JP2014188735A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で小型化が容易な液体噴射ヘッドのメンテナンス装置を備えた液体噴射装置を提供する。
【解決手段】プリンターは、ノズル形成面に形成されたノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドと、液体噴射ヘッドをメンテナンスするワイパーユニット101と、を備える。さらに、ワイパーユニット101は、ワイピング位置及び退避位置の間で移動可能なワイピング部111と、ワイピング部111を退避位置に位置させる第1の位置及びワイピング部111をメンテナンス位置に位置させる第2の位置の間をノズル形成面と沿う方向に移動可能なスライド部材112と、スライド部材112を第1の位置に位置させる第1の角度及びスライド部材112を第2の位置に位置させる第2の角度の間で回転可能な回転歯車113と、回転歯車113を第1の角度と第2の角度の間で回転させる駆動モーターと、を備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、インクジェット式プリンターなどの液体噴射装置に関する。
従来から、液体噴射装置の一種として、液体噴射ヘッドのノズルから用紙などにインクを噴射することで、印刷を行うインクジェット式プリンターが知られている。こうしたプリンターには、液体噴射ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス装置として、液体噴射ヘッドのノズル形成面に付着したインクを払拭するワイピング部を有するものがある。(例えば、特許文献1)。
特開2004−66755号公報
ところで、上記のプリンターでは、ワイピング部がノズル形成面に付着したインクを払拭可能なワイピング位置と、ワイピング部が収納される収納位置(退避位置)とを切り替えることを可能としている。具体的には、ワイピング部が有する歯車と噛み合う駆動歯車を、正転方向及び逆転方向に回転させることで、ワイピング部のワイピング位置と収納位置との切り替えを可能としている。
このため、上記のプリンターでは、ワイピング部は、インクを払拭可能なワイピング位置と収納される収納位置とを切り替える際に、ワイピング部が有する歯車の回転軸を中心に回転変位することとなる。したがって、ワイピング部が回転変位可能な領域をワイピング部の周囲に確保する必要があるために、プリンターが大型化するという課題がある。
なお、こうした実情は、インクジェット式プリンターに限らず、液体噴射ヘッドをメンテナンスするメンテナンス位置と、同液体噴射ヘッドをメンテナンスしない退避位置との間で変位可能なメンテナンス部を有するメンテナンス装置を備えた液体噴射装置においては、概ね共通するものとなっている。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものである。その目的は、簡易な構成で小型化が容易な液体噴射ヘッドのメンテナンス装置を備えた液体噴射装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体噴射装置は、ノズル形成面に形成されたノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドをメンテナンスするメンテナンス装置と、を備える。さらに、同液体噴射装置において、前記メンテナンス装置は、前記液体噴射ヘッドをメンテナンス可能なメンテナンス位置と、前記メンテナンス位置よりも前記ノズル形成面と直交する直交方向において前記ノズル形成面から離間した退避位置と、の間で移動可能なメンテナンス部と、前記メンテナンス部と係合して、前記メンテナンス部を前記退避位置に位置させる第1の位置と前記メンテナンス部をメンテナンス位置に位置させる第2の位置との間を前記ノズル形成面と沿う方向に移動可能なスライド部材と、前記スライド部材と係合して、前記スライド部材を前記第1の位置に位置させる第1の角度と前記スライド部材を前記第2の位置に位置させる第2の角度との間で回転可能な回転部材と、前記回転部材を前記第1の角度と前記第2の角度との間で回転させる駆動源と、を備える。
上記構成によれば、駆動源が回転部材を第1の角度と第2角度との間で回転させることで、同回転部材の回転に連動してスライド部材が第1の位置と第2の位置との間をノズル形成面と沿う方向に移動する。そして、スライド部材が第1の位置と第2の位置との間をノズル形成面と沿う方向に移動することで、同スライド部材の移動に連動してメンテナンス部が直交方向におけるノズル形成面に対する距離が異なる退避位置とメンテナンス位置との間を移動する。
このため、例えば、スライド部材が第1の位置と第2の位置との間を直交方向に移動することで、メンテナンス部を退避位置とメンテナンス位置との間で移動させる場合に比べ、スライド部材の移動領域を直交方向に確保する必要がなくなる。したがって、特に直交方向においてメンテナンス装置を小型化することができる。そして、こうした簡易な構成で小型化が容易な液体噴射ヘッドのメンテナンス装置によって、液体噴射装置を小型化することができる。
上記液体噴射装置において、前記メンテナンス装置は、前記メンテナンス部が前記退避位置と前記メンテナンス位置との間を移動する際に、同メンテナンス部と摺動する摺動部をさらに備え、前記摺動部は、前記スライド部材が前記第1の位置から前記第2の位置に移動する方向に向かうに連れ、前記直交方向において前記ノズル形成面に接近する方向に延びる斜状摺動部を少なくとも有することが望ましい。
上記構成によれば、メンテナンス部は、メンテナンス位置と退避位置との間を移動する際に、フレーム部が有する摺動部の斜状摺動部と摺動することで、メンテナンス位置と退避位置との間を安定して移動することができる。
上記液体噴射装置において、前記メンテナンス装置は、前記摺動部を有するフレーム部材をさらに備え、前記メンテナンス部の移動方向及び前記スライド部材の移動方向の両方向と直交する方向において、前記メンテナンス部は、前記フレーム部材と前記スライド部材とに挟持されていることが望ましい。
上記構成によれば、メンテナンス部が、メンテナンス部の移動方向及びスライド部材の移動方向の両方向と直交する方向において、フレーム部材とスライド部材に挟持されている。このため、メンテナンス部は、挟持されている方向での変位が規制された状態で、退避位置とメンテナンス位置との間を移動する。したがって、メンテナンス部を、メンテナンス位置と退避位置との間でより安定して移動させることができる。
上記液体噴射装置において、前記スライド部材は、前記スライド部材が前記第1の位置から前記第2の位置に移動するときに、その移動方向に前記メンテナンス部を押圧しつつ、その移動方向と交差する方向に前記メンテナンス部と摺動する第1のカム面と、前記スライド部材が前記第2の位置から前記第1の位置に移動するときに、その移動方向に前記メンテナンス部を押圧しつつ、その移動方向と交差する方向に前記メンテナンス部と摺動する第2のカム面と、を有することが望ましい。
スライド部材は第1の位置と第2の位置との間をノズル形成面と沿う方向に移動する一方、メンテナンス部は退避位置とメンテナンス位置との間を移動することで、直交方向におけるノズル形成面に対する距離を変化させる。すなわち、スライド部材が第1の位置に位置しメンテナンス部が退避位置に位置する場合と、スライド部材が第2の位置に位置しメンテナンス部がワイピング位置に位置する場合とでは、直交方向におけるスライド部材及びメンテナンス部の相対的な位置関係が異なる。
上記構成によれば、スライド部材の第1のカム面及び第2のカム面は、メンテナンス部を押圧しつつ、同メンテナンス部と摺動することを可能とする。このため、スライド部材及びメンテナンス部が移動して、直交方向における相対的な位置関係が変化しても、スライド部材は、同スライド部材の移動方向にメンテナンス部を押圧することが可能となる。したがって、スライド部材をノズル形成面と沿う方向に移動させることで、メンテナンス部をメンテナンス位置と退避位置との間を安定して移動させる構成を簡易な構成で実現することができる。
上記課題を解決する液体噴射装置は、ノズル形成面に形成されたノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドをメンテナンスするメンテナンス装置と、を備える。さらに、同液体噴射装置において、前記メンテナンス装置は、前記液体噴射ヘッドをメンテナンス可能なメンテナンス位置と、前記メンテナンス位置よりも前記ノズル形成面と直交する直交方向において前記ノズル形成面から離間した退避位置と、の間で移動可能なメンテナンス部と、前記メンテナンス部を押圧しない非押圧位置と、前記ノズル形成面と沿う方向から前記メンテナンス部を押圧して同メンテナンス部を前記メンテナンス位置に位置させる押圧位置と、の間で変位可能な回転レバーと、前記回転レバーを前記非押圧位置と前記押圧位置との間で回転させる駆動源と、前記メンテナンス部を前記メンテナンス位置から前記退避位置に移動させる付勢力を前記メンテナンス部に付与する付勢部材と、を備える。
上記構成によれば、駆動源が回転レバーを非押圧位置から押圧位置に回転させることで、回転レバーはノズル形成面と沿う方向からメンテナンス部を押圧して、同メンテナンス部を退避位置からメンテナンス位置に移動させる。すなわち、回転レバーの非押圧位置から押圧位置への回転に連動して、メンテナンス部は退避位置からメンテナンス位置に移動する。また、駆動源が回転レバーを押圧位置から非押圧位置に回転させることで、付勢部材は、メンテナンス部をメンテナンス位置から退避位置に移動させる。
このため、例えば、回転レバーが非押圧位置から押圧位置に回転する際に、メンテナンス部を直交方向から押圧する場合に比べ、回転レバーの回転領域を直交方向に確保する必要がなくなる。したがって、特に直交方向においてメンテナンス装置を小型化することができる。そして、こうした簡易な構成で小型化が容易な液体噴射ヘッドのメンテナンス装置によって、液体噴射装置を小型化することができる。
