JP2014186830A - シートの載置方法及び積層型電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セパレータを傷つけることなく載置面上の定位置にセパレータを好適に載置することができる。
【解決手段】積層型の電池では、正極シート14と負極シート16との間にセパレータ12が位置するように載置台31上にセパレータ12、正極シート14、及び負極シート16を積層することにより製造される。載置台31の下方に設けられた電極34に電圧を印加することにより同電極34とセパレータ12との間に静電気力を発生させ、この静電気力によってセパレータ12が載置台31上、載置台31上の正極シート14上、或いは載置台31上の負極シート16上の定位置に吸引される。
【選択図】図2
【解決手段】積層型の電池では、正極シート14と負極シート16との間にセパレータ12が位置するように載置台31上にセパレータ12、正極シート14、及び負極シート16を積層することにより製造される。載置台31の下方に設けられた電極34に電圧を印加することにより同電極34とセパレータ12との間に静電気力を発生させ、この静電気力によってセパレータ12が載置台31上、載置台31上の正極シート14上、或いは載置台31上の負極シート16上の定位置に吸引される。
【選択図】図2
Description
本発明は、シートの載置方法及び積層型電池の製造方法に関する。
従来、リチウムイオン二次電池等の積層型電池は、正極シート、負極シート、及びシート状のセパレータを備えている。こうした電池を製造するに際しては、正極シートと負極シートとの間にセパレータが位置するように載置台上にセパレータ、正極シート、及び負極シートを積層することによって積層体が形成される(例えば特許文献1参照)。
また、こうした積層体を形成するに際しては、エアによる負圧を利用した吸引装置によってセパレータを吸引しつつ載置台の直上に向けて搬送し、セパレータが載置台の直上に搬送されると吸引を停止することによりセパレータを載置台に載置する技術がある。
ところが、セパレータは厚さが数十μmと極めて薄く、軽いため、吸引装置による吸引を停止しただけでは吸引装置からセパレータが好適に離れなかったり、離れたとしても載置台上に到達するまでに製造ルーム内の僅かな気流によってセパレータが流されることでセパレータの位置が載置台上の定位置からずれたりするおそれがある。これに対して、機械的にセパレータを押さえ付けることによって吸引装置からセパレータを離そうとすると、セパレータが傷つき、電池の内部で短絡が生じるおそれがある。
本発明の目的は、シートを傷つけることなく載置面上の定位置にシートを好適に載置することができるシートの載置方法及び積層型電池の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するためのシートの載置方法は、載置面上の定位置にシートを載置する方法であって、載置面を挟んで載置対象のシートと反対側に設けられた電極に電圧を印加することにより同電極とシートとの間に静電気力を発生させ、この静電気力によってシートを載置面上の定位置に吸引する。
同方法によれば、静電気力により載置面上の定位置にシートが吸引される。このため、シートを定位置に載置する際にシートに機械的な力を加えなくとも済む。
本発明によれば、シートを傷つけることなく載置面上の定位置にシートを好適に載置することができる。
以下、図1及び図2を参照して、積層型電池の製造方法を具体化した一実施形態について説明する。
図1に示すように、積層型電池としてのリチウムイオン二次電池(以下、単に電池10と称する。)は、正極シート14と負極シート16とを交互に積層し、且つこれら正極シート14と負極シート16との間にセパレータ12を介設することによって形成されている。尚、これらセパレータ12、正極シート14、及び負極シート16の積層体は金属製の外装部材18によって覆われており、セパレータ12には電解質が含浸されている。
図1に示すように、積層型電池としてのリチウムイオン二次電池(以下、単に電池10と称する。)は、正極シート14と負極シート16とを交互に積層し、且つこれら正極シート14と負極シート16との間にセパレータ12を介設することによって形成されている。尚、これらセパレータ12、正極シート14、及び負極シート16の積層体は金属製の外装部材18によって覆われており、セパレータ12には電解質が含浸されている。
正極シート14及び負極シート16はそれぞれリチウム金属酸化物及び炭素系材料によって形成されている。また、セパレータ12は例えばポリプロピレンからなる不織布によって形成されている。これら正極シート14、負極シート16、及びセパレータ12はいずれも矩形状をなしている。また、セパレータ12の厚さは数十μmとされている。
次に、電池10の製造装置、より詳しくは、上記積層体を形成する際にセパレータ12を搬送する搬送装置20及びセパレータ12を載置する載置装置30について説明する。
図2に示すように、搬送装置20は、セパレータ12の形状に対応した矩形形状の下面を有する基台22と、基台22の下面に設けられた複数の電極24と、これら電極24に対して電圧を印加可能な電源装置26とを備えている。また、図示しない駆動機構によって図2(a)に示す吸引位置と、図2(c)に示す離間位置との間で基台22が変位可能とされている。
