車輪用軸受装置において、前記複数のナールのうち少なくとも1つのナールの仕様が異なるので、ハブボルトのスリップトルクを確保しつつ、ナール同士間の空間が広くなり、素材が留まる空間を確保することができ、ハブボルトをボルト挿通孔に圧入する際に発生する金属粉が外部に飛散するのを防止した車輪用軸受装置を提供することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 (a)は、図1のハブボルトを示す正面図、(b)は、(a)のII−II線に沿った横断面図である。 (a)は、図2のハブボルトの変形例を示す正面図、(b)は、(a)のIIIa−IIIa線に沿った横断面図、(c)は、(a)のIIIb−IIIb線に沿った横断面図である。 (a)は、図3のハブボルトの変形例を示す正面図、(b)は、(a)のIVa−IVa線に沿った横断面図、(c)は、(a)のIVb−IVb線に沿った横断面図である。 (a)は、図4のハブボルトの変形例を示す正面図、(b)は、(a)のVa−Va線に沿った横断面図、(c)は、(a)のVb−Vb線に沿った横断面図である。 (a)は、図2のハブボルトの他の変形例を示す正面図、(b)は、(a)のVI−VI線に沿った横断面図である。 (a)は、図2のハブボルトの他の変形例を示す正面図、(b)は、(a)のVII−VII線に沿った横断面図である。 (a)は、図6のハブボルトの変形例を示す正面図、(b)は、(a)のVIII−VIII線に沿った横断面図である。 従来の車輪用軸受装置を示す要部拡大図である。
外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面の一方に対向する内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内輪との間に形成される環状空間の開口部に装着されたシールとを備え、前記車輪取付フランジの周方向等配位置にボルト挿通孔が穿設されると共に、前記車輪を締結するハブボルトの軸部にナールが形成され、このナールを前記ボルト挿通孔に圧入して食い込ませることにより当該ハブボルトが前記車輪取付フランジに固定された車輪用軸受装置において、前記ナールが仕様の異なる第1のナールと第2のナールで構成され、これらのナールの歯の長さと厚さが同じで、前記第1のナールが前記第2のナールより歯の高さが高く設定され、それぞれ周方向等配に交互に配設されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2(a)は、図1のハブボルトを示す正面図、(b)は、(a)のII−II線に沿った横断面図、図3(a)は、図2のハブボルトの変形例を示す正面図、(b)は、(a)のIIIa−IIIa線に沿った横断面図、(c)は、(a)のIIIb−IIIb線に沿った横断面図、図4(a)は、図3のハブボルトの変形例を示す正面図、(b)は、(a)のIVa−IVa線に沿った横断面図、(c)は、(a)のIVb−IVb線に沿った横断面図、図5(a)は、図4のハブボルトの変形例を示す正面図、(b)は、(a)のVa−Va線に沿った横断面図、(c)は、(a)のVb−Vb線に沿った横断面図、図6(a)は、図2のハブボルトの他の変形例を示す正面図、(b)は、(a)のVI−VI線に沿った横断面図、図7(a)は、図2のハブボルトの他の変形例を示す正面図、(b)は、(a)のVII−VII線に沿った横断面図、図8(a)は、図6のハブボルトの変形例を示す正面図、(b)は、(a)のVIII−VIII線に沿った横断面図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
この車輪用軸受装置は駆動輪側の第3世代と称され、内方部材1と外方部材2、およびこれら内方部材1と外方部材2間に収容された複列の転動体(ボール)3、3とを備えている。内方部材1は、ハブ輪4と、このハブ輪4に圧入された別体の内輪5とからなる。
ハブ輪4は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ6を一体に有し、この車輪取付フランジ6の円周等配位置には車輪を締結するためのハブボルト7が圧入されている。また、ハブ輪4の外周には一方(アウター側)の内側転走面4aと、この内側転走面4aから軸方向に延びる円筒状の小径段部4bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)4cが形成されている。そして、外周に他方(インナー側)の内側転走面5aが形成された内輪5がこの小径段部4bに圧入されている。
外方部材2は、外周に車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ2bを一体に有し、内周には内方部材1の複列の内側転走面4a、5aに対向する複列の外側転走面2a、2aが一体に形成されている。そして、それぞれの転走面4a、2aと5a、2a間に複列の転動体3、3が収容され、保持器8、8によりこれら複列の転動体3、3が転動自在に保持されている。また、外方部材2と内方部材1との間に形成される環状空間の開口部にはシール9、10が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