(a),(b)は第1実施形態のプリンターの概略構成を示す斜視図。 第1実施形態のメンテナンス装置を示す斜視図。 第1実施形態のワイパーユニットとフレーム部材を示す斜視図。 第1実施形態のワイパーユニットとフレーム部材を示す斜視図。 第1実施形態のワイパーユニットを示す斜視図。 第1実施形態のワイパーユニットを示す斜視図。 (a),(b)は第1実施形態のワイパーユニットの作用を示す側面図。 (a),(b)は第1実施形態のワイパーユニットの作用を示す側面図。 (a),(b)はワイピング部がワイピング位置に位置したときの第1実施形態のワイパーユニットを示す平面図。 第1実施形態のメンテナンス装置を示す背面図。 第2実施形態のワイパーユニットを示す斜視図。 第2実施形態のワイパーユニットを示す斜視図。 (a),(b)は第2実施形態のワイパーユニットの作用を示す側面図。 (a),(b)は第2実施形態のワイパーユニットの作用を示す側面図。 第3実施形態のワイパーユニットとフレーム部材を示す斜視図。 第3実施形態のワイパーユニットとフレーム部材を示す斜視図。 第3実施形態の中継部材とフレーム部材の配置関係を示す斜視図。 第3実施形態のワイパーユニットを示す斜視図。 第3実施形態のワイパーユニットを示す平面図。 第3実施形態のワイパーユニットを示す側面図。 (a),(b)は第3実施形態のワイパーユニットの作用を示す側面図。 (a),(b)は第3実施形態のワイパーユニットの作用を示す側面図。 第4実施形態のワイパーユニットとフレーム部材を示す斜視図。 第4実施形態のワイパーユニットとフレーム部材を示す斜視図。 第4実施形態のワイパーユニットを示す斜視図。 第4実施形態のワイパーユニットを示す側面図。 (a),(b)は第4実施形態のワイパーユニットの作用を示す側面図。
(第1実施形態)
以下、液体噴射装置をインクジェット式プリンターに具体化した第1実施形態について、図を参照して説明する。
図1(a)に示すように、プリンター11における略矩形箱状をなすフレーム12内の下部には、用紙Pを記録時に支持するための支持部材13が、その長手方向を幅方向Xとして延設されている。そして、この支持部材13上では、フレーム12の背面下部に設けられた紙送りローラー14によって、用紙Pが前後方向Yにおける前方に向かって給送される。
フレーム12内における支持部材13の上方には、幅方向Xに沿ってガイド軸15が架設されている。ガイド軸15には、その軸線方向に沿って往復移動可能にキャリッジ16が支持されている。すなわち、キャリッジ16にはガイド軸15の軸線方向に貫通するように支持孔16aが形成されるとともに、この支持孔16aにガイド軸15が挿通されることにより、キャリッジ16はガイド軸15の軸線方向でもある幅方向Xに往復移動可能に支持されている。
フレーム12の背面側の壁部の内面におけるガイド軸15の両端部と対応する位置には、駆動プーリー17及び従動プーリー18が回動自在に支持されている。駆動プーリー17にはキャリッジ16を往復移動させるキャリッジモーター19の出力軸が連結されるとともに、これら一対のプーリー17,18間には一部がキャリッジ16に連結された無端状のタイミングベルト20が掛装されている。したがって、キャリッジ16は、ガイド軸15にガイドされながら、キャリッジモーター19の駆動力によって無端状のタイミングベルト20を介して幅方向Xに移動する。
図1(a),(b)に示すように、キャリッジ16の下面側には、液体の一例としてのインクを噴射可能な液体噴射ヘッド21が設けられている。液体噴射ヘッド21の支持部材13と対向する面は、インクを噴射するノズル22が形成されたノズル形成面21aとなっている。
図1(a)に示すように、キャリッジ16上には液体噴射ヘッド21に対してインクを供給するためのインクカートリッジ24が着脱可能に装着されている。インクカートリッジ24内のインクは、液体噴射ヘッド21に備えられた図示しない圧電素子の駆動に伴ってインクカートリッジ24から液体噴射ヘッド21へ供給可能とされている。そして、供給されたインクが、液体噴射ヘッド21の各ノズル22から支持部材13上に給送された用紙Pに噴射されることにより印刷が行われる。以下では、キャリッジ16が支持部材13と対向して用紙Pへ印刷を行う領域を印刷領域ともいう。
また、フレーム12内において支持部材13の側方位置は、非印刷時にキャリッジ16が待機するホームポジションHPとなっている。ホームポジションHPには、液体噴射ヘッド21のメンテナンスを行うためのメンテナンスユニット31と、同メンテナンスユニット31を駆動するための駆動モーター30とが設けられている。そして、液体噴射ヘッド21のメンテナンスを行う場合には、メンテナンスユニット31の上方に液体噴射ヘッド21が位置するように、キャリッジ16がホームポジションHPに配置される。
また、以降のメンテナンスユニット31の説明では、支持部材13から見たメンテナンスユニット31側を幅方向Xにおける一端側ともいい、メンテナンスユニット31から見た支持部材13側を幅方向Xにおける他端側ともいう。また、用紙Pの搬送方向側でもあるプリンター11の前側を前後方向Yにおける一端側ともいい、その反対側となるプリンター11の後側を前後方向Yにおける他端側ともいう。そして、本実施形態では、幅方向X及び前後方向Yはノズル形成面21aと沿う方向であり、幅方向X及び前後方向Yと直交する上下方向はノズル形成面21aと直交する直交方向となっている。
図2に示すように、メンテナンスユニット31は、プリンター11のフレーム12に固定配置されるフレーム部材41と、駆動モーター30の駆動力をメンテナンスユニット31に伝達して同メンテナンスユニット31を駆動させる伝達機構45と、を備えている。また、メンテナンスユニット31は、液体噴射ヘッド21からインクを吸引可能なキャップユニット46と、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aに付着したインクを払拭可能なワイパーユニット101と、を備えている。
次に、フレーム部材41について図3及び図4を参照して説明する。なお、図3及び図4は、キャップユニット46と伝達機構45とを取り外した状態のメンテナンスユニット31を示している。
図3及び図4に示すように、フレーム部材41は、伝達機構45が収容される伝達機構収容部50と、キャップユニット46を収容するキャップユニット収容部51と、ワイパーユニット101を収容するワイパーユニット収容部52とを備えている。また、フレーム部材41には、幅方向Xにおける両側において上方に立設される第1側壁54及び第2側壁55が形成されている。フレーム部材41において、第1側壁54は、ワイパーユニット収容部52側に設けられ、第2側壁55は、幅方向Xにおいてその反対側に設けられている。
図3及び図4に示すように、伝達機構収容部50は、伝達機構45(図2参照)を軸支可能な軸受56と、収容された伝達機構45を上方から覆う庇部57とを備えている。軸受56は、伝達機構45の回転軸線方向を幅方向Xとして、同伝達機構45を支持可能としている。また、庇部57は、上下方向と直交する方向に延設されている。
図3及び図4に示すように、ワイパーユニット収容部52は、上述した第1側壁54と、幅方向Xにおいて第1側壁54と間隔をあけて並設されたガイド壁58と、を備えている。
図3に示すように、第1側壁54は、上下方向と直交する前後方向Yに沿って形成されスライド摺動溝59と、上下方向と交差する方向に沿って形成された2つの摺動溝60と、幅方向Xに沿って貫通形成された軸穴54aとを備えている。第1側壁54において、スライド摺動溝59は前後方向Yにおける一端側(図3では右下側)に形成され、摺動溝60はスライド摺動溝59よりも前後方向Yにおける他端側(図3では左上側)に形成されている。また、第1側壁54において、軸穴54aは、スライド摺動溝59よりも上方に形成されている。
摺動溝60は、前後方向Yに沿って形成された直状摺動溝60A,60Cと、前後方向Y及び上下方向の間をなす方向に沿って形成された斜状摺動溝60Bとを備えている。直状摺動溝60Aは、直状摺動溝60Cに比べ、上下方向において低い位置に形成され、斜状摺動溝60Bは、高低差を有する直状摺動溝60Aと直状摺動溝60Cとを連結している。すなわち、摺動溝60は、直状摺動溝60Aと斜状摺動溝60Bと直状摺動溝60Cとを連結することで形成されている。なお、本実施形態では、摺動溝60が摺動部の一例に相当し、斜状摺動溝60Bが斜状摺動部の一例に相当している。
また、摺動溝60の斜状摺動溝60Bは、前後方向における一端側(図3では右下側)から他端側(図3では左上側)に向かうに連れ、上下方向においてノズル形成面21aに接近する上方向に向かって設けられている。つまり、前後方向Y(ノズル形成面21aに沿った方向)における成分と、上下方向(ノズル形成面21aと直交した方向)における成分と、を移動方向の成分としてともに含むように設けられている。また、摺動溝60の直状摺動溝60Cは、第1側壁54の上端面から下方に向かって切り欠き形成された切欠62と連結されている。切欠62は、ワイパーユニット101の構成部材(ブレード保持部116)をワイパーユニット収容部52に装着する際に使用される。
図4に示すように、ガイド壁58には、前後方向Yに間隔をあけて2つのガイド部63が形成されている。ガイド部63は、その平面視において台形形状をなし、上方に向かって延設されている。また、ガイド壁58の前後方向Yにおける伝達機構45側の上端面は、前後方向Yに沿って延びる平滑面64となっている。
また、図4に示すように、フレーム部材41の第2側壁55には、幅方向Xに軸穴55aが貫通形成されている。この軸穴55aは、第1側壁54に形成された軸穴54aと幅方向Xにおいて対応して設けられている。
図2に示すように、伝達機構45は、幅方向Xを長手方向とする駆動軸65と、同駆動軸65に装着された歯車66から構成されている。駆動軸65の一端は、不図示の伝達装置を介して、駆動モーター30に接続されている。そして、伝達機構45は、駆動モーター30が正転方向及び逆転方向に回転することで、正転方向の回転駆動力及び逆転方向の回転駆動力をワイパーユニット101及びキャップユニット46に伝達することを可能としている。
図2に示すように、キャップユニット46は、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aに当接可能なキャップ47と、キャップ47内に保持されるインク吸収材48と、キャップ47内と連通する吸引流路49と、吸引流路49を介してキャップ47内を吸引可能な吸引ポンプ(不図示)とを備えている。そして、キャップユニット46は、不図示の昇降機構によって、ホームポジションHPに位置した液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aにキャップ47を当接させ、液体噴射ヘッド21からインクを吸引する「クリーニング」を実行可能としている。
次に、ワイパーユニット101について図5及び図6を参照して説明する。なお、図5及び図6は、メンテナンスユニット31から取り外した状態のワイパーユニット101を示している。
図5及び図6に示すように、ワイパーユニット101は、ノズル形成面21aに付着するインクを払拭可能なワイピング部111と、ワイピング部111と係合しつつ前後方向Yに沿って移動可能なスライド部材112とを備えている。また、ワイパーユニット101は、スライド部材112と係合しつつ幅方向Xを回転軸方向とする回転歯車113と、回転歯車113と一体回転可能な駆動歯車114とを備えている。