図2に示すように、搬送装置20は、セパレータ12の形状に対応した矩形形状の下面を有する基台22と、基台22の下面に設けられた複数の電極24と、これら電極24に対して電圧を印加可能な電源装置26とを備えている。また、図示しない駆動機構によって図2(a)に示す吸引位置と、図2(c)に示す離間位置との間で基台22が変位可能とされている。
図2(c)に示すように、載置装置30は、セパレータ12、正極シート14、及び負極シート16を載置する載置台31と、載置台31の下面に設けられ、セパレータ12の形状に対応した矩形形状の上面を有する基台32と、基台32の上面に設けられた複数の電極34と、これら電極34に対して電圧を印加可能な電源装置36とを備えている。
図2(a)に示すように、上記吸引位置とベルトコンベア40との距離は第1距離L1とされており、この距離L1は、ベルトコンベア40上のセパレータ12と電極24との間に好適な静電気力が作用する大きさに設定されている。
図2(a)に示すように、上記離間位置と載置台31との距離は第2距離L2とされており、この距離L2は、搬送装置20の電極24の下面に吸引されているセパレータ12と電極34と間に好適な静電気力が作用する大きさに設定されている。
次に、搬送装置20を用いたセパレータ12の搬送方法及び載置装置30を用いたセパレータ12の載置方法について説明する。
図2(a)に示すように、まず、ベルトコンベア40によって所定期間毎に1枚のセパレータ12が搬送装置20の基台22の直下、すなわち吸引位置の直下に搬送される。このとき、電源装置26により電極24に対して電圧が印加される。このことにより、同図中に矢印にて示すように、電極24とセパレータ12との間にはセパレータ12を電極24に吸引させる静電気力が発生する。
図2(a)に示すように、まず、ベルトコンベア40によって所定期間毎に1枚のセパレータ12が搬送装置20の基台22の直下、すなわち吸引位置の直下に搬送される。このとき、電源装置26により電極24に対して電圧が印加される。このことにより、同図中に矢印にて示すように、電極24とセパレータ12との間にはセパレータ12を電極24に吸引させる静電気力が発生する。
そして、図2(b)に示すように、この静電気力によってセパレータ12が電極24の下面に保持される。
次に、図2(b)に示す吸引位置から、駆動機構によって基台22が矢印H方向に沿って図2(c)に示す載置台31の直上の位置である離間位置に向けて変位される。そして、基台22が離間位置になると、電源装置26による電極24への電圧の印加が停止される。またこのとき、載置装置30の電源装置36により電極34に対して電圧が印加される。このことにより、セパレータ12を電極24に吸引させていた静電気力が低減若しくは消失するとともに、同図中に矢印にて示すように、載置装置30の電極34とセパレータ12との間にはセパレータ12を電極34に吸引させる静電気力が発生する。
次に、図2(b)に示す吸引位置から、駆動機構によって基台22が矢印H方向に沿って図2(c)に示す載置台31の直上の位置である離間位置に向けて変位される。そして、基台22が離間位置になると、電源装置26による電極24への電圧の印加が停止される。またこのとき、載置装置30の電源装置36により電極34に対して電圧が印加される。このことにより、セパレータ12を電極24に吸引させていた静電気力が低減若しくは消失するとともに、同図中に矢印にて示すように、載置装置30の電極34とセパレータ12との間にはセパレータ12を電極34に吸引させる静電気力が発生する。
その結果、この静電気力によって載置台31上に向けてセパレータ12が吸引され、セパレータ12が定位置(この場合は負極シート16上の定位置)に載置される。尚、正極シート14及び負極シート16は搬送装置20とは別の搬送装置によって載置台31上の定位置に載置される。ちなみに、これら正極シート14及び負極シート16の搬送にしてはエアによる負圧によって正極シート14や負極シート16を吸引することもできる。
本実施形態によれば、載置台31上、載置台31上の正極シート14上、或いは載置台31上の負極シート16上に静電気力によりセパレータ12が吸引される。このため、セパレータ12を載置台31上、正極シート14上、或いは負極シート16上の定位置に載置する際にセパレータ12に機械的な力を加えなくとも済む。従って、セパレータ12が傷つけられることなく載置台31上、正極シート14上、或いは負極シート16上の定位置にセパレータ12が好適に載置される。
以上説明した本実施形態に係るシートの載置方法及び積層型電池の製造方法によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)積層型の電池10の製造方法では、電極34に電圧を印加することにより同電極34とセパレータ12との間に静電気力を発生させ、この静電気力によってセパレータ12が載置台31上、載置台31上の正極シート14上、或いは載置台31上の負極シート16上の定位置に吸引される。こうした方法によれば、セパレータ12を傷つけることなく載置台31上、正極シート14上、或いは負極シート16上にセパレータ12を好適に載置することができる。