アウター側のシール9は、外方部材2のアウター側端部の内周に所定のシメシロを介して圧入された芯金と、この芯金に加硫接着によって一体に接合されたシール部材とからなる、所謂一体型のシールで構成されている。一方、インナー側のシール10は、互いに対向配置されたスリンガと環状のシール板とからなる、所謂パックシールで構成されている。
ここでは、ハブ輪4の外周に直接内側転走面4aが形成された第3世代と呼称される車輪用軸受装置を例示したが、本発明に係る車輪用軸受装置はこうした構造に限定されず、例えば、図示はしないがハブ輪の小径段部に一対の内輪が圧入された、第1世代あるいは第2世代構造をはじめ、第4世代構造であっても良い。また、外方部材2に車輪取付フランジ6を設けた外輪回転タイプであっても良く、従動輪用、駆動輪用のどちらであっても良い。さらに、ここでは転動体3、3をボールとした複列アンギュラ玉軸受で構成されたものを例示したが、これに限らず転動体3に円すいころを使用した複列円すいころ軸受で構成されているものであっても良い。
ハブ輪4はS53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中高炭素鋼で形成され、各部位の切削加工後にアウターの内側転走面4aをはじめ、アウター側のシール9が摺接するシールランド部となる基部6aから小径段部4bに亙り高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。これにより、ハブ輪4の強度が向上すると共に、内輪5との嵌合面のフレッティング摩耗を防止してハブ輪4の耐久性が向上する。なお、内輪5および転動体3はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。
一方、外方部材2は、前記したハブ輪4と同様、S53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中高炭素鋼で形成され、少なくとも複列の外側転走面2a、2aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
ハブ輪4の車輪取付フランジ6は、鍛造後にその円周等配位置にハブボルト7が圧入される複数のボルト挿通孔11が穿設され、このボルト挿通孔11にハブボルト7が圧入される。ハブボルト7はクロムモリブデン鋼(JIS規格のSCM435系等)からなり、図2(a)に拡大して示すように、頭部12と軸部13とを一体に備え、この軸部13には、頭部12から先端側に向けてナール軸部14、中間軸部15および雄ねじ部16が順に形成されている。ナール軸部14には、軸方向に延びるナール(セレーション)17が周方向に複数形成されている。このナール17は高周波焼入れや浸炭焼入れ等の表面硬化処理によって表面硬さを35〜50HRCの範囲に硬化層が形成されている。
これにより、表面層には高周波焼き入れ特有の非常に細かいマルテンサイト層が形成され、内層に進むに従ってマルテンサイトの量は減少し中心部は焼入れ前の組織となってハブボルト7の靭性が維持できると共に、所望の表面硬さを得ることができる。すなわち、車輪取付フランジ6の強度を高めると共に、ハブボルト7とボルト挿通孔11との硬度差が10HRC以上になり、ボルト挿通孔11の内周面が塑性変形してハブボルト7のナール17がボルト挿通孔11に充分食い込み、組立作業性を阻害することなくハブボルト7のスリップトルクを増大かつ安定化させることができる。ここで、50HRCを超えて硬さを上げると、熱処理変形が大きくなって好ましくない。一方、35HRC未満ではボルト挿通孔11との硬度差が小さくなり、ボルト挿通孔11における内周面の塑性変形量が減少してスリップトルクの増大が期待できない。
ここで、本実施形態では、図2(b)に示すように、ナール17は、歯の仕様が異なる第1のナール17aと第2のナール17bで構成されている。具体的には、歯の長さと厚さは同じであるが、歯の高い第1のナール17aと、歯の高さが低い第2のナール17bが周方向等配に交互に配設されている。これにより、ナール17a、17a同士間の空間が第2のナール17bの歯の高さが低い分だけ広くなり、素材が留まる空間を確保することで、ハブボルト7のスリップトルクを確保しつつ、ハブボルト7をボルト挿通孔11に圧入する際に発生する金属粉が外部に飛散するのを防止した車輪用軸受装置を提供することができる。なお、ナール軸部14に形成するナール17の本数を単に少なくすることによって金属粉が留まる空間を確保することもできるが、これでは、スリップトルクの低下を招き好ましくない。
ハブボルト7はこうした構成に限らず、例えば、図3(a)に示すような構成であっても良い。このハブボルト18は、前述したハブボルト7と、基本的には歯の高さと長さがそれぞれ異なるだけで、その他同一部位には同じ符号を付して重複した説明を省略する。ハブボルト18は、頭部12と軸部19とを一体に備え、この軸部19には、頭部12から先端側に向けてナール軸部20、中間軸部15および雄ねじ部16が順に形成されている。そして、ナール軸部20には、軸方向に延びるナール21が周方向に複数形成されている。
ナール21は、歯の高さと厚さは同じであるが、歯の長さが異なる第1のナール17aと第2のナール21aで構成されている。具体的には、図3(b)、(c)に示すように、歯の長さが長い第1のナール17aと、歯の長さが短い第2のナール21aが周方向等配に交互に配設されている。これにより、前述した実施形態と同様、ナール17a、17a同士間の空間が第2のナール21aの歯の長さが短い分だけ広くなり、素材が留まる空間を確保することで、ハブボルト18のスリップトルクを確保しつつ、ハブボルト18をボルト挿通孔11に圧入する際に発生する金属粉が外部に飛散するのを防止することができる。
