JP2014188615A - ディンプル加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりもコストを削減し且つ作業負担を軽減することができ、しかも、粒子が残存する不安を完全に払拭することもできるディンプル加工方法を提供する。
【解決手段】微小窪み16の形成予定位置に合わせて穴明けされたマスキングシート6によりシリンダボア2(ボア)の内周面を被覆し、一対のエア膨張式シール7,8を外嵌装着したロッド材9をシリンダボア2内に挿入してマスキングシート6の穴明き範囲を各エア膨張式シール7,8の相互間で挟み、各エア膨張式シール7,8を膨張させて両者間に挟まれた空間を液密に封止し、この空間を電解液14により満たし、ロッド材9側を陰極とし且つシリンダブロック1(金属部材)側を陽極として両者間に直流電流を流し、これによりマスキングシート6の穴明き部分に露出するシリンダボア2の内周面に対し電解研磨を施して微小窪み16を形成する。
【選択図】図12

Description

本発明は、エンジンのシリンダブロックにおけるシリンダボア等の内周面に多数の微小窪みを規則的な配置で形成するためのディンプル加工方法に関するものである。
一般的に、エンジンのシリンダブロックにおけるシリンダボアの内周面には、潤滑性の向上を目的としたディンプル加工が施されるようになっており、この種のディンプル加工には、硬度の高い粒子(投射材)を加工面に投射して多数の微小窪みを形成するショットブラストが多く採用されている。
この際、微小窪みを規則的な配置で形成するため、微小窪みの形成予定位置に合わせて穴明けされた円筒状のマスキングシートを作成してシリンダボア内に挿入し、このマスキングシートにより加工面を被覆した上でショットブラストを実施し、穴明き箇所にのみ微小窪みが形成されるようにしている。
尚、この種のショットブラストを用いてシリンダボアの内周面をディンプル加工する方法に関連する先行技術文献情報としては下記の特許文献1,2等が既に提案されている。
特開2006−315082号公報 特開2010−13993号公報
しかしながら、ショットブラストを用いてディンプル加工を施す従来方法では、マスキングシートに粒子の投射に耐え得る高い強度が求められるため、マスキングシートの加工費にコストがかかるという問題があり、しかも、加工後に多量の粒子が残存することになるため、この多量の粒子を除去するための洗浄が必要となって作業負担が大きくなる上、粒子が残存する不安を完全に払拭することができないという問題もあった。
特にシリンダボアの内壁にシリンダライナを用いないでシリンダブロックにシリンダを直接成形するようにしたライナレス仕様のエンジンの場合には、大型の重量物であるシリンダブロック側を動かすことが困難であるため、ショットブラスト側を狭いボア内に挿入して回転させながら粒子を投射しなければならず、斯かる使用条件に対応し得るような特殊なノズルの新設や面倒なセッティングが必要となり、コストの高騰や作業負担の増大がより顕著な問題となっている。
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、従来よりもコストを削減し且つ作業負担を軽減することができ、しかも、粒子が残存する不安を完全に払拭することもできるディンプル加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、金属部材に形成されたボアの内周面に多数の微小窪みを規則的な配置で形成するためのディンプル加工方法であって、微小窪みの形成予定位置に合わせて穴明けされたマスキングシートにより前記ボアの内周面を被覆し、一対のエア膨張式シールを長手方向の二箇所に距離を隔てて外嵌装着したロッド材を前記ボア内に挿入して前記マスキングシートの穴明き範囲を前記各エア膨張式シールの相互間で挟み、前記ロッド材の内部を通して供給したエアにより前記各エア膨張式シールを膨張させて該各エア膨張式シールに挟まれた空間を液密に封止し、次いで、前記ロッド材の内部を通して供給した電解液により前記各エア膨張式シールに挟まれた空間を満たし、前記ロッド材側を陰極とし且つ前記金属部材側を陽極として両者間に直流電流を流し、これにより前記マスキングシートの穴明き部分に露出するボアの内周面に対し電解研磨を施して微小窪みを形成することを特徴とするものである。