ワイピング部111は、ノズル形成面21aと摺動可能なワイパーブレード115と、ワイパーブレード115を保持可能なブレード保持部116とを備えている。ワイパーブレード115は、ゴムなどの弾性部材からなり、前後方向Yを長手方向とする板状に形成されている。また、ワイパーブレード115は、その前後方向Yにおける長さが、ノズル形成面21aに形成されたノズル22の列の長さよりも長くなっている。そして、ワイパーブレード115は、弾性変形しつつノズル形成面21aと摺動することで、ノズル形成面21aに付着したインクを払拭することを可能としている。
ブレード保持部116は、幅方向Xにおける一端側(図5では左下側)で突出形成された摺動突部117と、幅方向Xにおける他端側(図6では右上側)で突出形成された2つの摺動軸118と、を備えている。また、ブレード保持部116は、幅方向Xにおける一端側(図5では左下側)に、摺動突部117よりも少ない突出量で形成された2つの位置決め部119を備えている。図5に示すように、ブレード保持部116において、摺動突部117は前後方向Yにおける一端側(図5では左上側)に形成され、位置決め部119は摺動突部117よりも前後方向Yにおける他端側(図5では右下側)に形成されている。また、図6に示すように、ブレード保持部116において、2つの摺動軸118は、前後方向Yに間隔をあけて形成されている。
そして、ブレード保持部116の摺動軸118は、図3に示すフレーム部材41の摺動溝60に挿入された状態で、同摺動溝60とその形成方向に摺動可能とされている。また、位置決め部119は、ワイピング部111が液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aに付着したインクを払拭する際に、図4に示すフレーム部材41のガイド部63と当接することを可能としている。また、図4に示すように、幅方向Xにおいて、ワイピング部111は、フレーム部材の第1側壁54とスライド部材112に挟持されている。
なお、図5及び図6では、ワイピング部111は、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aから離間して同ノズル形成面21aと当接不能な「退避位置」に位置した状態となっている。そして、ワイピング部111は、退避位置と、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aに当接可能な「ワイピング位置」との間を、フレーム部材41の摺動溝60と摺動しつつ移動することを可能としている。また、ノズル形成面21aと直交する上下方向において、退避位置に位置するワイピング部111とノズル形成面21aとの距離は、ワイピング位置に位置するワイピング部111とノズル形成面21aとの距離よりも遠く(長く)なっている。なお、ここでいうワイピング部111とノズル形成面21aとの距離とは、ワイピング部111のワイパーブレード115の上端とノズル形成面21aとの距離をいう。
そして、ワイパーユニット101は、ワイピング位置に位置させたワイピング部111によって、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aに付着したインクを払拭する「ワイピング(メンテナンスの一例)」を実行可能としている。こうした点で、本実施形態では、ワイパーユニット101が液体噴射ヘッド21をメンテナンスするメンテナンス装置の一例に相当し、ワイピング部111がメンテナンス位置(ワイピング位置)と退避位置との間で移動可能なメンテナンス部の一例に相当する。
図5及び図6に示すように、スライド部材112は、前後方向Yに沿って直線的な歯車が形成されたラック部121と、下端から上方に向かって切り欠き形成された係合部122とを備えている。また、スライド部材112は、幅方向Xにおける一端側(図5では左下側)で突出形成された第1スライド摺動部123と、幅方向Xにおける他端側(図6では右上側)で突出形成された第2スライド摺動部124と、を備えている。
スライド部材112のラック部121は、回転歯車113と歯合して、所謂ラックアンドピニオン機構を構成している。このラック部121と回転歯車113で構成されたラックアンドピニオン機構によって、スライド部材112は前後方向Yへ往復移動することを可能としている。
スライド部材112の係合部122は、前後方向Yと直交する第1のカム面125と、同第1のカム面125と前後方向Yに対向する第2のカム面126とを有している。そして、係合部122は、ブレード保持部116の摺動突部117を上方から囲うようにして、摺動突部117と係合している。具体的には、第1のカム面125及び第2のカム面126がブレード保持部116の摺動突部117を前後方向Yで挟持することで、係合部122は摺動突部117と係合している。
また、図4に示すように、スライド部材112の第1スライド摺動部123は、フレーム部材41のガイド壁58の平滑面64と当接している。また、図3に示すように、スライド部材112の第2スライド摺動部124は、フレーム部材41の第1側壁54のスライド摺動溝59に挿入された状態で、同スライド摺動溝59と係合している。そして、第1スライド摺動部123はフレーム部材41の平滑面64と、第2スライド摺動部124はフレーム部材41のスライド摺動溝59と、それぞれ摺動可能とされている。
なお、図5及び図6では、スライド部材112は、ワイピング部111を退避位置に位置させる「第1の位置」に位置した状態となっている。そして、スライド部材112は、第1の位置と、ワイピング部111をワイピング位置に位置させる「第2の位置」との間をノズル形成面21aと沿う方向となる前後方向Yに沿って移動することを可能としている。すなわち、第1の位置と第2の位置との間におけるスライド部材112の移動に連動して、ワイピング部111は退避位置とメンテナンス位置との間で移動可能とされている。
図5及び図6に示すように、回転歯車113と駆動歯車114は、幅方向Xに沿って貫通形成された軸穴127,128を有している。また、回転歯車113の軸穴127及び駆動歯車114の軸穴128と、第1側壁54の軸穴54a及び第2側壁55の軸穴55aには、幅方向Xを回転軸方向とする回転軸67(図2参照)が挿通されている。回転歯車113の軸穴127及び駆動歯車114の軸穴128は、回転軸67と嵌合して、同回転軸67と一体回転可能としている。また、フレーム部材41に取り付けられた状態で、駆動歯車114は、伝達機構45の歯車66と歯合している。したがって、駆動モーター30から伝達機構45に駆動力が伝達され、歯車66が回転することで、同歯車66と歯合する駆動歯車114は、正転方向及び逆転方向に回転可能となる。
なお、図5及び図6では、回転歯車113は、スライド部材112を第1の位置に位置させる「第1の角度」に位置した状態となっている。そして、回転歯車113は、第1の角度と、スライド部材112を第2の位置に位置させる「第2の角度」との間で回転することを可能としている。すなわち、第1の角度と第2の角度との間における回転歯車113の回転に連動して、スライド部材112は第1の位置と第2の位置との間で移動可能とされている。また、ここでいう回転歯車113の角度とは、回転歯車113の回転中心と回転歯車113の基準位置とを結ぶ径方向と、水平方向(前後方向Y)の間をなす角度をいう。具体的には、スライド部材112を第1の位置に位置させる第1の角度とは、図7(a)に示す角度θ1をいい、スライド部材112を第2の位置に位置させる第2の角度とは、図7(b)に示す角度θ2をいう。また、こうした点で、本実施形態では、回転歯車113が回転部材の一例に相当し、駆動モーター30が回転部材を第1の角度と第2の角度の間で回転させる駆動源の一例に相当している。
次に、第1実施形態のメンテナンスユニット31の作用について説明する。
さて、プリンター11による印刷がしばらく実行されない場合などには、液体噴射ヘッド21の内部において、インクが増粘したり、インクに気泡が生じたりすることがある。こうした場合には、キャップユニット46によってクリーニングが実行される。そして、液体噴射ヘッド21のクリーニングが実行されると、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aにインクが付着することがある。こうした場合に、プリンター11は、そのようなインクをノズル形成面21aから除去するために、ワイパーユニット101によってワイピングを実行する。
次に、ワイパーユニット101の作用について図7〜図10を参照して説明する。ここで、図7及び図8は、幅方向Xにおける一方向及び他方向からワイパーユニット101を見たときの側面図となっている。また、図7及び図8には、ワイパーユニット101の作用に関係するフレーム部材41の構成を抜き出して2点鎖線で図示している。
図7(a)及び図8(a)に示すように、ワイピングを実行する前のワイパーユニット101では、回転歯車113が第1の角度θ1に位置しているため、スライド部材112が第1の位置に位置している。また、スライド部材112が第1の位置に位置しているため、ワイピング部111は退避位置に位置している。そして、図7(a)及び図8(a)に示す状態から、ワイピングを実行する場合には、ワイピング部111を退避位置からワイピング位置に移動させるために、駆動モーター30を正転方向に回転駆動して伝達機構45(図2参照)を駆動させる。
すなわち、伝達機構45の歯車66が、図7(a)及び図8(a)に実線矢印で示す方向に回転することで、歯車66と歯合する駆動歯車114が実線矢印で示す方向に回転される。続いて、駆動歯車114とともに回転歯車113が一体回転することで、回転歯車113と歯合するラック部121を有するスライド部材112が、実線矢印で示すように前後方向Yにおける他端側に移動する。このとき、図7(a)に示すように、スライド部材112の第2スライド摺動部124がフレーム部材41のスライド摺動溝59と摺動する。
また、前後方向Yにおける他端側にスライド部材112が移動することで、図8(a)に示すように、スライド部材112の第1のカム面125がスライド部材112の移動方向に、ワイピング部111の摺動突部117を押圧する。このとき、スライド部材112の第1のカム面125は、スライド部材112の移動方向と交差する上下方向に、ワイピング部111の摺動突部117と摺動する。
そして、スライド部材112に押圧されるワイピング部111は、摺動軸118をフレーム部材41の摺動溝60と摺動させて、摺動溝60の形成方向に移動する。すなわち、ワイピング部111は、図7(a)に実線矢印で示す方向に移動する。具体的には、ワイピング部111は、摺動溝60の直状摺動溝60Aに案内されることで、スライド部材112とともに、スライド部材112の移動方向に移動する。続いて、ワイピング部111は、摺動溝60の斜状摺動溝60Bに案内されることで、スライド部材112の移動方向に移動しつつノズル形成面21aに接近する上方向に移動する。そして、ワイピング部111は、摺動溝60の直状摺動溝60Cに案内されることで、再びスライド部材112ともに、スライド部材112の移動方向に移動する。