また、これら以外にも、例えば、図4(a)に示すような構成でも良い。なお、このハブボルト22は、前述したハブボルト18と、基本的には複数のナールのうち、歯の長さが長い側のナールと短い側のナールの歯の高さが異なるだけで、その他同一部位には同じ符号を付して重複した説明を省略する。
このハブボルト22は、頭部12と軸部23とを一体に備え、この軸部23には、頭部12から先端側に向けてナール軸部24、中間軸部15および雄ねじ部16が順に形成されている。そして、ナール軸部24には、軸方向に延びるナール25が周方向に複数形成されている。
ナール25は、歯の長さが異なる第1のナール17aと第2のナール25aで構成されている。具体的には、図4(b)、(c)に示すように、歯の長さが長い第1のナール17aと、この第1のナール17aより歯の長さが短く、歯の高さが低い第2のナール25aが周方向等配に交互に配設されている。これにより、ナール17a、25a同士間の空間が、前述した実施形態よりも一層広くなり、素材が留まる空間を確保することで、ハブボルト22のスリップトルクを確保しつつ、ハブボルト22をボルト挿通孔11に圧入する際に発生する金属粉が外部に飛散するのを防止することができる。
また、図5に示す実施形態は、図4のハブボルト22の変形例である。なお、このハブボルト26は、前述したハブボルト22と、基本的にはナールのうち、長さが長い側のナールと短い側のナールの歯の高さが異なるだけで、その他同一部位には同じ符号を付して重複した説明を省略する。
このハブボルト26は、頭部12と軸部27とを一体に備え、この軸部27には、頭部12から先端側に向けてナール軸部28、中間軸部15および雄ねじ部16が順に形成されている。そして、ナール軸部28には、軸方向に延びるナール29が周方向に複数形成されている。
ナール29は、歯の長さが異なる第1のナール29aと第2のナール29bで構成されている。具体的には、図5(b)、(c)に示すように、歯の長さが長く、歯の高さが低い第1のナール29aと、この第1のナール29aより歯の長さが短く、歯の高さが高い第2のナール29bが周方向等配に交互に配設されている。これにより、ナール29a、29b同士間の空間が、前述した実施形態よりも一層広くなり、素材が留まる空間を確保することで、ハブボルト26のスリップトルクを確保しつつ、ハブボルト26をボルト挿通孔11に圧入する際に発生する金属粉が外部に飛散するのを防止することができる。
また、図6に示す実施形態は、図2のハブボルト7の他の変形例である。なお、このハブボルト30は、前述したハブボルト7と、基本的にはナールの歯の厚さが異なるだけで、その他同一部位には同じ符号を付して重複した説明を省略する。
このハブボルト30は、頭部12と軸部31とを一体に備え、この軸部31には、頭部12から先端側に向けてナール軸部32、中間軸部15および雄ねじ部16が順に形成されている。そして、ナール軸部32には、軸方向に延びるナール33が周方向に複数形成されている。
ナール33は、歯の厚さが異なる第1のナール17aと第2のナール33aで構成されている。具体的には、図6(b)に示すように、歯の高さと長さは同じであるが、歯の厚さが厚い第1のナール17aと、この第1のナール17aより歯の厚さが薄い第2のナール33aが周方向等配に交互に配設されている。これにより、前述した実施形態よりもハブボルト30のスリップトルクを増大させると共に、ナール17a、17a同士間の空間が第2のナール33aの歯の厚さを薄くした分だけ広くなり、素材が留まる空間を確保することで、前述した実施形態と同様、ハブボルト30をボルト挿通孔11に圧入する際に発生する金属粉が外部に飛散するのを防止することができる。
また、図7に示す実施形態は、図2のハブボルト7の他の変形例である。なお、このハブボルト34は、前述したハブボルト7と、基本的にはナールの歯の形状と本数が異なるだけで、その他同一部位には同じ符号を付して重複した説明を省略する。
このハブボルト34は、頭部12と軸部35とを一体に備え、この軸部35には、頭部12から先端側に向けてナール軸部36、中間軸部15および雄ねじ部16が順に形成されている。そして、ナール軸部36には、軸方向に延びるナール37が周方向等配に複数形成されている。
ナール37は、図7(b)に示すように、歯の先端部に軸方向に延びる溝37aが形成され、前述した実施形態より歯の本数は少なく設定されている。これにより、ナール37、37同士間の空間が前述した実施形態よりも広くなり、素材が留まる空間を確保することで、ハブボルト34のスリップトルクを確保しつつ、ハブボルト34をボルト挿通孔11に圧入する際に発生する金属粉が外部に飛散するのを防止することができる。
また、図8に示す実施形態は、図6のハブボルト30の変形例である。なお、このハブボルト38は、前述したハブボルト30と、基本的には複数のナールのうち一方の歯の形状が異なるだけで、その他同一部位には同じ符号を付して重複した説明を省略する。
このハブボルト38は、頭部12と軸部39とを一体に備え、この軸部39には、頭部12から先端側に向けてナール軸部40、中間軸部15および雄ねじ部16が順に形成されている。そして、ナール軸部40には、軸方向に延びるナール41が周方向に複数形成されている。