このようにすれば、マスキングシートの穴明き部分に露出するボアの内周面を電気化学的に溶解させて微小窪みを形成することが可能となり、前記マスキングシートにショットブラストに用いる場合の如き高い強度が求められなくなるので、前記マスキングシートの作成にコストの高いプラスチック板を用いなくても済み、前記マスキングシートの加工費が安価に抑えられてコストの大幅な削減化が図られ、しかも、ショットブラストを用いた場合のように加工後に多量の粒子が残存することがないので、多量の粒子を除去するための洗浄が不要となって作業負担の大幅な軽減化が図られ、更には、粒子が残存する不安を完全に払拭することが可能となる。
また、一対のエア膨張式シールを長手方向の二箇所に距離を隔てて外嵌装着したロッド材を使用し、該ロッド材をボア内に挿入して前記各エア膨張式シールにより前記ボアの内部を液密に封止して局所的に電解研磨によるディンプル加工を施すことが可能であるので、例えば、大型の重量物であるシリンダブロックのシリンダボア等を対象として簡便にディンプル加工を施すことが可能となる。
しかも、一対のエア膨張式シールを長手方向の二箇所に距離を隔てて外嵌装着したロッド材は、それ自体に機械的な作動部や電気的な駆動部を持たないシンプルな構成で済むことから安価に製作することが可能であり、また、そのセッティングにあたっても単にボア内に挿入して各エア膨張式シールを膨張させるだけで済むので極めて簡便に行うことが可能である。
また、本発明は、金属部材に形成されたボアの内周面に多数の微小窪みを規則的な配置で形成するためのディンプル加工方法であって、微小窪みの形成予定位置に合わせて穴明けされたマスキングシートにより前記ボアの内周面を被覆し、一対のエア膨張式シールを長手方向の二箇所に距離を隔てて外嵌装着したロッド材を前記ボア内に挿入して前記マスキングシートの穴明き範囲を前記各エア膨張式シールの相互間で挟み、前記ロッド材の内部を通して供給したエアにより前記各エア膨張式シールを膨張させて該各エア膨張式シールに挟まれた空間を液密に封止し、次いで、前記ロッド材の内部を通して供給したエッチング液により前記各エア膨張式シールに挟まれた空間を満たし、これにより前記マスキングシートの穴明き部分に露出するボアの内周面に対しエッチングを施して微小窪みを形成することを特徴とするものでもある。
このようにすれば、前述した電解研磨によるディンプル加工方法の場合と同様に、マスキングシートの穴明き部分に露出するボアの内周面を化学的に腐食させて微小窪みを形成することが可能となり、前記マスキングシートにショットブラストに用いる場合の如き高い強度が求められなくなるので、前記マスキングシートの作成にコストの高いプラスチック板を用いなくても済み、前記マスキングシートの加工費が安価に抑えられてコストの大幅な削減化が図られ、しかも、ショットブラストを用いた場合のように加工後に多量の粒子が残存することがないので、多量の粒子を除去するための洗浄が不要となって作業負担の大幅な軽減化が図られ、更には、粒子が残存する不安を完全に払拭することが可能となる。
また、一対のエア膨張式シールを長手方向の二箇所に距離を隔てて外嵌装着したロッド材を使用し、該ロッド材をボア内に挿入して前記各エア膨張式シールにより前記ボアの内部を液密に封止して局所的にエッチングによるディンプル加工を施すことが可能であるので、例えば、大型の重量物であるシリンダブロックのシリンダボア等を対象として簡便にディンプル加工を施すことが可能となる。
しかも、一対のエア膨張式シールを長手方向の二箇所に距離を隔てて外嵌装着したロッド材は、それ自体に機械的な作動部や電気的な駆動部を持たないシンプルな構成で済むことから安価に製作することが可能であり、また、そのセッティングにあたっても単にボア内に挿入して各エア膨張式シールを膨張させるだけで済むので極めて簡便に行うことが可能である。