(1)積層型の電池10の製造方法では、電極34に電圧を印加することにより同電極34とセパレータ12との間に静電気力を発生させ、この静電気力によってセパレータ12が載置台31上、載置台31上の正極シート14上、或いは載置台31上の負極シート16上の定位置に吸引される。こうした方法によれば、セパレータ12を傷つけることなく載置台31上、正極シート14上、或いは負極シート16上にセパレータ12を好適に載置することができる。
(2)搬送装置20によってセパレータ12が離間位置に搬送された後、電極34にセパレータ12が吸引されるように電極34に電圧が印加される。こうした方法によれば、搬送装置20によるセパレータ12の搬送途中に静電気力によって載置台31上の定位置にセパレータ12が吸引されることがない。このため、搬送途中に電極34による静電気力が発生することに起因して搬送装置20の電極24に対するセパレータ12の位置ずれの発生が抑制される。従って、離間位置にあるセパレータ12に対して好適に静電気力を作用させることができ、上記定位置にセパレータ12を好適に載置することができる。
(3)搬送装置20の電極24に電圧を印加することにより同電極24とセパレータ12との間に静電気力を発生させ、この静電気力によってセパレータ12が吸引されつつ搬送される。こうした方法によれば、不織布からなり通気性の高いセパレータ12を容易に吸引することができ、セパレータ12を好適に搬送することができる。
尚、本発明に係るシートの載置方法及び積層型電池の製造方法は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・ニッケルカドミウム二次電池等、リチウムイオン二次電池以外の他の電池の製造方法に対して本発明を適用することもできる。
・上記実施形態では、基台22が離間位置になると、電源装置26による電極24への電圧の印加を停止するようにした。これに代えて、それまで印加されていた電圧とは逆の電圧、例えばそれまでプラスの電圧が印加されていたのであればマイナスの電圧を印加することにより電極24とセパレータ12との間に静電気力を発生させ、この静電気力によってセパレータ12を電極24から遠ざけるようにすることもできる。
・上記実施形態では、基台22が離間位置になると、電源装置26による電極24への電圧の印加を停止するようにした。これに代えて、それまで印加されていた電圧とは逆の電圧、例えばそれまでプラスの電圧が印加されていたのであればマイナスの電圧を印加することにより電極24とセパレータ12との間に静電気力を発生させ、この静電気力によってセパレータ12を電極24から遠ざけるようにすることもできる。
・載置装置の電極を載置台の内部に設けるようにすることもできる。要するに、電極は、載置面を挟んで載置対象のシートと反対側に設けられているものであればよい。
・セパレータを不織布以外の多孔体によって形成することもできる。
・セパレータを不織布以外の多孔体によって形成することもできる。
・搬送装置は静電気力によってセパレータ12を吸引するものに限られるものではなく、他に例えば、エアによる負圧を利用してシートを吸引するものであってもよい。
・本発明に係るシートの載置方法は、シートを複数枚積層するものに限られるものではなく、載置面上にシートを1枚だけ載置するものであってもよい。
・本発明に係るシートの載置方法は、シートを複数枚積層するものに限られるものではなく、載置面上にシートを1枚だけ載置するものであってもよい。
・本発明に係るシートの載置方法の適用対象は電池10の製造方法に限定されない。他に例えば、金属薄膜や樹脂薄膜を載置面上の定位置に載置する際に用いることもできる。
10…電池、12…セパレータ、14…正極シート、16…負極シート、18…外装部材、20…搬送装置、22…基台、24…電極、26…電源装置、30…載置装置、31…載置台、32…基台、34…電極、36…電源装置、40…ベルトコンベア。
Claims (5)
- 載置面上の定位置にシートを載置する方法であって、
載置面を挟んで載置対象のシートと反対側に設けられた電極に電圧を印加することにより同電極とシートとの間に静電気力を発生させ、この静電気力によってシートを載置面上の定位置に吸引する、
シートの載置方法。 - 載置面上の定位置から載置面に直交する方向に所定の距離だけ離間した離間位置に搬送装置によりシートが搬送された後、前記電極にシートが吸引されるように前記電極に電圧を印加する、
請求項1に記載のシートの載置方法。 - 搬送装置は電極を備えており、
搬送装置の電極に電圧を印加することにより同電極とシートとの間に静電気力を発生させ、この静電気力によってシートを吸引しつつ搬送する、
請求項2に記載のシートの載置方法。 - シートは不織布からなる、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のシートの載置方法。 - 正極シートと負極シートとの間にセパレータが位置するように載置台上にセパレータ、正極シート、及び負極シートを積層することにより電池を製造する積層型電池の製造方法であって、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のシートの載置方法により、載置台上、載置台上の正極シート上、或いは載置台上の負極シート上にシートとしてのセパレータを載置する、
積層型電池の製造方法。
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