ナール41は、歯の形状が異なる第1のナール17aと第2のナール41aで構成されている。具体的には、図8(b)に示すように、歯の高さと長さは同じであるが、歯の厚さが厚い第1のナール17aと、歯の厚さが雄ねじ部16側に向って漸次薄くなる第2のナール41aが周方向等配に交互に配設されている。これにより、ナール17a、17a同士間の空間が第2のナール41aの歯の厚さを漸次薄くした分だけ一層広くなり、素材が留まる空間を確保することで、前述した実施形態と同様、ハブボルト38をボルト挿通孔11に圧入する際に発生する金属粉が外部に飛散するのを防止することができると共に、ハブボルト38のスリップトルクを確保しつつ、ハブボルト38の圧入力を軽減することができ、組立作業性を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブボルトが圧入された車輪取付フランジを有する駆動輪用、従動輪用、あるいは内輪回転、外輪回転タイプのあらゆる車輪用軸受装置に適用することができる。
1 内方部材
2 外方部材
2a 外側転走面
2b 車輪取付フランジ
3 転動体
4 ハブ輪
4a、5a 内側転走面
4b 小径段部
4c セレーション
5 内輪
6 車輪取付フランジ
6a 車輪取付フランジのインナー側の基部
7 ハブボルト
8 保持器
9 アウター側のシール
10 インナー側のシール
11 ボルト挿通孔
12 頭部
13、19、23、27、31、35、39 軸部
14、20、24、28、32、36、40 ナール軸部
15 中間軸部
16 雄ねじ部
17、21、25、29、33、37、41 ナール
17a、29a 第1のナール
17b、21a、25a、29b、33a、41a 第2のナール
37a 溝
50 ハブ輪
51 車輪取付フランジ
52 ハブボルト
53 ボルト挿通孔
54 頭部
55 軸部
56 ナール軸部
57 中間軸部
58 雄ねじ部
59 環状部材

Claims (9)

  1. 内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材および前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、
    前記内方部材または外方部材のいずれか一方に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを有し、この車輪取付フランジの周方向等配位置にボルト挿通孔が穿設されると共に、
    前記車輪を締結するハブボルトの軸部に軸方向に延びるナールが周方向等配に複数形成され、当該ハブボルトが前記ボルト挿通孔に圧入固定された車輪用軸受装置において、
    前記複数のナールのうち少なくとも1つのナールの仕様が異なることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記ナールが仕様の異なる第1のナールと第2のナールで構成され、これらのナールが周方向等配に交互に配設されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記ナールの歯の長さと厚さが同じで、前記第1のナールが前記第2のナールより歯の高さが高く設定されている請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記ナールの歯の高さと厚さが同じで、前記第1のナールが前記第2のナールより歯の長さが長く設定されている請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記ナールの歯の厚さが同じで、前記第1のナールが前記第2のナールより歯の長さが長く、歯の高さが低く設定されている請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  6. 前記ナールの歯の厚さが同じで、前記第1のナールが前記第2のナールより歯の長さが長く、歯の高さが低く設定されている請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  7. 前記ナールの歯の長さと高さが同じで、前記第1のナールが前記第2のナールより歯の厚さが厚く設定されている請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  8. 前記ナールの歯の長さと高さが同じで、前記第2のナールの歯の厚さが前記ハブボルトの先端側に向って漸次薄くなるように設定されている請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  9. 前記ナールの歯の先端部に軸方向に延びる溝が形成されている請求項1乃至7いずれかに記載の車輪用軸受装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020020402A (ja) * 2018-08-01 2020-02-06 いすゞ自動車株式会社 締結部材
WO2023171317A1 (ja) * 2022-03-11 2023-09-14 Ntn株式会社 車輪用軸受装置

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