こうして、図7(b)及び図8(b)に示すように、駆動歯車114と一体回転することで、回転歯車113が第1の角度θ1から第2の角度θ2へ回転する。また、回転歯車113の第1の角度θ1から第2の角度θ2への回転に連動して、スライド部材112が第1の位置から第2の位置に移動する。また、スライド部材112の第1の位置から第2の位置の移動に連動して、ワイピング部111は退避位置からメンテナンス位置に移動する。
ここで、ワイピング部111を退避位置からワイピング位置に移動させる際のワイピング部111とスライド部材112との係合関係について詳述する。図8(a)及び図8(b)に示すように、第1の位置から第2の位置に移動するスライド部材112の前後方向Yにおける移動量と、退避位置からワイピング位置に移動するワイピング部111の前後方向Yにおける移動量は等しくなっている。一方、第1の位置から第2の位置に移動するスライド部材112の上下方向における移動量と、退避位置からワイピング位置に移動するワイピング部111の上下方向における移動量は異なっている。具体的には、スライド部材112の上下方向における移動量が「0(零)」であるのに対して、ワイピング部111の上下方向における移動量は、図7に示すように上下方向における直状摺動溝60Aと直状摺動溝60Cとの間の距離となっている。
これは、上述したように、スライド部材112が第1の位置から第2の位置に移動するときに、スライド部材112(第1のカム面125)が、その移動方向にワイピング部111(摺動突部117)を押圧しつつ、その移動方向と交差する上下方向にワイピング部111(摺動突部117)と摺動するためである。すなわち、スライド部材112の第1のカム面125は、ワイピング部111が上方に移動することを許容しつつ、ワイピング部111を押圧する状態を維持することを可能とする。こうして、第1の位置から第2の位置に移動するに連れて上下方向における位置が変化しないスライド部材112で、ワイピング部111を退避位置から上方に位置するワイピング位置に移動させることが可能となっている。
また、図7(b)に示すように、本実施形態では、ワイピング部111がワイピング位置に位置したときに、ワイピング部111の摺動軸118は、フレーム部材41の摺動溝60の直状摺動溝60Cの上に位置した状態となっている。このため、ワイピング実行時にワイパーブレード115の上端とノズル形成面21aとの上下方向における距離が、ワイピング実行毎に略一定とされる。
また、図9(a)に示すように、ワイピング部111は、ワイピング部111の退避位置からメンテナンス位置に移動する方向と、スライド部材112の第1の位置から第2の位置に移動する方向(前後方向Y)の両方向と直交する幅方向Xにおいて、第1側壁54とスライド部材112に挟持されている。このため、ワイピング部111は、幅方向Xの移動が規制された状態で、退避位置とメンテナンス位置との間を安定して移動する。
また、図9(a),(b)に示すように、ワイピング部111がワイピング位置に位置したときに、ワイピング部111のブレード保持部116の位置決め部119と、フレーム部材41のガイド壁58のガイド部63が、幅方向Xにおいて当接した状態となっている。このため、ワイパーユニット101がワイピングを実行する際に、ワイピング部111が幅方向Xにおけるガイド壁58側に倒れこむことが抑制される。
そして、図10に示すように、キャリッジ16を支持部材13と対向する印刷領域からメンテナンスユニット31と対向する位置に移動させることで、ワイピング位置に位置したワイピング部111のワイパーブレード115と、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aとを摺動させる。すると、ワイピング部111のワイパーブレード115が弾性変形しつつ、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aと摺動することで、ノズル形成面21aに付着していたインクが払拭される。そして、キャリッジ16が移動を継続して、ワイパーブレード115がノズル形成面21aと摺動しなくなると、ワイピングが終了する。ワイピングが終了したら、ワイピング部111をワイピング位置から退避位置に移動させるために、駆動モーター30を逆転方向に回転駆動して伝達機構45を駆動させる。
すなわち、伝達機構45の歯車66が、図7(b)及び図8(b)に実線矢印で示す方向に回転することで、歯車66と歯合する駆動歯車114が実線矢印で示す方向に回転される。続いて、駆動歯車114とともに回転歯車113が一体回転することで、回転歯車113と歯合するラック部121を有するスライド部材112が、実線矢印で示す前後方向Yにおける一端側に移動する。
また、前後方向Yにおける一端側にスライド部材112が移動することで、図8(b)に示すように、スライド部材112の第2のカム面126がスライド部材112の移動方向に、ワイピング部111の摺動突部117を押圧する。このとき、スライド部材112の第2のカム面126は、スライド部材112の移動方向と交差する上下方向に、ワイピング部111の摺動突部117と摺動する。
そして、スライド部材112に押圧されるワイピング部111は、摺動軸118をフレーム部材41の摺動溝60と摺動させて、摺動溝60の形成方向に移動する。すなわち、ワイピング部111は、図7(b)に実線矢印で示す方向に移動する。
こうして、図7(a)及び図8(a)に示すように、駆動歯車114と一体回転することで、回転歯車113が第2の角度θ2から第1の角度θ1へ回転する。また、回転歯車113の第2の角度θ2から第1の角度θ1への回転に連動して、スライド部材112が第2の位置から第1の位置に移動する。また、スライド部材112の第2の位置から第1の位置の移動に連動して、ワイピング部111はメンテナンス位置から退避位置に移動する。そして、退避位置に移動したことで、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aと摺動不能となったワイピング部111の上部を通過して、キャリッジ16がメンテナンスユニット31と対向するホームポジションHPから支持部材13と対向する印刷領域に復帰する。
上述した第1実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)スライド部材112が第1の位置と第2の位置との間を前後方向Yに移動することで、ワイピング部111は、上下方向におけるノズル形成面21aに対する距離が異なる退避位置とワイピング位置との間を移動する。このため、例えば、スライド部材112が第1の位置と第2の位置との間を上下方向に移動することで、ワイピング部111を退避位置とワイピング位置との間で移動させる場合に比べ、スライド部材112の移動領域を上下方向に確保する必要がなくなる。したがって、特に上下方向においてワイパーユニット101を小型化することができる。そして、こうした簡易な構成で小型化が容易な液体噴射ヘッド21のワイパーユニット101によって、プリンター11を小型化することができる。
(2)ワイピング部111は、ワイピング位置と退避位置との間を移動する際に、フレーム部材41が有する摺動溝60と摺動することで、ワイピング位置と退避位置との間を安定して移動することができる。
(3)ワイピング部111がフレーム部材41とスライド部材112に幅方向Xにおいて挟持されているため、ワイピング部111がワイピング位置と退避位置との間を移動する際に、幅方向Xに変位することが抑制される。このため、ワイピング部111を、ワイピング位置と退避位置との間で安定して移動させることができる。
(4)スライド部材112の第1のカム面125及び第2のカム面126は、ワイピング部111を押圧しつつ、同ワイピング部111と摺動することを可能とする。このため、スライド部材112及びワイピング部111が移動して、上下方向における相対的な位置関係が変化しても、スライド部材112は、同スライド部材112の移動方向にワイピング部111を押圧することが可能となる。したがって、スライド部材112をノズル形成面21aと沿う前後方向Yに移動させることで、ワイピング部111をワイピング位置と退避位置との間で安定して移動させる構成を簡易な構成で実現することができる。
(5)ワイピング位置に位置するワイピング部111は、そのブレード保持部116の摺動軸118が、フレーム部材41の摺動溝60の直状摺動溝60Cに当接した状態となる。このため、メンテナンス実行時に、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aに対するワイパーブレード115の上下方向における位置決め精度を高くできる。
(6)ワイピング位置に位置するワイピング部111では、幅方向Xにおいて、ブレード保持部116の位置決め部119とガイド壁58のガイド部63とが当接した状態となる。このため、メンテナンス実行時に、ワイパーブレード115の幅方向Xにおける位置決め精度を高くできる。
(7)ワイピング部111のワイピング位置は、ワイピング部111の退避位置よりも、前後方向Yにおいて伝達機構45から離れた位置となっている。このため、ワイパーユニット101がワイピングを実行する際に、ワイピング部111が払拭したインクが飛散するなどして、同インクが、ラック部121、回転歯車113、駆動歯車114、及び伝達機構45などに付着し難くすることができる。
(8)また、仮にラック部121と回転歯車113の間にインクが付着して固化したとしても、駆動モーター30を駆動源とした、回転歯車113とスライド部材112から構成されるラックアンドピニオン機構により、ワイピング部111を安定して移動できる。このため、例えば、ワイピング部111が自重によってワイピング位置から退避位置に復帰する構成などに比べ、ワイピング部111の昇降移動の信頼性を高めることができる。
(9)回転歯車113の回転量に応じて、ワイピング部111の前後方向Yにおける移動量を変更できる。このため、前後方向Yにおけるワイパーユニット101の設計自由度を高めることができる。
(第2実施形態)
次に、液体噴射装置をインクジェット式プリンターに具体化した第2実施形態について、図を参照して説明する。
第2実施形態では、主にワイパーユニット102の構成が第1実施形態のワイパーユニット101の構成と相違する。このため、以降の第2実施形態の説明では、上記第1実施形態と同じ構成要素については同符号を付し、その説明を省略又は簡略するものとする。また、第2実施形態のメンテナンスユニット32の作用についても、ワイパーユニット102におけるワイピング部111の昇降に係る作用に限って説明する。
まず、ワイパーユニット102について図11及び図12を参照して説明する。なお、図11及び図12は、メンテナンスユニット32から取り外した状態のワイパーユニット102を示している。
