JP2014187253A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱した処理液を基板に吐出し、かつ、基板に接触する処理液の温度ムラを抑制できる基板処理装置および基板処理方法を提供する。
【解決手段】この基板処理装置1は、基板9を略水平に保持する保持部5と、基板9の表面に加熱した処理液を供給する処理液供給部2と、処理液の表面に処理液の溶媒蒸気を含む気体を供給する蒸気供給部3とを備える。処理液供給部2から供給され、基板9上に広がる処理液の表面に溶媒蒸気が接することにより、処理液からの溶媒の蒸発が抑制される。これにより、蒸発潜熱による処理液の温度低下が抑制される。その結果、基板9に接触する処理液の温度ムラを抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板の表面に処理液を供給する基板処理装置および基板処理方法に関する。
半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、PDP用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、カラーフィルタ用基板、記録ディスク用基板、太陽電池用基板、電子ペーパー用基板などの精密電子装置用基板の製造工程は、エッチング工程、レジスト剥離工程、洗浄工程のように、基板の表面に種々の処理液を供給する工程を含む。
基板の表面に処理液を供給する基板処理装置については、例えば、特許文献1に開示されている。
特開2012−164949号公報
この種の基板処理装置では、基板の表面に処理液を供給する時に、高温の処理液を用いる場合がある。例えば、特許文献1には、エッチングの際に、60℃に温度調整されたフッ酸とエチレングリコールとを含む混合溶液を処理液として使用することが開示されている(段落0050)。また、特許文献1には、120℃〜160℃のリン酸水溶液を処理液として使用する例も挙げられている(段落0002)。
しかしながら、高温の処理液を基板の表面の所定の供給位置に供給する場合、当該供給位置では処理液の温度が高温であるのに対し、供給位置から離れるにつれ、処理液の温度が下がる。このように、基板に接触する処理液の温度にムラができると、基板の表面全体において均一な処理を行うことが困難となる。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、加熱した処理液を基板に吐出し、かつ、基板に接触する処理液の温度ムラを抑制できる基板処理装置および基板処理方法を提供することを、目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、基板を略水平に保持する保持部と、前記基板の表面に加熱した処理液を供給する処理液供給部と、前記処理液の表面に前記処理液の溶媒蒸気を含む気体を供給する蒸気供給部と、を備える基板処理装置である。
本願の第2発明は、第1発明の基板処理装置において、前記蒸気供給部は、前記溶媒の飽和蒸気を供給する。
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の基板処理装置において、前記蒸気供給部は、加熱した前記気体を供給する。
本願の第4発明は、第1発明から第3発明までのいずれの基板処理装置において、前記保持部は、前記基板を回転させる回転機構を有する。
本願の第5発明は、第1発明から第4発明までのいずれかの基板処理装置において、前記処理液供給部は、前記処理液を前記基板の表面に吐出する処理液供給ノズルを有し、前記蒸気供給部は、前記気体を前記基板の表面に吐出する蒸気供給ノズルを有し、前記処理液供給ノズルと前記蒸気供給ノズルとは、近接して配置される。
本願の第6発明は、第5発明の基板処理装置において、前記処理液供給ノズルおよび前記蒸気供給ノズルは、前記処理液および前記気体を、前記基板の表面の略中央に向けて吐出する。
本願の第7発明は、第5発明または第6発明の基板処理装置において、前記処理液供給ノズルは、前記処理液を、前記基板の表面の略中央の第1吐出位置に向けて吐出し、前記蒸気供給ノズルは、前記気体を、前記第1吐出位置を取り囲む複数または環状の第2吐出位置に向けて吐出する。