更に、本発明においては、ボアの内周面に紫外線照射により硬化する感光性ドライフィルムを貼着すると共に、該感光性ドライフィルムの内周面に微小窪みの形成予定位置に合わせて紫外線を遮る模様を付けたパターンフィルムを更に貼着し、前記ボア内に紫外線ランプを挿入して紫外線照射を行い、これにより前記感光性ドライフィルムにおける前記パターンフィルムの模様に相当しない部分を露光により硬化させ、前記パターンフィルムの模様により紫外線を遮られた未露光部分を弱アルカリ溶液による洗浄で溶解除去し、これによりボアの内周面に残存する露光部分をマスキングシートとすることが可能である。
このようにして製作されるマスキングシートは、プラスチック板を穴明け加工して製作される従来のマスキングシートより安価に且つ短時間で製作することが可能であり、微小窪みの形成予定位置を複雑なパターンで設定しても精度良く穴明き部分を形成することが可能であると共に、ボアの内周面への固定も容易に行うことが可能である。
上記した本発明のディンプル加工方法によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
(I)本発明の請求項1,2に記載の発明によれば、マスキングシートの作成にコストの高いプラスチック板を用いなくても済むことからマスキングシートの加工費を安価に抑えて従来よりもコストを大幅に削減することができ、しかも、ショットブラストを用いた場合のように加工後に多量の粒子を除去する必要がないことから作業負担を著しく軽減することもでき、更には、ショットブラストを用いた場合の如き粒子が残存する不安を完全に払拭することもできる。
(II)本発明の請求項1,2に記載の発明によれば、ロッド材をボア内に挿入して各エア膨張式シールにより前記ボアの内部を液密に封止して局所的に電解研磨やエッチングによるディンプル加工を施すことができるので、例えば、大型の重量物であるシリンダブロックのシリンダボア等を対象として簡便にディンプル加工を施すことができ、しかも、前記ロッド材が機械的な作動部や電気的な駆動部を持たないシンプルな構成となっていることから安価に製作することができ、そのセッティングにあたっても極めて簡便に行うことができる。
(III)本発明の請求項3に記載の発明によれば、プラスチック板を穴明け加工して製作される従来のマスキングシートより安価に且つ短時間で製作することができ、微小窪みの形成予定位置を複雑なパターンで設定しても精度良く穴明き部分を形成することができると共に、ボアの内周面への固定も容易に行うことができるので、より一層のコストの削減と作業負担の軽減を図ることができる。
本発明の第一形態例における脱脂洗浄処理工程を示す断面図である。 第一形態例における感光性ドライフィルムの貼着工程を示す断面図である。 第一形態例におけるパターンフィルムの貼着工程を示す断面図である。 第一形態例における紫外線照射工程を示す断面図である。 第一形態例における未露光部分の除去工程を示す断面図である。 第一形態例における各エア膨張式シール間の封止工程を示す断面図である。 図6のロッド材の具体的な構成を示す側面図である。 図7のVIII−VIII方向の矢視図である。 図8のIX−IX矢視の断面図である。 図8のX−X矢視の断面図である。 第一形態例における電解液の注水工程を示す断面図である。 第一形態例における電解研磨工程を示す断面図である。 第一形態例におけるロッド材の引き抜き工程を示す断面図である。 第一形態例におけるマスキングシートの除去工程を示す断面図である。 本発明の第二形態例におけるエッチング工程を示す断面図である。
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1〜図14は本発明の第一形態例を示すもので、ここに図示している例では、エンジンのシリンダブロック(金属部材)におけるシリンダボア(ボア)の内周面にディンプル加工を施す場合を示しており、前記シリンダボアの内周面に多数の微小窪み(ディンプル)を規則的な配置で形成し得るよう以下に詳述する如き手法を採用する。
即ち、本形態例においては、図1に示すように、シリンダブロック1におけるシリンダボア2の内周面に対し、該内周面の汚れや油脂の付着を除去する脱脂洗浄処理を前処理として行い、次いで、図2に示すように、シリンダボア2の内周面に紫外線照射により硬化する感光性ドライフィルム3を貼着し、更には、図3に示すように、前記感光性ドライフィルム3の内周面に微小窪みの形成予定位置に合わせて紫外線を遮る模様を付けたパターンフィルム4を貼着する。ここで、感光性ドライフィルム3やパターンフィルム4を貼着するにあたっては、図示しないラミネーターと称される専用の機械を使用して加熱しながら圧力をかけて熱圧着させるようにすれば良い。