図11及び図12に示すように、ワイパーユニット102は、ノズル形成面21aに付着するインクを払拭可能なワイピング部111と、ワイピング部111と係合しつつ前後方向Yに沿って移動可能なスライド部材131とを備えている。また、ワイパーユニット102は、スライド部材131と係合しつつ幅方向Xを回転軸方向とする回転カム132と、回転カム132と一体回転可能な駆動歯車114とを備えている。なお、本実施形態では、ワイパーユニット102がメンテナンス装置の一例に相当し、ワイピング部111がメンテナンス部の一例に相当する。
図11及び図12に示すように、スライド部材131は、幅方向Xにおける一端側(図12では右下側)に突出形成されたカム軸133と、下端から上方に向かって切り欠き形成された係合部122とを備えている。また、スライド部材131は、幅方向Xにおける一端側(図11では右下側)で突出形成された1つの第1スライド摺動部123と、幅方向Xにおける他端側(図12では左上側)で突出形成された2つの第2スライド摺動部124と、を備えている。スライド部材131のカム軸133は、前後方向Yにおける一端側(図12では右上側)に形成されている。
なお、図11及び図12では、スライド部材131は、ワイピング部111を退避位置に位置させる「第1の位置」に位置した状態となっている。そして、スライド部材131は、第1の位置と、ワイピング部111をワイピング位置に位置させる「第2の位置」との間をノズル形成面21aと沿う方向となる前後方向Yに沿って移動することを可能としている。すなわち、第1の位置と第2の位置との間におけるスライド部材131の移動に連動して、ワイピング部111は退避位置とメンテナンス位置との間で移動可能とされている。
図12に示すように、回転カム132は、幅方向Xに沿って貫通形成された軸穴134と、その軸穴134を中心として円弧状に形成されたカム溝135とを有している。回転カム132と駆動歯車114は、その軸穴134,128を回転軸67(図2参照)と嵌合させ、同回転軸67とともに正転方向及び逆転方向に回転可能としている。回転カム132のカム溝135は、幅方向Xにおける他端側(図12では左上側)に形成され、スライド部材131のカム軸133と係合することで平面カム機構を構成している。そして、スライド部材131のカム軸133と回転カム132のカム溝135から構成される平面カム機構によって、スライド部材131は前後方向Yへ往復移動することが可能とされている。
なお、図11及び図12では、回転カム132は、スライド部材131を第1の位置に位置させる「第1の角度」に位置した状態となっている。そして、回転カム132は、第1の角度と、スライド部材131を第2の位置に位置させる「第2の角度」との間で回転することを可能としている。すなわち、第1の角度と第2の角度との間における回転カム132の回転に連動して、スライド部材131は第1の位置と第2の位置との間で移動可能とされている。また、ここでいう回転カム132の角度とは、回転カム132の回転中心と回転カム132の基準位置とを結ぶ径方向と、水平方向(前後方向Y)の間をなす角度をいう。具体的には、スライド部材131を第1の位置に位置させる第1の角度とは、図13(a)に示す角度θ1をいい、スライド部材131を第2の位置に位置させる第2の角度とは、図13(b)に示す角度θ2をいう。また、こうした点で、本実施形態では、回転カム132は、回転部材の一例に相当している。なお、回転カム132のカム溝135の半径は、第1の角度においてスライド部材131のカム軸133と係合する部位が最小半径となり、第2の角度においてスライド部材131のカム軸133と係合する部位で最大半径となる。また、回転カム132のカム溝135の半径は、第1の角度から第2の角度に変化するに連れ単調増加するように形成されている。
次に、第2実施形態のワイパーユニット102の作用について図13〜図14を参照して説明する。ここで、図13及び図14は、幅方向Xにおける一方向及び他方向からワイパーユニット102を見たときの側面図となっている。また、図13及び図14には、ワイパーユニット102の作用に関係するフレーム部材42の構成を抜き出して2点鎖線で図示している。なお、図13及び図14に示すように、第2実施形態におけるフレーム部材42の摺動溝71は、前後方向Y及び上下方向の間をなす方向に沿って形成され、第1実施形態でいう斜状摺動溝60Bのみからなっている。
図13(a)及び図14(a)に示すように、ワイピングを実行する前のワイパーユニット102では、回転カム132が第1の角度θ1に位置しているため、スライド部材131が第1の位置に位置している。また、スライド部材131が第1の位置に位置しているため、ワイピング部111は退避位置に位置している。そして、図13(a)及び図14(a)に示す状態から、ワイピングを実行する場合には、ワイピング部111を退避位置からワイピング位置に移動させるために、駆動モーター30を正転方向に回転駆動して伝達機構45(図2参照)を駆動させる。
すなわち、伝達機構45の歯車66が、図13(a)及び図14(a)に実線矢印で示す方向に回転することで、歯車66と歯合する駆動歯車114が実線矢印で示す方向に回転される。続いて、駆動歯車114とともに回転カム132が一体回転することで、回転カム132と係合するカム軸133を有するスライド部材131が、実線矢印で示す前後方向Yにおける他端側に移動する。
また、前後方向Yにおける他端側にスライド部材131が移動することで、図14(a)に示すように、スライド部材131の第1のカム面125がスライド部材131の移動方向に、ワイピング部111の摺動突部117を押圧する。このとき、スライド部材131の第1のカム面125は、スライド部材131の移動方向と交差する上下方向に、ワイピング部111の摺動突部117と摺動する。
そして、スライド部材131に押圧されるワイピング部111は、摺動軸118をフレーム部材42の摺動溝71と摺動させて、摺動溝71の形成方向に移動する。すなわち、ワイピング部111は、図13(a)に実線矢印で示す方向に移動して、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aに接近する。具体的には、ワイピング部111は、摺動溝71に案内されることで、スライド部材131の移動方向と、ノズル形成面21aに接近する上方向の間をなす方向に移動する。
こうして、図13(b)及び図14(b)に示すように、駆動歯車114と一体回転することで、回転カム132が第1の角度θ1から第2の角度θ2へ回転する。また、回転カム132の第1の角度θ1から第2の角度θ2への回転に連動して、スライド部材131が第1の位置から第2の位置に移動する。また、スライド部材131の第1の位置から第2の位置の移動に連動して、ワイピング部111が退避位置からメンテナンス位置に移動する。
そして、ワイピングが実行され、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aに付着したインクが払拭されると、駆動モーター30を逆転方向に回転駆動して伝達機構45を駆動させる。
すなわち、伝達機構45の歯車66が、図13(b)及び図14(b)に実線矢印で示す方向に回転することで、歯車66と歯合する駆動歯車114が実線矢印で示す方向に回転される。続いて、駆動歯車114とともに回転カム132が一体回転することで、回転カム132のカム溝135と係合するカム軸133を有するスライド部材131が、実線矢印で示す前後方向Yにおける一端側に移動する。
また、前後方向Yにおける一端側にスライド部材131が移動することで、図14(b)に示すように、スライド部材131の第2のカム面126がスライド部材131の移動方向に、ワイピング部111の摺動突部117を押圧する。このとき、スライド部材131の第2のカム面126は、スライド部材131の移動方向と交差する上下方向に、ワイピング部111の摺動突部117と摺動する。
そして、スライド部材131に押圧されるワイピング部111は、摺動軸118をフレーム部材42の摺動溝71と摺動させて、摺動溝71の形成方向に移動する。すなわち、スライド部材131は、図13(b)に実線矢印で示す方向に移動して、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aから退避する。
こうして、図13(a)及び図14(a)に示すように、駆動歯車114と一体回転することで、回転カム132が第2の角度θ2から第1の角度θ1へ回転する。また、回転カム132の第2の角度θ2から第1の角度θ1への回転に連動して、スライド部材131が第2の位置から第1の位置に移動する。また、スライド部材131の第2の位置から第1の位置の移動に連動して、ワイピング部111がメンテナンス位置から退避位置に移動する。
上述した第2実施形態によれば、ワイピング部111を回転カム132とスライド部材131とで構成されるカム機構で移動させる点を除いて、第1実施形態の効果(1)〜(4),(6)〜(8)と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、液体噴射装置をインクジェット式プリンターに具体化した第3実施形態について、図を参照して説明する。
第3実施形態では、主にフレーム部材43及びワイパーユニット103の構成が第1実施形態のフレーム部材41及びワイパーユニット101の構成と相違する。このため、以降の第3実施形態の説明では、上記第1実施形態と同じ構成要素については同符号を付し、その説明を省略又は簡略するものとする。また、第3実施形態のメンテナンスユニット33の作用についても、ワイパーユニット103におけるワイピング部141の昇降に係る作用に限って説明する。
まず、フレーム部材43について図15〜図17を参照して説明する。なお、図15〜図17は、キャップユニット46を取り外した状態のメンテナンスユニット33を示している。
図15及び図16に示すように、フレーム部材43は、ワイパーユニット103を収容するワイパーユニット収容部72と、キャップユニット46を収容するキャップユニット収容部73とを備えている。また、フレーム部材43には、幅方向Xにおける両側において上方に立設される第1側壁74及び第2側壁75と、底面となる底壁76とが形成されている。フレーム部材43において、第1側壁74は、幅方向Xにおけるワイパーユニット収容部72側に設けられ、第2側壁75はその反対側に設けられている。
図15及び図16に示すように、ワイパーユニット収容部72は、上述した第1側壁74と、幅方向Xにおいて第1側壁74と間隔をあけて並設されたガイド壁77と、を備えている。また、ワイパーユニット収容部72は、第1側壁74とガイド壁77とを前後方向Yにおける他端側(図15では左上側)において、幅方向Xに連結する補強壁78を備えている。