本願の第8発明は、第1発明から第7発明までのいずれかの基板処理装置において、前記気体の流れを前記処理液の表面に沿って案内する案内板をさらに備える。
本願の第9発明は、第5発明から第7発明までのいずれかの基板処理装置において、前記気体の流れを前記処理液の表面に沿って案内する案内気体を供給する、案内気体供給ノズルをさらに備える。
本願の第10発明は、第1発明から第9発明までのいずれかの基板処理装置において、前記基板を略気密に収容する、収容容器をさらに備え、前記蒸気供給部から供給された前記気体が、前記収容容器内に充満する。
本願の第11発明は、略水平に保持された基板の表面に、加熱した処理液と、前記処理液の溶媒蒸気を含む気体とを、同時に供給する、基板処理方法である。
本願の第1発明から第10発明によれば、基板上に広がる処理液の表面から、溶媒が蒸発するのが抑制される。これにより、蒸発潜熱による処理液の温度低下を抑制できる。その結果、基板に接触する処理液の温度ムラを抑制できる。
特に、本願の第2発明によれば、処理液の表面から溶媒が蒸発するのをさらに抑制できる。これにより、蒸発潜熱による処理液の温度低下をさらに抑制できる。
特に、本願の第3発明によれば、処理液に接触する気体への熱伝達による処理液の温度低下を抑制できる。これにより、処理液の温度低下をさらに抑制できる。
特に、本願の第5発明から第10発明によれば、基板上に広がる処理液の表面に、溶媒蒸気を含む気体をより確実に供給できる。これにより、処理液の表面から、溶媒が蒸発するのを、より確実に抑制できる。
本願の第11発明によれば、基板上に広がる処理液の表面から、溶媒が蒸発するのが抑制される。これにより、蒸発潜熱による処理液の温度低下を抑制できる。その結果、基板に接触する処理液の温度ムラを抑制できる。
基板処理装置の構成を示した縦断面図である。 基板処理装置の主な制御機構を示すブロック図である。 基板処理の流れを示したフローチャートである。 基板処理の様子を模式的に示した概略図である。 実験およびシミュレーションの結果を示した図である。 実験およびシミュレーションの結果を示した図である。 一変形例にかかる基板処理装置における基板処理の様子を模式的に示した概略図である。 一変形例にかかる基板処理装置における基板処理の様子を模式的に示した概略図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
<1.一実施形態に係る基板処理装置>
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1の構成を示した縦断面図である。図2は、基板処理装置1の主な制御機構を示すブロック図である。この基板処理装置1は、半導体の製造工程において、半導体ウエハ9の表面に処理液を吐出して、エッチング等の処理を行う装置である。
図1および図2に示すように、本実施形態の基板処理装置1は、処理液供給部2、蒸気供給部3、保持部5、排液捕集部6、収容容器7、および制御部10を備えている。
保持部5は、略円板状の基板である半導体ウエハ9を、略水平に保持する機構である。保持部5は、略円板状のベース部51と、ベース部51の上面に設けられた複数のチャックピン52と、ベース部51を回転させる回転機構53とを有する。
複数のチャックピン52は、ベース部51の周縁部付近の上面に、等角度間隔で配置されている。半導体ウエハ9は、パターンが形成されるデバイス領域を上面側に向けた状態で、チャックピン52に保持される。各チャックピン52は、半導体ウエハ9の周縁部の下面および外周端面に接触し、ベース部51の上面から空隙を介して上方の位置に、半導体ウエハ9を支持する。
保持部5は、半導体ウエハ9の略中心と回転機構53の中心軸55とが重なるように、半導体ウエハ9を保持する。回転機構53は、例えば、モータにより実現できる。回転機構53を動作させると、ベース部51、チャックピン52、および半導体ウエハ9が、中心軸55を中心として回転する。
処理液供給部2は、処理液供給ノズル21、第1配管22、ヒータ23、処理液供給源24、および第1開閉弁25を有する。処理液供給ノズル21は、保持部5に保持された半導体ウエハ9の上面に、処理液を吐出するためのノズルである。