そして、シリンダボア2の内周面に感光性ドライフィルム3及びパターンフィルム4を貼着し終えたら、図4に示すように、前記シリンダボア2内に紫外線ランプ5を挿入して紫外線照射を行い、これにより前記感光性ドライフィルム3における前記パターンフィルム4の模様に相当しない部分を露光して硬化させ、次いで、図5に示すように、前記パターンフィルム4の模様により紫外線を遮られた未露光部分を1%炭酸ソーダ水溶液などの弱アルカリ溶液による洗浄で溶解除去し、これによりシリンダボア2の内周面に残存する露光部分をマスキングシート6とする。
このようにして微小窪みの形成予定位置に合わせて穴明けされたマスキングシート6により前記シリンダボア2の内周面を被覆し終えたら、図6に示すように、一対のエア膨張式シール7,8を長手方向の二箇所に距離を隔てて外嵌装着したロッド材9を前記ボア内に挿入して前記マスキングシート6の穴明き範囲を前記各エア膨張式シール7,8の相互間で挟み、前記ロッド材9の内部を通して供給したエア10により前記各エア膨張式シール7,8を膨張させて該各エア膨張式シール7,8に挟まれた空間を液密に封止する。
ここで、一対のエア膨張式シール7,8を備えたロッド材9の具体的な構成は図7〜図10に示す通りであり、前記ロッド材9の内部に配索された空気流路11が前記各エア膨張式シール7,8の内部に対し空気給排口7a,8aを介して連通しており、該各空気給排口7a,8a及び前記空気流路11を介して前記各エア膨張式シール7,8にエア10が吸排されるようになっている。
また、前記各エア膨張式シール7,8に挟まれたロッド材9の複数箇所に注水口12aと排水口13aとが夫々開口されており、前記ロッド材9の内部に配索された注水流路12が前記各注水口12aに接続され、前記ロッド材9の内部に配索された排水流路13が前記各排水口13aに接続されるようになっている。
依って、図11に示すように、前記注水流路12から前記各注水口12aへ電解液14を注水しながら同時に前記排水口13aより前記排水流路13への排水を行うと、シリンダボア2内における各エア膨張式シール7,8に挟まれた空間が電解液14により満たされるので、斯かる電解液14の循環を継続したままにして、図12に示すように、前記ロッド材9側を陰極とし且つ前記シリンダブロック1側を陽極として両者間に電源15からの直流電流を流すと、前記マスキングシート6の穴明き部分に露出するシリンダボア2の内周面に対し電解研磨が施されて微小窪み16(ディンプル)が形成されることになる。
尚、このようにして微小窪み16が形成されることでディンプル加工が完了したら、電解液14の循環を停止し、図13に示すように、各エア膨張式シール7,8のエア10を各空気給排口7a,8a及び空気流路11を通して抜き出すことにより前記各エア膨張式シール7,8を収縮させ、これにより該各エア膨張式シール7,8の相互間の電解液14を排水すると共に、ロッド材9をシリンダボア2内から抜き出すようにすれば良い。
そして、図14に示すように、最後に3%苛性ソーダ水溶液などの弱アルカリ溶液による洗浄でマスキングシート6(露光部分:図13参照)を剥離除去すると、多数の微小窪み16を規則的な配置で内周面に形成されたシリンダボア2が得られる。
而して、以上の如くしてディンプル加工を行えば、マスキングシート6の穴明き部分に露出するシリンダボア2の内周面に対し電解研磨を施して微小窪み16を形成することが可能となり、前記マスキングシート6にショットブラストに用いる場合の如き高い強度が求められなくなるので、前記マスキングシート6の作成にコストの高いプラスチック板を用いなくても済み、前記マスキングシート6の加工費が安価に抑えられてコストの大幅な削減化が図られ、しかも、ショットブラストを用いた場合のように加工後に多量の粒子が残存することがないので、多量の粒子を除去するための洗浄が不要となって作業負担の大幅な軽減化が図られ、更には、粒子が残存する不安を完全に払拭することが可能となる。