図15に示すように、第1側壁74は、前後方向Y及び上下方向の間をなす方向に沿って形成された摺動溝79と、幅方向Xに沿って貫通形成された軸穴74aとを備えている。第1側壁74において、摺動溝79は前後方向Yに等間隔に3つ形成され、軸穴74aは、前後方向Yにおける一端側(図15では右下側)に形成されている。また、摺動溝79は、前後方向における一端側(図15では右下側)から他端側(図15では左上側)に向かうに連れ、ノズル形成面21aに接近する上方向に向かって設けられている。さらに、前後方向Yにおける両端に位置する摺動溝79には、その上端部において、上下方向と直交する面となる押上面79aが形成されている。
図17に示すように、ガイド壁77は、その前後方向Yにおける一端側(図17では左側)で突出形成されたばね座80と、ばね座80の上方でばね座80の突出方向に延設された押さえ部81とを備えている。また、押さえ部81と上下方向で対向する底壁76には、前後方向Yに沿って上方に凸形成された平滑面82が形成されている。また、平滑面82は、幅方向Xに間隔をあけて2つ形成されている。
次に、ワイパーユニット103について図18〜図20を参照して説明する。なお、図18〜図20は、メンテナンスユニット33から取り外した状態のワイパーユニット103を示している。
図18に示すように、ワイパーユニット103は、ノズル形成面21aに付着するインクを払拭可能なワイピング部141と、同ワイピング部141と係合しつつ前後方向Yに沿って移動可能な中継部材142とを備えている。また、ワイパーユニット103は、幅方向Xを回転軸方向とする回転レバー143と、駆動源の一例としての駆動モーター30の駆動力を回転レバー143に伝達する伝達部144とを備えている。また、図17に示すように、ワイパーユニット103は、ワイピング部141と中継部材142との間に設けられる付勢部材の一例としての圧縮ばね145を備えている。なお、本実施形態では、ワイパーユニット103がメンテナンス装置の一例に相当し、ワイピング部141がメンテナンス部の一例に相当する。
図18に示すように、ワイピング部141は、ノズル形成面21aと摺動可能なワイパーブレード115と、ワイパーブレード115を保持可能なブレード保持部146とを備えている。
ブレード保持部146は、幅方向Xにおける一端側(図18では右上側)において、その一端側に向かって突出形成された位置決め部147と、一端側に向かって屈曲した屈曲部148とを備えている。また、ブレード保持部146は、幅方向Xにおける他端側(図18では左下側)で突出形成された2つの摺動軸118を備えている。図18に示すように、ブレード保持部146において、位置決め部147は前後方向Yにおける他端側(図18では左上側)に形成され、屈曲部148は前後方向Yにおける一端側(図18では右下側)に形成されている。また、ブレード保持部146において、2つの摺動軸118は、前後方向Yに間隔をあけて形成されている。
ブレード保持部146の位置決め部147は、ワイピング部141の移動に応じて、図15に示すフレーム部材43のガイド壁77と摺動することで、ワイピング部171の移動を安定させるために設けられている。また、摺動軸118は、図15に示すフレーム部材43の摺動溝79に挿入された状態で、同摺動溝79とその形成方向に摺動可能とされている。また、図19に示すように、屈曲部148は、前後方向Yと直交する被押圧面149と、その前後方向Yにおける反対側(図19では左側)において上下方向に亘って凹み形成された凹溝150とを有している。
なお、図18〜図20では、ワイピング部141は、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aから離間して同ノズル形成面21aと当接不能な「退避位置」に位置した状態になっている。そして、ワイピング部141は、退避位置と、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aに当接可能な「ワイピング位置」との間を、フレーム部材43の摺動溝79と摺動しつつ移動することを可能としている。また、ノズル形成面21aと直交する上下方向において、退避位置に位置するワイピング部141とノズル形成面21aとの距離は、ワイピング位置に位置するワイピング部141とノズル形成面21aとの距離よりも遠く(長く)なっている。
図18に示すように、中継部材142は、幅方向Xにおける他端側(図18では左下側)に突出形成されたリブ151と、前後方向Yにおける一端側(図18では右下側)に突出形成された凸溝152とを備えている。また、図20に示すように、中継部材142は、前後方向Yにおける他端側(図20では左側)に突出形成されたばね座153と、上端面から突出形成された被押さえ部154と、ばね座153の下方で上下方向と直交する面となる摺動面155とを備えている。
図18に示すように、中継部材142の凸溝152は、ブレード保持部146の凹溝150に対応して、上下方向に沿って形成されている。そして、図19に示すように、中継部材142の凸溝152は、ブレード保持部146の凹溝150と上下方向に摺動可能とされている。また、中継部材142のリブ151は、ブレード保持部146と上下方向に摺動可能とされている。また、中継部材142は、凸溝152及び凹溝150を介して係合するブレード保持部146の移動に応じて、前後方向Yに移動可能としている。
図17に示すように、中継部材142のばね座153は、フレーム部材43のばね座80と前後方向Yにおいて対応するように設けられている。そして、圧縮ばね145は圧縮された状態で、その両端がばね座80及びばね座153に係止されている。このため、図17に示す状態では、フレーム部材43と中継部材142には、圧縮ばね145の圧縮量に応じた復元力(弾性力)が作用している。なお、実際には、フレーム部材43はプリンター11に固定配置されるため、圧縮ばね145の復元力は、前後方向Yにおける一端側(図17では左側)に向かって中継部材142に作用している。すなわち、圧縮ばね145は、ワイピング部141をワイピング位置から退避位置に移動させる付勢力を、ワイピング部141に付与すること可能としている。また、図17に示すように、中継部材142の被押さえ部154(図20参照)はフレーム部材43の押さえ部81と当接し、同中継部材142の摺動面155はフレーム部材43の平滑面82と当接している。
なお、図17では、中継部材142は、圧縮ばねの圧縮量が最も小さい状態となる「非圧縮位置」に位置している。そして、中継部材142は、非圧縮位置から、圧縮ばね145を最も圧縮する状態となる「圧縮位置」に移動可能としている。そして、ワイピング部141が退避位置に位置する場合に中継部材142は非圧縮位置に位置され、ワイピング部141がワイピング位置に位置する場合に中継部材142は圧縮位置に位置される。
図20に示すように、回転レバー143は、幅方向Xを軸線方向とする回転軸156と、凸面状をなす押圧凸面157及び被押圧凸面158を備えている。回転レバー143において、押圧凸面157は前後方向Yにおける他端側(図20では左側)に形成され、被押圧凸面158は前後方向Yにおける一端側(図20では右側)に形成されている。
図15及び図16に示すように、回転レバー143の回転軸156は、第1側壁74の軸穴74aと第2側壁75の軸穴75aに挿通され、フレーム部材43に回転可能に軸支されている。また、図20に示すように、回転レバー143の押圧凸面157は、ノズル形成面21aと沿う前後方向Yにおいて、ワイピング部141の被押圧面149を押圧可能としている。なお、ここでいう回転レバー143がワイピング部141をノズル形成面21aと沿う方向(前後方向Y)に押圧可能とは、回転レバー143がワイピング部141を押圧する際に、ワイピング部141に作用する押圧力に前後方向Yに作用する成分が含まれることを意味している。したがって、前後方向Yに押圧可能とは、前後方向Yに沿う方向にのみ押圧力を作用させることを意味するものではない。
なお、図18〜図20では、回転レバー143は、ワイピング部141を押圧しない「非押圧位置」に位置した状態になっている。そして、回転レバー143は、非押圧位置と、ワイピング部141を押圧することで同ワイピング部141をワイピング位置に位置させる「押圧位置」との間で回転することを可能としている。すなわち、非押圧位置から押圧位置への回転レバー143の回転に連動して、ワイピング部141は退避位置からワイピング位置に移動可能とされている。また、駆動モーター30は、伝達部144を介して、回転レバー143を非押圧位置と押圧位置との間で回転させることを可能としている。
図20に示すように、伝達部144は、幅方向Xを軸線方向とする駆動軸161と、幅方向Xを回転軸方向とする押圧カム162とを備えている。駆動軸161の一端(図18では左下)は、不図示の伝達機構を介して、駆動モーター30に接続されている。押圧カム162は、幅方向Xに沿って貫通形成された軸穴163と、周面上に形成された押圧カム面164とを備えている。押圧カム162の軸穴163は駆動軸161と嵌合され、押圧カム162は駆動軸161と一体回転可能としている。また、押圧カム面164は、回転レバー143の被押圧凸面158を押圧可能としている。
なお、図18〜図20では、押圧カム162は、回転レバー143を押圧しない「非押圧角度」に位置した状態となっている。そして、押圧カム162は、非押圧角度と、回転レバー143を押圧することで同回転レバー143を押圧位置に位置させる「押圧角度」との間で回転することを可能としている。また、ここでいう押圧カム162の角度とは、押圧カム162の回転中心と押圧カム162の基準位置とを結ぶ径方向と、水平方向(前後方向Y)の間をなす角度をいう。具体的には、回転レバー143を押圧しない非押圧角度とは、図21(a)に示す角度φ1をいい、回転レバー143を押圧位置に位置させる押圧角度とは、図21(b)に示す角度φ2をいう。
次に、第3実施形態のワイパーユニット103の作用について図21及び図22を参照して説明する。ここで、図21及び図22は、幅方向Xにおける一方向及び他方向からワイパーユニット103を見たときの側面図となっている。また、図21及び図22は、ワイパーユニット103の作用に関係するフレーム部材43の構成を抜き出して2点鎖線で図示している。
図21(a)及び図22(a)に示すように、ワイピングを実行する前のワイパーユニット103では、押圧カム162が非押圧角度φ1に位置しているため、回転レバー143が非押圧位置に位置している。また、回転レバー143が非押圧位置に位置しているため、ワイピング部141は退避位置に位置し、中継部材142は非圧縮位置に位置している。そして、図21(a)及び図22(a)に示す状態から、ワイピングを実行する場合には、ワイピング部141を退避位置からワイピング位置に移動させるために、駆動モーター30を正転方向に回転駆動して伝達部144を駆動させる。