処理液供給ノズル21は、第1配管22を介して、処理液供給源24と流路接続されている。第1配管22の経路途中には、第1開閉弁25が介挿されている。また、処理液供給源24と第1開閉弁25との間には、ヒータ23が設けられている。このため、第1開閉弁25を開放すると、処理液供給源24から供給され、ヒータ23で加熱された処理液が、処理液供給ノズル21に供給される。そして、処理液供給ノズル21から半導体ウエハ9の上面に、加熱され、高温となった処理液が吐出される。ここで、高温とは、収容容器7内の雰囲気温度よりも高い温度を表す。
本実施形態の処理液供給ノズル21は、半導体ウエハ9の略中央付近の上方に配置される。処理液が吐出される半導体ウエハ9上の位置を「第1吐出位置」とすると、本実施形態の第1吐出位置は、半導体ウエハ9の略中央、すなわち、保持部5の中心軸55と重なる位置である。このため、処理液供給ノズル21から処理液を吐出しつつ、半導体ウエハ9を回転させると、半導体ウエハ9の上面の全体に、満遍なく処理液を供給することができる。
なお、処理液としては、処理の内容によって様々な種類の処理液が用いられる。たとえば、半導体ウエハ9の表面に形成された酸化膜のエッチング処理を行う場合には、処理液として、希フッ酸、希硫酸、希塩酸などが用いられる。半導体ウエハ9の表面からレジスト膜を剥離する場合には、SPM(硫酸と過酸化水素水の混合液)などが用いられる。半導体ウエハ9の表面に酸化膜を形成する場合には、過酸化水素水やオゾン水などが用いられる。半導体ウエハ9の表面から有機物を除去する場合には、APM(アンモニアと過酸化水素水の混合液)などが用いられる。半導体ウエハ9を純水リンス処理した後の乾燥処理を行う場合には、IPA(イソプロピルアルコール)などが用いられる。
蒸気供給部3は、蒸気供給ノズル31、第2配管32、蒸気発生装置33、第3配管34、第4配管35、窒素供給源36、溶媒供給源37、および第2開閉弁38を有する。蒸気供給ノズル31は、保持部5に保持された半導体ウエハ9の上面に向かって、処理液の溶媒蒸気を吐出するためのノズルである。
本実施形態の蒸気供給ノズル31は、処理液供給ノズル21の周囲を取り囲む円環状のノズルである。このように、処理液供給ノズル21と蒸気供給ノズル31とは、近接して配置される。また、本実施形態では、処理液供給ノズル21および蒸気供給ノズルとは、処理液および溶媒蒸気を、半導体ウエハ9の上面の略中央に向けて吐出する。
蒸気供給ノズル31は、第2配管32を介して、蒸気発生装置33と流路接続されている。第2配管32の経路途中には、第2開閉弁38が介挿されている。
蒸気発生装置33は、処理液供給部2から供給される処理液に含まれる溶媒と同じ溶媒(例えば、希フッ酸、希硫酸、希塩酸等の場合は純水)の蒸気を発生させる装置である。蒸気発生装置33は、第3配管34および第4配管35を介して、それぞれ窒素供給源36および溶媒供給源37と流路接続されている。蒸気発生装置33は、例えば、ヒータ等を用いて、窒素供給源36から供給された窒素ガス中に溶媒供給源37から供給された処理液の溶媒の蒸気を含有させることにより、溶媒蒸気を得る。なお、本実施形態では、溶媒の蒸気を含有させる気体は窒素ガスであるが、空気やアルゴンガスなどの他の気体であってもよい。
処理液供給ノズル21からの処理液の吐出中に、第2開閉弁38を開放すると、蒸気発生装置33から第2配管32を通って蒸気供給ノズル31に、溶媒蒸気が供給される。そして、蒸気供給ノズル31から半導体ウエハ9の上面に向かって溶媒蒸気が吐出される。これにより、半導体ウエハ9の上面に広がる処理液の表面に溶媒蒸気が吐出され、処理液の表面が溶媒蒸気に覆われる。その結果、処理液の表面において、溶媒の蒸発が抑制される。したがって、蒸発潜熱による処理液の温度低下が抑制される。
ここで、溶媒蒸気が吐出される半導体ウエハ9上の位置を「第2吐出位置」とすると、本実施形態の第2吐出位置は、第1吐出位置を取り囲む環状の領域である。これにより、処理液供給ノズル21から供給され、半導体ウエハ9の上面に広がる処理液の表面全体に、満遍なく溶媒蒸気を供給することができる。したがって、処理液の表面からの、溶媒の蒸発が、より抑制される。すなわち、蒸発潜熱による処理液の温度低下が、より抑制される。その結果、半導体ウエハ9の上面に接触する処理液の温度ムラが抑制され、半導体ウエハ9に対して均一な処理を行うことができる。