また、一対のエア膨張式シール7,8を長手方向の二箇所に距離を隔てて外嵌装着したロッド材9を使用し、該ロッド材9をシリンダボア2内に挿入して前記各エア膨張式シール7,8により前記シリンダボア2の内部を液密に封止して局所的に電解研磨によるディンプル加工を施すことができるので、大型の重量物であるシリンダブロック1のシリンダボア2を対象として簡便にディンプル加工を施すことができる。
しかも、一対のエア膨張式シール7,8を長手方向の二箇所に距離を隔てて外嵌装着したロッド材9は、それ自体に機械的な作動部や電気的な駆動部を持たないシンプルな構成で済むことから安価に製作することが可能であり、また、そのセッティングにあたっても単にシリンダボア2内に挿入して各エア膨張式シール7,8を膨張させるだけで済むので極めて簡便に行うことができる。
特に本形態例においては、シリンダボア2の内周面に紫外線照射により硬化する感光性ドライフィルム3を貼着すると共に、該感光性ドライフィルム3の内周面に微小窪み16の形成予定位置に合わせて紫外線を遮る模様を付けたパターンフィルム4を更に貼着し、前記シリンダボア2内に紫外線ランプ5を挿入して紫外線照射を行い、これにより前記感光性ドライフィルム3における前記パターンフィルム4の模様に相当しない部分を露光により硬化させ、前記パターンフィルム4の模様により紫外線を遮られた未露光部分を弱アルカリ溶液による洗浄で溶解除去し、これによりシリンダボア2の内周面に残存する露光部分をマスキングシート6としているので、プラスチック板を穴明け加工して製作される従来のマスキングシート6より安価に且つ短時間で製作することが可能であり、微小窪み16の形成予定位置を複雑なパターンで設定しても精度良く穴明き部分を形成することが可能であると共に、シリンダボア2の内周面への固定も容易に行うことが可能であり、より一層のコストの削減と作業負担の軽減を図ることができる。
また、前述の図1〜図14を用いて説明した第一形態例においては、各エア膨張式シール7,8に挟まれた空間を電解液14で満たし、前記ロッド材9側を陰極とし且つ前記シリンダブロック1側を陽極として両者間に直流電流を流し、これにより前記マスキングシート6の穴明き部分に露出するシリンダボア2の内周面に対し電解研磨を施して微小窪み16を形成するようにしているが、図15に第二形態例を示すように、各エア膨張式シール7,8に挟まれた空間をエッチング液17で満たし、これにより前記マスキングシート6の穴明き部分に露出するシリンダボア2の内周面に対しエッチングを施して微小窪み16を形成するようにすることも可能である。
即ち、図1〜図14の第一形態例で用いたものと同じロッド材9を使用し、該ロッド材9をシリンダボア2内に挿入してマスキングシート6の穴明き範囲を各エア膨張式シール7,8の相互間で挟み、前記ロッド材9の内部を通して供給したエア10により前記各エア膨張式シール7,8を膨張させて該各エア膨張式シール7,8に挟まれた空間を液密に封止するまでの工程(図1〜図6の工程)を同様に行うが、次の工程では、ロッド材9の内部の注水流路12から前記各注水口12aへエッチング液17を注水しながら同時に前記排水口13aより前記排水流路13への排水を行い、これによりシリンダボア2内における各エア膨張式シール7,8に挟まれた空間をエッチング液17により満たし、斯かるエッチング液17の循環を継続して前記マスキングシート6の穴明き部分に露出するシリンダボア2の内周面にエッチングを施す(図15参照)。
このようにすれば、前述した図1〜図14の第一形態例における電解研磨によるディンプル加工方法の場合と同様に、マスキングシート6の穴明き部分に露出するシリンダボア2の内周面を化学的に腐食させて微小窪み16を形成することが可能となり、前記マスキングシート6にショットブラストに用いる場合の如き高い強度が求められなくなるので、前記マスキングシート6の作成にコストの高いプラスチック板を用いなくても済み、前記マスキングシート6の加工費が安価に抑えられてコストの大幅な削減化が図られ、しかも、ショットブラストを用いた場合のように加工後に多量の粒子が残存することがないので、多量の粒子を除去するための洗浄が不要となって作業負担の大幅な軽減化が図られ、更には、粒子が残存する不安を完全に払拭することが可能となる。