すなわち、伝達部144の押圧カム162が、図21(a)及び図22(a)に実線矢印で示す方向に回転することで、押圧カム162の押圧カム面164に押圧される被押圧凸面158を有する回転レバー143が実線矢印で示す方向に回転する。続いて、回転レバー143の押圧凸面157がワイピング部141の被押圧面149を押圧する。このとき、回転レバー143に押圧されたワイピング部141は、摺動軸118をフレーム部材43の摺動溝79と摺動させて、摺動溝79の形成方向に移動する。すなわち、ワイピング部141は、図21(a)に実線矢印で示す方向に移動して、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aに接近する。そして、ワイピング部141の摺動軸118を押上面79a上に位置させた状態とする。また、図22(a)に示すように、移動するワイピング部141は、同ワイピング部141の凹溝150(図19参照)を中継部材142の凸溝152と上下方向に摺動させるとともに、圧縮ばね145が圧縮する方向に中継部材142を移動させる。すなわち、ワイピング部141の移動にともなって、中継部材142が前後方向Yにおける他端側に移動して、圧縮ばね145を前後方向Yに圧縮する。
ここで、図22(a)に示すように、中継部材142が非圧縮位置から圧縮位置に移動する際に、中継部材142の被押さえ部154は、フレーム部材43の押さえ部81と摺動する。また、中継部材142が非圧縮位置から圧縮位置に移動する際に、中継部材142の摺動面155は、フレーム部材43の平滑面82と摺動する。こうして、中継部材142は、上下方向の変位が規制された状態で前後方向Yに移動するため、幅方向X及び上下方向にずれが生じることなく、圧縮ばね145が圧縮される。
こうして、図21(b)及び図22(b)に示すように、押圧カム162が非押圧角度φ1から押圧角度φ2に回転する。また、押圧カム162が非押圧角度φ1から押圧角度φ2へ回転することで、回転レバー143が非押圧位置から押圧位置に移動する。また、回転レバー143の非押圧位置から押圧位置への移動に連動して、ワイピング部141が退避位置からワイピング位置に移動し、さらに中継部材142が非圧縮位置から圧縮ばね145を最も圧縮させる圧縮位置に移動する。なお、この状態では、回転レバー143のワイピング部141に対する押圧力と圧縮ばね145の復元力が釣り合った状態となっている。
そして、ワイピングが実行され、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aに付着したインクが払拭されると、ワイピング部141をワイピング位置から退避位置に移動させるために、駆動モーター30を逆転方向に回転駆動して伝達部144を駆動させる。
すなわち、押圧カム162が、図21(b)及び図22(b)に実線矢印で示す方向に回転することで、押圧カム162による回転レバー143の押圧状態及び回転レバー143によるワイピング部141の押圧状態が解消される。すなわち、上述した回転レバー143のワイピング部141に対する押圧力と圧縮ばね145の復元力との釣り合い状態が解消される。
すると、圧縮ばね145が伸張しようと復元力が中継部材142に作用することによって、中継部材142は、実線矢印で示すように前後方向Yにおける一端側に移動する。続いて、中継部材142と係合関係にあるワイピング部141は、中継部材142を介して圧縮ばね145の復元力が作用することで、実線矢印で示す方向に移動する。また、このとき、ワイピング部141は、中継部材142と上下方向に摺動する。さらに、ワイピング部141の被押圧面149が、回転レバー143を押圧することで回転レバー143は実線矢印に示す方向に回転する。
こうして、図21(a)及び図22(a)に示すように、押圧カム162が押圧角度φ2から非押圧角度φ1に回転する。また、押圧カム162が押圧角度φ2から非押圧角度φ1に回転することで、中継部材142が圧縮位置から圧縮ばね145の圧縮変位量が最も小さい非圧縮位置に移動する。また、中継部材142の圧縮位置から非圧縮位置への移動にともなって、ワイピング部141がメンテナンス位置から退避位置に移動し、さらに、回転レバー143が押圧位置から非押圧位置に移動する。
上述した第3実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(10)回転レバー143がノズル形成面21aと沿う方向である前後方向Yからワイピング部141を押圧することで、ワイピング部141を退避位置からワイピング位置に移動させる。このため、例えば、回転レバー143が非押圧位置から押圧位置に回転する際に、ワイピング部141を上方向に押圧する場合に比べ、回転レバー143の回転領域をワイピング部141の上下方向の領域に確保する必要がなくなる。したがって、特に上下方向においてワイパーユニット103を小型化することができる。そして、こうした簡易な構成で小型化が容易な液体噴射ヘッド21のワイパーユニット103によって、プリンター11を小型化することができる。
(11)ワイピング位置に位置するワイピング部141は、そのブレード保持部146の摺動軸118が、フレーム部材43の摺動溝79の押上面79aに当接した状態となる。このため、メンテナンス実行時に、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aに対するワイパーブレード115の上下方向における位置決め精度を高くできる。
(12)前後方向Yにおいて、ワイピング部141のワイピング位置は、ワイピング部141の退避位置よりも伝達部144から離れた位置となっている。このため、ワイパーユニット103がワイピングを実行する際に、ワイピング部141が払拭したインクが飛散するなどして、同インクが、回転レバー143や伝達部144などに付着し難くすることができる。
次に、液体噴射装置をインクジェット式プリンターに具体化した第4実施形態について、図を参照して説明する。
第4実施形態では、主にフレーム部材44及びワイパーユニット104の構成が第3実施形態のフレーム部材43及びワイパーユニット104の構成と相違する。このため、以降の第4実施形態の説明では、上記各実施形態と同じ構成要素については同符号を付し、その説明を省略又は簡略するものとする。また、第4実施形態のメンテナンスユニット34の作用についても、ワイパーユニット104におけるワイピング部171の昇降に係る作用に限って説明する。
まず、フレーム部材44について図23及び図24を参照して説明する。なお、図23及び図24は、キャップユニット46を取り外した状態のメンテナンスユニット34を示している。
図23及び図24に示すように、フレーム部材44は、ワイパーユニット104を収容するワイパーユニット収容部72と、キャップユニット46を収容するキャップユニット収容部73とを備えている。ワイパーユニット収容部72は、幅方向Xにおける他端側(図23では左下側)で上方に立設される第1側壁74と、幅方向Xにおいて第1側壁74と間隔をあけて並設されたガイド壁85と、を備えている。
図23に示すように、第1側壁74は、前後方向Yにおける一端側(図23では右下側)に位置する摺動溝79の下方で、幅方向Xに突出形成されたばね係止部86を備えている。また、図23に示すように、ガイド壁85は、前後方向Yにおける一端側(図23では右下側)と他端側(図23では左上側)で第1側壁74に向かって延設された位置決め部87を備えている。ガイド壁85の位置決め部87は、後述するワイピング部171が移動する際に、同ワイピング部171と摺動して、ワイピング部171の移動を安定させるために設けられている。
次に、ワイパーユニット104について図25及び図26を参照して説明する。なお、図25及び図26は、メンテナンスユニット34から取り外した状態のワイパーユニット104を示している。
図25に示すように、ワイパーユニット104は、ノズル形成面21aに付着するインクを払拭可能なワイピング部171と、幅方向Xを回転軸方向とする回転レバー143と、駆動源の一例としての駆動モーター30の駆動力を回転レバー143に伝達する伝達部144とを備えている。また、図23に示すように、ワイパーユニット104は、ワイピング部171とフレーム部材44を連結する付勢部材の一例としての引張ばね172を備えている。なお、本実施形態では、ワイパーユニット104がメンテナンス装置の一例に相当し、ワイピング部171がメンテナンス部の一例に相当する。
ワイピング部171は、ノズル形成面21aと摺動可能なワイパーブレード115と、ワイパーブレード115を保持可能なブレード保持部173とを備えている。ブレード保持部173は、幅方向Xにおける他端側(図25では左下側)において、2つの摺動軸118と、突出形成されたばね係止部174とを備えている。また、ブレード保持部173は、前後方向Yにおける一端側(図25では右下側)において、摺動軸118の突出方向とは反対側に屈曲する屈曲部175を備えている。
図25に示すように、ブレード保持部173において、2つの摺動軸118は、前後方向Yに間隔をあけて形成され、2つの摺動軸118の間にばね係止部174が形成されている。また、図26に示すように、屈曲部175には、その前後方向Yにおける一端側(図26では右側)の面が前後方向Yと直交する被押圧面149となっている。また、図23に示すように、引張ばね172は、伸張された状態で、ブレード保持部173のばね係止部174とフレーム部材44のばね係止部86に、その両端が係止されている。このため、図23に示す状態では、フレーム部材44とブレード保持部173には、引張ばね172の伸張量に応じたが復元力(弾性力)が作用している。なお、実際には、フレーム部材44はプリンター11に固定配置されるため、引張ばね172の復元力は、引張ばね172が収縮する方向にブレード保持部173に作用している。すなわち、圧縮ばね145は、ワイピング部141をワイピング位置から退避位置に移動させる付勢力を、ワイピング部141に付与すること可能としている。
次に、第4実施形態のワイパーユニット104の作用について図27を参照して説明する。ここで、図27は、幅方向Xにおける一方向からワイパーユニット104を見たときの側面図となっている。また、図27は、ワイパーユニット104の作用に関係するフレーム部材44の構成を抜き出して2点鎖線で図示している。
図27(a)に示すように、ワイピングを実行する前のワイパーユニット104では、押圧カム162が非押圧角度φ1に位置しているため、回転レバー143が非押圧位置に位置している。また、回転レバー143が非押圧位置に位置しているため、ワイピング部171は退避位置に位置している。そして、図27(a)に示す状態から、ワイピングを実行する場合には、ワイピング部171を退避位置からワイピング位置に移動させるために、駆動モーター30を正転方向に回転駆動して伝達部144を駆動させる。