なお、上記構成に代えて、蒸気供給ノズル31は、第1吐出位置を取り囲む複数の第2吐出位置に向けて、溶媒蒸気を吐出するように配置されていてもよい。その場合であっても、処理液供給ノズル21から供給され、半導体ウエハ9の上面に広がる処理液の表面全体に、満遍なく溶媒蒸気を供給することができる。
なお、本実施形態では、蒸気発生装置33は、溶媒の飽和蒸気を供給する。このため、処理液の表面を、溶媒の飽和蒸気で覆うことができる。これにより、処理液の表面からの溶媒の蒸発がより抑制される。したがって、蒸発潜熱による処理液の温度低下がより抑制される。また、本実施形態では、蒸気発生装置33は、加熱した溶媒蒸気を供給する。これにより、半導体ウエハ9の表面に供給される処理液と、溶媒蒸気との温度差が低減される。したがって、処理液から溶媒蒸気への熱伝達により、処理液の温度が低下するのが抑制される。すなわち、処理液の温度低下がさらに抑制される。
排液捕集部6は、使用後の処理液を回収する部位である。排液捕集部6は、保持部5に保持された半導体ウエハ9を環状に包囲するカップ61と、カップ61の底部に流路接続された第5配管62とを有する。処理液供給ノズル21から吐出された処理液は、半導体ウエハ9に供給された後、カップ61の内部に捕集される。その後、処理液は、第5配管62を通って基板処理装置1の外部へ排出され、再生処理または廃棄処理される。
制御部10は、図2に示したように、チャックピン52、回転機構53、第1開閉弁25、第2開閉弁38、ヒータ23、および蒸気発生装置33と、電気的に接続されている。制御部10は、CPU等の演算処理部やメモリを有するコンピュータにより構成されていてもよく、あるいは、電子回路により構成されていてもよい。制御部10は、ユーザの操作、各種の入力信号、または予め設定されたプログラムに従って、チャックピン52、回転機構53、第1開閉弁25、第2開閉弁38、ヒータ23、および蒸気発生装置33の動作を制御する。
なお、上述した処理液供給部2、蒸気供給部3、保持部5、および排液捕集部6は、温度および清浄度が制御された収容容器7の内部に配置される。また、収容容器7の搬入出口を開閉するためのシャッタ機構や、搬入出口を介して半導体ウエハ9を搬入および搬出するための搬送機構も、制御部10により動作制御される。また、基板処理装置1は、このような収容容器7を複数備え、複数枚の半導体ウエハ9を、複数の収容容器7において並列に処理できるものであってもよい。
<2.基板処理について>
続いて、上記の基板処理装置1を用いた半導体ウエハ9の処理について、説明する。図3は、基板処理装置1における基板処理の流れを示したフローチャートである。図4は、基板処理装置1における処理の様子を模式的に示した概略図である。
この基板処理装置1において、半導体ウエハ9の処理を行うときには、制御部10が、基板処理装置1内の各部を動作制御する。これにより、以下の動作が進行する。以下、図1、図3および図4を参照しながら、各部の動作について説明する。
基板処理装置1は、まず、所定の搬送機構によって、半導体ウエハ9を収容容器7の内部に搬入する。また、保持部5の複数のチャックピン52を外側へ開くとともに、ベース部51の上方に、半導体ウエハ9を配置する。そして、複数のチャックピン52を内側へ閉じることにより、所定の搬送機構から保持部5へ、半導体ウエハ9を移載する。半導体ウエハ9は、デバイス面を上面側に向けた水平姿勢で、保持部5に保持される(ステップS1)。
次に、回転機構53を動作させることにより、ベース部51の回転を開始する。これにより、半導体ウエハ9が中心軸55を中心として回転する(ステップS2)。
続いて、基板処理装置1は、ヒータ23および蒸気発生装置33を動作させるとともに、第1開閉弁25および第2開閉弁38を同時に開放する。これにより、処理液供給ノズル21からの加熱した処理液26の吐出と、蒸気供給ノズル31からの溶媒蒸気39の吐出とが、同時に開始する(ステップS3)。処理液26は、処理液供給ノズル21から、半導体ウエハ9の上面に設定された第1吐出位置P1に向けて、吐出される。これにより、半導体ウエハ9の上面に処理液26が広がり、半導体ウエハ9の上面は処理液26で覆われる。また、処理液26の吐出と同時に、溶媒蒸気39は、蒸気供給ノズル31から、半導体ウエハ9の上面に設定された第2吐出位置P2に向けて、吐出される。これにより、処理液26の表面に溶媒蒸気39が広がり、処理液26の表面が溶媒蒸気39に覆われる。