また、一対のエア膨張式シール7,8を長手方向の二箇所に距離を隔てて外嵌装着したロッド材9を使用し、該ロッド材9をシリンダボア2内に挿入して前記各エア膨張式シール7,8により前記シリンダボア2の内部を液密に封止して局所的にエッチングによるディンプル加工を施すことが可能であるので、大型の重量物であるシリンダブロック1のシリンダボア2等を対象として簡便にディンプル加工を施すことができる。
しかも、一対のエア膨張式シール7,8を長手方向の二箇所に距離を隔てて外嵌装着したロッド材9は、それ自体に機械的な作動部や電気的な駆動部を持たないシンプルな構成で済むことから安価に製作することが可能であり、また、そのセッティングにあたっても単にシリンダボア2内に挿入して各エア膨張式シール7,8を膨張させるだけで済むので極めて簡便に行うことが可能であるので、より一層のコストの削減と作業負担の軽減を図ることができる。
尚、本発明のディンプル加工方法は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、金属部材は必ずしもエンジンのシリンダブロックでなくても良く、そこに形成されるボアも必ずしもシリンダボアに限定されないこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 シリンダブロック(金属部材)
2 シリンダボア(ボア)
3 感光性ドライフィルム
4 パターンフィルム
5 紫外線ランプ
6 マスキングシート
7 エア膨張式シール
7a 空気給排口
8 エア膨張式シール
8a 空気給排口
9 ロッド材
10 エア
14 電解液
16 微小窪み
17 エッチング液

Claims (3)

  1. 金属部材に形成されたボアの内周面に多数の微小窪みを規則的な配置で形成するためのディンプル加工方法であって、微小窪みの形成予定位置に合わせて穴明けされたマスキングシートにより前記ボアの内周面を被覆し、一対のエア膨張式シールを長手方向の二箇所に距離を隔てて外嵌装着したロッド材を前記ボア内に挿入して前記マスキングシートの穴明き範囲を前記各エア膨張式シールの相互間で挟み、前記ロッド材の内部を通して供給したエアにより前記各エア膨張式シールを膨張させて該各エア膨張式シールに挟まれた空間を液密に封止し、次いで、前記ロッド材の内部を通して供給した電解液により前記各エア膨張式シールに挟まれた空間を満たし、前記ロッド材側を陰極とし且つ前記金属部材側を陽極として両者間に直流電流を流し、これにより前記マスキングシートの穴明き部分に露出するボアの内周面に対し電解研磨を施して微小窪みを形成することを特徴とするディンプル加工方法。
  2. 金属部材に形成されたボアの内周面に多数の微小窪みを規則的な配置で形成するためのディンプル加工方法であって、微小窪みの形成予定位置に合わせて穴明けされたマスキングシートにより前記ボアの内周面を被覆し、一対のエア膨張式シールを長手方向の二箇所に距離を隔てて外嵌装着したロッド材を前記ボア内に挿入して前記マスキングシートの穴明き範囲を前記各エア膨張式シールの相互間で挟み、前記ロッド材の内部を通して供給したエアにより前記各エア膨張式シールを膨張させて該各エア膨張式シールに挟まれた空間を液密に封止し、次いで、前記ロッド材の内部を通して供給したエッチング液により前記各エア膨張式シールに挟まれた空間を満たし、これにより前記マスキングシートの穴明き部分に露出するボアの内周面に対しエッチングを施して微小窪みを形成することを特徴とするディンプル加工方法。
  3. ボアの内周面に紫外線照射により硬化する感光性ドライフィルムを貼着すると共に、該感光性ドライフィルムの内周面に微小窪みの形成予定位置に合わせて紫外線を遮る模様を付けたパターンフィルムを更に貼着し、前記ボア内に紫外線ランプを挿入して紫外線照射を行い、これにより前記感光性ドライフィルムにおける前記パターンフィルムの模様に相当しない部分を露光により硬化させ、前記パターンフィルムの模様により紫外線を遮られた未露光部分を弱アルカリ溶液による洗浄で溶解除去し、これによりボアの内周面に残存する露光部分をマスキングシートとすることを特徴とする請求項1又は2に記載のディンプル加工方法。
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