すなわち、伝達部144の押圧カム162が、図27(a)に実線矢印で示す方向に回転することで、押圧カム162の押圧カム面164に押圧される被押圧凸面158を有する回転レバー143が、実線矢印で示す方向に回転する。続いて、回転レバー143の押圧凸面157がワイピング部171の被押圧面149を押圧する。このとき、回転レバー143に押圧されたワイピング部171は、摺動軸118をフレーム部材44の摺動溝79と摺動させて、摺動溝79の形成方向に移動する。こうして、ワイピング部171は、図27(a)に実線矢印で示す方向に移動して、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aに接近する。そして、ワイピング部171の摺動軸118を押上面79a上に位置させた状態とする。また、ワイピング部171の移動にともなって、引張ばね172がフレーム部材44のばね係止部86を基点に、回転しつつ伸張される。
こうして、図27(b)に示すように、押圧カム162が非押圧角度φ1から押圧角度φ2に回転する。また、押圧カム162が非押圧角度φ1から押圧角度φ2へ回転することで、回転レバー143が非押圧位置から押圧位置に移動する。また、回転レバー143の非押圧位置から押圧位置への移動に連動して、ワイピング部171が退避位置からワイピング位置に移動し、さらに、引張ばね172が最も伸張された状態となる。なお、この状態は、回転レバー143のワイピング部171に対する押圧力と引張ばね172の復元力が釣り合った状態となっている。
そして、ワイピングが実行され、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aに付着したインクが払拭されると、ワイピング部171をワイピング位置から退避位置に移動させるために、駆動モーター30を逆転方向に回転駆動して伝達部144を駆動させる。
すなわち、押圧カム162が、図27(b)に実線矢印で示す方向に回転することで、押圧カム162による回転レバー143の押圧状態及び回転レバー143によるワイピング部171の押圧状態が解消される。すなわち、上述した回転レバー143の押圧力と引張ばね172の復元力との釣り合い状態が解消される。すると、引張ばね172が収縮しようとする復元力によって、ワイピング部171は、実線矢印で示す方向に沿って移動する。続いて、ワイピング部171の被押圧面149が回転レバー143の押圧凸面157を押圧することで、回転レバー143は実線矢印に示す方向に回転する。
こうして、図27(a)に示すように、押圧カム162が押圧角度φ2から非押圧角度φ1に回転する。また、押圧カム162が押圧角度φ2から非押圧角度φ1に回転することで、ワイピング部171がワイピング位置から退避位置に移動し、さらに、回転レバー143が押圧位置から非押圧位置に移動する。また、ワイピング部171が退避位置に位置したことで、引張ばね172の伸張状態が解消される。
上述した第4実施形態によれば、第3実施形態の効果(10)〜(12)を得ることができる。
なお、上記各実施形態は、以下に示すように変更してもよい。
・キャップユニット46をメンテナンス装置として、メンテナンス位置と退避位置との間を移動させてもよい。この場合には、例えば、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aにキャップ47が当接した状態をメンテナンス位置とし、ノズル形成面21aからキャップ47が退避した状態を退避位置とすればよい。また、液体噴射ヘッド21から噴射されるインクを受容可能なフラッシングボックスをメンテナンス装置として、メンテナンス位置と退避位置との間を移動させてもよい。この場合には、例えば、液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aと対向する位置にフラッシングボックスが位置した状態をメンテナンス位置とし、ノズル形成面21aと対向しない位置にフラッシングボックスが位置した状態を退避位置とすればよい。このように、メンテナンス装置は、ワイパーユニット101〜104以外の液体噴射ヘッド21をメンテナンス可能なメンテナンス装置としてもよい。
・駆動モーター30は、紙送りローラー14を駆動する紙送りモーターとしてもよい。
・摺動溝60,71,79は、直線状に形成しなくてもよい。例えば、円弧状に形成してもよい。
・摺動溝60,71,79と摺動軸118は、ワイピング部111,141,171を退避位置からメンテナンス位置に案内できるのであれば、他の構成に変更してもよい。例えば、摺動溝60,71,79は、同摺動溝60,71,79の形成方向に延びるレールとしてもよい。この場合、摺動溝60,71,79と係合するワイピング部111,141,171の摺動軸118は、レールと摺動可能な形状となっていることが望ましい。
・第1実施形態において、駆動モーター30で回転歯車113を回転させてもよい。また、第2実施形態において、駆動モーター30で回転カム132を回転させてもよい。また、第3実施形態及び第4実施形態において、駆動モーター30で回転レバー143を回転させてもよい。
・第1実施形態及び第2実施形態において、ワイピング実行中に限って、ワイピング部111のブレード保持部116の位置決め部119と、フレーム部材41のガイド壁58のガイド部63が、幅方向Xにおいて当接するようにしてもよい。すなわち、ワイピング部111がワイピング位置に位置しただけでは、位置決め部119とガイド部63は当接していなくてもよい。
・第1実施形態において、回転歯車113とスライド部材112で構成されるラックアンドピニオン機構を、回転運動を直線運動に変換するピストンクランク機構で代替してもよい。
・第3実施形態及び第4実施形態において、回転レバー143は、ワイピング部141,171を押圧することで、同ワイピング部141,171をワイピング位置から退避位置に移動させるようにしてもよい。この場合、付勢部材(圧縮ばね145、引張ばね172)は、ワイピング部141,171を退避位置からワイピング位置に移動させる付勢力をワイピング部141,171に作用させることが望ましい。
・上記実施形態において、液体噴射装置は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置であってもよい。なお、液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体噴射装置から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置であってもよい。
11…プリンター(液体噴射装置の一例)、21…液体噴射ヘッド、21a…ノズル形成面、22…ノズル、30…駆動モーター(駆動源の一例)、41,42,43,44…フレーム部材、60,71,79…摺動溝(摺動部の一例)、60B…斜状摺動溝(斜状摺動部の一例)、101,102,103,104…ワイパーユニット(メンテナンス装置の一例)、111,141,171…ワイピング部(メンテナンス部の一例)、112,131…スライド部材、113…回転歯車(回転部材の一例)、132…回転カム(回転部材の一例)、125…第1のカム面、126…第2のカム面、143…回転レバー、145…圧縮ばね(付勢部材の一例)、172…引張ばね(付勢部材の一例)、θ1…第1の角度、θ2…第2の角度。

Claims (5)

  1. ノズル形成面に形成されたノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドをメンテナンスするメンテナンス装置と、を備える液体噴射装置であって、
    前記メンテナンス装置は、
    前記液体噴射ヘッドをメンテナンス可能なメンテナンス位置と、前記メンテナンス位置よりも前記ノズル形成面と直交する直交方向において前記ノズル形成面から離間した退避位置と、の間で移動可能なメンテナンス部と、
    前記メンテナンス部と係合して、前記メンテナンス部を前記退避位置に位置させる第1の位置と前記メンテナンス部をメンテナンス位置に位置させる第2の位置との間を前記ノズル形成面と沿う方向に移動可能なスライド部材と、
    前記スライド部材と係合して、前記スライド部材を前記第1の位置に位置させる第1の角度と前記スライド部材を前記第2の位置に位置させる第2の角度との間で回転可能な回転部材と、
    前記回転部材を前記第1の角度と前記第2の角度との間で回転させる駆動源と、を備えることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記メンテナンス装置は、前記メンテナンス部が前記退避位置と前記メンテナンス位置との間を移動する際に、同メンテナンス部と摺動する摺動部をさらに備え、
    前記摺動部は、前記スライド部材が前記第1の位置から前記第2の位置に移動する方向に向かうに連れ、前記直交方向において前記ノズル形成面に接近する方向に延びる斜状摺動部を少なくとも有することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記メンテナンス装置は、前記摺動部を有するフレーム部材をさらに備え、
    前記メンテナンス部の移動方向及び前記スライド部材の移動方向の両方向と直交する方向において、前記メンテナンス部は、前記フレーム部材と前記スライド部材とに挟持されていることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記スライド部材は、
    前記スライド部材が前記第1の位置から前記第2の位置に移動するときに、その移動方向に前記メンテナンス部を押圧しつつ、その移動方向と交差する方向に前記メンテナンス部と摺動する第1のカム面と、
    前記スライド部材が前記第2の位置から前記第1の位置に移動するときに、その移動方向に前記メンテナンス部を押圧しつつ、その移動方向と交差する方向に前記メンテナンス部と摺動する第2のカム面と、を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
  5. ノズル形成面に形成されたノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドをメンテナンスするメンテナンス装置と、を備える液体噴射装置であって、
    前記メンテナンス装置は、
    前記液体噴射ヘッドをメンテナンス可能なメンテナンス位置と、前記メンテナンス位置よりも前記ノズル形成面と直交する直交方向において前記ノズル形成面から離間した退避位置と、の間で移動可能なメンテナンス部と、
    前記メンテナンス部を押圧しない非押圧位置と、前記ノズル形成面と沿う方向から前記メンテナンス部を押圧して同メンテナンス部を前記メンテナンス位置に位置させる押圧位置と、の間で変位可能な回転レバーと、
    前記回転レバーを前記非押圧位置と前記押圧位置との間で回転させる駆動源と、
    前記メンテナンス部を前記メンテナンス位置から前記退避位置に移動させる付勢力を前記メンテナンス部に付与する付勢部材と、を備えることを特徴とする液体噴射装置。
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