上述の通り、本実施形態では、溶媒蒸気39は、処理液26の溶媒の飽和蒸気である。そのため、処理液26の表面から溶媒蒸気39へと処理液26中の溶媒が蒸発することができない。このように、処理液26の表面において、溶媒の蒸発が抑制される。すなわち、蒸発潜熱による処理液26の温度低下が抑制される。したがって、半導体ウエハ9に接触する処理液の温度ムラを抑制でき、半導体ウエハ9に対し均一な処理を行うことができる。
なお、溶媒蒸気39は処理液26の溶媒の飽和蒸気であることが好ましいが、必ずしも飽和蒸気でなくてもよい。例えば、溶媒蒸気39に含まれる溶媒の蒸気量は、飽和蒸気量の90%程度であってもよい。その場合であっても、蒸気供給ノズル31から溶媒蒸気39を供給しない場合と比べて、処理液26の表面における溶媒の蒸発が大幅に抑制される。
また、上述の通り、本実施形態では、溶媒蒸気39は、加熱されて供給されている。これにより、溶媒蒸気39が加熱されていない場合と比べて、処理液26と溶媒蒸気39との温度差が低減されている。したがって、処理液26から溶媒蒸気39への熱伝達による処理液26の温度低下が抑制される。なお、溶媒蒸気39は、加熱されて供給されることが好ましいが、加熱されていなくてもよい。
基板処理装置1は、このような処理液26および溶媒蒸気39の吐出を、所定時間継続する。その後、基板処理装置1は、第1開閉弁25および第2開閉弁38を同時に閉鎖する。これにより、処理液供給部2からの処理液26の吐出と、蒸気供給部3からの溶媒蒸気39の吐出とを、同時に停止させる(ステップS4)。
その後、基板処理装置1は、回転機構53を停止させることにより、ベース部51の回転を停止する(ステップS5)。
そして、基板処理装置1は、複数のチャックピン52を外側へ開き、所定の搬送機構により、保持部5から基板処理装置1の外部へ、半導体ウエハ9を搬出する(ステップS6)。
この基板処理装置1では、上述したステップS3のように、処理液26および溶媒蒸気39の吐出を、同時に開始する。これにより、溶媒蒸気39が半導体ウエハ9に直接接触するのが抑制されている。仮に、処理液26の吐出開始前に、半導体ウエハ9に溶媒蒸気39が接触した場合、溶媒が凝集し、半導体ウエハ9の上面に溶媒の液滴が付着する虞がある。そうすると、その後処理液26が吐出された時に、半導体ウエハ9の上面に接触する処理液26の溶質濃度にムラが生じる。これに対し、上述したステップS3のように、処理液26および溶媒蒸気39の吐出を同時に開始すれば、半導体ウエハ9の表面における処理のムラを、より抑制できる。
<3.シミュレーション>
上記の実施形態では、処理液を半導体ウエハ9上に吐出する際に、処理液の表面を溶媒蒸気で覆うことによって、処理液の温度低下による温度ムラを抑制した。以下では、処理液の表面からの溶媒の蒸発による蒸発潜熱が処理液の温度低下の主たる原因であることを示すシミュレーション結果について説明する。
<3−1.シミュレーション1>
まず、シミュレーション1について説明する。図5は、実験およびシミュレーション1の結果を示す図である。図5中、実験の結果は丸印により、シミュレーション1の結果は線により示されている。
実験では、処理液供給ノズル21から処理液26を、回転させた半導体ウエハ9の上面の中央に吐出した。処理液26には、フッ酸を使用した。半導体ウエハ9の回転数は、1000rpmである。また、処理液26の流量は毎分2リットル、温度は54.7℃である。収容容器7内の気体の温度は、26.4℃である。なお、蒸気供給部3からの溶媒蒸気の供給はない。当該条件下において、処理液26が吐出される第1吐出位置P1からの距離と、処理液26の温度との関係を計測した。
また、シミュレーション1では、実験と同様の条件において、処理液26から半導体ウエハ9および収容容器7内の気体への熱伝達のみを考慮し、処理液26が吐出される第1吐出位置P1からの距離と、処理液26の温度との関係をシミュレーションにより計算した。
図5に示すように、実験の結果、第1吐出位置P1からの距離が大きくなるにつれ、処理液26の温度が下がった。また、シミュレーション1の結果、第1吐出位置P1からの距離が大きくなるにつれ、処理液26の温度が下がった。しかし、図5に示すように、第1吐出位置P1からの距離が大きくなるにつれ、シミュレーション1における処理液26の温度と、実験結果における処理液26の温度との差が広がっている。
これにより、処理液26から半導体ウエハ9および収容容器7への熱伝達は、処理液26の温度低下の一因であるものの、主な原因ではないものと推測される。
<3−2.シミュレーション2>
次に、シミュレーション2について説明する。図6は、実験およびシミュレーション2の結果を示す図である。図6中、実験の結果は丸印により、シミュレーション2の結果は線により示されている。図6の実験結果は、図5の実験結果と同一である。
シミュレーション2では、実験と同様の条件において、処理液26から半導体ウエハ9および収容容器7内の気体への熱伝達に加え、処理液26の表面からの溶媒の蒸発による蒸発潜熱を考慮し、処理液26の吐出位置からの距離と、処理液26の温度との関係をシミュレーションにより計算した。
図6に示すように、シミュレーション2の結果、第1吐出位置P1からの距離が大きくなるにつれ、処理液26の温度が下がった。また、シミュレーション2における各距離における処理液26の温度と、実験結果における各距離における処理液26の温度とが、近似する値となった。
これにより、第1吐出位置P1から距離が離れるにつれ、処理液26の温度が低下する主な原因は、処理液26の表面からの溶媒の蒸発による蒸発潜熱であるものと考えられる。したがって、処理液表面からの溶媒の蒸発を抑制することにより、処理液の温度ムラを抑制することができると考えられる。
<4.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
図7は、一変形例に係る基板処理装置における、基板処理の様子を模式的に示した概略図である。図7の例では、半導体ウエハ9Aの上方に、案内板71Aが配置されている。案内板71Aは、半導体ウエハ9Aの上面と略平行に広がる下面を有する略円板状の部材である。案内板71Aは、蒸気供給ノズル31Aから吐出された溶媒蒸気39Aの流れを、処理液の表面に沿って案内する。これにより、溶媒蒸気39Aが、効率よく処理液26Aの表面に向かう。その結果、処理液26Aの温度低下をさらに抑制できる。なお、案内板71Aの形状は、溶媒蒸気39Aを処理液26Aの表面に案内するものであれば、他の形状であってもよい。
図8は、他の変形例に係る基板処理装置における、基板処理の様子を模式的に示した概略図である。図8の例の基板処理装置は、案内気体供給ノズル41Bをさらに備える。
案内気体供給ノズル41Bは、蒸気供給ノズル31Bより上方に位置する円環状のノズルである。案内気体供給ノズル41Bは、半導体ウエハ9B上の第3吐出位置P3に向かって、案内気体となる窒素ガスを斜め下向きに吐出する。第3吐出位置P3は、第2吐出位置P2より外側に位置している。これにより、蒸気供給ノズル31Bから吐出した溶媒蒸気39Bの上に、案内気体層42Bが形成される。したがって、溶媒蒸気39Bを含む気体の流れが、処理液26Bの表面に沿って案内される。その結果、溶媒蒸気39Bが処理液26Bの表面から離れるのを抑制できる。したがって、処理液26Bの温度低下をさらに抑制できる。
なお、図8の例では、案内気体は窒素ガスであるが、空気やアルゴンガスなどの他の気体であってもよい。また、図8の例では、案内気体は溶媒の蒸気を含有させる気体と同一の気体であるが、案内気体と、溶媒の蒸気を含有させるガスとが異なる種類の気体であってもよい。また、案内気体は、溶媒蒸気であってもよい。
また、上記の実施形態では、蒸気供給ノズルは、半導体ウエハの表面に広がる処理液の表面に向かって溶媒蒸気を吐出するが、本発明はこれに限られない。例えば、収容容器を略気密に構成するとともに、収容容器内の任意の位置に蒸気供給部を配置し、当該蒸気供給部から供給された溶媒蒸気が収容容器内に充満する構成であってもよい。当該構成においても、半導体ウエハの表面に広がる処理液の表面は溶媒蒸気と接する。これにより、当該表面からの溶媒の蒸発が抑制される。したがって、処理液の温度低下が抑制される。
また、上記の基板処理装置は、半導体ウエハを対象としていたが、本発明の基板処理装置および基板処理方法は、液晶表示装置用ガラス基板、PDP用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、カラーフィルタ用基板、記録ディスク用基板、太陽電池用基板などの他の精密電子装置用基板を、対象とするものであってもよい。
また、上記の実施形態では、処理液供給ノズルが1つであったが、本発明はこれに限られない。基板処理装置が処理液供給ノズルを複数有していてもよい。
また、上記の実施形態では、処理液供給ノズルは、半導体ウエハの略中央付近の上方に固定されたが、本発明はこれに限られない。処理液供給ノズルは、処理液を吐出しながら移動する構成であってもよい。
また、基板処理装置の細部の構成については、本願の各図に示された形状と、相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 基板処理装置
2 処理液供給部
3 蒸気供給部
5 保持部
6 排液捕集部
7 収容容器
9,9A,9B 半導体ウエハ
10 制御部
21 処理液供給ノズル
26,26A,26B 処理液
31,31A,31B 蒸気供給ノズル
33 蒸気発生装置
36 窒素供給源
37 溶媒供給源
39,39A,39B 溶媒蒸気
41B 案内気体供給ノズル
42B 案内気体層
55 中心軸
71A 案内板
P1 第1吐出位置
P2 第2吐出位置
P3 第3吐出位置

Claims (11)

  1. 基板を略水平に保持する保持部と、
    前記基板の表面に加熱した処理液を供給する処理液供給部と、
    前記処理液の表面に前記処理液の溶媒蒸気を含む気体を供給する蒸気供給部と、
    を備える基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記蒸気供給部は、前記溶媒の飽和蒸気を供給する、基板処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の基板処理装置において、
    前記蒸気供給部は、加熱した前記気体を供給する、基板処理装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記保持部は、前記基板を回転させる回転機構を有する、基板処理装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記処理液供給部は、前記処理液を前記基板の表面に吐出する処理液供給ノズルを有し、
    前記蒸気供給部は、前記気体を前記基板の表面に吐出する蒸気供給ノズルを有し、
    前記処理液供給ノズルと前記蒸気供給ノズルとは、近接して配置される、基板処理装置。
  6. 請求項5に記載の基板処理装置において、
    前記処理液供給ノズルおよび前記蒸気供給ノズルは、前記処理液および前記気体を、前記基板の表面の略中央に向けて吐出する、基板処理装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の基板処理装置において、
    前記処理液供給ノズルは、前記処理液を、前記基板の表面の略中央の第1吐出位置に向けて吐出し、
    前記蒸気供給ノズルは、前記気体を、前記第1吐出位置を取り囲む複数または環状の第2吐出位置に向けて吐出する、基板処理装置。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記気体の流れを前記処理液の表面に沿って案内する案内板
    をさらに備える、基板処理装置。
  9. 請求項5から請求項7までのいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記気体の流れを前記処理液の表面に沿って案内する案内気体を供給する、案内気体供給ノズル
    をさらに備える、基板処理装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれかに記載の基板処理装置において、
    前記基板を略気密に収容する、収容容器
    をさらに備え、
    前記蒸気供給部から供給された前記気体が、前記収容容器内に充満する、基板処理装置。
  11. 略水平に保持された基板の表面に、加熱した処理液と、前記処理液の溶媒蒸気を含む気体とを、同時に供給する、基板処理方法。
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